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    <title>法人別リリース</title>
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        <title>魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608274835</link>
        <pubDate>Mon, 31 Aug 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる ～体内受精魚では、精子の長さがより均一であることを解明～ 琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月31日&lt;br /&gt;


琉球大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪公立大学&lt;br /&gt;

魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる&lt;br&gt;～体内受精魚では、精子の長さがより均一であることを解明～ 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 昌哉 准教授、岐阜大学教育学部の古屋 康則 教授、大阪公立大学大学院理学研究科の安房田 智司 教授らの研究チームによる研究成果が国際学術雑誌「Journal of Evolutionary Biology」誌に掲載されました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆成果：海産魚類11種を比較し、体内で受精する種では、体外で受精する種よりも雄間および同じ雄の精子間における精子長のばらつきが小さいことを明らかにしました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆新規性：精子の平均的な形や大きさだけでなく、種間の違いに加えて、同じ種における雄個体間、および同一雄がつくる精子間のばらつきに着目し、受精様式や精子競争との関係性を示した点に新規性があります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆社会的意義：精子形成に働く進化的な選択や精子自体の品質管理の仕組みを理解する手がかりとなり、魚類の繁殖戦略や生殖形質の多様化を解明する研究への発展が期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
研究の背景 
　精子は卵に到達して受精するという機能に特化した生殖細胞で、頭部、中片、鞭毛という共通の基本構造を持ちます（図1）。受精という生物共通の役割を担う一方、その長さや形、運動性は種によって大きく異なります。こうした多様性がどのような繁殖環境で進化したのかを明らかにすることは、繁殖戦略や性選択（注1）の理解に重要です。この多様性には、体外受精・体内受精といった受精様式や、複数の雄の精子が受精をめぐって競う精子競争（注2）が関係すると考えられています。しかし、哺乳類は体内受精、カエル類の多くは体外受精であるように、受精様式は分類群ごとに大きく偏っています。そのため、受精様式の異なる種を比較しようとすると、系統的に大きく離れた分類群同士の比較になりやすく、繁殖行動や生殖器官の構造など、受精様式以外の違いも結果に影響します。このため、受精様式そのものが精子に与える影響を十分に調べることはできていませんでした。&lt;br /&gt; 
　魚類には、近縁種の間でも体外受精と体内受精の両方がみられる分類群があります。研究チームはこの点に着目し、先行研究では、受精様式と精子競争レベルの異なる種を比較し、受精様式は精子全長ではなく頭部長と関連すること、精子競争が強い種ほど精子が長いことをこれまで明らかにしてきました（ Ito et al. 2021, Journal of Zoology, Ito et al. 2022, Ecology and Evolution ）。&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
図1　精子の模式図&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
研究の内容 
　本研究では、さらに精子の平均的な形質だけでなく、その「ばらつき」に着目しました。琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 昌哉 准教授、大阪公立大学大学院理学研究科の奥野 聖也 助教、筑波大学下田臨海実験センターの稲葉 一男 教授、柴 小菊 助教（現・お茶の水女子大学湾岸生物教育研究所准教授）、岐阜大学教育学部の古屋 康則 教授、ダイビングサービスF.WAVEの本間 光雄 氏、大阪公立大学大学院理学研究科の安房田 智司 教授らの研究チームは、受精様式と精子競争の程度が異なる海産魚11種を対象に（表1）、精子形質（精子全長、鞭毛長、頭部長、頭部幅、中片長、中片幅、精子の遊泳速度）を測定しました。そして、雄同士の違いである「雄間のばらつき」と、同じ雄がつくる精子同士の違いである「雄内のばらつき」を分けて解析しました。解析には、種間の系統関係、雄間差、測定数の違いを同時に扱えるベイズ階層モデル（注3）を用いました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
表1　研究に使用した魚種、その受精様式、および配偶様式から予測される精子競争レベル。&lt;br /&gt; 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 近縁種グループ 
 分類群 
 種名 
 受精様式 
 精子競争 レベル*1 
 
 
 1. スズキ系魚類の一群・Ovalentariaの仲間（最新の分類ではギンポ目)&lt;br /&gt;  
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 クマノミ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 低 
 
 
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 スズメダイ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 ナガサキスズメダイ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 ウミタナゴ科&lt;br /&gt;  
 ウミタナゴ&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 高 
 
 
 2. スズキ目・カサゴ亜目の仲間&lt;br /&gt; &amp;nbsp;&lt;br /&gt;  
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 キリンミノ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 低 
 
 
 オニオコゼ科&lt;br /&gt;  
 ハオコゼ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 高 
 
 
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 シロメバル&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 中 
 
 
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 カサゴ&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 高 
 
 
 3. スズキ目・トゲウオ亜目の仲間&lt;br /&gt;  
 クダヤガラ科&lt;br /&gt;  
 Tubesnout&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 シワイカナゴ科&lt;br /&gt;  
 シワイカナゴ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 高 
 
 
 クダヤガラ科&lt;br /&gt;  
 クダヤガラ&lt;br /&gt;  
 体内配偶子会合*2 
 中 
 
 
 
*1　精子競争レベルは一夫一妻、乱婚などの配偶様式やスニーカー（こっそり繁殖に参加する雄）の有無、繁殖場所の雄の密度などから推定した。&lt;br /&gt; 
*2　クダヤガラでは、交尾によって精子が雌の体内へ送り込まれ、精子と卵が雌体内で接触するが最終的な受精は卵が海水中へ産み出された後に成立する。この特殊な受精様式は「体内配偶子会合」と呼ばれる。本研究では、精子が雌の体内環境を経験するという点に基づき、体内配偶子会合を示すクダヤガラを解析上、体内受精種と同じグループに含めた。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　その結果、体内受精種では体外受精種より、雄間・雄内のいずれにおいても精子全長のばらつきが小さく、より均一であることが分かりました（図2）。雄内のばらつきについては、精子全長のみならず中片長を除くすべての測定項目で体内受精種の方が小さいことが分かりました。体外受精種は全体としてはばらつきが大きいものの、精子競争が強いほど精子全長のばらつきが小さくなることが示されました（図2）。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
 図2　受精様式および精子競争レベルと精子全長のばらつきの関係。 &lt;br /&gt; 
系統関係および個体差を考慮したベイズ階層モデルによる推定値を示す。（a）雄間のばらつき。（b）雄内のばらつき。青色は体外受精種、赤色は体内受精種を表す。点は推定値、エラーバーは95％信用区間を示す。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　さらに、精子形質間でばらつきの大きさを比較したところ、雄間・雄内のいずれにおいても、精子全長と鞭毛長のばらつきが最も小さいことが分かりました（図3）。また、各精子形質のばらつきの大小には雄間と雄内で共通した傾向がみられ、雄間でばらつきの大きい形質は、雄内でもおおむねばらつきが大きいことが分かりました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
図3　精子形質によるばらつきの大きさの違い。&lt;br /&gt; 
（a）雄間のばらつき。（b）雄内のばらつき。（c）各精子形質における雄間のばらつきと雄内のばらつきの関係。点は推定値、エラーバーは95％信用区間を示す。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　これらの結果から、体内受精種では、受精に適した一定の精子形態を保つ安定化選択（注4）が働き、とくに精子全長や鞭毛長が強い選択を受けている可能性が示唆されました。今回調べた体外受精種では、精子は卵に直接放出され、比較的短い距離と時間のうちに受精が起こります。体外受精においても、卵に到達して受精するうえで有利な精子形態があると考えられますが、精子競争が弱い場合、形態の違いが受精成功を左右する程度が相対的に小さく、より幅広い形態の精子が受精に寄与できる可能性があります。一方、体内受精では、精子は雌の生殖器官内を移動するため、その環境に適さない形態の精子は受精しにくく、長期的には進化の過程で規格外の精子は淘汰され、ばらつきが減少した可能性があります。&lt;br /&gt; 
　また、体外受精種において、精子競争が強いほど精子全長のばらつきが小さかったことは、精子競争によって均一な精子をつくる方向に選択が働くとする、これまでの研究とも整合します。また、雄内でのばらつきが小さいことは、精子形成の過程で形をそろえる仕組み、すなわち品質管理がより厳密である可能性を示しています。さらに、雄間と雄内で形質ごとのばらつきに共通した傾向がみられたことから、精子の各部位の長さを調節する発生過程や遺伝的な制御などが、両方のばらつきに関係している可能性が考えられますが、その具体的な仕組みは今後の検証課題です。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
社会的意義と今後の展望 
　これまで、精子形質のばらつきと精子競争の関係は、主に哺乳類や鳥類などの体内受精動物で研究されてきました。本研究は、体外受精種と体内受精種を含む近縁な海産魚類を対象に、精子形質のばらつきを雄間と雄内に分け、受精様式と精子競争の影響を同時に検証した点に新規性があります。今後、対象を他の魚類へ広げるとともに、遺伝子発現や精子形成過程も調べることで、受精様式の変化に伴う生物の適応進化の一般則や、その分子メカニズムの解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
用語解説 
（注1）性選択： 繁殖をめぐる競争を通じて、配偶相手を獲得したり、受精を成功させたりするうえで有利な形質が、世代を重ねるなかで進化すること。求愛行動や体の装飾だけでなく、精子の形や運動性も性選択の影響を受けることがあります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注2）精子競争：複数の雄の精子が、同じ卵の受精をめぐって競争する現象。精子競争が強い種では、より多くの精子を生産することや、速く泳ぐ精子をつくることなど、受精の成功率を高める形質が進化する場合があることが知られています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注3）ベイズ階層モデル：個体差や種差など、複数の階層からなるデータを同時に扱うことのできる統計手法。各精子を互いに独立したデータとして扱うのではなく、同じ雄や近縁種のデータが似やすいこと、種や雄によって測定数が異なることを考慮して、調べたい要因の影響を推定できます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注4）安定化選択：ある形質について、中間的な値を持つ個体が有利となり、極端な値を持つ個体が相対的に不利になる自然選択です。そのため、安定化選択が働くと、集団内における形質のばらつきが小さくなると考えられます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
論文情報 
(1)　Inter- and intra-male variation in sperm length is associated with fertilization mode in marine fishes&lt;br /&gt; 
(2)　Journal of Evolutionary Biology&lt;br /&gt; 
(3)　Takeshi Ito*, Masaya Morita, Seiya Okuno, Kazuo Inaba, Kogiku Shiba, Yasunori Koya, Mitsuo Homma, Satoshi Awata&lt;br /&gt; 
(4)　DOI番号：10.1093/jeb/voag076&lt;br /&gt; 
(5)　アブストラクトURL：&lt;br /&gt; 
&lt;a href=&quot;https://academic.oup.com/jeb/advance-article-abstract/doi/10.1093/jeb/voag076/8770998&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://academic.oup.com/jeb/advance-article-abstract/doi/10.1093/jeb/voag076/8770998&lt;/a&gt;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608274835/_prw_PI9im_8QH8iB38.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264766</link>
        <pubDate>Mon, 31 Aug 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明 －TG2によるビメンチン架橋が肝臓マクロファージの炎症を制御－ 本研究のポイント ・ 敗血症に伴う肝障害(SALD)（注１）は死亡率が約60%に達...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月31日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
理化学研究所&lt;br /&gt;
東京慈恵会医科大学&lt;br /&gt;
名古屋大学&lt;br /&gt;

敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明 －TG2によるビメンチン架橋が肝臓マクロファージの炎症を制御－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 敗血症に伴う肝障害(SALD)（注１）は死亡率が約60%に達する重篤な病態ですが、有効な分子標的治療法は確立されていません。&lt;br /&gt;
・ 細菌を感知すると、肝臓の免疫細胞であるマクロファージにおいて、酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」（注２）が活性化し、細胞骨格タンパク質「ビメンチン」（注３）を架橋することを発見しました。&lt;br /&gt;
・ 細胞骨格の構造変化がタンパク質品質管理（プロテオスタシス）（注４）を破綻させ、炎症シグナル分子TRAF6（注５）の分解を抑制することで炎症を持続させる新たな分子機構を解明しました。&lt;br /&gt;
・ Rab27a（注５）陽性小胞を介した新たなタンパク質分解機構を発見しました。&lt;br /&gt;
・ TG2阻害により敗血症モデルマウスの炎症と死亡率が改善し、新たな治療戦略となる可能性を示しました。&lt;br /&gt;
 &lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院医学系研究科の秦咸陽特任講師らの研究グループは、理化学研究所環境資源科学研究センター生命分子解析ユニットの堂前直ユニットリーダー、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の古谷裕准教授、名古屋大学大学院創薬科学研究科の辰川英樹助教などとの共同研究により、敗血症に伴う肝障害（sepsis-associated liver dysfunction、SALD）が悪化する新たな分子メカニズムを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　敗血症は感染に対する免疫反応が過剰となり、全身に炎症が発生し、臓器に深刻な障害を引き起こす病気です。特に肝臓は敗血症の影響を受けやすく、肝障害を発症すると死亡率が約60％に達します。しかし、その発症メカニズムには未解明な部分が多く、有効な治療法は確立されていません。&lt;br /&gt;
　研究グループは、細菌毒素であるリポ多糖（LPS）を感知して活性化した肝臓のマクロファージにおいて、タンパク質架橋酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」が細胞骨格タンパク質「ビメンチン」を架橋し、線維状ネットワークを核周囲の「かご状構造」へと再編成することを発見しました。この構造変化により、タンパク質凝集体へのプロテアソーム（注６）の動員が妨げられ、炎症シグナル分子TRAF6の分解が抑制されることで炎症が持続することが明らかになりました。一方、TG2あるいはビメンチンを阻害すると、Rab27a陽性小胞を介した新たなタンパク質分解経路が活性化し、TRAF6の分解が促進されることで炎症が抑制されました。さらに、TG2阻害により敗血症モデルマウスの生存率が改善することも確認しました。&lt;br /&gt;
　本研究は、敗血症性肝障害を単なる「サイトカインの暴走」としてではなく、タンパク質の品質管理（プロテオスタシス）が破綻する疾患として捉え直すものであり、新たな治療薬開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月29日にScience Advances誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図：TG2－ビメンチン軸によるマクロファージの炎症制御モデル&lt;br /&gt;
TG2によるビメンチン架橋がプロテオスタシスを障害し、TRAF6の分解抑制を介して炎症を持続させる。 一方、TG2またはビメンチンの阻害はRab27a陽性小胞を介したタンパク質分解を促進し、炎症を抑制する。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　敗血症は感染症に対する生体の過剰な免疫応答により全身に炎症が広がり、多臓器不全に至る重篤な病態です。世界で年間約1,100万人が死亡と推定されており、全死亡の約20%に関与すると報告されています。中でも肝臓は代謝と免疫の両面で重要な役割を担うため、敗血症の影響を強く受けやすく、敗血症に伴う肝障害（SALD）は死亡率が約60％に達します。しかし、既存の肝疾患治療の延長では十分な効果が得られておらず、病態に即した治療法の開発が急務となっています。&lt;br /&gt;
　肝臓の炎症では、マクロファージが細菌成分（リポ多糖など）を感知して活性化し、TNF・IL-6・IL-1βなどの炎症性サイトカインを大量に産生することが、組織障害や死亡率と密接に関わることが知られています。しかし、個々のサイトカインを標的とした治療は臨床試験で十分な効果を示せておらず、炎症を引き起こす上流の共通メカニズムの解明が求められてきました。&lt;br /&gt;
　研究グループは以前より、タンパク質を架橋する酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」に着目し、肝疾患モデルにおいてTG2が転写因子を架橋して肝細胞死を誘導することなどを報告してきました。さらに、敗血症モデルマウスの肝臓マクロファージでTG2の酵素活性が特異的に上昇することも見出していました。一方で、TG2がどのようにして炎症を増幅させるのか、その分子標的は長らく不明でした。近年、細胞内でタンパク質の合成・分解のバランス（プロテオスタシス）が崩れることが炎症性疾患に関与すると注目されていますが、敗血症時にマクロファージがこの破綻にどのように対処しているのかについては、ほとんど分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　研究グループは、LPSを投与した敗血症モデルマウスの肝臓・肺・腎臓を比較したところ、TG2の酵素活性が肝臓のマクロファージで特異的に強く誘導されることを見出しました。TG2阻害薬シスタミンを投与すると、肝臓の炎症性遺伝子の発現が抑えられ、敗血症モデルマウスの生存率も有意に改善しました。また、ヒトの敗血症性肝障害患者の肝組織でもTG2タンパク質量の増加が確認され、TG2が病態に関与することが裏付けられました。&lt;br /&gt;
　次に、TG2が架橋する標的タンパク質を網羅的に探索した結果、細胞骨格を構成するタンパク質「ビメンチン」がTG2の架橋標的であることを突き止めました。LPSで活性化したマクロファージでは、TG2がビメンチンを架橋して高次構造体（オリゴマー）を形成させ、細い線維状であったビメンチンネットワークを核の周囲を取り囲む「かご状」の構造へと変化させることが、顕微鏡観察により明らかになりました。ビメンチンを欠損させたマクロファージでは、LPSに対する炎症性サイトカインの産生が抑制され、TG2を欠損させた場合と同様の抗炎症効果が確認されました。&lt;br /&gt;
　さらに詳しく調べたところ、ビメンチンが形成する「かご状」構造は、タンパク質の凝集体を包み込み、プロテアソームの凝集体への動員（リクルート）を妨げていることが分かりました。一方、TG2またはビメンチンを欠損させたマクロファージでは、この抑制が解除され、プロテアソームがタンパク質凝集体へ効率的に動員され、炎症を引き起こす分子「TRAF6」の分解が促進されることが明らかになりました。プロテオミクス解析からは、この過程に「Rab27a」という小胞輸送を担うタンパク質が関与する、これまで知られていなかった凝集体の分解経路（Rab27a陽性小胞を介した経路）が存在することも新たに見出しました。&lt;br /&gt;
　最後に、TG2阻害薬シスタミンとオートファジー（注６）阻害薬クロロキンを併用したところ、それぞれ単独で用いるよりも高い効果が得られ、敗血症モデルマウスの致死を4日間にわたって完全に防ぐことに成功しました。以上の結果から、「TG2－ビメンチン軸」が肝臓マクロファージの細胞骨格リモデリングとタンパク質の品質管理（プロテオスタシス）を介して炎症を制御する、新たな分子機構であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、敗血症性肝障害の悪化に「TG2－ビメンチン軸」が関与する新たな分子機構が明らかになりました。今回の成果は、マウスモデルおよびマウス由来のマクロファージ細胞株を用いた検討に基づくものであり、多菌性感染やウイルス感染など、より複雑な病態を反映したヒトの敗血症を完全に再現するものではありません。今後は、ヒトの肝臓マクロファージや臨床的に妥当性の高い敗血症モデルを用いた検証を進め、TG2を敗血症性肝障害のバイオマーカーおよび治療標的として確立することを目指します。また、TG2阻害薬シスタミンはこれまでにも皮膚炎症や糖尿病網膜症、嚢胞性線維症など様々な疾患での抗炎症作用が報告されており、オートファジー阻害薬との併用による相乗効果も踏まえ、TG2－ビメンチン－プロテオスタシス経路を標的とした敗血症性肝障害の新規治療戦略の開発が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　敗血症では「炎症を抑える」ことが長年の治療戦略でした。しかし本研究から、炎症そのものではなく、細胞内のタンパク質品質管理の破綻が炎症を持続させる重要な要因であることが明らかになりました。今後は、この「プロテオスタシスの破綻」という概念を、敗血症後の長期予後、さらには慢性炎症を背景とする老化や発がんの理解と制御へと展開し、新たな診断法や治療法の開発につなげたいと考えています。（秦咸陽）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注１）敗血症・敗血症性肝障害（SALD）&lt;br /&gt;
感染症に対する生体の免疫応答が制御を失い、全身に過剰な炎症と臓器障害を引き起こす病態が敗血症。中でも肝臓に生じる障害を敗血症性肝障害（SALD）と呼び、死亡率が特に高いことが知られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注２）トランスグルタミナーゼ2（TG2）&lt;br /&gt;
タンパク質中のグルタミン残基とリジン残基の間に共有結合を形成し、タンパク質同士を架橋する酵素。神経変性疾患やがんなど様々な疾患への関与が報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注３）ビメンチン&lt;br /&gt;
細胞の形を支える中間径フィラメントを構成するタンパク質の一つ。細胞骨格としての機能に加え、近年は免疫細胞の機能制御にも関わることが分かってきている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注４）プロテオスタシス（タンパク質品質管理）&lt;br /&gt;
細胞内でタンパク質が合成・折りたたみ・輸送・分解される一連の過程が適切に保たれている状態。この均衡が崩れると異常なタンパク質の蓄積（凝集）が生じ、細胞機能に影響する。近年では、タンパク質凝集体は単なる老廃物ではなく、細胞が受けたストレスや細胞状態の変化を反映・記録する「情報体」として機能する可能性が注目されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注５）TRAF6・Rab27a&lt;br /&gt;
TRAF6は炎症シグナル（NF-κB経路）を伝える中心的な分子。Rab27aは細胞内の小胞輸送を制御するタンパク質で、本研究ではTRAF6を含む凝集体をプロテアソームへ受け渡す経路に関与することが示された。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注６）ユビキチン－プロテアソーム系・オートファジー&lt;br /&gt;
細胞内の不要・異常なタンパク質を分解する二つの主要な仕組み。プロテアソームは主に個々のタンパク質を分解し、オートファジーはより大きな凝集体や損傷した細胞小器官を分解する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、以下の研究助成などを受けて実施されました。&lt;br /&gt;
日本学術振興会　科学研究費助成事業（科研費：JP20K07349、JP24K10088）、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED：JP23fk0210100h0003、 P24jm0210092s0104）、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST：JPMJNX25E3）、公益財団法人 武田科学振興財団&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Science Advances&lt;br /&gt;
論文タイトル：Transglutaminase 2 regulates vimentin-dependent proteostasis during macrophage activation&lt;br /&gt;
著者：Yali Xu, Ting Su, Mishra Hricha, Naoshi Dohmae, Takehiro Suzuki, Yuriko Sakamaki, Haruyo Aoyagi, Hideki Aizaki, Hajime Nishimura, Erina Furuhata, Yuqing Gong, Qi Cheng, Beiyuan Zhang, Chenzhe He, Kaori Yanaka, Yutaka Furutani, Hideki Tatsukawa, Harukazu Suzuki, Wenkui Yu, Xian-Yang Qin&lt;br /&gt;
DOI: 10.1126/sciadv.aea7513&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264766/_prw_PI7im_Rbc43qL6.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264738</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見 ～糖脂質が微小膜領域を形成し、がんに関わるEGF受容体の活性を抑制～ 本研究のポイント ・ 本研究では、これまで確認されてこなかった、同じ細胞膜上の糖鎖...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
国立がん研究センター&lt;br /&gt;
沖縄科学技術大学院大学&lt;br /&gt;

糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見 ～糖脂質が微小膜領域を形成し、がんに関わるEGF受容体の活性を抑制～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 本研究では、これまで確認されてこなかった、同じ細胞膜上の糖鎖同士が弱く一時的に結合する現象「cis糖鎖間相互作用」を、生きた細胞膜上で直接捉えることに成功しました。&lt;br /&gt;
・ 糖脂質の一種であるガングリオシド(注1)は、この相互作用によって同種２分子からなる短寿命の二量体を形成し、コレステロールによって安定化された微小な膜領域をつくることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ ガングリオシドGM3の二量体は、がんに関わるEGF受容体(EGFR)(注2)の糖鎖と相互作用し、EGFRの二量体化と活性化を抑制することが分かりました。&lt;br /&gt;
・ 本研究は、これまで主にタンパク質と脂質の相互作用によって説明されてきた細胞膜の組織化(注3)に、「糖鎖間相互作用」という新たな基本原理を加えるものです。さらに、一回ごとの結合は短寿命であっても、形成と解離を繰り返すことで、細胞膜の構造と受容体シグナルを持続的に制御できることを示しました。本成果は、糖鎖生物学に留まらず、膜生物学、受容体シグナル研究、がん研究、創薬研究への波及が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所/国立がん研究センター研究所先端バイオイメージング研究分野の鈴木健一教授/分野長、岐阜大学糖鎖生命コア研究所の安藤弘宗教授、河村奈緒子准教授、沖縄科学技術大学院大学の楠見明弘教授らの研究グループは、京都大学、名古屋大学、神戸大学、中部大学との共同研究により、同じ細胞膜上の糖鎖同士が直接相互作用し、細胞膜を組織化する新たな原理を発見しました。さらに、この糖鎖間相互作用が、がんに関わるEGF受容体(EGFR)の二量体化と活性化を抑えることを明らかにしました。EGFRは細胞の増殖や生存を制御する受容体であり、その過剰な活性化は多くのがんの発生や進展に関係します。&lt;br /&gt;
　細胞の表面は、多種多様な糖鎖で覆われていますが、同じ細胞膜上で糖鎖同士が直接相互作用し、膜の構造や情報伝達を制御するかどうかについては、長年、直接的な証拠が得られず、未解明のままでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、39種類の蛍光標識ガングリオシドを全化学合成(注4)し、1分子イメージングを用いることで、糖鎖同士が弱く一時的に結合する「糖鎖間相互作用」を生きた細胞膜上で直接捉えることに成功しました。さらに、この相互作用によって微小な膜領域が形成され、GM3の糖鎖とEGFRの糖鎖との相互作用が、EGFRの二量体化と活性化を抑えることを明らかにしました。一回の相互作用は約0.1秒と短寿命ですが、GM3ホモダイマーは形成と解離を繰り返しながらEGFRに何度も結合することで、受容体の不要な活性化を持続的に抑えていました。&lt;br /&gt;
　本成果は、細胞膜の構造と情報伝達が、タンパク質や脂質だけでなく、糖鎖同士の弱く一時的な相互作用によっても組織化されることを示すものです。膜生物学と受容体シグナル研究の基本概念を広げるとともに、がんに関わるEGFRの新たな活性制御機構を明らかにしたことで、糖鎖を標的とする創薬研究への展開が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月27日にNature Communications誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　細胞膜の微小領域形成や受容体シグナルの制御は、これまで主に脂質とタンパク質の相互作用を中心に研究されてきました。一方、糖鎖については、これまで細胞同士や細胞と病原体との間で働く相互作用を中心に研究されてきました。同じ細胞膜上で糖鎖同士が横方向に相互作用する「cis糖鎖間相互作用」は以前から提唱されていましたが、相互作用が弱く短寿命であるため、生きた細胞膜上で直接観測することは困難であり、その実態は未解明なままでした。&lt;br&gt;　また、糖脂質の一種であるガングリオシドは、細胞膜上で「脂質ラフト(注5)」と呼ばれる微小な領域を形成し、受容体の働きや細胞内への情報伝達を調節すると考えられてきました。ガングリオシドの一種であるGM3は、細胞の増殖やがん化に関わるEGF受容体(EGFR)の活性化を抑制することが知られていました。しかし、GM3が細胞膜上でどのような集合体を形成し、どのような仕組みでEGFRの活性を制御するのかは明らかになっていませんでした。そのため、cis糖鎖間相互作用が膜領域を形成し、受容体の活性を制御する可能性は、十分に検証されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1．短寿命のcis糖鎖間相互作用を生細胞膜上で直接観察&lt;br /&gt;
　本研究では、細胞膜上の糖鎖同士の相互作用を直接観察するため、主要な系列を網羅する39種類の蛍光標識ガングリオシドを全化学合成し、生きた細胞膜および組成を制御した人工脂質膜上で、分子を1分子蛍光観察(注6)によって追跡しました。その結果、調べたすべてのガングリオシドが、膜上を拡散しながら同じ種類の分子同士で一時的に結合し、短寿命のホモダイマーを形成することを見いだしました(図1a-c)。例えばGM3の結合寿命は約0.2秒でした。1分子FRET法(注7)によって分子同士が数nm以内に接近していることも確認され、単なる偶然の重なりではなく、直接的な分子間相互作用であることが示されました。また、異なる種類のガングリオシド間の結合は、多くの場合、同種分子間の結合より弱く、糖鎖の立体構造を識別する選択的な相互作用であることが分かりました。&lt;br /&gt;
　本研究で用いた精密な糖鎖化学合成と高速1分子イメージングの組み合わせは、従来は観察困難であった、弱く短寿命の糖鎖間相互作用を解析する新たな方法となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1. a. GM3プローブの1分子蛍光の輝点同士が短期間共局在する様子。番号はフレームを表す。30 フレーム/秒で観察。 b. aの軌跡。 c. ガングリオシドが短寿命のホモダイマーを形成する模式図。糖鎖同士は「一瞬だけペア」をつくり、それを繰り返していた：生きた細胞膜で世界で初めて直接観察した糖鎖間相互作用。すべての主要系列のガングリオシドは、糖鎖同士の直接相互作用によって約0.1～0.2秒だけホモダイマー(ペア)を形成し、それを絶えず繰り返していた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2．糖鎖間相互作用を起点とする微小膜領域の形成&lt;br /&gt;
　糖鎖の一部を除いた分子や立体構造を変えた分子を比較したところ、GM3のシアル酸とガラクトースを含む部分が基本的な結合力を生み、糖鎖全体の三次元構造が結合の選択性を決めることが示されました。特に、シアル酸のアセトアミド基(図2a)やカルシウムイオンが、GM3の糖鎖間相互作用を安定化することが示され、水酸基間の相互作用に関与する可能性が示されました。さらに、コレステロールを減少させるとホモダイマーの寿命が短くなり、コレステロールを戻すと回復しました。ホモダイマーの周囲には、スフィンゴミエリンやGPIアンカー型タンパク質などのラフト親和性分子が一時的に集まり、ホモダイマー同士がさらに会合して三量体や四量体も形成しました。これらの結果から、研究グループは、糖鎖間相互作用を起点として生じ、コレステロールによって安定化される微小な膜領域を「ガングリオシドホモダイマーラフト」と名付けました(図2b)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2 a. GM3の各部位を改変した蛍光プローブの模式図。 b. 糖鎖間相互作用が細胞膜ナノ構造を組み立てる：糖鎖間相互作用によって形成されたガングリオシドホモダイマーは、コレステロールによって安定化され、「ガングリオシドホモダイマーラフト」を形成する。この小さなナノラフトが、細胞膜の動的なナノ構造を組み立てる基本ユニットとして働く。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3．GM3ホモダイマーがEGFRの自発的な二量体化を抑制 &lt;br /&gt;
　次に、この膜領域が受容体の働きを制御するかを、EGF受容体(EGFR)を用いて調べました。GM3ホモダイマーはGM3モノマーよりもEGFRに結合しやすく、その結合確率は約5倍でした。これは、2本のGM3糖鎖がEGFR上の2本の糖鎖を同時に捉えるためと考えられます。GM3を欠く細胞、GM3を再導入した細胞、コレステロールを除去・再添加した細胞を比較し、EGFRの二量体形成と解離を1分子レベルで解析したところ、GM3ホモダイマーラフトはEGFR二量体の形成速度を低下させるとともに、形成された二量体の解離を促進し、EGFが存在しない状態での自発的なEGFR活性化を抑えることが明らかになりました(図3)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3. EGF刺激前(a)と刺激後(b)のGM3ホモダイマーによるEGFR二量体化と活性化抑制の模式図。GM3ホモダイマーの2本の糖鎖がEGFRのN504/N579糖鎖を捉え、EGFRの二量体化を抑える。一方、GM1やGM2ではこのような制御は認められなかった。EGF刺激前は形成を抑え解離を促進、刺激後は形成速度のみを抑える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4．反復する短寿命相互作用がEGFR活性化の立ち上がりを調節&lt;br /&gt;
　さらに、EGFRの糖鎖を酵素処理で除去する実験、EGFR糖鎖と類似した糖鎖を競合させる実験、糖鎖結合部位を置換する実験を組み合わせ、GM3がEGFRのN504およびN579に結合した複合型N型糖鎖(注8)と相互作用することを突き止めました(図3)。個々の結合は約0.1秒と短寿命ですが、GM3ホモダイマーが細胞膜上に多数存在し、高速で拡散するため、EGFRとの相互作用が頻繁に繰り返されます(図4)。EGF刺激後も、GM3ホモダイマーラフトはEGFRモノマーとの相互作用を保ち、二量体化を遅らせて、下流シグナル分子Grb2の結合を抑制しました。一方、EGF結合によって安定なEGFR二量体が完成すると、受容体の構造変化によってGM3が糖鎖へ届きにくくなり、安定なEGF結合型EGFR二量体を不安定化する作用は、ほとんど見られなくなりました(図3)。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、糖鎖は細胞表面を覆うだけでなく、膜上で同種糖鎖同士の微小な集合体をつくり、受容体の状態に応じて二量体化と活性化を調節することが明らかになりました。また、一回ごとの分子間相互作用は極めて短寿命であっても、その形成と解離が繰り返されることで、細胞膜の動的な構造と受容体シグナルを持続的に制御できることが示されました(図4)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図4. 「繰り返す一瞬」が細胞膜構造と受容体シグナルを制御する：一回のGM3-EGFR相互作用は約0.1秒しか続かない。しかし、細胞膜では新しいGM3ホモダイマーが絶えず形成され、EGFRへ何度も繰り返し結合する。その積み重ねによって、細胞膜の動的構造が維持されるとともに、EGFRの不要な活性化が抑えられる。本研究は、「繰り返す一瞬の分子間相互作用」が細胞膜構造と情報伝達を支える新しい基本原理であることを示した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
がん研究との関係
　EGFRは細胞の増殖や生存を制御する代表的な受容体で、その異常な活性化は多くのがんの発生や進展に関係します。本研究は、細胞膜上の糖鎖間相互作用がEGFRの不要な二量体化と活性化を抑えることを示し、糖鎖環境とがん関連受容体シグナルを結ぶ新たな分子機構を提示しました。一方で、本研究は培養細胞と人工膜を用いた基礎研究であり、今後、ヒト腫瘍や動物モデルにおいて同様の機構が働くかを検証する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、細胞表面の糖鎖は単なる識別標識や保護層ではなく、同じ細胞膜上で互いに相互作用して微小な膜領域を形成し、受容体の活性を直接調節することが明らかになりました。今後は、糖鎖の種類や立体構造によって相互作用の強さと選択性がどのように決まるのかを解明するとともに、HGF受容体(c-Met)などのEGFR以外の増殖因子受容体やGタンパク質共役型受容体などにも同様の制御機構が存在するかを検証します。また、GM3ホモダイマーラフトの形成や、GM3と受容体糖鎖との相互作用を選択的に制御できれば、受容体そのものを直接阻害する従来の方法とは異なり、受容体を取り巻く糖鎖環境を調節することでシグナルを制御する、新たな創薬概念につながる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　今回、生きた細胞膜上で糖鎖同士がほんの短時間だけ結びつき、その形成と解離を繰り返すことで、細胞膜の構造と受容体の働きを調節していることを直接捉えました。一回ごとの相互作用は弱く短寿命ですが、それが何度も繰り返されることで、安定した膜構造と精密なシグナル制御が実現されます。本成果は、『弱く短い相互作用の反復』が生命システムを支える重要な原理であることを示すものと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
科学技術振興機構CREST (JPMJCR24B3, JPMJCR18H2)、創発的研究支援事業 (JPMJFR2004)、国立がん研究センター研究開発費(2023-A-03)、JSPS　科研費基盤研究A (21H04772、22H00359)、科研費基盤研究B (JP24K01974)、挑戦的研究(JP24K21944)、J-GlycoNet Cooperative Network (26A029)、日本医療研究開発機構 (JP24tk0124003h0002、JP24ym0126134)、中谷財団研究開発助成、武田科学振興財団特定研究助成、精密測定技術振興財団研究助成、水谷糖質科学振興財団研究助成、上原記念生命科学財団研究助成&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
(注1)　ガングリオシド&lt;br /&gt;
細胞膜に存在するセラミドに、シアル酸を含む糖鎖が結合した糖脂質の一種。細胞間の認識や情報伝達、細胞膜上の微小な膜領域の形成などに関与する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注2)　EGF受容体&lt;br /&gt;
細胞膜に存在し、増殖因子EGFが結合すると二量体を形成して活性化する受容体タンパク質である。細胞の増殖や生存を制御し、その過剰な活性化は多くのがんに関係している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注3)　細胞膜の組織化&lt;br /&gt;
細胞膜上で脂質やタンパク質、糖鎖などの分子が特定の配置や微小領域をつくり、動的に集合・解離すること。こうした分子の空間的な配置によって、受容体の働きや細胞内への情報伝達などが調節される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注4)　全化学合成&lt;br /&gt;
ガングリオシドの糖鎖、脂質部分、蛍光色素を、化学反応によって人工的に組み立てて作製する手法。構造の異なるガングリオシドを合成し、あらかじめ定めた位置に蛍光色素を精密に導入できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注5)　ラフト&lt;br /&gt;
細胞膜上に一時的に形成される、コレステロールやスフィンゴ脂質に富む微小な膜領域で、特定の脂質やタンパク質を集め、細胞内への情報伝達などを調節すると考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注6)　1分子蛍光観察&lt;br /&gt;
全反射照明顕微鏡を用いて、蛍光標識した分子を一つずつ観察し、その位置や動きを時間とともに追跡する手法である。分子の拡散、結合・解離、集合体形成などを、生きた細胞や細胞膜上で直接解析できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注7)　FRET（蛍光共鳴エネルギー移動）&lt;br /&gt;
異なる蛍光分子が数nm程度まで近づいたとき、一方から他方へエネルギーが移動する現象のこと。分子同士の接近や結合を、非常に短い距離の変化まで検出するために用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注8)　N型糖鎖&lt;br /&gt;
タンパク質中のアスパラギン残基に結合する糖鎖で、多くの細胞膜タンパク質や分泌タンパク質に存在する。タンパク質の構造安定化や細胞表面への輸送、細胞認識、受容体の活性調節などに関与する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Nature Communications&lt;br /&gt;
論文タイトル：Cis glycan-glycan interactions organize membrane nanodomains that tune receptor signaling&lt;br /&gt;
著者：Kenichi G. N. Suzuki†*, Naoko Komura†, Sachi Asano, Maina Takahashi, Eriko Yamaguchi, Ayano Yamazaki, Akihiro Imamura, Shusaku Shibutani, Rahul Chadda, Taka A. Tsunoyama, Takahiro K. Fujiwara, Koichiro M. Hirosawa, Kenichi Morigaki, Koichi Furukawa, Keiko Furukawa, Yoshio Yamauchi, Yukichi Kitamura, Masataka Nagaoka, Hiromune Ando*, Akihiro Kusumi*&lt;br /&gt;
†共同筆頭著者, *責任著者&lt;br /&gt;
DOI:10.1038/s41467-026-76857-x&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264727</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見 ― 喫煙と前立腺がん悪化の関連を説明する新たな分子機構 ― 本研究のポイント ・ニコチンの主要代謝物であるコチニン※1が、アンド...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見 ― 喫煙と前立腺がん悪化の関連を説明する新たな分子機構 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ニコチンの主要代謝物であるコチニン※1が、アンドロゲン※2存在下で前立腺がん細胞のアンドロゲンシグナルを増強し、がん細胞増殖を促進することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・コチニンは、アンドロゲン産生を増やすのではなく、アンドロゲン受容体（AR）※3と、治療抵抗性に関与するAR-V7※4のタンパク質分解を抑え、これらを安定化することを見いだしました。&lt;br /&gt;
・さらに、その分子機構として、コチニンがARと分子シャペロンHSP70※5との結合を増強する可能性を示しました。喫煙者の前立腺がんで報告されている予後不良やARを標的とする治療の効果低下を説明する新たな分子基盤となる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科博士後期課程2年の林 莉々さん、博士研究員の工藤 優大さん（当時）、遠藤 智史 准教授らの研究グループは、岐阜薬科大学の五十里 彰 教授・吉野 雄太 講師、九州大学大学院医学研究院の塩田 真己 准教授、産業医科大学の藤本 直浩 名誉教授との共同研究により、ニコチンの主要代謝物であるコチニンが前立腺がん細胞の増殖を促進する新たな分子機構を明らかにしました。&lt;br /&gt;
　前立腺がんではアンドロゲン受容体（AR）ががん細胞の増殖に重要な役割を果たしますが、喫煙ががん進行に影響する仕組みは十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、コチニンがアンドロゲン前駆体存在下で、ARシグナルの指標となるPSA発現とがん細胞増殖を促進することを発見しました。さらに、コチニンが分子シャペロンHSP70とARとの結合を強め、ARおよびAR-V7をタンパク質分解から保護することで、その作用を増強することを明らかにしました。本成果は、喫煙と前立腺がんの進行・治療抵抗性との関連を説明する、新たな分子基盤を示すものです。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年8月19日に、国際学術誌『Archives of Biochemistry and Biophysics』のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　前立腺がんは、男性ホルモンであるアンドロゲンに依存して増殖するがんです。そのため、アンドロゲンの産生やアンドロゲン受容体（AR）の働きを抑える治療が広く行われています。しかし、治療を続けるうちに、アンドロゲンを低下させても増殖する「去勢抵抗性前立腺がん（CRPC）※6」へ進行することがあり、治療上の大きな課題となっています。特にCRPCでは、ARの異常や、ARの一部が変化したスプライシングバリアント「AR-V7」が、エンザルタミドやアビラテロンなどのARシグナルを標的とした治療への抵抗性に関与することが知られています。&lt;br /&gt;
　一方、喫煙は多くのがんのリスク因子として知られています。前立腺がんについては、喫煙と発症との関係に不明な点が残るものの、診断時に喫煙している患者では、病気の進行や予後、特にARシグナル阻害薬による治療成績が悪化する可能性が共著者によって報告されていました [Shiota et al., Prostate, 2019;79:1147]。しかし、この現象を引き起こす具体的な物質と分子機構は十分に解明されていませんでした。&lt;br /&gt;
　ニコチンは体内に取り込まれると、主に肝臓で「コチニン」へと代謝されます。ニコチンの血中半減期が約2時間と比較的短いのに対し、コチニンは約16～20時間と長く、血中にもニコチンより高い濃度で存在します。そこで本研究では、「ニコチンそのものではなく、体内で長時間存在するコチニンが前立腺がんのアンドロゲンシグナルに影響しているのではないか」という仮説のもと、その作用を解析しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1. ニコチンではなくコチニンがアンドロゲンシグナルを増強&lt;br /&gt;
　研究グループは、ARおよびAR-V7を発現するヒト去勢抵抗性前立腺がん22Rv1細胞を用いて、ニコチンとコチニンの作用を比較しました。ニコチンまたはコチニンを単独で添加しても、ARシグナルの指標となるPSAの発現には大きな変化が認められませんでした。一方、アンドロゲンの前駆体である5α-androstane-3,17-dione（5α-Adione）とともに処理すると、コチニンはPSA発現を有意に増強しましたが、ニコチンでは同様の作用は認められませんでした。&lt;br /&gt;
　さらに、細胞増殖マーカーKi67の解析から、コチニンは5α-Adioneによって誘導される前立腺がん細胞の増殖をさらに促進することが明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1. コチニンによるアンドロゲンシグナルと前立腺がん細胞増殖の増強&lt;br /&gt;
（A）5α-Adione処理によるPSA mRNA発現量変化。（B）ニコチンまたはコチニン処理によるPSA mRNA発現量変化。（C）5α-Adione存在下におけるニコチンまたはコチニン処理によるPSA mRNA発現量変化。（D–F）AR（緑）、増殖マーカーKi67（赤）および核（DAPI、青）の免疫蛍光染色。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2. コチニンはARとAR-V7を「分解されにくく」する&lt;br /&gt;
　次に、コチニンがどのようにARシグナルを増強するのかを解析しました。まず、AKR1C3、DHRS11、HSD17B3、SRD5A1など、細胞内でアンドロゲンの合成にかかわる酵素について調べましたが、コチニンによる明らかな発現増加は認められず、ARシグナルの増強における関与が低度であることが示唆されました。&lt;br /&gt;
　そこでARタンパク質そのものの安定性を調べたところ、コチニンはアンドロゲン存在下でARタンパク質の寿命を有意に延長することが分かりました。さらに重要なことに、コチニンは、去勢抵抗性前立腺がんの治療抵抗性との関連が知られているAR-V7についてもタンパク質の安定性を高めました。&lt;br /&gt;
　つまりコチニンは、アンドロゲンを多く作らせるのではなく、「がん細胞の増殖スイッチとなるARを壊れにくくする」ことでアンドロゲンシグナルを増強することが明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3. ARとHSP70の結合増強がAR安定化に関与&lt;br /&gt;
　ARは細胞内で不要になると、ユビキチン・プロテアソーム系※7によって分解されます。しかし、コチニンはARの分解に関係する代表的なE3ユビキチンリガーゼの発現や、プロテアソーム全体の活性には大きな影響を与えませんでした。一方、タンパク質の正しい構造や安定性を維持する「分子シャペロン」であるHSP70に着目したところ、コチニン存在下ではARとHSP70の結合量が増加することを見いだしました。これらの結果から、コチニンはプロテアソームを全面的に止めるのではなく、ARとHSP70の相互作用を強めることでARおよびAR-V7を選択的に分解されにくい状態にし、結果としてアンドロゲンシグナルを持続させると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. コチニンによるAR・AR-V7安定化の分子機構&lt;br /&gt;
（A、B）5α-Adione存在下における細胞質および核内のAR、AR variants（AR Vs）のタンパク質発現とその定量。（C–F）Cycloheximide （CHX）chase assayによるAR、AR VsおよびAR-V7のタンパク質安定性解析。（C、E）5α-Adione存在下におけるコチニンの影響。（D、F）5α-Adione非存在下におけるコチニンの影響。（G）免疫共沈降法によるARとHSP70およびHSP90との相互作用解析。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、ニコチンの主要代謝物であるコチニンが、ARとHSP70の相互作用を介してARおよびAR-V7を安定化し、前立腺がん細胞のアンドロゲン依存的な増殖を促進するという新たな作用機構が明らかになりました。&lt;br /&gt;
　一方、本研究は培養細胞を用いたin vitro研究であり、コチニンが実際の生体内で前立腺がんの進行や治療抵抗性を促進することを直接証明したものではありません。今後は、慢性的なコチニン曝露を再現した動物モデルを用いて、血中コチニン濃度やアンドロゲン濃度を厳密に管理しながら、腫瘍増殖やAR・AR-V7の安定化への影響を検証する必要があります。また、エンザルタミドなどのARシグナル阻害薬に対する治療応答への影響についても検証を進めることで、喫煙と前立腺がん治療成績との関連をさらに明らかにしていきます。&lt;br /&gt;
　将来的には、喫煙歴やコチニン曝露を考慮した前立腺がんの治療戦略や、ARのタンパク質恒常性を標的とする新たな治療法の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　喫煙と前立腺がんの予後との関連は以前から報告されてきましたが、その背景にある分子機構には多くの不明点が残されていました。今回、ニコチンそのものではなく、体内でより安定して存在する代謝物「コチニン」がARとAR-V7の分解を抑えるという、これまで知られていなかった仕組みを見いだしました。特に、治療抵抗性との関連が知られているAR-V7まで安定化されたことは重要な知見と考えています。&lt;br /&gt;
　一方で、今回の成果は培養細胞を用いた基礎研究であり、「コチニンがヒトの前立腺がんを悪化させる」と直接結論づけることはできません。今後、動物モデルや臨床的な解析を重ねることで、喫煙と前立腺がんの進行・治療抵抗性との関係をより明確にし、患者さんの治療につながる知見へ発展させたいと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　コチニン（Cotinine）： ニコチンが主に肝臓で代謝されて生じる主要代謝物です。ニコチンよりも体内で安定しており、血中半減期が長いことから、喫煙・ニコチン曝露の指標としても利用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　アンドロゲン： テストステロンやジヒドロテストステロンなどの男性ホルモンの総称です。前立腺がん細胞の増殖を促進する重要な因子です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　アンドロゲン受容体（AR）： アンドロゲンと結合して細胞内の遺伝子発現を調節するタンパク質です。前立腺がんの増殖に重要な役割を果たし、現在の前立腺がん治療における主要な標的の一つです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　AR-V7： ARのスプライシングバリアントの一つで、通常のARとは異なりアンドロゲン結合部位を欠いています。アンドロゲンが少ない環境でも活性を維持でき、去勢抵抗性前立腺がんやAR標的治療への抵抗性との関連が知られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※5　HSP70： Heat Shock Protein 70の略で、細胞内でタンパク質の正しい折りたたみや安定性を維持する「分子シャペロン」と呼ばれるタンパク質です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※6　去勢抵抗性前立腺がん（CRPC）： アンドロゲンを低下させる治療を行っても進行する前立腺がんです。ARシグナルの再活性化やAR-V7など、さまざまな機構が治療抵抗性に関与しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※7　ユビキチン・プロテアソーム系： 細胞内で不要になったタンパク質にユビキチンという目印を付け、プロテアソームによって分解する仕組みです。細胞内のタンパク質量や品質を維持する重要な機構です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Archives of Biochemistry and Biophysics&lt;br /&gt;
論文タイトル：Cotinine enhances androgen receptor stability and promotes androgen-dependent proliferation in prostate cancer cells: An in vitro study&lt;br /&gt;
著者：Riri Hayashi, Yudai Kudo, Yuta Yoshino, Masaki Shiota, Naohiro Fujimoto, Akira Ikari, and Satoshi Endo&lt;br /&gt;
DOI: 10.1016/j.abb.2026.110976&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264727/_prw_PI4im_w97qzx36.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264717</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立 本研究のポイント ・プロテオミクスの前処理方法であるSP3法を基盤に、糖ペプチドを一気通貫で調製する方法を確立しました。 ・市...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪国際がんセンター&lt;br /&gt;

疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・プロテオミクスの前処理方法であるSP3法を基盤に、糖ペプチドを一気通貫で調製する方法を確立しました。&lt;br /&gt;
・市販のセルロース磁性粒子を用いることにより、糖ペプチドの純度が向上しました。&lt;br /&gt;
・血液試料や組織試料から高純度な糖ペプチドを効率的に回収することが可能になりました。&lt;br /&gt;
・本技術は、疾患に関連する糖鎖を網羅的に示す「疾患関連糖鎖カタログ」を構築する基盤技術として活用されることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 研究概要 
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所の中嶋和紀准教授、半澤健研究員、ネムチッチ・マティ研究員らの研究グループは、大阪国際がんセンターの宮本泰豪臨床検査科副部長、岡本三紀チームリーダーとの共同研究により、糖鎖が結合したタンパク質を大規模に解析するための、糖ペプチド調製法を確立しました。&lt;br /&gt;
　糖ペプチドの網羅的解析「グライコプロテオミクス」は、疾患バイオマーカー探索において有力なアプローチです。現在、国内で進められているヒューマングライコームプロジェクトでは、糖鎖の多検体分析を通じて、疾患と関連する糖鎖を探索してカタログ化を行います。しかし、これまでの試料調製法は、原理としては確立されていたものの、多検体を効率的に分析する上では限界がありました。&lt;br /&gt;
　本研究では、磁性粒子を用いてペプチドを集めるSP3（Single-pot, solid-phase-enhanced sample-preparation）法に着目しました。糖ペプチドは液体クロマトグラフ質量分析計による分析においてイオン化しにくいため、糖ペプチドを高純度に精製することが重要です。そこで本研究では、N-型糖ペプチドの調製に適したセルロース磁性粒子を選定し、ペプチド断片化から糖ペプチド精製までを一気通貫で行うことができる試料調製法を確立しました。この方法により、血清・血漿、組織試料から、糖ペプチドを高純度に集めることが可能になりました。近い将来、本技術がグライコプロテオミクスの全自動装置に実装され、新たな糖鎖バイオマーカーの発見や、新しい診断システムの開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本論文は、現地時間2026年8月11日付で『Molecular &amp;amp; Cellular Proteomics』誌に掲載されました。なお、本研究は、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」の支援を受けて実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
本研究の概要図&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　糖鎖とは、グルコースなどの単糖（動物では約10種類の糖が存在）が枝分かれしながら鎖状につながったものです。糖鎖の構造は、がんや神経変性疾患など、様々な疾病において特徴的に変化することから、特定の糖タンパク質に生じる構造的変化は、疾患バイオマーカーの標的になりえます。&lt;br /&gt;
　グライコプロテオミクス1)（糖ペプチド2）の網羅的解析）は、糖鎖とペプチドの配列情報を両方同時に取得できるため、特異度が高いバイオマーカーがえられるアプローチです。2023年4月より、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業において進められているヒューマングライコームプロジェクトでは、血液試料を用いてグライコプロテオミクスの大規模コホート解析を進めています。しかし、現在の実験作業は一部の工程のみを自動で行うものであり、多検体分析には限界がありました。&lt;br /&gt;
　プロテオミクス分野では、自動化への対応のために様々な前処理法が検討されてきました。その一つとして、SP3（Single-pot, solid-phase-enhanced sample-preparation）3)法は、磁性粒子を用いて、1-チューブ内でペプチド断片化を行う方法です。また、ペプチド断片化により生じた糖ペプチドは、質量分析においてイオン化効率が低く、検出効率を高めるためには糖鎖を持たないペプチドを取り除く操作が必要でした。糖ペプチドの精製には、親水性相互作用クロマトグラフィー（HILIC）4）が最も用いられています。そこで本研究では、SP3法を基盤に、HILICによる糖ペプチド精製法を組み合わせた一気通貫型の糖ペプチド調製法を検討しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
１． N-型糖ペプチドの精製に適した一気通貫型の試料調製法を確立 （本研究の概要図）&lt;br /&gt;
　本法は、ペプチド断片化と、それに続くHILICによる糖ペプチド精製という２つの原理に基づいて行います（半澤健、中嶋和紀、Glycoforum, 2024）。SP3法ではタンパク質を80%(v/v) エタノール存在下で、磁性粒子上に凝集させたのち、集磁し、磁性粒子を洗浄、トリプシンによりオンビーズ消化を行います。&lt;br /&gt;
　次に、ペプチド消化物にトリフルオロ酢酸-アセトニトリル系のローディング液を加えてHILICによる糖ペプチド精製に進みます。このHILICでは、糖鎖の主にヒドロキシ基に起因する親水性の高さを利用して、糖ペプチドを捕捉し、非糖鎖付加ペプチドを除去します。非糖鎖付加ペプチドは、この条件においてアセトニトリル層に移行するため洗浄により除去されます。一方、糖ペプチドは、水比率が高い溶媒によって溶出されます。その回収された糖ペプチドは、液体クロマトグラフ質量分析計（LCMS）5)により測定して糖ペプチドを解析します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
２．セルロース磁性粒子6)の有用性を確認 （図１）&lt;br /&gt;
　SP3法によるペプチド断片化では、カルボン酸ポリマー磁性粒子（SeraMag-SpeedBeads）がよく使用されます。カルボン酸ポリマー磁性粒子でも糖ペプチドを精製することは可能ですが、本研究では、セルロース磁性粒子を用いることで、糖ペプチドの回収率や純度が向上することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　血清試料を用いた解析では、N-型糖ペプチド同定数やその回収量も若干向上しました。また、ラット脳組織を分析したところ、非糖鎖付加ペプチドの混入を大幅に抑えることができました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1&amp;nbsp;&amp;nbsp; 磁性粒子を使ったN-型糖ペプチドの調製法における磁性粒子の材質の比較。血液 (ヒト血しょう)および組織 (ラット脳)から調製を行い、ペプチドの同定数 (定性)およびペプチド量 (定量)について比較した：N-型糖ペプチド (検出対象)および非糖鎖付加ペプチド (除去対象)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
３． 胃がんにおける糖タンパク質のN-結合型糖鎖の癌性変化を検出　（図２）&lt;br /&gt;
　健常人20例、胃がん患者10例の血清を用いて、本セルロース磁性粒子を用いる方法と従来法の性能を比較しました。その結果、本法は、従来法とほぼ同様に、150種類の糖タンパク質に由来する1984個のN-型糖ペプチドが同定されました。有意に変動した糖ペプチドは方法間で若干異なりましたが、既に報告されている急性期糖タンパク質であるα1酸性糖タンパク質（AGP）やヘモペキシン（Hemopexin）の多分枝型でフコースを持つものの増加が確認されました。&lt;br /&gt;
　次に胃がん患者 8例より採取されたがん組織と近傍の正常組織を用いて癌性変化を調べました。その結果、本法では、686種類の糖タンパク質に由来する6812個のN-型糖ペプチドが同定されました。また、既に報告されているCEACAM6 7)の224番目のアスパラギン残基に付いたオリゴマンノース型糖鎖の変化や、ペリオスチン8)の599番目のアスパラギン残基に付いた複合型糖鎖の変化を検出しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展望
　本研究では、血液試料から均一なN-型糖ペプチドを調製できることを示しました。本技術はヒューマングライコームプロジェクトにおける22万検体の糖鎖分析を実現するうえで、グライコプロテオミクス全自動装置の根幹をなす試料調製法となる可能性があります。近い将来、本技術が世界標準法として認知され、ヒューマングライコームプロジェクトにおける大規模解析の推進に貢献するとともに、その成果として、疾患関連糖鎖ペプチドの発見や糖鎖診断薬の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　これまでに糖ペプチド精製に関しては、固相抽出カラムを用いる報告が多くありましたが、全自動化に適した、汎用性の高い糖ペプチド調製法が必要でした。また、本研究は安価に入手できる市販のセルロース磁性粒子を用いて、N-型糖ペプチドを高い回収率で得られることを示しました。この効果により、さらに複雑なプロトコルを自動化することが可能になり、グライコプロテオミクスの高深度解析や、難易度が高いO型糖ペプチドの解析にも応用できると考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語の解説
1)　グライコプロテオミクス：&lt;br /&gt;
　プロテオミクス（試料中に含まれているすべてのタンパク質の種類を特定する解析手法）を応用し、試料中の糖タンパク質を網羅的に解析する手法。糖タンパク質の上の、どこにどのような構造の糖鎖が付いているかを特定できます。&lt;br /&gt;
　タンパク質のアスパラギン残基（アミノ酸の1文字表記法でNと表記）に結合しているN型糖鎖がついた糖ペプチドを解析する方法を、特にN-グライコプロテオミクスという。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2)　糖ペプチド：&lt;br /&gt;
　グルコースなどの単糖が鎖状につながった糖鎖が、ペプチドに結合したもの。本研究の検出対象。糖タンパク質を、プロテアーゼによりペプチド断片化して得ることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3)　SP3法：&lt;br /&gt;
　磁性粒子を用いて、1-チューブ内でペプチド断片化を行う方法（Hughes CS et al. Nat. Protoc, 2019）。プロテオミクスでは、Cytiva社のSeraMag Speedbeadシリーズがよく使われているが、他の磁性粒子であっても同様に可能である（Batth TS et al. Mol. Cell Proteomics, 2019）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4)　親水性相互作用クロマトグラフィー（HILIC）：&lt;br /&gt;
　固定相（本研究の場合はセルロース磁性粒子）に、別の液体を移動相として溶離させる分配クロマトグラフィーの一つ。HILICでは主にアセトニトリル条件で、親水性の固定相上に生じた水和層において糖ペプチドが保持されて、非糖鎖付加ペプチドと分離される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
5)　液体クロマトグラフ質量分析計（LCMS）：&lt;br /&gt;
　液体クロマトグラフィー（LC）と質量分析計（MS）を組み合わせた分析方法で、複雑な混合物を分離し、MSにより同定と定量を行うことができます。プロテオミクスやグライコプロテオミクスでは、本研究でも使用しているナノLCとOrbitrap型MSがよく用いられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6)　セルロース磁性粒子：&lt;br /&gt;
　磁性粒子は磁石で容易に集めることができるため、自動化プロトコルに転用しやすい実験素材の一つ。本研究で使用したセルロース磁性粒子（ReliaPrep Resin）は核酸精製用としてプロメガ社から市販されている。本粒子は多孔質のセルロース磁性体であり、比表面積が高く、結合容量が大きいため、少量の磁性粒子で十分な収量を得ることができるという特長がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
7)　CECAM:&lt;br /&gt;
　癌胎児性抗原。腫瘍マーカーの一つで、細胞接着因子に関係する分子量約20万の糖タンパク質である。主に腺癌に対する診断マーカーとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
8)　ペリオスチン:&lt;br /&gt;
　正常組織や原発腫瘍間質中の線維芽細胞によって発現される細胞外マトリックスの構成要素。上皮細胞の接着および遊走を支える役割を果たし、様々な癌との関連性が報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Molecular &amp;amp; Cellular Proteomics&lt;br /&gt;
論文名：N-Glycoproteomics sample preparation using commercially available cellulose magnetic particles&lt;br /&gt;
著　者：Ken Hanzawa, Miki Tanaka-Okamoto, Matej Nemcic, Yasuhide Miyamoto, Kazuki Nakajima * (*責任著者)&lt;br /&gt;
doi: 10.1016/j.mcpro.2026.101638&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264717/_prw_PI1im_3GFD5SHZ.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204481</link>
        <pubDate>Fri, 21 Aug 2026 16:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！ －骨折治癒の早期評価や骨疾患の診断・治療への応用に期待－ 岐阜薬科大学 薬理学研究室の久保拓也大学院生（JST SPRINGスカラシップ研究学生、...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月21日&lt;br /&gt;


岐阜薬科大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！  －骨折治癒の早期評価や骨疾患の診断・治療への応用に期待－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　岐阜薬科大学 薬理学研究室の久保拓也大学院生（JST SPRINGスカラシップ研究学生、米国ラトガース大学客員研究員）、岐阜薬科大学 薬理学研究室・岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科・岐阜大学高等研究院One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター（COMIT）の檜井栄一教授らの研究グループは、東京大学、大阪大学、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、岐阜大学との共同研究により、超偏極MRIを用いて、骨折治癒を担う骨格幹前駆細胞のレドックス状態の変化を、生きたマウスの体内で可視化することに成功しました。&lt;br /&gt;
　骨折は日常生活や運動機能に大きな影響を及ぼすだけでなく、要介護・寝たきりのリスクを高め、高齢者では骨折後の死亡率の増加にもつながります。骨折すると、骨折部位ではさまざまな細胞が働き始め、なかでも骨格幹前駆細胞※1が骨折修復に重要な役割を担います。X線やCTは骨の構造変化を捉えることができますが、骨折治癒の早期段階では構造的な変化から治癒の進行を評価することが難しい場合があります。そのため、骨折後の早期段階から治癒の進行を評価できる新たな骨イメージング手法の開発が求められてきました。&lt;br /&gt;
　本研究では、レドックス※2状態を画像化できる超偏極MRI（in vivo DNP-MRI※3）と活性酸素（ROS※4）と反応する造影プローブを組み合わせることで、骨折後の早期から中期にかけて、骨折部位のレドックス活性が高まり、その後、骨の再構築に伴って低下することを明らかにしました。さらに、骨折部位で働く骨格幹前駆細胞でもレドックス活性が高まっていることを確認しました。本研究成果は、骨折治癒の進行を早期に評価する新たな診断法として活用できるだけでなく、骨折治癒における細胞の代謝変化やレドックス動態の理解を通じて、骨折治癒を促進する新たな治療法の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、英国学術雑誌『npj Imaging』に掲載されました（オンライン版公開日：日本時間2026年8月15日）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・骨折部位のレドックス動態の変化を、in vivo DNP-MRIによって生体内で可視化することに成功しました。&lt;br /&gt;
・骨折部位のレドックス活性は、骨折後の早期から中期にかけて高まり、その後、骨の再構築が進むにつれて低下することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・骨折部位の骨格幹前駆細胞では、健康な骨由来の細胞と比較して、レドックス活性が高く、ミトコンドリア由来のROSが増加していることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・本成果は、骨折治癒の早期評価や骨再生研究、骨疾患の診断・治療への応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果の概要
　骨折すると、骨折部位に「仮骨」と呼ばれる組織が形成され、その中ではさまざまな細胞がそれぞれの役割を果たします。その中でも、骨格幹前駆細胞は骨折部位で増殖し、軟骨細胞や骨芽細胞へと分化することで、仮骨の形成に重要な役割を担います。本研究ではまず、マウスの骨折モデルを用いて、骨折治癒過程（骨折後の時間経過に伴って仮骨が形成され、その後、骨の再構築が進む過程）が適切に進行することを確認しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1: 骨折後の時間経過に伴う仮骨形成と骨の再構築&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　次に、レドックス反応によって性質が変化するプローブを骨折後のマウスに投与し、in vivo DNP-MRIを用いて骨折部位の仮骨を経時的に観察しました。その結果、骨折部位では骨折していない健康な骨と比較してプローブの信号が速く減少し、骨折後3日目にレドックス活性が最も高くなりました。その後、7日目、14日目にも高いレドックス活性が維持され、21日目、28日目には低下することが分かりました（図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図2: DNP-MRIによって捉えた骨折治癒に伴うレドックス動態 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　さらに、骨折部位の骨格幹前駆細胞を解析したところ、健康な骨由来の同細胞と比較してレドックス活性が高いことが分かりました。&lt;br /&gt;
　すなわち本研究により、骨折部位で働く骨格幹前駆細胞の活動の変化を、レドックス動態として生体内で捉えられることに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果の意義・今後の展開
　これまでのX線やCTなどによる骨折治癒の評価は、主として骨の形態や骨量などの「構造的な変化」に基づいていました。本研究では、従来のX線やCTなどでは難しかった「骨折治癒に伴う細胞のレドックス動態を生体内で捉えること」に成功しました。さらに、骨折部位の仮骨におけるレドックス動態の時間的変化と、骨格幹前駆細胞の機能との関連を明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、骨折治癒の早期評価や骨再生のメカニズム解明に加え、骨疾患の診断・治療法の開発につながることが期待されます（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3: 仮骨のレドックス動態は骨格幹前駆細胞の代謝活性を反映し、骨再生の機能的評価につながる&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1 骨格幹前駆細胞&lt;br /&gt;
骨組織に存在する自己複製能・多分化能をもつ骨の起源細胞。&lt;br /&gt;
骨恒常性の維持や骨折修復を担う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2 レドックス&lt;br /&gt;
酸化と還元に関わる細胞内の化学反応の総称。&lt;br /&gt;
細胞のエネルギー代謝や機能の維持に重要な役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3 in vivo DNP-MRI（生体内動的核偏極MRI）&lt;br /&gt;
活性酸素と反応する造影プローブを用いて生体内のレドックス状態を画像化する技術。&lt;br /&gt;
特殊な磁気共鳴技術により、生体内のレドックス動態を可視化することができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　活性酸素（ROS）&lt;br /&gt;
酸素から生じる反応性の高い分子の総称。&lt;br /&gt;
細胞内の情報伝達などに関わる一方、過剰に増加すると細胞や組織に影響を及ぼす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載論文
雑誌名: npj Imaging&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文名: Evaluation of redox dynamics in callus-forming skeletal progenitor cells during fracture healing using in vivo DNP-MRI&lt;br /&gt;
超偏極MRIを用いた骨折治癒過程における骨格幹前駆細胞のレドックス動態解析&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
著者名：Takuya Kubo, Shohei Tsuji, Yoshiaki Kitaura, Hironori Hojo, Shinsuke Ohba, Takuya Katashima, Hiroki Ochi, Masayuki Matsuo, Fuminori Hyodo, Eiichi Hinoi.&lt;br /&gt;
久保拓也，辻翔平，北浦義昭，北條宏徳，大庭伸介，片島拓弥，越智広樹，松尾政之，兵藤文紀，檜井栄一&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s44303-026-00190-7&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究B (一般) (檜井栄一) や、JST次世代研究者挑戦的研究プログラムJPMJSP2142 (久保拓也) などの支援を受けて行ったものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204481/_prw_PI1im_t7ov2U0i.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204473</link>
        <pubDate>Fri, 21 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明 植物には「季節メーター」と呼ばれる内部的な仕組みがあり、過去数週間から数ヶ月間の気温データから開花時期を決定しています。2種の多年生野生植物を2年...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月21日&lt;br /&gt;


筑波大学&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　植物には「季節メーター」と呼ばれる内部的な仕組みがあり、過去数週間から数ヶ月間の気温データから開花時期を決定しています。2種の多年生野生植物を2年間にわたり調査・比較したところ、3つの遺伝子が、それぞれ異なる期間の温度を記憶し、季節の変化を確実に予測していることが分かりました。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　植物は、環境の周期的な変化に備えるため、過去数週間から数ヶ月間の気温などの環境シグナルをもとに、季節を予測し、成長・開花・休眠などのタイミングを決定する「季節メーター (Season-Meter) 」と呼ばれる仕組みを備えています。しかし、この季節メーターがどれくらい過去までさかのぼって環境変動を記憶しているのか、また、異なる植物や遺伝子の間で同じように働いているのかは、これまで分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、日本に自生する2種の野生の多年生アブラナ科植物であるワサビ（Eutrema japonicum）とハクサンハタザオ（Arabidopsis halleri）を対象に、両種で保存される花成制御に関わる遺伝子の挙動と気候データの関係を2年間にわたって追跡し、これらの遺伝子を制御する季節メーターが過去の気温履歴をどれくらいさかのぼって記憶しているかを算出する手法を確立しました。これにより、同じ制御系にある3つの遺伝子が、それぞれ異なる温度記憶期間（数日間、数週間、約5カ月）に基づいて制御されることを明らかにしました。さらに、この手法を用いて、モデル学習には使用していない別の年の気温データから予測した3遺伝子の挙動は、実際に観測された遺伝子の挙動と一致することを確認しました。&lt;br /&gt;
　本研究結果は、気温データのみから遺伝子の挙動、さらにはそれに引き続く生理現象の予測が可能であることを示唆しています。今後、地球温暖化等により気候変動が進行する中、未知の気候パターンに対する野生植物や農作物の反応を予測・評価する上で大きく貢献すると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究代表者　
筑波大学生命環境系　Diana Mihaela Buzas　准教授&lt;br /&gt;
京都大学生態学研究センター　工藤 洋　教授&lt;br /&gt;
岐阜大学応用生物科学部　山根 京子　准教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景　
　植物は、春の前の厳しい冬の寒さや、夏から秋への日照時間の減少など、毎年およそ決まったリズムで繰り返される環境の変化に直面します。このように周期的な変化への対応戦略は、単にそれが起きた時に反応を開始するよりも、変化の到来を予測して事前に備えておく方が有利です。そのため、植物は「季節メーター (Season-Meter) 」と呼ばれる仕組みを備えています。これは過去数週間から数ヶ月間の気温の推移を集計するもので、これによって季節の変化を予測し、成長・開花・休眠などのタイミングを決定しています。この仕組みにより、真冬に一日だけ暖かい日があっても、早く開花することはありませんし、春に一時的な寒波が来ても、予定通りに進んでいる開花が止まることもありません。しかし、この季節メーターが、どれくらい過去までさかのぼって環境変動を記憶しているのか、あるいは異なる植物や遺伝子の間で同じように働いているのかを評価する標準的な方法は、これまでありませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容と成果　
　本研究では、日本に自生する2種の野生のアブラナ科多年生植物注１）であるワサビ（Eutrema japonicum、図１）とハクサンハタザオ（Arabidopsis halleri）を対象に、両種で保存されている花成制御に関わる3つの遺伝子（花成制御遺伝子注２））の挙動を丸2年間にわたって追跡しました。&lt;br /&gt;
　また、遺伝子活性と測定前の過去の気温記録とを比較し、それぞれの遺伝子の季節メーターがどれくらいの過去までさかのぼっているか、すなわち、その遺伝子の挙動を最もよく説明できる気温履歴の期間（温度記憶期間注３））を算出する手法を開発しました。これにより、同じ制御系にある3つの花成制御遺伝子が、それぞれ非常に異なる記憶期間（数日間、数週間、約5カ月間）に基づいて働いていることが判明しました（図２）。このパターンは、本研究に用いた、生活サイクルが大きく異なる2つの植物種の両方で共通して見られたことから、特定の種の特異的な現象ではなく、植物の一般的な戦略を反映していると考えられます。&lt;br /&gt;
　さらに、この季節メーターモデルを用いて、モデル学習には使用していない別の年の気温データから3遺伝子の挙動を予測したところ、正確に観測値と一致することを確認しました。このことは、本モデルが植物の気候への反応を予測に利用できることを示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　今回の研究手法は、複雑な生物学的メカニズムの詳細を予め解明しておく必要がなく、遺伝子活性と気温の測定のみに依存しているため、他の遺伝子や、降水量・日長といった他の環境シグナル、さらには他の生物種にも適用可能です。地球温暖化等により気候変動が進行する中、このようなツールは、野生植物や農作物が未知の気候パターンにどのように反応するかを予測・評価する上で大きく貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考図　
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図１　本研究で対象としたワサビ（Eutrema japonicum、上）とハクサンハタザオ（Arabidopsis halleri、下）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図２　植物の遺伝子が持つ季節メーター&lt;br /&gt;
3つの遺伝子が、それぞれ異なる時間スケールで過去の気温を記憶している。これらの記憶により、季節の推移を示す情報が絶えず更新され、植物の年間を通じたライフサイクルを制御する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説　
注１）多年生植物&lt;br /&gt;
1年で一生を終えて枯れてしまう一年生植物とは異なり、枯れずに何年も生存し、毎年繰り返し花を咲かせる植物。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注２）花成制御遺伝子&lt;br /&gt;
植物が花を咲かせるタイミングをコントロールするために、リレーのように働く遺伝子群。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注３）温度記憶期間（TMI：Thermal Memory Interval）&lt;br /&gt;
植物が現在の遺伝子の働き（発現量）を決める際に、過去どれくらいの期間の気温履歴をさかのぼって集計（記憶）しているかを示す定量的な指標のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究資金　
　本研究は、科研費による研究プロジェクト（15K07289、16H01459、20K0669、21H04977、21H05659）、科学技術振興機構（JST）CREST（JPMJCR15O1）、京都大学生態学研究センターの共同利用プログラムの一環として実施されました。また、本研究は、筑波大学つくば植物イノベーション研究センター（T-PIRC）および筑波大学オープンファリリティ推進機構の施設・設備を利用して実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載論文
【題　名】 Conserved gene- and network-level thermal memory intervals in two divergent perennial crucifers in nature&lt;br /&gt;
（自然環境における、系統的に大きく異なる2種の多年生アブラナ科植物に保存された、遺伝子およびネットワークレベルの気温記憶期間）&lt;br /&gt;
【著者名】 Yoshikazu Endo, Haruki Nishio, Oguchi Taichi, Kyoko Yamane, Victoria Faith Eseese, Clarissa Frances Frederica, Hiroshi Kudoh and Diana Mihaela Buzas&lt;br /&gt;
【掲載誌】 PLOS ONE&lt;br /&gt;
【掲載日】 2026年8月19日&lt;br /&gt;
【DOI】 10.1371/journal.pone.0336733&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204473/_prw_PI6im_1dtQ2zB7.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204435</link>
        <pubDate>Thu, 20 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明 本研究のポイント ・細胞外でヒアルロン酸※1を分解する酵素「Transmembrane protein-2(TMEM2)」の働きを調節する新たな仕...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月20日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・細胞外でヒアルロン酸※1を分解する酵素「Transmembrane protein-2(TMEM2)」の働きを調節する新たな仕組みを解明しました。&lt;br /&gt;
・ヒアルロン酸合成酵素「HAS」が同一細胞上に発現するときにTMEM2の分解活性は高くなり、他の細胞が発現するヒアルロン酸や細胞から遊離したヒアルロン酸に対する分解活性は限定的であることが明らかになりました。&lt;br /&gt;
・TMEM2の遊離ヒアルロン酸に対する活性制御には、ヒアルロン酸結合タンパク質である「CD44※2」と「LYVE-1※3」が関与することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学医学部附属病院泌尿器科の飛澤 悠葵准教授、矢野 文彬臨床助教、富岡 莉紗医員、古家 琢也教授らの研究グループは、米国カリフォルニアのSanford Burnham Prebys Medical Discovery Instituteの山口 祐教授らとの共同研究で、細胞膜貫通型ヒアルロン酸分解酵素であるTMEM2の新たな活性制御機構を解明しました。&lt;br /&gt;
　肌のハリや保湿の有効成分として知られるヒアルロン酸は、細胞と細胞の間隙を満たす細胞外マトリクスの主要成分であり、組織の柔軟性、粘弾性を保つ重要な役割を担っています。ヒアルロン酸は、組織内において絶えず合成と分解が繰り返され、わずか3日ですべてが入れ替わるほど高速に代謝回転します。しかし、細胞外におけるヒアルロン酸分解がどのように調節されているかについては、十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、TMEM2の酵素活性には空間的に制御されたメカニズムが存在すること、そのメカニズムにおいて、CD44またはLYVE-1を介した細胞表面でのヒアルロン酸の捕捉が効率的なヒアルロン酸分解に寄与することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本成果は、TMEM2によるヒアルロン酸分解が細胞周囲のグリコカリックス層および細胞外マトリクスの恒常性維持に重要な役割を担っている可能性を示すとともに、これらが関与するがんや希少疾患の新たな治療法開発へつながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月12日にFrontiers in Molecular Biosciences誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　生体組織は様々な細胞の集合体として構成されています。この細胞と細胞の間隙は細胞外マトリクスと呼ばれる物質によって満たされており、細胞の移動や向き、機能的な分子の受け渡し、老廃物の排除など、組織を形成する上で多様な機能を担っています。この細胞外マトリクスの主要成分はヒアルロン酸と呼ばれる機能性糖鎖です。ヒアルロン酸は単純な2つの単糖の繰り返し構造をとり、200万ダルトンを超える巨大分子として生体内の多くの細胞から合成されます。合成されたヒアルロン酸には、様々な分解酵素が段階的に働き、わずか3日ですべてが入れ替わるほど高速に代謝回転します。ヒアルロン酸は、組織の柔軟性や粘弾性を支えるとともに、炎症や免疫応答など生体反応においても重要な役割を担っています。&lt;br /&gt;
　ヒアルロン酸は細胞外に合成・分泌されるため、最初の分解は細胞外で起こります。研究グループはこれまでに、その役割を担う酵素として「TMEM2」を同定していました。しかし、試験管内での分解活性と生体内での分解活性に乖離があるなど詳細な分解調節機構については不明なままでした。&lt;br /&gt;
　そこで本研究では細胞表面での分解活性を制御する補助分子の存在を含め、TMEM2の細胞レベルでのヒアルロン酸分解機構の詳細を検証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
&lt;br /&gt;
　本研究ではまず同一細胞上にヒアルロン酸合成酵素HASとヒアルロン酸分解酵素TMEM2が発現する条件（Cis）と、HASおよびTMEM2がそれぞれ別の細胞に発現する条件（Trans）を比較しました。その結果、両者が同一細胞上に存在するCis条件において、TMEM2によるヒアルロン酸分解活性が著しく高まることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　研究チームはこれまでに、ガラス上に固相化されたヒアルロン酸をTMEM2が分解することを報告していました。つまりTrans条件下におけるTMEM2を介した効率的なヒアルロン酸の分解には、ヒアルロン酸の移動性を制限するヒアルロン酸結合タンパク質の存在が必要であるという仮説を立てました。そこで、Trans条件下においてヒアルロン酸結合タンパク質であるCD44を同時に発現させ酵素活性への影響を検証しました。その結果、TMEM2とCD44を同一細胞に発現させることでTrans条件においてヒアルロン酸分解が顕著に高まることが明らかになりました。&lt;br /&gt;
　CD44以外にもヒアルロン酸結合タンパク質としてLYVE-1, RHAMM, layilin, TLR2, ICAM-1, TSG-6が報告されています。最後に、これらのタンパク質がTMEM2の酵素活性を調節しうるかをTMEM2と共発現することで検証しました。その結果、リンクモジュールを有する膜タンパク質であるCD44とLYVE-1がTMEM2の活性制御に関与することが明らかとなりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　ヒアルロン酸は細胞周囲のグリコカリックス層および細胞外マトリクスの主要成分であり、TMEM2の分解活性がこれらの恒常性維持に重要な役割を担う可能性が明らかになりました。がん組織や指定難病である間質性膀胱炎ではグリコカリックス層や細胞外マトリクスの異常が示されているため、がん悪性化、治療抵抗性獲得のメカニズムや難病の病態解明に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　ヒアルロン酸&lt;br /&gt;
肌の保湿を促す成分として化粧水などに配合されるヒアルロン酸は2つの単糖（N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸）を1ユニットとして繰り返し連結した直鎖の糖鎖です。大量の水を保持し粘弾性を持つため全身の組織を支える機能を有しています。一方でその機能が物質の拡散や細胞の移動を制御する物理的な障壁となり、薬剤の効果や生体反応に影響を及ぼすことがわかっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　CD44&lt;br /&gt;
ヒアルロン酸に結合することが確認されている細胞接着分子の一つで、一部のがんではがん幹細胞マーカーとして使用されるなど、がんの進展や遊走に関与する膜貫通型タンパク質です。生体の多くの細胞で発現が見られ、組織に応じて分子量や結合親和性の異なるフォームを有することも特徴の一つです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　LYVE-1&lt;br /&gt;
CD44と並んでヒアルロン酸結合が確認されている膜貫通型タンパク質です。主にリンパ節やリンパ管で発現し免疫細胞の遊走に関与します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Frontiers in Molecular Biosciences&lt;br /&gt;
論文タイトル： Regulation of TMEM2-mediated hyaluronan degradation by CD44 and LYVE-1&lt;br /&gt;
著者：Yuki Tobisawa1,2*, Fumiakira Yano1, Risa Tomioka-Inagawa1, Fumitoshi Irie3, Takuya Koie1, Yu Yamaguchi3&lt;br /&gt;
1 Department of Urology, Gifu University Hospital, Gifu, Japan&lt;br /&gt;
2 Center for One Medicine Innovative Translational Research (COMIT), Institute for Advanced Study, Gifu University, Gifu, Japan&lt;br /&gt;
3 Center for Neurologic Diseases, Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute, La Jolla, California, USA.&lt;br /&gt;
DOI: 10.3389/fmolb.2026.1852012&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204435/_prw_PI1im_e800ga6N.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608053740</link>
        <pubDate>Thu, 06 Aug 2026 13:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発－ ナノ変位の検出と高速断層イメージングで医療・産業応用に前進－ 本研究成果のポイント ・ 従来の“見えない領域”を解消し、生体組...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月6日&lt;br /&gt;


新潟大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪大学&lt;br /&gt;

光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発－&lt;br&gt;ナノ変位の検出と高速断層イメージングで医療・産業応用に前進－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果のポイント
・ 従来の“見えない領域”を解消し、生体組織や透明材料の微小変位・断層構造を一度に計測できる新手法を確立&lt;br /&gt;
・ 数十 nm 精度と1秒の高速取得を両立し、非接触での3D検査と高速トモグラフィ計測を実現&lt;br /&gt;
・ 単一光源・単一カメラで動作し、医療イメージング装置や顕微鏡システムへの組み込みが容易な高性能計測系を構築&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　新潟大学工学部電子情報通信プログラムの崔森悦准教授らの研究グループは、岐阜大学大学院医学系研究科生命原理学講座生体物理・生理学分野の任書晃教授、大阪大学大学院医学系研究科薬理学講座統合薬理学の日比野浩教授らと共同で、光周波数コム（注1）を用いた新しい干渉計測手法を開発しました。従来の光コム計測では、コム間隔が固定され測定範囲や精度の調整が難しく、さらに干渉信号が消える「盲領域」が発生するという課題がありました。本研究では、干渉信号に位相変調（SPM）を導入することでこの制約を克服し、盲領域を完全に解消しながら高速・高精度・広帯域の全視野3D計測を実現しました。本成果は、2026年7月12日に、光計測分野の国際誌「Optics &amp;amp; Laser Technology」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅰ．研究の背景
　光コムは、光の周波数が櫛のように等間隔に並んだ特殊なレーザ光で、“光の物差し”として高精度な距離計測や分光計測に広く利用されています。しかし、従来の光コム計測では、コム間隔が固定されているため、測定範囲や精度を柔軟に調整できないという制約がありました。さらに、光コムの周波数間隔を電子的に掃引して3次元形状を取得する際、試料の形状によって干渉振幅がゼロになる「盲領域」が必ず発生し、表面の一部が測れなくなる問題がありました。既存の回避策は複数光路や複数検出器を必要とするなど装置が複雑になる傾向があり、光コムの高速性・高精度性を十分に活かしきれない状況でした。&lt;br /&gt;
　本研究では、この構造的な制約を克服するために、干渉信号に正弦波位相変調（Sinusoidal Phase Modulation: SPM）（注2）を導入し（図1）、盲領域を原理的に解消しながら、位相が定在する干渉ピークを利用した高速・高精度な全視野3D計測を可能にする新しい方式を提案しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1. 　提案手法のコンセプトと原理、(a)測定面の微小なスロープ、(b) それぞれの位置に応じて変化する光コム干渉法のピーク波形、(c)SPMを施した場合の干渉ピーク波形、(d) 提案する新しい信号処理法によって復元される位相分布と干渉ピークエンベロープ&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅱ．研究の概要
　本研究では、電気光学変調によって生成した 10 GHz 間隔の光周波数コム（EOコム（注3））から、非線形光学効果を利用して波長帯域を大幅に広げた高安定なスーパーコンティニウム（注4）光源を構築しました。この光源を用いて、単一光学系・単一カメラによるフルフィールド干渉計測顕微鏡を設計し、光路差に応じて変化する干渉信号を高速に取得できるようにしました。&lt;br /&gt;
　さらに、EOコムの周波数間隔を電子的に掃引する光コム干渉法に、SPM技術を導入することで、先行研究で必ず発生していた干渉振幅の消失（盲領域）を原理的に解消できることを示しました。つまり、SPMによって干渉位相が時間的に変調されるため、位相がπ/2付近で振幅がゼロになる領域でも安定した干渉信号が得られ、全視野で連続した深さ情報を取得できます。&lt;br /&gt;
　本計測系では、顕微観察できる規模の測定領域に対して、深さ方向で数ミリメートルの範囲をカバーし、9.995から10.005 GHzまでの周波数間隔掃引を用いた1回の計測を約1秒で完了できる構成としました。これにより、640×518×865 voxelの3Dボリュームデータを1秒で取得できる高速トモグラフィが可能となり、広帯域光源と高速カメラを組み合わせたフルフィールド3D計測の新しい方式を実現しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. 　実験系、EOコム発生器からの出力を広帯域なスーパーコンティニウム光化する光源は、従来の干渉顕微鏡システムへ容易に組み込むことができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅲ．研究の成果
　本研究は、概要でも述べた通り、光周波数コム（10 GHz間隔のEOコムをスーパーコンティニウム化した広帯域光源）と SPMを組み合わせた新しい干渉計測法を実証しました。本方式は、赤外高速イメージセンサ（InGaAsカメラ）を用いた単一光路・単一カメラ方式を採用し（図2）、従来の周波数間隔掃引に伴って生じていた干渉振幅の消失（盲領域）を解消し、フルフィールドで取得した位相情報を用いてサブミクロン精度の3D形状及び断層構造の計測・可視化を可能にしました。&lt;br /&gt;
　本方式の有効性は、複数の代表的な試料を用いた実験により確認されました。まず、段差標準試料の測定（図3a）では、SPMによる位相復元を用いることで、従来のピーク位置法では得られなかった連続的な深さ情報が取得でき、段差高さの繰り返し測定において約0.05 µm（2σ）の高い再現性を示しました。次に、非鏡面の硬貨表面の計測（図3b）では、粗面に対しても盲領域が発生せず、全視野で安定した振幅・位相分布が得られ、複雑な微細凹凸形状を高速に3D再構成できることを確認しました。さらに、ガラス板の厚さ計測（図3c）では、内部反射を伴う多層構造に対してもSTFTを併用した位相追跡により断層構造を正確に抽出でき、厚さ評価においてサブミクロン級の精度を達成しました。&lt;br /&gt;
　本研究では、測定誤差についても総合的に評価を行い、位相情報を用いた本研究で提案した距離測定法が、従来のピーク位置法に比べて大幅に高い精度と再現性を示すことを確認しました(図4)。特に、繰り返し測定の誤差は凡そ数十nmの精度が得られ、硬貨やガラス板のような異なる性質の試料に対しても一貫して高い精度を示しました。これらの評価結果から、本方式は多様な試料に対して高速かつ高精度な3D計測を実現できる、実用性の高い新しい光コム干渉計測技術であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3. 　本手法を用いて得られた測定結果、(a) 段差標準、(b)10円硬貨表面、(c)ガラス薄膜&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図4. 　信号対雑音比(SNR)に対する繰り返し誤差(2s)の比較&lt;br /&gt;
(a)従来のピーク位置から求める方法では1 µm以上の誤差があるが、(b)位相を用いた新手法では、約50 nm以下に抑えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅳ．今後の展開
　本研究で示した計測方式は、深さ分解能の限界を超えて微小な変動を捉えられるという特長を持ち、ナノメートルスケールで変化する生体ダイナミクスの観測に大きな可能性を広げます。細胞や膜構造の高速な揺らぎをリアルタイムに検出できるため、生体ダイナミックスOCT（注5）への応用が期待されます。&lt;br /&gt;
　また、非接触で高速・高精度な全視野計測が可能であることから、薄膜厚さ評価や微細加工面の検査など、産業計測への展開も有望です。従来の顕微鏡システム上に容易に組み込めるため、装置の小型化や製造ラインへの導入にも適しています。&lt;br /&gt;
　さらに、本手法の特長は、より高速な3D計測技術への発展にもつながります。画像処理の負荷が小さいため、将来的には毎秒数十〜数百ボリュームの3D計測も視野に入ります。現在投稿中の研究では、この特長を活かしたさらなる高速化手法を検討しており、リアルタイム3D計測の新しいアーキテクチャとして発展する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅴ．研究成果の公表
本研究成果は、2026年7月12日、科学誌「Optics &amp;amp; Laser Technology」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【論文タイトル】Optical comb-based interferometry with sinusoidal phase modulation for full-field surface profile and tomographic measurement&lt;br /&gt;
【著者】Samuel Choi, Souta Miura, Atsuto Sugai, Shivam Kumar Chaubey, Fumiaki Nin, Hiroshi Hibino, Osami Sasaki.&lt;br /&gt;
【doi】10.1016/j.optlastec.2026.115926&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅵ．謝辞
　本研究は、JSPS 科研費（24K21607, 24K02596 及び24K00897）、 日本医療研究開発機構（AMED）革新的先端研究開発支援事業AMED-CRESTメカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出研究領域「内耳による音のナノ振動の受容・応答機構の解明と難聴治療への展開」、同AMED-CRESTマルチセンシングネットワークの統合的理解と制御機構の解明による革新的医療技術開発研究領域「加齢性難聴の克服に資する病態解明と次世代型医療の基盤技術の創出」、及びJST創発的研究支援事業（グラント番号：JPMJFR 25126424）の助成を受けて行われました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）光周波数コム（Optical Frequency Comb）&lt;br /&gt;
光の周波数（光の色）が、櫛（くし）の歯のように等間隔に並んだ特殊なレーザ光。多数の周波数をもつ光波が正確にそろっているため、「光の物差し」として距離計測や分光分析に使われる。非常に高い精度で光の周波数を扱えることが特徴。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）正弦波位相変調（Sinusoidal Phase Modulation: SPM）&lt;br /&gt;
干渉光の干渉縞や時間波形の位相（波のタイミング）を、正弦波の形で周期的に揺らす技術。レーザ干渉計において広く用いられ、光路差情報である干渉縞の位相を定量的に求めることができる。本研究では、従来測れなかった「盲領域」を検出可能にする重要な役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）EOコム（Electro‑Optic Comb）&lt;br /&gt;
電気信号で光を高速に変調して作る光周波数コム。レーザ光に電気的な変調を加えることで、等間隔の多数の光周波数成分を生成できる。装置構成が比較的簡便で、電子的に制御しやすく周波数間隔が可変であることが特徴である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）スーパーコンティニウム（Supercontinuum）&lt;br /&gt;
単色のレーザ光を特殊な光ファイバに通すことで、非常に広い波長帯域に広がった「白色光のような光」を作る技術。本研究では、EOコムを光ファイバで広帯域化し、深さ方向の分解能を高めるために利用している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）OCT（Optical Coherence Tomography：光干渉断層撮像法）&lt;br /&gt;
光の干渉を利用して、物体の内部構造を非接触で撮影する技術。医療分野では眼科検査や生体組織の観察に広く使われている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608053740/_prw_PI5im_TIX5bJv0.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608043658</link>
        <pubDate>Wed, 05 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功 ―中性子星の謎などに迫る新たな観測― 研究成果のポイント ・「反Kメソン」と呼ばれる特殊な粒子が「糊」となって陽子や中性子を強く結びつけた原子核を、光...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月5日&lt;br /&gt;


大阪大学&lt;br /&gt;
京都産業大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;

光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功  ―中性子星の謎などに迫る新たな観測―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果のポイント
・「反Kメソン」と呼ばれる特殊な粒子が「糊」となって陽子や中性子を強く結びつけた原子核を、光子ビームを使った実験で初めて観測した&lt;br /&gt;
・反Kメソン原子核の運動量分布を参照することでほかの現象との判別が可能になった&lt;br /&gt;
・高密度核物質や中性子星の内部構造といった物質の起源に迫る理解の進展に期待&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
概要
　大阪大学核物理研究センターの小早川亮特任研究員、石川貴嗣教授、京都産業大学理学部の新山雅之教授、東北大学先端量子ビーム科学研究センターの大西宏明教授、韓国・高麗大学校のJung Keun Ahn教授、岐阜大学教育学部の住濱水季教授、中国近代物理研究所の村松憲仁教授、理化学研究所仁科加速器科学研究センターのYue Ma専任研究員、京都大学理学研究科の冨田夏希准教授、台湾中央研究院のWen-Chen Chang教授、カナダ・サスカチュワン大学のChary Rangacharyulu教授らの国際共同研究グループ「LEPS2/Solenoid コラボレーション」は、図1のような通常とは異なる「糊」が陽子と中性子を結びつけた原子核を、光子ビームを使った実験において、世界で初めて観測することに成功しました。具体的には反Kメソン※1と呼ばれる粒子が陽子や中性子を強く結びつけた状態です。&lt;br /&gt;
　実験は、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8※２のレーザー電子光※３実験施設LEPS2における大型ソレノイド分光装置を使った初めての成果です。LEPS2は大阪大学核物理研究センターと東北大学先端量子ビーム科学研究センターが共同で運用しています。&lt;br /&gt;
　身の回りの物質を構成する原子の中心には陽子と中性子からなる原子核があります。湯川秀樹博士によりπメソン※４(π中間子)という粒子が、陽子や中性子を糊のように結びつけていることがわかりました。陽子や中性子、そしてπメソンは、物質の最小構成要素である素粒子のクォークの中でuクォークとdクォーク、およびこれらの反クォークでできています。クォークには他にも種類があり、クォークが集まってできる粒子をハドロンと呼んでいます。ハドロンには3つのクォークからなるバリオン、クォークと反クォークからなるメソンの2種類があります。しかし非常に密度の高い中性子星の内部などでは、陽子や中性子がもたないsクォークを含む特殊な原子核（ハイパー核）が存在すると考えられておりますが、sクォークを含む反Kメソンが糊として働くような原子核(反Kメソン原子核)が存在するかは謎でした。&lt;br /&gt;
　今回、LEPS2/Solenoidコラボレーションでは、光子ビームを使って重陽子から反Kメソン原子核を生成・観測することに成功しました。sクォークを含まない光子・重陽子衝突からの生成に初めて成功したことにより、反Kメソンが原子核を作り上げる糊としてしっかり働いていることが明らかにされました。これまで茨城県那珂郡東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)における反Kメソンビームの実験で候補となる存在が見つかっていますが、全く異なる反応(ビーム)で同じ状態が見つかった、すなわち反Kメソン原子核状態が存在する可能性が高まった、ということを意味します。また生成された反Kメソン原子核の運動量分布から、通常の原子核である重陽子に比べ、二つの核子がより引き寄せられた状態である可能性が強く示唆されました。このことは、未だよくわかっていない高密度の核物質※５や中性子星※６の内部構造を理解するために極めて重要な情報をもたらし、進展が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、国際的な物理専門誌「Physics Letters B」に、7月9日（木）に公開されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1　反Kメソンが入り込み、糊のように陽子や中性子（合わせて核子）を強く結びつける原子核。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【石川貴嗣教授のコメント】&lt;br /&gt;
本研究成果を学術論文としてまとめた小早川亮特任研究員は、2015年からLEPS2実験施設の大型ソレノイド分光装置における検出器開発・建設の中核を担ってきました。特に主要検出器である三次元飛跡検出器TPCの立ち上げ・運用では数々の技術的課題を粘り強く克服し、長年にわたる挑戦の積み重ねが、今回の反Kメソン原子核の光子ビームでの世界初観測という画期的な成果へと結実しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景
　私たちの身の回りにあるものは、すべて原子でできています。その原子の中心には「原子核」があり、原子核は陽子と中性子からできています。この陽子や中性子は、さらに「クォーク」という、これ以上分けられない一番小さな粒からできています。クォークが集まってできる粒子を「ハドロン」と呼びます。ハドロンには2種類あり、クォーク3つでできる「バリオン」(陽子や中性子はこの仲間)と、クォークと反クォークでできる「メソン」です。こうしてクォークからハドロンができることが、物質が作られていく最初のステップです。実は、私たちの身の回りにある物質の質量の98〜99%は、このステップで生まれています。&lt;br /&gt;
　普通の原子核では、陽子や中性子はπメソンをキャッチボールのようにやり取りすることで、互いに引き合っています。このやり取りが、原子核をまとめる「糊」のような役割を果たしています。陽子や中性子、πメソンはuクォーク、dクォーク、およびこれらの反クォークからできているため、原子核の中でπメソンは露わに現れません。これとは別に、sクォークを含む反Kメソンという特殊な粒子も、陽子や中性子を強く引きつけることが分かっていました。sクォークは一般的な物質の中には含まれませんが、宇宙線の中にはsクォークを含む粒子が観測されることがあり、中性子星のような非常に密度が高い物質の中にもあると考えられています。またsクォークを含む粒子を人工的につくることもできます。&lt;br /&gt;
　反Kメソンは、πメソンのようにやり取りされるのではなく、原子核の中に実際の粒子として入り込み、周りの陽子や中性子を直接引きつけると考えられています。つまり、原子核の中に反Kメソンそのものがとどまることで、ずっとコンパクトな原子核ができる、と考えられます。そのため、「反Kメソンを原子核内に抱え込んだ、通常よりずっと小さくまとまった原子核があるのではないか」と長年考えられてきましたが、実験結果の解釈がはっきりせず、本当にあるのかは分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　そんな中、J-PARCのE15実験で、反Kメソンをビームとして原子核に照射する実験が行われ、反Kメソンを含む原子核の候補が報告されました。この新種の原子核の存在や性質を明らかにするため、他のビーム、とくにsクォークを含まないビームを用いた実験での確認が待たれていました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
研究の内容
　LEPS2/Solenoidコラボレーションでは、光子・重陽子衝突実験で、反Kメソンを含む原子核を生成・観測することに世界で初めて成功しました。&lt;br /&gt;
　この実験では、紫外線レーザーを大型放射光施設SPring-8の電子蓄積リングに入射し、レーザーと8 GeVの高エネルギー電子のコンプトン散乱で得られる1.3～2.4 GeVの高エネルギーガンマ線を光子ビームとして使用しています。このような光子ビームをレーザー電子光と呼んでいます。レーザー電子光は蓄積リング棟とは別のLEPS2実験棟まで導き、このレーザー電子光を液体重水素標的※７に照射しました。光子・重陽子衝突では様々な反応が起こりますが、本実験では、図2の磁気スペクトロメータSolenoidを使って、主に荷電粒子の運動量とエネルギーを測定することで反応を同定しています。反Kメソン原子核の観測では、中性Kメソン、Λバリオン※８、陽子の三つのハドロンを同時に生成する反応を調べました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2　大型ソレノイド分光装置Solenoid。ソレノイド電磁石の中心に、液体重水素標的を配置し、荷電粒子に対して飛跡検出器と飛行時間検出器を使って、どのような粒子がどのような運動量とエネルギーを持って放出されたかを測定します。模式図では、大きさを表すため人を書き込んでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　反 K メソン原子核は、崩壊して Λ バリオンと陽子になると期待されます。そこで、 Λ バリオンと陽子の不変質量※９を調べることで、反 K メソン原子核の生成を調べました。 Λ バリオンと陽子の不変質量を示した図3では、Λ バリオンと陽子が最終的に生成されていても、反 K メソン原子核が形成されていない背景事象がたくさん存在します。 Λ バリオンと陽子がもつ運動量分布を参照することで反 K メソン原子核が確かに存在することを確かめました。sクォークを含まない光子・重陽子衝突での生成に初めて成功したことにより、反 K メソンが原子核を作り上げる糊として機能していることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3　Λバリオンと陽子の不変質量分布。反Kメソンを糊とする原子核が崩壊してΛバリオンと陽子が発生した信号事象とこれらが独立に生成された背景事象は、Λバリオンと陽子がもつ運動量を使って弁別しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果が社会に与える影響（本研究成果の意義）
　本研究成果とJ-PARCのE15実験での成果を合わせて、反Kメソンを糊とする原子核の存在が確実なものとなりました。また反Kメソン原子核の運動量分布から、通常の原子核である重陽子よりも、はるかに二つの核子が引き寄せられた状態であることがわかりました。そのため未だよく理解されていない高密度である核物質や中性子星の内部構造に対して極めて重要な情報をもたらします。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
特記事項
本研究成果は、国際的な物理専門誌「Physics Letters B」に、7月9日に公開されました。&lt;br /&gt;
タイトル：Evidence for a K ̅NN quasi-bound state in the γd→K^0 Λp reaction&lt;br /&gt;
著者名： R. Kobayakawa, J.K. Ahn, S. Ajimura, W.-C. Chang, M.-L. Chu, S. Daté, T. Gogami, T.A. Hashimoto, T. Hotta, T. Ishikawa, H. Katsuragawa, H. Kohri, Y. Ma, M. Miyabe, K. Mizutani, N. Muramatsu, T. Nakano, T. H. Nam, M. Niiyama, Y. Nozawa, Y. Ohashi, H. Ohkuma, H. Ohnishi, T. Ohta, C. Rangacharyulu, S.Y. Ryu, Y. Sada, H. Shimizu, M. Sumihama, S. Suzuki, S. Tanaka, A.O. Tokiyasu, N. Tomida, K. Watanabe, T. Yorita, C. Yoshida, and M. Yosoi (LEPS2/Solenoid Collaboration)&lt;br /&gt;
ＤＯＩ：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.physletb.2026.140719&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.physletb.2026.140719&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業(15H00839, 16K13806, 17H02892, 18H05402, 20H01933, 21H00114, 21H01110, 21H01115, 21H04986, 22H00124, 433 23H01201, 24H00232)、韓国研究財団（NRF）の助成事業 (2020R1A3B2079993)、台湾（中華民国）国家科学及技術委員会の助成事業の助成を受けて推進しました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
用語説明
※1　反Kメソン&lt;br /&gt;
反K(ケイ)中間子とも呼ばれる。反uクォークまたは反dクォーク、およびsクォークからなるメソン。核子との間に非常に強い引力が働くことが知られており、核子同士を強く束縛する「糊」として働く可能性がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　 SPring-8&lt;br /&gt;
兵庫県播磨科学公園都市にある世界最高性能の大型放射光施設。8 GeVまで加速した電子から放射光（X線）を発生させ、物質・生命・材料科学など幅広い研究に利用されている。本研究では、LEPS2ビームラインでレーザー電子光を用いたハドロン生成実験を行った。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　 レーザー電子光&lt;br /&gt;
高エネルギー電子にレーザー光を正面衝突させて発生させる高エネルギーガンマ線。散乱後の電子の運動量を測定することで、それぞれのガンマ線のエネルギーを高い精度で決定（標識化）できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　πメソン&lt;br /&gt;
π(パイ)中間子とも呼ばれる。uクォークまたはdクォーク、および反uクォークまたは反dクォークからなるメソンの総称。陽子や中性子(核子)の間に働く力を伝え、原子核を形作る「糊」のような役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※５　核物質&lt;br /&gt;
陽子や中性子（核子）が隙間なく集まった高密度の物質。通常の原子核も小さな核物質と考えることができる。反Kメソンが核子同士を強く束縛すると、通常の原子核よりさらに高密度な核物質が実現する可能性があり、その研究は中性子星内部の超高密度物質の理解にもつながると期待されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※６　中性子星&lt;br /&gt;
太陽の約8倍以上の質量をもつ恒星が一生の最後に超新星爆発を起こした後に残る超高密度の天体。太陽の約1～2倍の質量が直径約20 kmの球に詰め込まれている。内部には原子核を超える高密度の物質が存在すると考えられており、反Kメソンと核子の相互作用を理解することは、そのような極限環境の物質の性質を解明する手掛かりになる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※７　液体重水素標的&lt;br /&gt;
重水素（陽子1個と中性子1個からなる重陽子原子核と電子からなる原子または分子）を約20 K（約−253 ℃）まで冷却して液体にした標的。気体のままより約1000倍高い密度となるため、多くの反応を効率よく測定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※８　Λバリオン&lt;br /&gt;
uクォーク、dクォーク、sクォークからなる電気的に中性なバリオン。ごく短時間で負電荷のπメソンと正電荷の陽子に崩壊するため、これらの粒子の運動量とエネルギーを測定することで、もとのΛ(ラムダ)バリオンの性質を調べることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※９　不変質量&lt;br /&gt;
複数の粒子を一つの粒子としてみなしたときの質量。観測する人の運動状態によらず一定であることから、「不変質量」と呼ばれる。新しい粒子や束縛状態を探す際の重要な指標となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考URL
レーザー電子光実験グループ URL &lt;a href=&quot;https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/np1-b/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/np1-b/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>大質量星団は、銀河最強クラスの宇宙線加速器だった</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607243091</link>
        <pubDate>Mon, 27 Jul 2026 15:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>大質量星団は、銀河最強クラスの宇宙線加速器だった 〜100年来の謎「宇宙線の起源」解明に大きく前進〜 本研究のポイント ・ 大質量星団「ウェスタールンド1」に付随する星間雲(注1)を電波観測で初めて特...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2027年7月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

大質量星団は、銀河最強クラスの宇宙線加速器だった  〜100年来の謎「宇宙線の起源」解明に大きく前進〜
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 大質量星団「ウェスタールンド1」に付随する星間雲(注1)を電波観測で初めて特定しました。&lt;br /&gt;
・ 星間雲分布とガンマ線(注2)分布の一致から、ウェスタールンド1周辺のガンマ線が、宇宙線(注3)陽子と星間雲の衝突によって発生したことを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ ウェスタールンド1は、銀河最強クラスの宇宙線加速器「ペバトロン(注4)」のひとつであることを示しました。&lt;br /&gt;
・ 星間雲同士の「衝突」によって星団が形成された痕跡も発見しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学工学部の 佐野栄俊 准教授と、名古屋大学大学院の 福井康雄 名誉教授らの研究チームは、国立天文台、オーストラリアの西シドニー大学、アデレード大学などとの共同研究により、銀河系最大の質量をもつ星団Westerlund 1（ウェスタールンド1）において、銀河最強クラスの宇宙線が発生していることを世界で初めて示しました。&lt;br /&gt;
　本研究は、ガンマ線望遠鏡H.E.S.S.による最新の観測成果と、名古屋大学や岐阜大学などが南米チリで共同運用するNANTEN2電波望遠鏡、ならびに国立天文台のアステ電波望遠鏡で得られた星間雲の観測結果を詳細に比較することで得られました。&lt;br /&gt;
　本研究によって、大質量星団ウェスタールンド1周辺から放射されている高エネルギーガンマ線が、宇宙線陽子によって発生していることが明らかになりました。ウェスタールンド1は、銀河最強クラスの宇宙線加速器「PeVatron（ペバトロン）」のひとつであるとみられ、100年来の謎とされてきた宇宙線の起源解明に大きく前進しました。&lt;br /&gt;
　また、本研究の副産物として、ウェスタールンド1星団そのものの形成過程も明らかになりました。２つの異なる分子雲（高密度な星間雲）が、秒速20キロメートル以上の速度差で、およそ400–500万年前に衝突したことで、銀河系最大の質量をもつ星団が誕生したと考えられます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年6月10日付で天文学術雑誌「アストロフィジカルジャーナル」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　宇宙線は、光速に近い速さで宇宙空間を飛び交う粒子放射線の総称です。主成分は陽子であり、銀河や物質の進化に多大な影響をおよぼすため、その発生源（加速源）を探ることは、現代天文学の最重要課題のひとつです。銀河系内の宇宙線発生源としては、星が生涯最期に起こす大爆発である「超新星爆発」が最有力とされており、少なくとも約100テラ電子ボルトの宇宙線が発生していることは観測的に証明されていました。一方、銀河系最大のエネルギーをもつ宇宙線（約3ペタ電子ボルト）がどこで発生しているのかは、未だによく分かっていません。このような銀河系最強クラスの宇宙線加速器を「ペバトロン (PeVatron)」と呼びます。&lt;br /&gt;
　ウェスタールンド1は、地球から13,000光年離れた場所に位置する、銀河系で最も質量の大きな星団です。その質量は太陽の約10万倍に相当し、3光年ほどの範囲内に、太陽質量の8倍を超える大質量星を168個も内包しています。2022年には、星団の周りから非常に強力なガンマ線が検出され、ペバトロン候補として再注目されるようになりました（図1）。もしペバトロンであれば、ガンマ線は、ペタ電子ボルトの宇宙線陽子と、周辺の星間雲との衝突で発生したはずです。この場合、ガンマ線光度は、星間雲の密度に比例します。しかしながら先行研究では、そのような星間雲は存在しない、と結論づけられていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1 (a) H.E.S.S.ガンマ線望遠鏡によるウェスタールンド1の周りのガンマ線画像と、(b) ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による星団中心部の赤外線画像。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　本研究では、名古屋大学と岐阜大学などが南米チリの標高5,000mで共同運用するNANTEN2電波望遠鏡と、オーストラリアのATCA干渉計で取得した星間雲のデータを、ガンマ線望遠鏡H.E.S.S.で得られたガンマ線画像と詳しく比較しました。その結果、ガンマ線分布にピタリと一致する星間雲が新たに見つかりました（図2a）。その総質量は、太陽質量の160万倍にもなります。また、アステ電波望遠鏡を用いた観測により、ウェスタールンド1の中心方向に、空洞分布を持つ分子雲を捉えました（図2b）。これは、大質量星からの強力な紫外線や、ガスの噴出流（恒星風）によって作られたと解釈できます。実際に恒星風によって、毎秒5 kmの速さで膨張していることもわかりました。穴の大きさと膨張速度から、70万年前に作られたことも明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2 (a) 星間雲から求めた水素柱密度の画像に、ガンマ線強度を等高線で重ねた図。(b) 星団中心部の拡大図。分子雲画像･等高線に、赤外線画像を重ねてある。点線は、大質量星からの恒星風により形成された、分子雲の空洞分布を示す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　&amp;nbsp;なぜ、ウェスタールンド1では、銀河系最強レベルの宇宙線を発生できたのでしょうか。先行研究では、大質量星からの恒星風が、宇宙線発生に直接寄与したというシナリオが提示されていました。一方、私たちが着目したのは、超新星爆発による宇宙線加速が効率よく起きたという説です。ウェスタールンド1では、中性子星の存在から、過去に超新星爆発が1回以上起きたことが分かっています。爆発で生じた衝撃波は、時間と共に広がって宇宙線を生み出し、そのエネルギーは、衝撃波の速さと磁場強度に比例します。星団周辺の分子雲空洞内では、衝撃波はほとんど減速されずに進むことができます。また、多くの大質量星からの恒星風が入り乱れることで、磁場強度が高められます。結果として、高いエネルギーの宇宙線を発生できた可能性があるのです。もしこの説が正しければ、銀河最強クラスの宇宙線発生機構の解明に大きく前進したと言えます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　また、本研究を通して、思いがけない発見もありました。アステ望遠鏡によるデータを詳しく解析したところ、毎秒20km の速度差をもつ2つの分子雲が、星団方向で入れ子状に重なっていることがわかりました（図3）。どちらもジェームズ･ウェッブ宇宙望遠鏡で撮られた赤外線画像との空間的によく対応しており、ウェスタールンド1と同じ距離に位置しているとみられます。また、2つの分子雲は、その中間の速度をもつ淡い分子雲で接続されていました。これらの観測的特徴は、およそ400–500万年前に2つの分子雲同士が「衝突」し、水素ガスが急圧縮されたことで、大質量星団ウェスタールンド1を形成したと考えて矛盾しません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3 星団の赤外線画像に、等高線で2つの分子雲を重ねた。青色が私たちに対して近づく分子雲、赤色が遠ざかる分子雲を示す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　大質量星団の形成機構は長年の謎でしたが、近年、星間雲同士の衝突によって引き起こされたとみられる現場が観測によって見つかり始めました。一方で、ウェスタールンド1だけは、年齢が400–500万年と比較的古いため、星団の材料となった星間雲は、大質量星からの強力な紫外線ですでに破壊され、見つからないと思い込まれてきました。そのため、今回の結果は、宇宙の物質循環や進化において、従来の常識を覆す重要な観測成果と言えます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　大質量星団ウェスタールンド1が、銀河最強クラスの宇宙線加速器のひとつであることが、本研究によってわかりました。次の課題は、そのような星団が他にもあるかどうか、を探ることにあります。すでに銀河系内の10個内外の星団から、ガンマ線が検出され始めています。今後、チェレンコフ・テレスコープ・アレイという次世代ガンマ線望遠鏡や、日本が主導するアルパカ実験が本格的に稼働すると、さらに多くの星団からガンマ線が検出されるとみられます。これによって、宇宙線加速器としての星団の役割が明らかになり、銀河や物質の進化の理解にブレイクスルーをもたらすと考えられます。&lt;br /&gt;
　もうひとつの課題は、ウェスタールンド1で、母体となった分子雲が壊されずに生き残った理由を突き止めることにあります。この究明には、より高い解像度の分子雲データが不可欠です。現在、世界最高性能を誇る大型電波干渉計アルマを用いた観測提案書が採択され、今まさに観測が進められています。アルマによる観測では、本研究の約5倍の解像度が得られる見込みであり、分子雲の温度や密度をより精確に求めることもできるようになります。銀河における物質の進化についての常識を塗り替えるような成果が得られるかもしれません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
(注1）星間雲：&lt;br /&gt;
星と星の間を満たす、水素からなるガス状の塊。中性水素原子から構成される低密度星間雲（1～100個/cc程度）を原子ガス雲、中性水素分子を主成分とする高密度星間雲（約1,000個/cc以上）を分子雲と呼ぶ。この分子雲が何らかの仕組みで圧縮されることで、太陽のような自ら光る星（恒星）が生まれる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注2）ガンマ線：&lt;br /&gt;
電磁波のひとつで、波長が約0.01ナノメートルよりも短いものを指す。ガンマ線を放射する物理過程は複数存在し、そのひとつが陽子起源ガンマ線であり、宇宙線の陽子が星間雲中の陽子（水素）と衝突することで発生する。このときガンマ線の光度分布は、宇宙線の標的となる星間雲の密度分布と一致する（正の相関を示す）ことが知られている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注3）宇宙線：&lt;br /&gt;
宇宙から地球に降り注ぐ高エネルギー粒子放射線。宇宙線の主成分は陽子で、その10分の1のヘリウム原子核と、100分の1以下の電子・その他の原子核から構成される。蛍光灯ひとつは3電子ボルトのエネルギーを放つが、銀河系で最も高い宇宙線のエネルギーは約3,000兆（3×10¹⁵または3ペタ）電子ボルトと言われている。これは、地球上にある粒子加速器で実現できる最大エネルギーの400倍以上に相当する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注4）PeVatron（ペバトロン）：&lt;br /&gt;
3,000兆（3×10¹⁵）電子ボルトに匹敵する、銀河系で最大のエネルギーを持つ宇宙線を加速（発生）できる天体の総称。ペバトロンの正体については、ブラックホールや大質量星団、超新星爆発などの候補天体種族が提案されているものの、議論が続いている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：The Astrophysical Journal（アストロフィジカルジャーナル）&lt;br /&gt;
論文タイトル：Discovery of Molecular and Atomic Gas associated with HESS J1646-458 (Westerlund 1): Spatial TeV Gamma-Ray and Interstellar Proton Correspondence&lt;br /&gt;
著者：佐野栄俊1, 福井康雄1,2, 藤森将太1, 村瀨建1, Rami Z. E. Alsaberi1,3, Miroslav D. Filipović3, Gavin Rowell4, 有賀麻貴2, 淺野裕也1, Bhuvana G. Rajendra1, 出町史夏2, Sabrina Einecke4, 深谷直史2, 濵田莉来2, 井上陽登1, 鎌﨑剛5, Sanja Lazarević3,6,7, 南谷哲宏5,8, Zachary Smeaton3, 須藤広志9, 立原研悟2, 高羽浩1,5, 柘植紀節1,2,5, 山田麟1,5&lt;br /&gt;
所属：1岐阜大学, 2名古屋大学大学院, 3西シドニー大学, 4アデレード大学, 5国立天文台, 6オーストラリア国立望遠鏡機構, 7ベオグラード天文台, 8総合研究大学院大学, 9仙台高等専門学校&lt;br /&gt;
DOI: 10.3847/1538-4357/ae6337&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202607243091/_prw_PI7im_J0f5pn48.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>免疫介在性中枢神経疾患の病態メカニズムを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607243084</link>
        <pubDate>Mon, 27 Jul 2026 11:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>免疫介在性中枢神経疾患の病態メカニズムを解明： 疾患活動性や再発リスクを反映する新規バイオマーカー「TNFRSF9」を発見 本研究のポイント ・ 自己免疫性グリア線維性酸性タンパク質アストロサイトパチ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2027年7月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

免疫介在性中枢神経疾患の病態メカニズムを解明： 疾患活動性や再発リスクを反映する新規バイオマーカー「TNFRSF9」を発見
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 自己免疫性グリア線維性酸性タンパク質アストロサイトパチー（autoimmune glial fibrillary acidic protein astrocytopathy: GFAP-A）（注１）は、脳や脊髄に炎症が起こる免疫介在性中枢神経疾患の一つですが、その病態機序は十分に解明されておらず、確立した治療法もありません。&lt;br /&gt;
・ 本研究では、GFAP-A患者の脳脊髄液中で、活性化T細胞やNK細胞に発現する共刺激受容体「TNFRSF9（Tumor Necrosis Factor Receptor Superfamily Member 9）（注２）」が、他の神経疾患と比較して有意に増加していることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ 脳脊髄液中のTNFRSF9濃度は、炎症性サイトカイン（IL-6、TNF-α）（注３）およびアストロサイト障害マーカーであるglial fibrillary acidic protein（GFAP）との相関が認められました。さらに、臨床像との比較検討により、疾患活動性や重症度、さらには再発リスクを反映する有望なバイオマーカーとなる可能性が示されました。&lt;br /&gt;
・ 本研究成果は、GFAP-Aの病態解明を進展させるだけではなく、新たな治療標的の探索や治療法の確立につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野の木村暁夫臨床教授、下畑享良教授、竹腰顕助教、同研究科寄生虫学・感染学分野の前川洋一教授らの研究グループは、藤田医科大学、聖マリアンナ医科大学、新潟大学との共同研究により、GFAP-Aの病態解明と治療法確立につながる知見を発表しました。&lt;br /&gt;
　GFAP-Aは、脳や脊髄で炎症が生じる免疫介在性中枢神経疾患です。ステロイド治療が有効である一方、難治例や再発例が存在し、認知機能障害や歩行障害などの後遺症を伴う例も少なくありません。&lt;br /&gt;
　研究の結果、患者の脳脊髄液中でTNFRSF9が上昇し、疾患活動性や重症度、再発と関連していることが分かりました。TNFRSF9は、活性化T細胞・NK細胞に発現する共刺激受容体で、細胞表面型・分泌型が存在します。TNFRSF9が、GFAP-A患者の中枢神経内においてCD8陽性T細胞の活性化やサイトカイン産生と関連し、本疾患の病態に関与している可能性が推測されました。さらに、TNFRSF9は、新たなバイオマーカーおよび治療標的となる可能性が示され、今後の治療法開発への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年7月17日にNeurology誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　自己免疫性GFAPアストロサイトパチー（GFAP-A）は、アストロサイトの中間径フィラメントを構成するグリア線維性酸性タンパク質（glial fibrillary acidic protein: GFAP）に対する自己免疫機序を背景として発症する免疫介在性中枢神経疾患です。患者の脳脊髄液中では、一連の自己免疫応答に伴って産生されたGFAP抗体が検出され、診断マーカーとして用いられています。一方、その病態機序については、病理組織学的検討からGFAP抗原特異的細胞傷害性T細胞（注４）が重要な役割を担うことが示唆されているものの、詳細はいまだ十分に解明されておらず、標準的な治療法も確立されていません。現在、ステロイドを中心とした免疫療法が経験的に行われていますが、治療抵抗例も存在し、約10％の患者で再発が認められます。また、認知機能障害、排尿障害、歩行障害などの後遺症が残存することも少なくなく、有効な治療法の確立が求められています。そこで、本研究では、病態に関連する疾患活動性バイオマーカー候補を同定することを目的として研究を行いました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　GFAP-A患者4例由来の脳脊髄液と、対照群として非炎症性神経疾患である正常圧水頭症患者4例由来の脳脊髄液を対象に、Proximity Extension Assay（注５）を用いたプロテオミクス解析（注６）を行い、本疾患で特異的に増加するタンパク質の探索を行いました。その結果、TNFRSF9が最も有望な疾患関連分子として同定されました（図１）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図１．バイオマーカー候補タンパク質の同定を目的としたプロテオミクス解析結果。&lt;br /&gt;
TNFRSF9が同定された（矢印）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　脳脊髄液TNFRSF9の特異性を検証するため、ELISA解析を用いて、GFAP-A患者42例およびその他の神経疾患患者60例の脳脊髄液中TNFRSF9濃度を測定し、比較検討しました（図2）。その結果、GFAP-A患者では、その他の神経疾患患者と比較して脳脊髄液TNFRSF9濃度が有意に高値を示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図２．各神経疾患別脳脊髄液TNFRSF9値の比較結果。&lt;br /&gt;
GFAP-A患者の治療前の脳脊髄液TNFRSF9値は、その他の神経疾患群と比較して有意に高値を示した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　42例のGFAP-A患者を対象に、脳脊髄液TNFRSF9値と臨床データを比較検討しました。結果、脳脊髄液TNFRSF9値は、脳脊髄液中の細胞数（ρ［95%CI］= 0.323［0.02–0.57］、BH補正後 p = 0.045）、蛋白量（0.642［0.42–0.79］、p &amp;lt; 0.001）、アデノシンデアミナーゼ値（0.593［0.27–0.80］、p = 0.004）、および入院時のmodified Rankin Scaleスコア（0.443［0.15–0.66］、p = 0.008）と相関を示しました。&lt;br /&gt;
　さらに異なる臨床プロファイル間での脳脊髄液TNFRSF9値の比較解析を行いました。意識障害を有する患者では、意識障害のない患者と比較してTNFRSF9値が高値でした（Cohen’s d［95% CI］= 0.481［-0.20–1.16］、BH補正後 p = 0.005）。線状血管周囲造影病変を認めた患者は、認めなかった患者に比べてTNFRSF9値が高値でした（0.338［-0.28–0.96］、p = 0.0496）。さらに、再発を経験した患者では、再発のなかった患者に比べ、初回の脳脊髄液TNFRSF9値が高値でした（0.336［-0.60–1.28］、p = 0.047）。&lt;br /&gt;
　加えて、脳脊髄液TNFRSF9値と、すでにGFAP-A患者で上昇することが知られている炎症性サイトカイン（IL-6、TNF-α）およびGFAPとの相関を解析しました。結果、TNFRSF9値は、脳脊髄液IL-6値（ρ［95%CI］= 0.378［0.08–0.61］、p = 0.014）、脳脊髄液TNF-α値（0.719［0.53–0.84］、p &amp;lt; 0.001）、および脳脊髄液GFAP値（0.485［0.21–0.69］、p = 0.001）と有意な相関を示しました（図３）。さらに、GFAP-A患者11例の脳脊髄液を用いて経時的にTNFRSF9値を測定したところ、いずれの症例においてもステロイド治療後にTNFRSF9値の低下を確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図３．GFAP-A患者における脳脊髄液TNFRSF9値と炎症性サイトカイン（IL-6、TNF-α）およびアストロサイト障害マーカー（GFAP）との相関解析&lt;br /&gt;
GFAP-A患者の脳脊髄液TNFRSF9値は、炎症性サイトカイン（IL-6、TNF-α）およびGFAP値と有意な相関を認めた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、脳脊髄液TNFRSF9はGFAP-Aの疾患活動性、疾患重症度ならびに再発リスクを反映するバイオマーカーである可能性が示されました。また、病態形成に密接に関与する新たな治療標的として活用できる可能性があります。今後、同マーカーを活用したGFAP-Aの治療法の確立が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　今回の研究結果から、TNFRSF9がGFAP-Aの病態形成に関与している可能性が示唆されました。しかしながら、GFAP-AにおいてTNFRSF9の産生がどのような機序で促進され、病態形成に寄与しているのかについてはいまだ明らかではなく、今後さらなる検討が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注１） 自己免疫性GFAPアストロサイトパチー（autoimmune GFAP astrocytopathy: GFAP-A）&lt;br /&gt;
近年新たに確立された免疫介在性中枢神経疾患であり、患者の脳脊髄液中において、アストロサイトに発現する中間径フィラメントの一つであるglial fibrillary acidic protein（GFAP）に対する自己抗体（GFAP抗体）が検出されることにより診断されます。&lt;br /&gt;
本疾患の発症年齢の中央値は50代ですが、小児から高齢者まであらゆる年齢層に発症し、男性に多い特徴があります。一般的に髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎を呈しますが、臨床像は多彩であり、頭痛や発熱を初期症状として、その後、意識障害、振戦・ミオクローヌス・運動失調などの運動異常症、認知機能障害、排尿障害を比較的高頻度に認めます。視神経乳頭浮腫や呼吸障害をきたし人工呼吸器管理を必要とすることもあります。頭部造影MRIにて、側脳室周囲にみられる線状血管周囲造影病変、脊髄MRIにて、3椎体以上に及ぶ連続性の長大脊髄病変を合併することもあります。治療としてはステロイド療法が有効である一方、治療開始後6か月以降も日常生活に介助を要する患者が一定数存在し、再発率は10.5％とされ、認知機能障害、排尿障害、歩行障害を後遺症として残すことがあります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注２） TNFRSF9（別名：CD137または4-1BB）&lt;br /&gt;
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する分子であり、膜結合型および可溶型の両形態で存在します。主にT細胞（特にCD8陽性細胞傷害性Tリンパ球）やNK細胞に発現し、抗原提示細胞との相互作用や炎症環境下でその発現が誘導されることが知られています。TNFRSF9はリガンドとの結合によりT細胞の増殖、生存およびサイトカイン産生を促進し、免疫応答を増強する機能を有します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注３） 炎症性サイトカイン&lt;br /&gt;
免疫細胞（マクロファージ、T細胞、樹状細胞など）から分泌され、炎症反応を促進するシグナル伝達蛋白です。主な炎症性サイトカインとしてTNF-α（Tumor Necrosis Factor-α）、IL-1β（Interleukin-1β）、IL-6、IFN-γ（Interferon-γ）等が知られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注４） 細胞傷害性T細胞（Cytotoxic T Lymphocyte: CTL）&lt;br /&gt;
主にCD8陽性T細胞から分化し、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞などの異常細胞を直接認識して排除する獲得免疫のエフェクター細胞です。キラーT細胞とも呼ばれます。標的細胞表面のMHCクラスI分子上の抗原ペプチドを認識し、活性化されるとグランザイムやパーフォリンを放出し、標的細胞を直接殺傷します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注５） Proximity Extension Assay&lt;br /&gt;
タンパク質を高感度かつ高特異的に測定するためのプロテオミクス解析技術です。標的タンパク質に対して認識部位の異なる 2種類の抗体を用います。それぞれの抗体には固有のDNAオリゴヌクレオチド（DNAタグ）が結合しています。2本のDNAタグ付き抗体が同じタンパク質に結合し、抗体同士が近接することでDNAタグがハイブリダイズします。DNAポリメラーゼによってDNAが伸長され、特異的なDNA配列が生成され、生成されたDNAをポリメラーゼ連鎖反応で増幅・定量し、DNA量から元のタンパク質量を推定する方法です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注６） プロテオミクス解析&lt;br /&gt;
生体内で発現するタンパク質を網羅的に解析し、疾患関連分子やバイオマーカー候補を探索する手法です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Neurology&lt;br /&gt;
論文タイトル：Involvement of TNFRSF9 in the Pathogenesis of Autoimmune Glial Fibrillary Acidic Protein Astrocytopathy&lt;br /&gt;
著者：Akio Kimura, Akira Takekoshi, Yoichi Maekawa, Keiko Tanaka, Yoshihisa Yamano, Kuniaki Saito, Masao Takemura, Yasuko Yamamoto, Takayoshi Shimohata&lt;br /&gt;
DOI: 10.1212/WNL.0000000000218306&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、以下の研究助成を受けて実施しました。&lt;br /&gt;
国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED： JP23ek0109680)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202607243084/_prw_PI9im_cKA374sl.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>骨肉腫の「肺転移」を抑制するメカニズムを解明：骨肉腫の新規治療標的を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607152591</link>
        <pubDate>Thu, 16 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>骨肉腫の「肺転移」を抑制するメカニズムを解明： 骨肉腫の新規治療標的を発見 本研究のポイント ・骨肉腫は小児および若年者に最も多い悪性骨腫瘍で、肺転移が患者の予後を大きく左右します。 ・本研究では、ま...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年7月16日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

骨肉腫の「肺転移」を抑制するメカニズムを解明： 骨肉腫の新規治療標的を発見
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・骨肉腫は小児および若年者に最も多い悪性骨腫瘍で、肺転移が患者の予後を大きく左右します。&lt;br /&gt;
・本研究では、まずマウス骨肉腫モデルを用いて肺転移のプロセスを解明し、その結果がヒト骨肉腫細胞や患者由来の腫瘍組織にも当てはまることを検証しました。&lt;br /&gt;
・マウス骨肉腫細胞では「乳酸脱水素酵素A（LDHA）（注1）」を作る量を減らすと、肺転移を抑制することを発見しました。&lt;br /&gt;
・LDHAはヘッジホッグシグナル（注2）という細胞間の情報伝達システムを介して骨肉腫細胞の移動（遊走・浸潤）を高め、その結果として肺へのがんの転移（注3）を促進することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・臨床で使用されるヘッジホッグ阻害薬「ビスモデギブ（注4）」はマウスモデルにおいて遊走・浸潤、そして肺転移を抑制することを確認しました。&lt;br /&gt;
・ヒト骨肉腫細胞および患者由来臨床検体においてもLDHA-ヘッジホッグ伝達経路との関連が確認され、マウスの転移プロセスがヒトの骨肉腫にも関係している可能性が示されました。&lt;br /&gt;
・本研究は、LDHA-ヘッジホッグ伝達経路が骨肉腫の肺転移の新たな創薬標的として、そして肺転移のバイオマーカー（注5）や患者層別化研究の基盤となる成果です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究の概要図&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院医学系研究科整形外科学の秋山治彦教授、河村真吾講師、槇利衣大学院生らの研究グループは、愛媛大学との共同研究で、解糖系の代謝酵素である「乳酸脱水素酵素A（LDHA）」の抑制が骨肉腫の肺転移を抑制することを新たに発見しました。&lt;br /&gt;
　骨肉腫は小児・若年者に多く発症する悪性骨腫瘍であり、肺に転移すると予後が不良となります。本研究では、解糖系酵素である乳酸脱水素酵素A（LDHA）に着目し、骨肉腫の肺転移における役割を詳しく調べました。&lt;br /&gt;
　その結果、マウス骨肉腫細胞においてLDHAの発現を抑制すると、がんの転移プロセスである細胞の遊走および浸潤能が低下しました。また、マウス肺転移モデルではLDHA抑制により肺への転移が有意に抑制されました。その背景に、LDHAが制御する下流経路として「ヘッジホッグシグナル」が関与していることを特定しました。この検証実験を行ったところ、LDHAの発現抑制に伴いヘッジホッグシグナル関連分子の発現が低下することを確認しました。&lt;br /&gt;
　さらに、ヘッジホッグ阻害薬「ビスモデギブ」を用いた実験では、骨肉腫細胞の遊走・浸潤を抑制するとともに、マウス肺転移モデルにおいても肺への転移が抑制されました。&lt;br /&gt;
　ヒト骨肉腫細胞と患者由来骨肉腫検体においてもLDHAとヘッジホッグシグナル関連分子の発現に相関が認められました。そして、ヒト骨肉腫細胞においても、LDHAの発現抑制によりヘッジホッグシグナル活性および遊走・浸潤能の低下が確認されました。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、マウスと同様にヒト骨肉腫においても、LDHAはヘッジホッグシグナルの上流で機能し、骨肉腫細胞の遊走・浸潤を促進することが示されました。これらの結果は、LDHA-ヘッジホッグシグナル伝達がヒト骨肉腫の肺転移にも関与する可能性を示唆しています。&lt;br /&gt;
　本研究は、LDHA-ヘッジホッグ伝達経路を骨肉腫肺転移の新たな創薬標的として、マウスでの知見をヒト疾患へ外挿できる可能性を示しています。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年6月25日にCancer Research Communications誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　骨肉腫は、主に小児および若年者に多く発症する原発性悪性骨腫瘍であり、標準治療の進歩により、5年生存率は約70%に向上しました。しかし、患者の15～20%は診断時に肺転移を有しており、転移性または再発性の疾患を有する患者の予後は不良で、5年生存率は約20%にとどまっています。肺転移の予防は骨肉腫治療において極めて重要であり、転移を抑制する新たな治療法開発が喫緊の課題となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　本研究では、マウス骨肉腫細胞に対する解糖系酵素である乳酸脱水素酵素A（LDHA）阻害の影響を検討した結果、LDHAの発現低下は原発性骨肉腫の増殖には影響を与えないものの、骨肉腫の肺転移を抑制することがわかりました（図１）。さらに、臨床で使用されているヘッジホッグシグナル伝達阻害薬ビスモデギブの骨肉腫の肺転移に対する抑制効果をマウスモデルで示し、ドラッグリポジショニング研究へ発展する可能性を示しました（図２）。&lt;br /&gt;
　患者由来骨肉腫検体においてもヘッジホッグシグナル関連分子の発現に関連性が認められ（図３）、ヒト骨肉腫細胞ではLDHA発現の低下により、その遊走・浸潤能が抑制されました（図４）。これらの結果は、マウスモデルで見いだされたLDHA-ヘッジホッグシグナル伝達がヒト骨肉腫においても機能する可能性を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図１. LDHA発現低下（shLdha）はマウス骨肉腫の肺転移を阻害する&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図２. ヘッジホッグシグナル伝達阻害薬ビスモデギブはマウスモデルで骨肉腫の肺転移を抑制する&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図３. 患者由来骨肉腫検体においてもヘッジホッグシグナルの関与が示唆される&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図４. LDHAの発現低下（shLdha）は、ヒト骨肉腫細胞の遊走と浸潤を阻害する&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　今後は、LDHAがヘッジホッグシグナルを制御する分子機構を明らかにするとともに、その制御機構と骨肉腫の遊走・浸潤および肺転移との関連性を検証することが重要です。また、LDHAやヘッジホッグシグナル関連分子のバイオマーカーとしての意義や既存のヘッジホッグ阻害薬を用いた治療薬開発の妥当性を検証することによって、骨肉腫の肺転移に対する新たな治療法の創出が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1） 乳酸脱水素酵素A （LDHA）&lt;br /&gt;
細胞がエネルギーをつくる際に働く酵素の一つで、糖を分解して乳酸をつくる過程（解糖系）を助けています。がん細胞ではLDHAが過剰に働くことが多く、がん細胞の増殖や生存、転移に関与することが知られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2） ヘッジホッグシグナル&lt;br /&gt;
胎児の発生や組織の形成を調節する細胞間の情報伝達システムです。通常は発生時に重要な働きをしますが、がんでは異常に活性化し、がん細胞の増殖や転移を促進することがあります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3） がんの転移&lt;br /&gt;
がん細胞は周囲へ移動する「遊走」と組織へ入り込む「浸潤」の能力を獲得し、血液やリンパ管を介して遠くの臓器へ広がります。このように別の臓器で新たな腫瘍を形成する現象が「転移」であり、多くのがん患者さんの予後に大きく影響します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4） ビスモデギブ（Vismodegib）&lt;br /&gt;
ヘッジホッグシグナルという細胞の増殖や発達を調節する仕組みを抑える薬です。一部のがんではこのシグナルが過剰に働いているため、その働きを抑えてがんの進行を防ぐことを目的として使用されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5） バイオマーカー（生物学的指標）&lt;br /&gt;
病気の有無や進行度、治療に対する反応などを客観的に測定・評価できる「体内のサイン（目印）」のことです。血液、尿、遺伝子、タンパク質など、体内の様々な物質や状態がこれに該当します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Cancer Research Communications&lt;br /&gt;
論文タイトル：Ldha Regulates Osteosarcoma Lung Metastasis through Hedgehog Signaling&lt;br /&gt;
著者：Rie Maki, Shingo Komura, Akihito Nagano, Ayumi Niwa, Hiroyuki Tomita, Yuuki Imai, Haruhiko Akiyama&lt;br /&gt;
DOI: 10.1158/2767-9764.CRC-25-0163&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202607152591/_prw_PI3im_56gQ77H7.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>脳の信号伝達を支える糖鎖を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607132455</link>
        <pubDate>Tue, 14 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>脳の信号伝達を支える糖鎖を発見 〜糖鎖合成酵素MGAT5Bが伝達の速度とタイミングを制御〜 本研究のポイント ・MGAT5Bは、O-マンノース(Man)型糖鎖と呼ばれる糖鎖の枝分かれを作る酵素で、脳特...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年7月14日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
日本医科大学&lt;br /&gt;

脳の信号伝達を支える糖鎖を発見 〜糖鎖合成酵素MGAT5Bが伝達の速度とタイミングを制御〜
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・MGAT5Bは、O-マンノース(Man)型糖鎖と呼ばれる糖鎖の枝分かれを作る酵素で、脳特異的に存在し、脱髄(だつずい)疾患や脳腫瘍などに関わることがわかっています。&lt;br /&gt;
・MGAT5Bを欠損したマウスでは、神経の効率的な信号伝達に必要なランビエ絞輪という構造が異常に広がり、神経伝達が遅くなるだけでなく、信号が伝わるタイミングにばらつきが生じることで、運動能力が低下していました。&lt;br /&gt;
・MGAT5Bは、ランビエ絞輪の形成に必要なNF186というタンパク質に付いているO-Man型糖鎖を修飾することで、NF186の機能を調節していることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所の木塚 康彦教授、自然科学技術研究科修士課程2年生の冨田 崇羽さん、日本医科大学大学院の加藤 大輔大学院教授らの研究グループは、広島大学、岐阜薬科大学、東北医科薬科大学との共同研究で、脳においてO-マンノース(Man)型と呼ばれる糖鎖が神経の速い伝達に不可欠であることを発見しました。&lt;br /&gt;
　タンパク質に付く糖鎖には膨大な種類が存在しており、その形はタンパク質によって異なります。これら糖鎖は、細胞の中で多くの糖鎖合成酵素の働きによって作られ、様々な生命現象や疾患との関わりが報告されています。&lt;br /&gt;
　本研究では、脳において脱髄疾患などに関わるO-Man型糖鎖に着目しました。O-Man型糖鎖は、脳に特異的に存在するMGAT5B(別名GnT-IX)と呼ばれる糖鎖合成酵素によって枝分かれ構造が作られます。MGAT5Bは脱髄疾患や脳腫瘍との関わりが報告されていますが、正常な脳における役割はよくわかっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、MGAT5Bを欠損するマウスを用いて解析を行いました。その結果、MGAT5B欠損マウスでは、ランビエ絞輪とよばれる神経の構造が異常に広がり、それにより神経伝達が遅くなるだけでなく、信号が伝わるタイミングにばらつきが生じ、協調運動能力が低下することなどが明らかになりました。本研究は、脳における糖鎖の新しい機能を明らかにしたもので、脱髄疾患などの病態解明にも繋がることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年7月13日にCommunications Biology誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
　なお、本研究は、科学技術振興機構(JST)の創発的研究支援事業の支援を受けて実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
本研究の概要図 (図の作製には一部BioRenderを用いた)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　糖鎖 1）とは、グルコースなどの糖（動物では約10種類の糖が存在）が枝分かれしながら鎖状につながったもので、多くはタンパク質や脂質などに結合した状態で存在しています。タンパク質に付いている糖鎖には様々な形のものがあり、タンパク質ごとに糖鎖の形が異なること、また同じタンパク質でも、臓器ごとに糖鎖が異なること、健康なときと病気のときとで糖鎖の形が変化することなどが知られています。糖鎖の形が変わることで、タンパク質の機能が変化したり、病気の発症や進行の程度が変化することから、糖鎖の変化や働きの仕組みを理解することは、生命や病気の原因を理解するために重要です。&lt;br /&gt;
　 タンパク質に付く糖鎖は、細胞の中で糖転移酵素 2）（糖鎖合成酵素）と呼ばれる酵素の働きによって作られます。ヒトの体内には、約180種類の糖転移酵素が存在し、それらの働きが厳密に制御されることで膨大な種類の糖鎖が作られます。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1　MGAT5Bが作る糖鎖構造&lt;br /&gt;
O-Man型糖鎖は、タンパク質のセリン(S)またはスレオニン (T)に付く糖鎖で、MGAT5Bによって枝分かれ構造が作られる。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　MGAT5B (GnT-IXとも呼ばれる) 3）は、脳に特異的に存在する糖転移酵素で、タンパク質に付いた O-マンノース(Man)型糖鎖 4）と呼ばれる糖鎖に作用して、枝分かれ構造を作る酵素です（図1）。これまでの研究で、MGAT5Bを欠損したマウスでは脱髄 5）疾患からの回復が早いことや、MGAT5Bを欠損させたがん細胞では、脳腫瘍の一種であるグリオーマ 6）の生育が抑えられることなどが報告され、MGAT5Bが作る枝分かれしたO-Man型糖鎖と疾患との関わりが明らかになってきています。このように、MGAT5Bと疾患との関わりがわかってきた一方で、生理的な状況の脳においてMGAT5Bが果たす役割についてはよくわかっていません。MGAT5Bは、脳を構成する複数の細胞の中でも特に神経細胞（ニューロン）に多く存在していることから、枝分かれしたO-Man型糖鎖は神経細胞の機能に関与していると考えられます。そこで本研究では、MGAT5B欠損(KO 7）) マウスを用い、神経細胞の機能に着目して本糖鎖の役割について調べました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　O-Man型糖鎖は、限られた種類のタンパク質にのみ付いていることが知られています。神経細胞に存在するタンパク質では、O-Man型糖鎖を持つものとしてNF186 8）が知られています。またNF186は、神経細胞の中でも、ランビエ絞輪 9）と呼ばれる部分に存在することがわかっています。ランビエ絞輪とは、神経細胞が持つ軸索（長い突起）のうち、絶縁体であるミエリン 10）が巻き付いていない領域のことで、神経細胞はランビエ絞輪ごとに飛び飛びで電気信号を伝達すること（跳躍伝導）で、速い信号伝達を可能にしています。NF186を欠損するマウスでは、ランビエ絞輪が形成されなくなることから、NF186はランビエ絞輪の形成に不可欠であることが知られています。そこで本研究では、MGAT5Bが作るO-Man型糖鎖がNF186の働きやランビエ絞輪の形成に関わる可能性について調べました。&lt;br /&gt;
　 まず、マウスの脳内の複数箇所でランビエ絞輪の染色を行ったところ、MGAT5B KO マウスの脳では、いずれの場所においてもランビエ絞輪の幅が異常に拡張してい ることがわかりました （図2） 。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2　MGAT5B KOマウスにおけるランビエ絞輪の異常拡張&lt;br /&gt;
マウス脳内のランビエ絞輪を染色し、幅を測定した。ランビエ絞輪に存在するNav1.6、その側方領域に存在するCasprを染色することでランビエ絞輪を可視化した。右のグラフの点線は中央値を、アスタリスクは野生型とMGAT5B KOの間で統計学的に有意に差があることを表す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　ランビエ絞輪の幅が一定以上になると、幅が大きくなるにつれて神経細胞の伝達速度が遅くなることが知られています。神経の伝達速度の遅延は、運動や認知、精神など脳の様々な機能の低下を引き起こす可能性があります。実際に、MGAT5B KOマウスの運動能力をロタロッド 11）と呼ばれる装置を用いて調べたところ、MGAT5B KOマウスでは、運動能力が低下していることがわかりました（図3A）。そこで次に、脳内 で運動を司る領域（運動野 12））に存在する神経の伝達速度を野生型とMGAT5B KOマウスで比較しました。その方法として、神経細胞の末端を光で刺激し、その信号が軸索を伝わる速度を電極によって測定しました （図3B左）。その結果、MGAT5B KOマウスでは、野生型マウスと比べて、運動野の神経伝達速度 が遅くなるだけでなく、信号が伝わるタイミングにばらつきが生じることがわかりました（図3B右）。これらのことから、MGAT5Bが作るO-Man型糖鎖の枝分かれは、運動野などの神経において、ランビエ絞輪の形成と電気信号の伝達機能に極めて重要であることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3　MGAT5B KOマウスの運動能力異常と神経伝達速度の低下&lt;br /&gt;
A: ロタロッドと呼ばれる装置を用いた運動試験の成績。回転する棒から落下するまでの時間を計測し、短いほど運動能力が低下することを表す。B: 脳の運動野における神経伝達速度の測定。光によって電気信号を発するように遺伝子操作した神経の末端を光で刺激した。神経の軸索を電気が伝わる速度を電極により計測し、速度とばらつきを表示した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　最後に、O-Man型糖鎖の変化がなぜランビエ絞輪の拡大を引き起こしたのか、その仕組みを調べました。枝分かれしたO-Man 型糖鎖が付いているNF186を脳から精製し、結合しているタンパク質を探索したところ、CNTN1 (Contactin 1 13）) と呼ばれる、ランビエ絞輪の境界の形成に不可欠なタンパク質と結合していることがわかりました。これらのことから、NF186の持つO-Man型糖鎖は、CNTN1との結合に関与することで、ランビエ絞輪の形成を調節しているのではないかと仮説を立てました。これを検証するため、MGAT5Bを持たない細胞と多く持つ細胞に、NF186とCNTN1を発現させ、両者の結合の度合いを共沈降実験によって調べました。CNTN1をビーズを用いて沈降させ、共沈降してくるNF186の量を調べたところ、MGAT5Bを多く持つ細胞の場合では、CNTN1に結合して共沈降してくるNF186の量が少ないことがわかりました （図4） 。このことから、MGAT5Bの作るO-Man型糖鎖の枝分かれ構造は、NF186とCNTN1の結合を抑制しており、MGAT5B KOマウスでは、糖鎖が変化して両者の結合が異常に強くなることで、ランビエ絞輪の幅が拡張していると考えられました （図5） 。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図4　MGAT5BによるNF186とCNTN1の結合の抑制 &lt;br /&gt;
MGAT5Bを持たない細胞(-)と多く持つ細胞(+)に、NF186とCNTN1を発現させた。CNTN1をビーズにより沈降させ、CNTN1と結合して共沈降してくるNF186の量を、ウエスタンブロッティングと呼ばれる方法で調べた。バンドが濃いほど結合が強いことを表し、赤矢印は結合が弱くなったことを表す。右側は、共沈降したNF186のバンドの強さを表したグラフ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、MGAT5Bが作るO-Man型糖鎖の枝分かれ構造は、NF186とCNTN1との結合を抑制することで、神経細胞のランビエ絞輪の形成、神経の電気信号の伝達、ひいては個体の運動機能の調節に重要な役割を果たすことがわかりました。本成果は、脳における糖鎖の新たな役割を明らかにしたものであり、今後、どの糖鎖がどのように脳機能へ関与しているのかを明らかにする手がかりの一つになると期待されます。さらに、MGAT5Bは脱髄疾患やグリオーマに関与していることから、本研究の成果は今後、これら神経系疾患の病態解明に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図5　研究結果をまとめたモデル&lt;br /&gt;
MGAT5Bが作るO-Man型糖鎖はNF186に付いており、NF186とCNTN1の結合を抑制して適切なランビエ絞輪の幅を形成する。MGAT5B KOマウスでは、NF186とCNTN1との結合が異常に増強され、ランビエ絞輪の末端のCNTN1が減少してランビエ絞輪が広くなると考えられる。図の作製には一部BioRenderを用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
1） 糖鎖：グルコース (ブドウ糖) などの糖が鎖状につながった物質。遊離の状態で存在するものもあれば、タンパク質や脂質に結合した状態のものもある。デンプン、グリコーゲンなどの多糖は数多くの糖がつながり、糖鎖だけで遊離の状態で存在する。一方タンパク質に結合したものは、数個から20個程度の糖がつながったものが多い。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2） 糖転移酵素：糖鎖を合成する酵素のことで、ヒトでは180種類程度存在することが知られている。主に、細胞の中のゴルジ体と呼ばれる小器官に存在している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3） MGAT5B：糖鎖を合成する糖転移酵素の一種で、細胞の中のゴルジ体に存在し、O-Man型糖鎖の枝分かれ構造を作る。GnT-IXとも呼ばれる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4） O-マンノース型糖鎖：タンパク質に付く糖鎖の種類の1つで、タンパク質のセリン残基（アミノ酸の1文字表記法でSと表記）もしくはスレオニン残基（1文字表記でT）にマンノース(Man)という糖が結合している。この糖鎖の形成異常は、ある種の筋ジストロフィーの原因となる。MGAT5Bはこの糖鎖の分岐構造を作る。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
5） 脱髄：神経細胞は、軸索と呼ばれる長い突起に電気を通すことで、シナプスでつながった別の神経細胞に情報を伝達していく。通常、軸索がミエリン（髄鞘）と呼ばれる絶縁体に覆われて保護されることで正常に電気が伝達されるが、さまざまな原因により髄鞘が破壊されることがあり、それを脱髄という。脱髄が起こると神経の正常な信号伝達ができなくなり、しびれや麻痺を引き起こす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6） グリオーマ：脳腫瘍の一つで、神経膠腫とも呼ばれる。脳を構成する細胞のうち、グリア細胞が腫瘍化したもの。脳腫瘍の中で最も多い。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
7） KO (knockout)：特定の遺伝子を改変してその機能を失わせること。現在では、世界中の研究室で、ゲノム編集技術などにより培養細胞や実験モデル動植物などの遺伝子のノックアウトが行われている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
8） NF186：脳に存在するタンパク質の一種で、O-Man型糖鎖が付いている。Neurofascin186ともいう。NF186を欠損するとランビエ絞輪ができなくなることから、ランビエ絞輪の形成において中心的な役割を果たすことがわかっている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
9） ランビエ絞輪：神経の軸索において、絶縁体であるミエリン（髄鞘）が巻き付いていない領域のこと。神経細胞は、ランビエ絞輪ごとに電気信号を飛び飛びに伝達する跳躍伝導を行うことで、素早い信号伝達を行っている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
10） ミエリン：神経細胞の軸索に巻き付いている絶縁体で、髄鞘ともいう。オリゴデンドロサイトと呼ばれる細胞がミエリンを形成する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
11） ロタロッド：マウスやラットなどの運動能力や平衡性を調べるための装置。モーターで回転する棒に動物を乗せ、下に落下するまでの時間を測定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
12） 運動野：脳の中で運動を司る神経が存在している領域。大脳皮質の中に存在する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
13） Contactin 1：脳などに存在する接着機能を持ったタンパク質で、ミエリンの形成に重要な役割を果たす。他のタンパク質と結合することで、ランビエ絞輪の側方の領域の末端の構造を維持している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Communications Biology&lt;br /&gt;
論文タイトル：Branching of O-mannose glycans regulate node of Ranvier organization and saltatory conduction&lt;br /&gt;
著者：Shu Tomita, Taichi Nakaishi, Toshiyuki Ishii, Kazuya Ono, Honoka Fujimori, Misuzu Hashimoto, Shiho Ohno, Yoshiki Yamaguchi, Masamitsu Shimazawa, Miyako Nakano, Daisuke Kato*, Yasuhiko Kizuka* (*共同責任著者)&lt;br /&gt;
DOI: 10.1038/s42003-026-10622-0&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202607132455/_prw_PI6im_pqk2Rzlg.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子含んだゆりかごを世界で初めて発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607082204</link>
        <pubDate>Thu, 09 Jul 2026 16:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子含んだゆりかごを世界で初めて発見 －宇宙における有機分子の多様性や太陽系形成環境への新たな知見がもたらされることを期待－ 星が爆発した現...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年7月9日&lt;br /&gt;


新潟大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
理化学研究所&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;

星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子含んだゆりかごを世界で初めて発見&lt;br&gt;－宇宙における有機分子の多様性や太陽系形成環境への新たな知見がもたらされることを期待－&amp;nbsp;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　星が爆発した現場で、多様な有機分子を含む星のゆりかごが初めて発見されました。&lt;br /&gt;
　新潟大学理学部の下西隆准教授、岐阜大学の佐野栄俊准教授、理化学研究所開拓研究所の古家健次研究員、京都大学の大屋瑶子講師は、アルマ望遠鏡(注1)を用いて、約1600年前に重たい星が爆発した領域を観測し、星の赤ちゃんを包む暖かい分子ガスのゆりかご(ホットコア(注2))を発見しました。さらに、このゆりかごには、複雑な有機分子(注3)や水をはじめとして、様々な分子が含まれていることも明らかになりました。今回の発見は、超新星爆発(注4)という有機分子にとっては過酷な環境にあっても、生まれたばかりの星はそのゆりかごに守られ、化学的な豊かさが保たれる可能性を示唆しています。本研究は、宇宙における有機分子の多様性や、私たちの住む太陽系が形成された環境の理解などに大きく貢献することが期待されます。この研究成果は、2026年7月1日に天文学論文誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果のポイント
・星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む暖かい分子ガスのゆりかごが世界で初めて発見されました。&lt;br /&gt;
・近くで星が爆発した過酷な環境にあっても、星のゆりかごには様々な種類の有機分子が含まれていました。&lt;br /&gt;
・生命関連物質の材料となりうる複雑な有機分子は、私たちが思っていたよりずっと過酷な環境でも生き残る可能性が示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者からのひとこと
「超新星爆発という、宇宙最大規模の爆発現象が近くで起きた現場でも、生まれたばかりの星の周りでは、有機分子を含む様々な物質が、その化学的な豊かさを保っていることが明らかになりました。超新星爆発が起きた領域は、太陽系が形成された環境との類似性も指摘されており、非常に興味深い研究対象です。今後の研究のさらなる進展にも期待したいです。」&lt;br&gt;（新潟大学 自然科学系・下西隆 准教授）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
「本研究対象である RX J1713.7-3946 は、宇宙の時間尺度で見ると、超新星爆発から間もない天体であり、極めて強力な衝撃波と高エネルギー粒子で満たされています。そのような極限環境の中でも、星のゆりかごが『磁場』によって守られているという事実は、驚くべき発見でした。星の終焉と誕生の繋がりを理解するうえでも重要な成果です。」&lt;br&gt;（岐阜大学大学院 自然科学技術研究科・佐野栄俊 准教授）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅰ．研究の背景
　私たちの住む太陽系は、もしかしたら超新星爆発の影響を強く受けた領域で誕生したのかもしれません。これは、太陽系形成時の記憶を保持する物質に含まれる放射性同位体の分析から得られている示唆です。太陽よりも約10倍以上重い星は、その生涯を終える時に超新星爆発と呼ばれる爆発現象を起こします。超新星爆発は、宇宙の中で最も高エネルギーの現象の一つであり、鉄より重たい元素の生成、宇宙線（高エネルギーの荷電粒子）の加速、そして次の世代の星形成の誘発など、銀河の進化に多大な影響をもたらします。では、超新星爆発が生み出す強い衝撃波や高エネルギーの粒子は、星や惑星の材料となる物質の化学組成にどのような影響を与えるのでしょうか？&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　太陽系の材料となった物質には、多種多様な有機分子やアミノ酸などの生命素材物質が含まれていることが近年の研究により明らかになっています。星や惑星は、分子雲と呼ばれるガスや塵（ちり）のかたまりの中で誕生します。分子雲の大部分は極めて低温（マイナス260度以下）ですが、塵の表面を触媒とした化学反応が進むことが知られており、複雑な有機分子の多くはこの表面反応を介して氷として生成されると考えられています(注5)。星が誕生し、周囲の物質が暖められはじめると、これらの氷は融け、ガスの状態で放出されます。星の赤ちゃんを包むこのような暖かい分子ガスのゆりかごは、ホットコアと呼ばれ、生命関連物質の材料となりうる様々な有機分子が電波観測により検出されることが知られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　このようなホットコアは、星・惑星材料物質の化学的な複雑性を探る上で非常に重要な天体ですが、これまで超新星爆発が起きた領域で発見された例はありませんでした。そのため、超新星爆発の影響下で誕生しつつある星・惑星系において、その材料に含まれる様々な有機分子が生き残ることができるのか、についてはよく分かっていませんでした。超新星爆発により生じる高エネルギー粒子や強い衝撃波は、複雑な有機分子を破壊したり、または新たな分子の生成を促したりする可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅱ．研究の概要・成果
　そこで、星形成や星間化学の観測・理論研究の専門家、および超新星残骸(注4)研究の専門家からなる本研究チームは、RX J1713.7-3946という名の超新星残骸に着目し、そこに暖かい分子ガスをまとった星の赤ちゃんを探す観測をアルマ望遠鏡で実施しました。この超新星残骸は、中国の歴史文献により1600年前に爆発したことが記録されています。この領域は、太陽系近傍の分子雲に比べて10倍から100倍以上強い宇宙線や、強烈なX線・ガンマ線放射、秒速数千キロメートル近い衝撃波など、通常の星形成領域では見られない過酷な環境にあることが知られています。アルマ望遠鏡では、天体から放射される波長約0.9 mmから1.2 mmの電磁波(注6)を、約0.5秒角(注7)という非常に高い解像度で探る観測が行われました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　観測の結果、本研究チームはこの領域に星の赤ちゃんを包む暖かい分子ガスの塊（ホットコア）を2天体発見しました。超新星残骸にてホットコアが発見されたのは今回が初めてです。いずれの天体にも多様な有機分子が付随していました。超新星の爆発時期を考慮すると、この2天体は、爆発が起きる前からすでに誕生していたと考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　発見された2天体のうちの一つについては、検出された輝線(注8)に基づきより詳細な分析と比較研究を行い、複雑な有機分子の存在割合が、通常の環境下にある同様の天体と類似していることも明らかにしました。これは、超新星爆発の現場においても、赤ちゃん星はそのゆりかごにしっかりと守られ、そこに含まれる複雑な有機分子は破壊などの影響を受けていない、ということを示しています。生命の材料となりうる有機分子が存在する場所は、私たちが考えていたよりも多様で、過酷な宇宙環境でも化学的な豊かさが保たれることを今回の観測結果は示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　超新星爆発の影響下においても星のゆりかごが守られている要因として、発表された論文では、超新星爆発に曝され始めてからの経過時間がまだ十分ではなく、有機分子がまだ壊れ始めていない、もしくは星のゆりかごが超新星爆発の衝撃波により発生すると考えられている強力な磁場に守られ、宇宙線の侵入を妨げている、といった可能性を議論しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅲ．今後の展開
　今回発見された天体については、超新星爆発の現場にありながらも、星のゆりかごはその影響から守られ、複雑な有機分子は生き延びていました。しかし、これが普遍的な描像かどうかは未だ不明です。爆発した星との位置関係や、爆発に曝され始めてからの経過時間、星が爆発する前の環境など、超新星爆発が星・惑星材料物質に与える影響は様々な要因により変わる可能性があります。超新星爆発の影響により、複雑な分子が破壊されたり、別の分子へと姿を変えたりしている星・惑星系も存在するかもしれません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　今後、電波望遠鏡による分子ガスの大規模観測や、赤外線望遠鏡による塵や氷の観測が進むことで、超新星爆発の影響を受けた星のゆりかごやその中にある原始惑星系円盤(注9)の物理的・化学的性質がより詳細に明らかになることが期待されます。これにより、太陽系形成環境の普遍性または特殊性に対して、これまでにない新たな知見がもたらされることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅳ．研究成果の公表
　本研究成果は、2026年7月1日、米国の天文学論文誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【論文タイトル】Survival of Molecular Complexity under Recent Supernova Feedback: Detection of Hot Cores in RX J1713.7-3946&lt;br /&gt;
【著者】Takashi Shimonishi, Hidetoshi Sano, Kenji Furuya, and Yoko Oya&lt;br /&gt;
【doi】10.3847/1538-4357/ae6fba&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅴ．謝辞
　本研究は、文部科学省科学研究費助成事業（課題番号: 20H05845, 24H00246, 25K07364, 25K07367, 26K00761、26K22372）、内田エネルギー科学振興財団試験研究費助成 (R07-1017)、国立天文台ALMA共同科学研究事業(2024-27B)の支援を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1. 超新星残骸に発見された星の赤ちゃんを包む暖かい分子ガスのゆりかご（ホットコア）の想像図&lt;br /&gt;
青色は超新星爆発により生じた高エネルギー粒子や光子、茶色は星間物質を表している。&lt;br /&gt;
クレジット：下西隆（新潟大学）[本研究の観測結果に基づき、Google GeminiおよびChatGPTによる描画支援を利用]&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. 超新星残骸RX J1713.7-3946に発見された2つの星のゆりかご&lt;br /&gt;
背景は当該領域の観測画像で、青色はX線が捉えた高エネルギー領域、緑色は4.6ミクロンの赤外線による恒星の分布、赤色は22ミクロンの赤外線から推定される暖かい塵の分布、そして白色の等高線は冷たいガスの分布を示す。今回発見された2つの星のゆりかごの位置は緑色の四角で示されている。左上および右下のパネルはアルマ望遠鏡による観測結果で、メタノールやジメチルエーテルをはじめとして、様々な分子が検出されている。X線はXMM-Newton衛星、赤外線はWISE衛星、冷たいガスの分布はNANTEN, NANTEN2, ATCA, Parkes望遠鏡による一酸化炭素および中性水素の観測(Fukui et al. 2012)に基づく。&lt;br /&gt;
クレジット： ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), T. Shimonishi et al.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）アルマ望遠鏡&lt;br /&gt;
　アルマ望遠鏡（正式には、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計、Atacama Large Millimeter/submillimeter Array、ALMA）は、南米チリ共和国北部にあるアタカマ砂漠の標高5000メートルに建設された電波望遠鏡です。パラボラアンテナ66台を組み合わせる干渉計方式の巨大望遠鏡で、ミリ波・サブミリ波領域では分解能・感度ともに世界一の性能を誇ります。アルマ望遠鏡は、国立天文台を代表とする東アジア、米国国立電波天文台を代表とする北米連合、ヨーロッパ南天天文台を代表とするヨーロッパ、及びチリ共和国が協力して建設・運用する国際的な共同プロジェクトです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）ホットコア&lt;br /&gt;
　生まれたばかりの星（原始星）の周りでは、分子雲段階で生成された氷が融けることで、暖かい分子ガスが大量に存在する領域が作られます。星の赤ちゃんをゆりかごのように包むこのような暖かい分子ガスの塊は、ホットコアと呼ばれています。暖かいといっても、温度としてはマイナス150度前後からせいぜい室温程度です。星形成初期の分子雲の状態に比べれば十分に暖かいので、ホットという表現が使われます。太陽程度の比較的質量の小さい原始星に付随するホットコアは、ホットコリノと呼ばれることもあります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）複雑な有機分子&lt;br /&gt;
　天文学では、6個以上の原子からなる有機分子を「複雑な有機分子」と呼んでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）超新星爆発・超新星残骸&lt;br /&gt;
　太陽よりもおよそ10倍以上の大きな質量を持つ重い星や、一部の近接連星がその生涯を終える時に引き起こす宇宙最大規模の爆発現象のことです。超新星爆発は、鉄より重い元素を作ったり、その強烈な衝撃波により強いX線やガンマ線など発生させたり、高エネルギーの荷電粒子(宇宙線)を加速させたりと、周囲の環境に大きな影響を与えます。爆発時の超新星は一時的に極めて明るくなるため、天体によっては古代の文献にその記録が残っているものもあります。超新星爆発の後に残された星雲状の天体を超新星残骸と呼びます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）宇宙の氷&lt;br /&gt;
　宇宙には塵（ちり）またはダストと呼ばれる固体微粒子が存在します。星や惑星が形成される分子雲に見られる極低温(約マイナス260度)かつガスや塵が多く集まった環境では、ダストの表面に気体の原子・分子が吸着し、氷が生成されます。これらは星間氷と呼ばれています。塵や氷の表面に気体が吸着することで局所的に密度が上がり、かつ表面が触媒の働きをすることで、星間氷を介した化学反応は気体の状態での反応に比べてより複雑な分子を作ることができます。このような反応過程は、星や惑星の材料となる物質の化学的複雑性を生むメカニズムの一つとして重要であると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注6）電磁波&lt;br /&gt;
　今回アルマ望遠鏡で観測を行った波長0.9mmの電磁波は、サブミリ波と呼ばれ、電波の中では最も短い波長の領域です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注7）秒角・分角&lt;br /&gt;
　角度の単位のことで、1度の1/60が1分角、1分角のさらに1/60が1秒角です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注8）輝線&lt;br /&gt;
　原子や分子は、その種類に応じて特定の波長の光を放出します。これは輝線として観測されます。電波望遠鏡は、天体に付随するガスから放射されるこの光を捉え、どのような種類の原子・分子がどれくらいの量・温度で存在しているかを探ることができます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注9）原始惑星系円盤&lt;br /&gt;
　生まれたばかりの星を囲むガスと塵からなる円盤状の領域のことで、惑星はこの円盤の中で塵が衝突・合体を繰り返すことで誕生すると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>宇宙ジェットが分子雲に衝突する現場を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606251482</link>
        <pubDate>Fri, 26 Jun 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>宇宙ジェットが分子雲に衝突する現場を発見 — SS 433のX線ジェット再増光の謎に迫る — 発表のポイント ・SS 433＊1の大規模X線ジェット＊2再増光領域に付随する分子雲＊3を、野辺山45m電...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年6月26日&lt;br /&gt;


国立大学法人山口大学&lt;br /&gt;
国立天文台野辺山宇宙電波観測所&lt;br /&gt;
国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学&lt;br /&gt;

宇宙ジェットが分子雲に衝突する現場を発見  — SS 433のX線ジェット再増光の謎に迫る —
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
発表のポイント
・SS 433＊1の大規模X線ジェット＊2再増光領域に付随する分子雲＊3を、野辺山45m電波望遠鏡＊4による電波輝線観測で初めて同定した&lt;br /&gt;
・東西両側のジェットで、X線放射が分子雲の下流側で強くなることを明らかにし、ジェットと分子雲の相互作用を示す観測的証拠を得た&lt;br /&gt;
・ジェットと星間物質の相互作用による乱流・磁場増幅がX線ジェットの再増光を引き起こすという新たな描像を提示し、コンパクト天体ジェットの放射が周囲の星間環境によってどのように変化するかを理解する手がかりを得た&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
概要
　山口大学大学院創成科学研究科（理学系学域）の酒見はる香 助教（兼・国立天文台野辺山宇宙電波観測所 特任助教）らの研究グループは、岐阜大学工学部電気電子・情報工学科　応用物理コースの佐野栄俊 准教授（兼・大学院自然科学技術研究科知能理工学専攻応用数学物理領域 准教授、工学部附属宇宙研究利用推進センター 准教授）、福井康雄 研究員（兼・名古屋大学理学研究科 名誉教授）、国立天文台科学研究部の町田真美 准教授、アルマプロジェクトの永井洋 准教授などとの共同研究により、銀河系内のマイクロクエーサーSS 433から東西に伸びる大規模X線ジェットの再増光領域に、分子雲が存在することを野辺山45m電波望遠鏡による観測で明らかにしました。分子雲の位置とX線放射の分布を比較したところ、X線は分子雲のすぐ下流側で明るくなり、よりエネルギーの高いX線放射も分子雲表面付近で強くなることがわかりました。これは、SS 433のジェットが星間分子雲に衝突し、その衝突によって周囲の磁場が強められることで、X線ジェットが再び明るく輝いている可能性を示す成果です。この研究成果は&quot;Discovery of CO Clouds Associated with the X-ray Jets of SS 433: Evidence for Shock-Cloud Interaction Enhancing Nonthermal X-ray Emission&quot; として、米国の天文学誌「The Astrophysical Journal Letters」に2026年6月9日 (日本時間)に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
詳細な説明
　SS 433はコンパクト天体と大質量星からなる連星系であり、銀河系内で最も活発なマイクロクエーサーの一つとして知られています。中心天体の近傍からは宇宙ジェットが噴き出しており、さらに中心から離れた東西の領域でも明るいX線ジェット構造が観測されています。これらのX線ジェットが、なぜ中心天体から遠く離れた場所で再び明るく輝くのかは、SS 433のジェット活動の歴史や高エネルギー現象を理解するうえで重要な問題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　本研究チームは、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡を用いて、SS 433の東西X線ジェットの再増光領域を一酸化炭素分子が放つ電波輝線で観測しました。その結果、東西両側の再増光領域において、X線放射とよく対応する位置に複数の分子雲クランプを初めて検出しました (図１)。検出された分子雲クランプの典型的な大きさは約2パーセク＊5で、一部のクランプはX線ジェットの構造に沿うような細長い形を示していました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図１. (A) 銀河系内のマイクロクエーサーSS 433の周辺を、X線と電波で見た合成画像。オレンジはX線で明るく輝く大規模ジェット構造、シアンは野辺山45 m電波望遠鏡で観測した一酸化炭素分子が放つ電波を示す。白い星印はSS 433の位置を表す。SS 433から東西に伸びるX線ジェットの再増光領域に、分子雲が存在していることがわかる。(B, C) (A)の緑色で示した、SS 433の東側および西側のX線ジェット再増光領域を拡大した図。背景の色は野辺山45 m電波望遠鏡で観測した分子雲の分布を、等高線はX線放射の分布を示す。東西両側の再増光領域で、分子雲とX線放射が空間的に対応していることがわかる。この対応関係は、SS 433のジェットが周囲の星間分子雲と相互作用している可能性を示す重要な手がかりである。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　さらに本研究チームは、分子雲とX線放射の位置関係を詳しく調べました。その結果、X線放射のピークは分子雲のピークと完全には一致せず、ジェットの進行方向に対して分子雲のすぐ下流側で明るくなることがわかりました。このような位置関係は、分子雲とX線ジェットが偶然同じ方向に見えているだけではなく、両者が物理的に関係していることを示す重要な手がかりです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　また、X線の性質を詳しく調べたところ、分子雲の中心ではなくその表面付近で、より高いエネルギーのX線が強くなっていることがわかりました。もし分子雲が手前にあり、X線の一部を吸収しているだけであれば、X線の見え方の変化は分子雲が最も濃い場所で起こると考えられます。しかし実際には、そのような変化は分子雲の中心から約0.5～1パーセクずれた場所に見られました。このことから、観測されたX線の性質は単なる吸収効果ではなく、ジェットと分子雲の相互作用によって生じている可能性が高いと考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　今回の観測結果は、SS 433のジェットが周囲の星間分子雲に衝突し、その相互作用によってX線放射が強められているというシナリオで自然に説明できます (図2)。ジェットが高密度の分子雲に衝突すると、分子雲の表面や周囲の層で乱流が発生します。この乱流によって磁場が増幅されると、高エネルギー電子が磁場中で運動することで生じるシンクロトロンX線放射＊6が強められます。そのため、X線放射は分子雲の最も密度の高い中心ではなく、分子雲表面やその下流側で強くなると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図2. SS 433と中心天体近傍から噴き出すジェット、さらにその東西両側の遠方で再増光するX線ジェットと再増光領域に分布する分子雲の想像図。(クレジット：国立天文台) &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　本研究は、コンパクト天体から噴き出すジェットが周囲の星間物質とどのように相互作用し、どのように高エネルギー放射を生み出すのかを理解するうえで重要な手がかりを与えるものです。今後、より高解像度の分子輝線観測によって、分子雲クランプの詳細な形状や物理状態を調べることで、ジェットと分子雲の相互作用の実態がさらに明らかになると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　さらに、この過程で増幅された磁場は、X線放射を強めるだけでなく、高エネルギー粒子の加速にも寄与している可能性があります。SS 433のX線ジェットからは非常に高いエネルギーのガンマ線も検出されており、ジェットと分子雲の相互作用が高エネルギー宇宙線粒子の生成にどのように関わるのかは、今後の重要な研究課題です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究体制
本研究は、以下の研究者による共同研究として行われました。&lt;br /&gt;
・酒見はる香（山口大学、国立天文台）&lt;br /&gt;
・佐野栄俊（岐阜大学）&lt;br /&gt;
・福井康雄（名古屋大学、岐阜大学）&lt;br /&gt;
・町田真美（国立天文台）&lt;br /&gt;
・木村成生（東北大学）&lt;br /&gt;
・小林将人（核融合科学研究所）&lt;br /&gt;
・佳山一帆（京都大学）&lt;br /&gt;
・山本宏昭（名古屋大学）&lt;br /&gt;
・立原研悟（名古屋大学）&lt;br /&gt;
・永井洋（国立天文台、総合研究大学院大学）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
　本研究は、日本学術振興会（JSPS）科研費（KAKENHI）（課題番号：22K20386、23K13148、26K17195、24H00246、21H00040、22H00152、22H01272、23K22543、24K00672、23H04899、26K00733、26K00696、22K14080、20H01945、23K20238、23K22543、24K00672、22K14080、23H04899）、および文部科学省「文部科学省「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ（TI-FRIS）」の助成を受けて行われました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載誌情報
掲載誌：The Astrophysical Journal Letters（2026年）&lt;br /&gt;
タイトル：Discovery of CO Clouds Associated with the X-ray Jets of SS 433: Evidence for Shock-Cloud Interaction Enhancing Nonthermal X-ray Emission&lt;br /&gt;
著者：Haruka Sakemi, Hidetoshi Sano, Yasuo Fukui, Mami Machida, Shigeo S. Kimura, Masato I.N. Kobayashi, Kazuho Kayama, Hiroaki Yamamoto, Kengo Tachihara, Hiroshi Nagai&lt;br /&gt;
掲載日：2026年6月9日付&lt;br /&gt;
DOI：10.3847/2041-8213/ae736b&lt;br /&gt;
LINK：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.3847/2041-8213/ae736b&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.3847/2041-8213/ae736b&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
＊1　SS 433&lt;br /&gt;
わし座の方向にある連星系。ブラックホールまたは中性子星と考えられるコンパクト天体と伴星からなり、光速の約26%という非常に高速なジェットを東西方向に噴き出している。ジェットとは、天体の近くから細く絞られて高速に噴き出すプラズマの流れのことである。SS 433は、コンパクト天体を含む連星系から強いジェットが噴き出す「マイクロクエーサー」の代表例である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊2　X線ジェット&lt;br /&gt;
X線で明るく輝いて見えるジェット構造。SS 433では、中心天体の近くだけでなく、中心から離れた東西の領域にも大規模なX線ジェット構造が存在する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊3　分子雲&lt;br /&gt;
主に水素分子からなる低温で高密度の星間ガスの雲。水素分子は直接観測しにくいため、一酸化炭素分子（CO）が放つ電波を手がかりに分布を調べることが多い。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊4　野辺山45m電波望遠鏡&lt;br /&gt;
長野県南佐久郡南牧村にある国立天文台野辺山宇宙電波観測所の電波望遠鏡。ミリ波帯の電波観測に用いられ、星間分子ガスの観測などで多くの成果を上げてきた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊5　パーセク&lt;br /&gt;
天文学で使われる距離の単位。1パーセクは約3.26光年に相当する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊6　シンクロトロン放射&lt;br /&gt;
高エネルギーの電子が磁場の中で曲げられながら運動するときに出す放射。電波からX線まで幅広い波長で観測され、SS 433のX線ジェットでも重要な放射機構と考えられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202606251482/_prw_PI9im_OyILZMn2.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>乳児の健康を支える「母乳オリゴ糖」をつくる培養細胞を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606241354</link>
        <pubDate>Thu, 25 Jun 2026 15:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>乳児の健康を支える「母乳オリゴ糖」をつくる培養細胞を開発 ― 細胞で糖鎖の合成経路を再構築し、多様な母乳オリゴ糖のつくり分けに成功 ― 本研究のポイント ・ 通常は母乳オリゴ糖（HMO）をつくらない培...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年6月25日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

乳児の健康を支える「母乳オリゴ糖」をつくる培養細胞を開発 ― 細胞で糖鎖の合成経路を再構築し、多様な母乳オリゴ糖のつくり分けに成功 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 通常は母乳オリゴ糖（HMO）をつくらない培養細胞株に、α-ラクトアルブミン（LALBA）を導入し、HMOの合成経路を再構築しました。&lt;br /&gt;
・ 早産児や低体重児でみられる壊死性腸炎の予防因子として注目されているジシアリルラクト-N-テトラオース（DSLNT）など、少なくとも8種類のHMOを生産しました。&lt;br /&gt;
・ HMOの合成に関わる酵素の組み合わせを変えることで、HMOの種類と割合を調節できることを示しました。&lt;br /&gt;
・ 培養細胞でつくったHMOは、乳児腸内に多く存在するビフィズス菌の増殖を促す活性も確認されました。&lt;br /&gt;
・ 本成果は、複雑なHMOの生合成機構を解明し、目的に応じたHMOを設計・生産するための新しい研究基盤となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所の藤田 盛久 教授、木塚 康彦 教授、中嶋 和紀 准教授らの研究グループは、京都大学大学院生命科学研究科の片山 高嶺 教授、加藤 紀彦 准教授らの研究グループとの共同研究で、一般的な培養細胞の中に母乳オリゴ糖（HMO*1）の合成経路を再構築することに成功しました。&lt;br /&gt;
　母乳には、乳児の栄養となる脂質やタンパク質だけでなく、HMOと呼ばれる多様な糖鎖が豊富に含まれています。HMOは腸内の有用な細菌を選択的に増やしたり、病原体の感染を防いだりするほか、免疫機能や腸・脳の発達を支える重要な役割を担っています。&lt;br /&gt;
　研究グループは、哺乳動物由来の培養細胞株において、HMO合成の出発点となる乳糖*2をつくるための因子「α-ラクトアルブミン（LALBA*3）」が欠けていることに着目しました。LALBA遺伝子を導入すると、細胞内の既存の糖鎖合成装置が働き始め、複数種類のHMOが培養液中に分泌されました。さらに、細胞内でHMOを作る酵素の量を変えることで、合成されるHMOの組成を大きく変えることにも成功しました。本研究は、HMOの「作られる仕組み」を解明し、自在に作り分ける新しい技術への道を開くものであり、腸内細菌研究、さらには健康・医療分野への幅広い応用が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年6月20日にMetabolic Engineering誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
研究背景
　HMOは、グルコース、ガラクトース、N-アセチルグルコサミン、フコース、シアル酸といった糖が様々な形でつながった糖鎖です。母乳にはおよそ5～20 g/L含まれ、乳糖、脂質に次ぐ主要な固形成分の一つです。HMOは、乳児の腸内に生息するビフィズス菌などの有用細菌を増殖させる代表的なプレバイオティクス*4としても知られています。構造の違いによって働きも異なり、特定のHMOは乳児の腸内細菌叢*5や免疫系の発達に関与すると考えられています。なかでも、ジシアリルラクト-N-テトラオース（DSLNT*6）などの複雑なHMOは、早産児で問題となる壊死性腸炎*7との関連が報告されており、機能解明や応用が期待されています。しかし、複数の糖を正しい順序と結合様式でつなぐ必要があるため、化学合成や酵素合成には多くの工程が必要です。&lt;br /&gt;
　母乳を作る乳腺上皮細胞では、複数の糖転移酵素*8が協調してHMOを合成します。しかし、乳腺細胞を長期に安定して培養することは難しく、一般的な培養細胞ではほとんどHMOがつくられません。そこで研究グループは、通常の培養細胞に必要な要素を補えば、細胞内にHMOの生産経路を再構築できるのではないかと考えました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1．LALBAの導入でHMO合成を開始&lt;br /&gt;
　培養細胞株のHEK293細胞の遺伝子発現を解析した結果、乳糖合成に必要な酵素であるB4GALT1は存在する一方、LALBAが発現していないことが分かりました。乳糖はほぼすべてのHMOの土台となるため、LALBAの欠如がHMO合成のボトルネックであると考えられました。そこでLALBA遺伝子を導入したところ、LALBAはゴルジ体*9に局在し、B4GALT1と複合体を形成しました。その結果、細胞は乳糖をはじめ、様々なHMOを合成し、培養液中へ分泌するようになりました（図）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2．少なくとも8種類のHMOを培養細胞で生産&lt;br /&gt;
　LALBAを発現させた培養細胞の培養液からは、2’-フコシルラクトース（2’-FL）、3’-シアリルラクトース（3’-SL）、ラクト-N-テトラオース（LNT）、ラクト-N-ネオテトラオース（LNnT）、シアリルラクト-N-テトラオースa（LSTa）、LSTc、LSTd、ジシアリルラクト-N-テトラオース（DSLNT）の少なくとも8種類のHMOを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3．酵素の組み合わせで「つくり分け」が可能に&lt;br /&gt;
　HMOは、糖転移酵素が糖を一つずつ付加することで組み立てられます。研究グループは、B3GNT2が乳糖にN-アセチルグルコサミンを付加してラクト-N-トリオース II（LNTri-II）をつくる酵素であり、B3GALT5がさらにガラクトースを付加してLNTをつくる主要酵素であることを実験的に示しました。&lt;br /&gt;
　LALBAに加えてB3GNT2とB3GALT5を発現させると、LNTやLSTaなどのHMOが増え、特にDSLNTはLALBAのみを発現する細胞と比べて約8倍に増加しました。これは、細胞に導入する酵素の組み合わせによって、目的のHMOへ合成経路を誘導できることを意味します（図）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4．細胞がつくったHMOはビフィズス菌を育てる&lt;br /&gt;
　細胞で合成したHMOが腸内細菌に利用されるかを確かめるため、LALBAを発現するHEK293細胞の培養液を、腸内細菌であるビフィズス菌の培養液に加えました。その結果、特に乳児の腸内に多く存在する有用細菌のBifidobacterium infantisで増殖促進が認められました。さらに、培養液中の3’-SLが細菌培養後に減少したことから、細胞が合成したHMOが実際に利用されたことが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図：培養細胞株の中でHMOの合成を再構築&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究は、母乳をつくらない一般的な培養細胞の中に、HMOの合成経路を再構築できることを示しました。このシステムは、単にHMOを生産するだけでなく、「どの酵素が、どの順序で働くと、どのHMOができるのか」を細胞内で検証できる点に大きな特徴があります。&lt;br /&gt;
　現在の生産量は、工業的に最適化された微生物発酵に比べると低く、直ちに大量生産へ置き換えられる段階ではありません。一方、哺乳動物由来の細胞株は糖鎖合成機構を持つため、より複雑なHMOや修飾HMOの生合成研究、機能評価、研究用標準品の作製に適しています。&lt;br /&gt;
　今後、高密度での培養が可能な浮遊培養や、不要成分の少ない無血清培養への適応、HMOの原料となる糖ヌクレオチドの供給の強化、不要な合成経路の抑制、高生産の細胞クローンの選抜などを進めることで、生産量の向上が期待されます。また、さらに多くの糖転移酵素を組み合わせることで、天然の母乳に含まれる多様なHMOを目的に応じてつくり分ける技術へ発展する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
　本研究の一部は、科学研究費助成事業 学術変革領域研究（B）「腸内糖鎖ダイアローグ」および文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」による支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　HMOは180種類以上存在すると考えられていますが、それぞれがどのように作られ、どのような働きを持つのかは十分に解明されていません。本研究では、培養細胞の中でHMOの合成経路を再構築し、糖転移酵素の組み合わせを変えることで、目的とするHMOの組成を制御できることを示しました。この成果は、HMOを生産する技術というだけでなく、『細胞の中で糖鎖を設計する』ための新しい研究基盤になります。今後は複雑なHMOの生合成機構の解明や機能解析を進め、乳児栄養や腸内細菌、健康・医療分野への応用につなげていきたいと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
*1 HMO：母乳オリゴ糖（ヒトミルクオリゴ糖）。母乳に豊富に含まれる遊離の糖鎖の総称。乳糖を土台に、フコースやシアル酸などが付加された多様な構造を持ちます。乳児の腸内細菌叢や感染防御に関与します。&lt;br /&gt;
*2 乳糖：グルコース（ブドウ糖）とガラクトースが結合した二糖類で、母乳や牛乳に最も多く含まれる糖です。乳児の主要なエネルギー源であるとともに、HMOが合成される際の出発材料（骨格）となります。&lt;br /&gt;
*3 LALBA：α-ラクトアルブミン。乳糖合成酵素複合体の調節サブユニット。B4GALT1と組み合わさることで、グルコースにガラクトースを付加して乳糖を合成します。&lt;br /&gt;
*4 プレバイオティクス：腸内細菌に選択的に利用され、宿主の健康に有益な作用をもたらす成分。HMOは乳児腸内のビフィズス菌を育てる代表的なプレバイオティクスです。&lt;br /&gt;
*5 腸内細菌叢：腸内に生息する数千種類、数百兆個ともいわれる細菌の集まり。多様な細菌が互いにバランスを保ちながら存在し、消化・栄養吸収、免疫機能や健康維持に重要な役割を担っています。&lt;br /&gt;
*6 DSLNT：ジシアリルラクト-N-テトラオース。2個のシアル酸を持つ複雑なHMOで、早産児や低体重児でみられる壊死性腸炎の予防因子として注目されています。&lt;br /&gt;
*7 壊死性腸炎：主に早産児や低出生体重児に発症する重篤な腸の病気。腸の組織が炎症を起こして壊死し、重症化すると命に関わることがあります。母乳栄養や特定のHMOが発症リスクを低下させる可能性が報告されています。&lt;br /&gt;
*8 糖転移酵素：糖を別の分子へ付加する酵素。どの糖を、どの位置に、どの向きでつなぐかを決めるため、糖鎖の構造を決定する重要な役割を持ちます。B4GALT1、B3GNT2、B3GALT5は糖転移酵素の一つです。&lt;br /&gt;
*9 ゴルジ体：細胞内でタンパク質や脂質、糖鎖の加工・仕分けを行う小器官。HMOを含めた糖鎖の合成に関わる酵素もゴルジ体に局在します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Metabolic Engineering&lt;br /&gt;
論文タイトル：Reconstitution of Human Milk Oligosaccharide Biosynthesis in Cultured Mammalian Cells&lt;br /&gt;
著者：Fuki Noda, Aika Ohno, Aruto Nakajima, Hiroko Ichihashi, Kazuki Nakajima, Yasuhiko Kizuka, Takane Katayama, Toshihiko Katoh, and Morihisa Fujita&lt;br /&gt;
DOI: 10.1016/j.ymben.2026.102494&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202606241354/_prw_PI4im_32O3A6ow.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>温暖化によるアユ生態の南方化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606120793</link>
        <pubDate>Mon, 15 Jun 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>温暖化によるアユ生態の南方化 ～海水温の上昇が海洋生活を短縮、長良川の長期データで解明～ 本研究のポイント ・ 岐阜県水産研究所に長年蓄積されてきた長良川のアユのデータを活用し、アユが冬の海で過ごす期...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年6月15日&lt;br /&gt;


長野大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
岐阜県&lt;br /&gt;

温暖化によるアユ生態の南方化 ～海水温の上昇が海洋生活を短縮、長良川の長期データで解明～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 岐阜県水産研究所に長年蓄積されてきた長良川のアユのデータを活用し、アユが冬の海で過ごす期間は海水温と密接に関係しており、この海洋生活期間が温暖化による海水温上昇によって短縮していることを初めて突き止めました。&lt;br /&gt;
・ この結果は、ある特定地域におけるアユの生態が、温暖化によって≪南方の生態―南方ほど海洋生活期間が短い―≫に近づいていることを意味します（アユ生態の南方化）。&lt;br /&gt;
・ 過去の研究から、長良川では、温暖化の影響による秋の産卵・孵化の遅延が確認されています。しかし、冬の海洋生活期間が短くなっているために、見かけ上は春の遡上時期に顕著な変化は起きていないと考えられます。&lt;br /&gt;
・ 本成果により、川と海を行き来するアユ仔稚魚期の生態の理解が深まるとともに、アユ資源管理方策への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　アユは秋に川で生まれ、海に下りて冬を過ごし、春に再び川へ戻る魚です。一般に、アユの海での生活期間は南方ほど短いことが知られており、川や海の水温がこれに関連していると考えられていました。しかし、その詳しい要因は未解明であり、加えて近年の温暖化の影響についてはまったく分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　長野大学共創情報科学部の永山滋也教授は、岐阜大学環境社会共生体研究センターの原田守啓センター長、岐阜県里川・水産振興課の藤井亮吏氏、岐阜県水産研究所の大原健一氏と共同研究を行い、長良川河口堰で捕獲した遡上アユの日齢と河川・海水温の関係を調べました。その結果、冬季のアユの海洋生活期間が海水温と密接な関係にあること、また温暖化に伴う海水温の上昇によって海洋生活期間が短くなっていることを突き止めました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、国際学術誌『Journal of Fish Biology』のオンライン版において、日本時間2026年6月11日に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
・ アユは日本を代表する水産重要種であり、明治時代の水産増殖学的研究に始まり、これまで盛んに研究されてきました。しかし、河川や海における生態学的研究は相対的に少なく、身近でありながらいまだ謎が多い魚でもあります。&lt;br /&gt;
・ アユは秋に産卵・孵化します。川で孵化したアユの仔魚はただちに海へと下り、冬の間、波打際などのごく沿岸で過ごしたのち、春、川に遡上します。アユの海洋生活期間は南方ほど短いことが知られています。それゆえ、海洋生活期間は、川や海の水温に関連すると考えられてはいましたが、その支配的な要因や近年の温暖化による影響については、十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
・ 近年、アユ資源管理の高度化のために、川だけではなく海も含むアユ生態のさらなる解明が求められていました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
研究方法
　岐阜県水産研究所に蓄積されていた1995～2025年（うち8カ年）の遡上アユの日齢データを使用しました。遡上アユは長良川河口堰の魚道（海から5.4km地点）で3～6月に捕獲された個体であり、耳石※1の輪紋を計数することにより個体ごとの日齢を把握（図1）し、これを海洋生活期間（日数）とみなしました。また、捕獲日と日齢から孵化日を推定しました。国土交通省の公開データから、2012年以降の長良川の河川域（31.2km地点）、河口域（3.0km）、および伊勢湾奥の水温を取得し、産卵孵化（河川域）と河川遡上（河口域）の引き金となる水温の到達タイミングやそれらの期間についても年ごとに整理し、海洋生活期間との関係を解析しました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1． 長良河口堰で捕獲した遡上アユ（左）、摘出した耳石（中）、研磨した耳石の輪紋の様子（右）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
・ 孵化時期が早いアユほど、より大きい体サイズで早くに河川遡上を始めるという毎年の一貫した傾向が、本研究でもあらためて確認されました。&lt;br /&gt;
・ アユの海洋生活期間は、年ごとに50日程度のばらつきはありますが、過去30年間でおよそ12日間短縮している傾向が確認されました（図2）。また、海水温は2012～2024年の間だけでも明確な上昇傾向を示しました（図3）。&lt;br /&gt;
・ アユの海洋生活期間は、産卵孵化と河川遡上を誘発する河川水温よりも、冬季の海水温に強く関係しており、海水温が高い年ほど海洋生活期間は短くなりました（図4）。これは、海水温が高いと成長が良好となり、河川遡上の可能な体サイズ（水温依存：大きいサイズほど低い水温で遡上可能）に早く達するためと考えられます。&lt;br /&gt;
・ 以上の結果から、温暖化によって伊勢湾の冬季海水温が上昇しており、それに伴ってアユの海洋生活期間が短くなっていることが分かりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の意義
・ 県の研究機関で蓄積された過去のデータを活用することで、現在のアユ資源管理に貢献できる基礎的かつ重要な生態学的知見を導き出すことができました。&lt;br /&gt;
・ 既知であった「長良川における秋の産卵遅延」に加えて、今回あらたに、「伊勢湾における冬の海洋生活の短縮」という新たな温暖化影響が明らかになりました。これらは、他地域におけるアユ生態への温暖化影響を理解するうえでも役立ちます。&lt;br /&gt;
・ 海への出入りに関係する「産卵（孵化）と河川遡上のタイミング」は、アユの海洋生活期間に影響する潜在的な要因であり、それは河川水温に強く依存しますが、本研究では、その年の海の状況（海水温）がより支配的な要因であると示されました。&lt;br /&gt;
・ 内水面漁業の重要種であるアユの生態・資源を考える上で、川だけでなく、海の状況も考慮することが重要であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
・ 顕著な変化が見られない伊勢湾から長良川に向かうアユの遡上タイミングについて、より詳細な検討を実施し、「見かけ」と「中身」の変化およびその要因を把握します。そして、アユの再生産・リクルートに対する気候変動やその他の影響を検討します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Journal of Fish Biology&lt;br /&gt;
論文タイトル：Climate-driven shifts in early life history via shortened marine residence in amphidromous ayu Plecoglossus altivelis&lt;br /&gt;
著者：Shigeya Nagayama（永山滋也）, Ryouji Fujii（藤井亮吏）, Morihiro Harada（原田守啓）, Kenichi Ohara（大原健一）&lt;br /&gt;
DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1111/jfb.70533&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;10.1111/jfb.70533&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
Article share:&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://onlinelibrary.wiley.com/share/author/UFMA4AX7KXCGVQFHNYCQ?target=10.1111/jfb.70533&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://onlinelibrary.wiley.com/share/author/UFMA4AX7KXCGVQFHNYCQ?target=10.1111/jfb.70533&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究は、（独）環境再生保全機構の環境研究総合推進費（JPMEERF20202004，JPMEERF20232M01研究代表者：原田守啓）、JSPS科学研究費補助金（JP24K03128研究代表者：永山滋也）の支援を受けて行ったものであり、岐阜県・岐阜大学が共同設置運営する岐阜県気候変動適応センターにおける共同研究事業の一環として実施したものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　耳石&lt;br /&gt;
魚の頭の中、内耳にあり、主成分が炭酸カルシウムからなる硬い小構造物で、魚のバランス感覚や聴覚に関与している。成長とともに大きくなり、年輪のような層（成長輪）を形成する。そのため、魚の日齢や年齢の推定に用いられる。また、成長時に耳石に取り込まれる微量元素は、その時の周囲の水環境を反映するため、魚の回遊履歴の推定にも用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202606120793/_prw_PI10im_nIOZhdwz.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>女性特有の症状・疾患への初期対応を支援</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606110741</link>
        <pubDate>Fri, 12 Jun 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>女性特有の症状・疾患への初期対応を支援 産婦人科医への全国調査で「必須漢方8処方」を明らかに 近畿大学東洋医学研究所（大阪府堺市）所長・教授 武田卓らの研究グループは、女性特有の症状に対して、優先的に...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年6月12日&lt;br /&gt;


近畿大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
富山大学&lt;br /&gt;
東北大学&lt;br /&gt;
福岡大学&lt;br /&gt;

女性特有の症状・疾患への初期対応を支援　&lt;br&gt;産婦人科医への全国調査で「必須漢方8処方」を明らかに
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　近畿大学東洋医学研究所（大阪府堺市）所長・教授 武田卓らの研究グループは、女性特有の症状に対して、優先的に学ぶべき漢方処方について、産婦人科医を対象に全国調査を実施し、共通して重要と考える「必須漢方8処方」を初めて体系的に明らかにしました。本研究により、更年期症状やPMS（月経前症候群）※1など、女性診療で頻繁にみられる症状に対して、産婦人科以外の医師でも実践しやすい漢方診療※2の基盤となる処方群が示され、今後、一般診療や産業医領域における女性診療支援への活用が期待されます。&lt;br /&gt;
　本件に関する論文が、令和8年（2026年）5月24日（日）に、日本産科婦人科学会とアジアオセアニア産科婦人科学会が発行する公式学術雑誌“Journal of Obstetrics and Gynaecology Research”（ジャーナル・オブ・オブステトリクス・アンド・ガイネコロジー・リサーチ）に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
漢方診療のイメージ　※写真は生成AIです　&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本件のポイント
● 産婦人科医255人を対象とした全国調査から、女性特有の症状・疾患に対して一般臨床医が優先的に学ぶべき「必須漢方8処方」を初めて明示&lt;br /&gt;
● 加味逍遙散 （かみしょうようさん）&amp;nbsp;※3、桂枝茯苓丸 （けいしぶくりょうがん）&amp;nbsp;※4、当帰芍薬散 （とうきしゃくやくさん）&amp;nbsp;※5などが、女性診療において産婦人科医が重要と考える漢方に一定の共通認識があることを確認&lt;br /&gt;
● 本研究で選定された8処方を基にした教育資材作成による、一般診療や産業医領域での女性診療支援への活用を期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本件の背景
　月経困難症、PMS（月経前症候群）、更年期症状、不安・不眠などの女性特有の症状は、産婦人科診療で多くみられます。一方で、地域や勤務環境によっては専門医をすぐに受診できない場合があり、一般臨床医や産業医が初期相談・初期対応にあたることもあります。こうした場面で活用しやすい漢方診療への関心は高まっていますが、一般臨床医が女性診療においてどの漢方処方を優先的に学ぶべきかは、十分に整理されていませんでした。&lt;br /&gt;
　経済産業省による「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」の調査によると、月経症状や更年期障害などによる経済損失は年間約2.5兆円に上ると試算しており、働く女性の健康支援は社会的に重要性が高まっています。そのような中、日本の公的医療保険制度下で広く使用されている漢方治療は、産婦人科以外の医師でも理解しやすく、比較的導入しやすい治療法として注目されています。しかし、産婦人科医以外の医師が「どの漢方処方を優先的に学ぶべきか」はこれまで明確になっていませんでした。そこで本研究では、全国の産婦人科医を対象に調査を実施し、一般臨床医が優先的に学ぶべき「必須漢方8処方」を明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本件の内容
　本研究では、令和7年（2025年）5月から9月にかけて、産婦人科漢方研究会会員1,421人を対象に匿名Webアンケートを実施し、255人の産婦人科医から回答を得ました。&lt;br /&gt;
　回答者には、女性特有の疾患を主に診療している産婦人科医の立場から、女性特有の疾患に対応するうえで必要と考えられる漢方処方を最大8種類まで選択してもらい、各処方の推薦頻度を解析しました。その結果、「加味逍遙散」、「桂枝茯苓丸」、「当帰芍薬散」をはじめとする8処方が一般臨床医が優先的に学ぶべき「必須漢方8処方」として抽出されました。特に、「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」の3処方は、婦人科領域で古くから「婦人科三大処方」として広く用いられており、月経関連症状や更年期症状への中心的な漢方治療として高い支持を集めました。また、医師の性別や臨床経験、漢方専門医資格の有無による大きな違いはみられず、産婦人科領域において広く重要と考える漢方の共通認識が形成されていることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文掲載
掲載誌：Journal of Obstetrics and Gynaecology Research（インパクトファクター：1.5＠2024）&lt;br /&gt;
論文名：Essential Kampo Formulas for General Clinicians Managing Female-Specific&lt;br /&gt;
Conditions: A Nationwide Survey of Obstetricians and Gynecologists in Japan&lt;br /&gt;
（女性特有の症状を診療する一般臨床医に必要な漢方処方―日本の産婦人科医を対象とした全国調査）&lt;br /&gt;
著　 者：武田卓1、磯部真倫2 、永松健3、中島彰俊4、齋藤昌利5、四元房典6&lt;br /&gt;
所　 属：1 近畿大学東洋医学研究所、2 岐阜大学大学院医学系研究科医科学専攻 生殖・発育医学講座 産科婦人科学、3 国際医療福祉大学成田病院産婦人科、4 富山大学医学部産婦人科学講座、5 東北大学大学院医学系研究科産科学・胎児病態学分野、6 福岡大学医学部産科婦人科学講座&lt;br /&gt;
URL：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1111/jog.70340&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1111/jog.70340&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
DOI：10.1111/jog.70340&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本件の詳細
　本研究では、月経困難症、PMS（月経前症候群）、更年期症状、不安・不眠などの女性特有の漢方診療を一般臨床医にも実践可能な形で整理することを目的として、産婦人科医による実践知を全国規模で集約しました。&lt;br /&gt;
　調査では34種類の漢方処方を対象としましたが、推薦は一部の処方に集中しており、特に8処方が多く選択されました。このことから、産婦人科医の間で、女性診療において中核となる漢方処方が一定程度共有されていることが示されました。抽出された8処方は、更年期障害、PMS、頭痛、冷え、不安、不眠、倦怠感など、女性診療で頻繁にみられる症状に幅広く対応できる点が特徴です。&lt;br /&gt;
　特に「加味逍遙散」は、更年期症状やPMSへの有効性を示した臨床試験報告もあり、女性医療における代表的漢方処方として位置づけられています。これらの結果は、一般臨床医が女性診療における漢方処方を学び始める際の手がかりとなるものです。今後は、今回抽出された8処方を基に初期研修医向け教育資材を作成し、一般診療や産業医領域における女性特有の症状・疾患への初期対応に活用されることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、一般診療や産業医領域での女性医療支援、漢方教育の標準化、さらには女性の健康課題への社会的対応強化につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者のコメント
武田 卓（タケダ タカシ）&lt;br /&gt;
所属：近畿大学東洋医学研究所&lt;br /&gt;
職位：所長・教授&lt;br /&gt;
学位：博士（医学）&lt;br /&gt;
コメント：更年期障害やPMSなどの女性特有疾患の治療は、女性活躍推進の観点から注目されています。ホルモン補充療法やピルは有効ですが、産婦人科以外での導入には課題があります。一方、漢方治療は診療科を問わず処方しやすく、初期対応として有望です。今回選定された8処方を基に、全国6大学が中心となって初期研修医向け教育資材を作成中であり、今後、医学教育を通じて女性特有疾患への対応の裾野が広がることを期待しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1 PMS（月経前症候群）：&lt;br /&gt;
月経前に起こる心身の不調。イライラ、不安、頭痛、むくみなど多様な症状が現れる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2 漢方診療：&lt;br /&gt;
日本で独自に発展してきた伝統医学に基づき、患者の体質や症状全体を総合的に捉えて行われる治療。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3 加味逍遙散（かみしょうようさん）：&lt;br /&gt;
更年期症状、PMS、不安感、イライラなどに広く用いられる代表的な婦人科漢方処方。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4 桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）：&lt;br /&gt;
月経不順、月経痛、更年期症状、のぼせ、肩こり、冷えのぼせなど、血流の滞りに関連する不調に用いられる代表的な婦人科漢方処方。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※5 当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）：&lt;br /&gt;
冷え、貧血傾向、月経不順、月経痛、むくみ、めまいなど、血行や水分バランスの乱れに関連する不調に用いられる代表的な婦人科漢方処方。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202606110741/_prw_PI6im_O328c8Z8.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>特定の酵素の作用によって「溶ける／固まる」 新しいゼリー素材を開発 </title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606030264</link>
        <pubDate>Thu, 04 Jun 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>特定の酵素の作用によって「溶ける／固まる」 新しいゼリー素材を開発 ―病原体を閉じ込め、効果的に薬剤を届ける次世代ゲル― 本研究のポイント ・ 老化関連酵素「β-ガラクトシダーゼ」の作用によって溶解し...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年6月4日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

特定の酵素の作用によって「溶ける／固まる」 新しいゼリー素材を開発&amp;nbsp;  ―病原体を閉じ込め、効果的に薬剤を届ける次世代ゲル―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 老化関連酵素「β-ガラクトシダーゼ」の作用によって溶解し、あらかじめ内部に封入しておいた医薬品などを放出することができる新しいゼリー状材料の開発に成功しました。&lt;br /&gt;
・ インフルエンザウイルスに関与する酵素「ノイラミニダーゼ」の作用によって凝集し、ゼリー状に固まるナノ粒子の開発に成功しました。&lt;br /&gt;
・ 特定の酵素の作用によって「溶ける」「固まる」といった状態変化を分子レベルで制御できる、新たな分子設計技術（糖修飾環状ジペプチド）を確立しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科3年の杉浦 進太郎さんと工学部 化学・生命工学科の池田 将 教授らの研究グループは、特定の酵素の作用によって「溶ける」「固まる」といった状態変化を起こす新しいゼリー状素材の開発に成功しました。&lt;br /&gt;
　例えば、老化に関わる酵素「β-ガラクトシダーゼ」がある環境では、ゼリーが溶け、内部に封入した物質を放出することができます。一方、インフルエンザウイルスに関連する酵素「ノイラミニダーゼ」がある環境では、ナノファイバーへと構造変化し、ゼリー状に固化してナノ物質を内部に閉じ込めることができます。&lt;br /&gt;
　本成果は、感染症の予防・抑制や、標的部位における医薬品の精密な放出（ドラッグデリバリー）などへの応用が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、世界最大の出版社のひとつ、Wiley-VCH刊行の学術雑誌「Small」に、日本時間2026年6月3日にオンライン版発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
図1　研究概要　糖修飾環状ジペプチド c-IYS [ I = Isoleucine (イソロイシン), Y = Tyrosine (チロシン), S (Sugar) = Gal (galactose:ガラクトース) または Neu5Ac (N-acetylneuraminic acid: N-アセチルノイラミン酸, sialic acid:シアル酸) ]は水溶液中で自己集合してナノ構造体を形成します。さらに、特定の糖加水分解酵素に応答して、「溶ける」「固まる」といった状態変化を示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　ゼリー状物質は、粘性（液体的性質）と弾性（固体的性質）を併せ持つ、液体と固体の中間的な状態の物質です。水のような液体をゼリー状にするためには、ゲル化剤と呼ばれる溶質が水中でネットワーク構造を形成する必要があります。このように水を主成分とするゼリー状物質は「ヒドロゲル」と呼ばれ、生体との親和性が高いことから、医療分野での応用が期待され、広く研究されています。&lt;br /&gt;
　池田教授らの研究グループは、水中で自己集合（注1）する分子を設計・合成し、その自己集合現象を利用したヒドロゲルをはじめとする機能性材料の開発に取り組んでいます(【本研究に関連する過去のプレスリリース】をご参照ください)。&lt;br /&gt;
　今回の研究では、特定の酵素の働きに応じて状態が変化する新しいゼリー状素材の開発に成功しました。さらに本研究では、特定の糖加水分解酵素に応答して「溶ける」「固まる」といった状態変化を制御できる、新たな分子設計技術（糖修飾環状ジペプチド（注2））を確立しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　天然アミノ酸であるイソロイシン (I) とチロシン (Y) からなる環状ジペプチドc-IYに、糖 (S) を修飾した糖修飾環状ジペプチドc-IYSを設計・合成しました。&lt;br /&gt;
　糖としてガラクトース (Gal) を導入したc-IYGalは、ヒドロゲルを形成することを見いだしました。このヒドロゲルに酵素であるβ-ガラクトシダーゼ（注3）を作用させると、ゲルが溶解して液体状態となり、内包していたタンパク質を放出することを実証しました。さらに、顕微鏡観察の結果、酵素作用によりナノファイバーのネットワーク構造が、束化した短いファイバーへと変化することが明らかとなりました。このようなナノレベルでの構造変化が、巨視的なゲルの溶解につながっていると考えられます (図２) 。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
図２　c-IYGalのβ-ガラクトシダーゼ応答　(A) c-IYGalの化学構造、(B) ガラス容器内で調製したc-IYGalヒドロゲルの写真（ゼリー状を呈し、容器を横にしても流動しない）と、β-ガラクトシダーゼ添加後の写真、および、β-ガラクトシダーゼ添加前後の顕微鏡観察結果&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　一方、糖としてシアル酸の一種であるN-アセチルノイラミン酸 (Neu5Ac) を導入したc-IYNeu5Acは、ナノ粒子を形成することを見いだしました。この水溶液にノイラミニダーゼ（注4）を作用させると、ゼリー状物質へと状態変化することを実証しました。顕微鏡観察の結果、ナノ粒子構造がマイクロ粒子構造を経て、ナノファイバーのネットワーク構造へと変化することが明らかとなりました。さらに、インフルエンザウイルスと同程度のサイズのナノビーズを用いたモデル実験により、ゲル状物質中でナノビーズの運動が抑制されることを示しました (図３) 。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
図３　c-IYNeu5Acのノイラミニダーゼ応答　(A) c-IYNeu5Acの化学構造、(B) ガラス容器内で調製したc-IYNeu5Ac水溶液の写真と、ノイラミニダーゼ添加後のヒドロゲル状態の写真、および、ノイラミニダーゼ添加前後の顕微鏡観察結果、(C) ゲル形成に伴うナノビーズの運動抑制の模式図&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　これらの酵素作用に伴う分子レベルでの化学構造変化は、HPLC分析などにより追跡しました。図４には、解明された化学構造変化とそれぞれの状態での予想される分子集合様式を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
   図４　糖修飾環状ジペプチドc-IYSの糖加水分解酵素による応答挙動&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究成果は、感染症の予防・抑制や、標的部位における医薬品の精密な放出（ドラッグデリバリー）などへの応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
　本研究の一部は、日本学術振興会 科学研究費助成事業 (基盤研究(B) No. 23K26508)、東海国立大学機構 融合フロンティア次世代リサーチャー事業•メイク・ニュー・スタンダード次世代研究事業 (国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）「次世代研究者挑戦的研究プログラム」) 、日本学術振興会特別研究員（DC2, 26KJ1282）等の支援を受けて行われました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
注１　自己集合&lt;br /&gt;
外部からの操作によらず、分子が自発的に集まり、規則的な構造や集合体を形成する現象。分子同士の相互作用（水素結合など）によって起こり、ナノ材料や生体模倣材料の構築に広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注２　環状ジペプチド&lt;br /&gt;
2つのアミノ酸が結合してできたジペプチドが、環状（リング状）構造をとった分子のこと。通常の直鎖状ペプチドに比べて構造が安定であり、分子同士の相互作用を精密に設計しやすいことから、自己集合材料や機能性分子の設計に利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注３　β-ガラクトシダーゼ&lt;br /&gt;
糖を分解する酵素の一種で、ラクトースなどのガラクトースを含む糖を加水分解する働きを持つ。生体内では細胞の老化に伴って活性が高まることが知られており、老化細胞の指標として広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注４　ノイラミニダーゼ&lt;br /&gt;
インフルエンザウイルスが持つ酵素で、細胞表面の糖鎖の末端にあるシアル酸（細胞間相互作用やウイルス結合に関与する糖）を切断する働きを持つ。ウイルスの増殖・拡散に重要な役割を果たすため、抗インフルエンザ薬の標的となっている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Small 22, e73943 (2026).&lt;br /&gt;
論文タイトル：Modular Molecular Design and Self-assembled Nanostructures of Saccharide‑Appended Cyclic Dipeptides for Glycosidase‑Responsive Supramolecular Hydrogels&lt;br /&gt;
著者：Shintaro Sugiura, Ryuta Tanaka, Sayuri L. Higashi, Aya Shibata, Koichiro M. Hirosawa, Kenichi G.N. Suzuki and Masato Ikeda*&lt;br /&gt;
DOI: 10.1002/smll.73943&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究に関連する過去のプレスリリース
• バイオマーカーを見分けて溶けるゲル状物質を開発～診断材料や薬物放出材料として期待～&lt;br /&gt;
(2014年5月16日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2014/05/entry16-6487.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2014/05/entry16-6487.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
• 世界最小クラスのアミノ糖誘導体から還元反応によって溶けるゼリー状物質を開発&lt;br /&gt;
(2021年7月27日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2021/07/entry27-10925.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2021/07/entry27-10925.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
• ナノスケールの箱庭で、ペプチド分子を集めた草原をつくり、DNA分子を伸長してナノサイズの花を咲かせることに成功 －生体適合性の高い新たなナノ材料として、その応用に期待－&lt;br /&gt;
(2023年1月21日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2023/01/entry21-12122.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2023/01/entry21-12122.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
• 酸化反応によって溶けた後、ひとりでにもう一度固まる不思議なゼリー状物質を発見!&lt;br /&gt;
(2024年6月21日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2024/06/entry21-13271.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2024/06/entry21-13271.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
• セルロースの基本単位である二糖を使って、光で切断できるマイクロ繊維を開発&lt;br /&gt;
(2024年9月11日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2024/09/entry11-13523.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2024/09/entry11-13523.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
• 低分子コアセルベートの内部構造を分子レベルで解明 (2026年2月4日)&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2026/02/entry04-14831.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2026/02/entry04-14831.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者プロフィール
杉浦　進太郎（筆頭著者）&lt;br /&gt;
岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科　博士課程３年 (秋季入学)&lt;br /&gt;
日本学術振興会特別研究員 (DC2)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
田中　竜太&lt;br /&gt;
岐阜大学大学院 自然科学技術研究科 生命科学・化学専攻　令和6年度修了&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東　小百合&lt;br /&gt;
岐阜大学 高等研究院　特任助教&lt;br /&gt;
岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科 (兼任)&lt;br /&gt;
岐阜大学 One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター (COMIT) (兼任)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
柴田　綾&lt;br /&gt;
岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 生命化学コース　助教&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
鈴木　健一&lt;br /&gt;
岐阜大学 糖鎖生命コア研究所(iGCORE)　教授&lt;br /&gt;
国立がん研究センター研究所 先端バイオイメージング研究分野　分野長 (兼任)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
廣澤　幸一朗&lt;br /&gt;
岐阜大学 糖鎖生命コア研究所(iGCORE)　特任助教&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
池田　将（責任著者）&lt;br /&gt;
岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 生命化学コース　教授&lt;br /&gt;
岐阜大学大学院 自然科学技術研究科 (兼任）&lt;br /&gt;
岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科 (兼任)&lt;br /&gt;
岐阜大学 Guコンポジット研究センター (兼任)&lt;br /&gt;
岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 (iGCORE) 糖鎖分子科学研究センター (iGMOL) (兼任)&lt;br /&gt;
岐阜大学 One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター (COMIT) (兼任)&lt;br /&gt;
岐阜大学 医学部附属量子医学イノベーションリサーチセンター (兼任)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202606030264/_prw_PI5im_A6YhD1J5.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>がん遺伝子RASを標的とするタンパク質型抗がん剤候補を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605279813</link>
        <pubDate>Fri, 29 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>がん遺伝子RASを標的とするタンパク質型抗がん剤候補を開発 －免疫細胞と協力して腫瘍を消失させる新たな作用機序を解明－ 本研究のポイント ・ がんで高頻度に変異するRAS（注1）を広く標的とする、タン...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年5月29日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
長崎大学&lt;br /&gt;
徳島大学&lt;br /&gt;

がん遺伝子RASを標的とするタンパク質型抗がん剤候補を開発 －免疫細胞と協力して腫瘍を消失させる新たな作用機序を解明－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ がんで高頻度に変異するRAS（注1）を広く標的とする、タンパク質型pan-RAS阻害薬（注2）候補「RRSP-RBD（注3）」を開発しました。&lt;br /&gt;
・ RRSP-RBDは、RASを切断する酵素とRAS結合ドメインを融合させたキメラタンパク質で、細胞内におけるRASシグナルを強力に抑制します。&lt;br /&gt;
・ マウス実験において、一部の腫瘍の縮小と消失を引き起こすことを確認しました。&lt;br /&gt;
・ この腫瘍消失には、免疫物質IFNγ（注4）と免疫細胞CD8陽性T細胞（注5）が重要な役割を果たしていることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ 本成果は、RASを標的とする新しいがん治療タンパク質医薬の開発基盤となるものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科の本田 諒 准教授らの研究グループは、長崎大学、国立がん研究センター、徳島大学との共同研究により、がんで高頻度に変異する「RAS」を標的とするタンパク質型pan-RAS阻害薬候補「RRSP-RBD」を開発しました。&lt;br /&gt;
　RASは細胞の増殖や生存を制御する重要なタンパク質ですが、RAS遺伝子に変異が生じると、膵がんや大腸がん、肺がんなど多くのがんで治療抵抗性や再発の原因となります。一部のRAS変異を標的とする薬剤は実用化されつつありますが、多様なRAS変異を幅広く標的とする治療法は限られていました。&lt;br /&gt;
　本研究では、RASを切断する細菌由来の酵素RRSPにRAS結合ドメインを融合することで、細胞内でRASを効率よく不活化するタンパク質を設計しました。さらに、細胞内送達システムを組み合わせることで、マウスがんモデルにおいて腫瘍の縮小と消失を誘導することを確認しました。また、腫瘍の消失にはがん細胞内のRAS阻害だけでなく、IFNγとCD8陽性T細胞を介した腫瘍免疫が重要であることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年5月16日に国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図：タンパク質型pan-RAS阻害薬の作用機序 タンパク質型pan-RAS阻害薬RRSP-RBDが腫瘍細胞内でRASを切断・不活化し、 CD8陽性T細胞とIFNγを介して腫瘍壊死を誘導する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　RASは、細胞の増殖や生存を制御する重要なタンパク質ですが、KRAS、HRAS、NRASを含むRAS遺伝子の変異は、膵がん、大腸がん、肺がんなど多くのがんに関与しています。近年、一部のRAS変異を標的とする薬剤が臨床応用されつつありますが、多様なRAS変異を広く標的とする治療法は限られていました。&lt;br /&gt;
　本研究グループは、低分子薬とは異なるアプローチとして、RASそのものを直接認識し、切断して不活化する「タンパク質型阻害薬」の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　研究グループは、RASを切断する酵素RRSPと、RASに結合するRAS結合ドメイン（RBD）を融合した「RRSP-RBD」を設計しました。RBDを組み込むことで、RRSPがRASの近くに集まりやすくなり、RAS切断とRASシグナル抑制が強化されました。&lt;br /&gt;
　また、RRSP-RBDに細胞内送達システムを組み合わせることで、がん細胞内へタンパク質を届けることに成功しました。ジフテリア毒素由来の送達ドメインを用いたRRSP-RBD-DTBは、ヒトがん細胞に対して極めて低濃度で抗腫瘍活性を示しました。細胞膜透過性ペプチドTATを用いたRRSP-RBD-TATは、免疫機能を持つ一部のマウスがんモデルで腫瘍の縮小と消失を誘導しました。&lt;br /&gt;
　さらに、CD8陽性T細胞やIFNγを除去すると、RRSP-RBD-TATによる腫瘍壊死が抑制されました。この結果から、RRSP-RBD-TATの効果には、がん細胞内のRAS阻害に加えて、IFNγとCD8陽性T細胞を介した腫瘍免疫が関与することが分かりました。&lt;br /&gt;
　薬物動態および毒性評価では、RRSP-RBD-TATが腫瘍内へ到達し、実験条件下で不可逆的な毒性を示さないことも確認されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究は、RASを標的とするタンパク質型阻害薬が、腫瘍免疫と連携して腫瘍消失を誘導することを示しました。今後は、より効率的な細胞内送達技術の開発、投与条件の最適化、長期的な安全性評価を進めることで、難治性RAS変異がんに対する新しい治療戦略につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　なお、本研究はマウスモデルを用いた前臨床段階の成果であり、ヒトでの有効性・安全性については、さらなる検証が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）RAS&lt;br /&gt;
細胞の増殖や生存を制御するタンパク質。KRAS、HRAS、NRASなどがあり、多くのがんで変異が見られます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）pan-RAS阻害薬&lt;br /&gt;
特定のRAS変異だけでなく、複数のRAS変異やRASファミリーを広く標的とする阻害薬。本研究では、タンパク質を用いる点が特徴です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）RRSP-RBD&lt;br /&gt;
RASを切断する酵素RRSPと、RASに結合するRBDを融合したタンパク質。本研究で開発したpan-RAS阻害薬候補です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）IFNγ&lt;br /&gt;
免疫細胞から分泌されるサイトカインの一種。抗腫瘍免疫の活性化に関わります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）CD8陽性T細胞&lt;br /&gt;
がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する免疫細胞。本研究では、腫瘍の縮小と消失に重要であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、以下の研究助成などを受けて実施されました。&lt;br /&gt;
国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED：23ck0106781h0002、25ck0106074h0001、JP24ak0101178）、日本学術振興会 科学研究費助成事業（科研費：22K15246、25K02678）、名古屋大学医学部附属病院（A123）、公益財団法人 内藤記念科学振興財団、公益財団法人 MSD生命科学財団、公益財団法人 上原記念生命科学財団、公益財団法人 持田記念医学薬学振興財団、公益財団法人 武田科学振興財団、公益財団法人 豊田理化学研究所 2025年度豊田理研スカラー制度、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）次世代研究者挑戦的研究プログラム（SPRING：JPMJSP2125）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Nature Communications&lt;br /&gt;
論文タイトル：Protein-based pan-RAS inhibitor induces tumor regression in female mice via IFNγ and CD8+ T cell-dependent tumor necrosis&lt;br /&gt;
著者：Teiko Komori Nomura, Kazuki Heishima, Hidefumi Mukai, Kosuke Arai, Abdelazim Elsayed Elhelaly, Hirobumi Fuchigami, Shota Warashina, Tsuyoshi Tahara, Fuminori Hyodo, Masayuki Matsuo, Masahiro Yasunaga, Kazunori Aoki, and Ryo Honda&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s41467-026-73300-z&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202605279813/_prw_PI1im_MlGd8gc7.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>12チャンネル3次元音響センサアレイによる非定常騒音の時空間可視化技術を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605279806</link>
        <pubDate>Thu, 28 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>12チャンネル3次元音響センサアレイによる非定常騒音の時空間可視化技術を開発 ―車載可能な計測システムを開発、自動車騒音の新たな解析基盤に― 本研究のポイント ・ 世界で初めて、12チャンネルの3次元...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年5月28日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

12チャンネル3次元音響センサアレイによる非定常騒音の時空間可視化技術を開発  ―車載可能な計測システムを開発、自動車騒音の新たな解析基盤に―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 世界で初めて、12チャンネルの3次元音響ベクトルセンサアレイと同期信号ジェネレータを一体化した、同時・多点・同期型の音響計測システムを構築しました。&lt;br /&gt;
・ 従来計測困難であった、非定常な音響エネルギーの放射・伝播挙動を、実空間の画像上に直接可視化し、定量的に解析できるようになりました。&lt;br /&gt;
・ 装置を可搬・車載可能なサイズとすることで、実験室のみならず、実際の車両環境での計測を可能にしました。&lt;br /&gt;
・ 岐阜大学の学生が中心となり、空調ダクトの形状差によって生じる空気の流れのはく離と騒音発生の因果関係を、騒音解析を通じて定量的に実証しました。&lt;br /&gt;
・ 本システムは、自動車の静粛性向上に向けた現象解明や、デバッグ作業の効率化を支援する新たな解析基盤として活用が期待されます。&lt;br /&gt;
開発した計測装置 と 車内空調ダクトから発生する音の可視化結果&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学 自然科学技術研究科修士１年の竹原大翔さんと工学部機械システム工学科の寺島修教授らの研究グループは、ダイハツ工業株式会社との共同研究で、広域かつ複雑な音響現象を解明するための「マルチフィジックス同時計測・可視化システム」を構築しました。&lt;br /&gt;
　自動車の電動化が進む中、車室内外の微小な非定常騒音（風切り音や動作音など時間とともに特性が変化する音＝非定常音響現象）の低減が急務となっています。こうした騒音は空気の流れ（流体）・構造・音響が複雑に絡み合うため、従来の計測手法では発生要因の特定が困難でした。&lt;br /&gt;
　本研究では、12個の3次元音響ベクトルセンサを格子状に配置した独自のアレイシステムを開発し、音響・流速・振動データを20マイクロ秒以内で同期取得する計測基盤を確立しました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年5月27日に自動車技術会 春季大会にて発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　近年、自動車の静粛性向上により、これまでは目立たなかった低音圧・非定常な音が知覚されやすくなっています 。これらは流体・構造・音響が複雑に影響しあう「マルチフィジックス連成現象」としてとらえられますが、広域かつ複雑な音場を同一時刻・同一座標で多点同期計測できる技術が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　本研究の核となる12チャンネルの3次元音響ベクトルセンサアレイ（12-CH 3D-AVSアレイ）は、車載可能なコンパクトさを持ちながら、音圧と3軸方向の音響粒子速度を同時に計測できます。さらに、同期信号ジェネレータを導入することで、異なるデータ収集システム間での高度な時間同期を実現しました。&lt;br /&gt;
　このシステムを実機の空調ダクト騒音評価に適用した結果、ダクト曲がり部の形状差（曲率差）が空気の流れのはく離に及ぼす影響と、それが騒音放射を引き起こすプロセスを、実画像に重ねたベクトル図として可視化することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　今後は、走行中の車室内外計測への展開を図り、自動車開発におけるデバッグ作業のさらなる効率化と、より快適な移動空間の実現に寄与していきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　本システムは、現場のニーズに応える実用的な計測基盤として構築しました。特に、多地点の同期演算や流体音の因果関係抽出において、本学学生の竹原大翔さんが粘り強く解析に取り組み、システムの有効性を実証しました。若い力によるこの成果が、次世代モビリティの開発を加速させることを期待しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
音響粒子速度：&lt;br /&gt;
音波によって生じる空気粒子の振動速度。反射の影響を受けにくく、音源探査に有効です。&lt;br /&gt;
非定常音響現象：&lt;br /&gt;
時間とともに特性が変化する音。風切り音や動作音などが含まれます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：自動車技術会2026年春季大会　学術講演会 講演予稿集&lt;br /&gt;
論文タイトル：広域・非定常音響現象のためのマルチフィジックス同時計測・可視化システムの構築&lt;br /&gt;
著者：伴武郎, 古澤悠人, 寺島修, 牧野斗哉, 竹原大翔&lt;br /&gt;
ISSN: 2435-9742&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202605279806/_prw_PI1im_62F5FF4D.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>糖尿病患者に多いデュピュイトラン拘縮の新たな線維化メカニズムを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605279792</link>
        <pubDate>Thu, 28 May 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>糖尿病患者に多いデュピュイトラン拘縮の新たな線維化メカニズムを解明 －S100A4–TLR4–TGF-β経路を標的とした治療開発に期待－ 本研究のポイント ・ 手のひらが変形する疾患「デュピュイトラン...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年5月28日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

糖尿病患者に多いデュピュイトラン拘縮の新たな線維化メカニズムを解明  －S100A4–TLR4–TGF-β経路を標的とした治療開発に期待－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 手のひらが変形する疾患「デュピュイトラン拘縮（注1）」において、糖代謝異常が病態の進行に関与する仕組み解明しました。&lt;br /&gt;
・ デュピュイトラン拘縮由来の線維芽細胞において、高血糖下で「S100A4（注2）」の発現が増加することを発見しました。&lt;br /&gt;
・ デュピュイトラン拘縮の病変組織において、S100A4の発現量が血糖値指標（HbA1c（注3））と正の相関を示すこと、糖尿病患者では非糖尿病患者と比較してS100A4の発現量が高いことが分かりました。&lt;br /&gt;
・ S100A4はTLR4受容体（注4）を介して免疫細胞であるマクロファージに作用し、線維化を促す因子「TGF-β1（注5）」の発現を誘導しました。&lt;br /&gt;
・ TLR4阻害剤により、S100A4によるTGF-β1の発現誘導を抑制できることを示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学医学部附属病院整形外科の加藤 皓己臨床助教、河村 真吾特任講師、秋山 治彦教授らの研究グループは、愛媛大学プロテオサイエンスセンター今井 祐記教授らとの共同研究で、糖代謝異常がデュピュイトラン拘縮の病態に関与する新たな分子メカニズムを解明しました。&lt;br /&gt;
　デュピュイトラン拘縮は手掌に生じる線維性疾患であり、指の屈曲拘縮を引き起こします。現在、国内では手術治療が唯一の治療方法であり、新たな治療法の開発が求められています。糖尿病はデュピュイトラン拘縮の危険因子として知られていますが、糖尿病が疾患の発症・進行に関与する正確なメカニズムは不明でした。&lt;br /&gt;
　本研究では、デュピュイトラン拘縮由来の線維芽細胞を高グルコース条件下で培養するとS100A4の発現が増加すること、S100A4タンパクがマクロファージのTLR4受容体を介して線維化誘導因子であるTGF-β1の発現を誘導すること、さらにTLR4阻害剤によりS100A4誘導性のTGF-β1発現上昇が抑制されることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本成果は、糖尿病患者のデュピュイトラン拘縮に対する新規治療標的としてS100A4–TLR4–TGF-βシグナルの可能性を示すものであり、現行治療の新たな治療法開発の足掛かりになると期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年5月23日にCell Death Discovery誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　デュピュイトラン拘縮は、遺伝的・後天的・環境的要因により発症する手掌の線維性疾患です。指が曲がったままとなる屈曲拘縮を引き起こし、QOLに大きな影響を与えます。現在の標準治療は外科的切除ですが、術後の神経損傷や創傷治癒の遅延といった合併症が約23%に生じるとされ、再発率の高さも課題となっています。&lt;br /&gt;
　糖尿病（DM）はデュピュイトラン拘縮の確立した危険因子であり（有病率：DMあり15.5% vs DMなし5.6%）、これまで終末糖化産物（AGEs）の蓄積やコラーゲンの糖化が関与する可能性が示唆されてきましたが、具体的な分子メカニズムは未解明でした。&lt;br /&gt;
　S100A4はカルシウム結合ドメインを持つS100ファミリータンパクです。細胞外に分泌されると、DAMP（注6）として機能し、RAGE受容体およびTLR4受容体を介して様々な線維性疾患（腎・肝・肺線維症、全身性強皮症など）に関与することが知られています。しかし、デュピュイトラン拘縮におけるS100A4の役割についてもこれまで明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
　そこで私たちは、糖代謝異常がデュピュイトラン拘縮の病態形成に与える影響を分子レベルで解明することを目的として、本研究を行いました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　患者由来の デュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞を高グルコース・低グルコース条件下で培養し、RNAシーケンス（注7）解析を行いました。両細胞株に共通して高グルコース条件下で発現上昇した遺伝子として、S100A4、TMEM158、CLDN11の3遺伝子が同定され、その中からS100A4を重点的に解析しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1．高グルコース条件下のデュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞におけるRNAシーケンス解析&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　ウエスタンブロット・免疫細胞染色・ELISAにより、高グルコース処理がS100A4 mRNA・タンパク発現および細胞外分泌を増加させることを確認しました。デュピュイトラン拘縮患者組織を用いたqRT-PCR解析では、S100A4 mRNA発現量はHbA1c値と正の相関を示しました。また免疫組織化学染色では、糖尿病群でS100A4陽性面積が非糖尿病群と比較して有意に大きいことが明らかになりました （図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2. デュピュイトラン拘縮組織における S100A4発現（左：非糖尿病患者、右：糖尿病患者）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　 次に、デュピュイトラン拘縮組織においてS100A4発現細胞とその受容体発現細胞を解析しました。シングルセルRNAシーケンスの公開データセットおよび免疫蛍光染色により、S100A4はPDGFRα+線維芽細胞に発現していました。一方、受容体であるTLR4の発現はCD68+マクロファージに認められました （図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3. デュピュイトラン拘縮組織におけるS100A4、TLR4発現細胞の同定&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　ヒト単球系細胞株 THP-1をマクロファージへ分化誘導した後、組換えヒトS100A4タンパク（rhS100A4）を投与しました。rhS100A4 処理はマクロファージの遊走能・M1/M2分極に影響を与えませんでしたが、TGF-β1発現を有意に増加させました。TGF-β1はデュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞に対して、線維化亢進作用（αSMA（注8）、COL3（注9）発現上昇）を示しました（図4）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図4. デュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞に対するTGF-β1投与実験&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　マクロファージに対する TLR4阻害剤 (TLR4-IN-C34 または IAXO-102) の投与によって、rhS100A4誘導性のTGF-β1発現上昇が抑制されました。また、デュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞の培養上清 (conditioned medium; CM）によるマクロファージへのTGF-β1誘導もTLR4阻害剤により抑制されました（図5）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図5. TLR4阻害によるS100A4–TLR4–TGF-βシグナルの抑制 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　以上の結果より、高グルコース環境下でデュピュイトラン拘縮由来線維芽細胞からS100A4が分泌され、マクロファージのTLR4を介してTGF-β1発現を誘導し、線維芽細胞の筋線維芽細胞化を促進するというS100A4–TLR4–TGF-βシグナルが、糖尿病患者のデュピュイトラン拘縮病態の一端を担うことが明らかになりました（図6）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図6. 本研究結果のまとめ（糖代謝異常とデュピュイトラン拘縮における線維化機序の模式図） &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究では、糖代謝異常がデュピュイトラン拘縮の線維化を促進するメカニズムとして、S100A4–TLR4–TGF-βシグナル軸を同定しました。今後は、このシグナル軸を標的とした治療介入の可能性（TLR4阻害剤の応用、適切な血糖コントロールによる発症予防など）を検証し、糖尿病患者のデュピュイトラン拘縮に対する新規治療法の開発につなげたいと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）デュピュイトラン拘縮：&lt;br /&gt;
手掌の皮下組織（手掌腱膜）が線維性に肥厚・短縮し、患指が屈曲拘縮する疾患。中高年男性に多い。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）S100A4（Fibroblast-Specific Protein 1; FSP1）：&lt;br /&gt;
カルシウム結合タンパクS100ファミリーのメンバー。細胞内外で機能し、線維芽細胞・筋線維芽細胞・マクロファージなど多様な細胞に発現する。細胞外ではDAMPとして機能し、各種線維性疾患への関与が報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）HbA1c：&lt;br /&gt;
過去1〜3ヶ月の平均血糖値を反映する糖尿病コントロールの指標。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）TLR4（Toll-like receptor 4）：&lt;br /&gt;
病原体由来分子やDAMPを認識するパターン認識受容体。マクロファージに高発現し、炎症・免疫応答の調節に中心的役割を担う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）TGF-β1（Transforming growth factor-beta 1）：&lt;br /&gt;
線維化の主要な誘導因子。線維芽細胞を筋線維芽細胞に分化させ、コラーゲン産生を促進する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注6）DAMP（Damage-Associated Molecular Pattern）：&lt;br /&gt;
細胞傷害・死・ストレス時に放出される内因性分子。パターン認識受容体を介して自然免疫応答を惹起する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注7）RNAシーケンス：&lt;br /&gt;
次世代シーケンサーを用いて遺伝子発現を網羅的に解析する手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注8）αSMA（α-smooth muscle actin）：&lt;br /&gt;
線維化の主役である筋線維芽細胞のマーカー。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注9）COL3（collagen type III：III型コラーゲン）：&lt;br /&gt;
線維化の進行に伴って発現が増加する代表的な線維化マーカー。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は以下の支援を受けて実施しました。&lt;br /&gt;
・ 日本整形災害外科学研究助成財団 研究助成（No. 637）&lt;br /&gt;
・ 公益社団法人武田科学振興財団 医学系研究助成&lt;br /&gt;
・ 中冨健康科学振興財団&lt;br /&gt;
・ 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究（C）(24K12303)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Cell Death Discovery&lt;br /&gt;
論文タイトル： S100A4–TLR4–TGF-β axis as a therapeutic target for Dupuytren&#039;s contracture in diabetic patients&lt;br /&gt;
著者： Koki Kato†, Shingo Komura†,*, Yuta Yanagihara, Noritaka Saeki, Atsushi Goto, Rie Maki, Hitoshi Hirose, Akihiro Hirakawa, Yuuki Imai, Haruhiko Akiyama　&lt;br /&gt;
（†equal contribution, *責任著者）&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s41420-026-03167-y&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202605279792/_prw_PI14im_fCtmKpkj.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>免疫制御タンパク質の多量化機構を解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605269729</link>
        <pubDate>Wed, 27 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>免疫制御タンパク質の多量化機構を解明 ―タンパク質が集まることがシグナルとなる― 概要 笠井一希 理学研究科博士課程学生（研究当時）/現 大阪大学大学院生命機能研究科特任研究員と杤尾豪人 同教授の研究...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年5月27日&lt;br /&gt;


京都大学、金沢大学、名古屋大学&lt;br /&gt;
岐阜大学、大阪大学&lt;br /&gt;

免疫制御タンパク質の多量化機構を解明 ―タンパク質が集まることがシグナルとなる―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概要
　笠井一希 理学研究科博士課程学生（研究当時）/現 大阪大学大学院生命機能研究科特任研究員と杤尾豪人 同教授の研究グループは、自然免疫タンパク質MyD88がシグナル伝達の際に形成する多量体の構造を解明し、「多量化によるシグナル制御」の分子機構を明らかにしました。本研究は、紺野宏記 金沢大学准教授、成田哲博 名古屋大学准教授、大西秀典 岐阜大学教授、難波啓一 大阪大学特任教授（常勤）、古寺哲幸 金沢大学教授らとの共同研究です。&lt;br /&gt;
　病原体などから体を守る免疫システムにおいて、MyD88は受容体からのシグナルを細胞内に伝える役割を果たしています。その際、MyD88分子の「集積」が必須であることが知られていましたが、その集積の意義については十分に理解されていませんでした。本研究では、高速原子間力顕微鏡によるリアルタイム観察とクライオ電子顕微鏡による原子レベルの解析を組み合わせ、MyD88が形成する多量体の構造と、その生物学的意義を明らかにしました。MyD88は悪性リンパ腫やシュニッツラー症候群など多くの疾患に関与しています。本成果は、これら病態の分子レベルでの理解や、将来的な治療戦略の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年4月17日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 MyD88が形作るリング状の多量体構造&lt;br /&gt;
左図．高速原子間力顕微鏡（HS-AFM）により捉えた多量体が一部崩壊した後に再構築されていく様子。&lt;br /&gt;
右図．クライオ電子顕微鏡法（cryo-EM）により明らかになった原子レベルでの多量体の詳細モデル。&lt;br /&gt;
ｎm（ナノメートル）は0.00000000１ ｍのこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
１．背景
　私達の体に備わった免疫系は生体内に侵入した異物や外敵を排除し、体を病気から守る防衛機構であり、その基礎研究は生物学のみならず医学的にも重要な意義を有します。自然免疫系において重要なタンパク質であるMyD88※１は、病原菌やウイルスが体内に侵入した際に、それを検知したTLRまたはIL-1R※２に結合して集積し、下流のタンパク質群（キナーゼなど）を活性化させます。その結果、細胞外からのシグナルが細胞内へと伝わることで、炎症反応などの生体防御に必要な遺伝子群の発現が促されます。ライブセルイメージング※３研究により、一定数のMyD88が集まることではじめて、キナーゼ群と形成されるシグナル伝達複合体が安定化し、シグナルが「オン」になることが示されました。このことから、「集積したMyD88の数」がシグナルのオン／オフを決めるという「物理的しきい値（physical threshold）」モデルが提唱されています。しかし、MyD88が集積し形成する構造や形成メカニズム、そして集積することの生物学的意義についてはほとんど分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、MyD88が自己集合して作る多量体の構造を原子レベルで明らかにし、それがどのようにシグナルの伝達を制御するかを調べました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
２．研究手法・成果
　まず、MyD88のうち受容体との結合と自己集合を担うユニットであるTIRドメインを調製し、電子顕微鏡で観察したところ、リング状の多量体が自発的に形成されることを発見しました（図１左）。さらに、クライオ電子顕微鏡法※４を用いた原子レベルでの構造解析を行ったところ、リング状の多量体は、直列に並んだTIRドメインからなる二本の「鎖」が、反平行に結合した二層構造であることが明らかになりました（図１中）。個々のTIR分子に着目すると、単量体時とは構造の一部が大きく変化しており、これが隣接するTIR分子との強固な結合に寄与し、多量体を安定化していました（図１右）。&lt;br /&gt;
　次に、この多量体の生理的な意義を検証するために、培養細胞を用いてインターロイキン 18 （ IL-1 ファミリーの１つ）のシグナル伝達活性の試験を行いました。その結果、 MyD88 の多量化に関わる部位に変異を導入すると、シグナル伝達に大きな影響が現れることが確認されました。これにより、本研究で決定した多量体は細胞内でも形成されており、シグナル伝達に関与していることが示されました。ただし、細胞内では、リングそのものではなく、部分的な二本鎖状態が形成されていると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図１．集合したTIRMyD88ドメインが形作る多量体構造とその詳細&lt;br /&gt;
左図：生理的な条件下で一定時間静置後に観察したTIRドメイン。自発的にリング状構造を形成する。中図：クライオ電子顕微鏡により原子レベルで明らかになったリング状構造。26個のTIR分子がリング状に配列しており、それが2層に積み上げられている。右図：構造決定されたTIRの分子モデル（オレンジ）。既知の単量体の分子モデル（シアン）と重ね合わせると、右側に突き出したループ部分の構造が大きく異なる。多量化に伴いループの構造が変化していることが分かる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　続いて、この多量化のメカニズムを知るために、 高速原子間力顕微鏡（HS-AFM） ※５ を用いた分子動態 の観察を試みました。その結果、 TIR 分子が解離と再結合を繰り返す様子を分子レベルで可視化することに成功しました（図２左）。興味深いことに、多量体の再形成（ TIR 鎖の伸長過程）は観察画像上で反時計回りに相当する一方向にのみ起きました。多量体を構築するうえで、 TIR ドメインのループ部分の構造変化が必要であること（図 1 右） を踏まえると、ループ部分 の再編成がエネルギー障壁となり、 TIR 鎖伸長の方向を制御していることが考えられます。さらに、このエネルギー障壁が、生体内での MyD88 の不要な自己集合を抑制し、 誤ったシグナル伝達を防いでいる 可能性も示唆されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図２．高速原子間力顕微鏡によるリング状構造の動態観測&lt;br /&gt;
左図：崩壊（点線矢印方向）と再形成（実線矢印方向）を繰り返すTIR多量体をリアルタイムで観察した。崩壊はシアン・ピンク矢印の両方向で起こる一方、再形成は反時計回り（シアン矢印方向）でのみ進行する。右図：TIR多量体の上部にTLR受容体が結合する様子。TLRはMyD88と結合する細胞内領域のみを用いている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　最後に我々は、 TIR 多量体に TLR 受容体が結合する様子を HS-AFM 観察することにも成功しました（図２右）。これらの結果や他の生化学データも統合することで、「 MyD88 の多量化」がシグナルを伝達する過程であることが明らかになりました（図３）。すなわち、 TLR や IL-1R が活性化すると、複数の MyD88 が局所的に集まり、ある一定の濃度に達すると MyD88 はエネルギー障壁を乗り越え、４量体程度の「核」を形成できるようになります。一度、核ができれば多量体形成が急速に進み、下流のキナーゼ群の集積・活性化が引き起こされるのです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3．MyD88多量化を介したシグナル制御モデル&lt;br /&gt;
受容体によって一定数以上のMyD88が集められると多量化が始まりシグナル伝達が起きる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
３．波及効果、今後の予定
　MyD88は、自然免疫や炎症応答における重要性から医薬分野で広く研究されてきた一方で、分子レベルでの動態や制御機構については不明瞭な点が多く残されていました。加えて、MyD88を介するシグナル伝達様式は、よく知られている細胞内シグナル伝達様式（リン酸化カスケード型やセカンドメッセンジャー型など）とは一線を画しており、いまだ十分な知見が蓄えられていない「タンパク質多量体形成によるシグナル制御」というユニークな機構を有します。本研究ではその分子論的理解に取り組み、従来にない解像度で構造や動態を明らかにしました。これにより、細胞生物学的実験により蓄積されてきた膨大な知見を、新たな側面から統合的に解釈することが可能となり、自然免疫シグナルのオン／オフ制御や疾患変異の影響を理解する手がかりが得られると見込まれます。&lt;br /&gt;
　MyD88の特定の変異（特にL252P（L265P）変異※６）は、B細胞リンパ腫※７の発症に深く関与し、遺伝子診断にも用いられています。興味深いことに、それら変異の多くは、本研究で解明した多量体の結合界面や構造変化が顕著な領域に位置していました。従って、これらの病原変異は多量体形成に大きな影響を及ぼすものと考えられます。多量体構造に基づいた今後の研究によって当該疾患の分子論的理解が進み、MyD88の多量体を標的とした新たな治療戦略の開発も期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
４．研究プロジェクトについて
本研究は以下の支援により実施されました。&lt;br /&gt;
・科学技術振興機構（JST）・CREST（JPMJCR1762、JPMJCR23I5）&lt;br /&gt;
・日本学術振興会（JSPS）・科研費（23H02421）&lt;br /&gt;
・科学技術振興機構（JST）・次世代研究者挑戦的研究プログラム（JPMJSP2110）&lt;br /&gt;
・厚生労働省・難治性疾患政策研究事業（JPMH23FC1016、JPMH23FC1023）&lt;br /&gt;
・日本医療研究開発機構（AMED）・難治性疾患実用化研究事業（JP23ek0109623、JP24ek0109754）&lt;br /&gt;
・日本医療研究開発機構（AMED）・成育疾患克服等総合研究事業（JP25gn0110093）&lt;br /&gt;
・金沢大学・Bio-SPM技術共同研究課題&lt;br /&gt;
・日本医療研究開発機構（AMED）・創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム事業（BINDS）（JP21am0101117）&lt;br /&gt;
・大阪大学・日本電子YOKOGUSHI協働研究所&lt;br /&gt;
・日本医療研究開発機構（AMED）・ライフサイエンス・創薬研究支援プロジェクト（BINDS）（JP24ama121003）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜用語解説＞
※１）MyD88（Myeloid differentiation primary response gene 88）&lt;br /&gt;
シグナル伝達を仲介するアダプタータンパク質。TIRドメインとDDドメインの２つのユニットから構成される。TIRは受容体と結合後、TIR同士で多量体を形成する一方で、DDは下流の因子を集めてシグナル伝達複合体を形成する。こうして受容体による外敵の検知を細胞内へ伝える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※２）TLR／IL-1R受容体（Toll-like Receptor／Interleukin-1 receptor）&lt;br /&gt;
細胞表面や細胞内小胞に存在し、病原体由来の分子や炎症シグナルを認識する受容体群。これらが活性化されることで、多くの場合、MyD88を介した自然免疫応答が引き起こされる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※３）ライブセルイメージング&lt;br /&gt;
生きた細胞をそのまま観察し、細胞内の分子の動きをリアルタイムで可視化する手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※４）クライオ電子顕微鏡法（cryo-EM）&lt;br /&gt;
2017年にノーベル化学賞を受賞した技術。生体試料を急速凍結して観察することで、タンパク質などの分子構造を原子レベルで解析できる。結晶化を必要とせず、より自然に近い状態で構造を調べることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※５）高速原子間力顕微鏡（HS-AFM）&lt;br /&gt;
タンパク質などの分子の動きをリアルタイムで可視化できる技術。細い針で分子表面を優しくなぞることで、その形や動きをナノメートル（1 nm = 0.000000001 m）スケールの精度で観測することが可能。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※６）L252P（L265P）変異&lt;br /&gt;
MyD88の252番目にあるロイシン（L）がプロリン（P）に置換された病原変異。発表当初はL265Pと表記され現在でも広く使われているが、参照配列の更新に伴い、現在はL252P表記が推奨されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※７）B細胞リンパ腫&lt;br /&gt;
白血球の一種であるリンパ球のうち、B細胞ががん化して増殖する血液のがんの一種。MyD88の変異、特にL252P（L265P）変異は特定のB細胞リンパ腫の発症に深く関与する。MyD88を介した細胞内シグナルが過剰に活性化されることが一因だと考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜研究者のコメント＞
このリング構造を見つけたとき、とてもわくわくしたことを覚えています。なぜこのような形をとるのかを知りたくて、条件を変えながら何度も観察を重ねてきました。しかし、構造解析は思うように進まず、当初はかなり苦労しました。ここまで進めることができたのは、技術の進展に加え、多くの方々との出会いや、共著者の先生方・周囲の皆さまからのご助言が大きな力になったと感じています。（笠井一希）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜論文タイトルと著者＞
タイトル：Structural Mechanism of Receptor-Triggered MyD88 Oligomeric Assembly in Innate Immune Signaling&lt;br /&gt;
（自然免疫シグナル伝達における受容体誘導型MyD88多量体形成の構造機構）&lt;br /&gt;
著　　者：Kazuki Kasai1, Kayo Imamura1, Masatoshi Uno1, Shiho Nukui1, Naotaka Sekiyama1, Tomoko Miyata2,3, Fumiaki Makino2,3,4, Ryusei Yamada5, Yoshiki Takahashi5, Noriyuki Kodera6, Keiichi Namba2,3, Hidenori Ohnishi7,8,9, Akihiro Narita10, Hiroki Konno5,6, Hidehito Tochio1&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
1.&amp;nbsp; Department of Biophysics, Graduate School of Science, Kyoto University, Kitashirakawa Oiwake-cho, Sakyo-ku, Kyoto, 606-8502, Japan.&lt;br /&gt;
2.&amp;nbsp; Graduate School of Frontier Biosciences, The University of Osaka, 1-3 Yamadaoka, Suita, Osaka, 565-0871, Japan.&lt;br /&gt;
3.&amp;nbsp; JEOL YOKOGUSHI Research Alliance Laboratories, The University of Osaka, 1-3 Yamadaoka, Suita, Osaka, 565-0871, Japan.&lt;br /&gt;
4.&amp;nbsp; JEOL Ltd., Akishima, 3-1-2 Musashino, Akishima, Tokyo, 196-8558, Japan.&lt;br /&gt;
5.&amp;nbsp; Graduate School of Natural Science and Technology, Kanazawa University, Kakuma-cho, Kanazawa, Ishikawa, 920-1192, Japan&lt;br /&gt;
6.&amp;nbsp; WPI Nano Life Science Institute (WPI-NanoLSI), Kanazawa University, Kakuma-cho, Kanazawa, Ishikawa, 920-1164, Japan.&lt;br /&gt;
7.&amp;nbsp; Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, Gifu University, 1-1 Yanagido, Gifu, 501-1194, Japan.&lt;br /&gt;
8.&amp;nbsp; Laboratory of Intractable and Rare Diseases, Graduate school of medicine, Gifu University, 1-1 Yanagido, Gifu, 501-1194, Japan.&lt;br /&gt;
9.&amp;nbsp; Center for One Medicine Innovative Translational Research (COMIT), Gifu University, 1-1 Yanagido, Gifu, 501-1194, Japan.&lt;br /&gt;
10.&amp;nbsp; Department of Biological Science, Graduate School of Science, Nagoya University, Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, 464-8602, Japan.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲 載 誌：Nature Communications&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s41467-026-71836-8&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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