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    <title>法人別リリース</title>
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        <title>DIO3遺伝子欠失と甲状腺機能低下症の関連を世界で初めて報告</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202611049433</link>
        <pubDate>Thu, 05 Nov 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>DIO3遺伝子欠失と甲状腺機能低下症の関連を世界で初めて報告 ～甲状腺ホルモンの「ブレーキ役」の喪失が、後のホルモン不足に関与～ 本研究のポイント ・甲状腺ホルモン(注1)の働きを弱める役割を持つ「D...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年11月5日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
岐阜県総合医療センター&lt;br /&gt;

DIO3遺伝子欠失と甲状腺機能低下症の関連を世界で初めて報告  ～甲状腺ホルモンの「ブレーキ役」の喪失が、後のホルモン不足に関与～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・甲状腺ホルモン(注1)の働きを弱める役割を持つ「DIO3遺伝子(注2)」の欠失が、乳児期に発症する中枢性甲状腺機能低下症(注3)に関係することを、世界で初めてヒトで報告しました。特に父親から受け継いだDIO3遺伝子が失われていることが重要な特徴です。&lt;br /&gt;
・DIO3遺伝子は、胎児期から乳児期にかけて、甲状腺ホルモンの過剰な作用を防ぐ重要な役割を担っています。これまでのマウスを用いた研究では、この遺伝子が働かなくなると、生後早期に甲状腺ホルモンが過剰に作用し、その後、逆にホルモンが不足することが示されていました。今回の発見は、この仕組みがヒトの病気にも関わる可能性を示すものです。&lt;br /&gt;
・DIO3遺伝子と、免疫機能に関わる「TRAF3遺伝子(注4)」が同時に失われることで、甲状腺と免疫の両方に影響する新たな病態が生じる可能性を示しました。また、聴覚への影響も考えられ、今後、甲状腺・免疫・聴覚に関わる新しい症候群として確立される可能性があります。&lt;br /&gt;
・このような病態では、出生直後の甲状腺検査が正常であっても、その後に甲状腺ホルモンの不足が現れる可能性があります。新生児期の免疫や聴力のスクリーニング検査が、病気に気づく手がかりとなる可能性もあり、早期発見と継続的な甲状腺機能の確認、適切な治療によって、子どもの成長や発達への影響を防ぐことが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院医学系研究科小児科学の堀 友博 併任講師、大西 秀典 教授らの研究グループは、岐阜県総合医療センター新生児内科／遺伝子診療科、広島大学大学院医系科学研究科小児科学との共同研究により、甲状腺ホルモンの働きを調節するDIO3遺伝子の欠失と、乳児期に発症する中枢性甲状腺機能低下症との関連を、世界で初めてヒトで報告しました。&lt;br /&gt;
　甲状腺ホルモンは子どもの成長・発達に不可欠です。DIO3遺伝子は、特に胎児期から乳児期にかけて、甲状腺ホルモンが過剰に作用するのを防ぐ「ブレーキ役」を担います。マウスでは、この遺伝子が働かなくなると、生後早期に甲状腺ホルモンが過剰に作用し、その後、逆にホルモンが不足することが知られていました。また、DIO3遺伝子は、父親由来と母親由来で働き方が異なる「ゲノムインプリンティング(注5)」という仕組みを持っています。&lt;br /&gt;
　本研究では、ヒトにおける父親由来DIO3遺伝子の欠失と乳児期発症中枢性甲状腺機能低下症との関連を明らかにしました。さらに、免疫機能に関わるTRAF3遺伝子も同時に欠失しており、甲状腺と免疫の両方に関わる新たな病態の可能性を示しました。&lt;br /&gt;
　本研究は、これまで基礎研究で予測されていたDIO3遺伝子の役割を、ヒトの病気と結びつけた世界初の報告です。この成果は、DIO3関連中枢性甲状腺機能低下症の早期診断と適切な治療を通じて成長や発達への影響を防ぐことに貢献するとともに、甲状腺ホルモンの調節やゲノムインプリンティングの仕組みの解明に向けた、新たな研究の出発点となることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年10月24日に、米国甲状腺学会（American Thyroid Association）の公式学術誌 『Thyroid』 のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
■ 子どもの成長と発達に欠かせない甲状腺ホルモン&lt;br /&gt;
　甲状腺は、首の前側にある小さな臓器で、身体のさまざまな働きを調節する「甲状腺ホルモン」を作っています。甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を活発にし、体温の維持や心臓をはじめとするさまざまな臓器の働きを調節する重要なホルモンです。さらに、胎児期から小児期にかけては、脳や神経の発達、骨の成長、身体の成熟などに極めて重要な役割を果たします。そのため、甲状腺ホルモンが不足した状態が続くと、子どもの成長や発達に重大な影響を及ぼします。甲状腺ホルモンの量は、脳にある「視床下部」から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン（TRH）が「下垂体」に指令を出し、さらに下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン（TSH）が甲状腺に指令を出すことで調節されています。甲状腺そのものに異常がある場合だけでなく、脳からの指令が適切に働かないことで甲状腺ホルモンが不足する場合があり、これを「中枢性甲状腺機能低下症」と呼びます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■ 甲状腺ホルモンの働きを調節するDIO3遺伝子&lt;br /&gt;
　甲状腺ホルモンは、多ければ多いほどよいわけではありません。特に脳などの臓器が発達する時期には、それぞれの組織で適切な量のホルモンが作用することが必要です。DIO3遺伝子は、甲状腺ホルモンを不活性化する酵素「3型ヨードチロニン脱ヨード酵素（D3）(注2)」を作る遺伝子です。D3は、甲状腺ホルモンの働きを弱め、ホルモンが過剰に作用するのを防ぐ役割を担っています。これまでのマウスを用いた研究では、DIO3遺伝子が働かなくなると、生後早期に甲状腺ホルモンが過剰に作用することが分かっています。興味深いことに、その後は逆に甲状腺ホルモンが不足する状態となります。これは、胎児期から出生後早期にかけて甲状腺ホルモンが脳で過剰に作用すると、視床下部や下垂体におけるTRHやTSHの分泌を調節する仕組みに異常が生じ、その後、TRHやTSHの分泌が適切に行われなくなり、結果として甲状腺ホルモンの分泌が低下するためと考えられています。しかし、ヒトにおいてDIO3遺伝子の働きが失われた場合、同様の甲状腺疾患が起こるかどうかは、これまで分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■ 両親から受け継ぐ遺伝子の働きにも違いがある&lt;br /&gt;
　私たちは、父親と母親の両方から遺伝子を受け継ぎます。しかし、一部の遺伝子では、父親から受け継いだものと母親から受け継いだものとで、働き方が異なることがあります。この仕組みを「ゲノムインプリンティング」と呼びます。DIO3もこのような仕組みを持つ遺伝子の一つで、ヒトの一部の組織では、父親由来の遺伝子がより強く働くことが知られていました。そのため、どちらの親から受け継いだ遺伝子が失われるかによって、身体への影響が異なる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
■ 世界で初めて、DIO3遺伝子の欠失とヒトの甲状腺機能低下症との関連を報告&lt;br /&gt;
　本研究では、乳児期に発症する中枢性甲状腺機能低下症の原因を詳しく解析し、父親から受け継いだ染色体の一部が失われ、その中にDIO3遺伝子が含まれていることを明らかにしました。これにより、父親由来のDIO3遺伝子の欠失が、甲状腺ホルモンの分泌調節機能に影響を及ぼし、中枢性甲状腺機能低下症の発症につながった可能性を示しました。この結果は、マウスの研究から予測されていたDIO3遺伝子の働きと一致するものであり、DIO3遺伝子がヒトの甲状腺ホルモン調節にも重要な役割を担っていることを示す、世界初の臨床的な証拠となります。ただし、ヒトにおいてもマウスと同じように、胎児期から出生後早期にかけて甲状腺ホルモンが過剰に作用するかどうかは、まだ明らかになっていません。今後、同様の遺伝学的特徴を持つ病態について研究を進めることで、DIO3遺伝子の異常が甲状腺ホルモンの調節機能に及ぼす影響や、病気が生じる仕組みをより詳しく解明する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■ 甲状腺・免疫・聴覚に関係する、新しい症候群の可能性&lt;br /&gt;
　今回の研究では、DIO3遺伝子だけでなく、その近くに位置しているTRAF3遺伝子も同時に失われていることが明らかになりました。TRAF3遺伝子は、身体を感染症などから守る免疫の働きを調節する重要な遺伝子です。2022年には、この遺伝子の働きが低下することで、免疫不全や自己免疫疾患などを引き起こす「TRAF3ハプロ不全症(注4)」が、新しい先天性免疫異常症として報告されています。今回の研究によって、甲状腺ホルモンの調節に関わるDIO3遺伝子と、免疫機能に関わるTRAF3遺伝子が同時に失われることで、甲状腺と免疫の両方に影響する新たな病態が生じる可能性が示されました。&lt;br /&gt;
　また、マウスを用いた研究では、DIO3遺伝子が聴覚の正常な発達にも重要な役割を果たすことが示されており、ヒトにおいても聴覚への影響が生じる可能性があります。&lt;br /&gt;
　今後、同じような特徴を持つ病気について研究を進めることで、甲状腺・免疫・聴覚に関わる新たな症候群として位置づけられる可能性があります。この病態が明らかになれば、将来起こり得る合併症を予測し、その早期発見や適切な治療につなげ、患者さんの健康と生活の質の向上に貢献できる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■ 新生児スクリーニングと、その後の継続的な検査の重要性&lt;br /&gt;
　日本を含む世界の多くの国では、40年以上前から、生まれて間もない赤ちゃんの少量の血液を用いて、さまざまな病気を早期に発見する「新生児マススクリーニング(注6)」が行われています。甲状腺ホルモンが不足する病気も、その重要な検査対象の一つです。この検査による早期発見と適切な治療によって、多くの子どもたちが成長や発達への影響を防ぎ、健康な生活を送ることができています。しかし、今回報告したDIO3遺伝子に関連する甲状腺機能低下症は、出生直後には甲状腺機能の異常が明らかでなく、その後にホルモン不足が現れる可能性があります。このため、生まれたときの甲状腺検査が正常であっても、病気を完全には否定できないことが示されました。&lt;br /&gt;
　一方で、新生児期には甲状腺の検査以外にも、免疫機能の異常を調べるスクリーニングや、聴力のスクリーニングなどが行われています。今回の研究では、新生児期に免疫細胞であるT細胞の発達を調べるTREC検査で異常が認められ、その後の詳しい検査でTRAF3遺伝子の欠失が明らかになりました。このことから、TREC検査がTRAF3ハプロ不全症の早期発見にも役立つ可能性が示されました。また、聴力の検査も、こうした病気に気づく重要な手がかりとなる可能性があります。&lt;br /&gt;
　特に、DIO3遺伝子の働きに異常がある場合には、新生児期の甲状腺検査が正常であっても、その後の甲状腺機能を継続して確認することが重要と考えられます。これにより、甲状腺ホルモンの不足を早期に発見して適切な治療につなげ、子どもの成長や発達への影響を防ぐことが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究は、これまでの基礎研究で明らかにされてきたDIO3遺伝子の役割を、ヒトの病気と結びつけた世界初の報告です。今後、DIO3遺伝子の機能や関連する病気の仕組みについて研究を進めることで、この遺伝子の働きが失われた場合に、甲状腺機能や脳・神経の発達などにどのような影響が生じるのか、より詳しく解明されることが期待されます。&lt;br /&gt;
　また、DIO3遺伝子とTRAF3遺伝子の両方が失われることで生じる病態についても、甲状腺、免疫、聴覚などに関わる新しい症候群として位置づけられる可能性があります。さらに、DIO3遺伝子は「ゲノムインプリンティング」の仕組みを持つことから、今回の研究は、将来的にDIO3遺伝子に関連する新たなインプリンティング疾患(注5)の確立や、ゲノムインプリンティングの仕組みのさらなる解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　これらの研究の進展により、これまで原因が分からなかった病気の早期発見や、将来起こり得る合併症の予測、適切な治療や健康管理につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　甲状腺ホルモンは、子どもの成長や発達に欠かせないホルモンですが、その働きを適切に弱め、脳をはじめとするさまざまな臓器を過剰なホルモン作用から守る仕組みも、同じように大切であることが分かってきています。今回の研究は、これまでマウスの研究で知られていたDIO3遺伝子の重要な役割を、初めてヒトの病気と結びつけたものです。お母さんのお腹の中にいる時期や生まれて間もない時期に、甲状腺ホルモンの過剰な作用から身体を守る仕組みがうまく働かないことが、その後の甲状腺の病気につながる可能性を、世界で初めて示しました。また、遺伝子の働きと新生児期からのさまざまな検査結果を組み合わせることによって、これまで知られていなかった病気の仕組みを理解できる可能性が示されました。今後も研究を重ね、病気の早期発見や適切な治療につなげることで、一人でも多くの子どもたちの健康と未来を守ることに貢献したいと考えています。&lt;br /&gt;
（岐阜大学大学院医学系研究科小児科学　堀 友博）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）　甲状腺・甲状腺ホルモン&lt;br /&gt;
甲状腺は首の前側にある蝶のような形をした臓器で、身体の成長や代謝を調節する甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンには主にT4（サイロキシン）とT3（トリヨードサイロニン）があり、特にT3が細胞内で強い作用を示します。胎児期から小児期にかけての脳や骨の発達、身体の成長に重要な役割を担っています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）　DIO3遺伝子・3型ヨードチロニン脱ヨード酵素（D3）&lt;br /&gt;
DIO3遺伝子は、甲状腺ホルモンを不活性化する「3型ヨードチロニン脱ヨード酵素（D3）」を作ります。D3は、甲状腺ホルモンのT4をホルモン作用のほとんどないリバースT3（rT3）に、また、強い甲状腺ホルモン作用を持つT3を不活性な物質に変えることで、甲状腺ホルモンの働きを弱めます。特に胎児期から出生後早期にかけては、脳をはじめとするさまざまな臓器で甲状腺ホルモンが過剰に作用するのを防ぎ、正常な発達を支える重要な役割を担っています。マウスでは、DIO3遺伝子の働きが失われると、胎児期から出生後早期にかけて甲状腺ホルモンが過剰に作用し、その後、中枢性甲状腺機能低下症を発症することが示されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）　中枢性甲状腺機能低下症&lt;br /&gt;
甲状腺そのものではなく、脳の視床下部や下垂体から甲状腺への指令が十分に働かないことによって、甲状腺ホルモンが不足する病気です。通常、甲状腺そのものに異常があって甲状腺ホルモンが不足すると、下垂体から甲状腺刺激ホルモン（TSH）が多く分泌され、甲状腺ホルモンの分泌を促そうとします。しかし、中枢性甲状腺機能低下症では、脳からの指令を出す仕組みに異常があるため、TSHが十分に分泌されず、甲状腺ホルモンが不足した状態となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）　TRAF3遺伝子・TRAF3ハプロ不全症&lt;br /&gt;
TRAF3遺伝子は、免疫細胞の働きや、感染症に対する身体の防御反応を調節しています。この遺伝子の一方が欠失するなどして働きが低下する「TRAF3ハプロ不全症」は、2022年に初めて報告された新しい先天性免疫異常症です。T細胞などの免疫細胞の数や働きに異常が生じ、感染症に対する抵抗力の低下や、本来は自分の身体を守る免疫が誤って自分自身を攻撃する自己免疫疾患などを引き起こすことがあります。症状やその程度には個人差があることが知られています。TRAF3遺伝子は、14番染色体の長腕末端（テロメア）近くに位置し、DIO3遺伝子と近接しているため、染色体の一部が失われる際に、両方の遺伝子が同時に欠失する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）　ゲノムインプリンティング・インプリンティング疾患&lt;br /&gt;
私たちは、通常、父親と母親の両方から遺伝子を受け継ぎますが、一部の遺伝子では、父親由来か母親由来かによって働き方が異なります。この仕組みを「ゲノムインプリンティング」と呼びます。こうした遺伝子では、どちらの親から受け継いだ遺伝子に異常が生じるかによって、病気の発症や症状が異なることがあります。ゲノムインプリンティングの異常によって生じる病気を「インプリンティング疾患」と呼び、現在、10種類前後が独立した疾患として確立されています。DIO3もこの仕組みを持つ遺伝子の一つで、ヒトの一部の組織では、父親から受け継いだ遺伝子がより強く働くことが報告されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注6）　新生児マススクリーニング・新生児聴覚スクリーニング&lt;br /&gt;
新生児マススクリーニングは、新生児のかかとから少量の血液を採取し、専用のろ紙に染み込ませて検査することで、早期に治療が必要な病気を発見するための制度です。日本では1977年に先天性代謝異常症の検査が全国的に始まり、1979年からは先天性甲状腺機能低下症も対象に加わりました。甲状腺の検査では、主に甲状腺刺激ホルモン（TSH）を測定し、甲状腺そのものの異常による甲状腺機能低下症を発見します。一部の地域では、甲状腺ホルモン（T4または遊離T4）も同時に測定し、脳からの指令の異常による中枢性甲状腺機能低下症の発見にも取り組んでいます。また、近年では、重症複合免疫不全症などを早期に発見するため、免疫細胞であるT細胞の産生・発達の状態を調べる検査（TREC検査）を新生児マススクリーニングに導入する取り組みも進んでいます。一方、新生児聴覚スクリーニングは、血液検査とは別に、新生児に音を聞かせ、頭の皮膚に貼り付けた電極でその音に対する脳幹の電気的な反応を調べることなどにより、聴力の異常を早期に発見するための検査です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Thyroid&lt;br /&gt;
論文タイトル： Paternally Inherited DIO3 Loss and Infantile-Onset Central Hypothyroidism: Human Evidence for a Novel Mechanism of Hypothalamic–Pituitary–Thyroid Axis Dysregulation&lt;br /&gt;
著者： Tomohiro Hori, Hiroshi Ito, Tatsuya Sakashita, Toshinari Koyama, Masahiro Shimozawa, Mai Mori, Saori Kadowaki, Hideki Matsumoto, Hideo Sasai, Fumiaki Sakura, Yutaka Yamamoto, Satoshi Okada, Hidenori Ohnishi&lt;br /&gt;
DOI： 10.1177/10507256261500920&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）の難治性疾患実用化研究事業（JP24ek0109754、研究開発課題名：「網羅的ゲノム解析のデータ二次利用に基づく原発性免疫不全症の広域診断体制構築に直結するエビデンス創出研究」）、AMED（JP23ek0109623）および厚生労働科学研究費補助金（JPMH26FC1022）の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202611049433/_prw_PI1im_HE7oN4LJ.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>大マゼラン雲で巨大な「分子雲ジェット」を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610238599</link>
        <pubDate>Fri, 30 Oct 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>大マゼラン雲で巨大な「分子雲ジェット」を発見 ～ガンマ線連星のエネルギー生成メカニズムの解明に大きな一歩～ 本研究のポイント ・大マゼラン雲 注1)にあるガンマ線連星「LMC P3」から伸びる、分子ガ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月30日&lt;br /&gt;


名古屋大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

大マゼラン雲で巨大な「分子雲ジェット」を発見 ～ガンマ線連星のエネルギー生成メカニズムの解明に大きな一歩～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・大マゼラン雲 注1)にあるガンマ線連星「LMC P3」から伸びる、分子ガスの流れを大型電波望遠鏡アルマ(アルマ望遠鏡) 注2)で発見。大マゼラン雲で、このような高エネルギー現象に伴う分子ガスのジェットが捉えられたのは初めて。&lt;br /&gt;
・観測された分子ガスのジェットは、LMC P3から放出された、光速に近い高速ジェットによってつくられた可能性を示した。 これにより、ブラックホールや中性子星 注3)の周囲に形成される「降着円盤 注4）」が、巨大なエネルギーを生み出している可能性が示された。&lt;br /&gt;
・LMC P3は、ガンマ線連星の中でも非常に明るい天体。本成果は、ガンマ線連星がどのように高エネルギーの粒子や放射を生み出しているのか、その仕組みを解明する重要な手掛かりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　名古屋大学大学院理学研究科の福井 康雄 名誉教授、岐阜大学大学院自然科学技術研究科の佐野 栄俊 准教授、同大学高等研究院のブヴァナ・ガディケレ・ラジェンドラ 研究員、柘植 紀節 特任助教らの研究チームは、大マゼラン雲のガンマ線連星LMC P3 が高エネルギージェットを噴出する天体であることを世界で初めて示しました。&lt;br /&gt;
　同チームは、南米チリの大型電波望遠鏡アルマ(アルマ望遠鏡)を用いて大マゼラン雲の星間雲の高分解能観測を実施し、観測結果を詳細に解析しました。その結果、ガンマ線連星LMC P3 に付随する分子雲ジェットが発見されました。この発見によって、同連星がブラックホール、あるいは中性子星に降着するガス円盤によって加速された高エネルギージェットを噴き出しており、周囲の星間ガスを衝撃波圧縮してジェット状分子雲を形成したことが明らかになりました。&lt;br /&gt;
　このジェットは既知の銀河系内最強のジェット天体SS433 注5)に匹敵する強力なものであり、ブラックホール等のコンパクト天体が駆動する降着円盤の存在が確実になりました。また、この天体は強力なガンマ線源でもあり、ジェット加速とならんで宇宙線源としても大マゼラン雲で最強であるとみられ、大マゼラン雲における宇宙線の起源と銀河進化の解明に大きな影響を与えるとみられます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年10月30日午前0時(日本時間)付の天文学術雑誌「アストロフィジカルジャーナル・レターズ」誌にて掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図 1. 大マゼラン雲のガンマ線連星系 &amp;nbsp;LMC P3 周辺で発見された分子雲ジェット&lt;br /&gt;
（左）大マゼラン雲の超新星残骸&amp;nbsp; DEM L241 と高エネルギー連星 LMC P3。赤はX 線、緑・青は可視光、黄線は分子ガスを示す。（右）白枠内をアルマ望遠鏡で拡大した画像。色は分子ガスの電波強度を表す。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究背景と内容】&lt;br /&gt;
　ガンマ線連星は、最高エネルギーの電磁波＝ガンマ線を放つ二重星であり、これまでに全天で6個が見つかっています。そのうち最も光度の高い連星が大マゼラン雲のLMC P3 であり、残りは銀河系で見つかっています。ガンマ線連星は、ブラックホールまたは中性子星というコンパクト星と、通常の大質量星からなると考えられますが、その成り立ちとガンマ線放射機構についてはほとんど解明されていませんでした。&lt;br /&gt;
　これまでの研究によって、LMC P3 は周期約10日の公転軌道運動を示し、ガンマ線がそれに同期して周期的に光度変動していることが分かっていました。今回の発見によって光速に近い高エネルギージェットの存在が初めて明らかになり、降着円盤によるエネルギー解放の可能性が立証されました。降着円盤は、ブラックホールまたは中性子星というコンパクト星を取り巻いているとみられます。しかし、従来は中性子星のつくる高速度の星風が高エネルギー発生の原因であるとするシナリオが支持されており、降着円盤の存在は知られていませんでした。本研究によって状況は大きく書き換えられ、降着円盤によるエネルギー解放が中心的役割を果たしていることが明確になりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図 2. 高エネルギージェットによる相互作用の模式図&lt;br /&gt;
LMC P3のジェットが周囲の分子ガスと衝突し、細長い分子雲を形成した可能性を示す模式図。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　本研究は、アルマ望遠鏡の約3光年という高い分解能で星間雲を分解し、長さ30光年、幅3光年の分子雲ジェットの分離に成功しました。このジェットは正確にLMC P3に一致した方向に直線状に伸びており、ガンマ線連星が起源であることが強く示唆されます。この領域にはより広い範囲に星間雲が広がっており、LMC P3から発射された高エネルギージェットがこの分子雲を衝撃波加速して分子雲ジェットを形成したとみられます。本解析からは、分子雲ジェット全体が高温に加熱されていることが明らかになり、光速に近い高エネルギージェットの存在が立証されました。また、そのエネルギーは既知のジェット天体SS433に匹敵することから、ブラックホールの可能性が示されました。さらに分子雲ジェットの向きについて新たな観測的制約が与えられ、ブラックホールの可能性がより高くなりガンマ線連星の大光度とも整合します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図３: LMC P3 の伴星質量と軌道傾斜角から推定されるコンパクト天体の質量 (van Soelen et al. 2019) を改変。&lt;br /&gt;
伴星は太陽の25～42倍のO型星（黒色網掛け部分）。ジェット状分子雲の向きと整合する軌道傾斜角33度未満では、コンパクト天体は太陽の 2.2倍を超え、ブラックホールである可能性が高まる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の発展
　同種の分子雲ジェットは、銀河系においても一例が最近報告されており、今後の展開が注目されます。これまで、高エネルギージェットの観測は、X 線やガンマ線という高エネルギー現象によって検出するものという考えが「常識」でした。しかし、本研究によって、分子雲ジェットが有力な観測手段であることが立証されました。高エネルギー現象は1万年以下の短時間に変動することが多く、長期にわたる活動の検証には不向きです。これに対して分子雲ジェットは100万年以上継続して過去の活動を記録できる「宇宙の化石」であり、広範囲の現象の検出が可能になります。大マゼラン雲は銀河系に最も近い隣の銀河であり、今後アルマなどによる追究観測によって新たな発見が期待されます。銀河進化の時間規模で、宇宙の高エネルギー活動に「メス」が入れられることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語説明
注1) 大マゼラン雲:&lt;br /&gt;
　天の川銀河の近くにある伴銀河の一つ。&lt;br /&gt;
注2) 大型電波望遠鏡アルマ(アルマ望遠鏡):&lt;br /&gt;
　南米チリのアタカマ高地に設置された大型電波望遠鏡。10m級の高精度パラボラアンテナ60基余から構成され、ミリ波-サブミリ波帯で宇宙を観測する。日米欧の国際共同によって2010年に建設され、これまでの運用によって多くの研究成果があげられている。&lt;br /&gt;
注3) 中性子星:&lt;br /&gt;
　星の進化の最後につくられる超高密度天体。サイズは10kmと小さいが、質量は太陽の 1.4～2.2倍程度。これよりも重くなるとブラックホールになる。&lt;br /&gt;
注4) 降着円盤:&lt;br /&gt;
　ブラックホールなどの周囲に、物質が回転しながら落ち込むことで形成される円盤状の構造。&lt;br /&gt;
注5) SS433:&lt;br /&gt;
　降着円盤によって加速された高エネルギージェットを持つ最もよく知られた高エネルギー天体。マイクロクエイサーの代表格。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名:The Astrophysical Journal Letters&lt;br /&gt;
論文タイトル:&lt;br /&gt;
ALMA Observations of DEM L241/LMC P3 in the Large Magellanic Cloud:Evidence for the Formation of Cool Molecular Jets Driven by a Microquasar&lt;br /&gt;
著者: 福井康雄（名古屋大学名誉教授）、Bhuvana Gadikere Rajendra（岐阜大学）、佐野栄俊（岐阜大学／名古屋大学）、柘植紀節（岐阜大学／名古屋大学／国立天文台）、馬場彩（東京大学）、Miroslav Filipovic（西シドニー大学）、Gavin Rowell（アデレード大学）、佐々木愛美（フリードリヒ＝アレクサンダー大学）ほか、DEM L241/LMC P3 ALMA研究チーム&lt;br /&gt;
DOI: 10.3847/2041-8213/aea0cb&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610238599/_prw_PI3im_3VRdr1xn.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>甲状腺未分化がんの発生に、がん細胞の“初期化”が関わることを発見　iPS細胞の技術を応用したマウスモデルで解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610268682</link>
        <pubDate>Tue, 27 Oct 2026 10:22:59 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>甲状腺未分化がんの発生に、がん細胞の“初期化”が関わることを発見 iPS細胞の技術を応用したマウスモデルで解明―がん細胞に本来の性質を取り戻す“再分化”治療への手がかりも― ・甲状腺未分化がん※1は、...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月27日&lt;br /&gt;


三重大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

甲状腺未分化がんの発生に、がん細胞の“初期化”が関わることを発見&lt;br&gt;　iPS細胞の技術を応用したマウスモデルで解明―がん細胞に本来の性質を取り戻す“再分化”治療への手がかりも―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・甲状腺未分化がん※1は、診断後の平均生存期間が3〜6か月とされる最も悪性度の高いがんの一つで、比較的おとなしい甲状腺乳頭がん※2から生じることが多いものの、その仕組みは不明でした。&lt;br /&gt;
・ヒトの甲状腺未分化がん42例を調べたところ、甲状腺の細胞らしさを決めるタンパク質NKX2-1※3が失われ、多くの例でiPS細胞※4などの多能性幹細胞に特徴的なタンパク質が検出されました。&lt;br /&gt;
・マウスモデルでiPS細胞の作製に使われる4つの遺伝子（山中4因子）を甲状腺で発現させたところ、BRAF遺伝子変異※5をもつ甲状腺の細胞が、従来のモデルで用いられてきたTP53遺伝子変異※5がなくても、未分化がんに似た状態へと変化しました。&lt;br /&gt;
・未分化がん細胞でNKX2-1を再び働かせると、増殖が抑えられ、乳頭がんに近い性質へ部分的に戻る（再分化）ことを細胞・マウスの実験で確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概要
　三重大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学の柴田博史教授と、岐阜大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科学 大学院生の川浦僚さん（当時）、宇野女亜香里さん、および岐阜大学高等研究院の富田弘之教授の研究グループは、極めて悪性度の高い甲状腺未分化がんが生じる過程で、がん細胞が発生初期の未熟な細胞のような状態へと“初期化（胚性リプログラミング）”されることが重要な役割を果たしていることを明らかにしました。iPS細胞の技術を応用した新しいマウスモデルで、初期化によって甲状腺乳頭がんが未分化がんに似た状態に変化することを示すとともに、遺伝子NKX2-1を再び働かせることで未分化がん細胞が甲状腺乳頭がんに近い性質を部分的に取り戻すことを確認しました。本研究成果は、2026年10月26日に国際学術誌「Cell Reports」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
背景
　甲状腺乳頭がんは進行がゆっくりで5年生存率が90%を超える一方、甲状腺未分化がんは急速に進行し、5年生存率は10%未満です。未分化がんは長年存在した乳頭がんから変化（未分化転化）して生じることが多く、BRAFやTP53などの遺伝子変異の関与が指摘されてきましたが、甲状腺がんは遺伝子変異が比較的少ないことから、遺伝子（ゲノム）以外の仕組みも関わると考えられていました。そこで研究グループは、遺伝子の配列を変えずに細胞の性質を司る「エピゲノム」に着目しました。iPS技術は遺伝子の配列を変えずに細胞のエピゲノムを変換することで細胞の性質を初期化（胚性リプログラミング）する技術です。この技術を用いて、未分化転化のメカニズム解明を試みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容
　ヒトの甲状腺未分化がん42例を調べたところ、甲状腺の細胞らしさを保つNKX2-1は全例で失われ、多能性幹細胞に特徴的なタンパク質LIN28BとSALL4がそれぞれ76.2%、66.7%の症例で検出されました。公開データの遺伝子発現解析でも、未分化がんは乳頭がんの性質を残しつつ、ES細胞やiPS細胞に似た特徴を示しました。&lt;br /&gt;
　次に、BRAF変異により乳頭がんを生じるマウスに、甲状腺特異的に胚性リプログラミングができるように遺伝子を改変しました。BRAF変異＋胚性リプログラミングを誘導したマウスでは9匹中7匹で未分化がんに似た腫瘍が生じ（非投与の8匹では0匹）、甲状腺細胞の性質の低下や増殖能の上昇がみられました。この変化はTP53変異がなくても起こり、投与中止後も持続しました。&lt;br /&gt;
　さらに、ヒトおよびマウスの未分化がん細胞でNKX2-1を再び発現させると、増殖が抑えられ、多能性細胞類似の形質も解除されました。マウスに移植した腫瘍では乳頭がんに特徴的な細胞核の形態が再び現れるなど、乳頭がんに近い性質へと部分的に戻りました（再分化）。なお、胚性リプログラミングによる未分化転化誘導は実験的な手法であり、ヒトの未分化がんで同じ現象が起きていることを直接示したものではありません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展望
　本研究は、甲状腺未分化がんを「細胞が本来の性質を失い、未熟な状態に戻ったがん」として捉える新しい視点を示しました。NKX2-1による再分化の結果は、がん細胞に本来の性質を取り戻させて悪性度を抑える「再分化療法」などの開発につながる可能性があります。ただし、今回の成果は細胞や動物を用いた基礎研究の段階であり、治療への応用にはさらなる研究が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1 甲状腺未分化がん：がん細胞が本来の甲状腺細胞の性質を失った甲状腺がん。進行が非常に速く、極めて予後不良。&lt;br /&gt;
※2 甲状腺乳頭がん：甲状腺がんの代表的なタイプ。甲状腺細胞の性質をよく保ち、進行は比較的ゆっくり。&lt;br /&gt;
※3 NKX2-1：甲状腺の細胞が甲状腺の細胞として働くために必要な「マスター転写因子」。&lt;br /&gt;
※4 iPS細胞：体の細胞に4つの遺伝子（Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc：山中4因子）を働かせ、さまざまな細胞になれる状態に「初期化」した細胞。&lt;br /&gt;
※5 BRAF遺伝子・TP53遺伝子：BRAFは細胞の増殖に関わる遺伝子で、乳頭がんで変異が多くみられる。TP53は代表的ながん抑制遺伝子で、未分化がんで変異が多くみられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌： Cell Reports&lt;br /&gt;
掲載日： 2026年10月26日（オンライン掲載）&lt;br /&gt;
DOI： 10.1016/j.celrep.2026.118195&lt;br /&gt;
論文タイトル： Embryonic reprogramming drives anaplastic transformation in thyroid carcinoma&lt;br /&gt;
著者：　 Ryo Kawaura†, Akari Unome†, Hiroyuki Tomita*, Hiromasa Ishihara, Masashi Kuroki, Shingo Komura, Koki Kato, Shigeo Takashima, Naoki Nishio, Mayu Shigeyama, Tomoya Hirata, Ryo Ishii, Shioko Kimura, Shin Tsunekawa, Haruhiko Akiyama, Akira Hara, Yasuhiro Yamada, Takenori Ogawa, Hirofumi Shibata*（†共同筆頭著者、*責任著者）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
本研究は、JSPS科研費（JP24K22140、JP22K09703、JP24K19767）およびJST 創発的研究支援事業（JPMJFR220W）の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610268682/_prw_PI1im_Oo73EV73.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>雪害で失われた木材収入を山菜資源が補う可能性</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610228504</link>
        <pubDate>Fri, 23 Oct 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>雪害で失われた木材収入を山菜資源が補う可能性 〜雪害スギ人工林で生じる「木材生産」と「山菜生産」のトレードオフを解明〜 本研究のポイント ・岐阜県高山市の雪害を受けたスギ人工林を対象に、木材と山菜の経...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月23日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
海洋研究開発機構（JAMSTEC）&lt;br /&gt;

雪害で失われた木材収入を山菜資源が補う可能性 〜雪害スギ人工林で生じる「木材生産」と「山菜生産」のトレードオフを解明〜
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・岐阜県高山市の雪害を受けたスギ人工林を対象に、木材と山菜の経済的価値を比較評価しました。&lt;br /&gt;
・2014年の雪害により、スギ人工林の木材価値は約44.3万円/ha減少すると推定されました。&lt;br /&gt;
・一方、雪害後の森林ではタラノキ、コシアブラ、ハリギリなどの山菜資源が増加しました。&lt;br /&gt;
・増加した山菜資源の潜在的な販売価値は年間約8.4万円/haと推定されました。&lt;br /&gt;
・雪害は木材生産に損失をもたらす一方で、山菜資源の増加を通じて森林の新たな価値を創出する可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学高等研究院・環境社会共生体研究センターの斎藤琢教授、森部絢嗣准教授、国立研究開発法人海洋研究開発機構（JAMSTEC）地球環境研究部門の永井信主任研究員らの研究グループは、岐阜県高山市の雪害を受けたスギ人工林を対象に、木材生産と山菜生産の経済的価値を比較評価しました。&lt;br /&gt;
　その結果、2014年の雪害によって失われた木材収入の一部が、雪害後に自然増加したタラノキ、コシアブラ、ハリギリなどの山菜の収穫・販売によって補完される可能性があることを明らかにしました（図）。近年、我々は、気候変動による自然撹乱の増加と林業従事者の減少という複合的な環境・社会課題に直面しています。本研究は、このような課題を解決するための一助として、雪害を受けたスギ人工林における新たな森林利用・管理戦略の可能性を提示するものです。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年10月21日に森林生態学の国際誌であるForest Ecology and Management誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;   図　雪害による木材価値の損失と山菜資源のトレードオフ&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　日本の人工林の約44％はスギ（Cryptomeria japonica）で構成されています。しかし、豪雪地帯では雪の重みによる幹折れや倒木などの雪害が頻発しており、木材生産機能の低下が大きな課題となっています。一方、雪害によって森林に隙間（林冠ギャップ）が形成されると、林床まで光が届きやすくなります。その結果、タラノキ（Aralia elata）、コシアブラ（Chengiopanax sciadophylloides）、ハリギリ（Kalopanax septemlobus）などの落葉広葉樹が侵入・定着しやすくなります。これらの樹木は春に山菜として利用される新芽を生産するため、木材以外の森林資源として活用できる可能性があります。しかし、雪害による木材価値の損失と、山菜利用による経済的利益を定量的に比較した研究はほとんどありませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　研究グループは、岐阜県高山市に設置された長期森林観測サイトにおいて調査を実施しました。この森林では2014年12月の豪雪により、30％以上のスギが被害を受けています。本研究では、雪害前（2014年）と雪害後（2015、2020、2022年）の森林調査データおよび山菜資源量の調査に加えて、林野庁などの統計資料、オンラインフリーマーケット（メルカリ、楽天ラクマ）の山菜販売データを組み合わせて、木材資源の損失額と山菜資源の経済価値を算出しました。&lt;br /&gt;
　その結果、雪害による木材価値の減少額は約44.3万円/haと推定されました。一方で、雪害後に増加した山菜資源から得られる潜在的な収入は年間約8.4万円/haと推定され、1年で木材価値の減少分の20％弱を補う可能性が示されました。また、オンライン市場では、タラノメが100gあたり441円、コシアブラが399円、ハリギリが535円で取引されており、日本では、森林所有者が全国の消費者へ直接販売できる環境が整っていることも明らかとなりました。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、雪害は木材生産に損失をもたらす一方で、森林環境の変化によって山菜資源が増加し、その一部が経済的に補完される可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究は、雪害を受けた人工林を単なる被害森林として捉えるのではなく、「木材生産は減少するものの、新たな食料生産サービスが生まれる森林」として評価できる可能性を示しました。&lt;br /&gt;
　今後は木材や山菜だけでなく、炭素固定、水源涵養、防災機能、レクリエーション価値なども含めた多面的な生態系サービスを総合的に評価することで、気候変動時代に適した持続可能な森林管理手法の構築を目指します。&lt;br /&gt;
 &lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
1) 雪害： 積雪や着雪によって樹木に生じる被害。幹折れ、倒伏、根返り、樹冠損傷などが含まれる。&lt;br /&gt;
2) 山菜： 森林や草地などに自生し、食用として利用される植物。日本ではタラノキ（タラノメ）、コシアブラ、ワラビなどが代表的である。&lt;br /&gt;
3) 自然撹乱： 台風・火災・洪水・土砂崩れ・病害虫の発生などの自然現象によって生態系の構造や環境が変化すること。&lt;br /&gt;
4) 生態系サービス： 生態系が人間社会にもたらす恩恵の総称。木材や食料などの供給サービスのほか、水源涵養、防災、炭素固定、文化的価値などを含む。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Forest Ecology and Management&lt;br /&gt;
論文名：Trade-offs between timber and edible wild plant provisioning: A case study of a snow-disturbed Japanese cedar planted forest&lt;br /&gt;
著　者：Taku M. Saitoh, Nagai Shin, Junji Moribe&lt;br /&gt;
DOI：10.1016/j.foreco.2026.124347&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610228504/_prw_PI5im_0fZrZ8ho.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>医学部入試の多様性推進、受験者の背景考慮に課題</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610208317</link>
        <pubDate>Wed, 21 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>医学部入試の多様性推進、受験者の背景考慮に課題 ～全国の医学部リーダーへの調査で認識の違いを可視化～ 本研究のポイント ・ 全国82医学部の医学部長や医学教育責任者らを対象に、学生の多様性と入学者選抜...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月21日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

 医学部入試の多様性推進、受験者の背景考慮に課題  ～全国の医学部リーダーへの調査で認識の違いを可視化～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 全国82医学部の医学部長や医学教育責任者らを対象に、学生の多様性と入学者選抜に関する認識調査を依頼し、131人から回答を得ました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・ 回答者は学生の社会経済的多様性の拡大を支持する一方、入学者選抜では能力や人間性をより重視していました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・ 進学機会の拡大には、選抜方法だけでなく、「能力」や「公平性」をどのように捉えるのかについて議論することが重要だと示唆されました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　近年、家庭の経済状況や教育環境にかかわらず、医師を目指せる機会をどのように保障するかが問われています。&lt;br /&gt;
　岐阜大学医学教育開発研究センター（MEDC）の招へい教員である鈴木康之名誉教授、野村理教授、西城卓也教授らの研究グループは、全国の医学部長や医学教育責任者らを対象に、学生の多様性と入学者選抜に関する認識を調査しました。調査の結果、回答者は、社会経済的に多様な学生を受け入れることや進学機会の拡大を支持していました。一方、選抜で重視する項目としては、認知能力や非認知能力、人間性などに比べ、社会経済的に不利な背景への評価は低いことが分かりました。&lt;br /&gt;
　本研究は、医学部入試における公平性を考えるための基礎資料となるものです。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年10月14日に国際学術誌「Medical Teacher」にオンライン掲載されました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1　医学部リーダー131人の回答分布（全17項目）&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　医学部への進学機会には、家庭の経済状況や教育資源へのアクセスが関わっています。進学機会の拡大（Widening Participation：WP）とは、こうした背景による不利を軽減する取り組みです。しかし、入学者選抜方針に関わる医学部リーダーが、多様性や公平性をどのように捉えているかは、これまで十分に分かっていませんでした。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果&amp;nbsp;
　2025年4〜5月、全国82医学部のリーダーらを対象にウェブ質問紙調査を実施し、131人から回答を得ました。図1は、回答者の認識を、A「多様性・支援策」、B「市民・教育者の意見」、C「選抜で重視する項目」に分けて示しています。各帯の青色の割合が大きいほど、その設問への同意が強いことを表します。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
① 多様性の拡大を支持する一方、積極的支援策には意見の幅（図1A）&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　「不利な背景の学生の受け入れ拡大」（Q2）と「進学機会拡大の必要性」（WP、Q3）は、回答の中央値がいずれも6点でした。一方、「不利な背景を持つ志願者への積極的支援策」（Affirmative Action：AA、Q4）は5点で、他の政策項目より同意が低く、回答も分かれていました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
② 出願機会の格差を認識し、早い段階からの支援に同意（図1B）&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　「医学部への出願機会に社会経済的格差がある」（Q6-3）と、「中等教育段階からの支援の必要性」（Q6-5）は、中央値がいずれも6点でした。一方、「家庭収入への驚き」「学生の背景の均質性」「受験中心の進路指導の弊害」は5点で、同意の程度に違いがありました。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
③ 選抜では、背景よりも能力・人間性を重視（図1C）&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　「認知能力」「非認知能力」「人間性」「医学を学ぶ動機」（Q7-1〜Q7-4）は中央値が6〜7点でした。一方、「人生経験」「出身地域」「社会経済的に不利な背景」（Q7-5〜Q7-7）は4〜5点でした。特に、「社会経済的に不利な背景の考慮」は4点で、「認知能力」「非認知能力」「人間性」「動機」の4項目より低い評価でした。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　以上の結果から、多様性の拡大や教育機会の格差への認識と、入学者選抜で受験生の社会経済的に不利な背景を考慮することへの認識には隔たりがあることが分かりました。ただし、本研究は限られた回答者による探索的な横断調査であり、全国の医学部リーダー全体への一般化や、実際の入試運用・因果関係の判断には限界があります。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　進学機会の拡大に向けては、選抜手法の見直しに加え、「能力」や「公平性」をどう捉えるかについての対話が重要と考えられます。今後は、質的研究などを通じて、こうした考え方が形成される背景を詳しく検討する必要があります。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Medical Teacher&lt;br&gt;論文タイトル：Perceptions of medical school leaders towards widening participation: a Japanese survey&amp;nbsp;&lt;br&gt;著者：Yasuyuki Suzuki, Osamu Nomura, Koji Tsunekawa, Yuko Takeda, Takuya Saiki&amp;nbsp;&lt;br&gt;DOI：10.1080/0142159X.2026.2743051&amp;nbsp;&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は以下の研究助成を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
日本学術振興会科学研究費助成事業　基盤研究C「我々は将来の医療を誰に託すのか？：医学部入学者の多様化推進に関する政策的研究（23K09598）&amp;nbsp;」&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610208317/_prw_PI2im_0KE7wrro.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>がん関連タンパク質「AKT」が細胞膜に結合・安定化する新たな仕組みを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610097621</link>
        <pubDate>Tue, 13 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>がん関連タンパク質「AKT」が細胞膜に結合・安定化する新たな仕組みを解明 ―脂質認識PHドメインとキナーゼドメインの協働を分子シミュレーションと1分子観察で実証― 慶應義塾大学大学院理工学研究科の中垣...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月13日&lt;br /&gt;


慶應義塾大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
国立がん研究センター&lt;br /&gt;

がん関連タンパク質「AKT」が細胞膜に結合・安定化する新たな仕組みを解明  ―脂質認識PHドメインとキナーゼドメインの協働を分子シミュレーションと1分子観察で実証―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　慶應義塾大学大学院理工学研究科の中垣友希（研究当時），同大学理工学部の山本詠士准教授，岐阜大学糖鎖生命コア研究所の森俊貴研究員（国立がん研究センター研究所 先端バイオイメージング研究分野 外来研究員），鈴木健一教授（国立がん研究センター研究所 先端バイオイメージング研究分野長 兼任）らの研究グループは，細胞の増殖や生存を制御する重要なシグナル伝達タンパク質AKT（※1）が，細胞膜に結合して安定化される分子メカニズムを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　AKTは，脂質を認識するPHドメインと，酵素活性を担うキナーゼドメイン（KD）を持つ2つの機能部位を持つタンパク質（多ドメインタンパク質）です。従来，AKTが細胞膜へ結合するのは，主にPHドメインが膜脂質PIP₃（※2）を認識することで起こると考えられてきましたが，AKTが膜上でどのような姿勢を取り，KDが膜結合にどう関わっているかは十分に解明されていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では，分子動力学シミュレーション（※3）と生細胞1分子蛍光イメージング（※4）を組み合わせた結果，AKTが膜上でいくつかの結合状態を取ること，さらにPHドメインだけでなくKDにもPIP₃と相互作用する正電荷の膜接触面が存在することを見出しました。主要な膜結合状態では，PHドメインが複数のPIP₃を認識すると同時にKDも膜に接触し，AKTの活性化に必要なリン酸化部位が外側に露出した配置を取ることがわかりました。また，細胞内ではPHドメインがAKTを膜へ捕捉する中心的な役割を担う一方，KDは膜への結合を制御し，結合後はAKTが長く膜上に留まる状態を安定化させていることが示されました。&lt;br /&gt;
　これらの結果は，AKTの膜結合が単一の脂質結合部位だけで決まるのではなく，PHドメインとKDの協働によって制御されることを示しています。AKTはがんをはじめとする多くの疾患に関与する重要な創薬標的であり，本成果はAKTシグナルの時間や空間の制御メカニズムを理解するための新たな分子基盤となることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は，2026年9月29日に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society（JACS）」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
1．本研究のポイント
・全長AKT分子がPIP₃を含む膜上で少なくとも4種類の結合状態を取ることを分子動力学シミュレーションで明らかにしました。&lt;br /&gt;
・従来知られていたPHドメインのPIP₃結合に加え，キナーゼドメイン（KD）のR367，R370を含む正の電荷を帯びた領域も膜脂質と相互作用していることを見出しました。&lt;br /&gt;
・生細胞1分子イメージングにより，PHドメインがAKTを膜へ引き寄せる役割を主に担う一方で，KDが膜結合を調節し，膜捕捉後は長時間の滞在を安定化させる役割を分担していることを実験的に明らかにしました。&lt;br /&gt;
・膜上で利用可能なPIP₃が少ない条件ではKDとPIP₃の接触が減少し，AKTの膜上での向きも変化することから，局所的なPIP₃量がAKTの膜上での結合状態をコントロールしている可能性を示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2．研究背景
　細胞は，外部から受け取った信号を内部へ伝えるために，多数のタンパク質からなるシグナル伝達ネットワークを利用しています。その中心的な経路の一つがPI3K/AKTシグナル伝達経路です。AKTは細胞の増殖，代謝，分化，タンパク質合成などを広く制御するセリン／スレオニンキナーゼであり，AKTを含むPI3K/AKTシグナル経路の異常な活性化が，多くのがんや組織過成長疾患の原因として知られています。&lt;br /&gt;
　AKTの活性化は，細胞膜にPIP₃というリン脂質が産生されることから始まります。まず，AKTのN末端にあるPHドメインがPIP₃を認識してAKTを細胞膜へ引き寄せ，続いてThr308とSer473という特定の部位がそれぞれPDK1とmTORC2によってリン酸化されることでAKTが活性化されます。したがって，AKTがいつ，どのような姿勢で細胞膜に結合し，「どの程度その場にとどまるか」は，シグナル伝達の強さや時間を左右する重要な過程です。&lt;br /&gt;
　これまでの研究では，AKTのPHドメイン単体とPIP₃との相互作用が詳しく調べられてきました。しかし実際のAKTはPHドメインだけでなく，酵素としての触媒反応を担う大きなKDを持つ多ドメインタンパク質です。そのため，全長AKTが膜上でどのような状態を取るか，PHドメインとKDがどのように協働して膜への結合や滞在をコントロールするかは，分子レベルでは十分に解明されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3．研究内容・成果
　本研究では，まず分子動力学シミュレーションを用いて，全長AKTがPIP₃を含む細胞膜上でどのような状態を取るのかを解析しました。その結果，従来PIP₃との結合を担うと考えられてきたPHドメインだけでなく，KDも膜との相互作用に関与している可能性を見出しました。さらに，シミュレーションから予測されたKDの膜結合について，生細胞における1分子観察によって検証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(1)AKTは膜上で複数の結合状態をとり，KDもPIP₃と相互作用する&lt;br /&gt;
　PIP₃を含む脂質膜と全長AKTの分子シミュレーションを行ったところ，AKTは膜上で主に4種類の結合状態を取ることが分かりました。主要な状態では，PIP₃を認識するPHドメインだけでなく，KDも膜側に配置されていました（図1）。さらに，AKTの各アミノ酸とPIP₃との相互作用を詳しく解析したところ，PHドメインでは従来知られていた結合部位に加え，別の部位にもPIP3が結合していることが判明しました。また，KDに存在する正の電荷を帯びたアミノ酸R367とR370の周辺もPIP₃と繰り返し接触していました。このことから，PHドメインだけでなくKDも膜との相互作用に関与し，全長AKTの膜上での状態を安定化している可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(2)PIP₃量によってAKTの膜上での状態が変化する&lt;br /&gt;
　次に，細胞膜中でAKTが利用できるPIP₃量が変化した場合を調べるため，膜中のPIP₃を減らした条件でシミュレーションを行いました。PIP₃が少ない条件では，PIP₃との相互作用は主にPHドメインに集中し，KDとPIP₃との接触は大きく減少しました。それに伴い，PIP₃が多い条件で見られたKDの特徴的な膜上での向きも曖昧になりました。この結果から，PIP₃は単にAKTを膜へ結合させるだけでなく，その量に応じてAKTが膜上でとる状態を変化させる可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(3)KDはAKTの膜結合と長時間の膜滞在を安定化する&lt;br /&gt;
　シミュレーションから予測されたKDと膜の相互作用を生細胞で検証するため，AKTの1分子毎の膜上での動きを蛍光顕微鏡によって観察しました。その結果，KDのR367とR370を変異させると，全長AKTの膜への局在が低下しました。また，KD単体でも弱い膜結合が観察されましたが，R367とR370を変異させると，この膜結合はほとんど見られなくなりました。これにより，シミュレーションで予測されたKDの領域が，実際の細胞内でも膜結合に寄与していることが示されました。&lt;br /&gt;
　さらに，1分子ごとに膜に新たに結合する頻度と滞在時間を解析したところ，PHドメイン単体では全長AKTより膜への結合頻度が高い一方，長時間滞在成分の滞在時間は短くなりました。これらの結果から，KDには細胞質ではPHドメインを介した膜結合を抑制する一方，PHドメインによって膜に捕捉された後は，膜との相互作用によってAKTの膜滞在を安定化させるという，二重の役割を持つことが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  図1：AKTが脂質膜に結合した状態の分子動力学シミュレーション  PHドメイン（水色）とKD（橙色）が脂質膜中のPIP₃と相互作用．&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4．今後の展開
　本研究により，AKTの膜結合は「PHドメインがPIP₃に結合する」という単純な仕組みではなく，PHドメインによるPIP₃認識とKDによる膜接触が協働して安定化されることが示されました。さらに，膜上のPIP₃量によってAKTが選択する結合状態が変化することから，細胞膜の脂質組成やPIP₃の局所的な偏りが，AKTシグナルの強さや持続時間を調節する可能性があります。&lt;br /&gt;
　AKTの異常活性化は，がんをはじめとする多くの疾患と関連しており，多数の疾患関連変異が報告されています。今回，膜との相互作用に関与することが示されたR370についても，がん関連変異R370Cが知られています。今後，こうした疾患関連変異がAKTの膜上での結合状態や滞在時間にどのような影響を与えるのかを明らかにすることで，がんなどで見られるAKTの異常活性化の働きの解明や，新たな創薬開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　また，本研究で用いた「計算・1分子観察の統合的アプローチ」は，AKT以外のさまざまな多ドメイン型膜結合タンパク質にも応用可能です。脂質を認識するドメインと触媒ドメインが協働して膜上での状態を切り替える仕組みが，細胞内シグナル伝達に共通する原理であるかを明らかにすることが今後の課題です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜原論文情報＞
雑誌名：Journal of the American Chemical Society（JACS）&lt;br /&gt;
論文タイトル：Cooperative Membrane Recognition by Lipid-Sensing and Kinase Domains Shapes Membrane-Bound States of AKT&lt;br /&gt;
著者：Yuki Nakagaki，Toshiki Mori，Kenichi G. N. Suzuki*，Eiji Yamamoto*（*責任著者）&lt;br /&gt;
DOI： &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/jacs.6c13162&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/jacs.6c13162&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜用語説明＞
※1　AKT：細胞の増殖，代謝，分化，タンパク質合成などを制御するセリン／スレオニンキナーゼで，PI3K/AKTシグナル伝達経路の中心的なタンパク質。主に，細胞膜中のPIP₃を認識して膜に結合するPHドメインと，酵素活性を担うキナーゼドメイン（KD）などから構成される。&lt;br /&gt;
※2　PIP₃：ホスファチジルイノシトール（3,4,5）三リン酸［PI(3,4,5)P₃］。細胞膜に少量存在する情報伝達脂質．細胞の外からの増殖因子刺激などに応答してPI3Kによって産生され，AKTなどのタンパク質を膜へ呼び込む。&lt;br /&gt;
※3　分子動力学シミュレーション：粒子の動きをコンピュータ上で再現する手法．古典力学におけるニュートンの運動方程式を数値的に解くことで，時々刻々の粒子の動きを知ることができる。&lt;br /&gt;
※4　1分子蛍光イメージング：蛍光標識した分子を1分子ずつ可視化し，生きた細胞の中で分子が細胞膜に結合する頻度や，膜上での移動，滞在時間などを測定する手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜研究支援＞
本研究は，日本学術振興会（JSPS）科研費（JP22K06171，JP24K01974，JP24K21944），科学技術振興機構（JST）CREST（JPMJCR24B3），日本医療研究開発機構（AMED）（24tk0124003h0002，24ym0126134h0001），国立がん研究センター研究開発費（2023-A-03），武田科学振興財団の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610097621/_prw_PI2im_y0kvRJY2.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>皮膚に残る「再燃の火種」を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610097610</link>
        <pubDate>Tue, 13 Oct 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>皮膚に残る「再燃の火種」を発見 ―アレルギー性皮膚炎の再燃予防へ― 概要 京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授、岐阜大学高等研究院One Medicineトランスレーショナルリサーチセンターの朝比奈...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月13日&lt;br /&gt;


京都大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

皮膚に残る「再燃の火種」を発見 ―アレルギー性皮膚炎の再燃予防へ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概要
　京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授、岐阜大学高等研究院One Medicineトランスレーショナルリサーチセンターの朝比奈良太特任准教授（研究当時：京都大学大学院医学研究科）らは、アレルギー性皮膚炎が治まった後も皮膚に残る「再燃の火種」となる免疫細胞と、その維持の仕組みを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　複数のマウスモデルを解析した結果、炎症が治まった後も皮膚に残る記憶T細胞の中から、皮膚炎を再び引き起こす「火種」となるCXCR6陽性の記憶T細胞を特定しました。この細胞は、皮膚の血管周囲で樹状細胞とクラスターを形成して「免疫細胞の拠点」となり、CXCL16を介した樹状細胞との相互作用によって維持されていました。さらに、アトピー性皮膚炎患者の皮膚でも、症状改善後も同様のクラスターが残ることを確認しました。&lt;br /&gt;
　本研究により、「再燃の火種」の実体と、それを支える「免疫細胞の拠点」の仕組みが明らかとなり、アレルギー性皮膚炎の再燃を防ぐ新たな治療法につながると期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年10月12日午前11時（米国東部時間）に国際学術誌「Immunity」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
作成：朝比奈良太｜生成AI：OpenAI ChatGPT（GPT-5.6 Sol）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
１．背景
　アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性皮膚炎は、症状が改善しても再び悪化する「再燃」を繰り返すことが特徴です。治療の進歩によって、皮膚の炎症やかゆみを抑えることが可能になってきましたが、再燃の予防は依然として重要な課題です。&lt;br /&gt;
　近年、免疫細胞であるT細胞の中でも、「組織常在性記憶T細胞（TRM細胞）」(注1)が、再燃に重要な役割を果たすことが分かってきました。TRM細胞は、炎症が治まった後も組織に長期間とどまり、再び刺激を受けると素早く免疫反応を起こす記憶T細胞です。TRM細胞には性質の異なるさまざまな細胞集団が存在しますが、どの細胞集団が再燃を引き起こすのか、また、その細胞が炎症の治まった皮膚でどのように維持されているのかは、十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　そこで本研究では、炎症が治まった後の皮膚に着目し、再燃を引き起こすTRM細胞の特徴と、その維持の仕組みを明らかにすることを目指しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
２．研究手法・成果
　研究グループはまず、複数のアレルギー性皮膚炎のマウスモデルを用いて、炎症が治まった後の皮膚に残るTRM細胞を詳しく解析しました。その結果、細胞表面にCXCR6(注2)という分子を持つ特徴的なTRM細胞を発見しました。このCXCR6陽性TRM細胞は、再び刺激を受けると炎症を促す物質を多く産生し、皮膚炎の再燃を引き起こす「火種」となることが分かりました。&lt;br /&gt;
　次に、この「再燃の火種」が炎症後の皮膚にどのように残っているのかを調べたところ、血管周囲で樹状細胞(注3)とともに「免疫細胞の拠点」を形成していました。さらに、二光子顕微鏡(注4)を用いた生体イメージングにより、皮膚に再び刺激を加えると、この拠点の周囲で炎症反応が急速に起こる様子をリアルタイムで捉えました。&lt;br /&gt;
　続いて、この「再燃の火種」が炎症後も皮膚に残り続ける仕組みを調べました。研究グループは、CXCR6と結合するCXCL16(注5)という分子に着目しました。CXCL16は樹状細胞などによってつくられ、その働きを抑えると、CXCR6陽性TRM細胞が減少し、皮膚炎の再燃も抑えられました。この結果から、「免疫細胞の拠点」での樹状細胞との相互作用が、「再燃の火種」を皮膚に維持するために重要であることが分かりました。&lt;br /&gt;
　最後に、アトピー性皮膚炎患者の皮膚を解析したところ、症状が改善した後も、CXCR6陽性TRM細胞と樹状細胞からなる同様の「免疫細胞の拠点」が残っていることを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
３．波及効果、今後の予定
　本研究により、アレルギー性皮膚炎の症状が治まった後も皮膚に残る記憶T細胞の中から、再燃を引き起こす細胞集団と、その維持の仕組みが明らかになりました。炎症やかゆみを抑える治療に加えて、再燃を引き起こす細胞を選択的に標的とし、再燃を防ぐ新たな治療法につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　一方、本研究で再燃を抑える効果を検証したのはマウスモデルであり、この仕組みを標的とすることでヒトでも再燃を抑えられるかは、まだ分かっていません。今後は、ヒトのアトピー性皮膚炎におけるこの仕組みの役割をさらに検証するとともに、他の慢性・再発性の炎症性皮膚疾患にも同様の仕組みが存在するのかを調べ、治療への応用を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
４．研究プロジェクトについて
　本研究は、日本学術振興会（JSPS）科学研究費助成事業（19K15980、20J00115、22K15010、25K02175、20H05697、25H00442）、日本医療研究開発機構（AMED）革新的先端研究開発支援事業（AMED-CREST）「多細胞間相互作用による皮膚バリアの適応・修復機序の解明」および「皮膚における生活環境ストレスマーカーの探索とアトピー性皮膚炎の層別化医療への展開」、Maruho Grant-in-Aid Program、コーセーコスメトロジー研究財団、日本イーライリリー株式会社研究助成、LEO Foundation、藤原記念財団、清水免疫学・神経科学振興財団の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜用語解説＞
（注1）組織常在性記憶T細胞（TRM細胞）：一度出会った抗原（免疫系が認識する物質）を記憶し、皮膚などの組織に長期間とどまる記憶T細胞。再び同じ抗原に出会うと、素早く免疫反応を起こす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）CXCR6：主にリンパ球の表面に存在し、本研究ではさまざまなTRM細胞の中から、再燃を引き起こす集団を見分ける目印となった分子。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）樹状細胞：抗原を捉え、その情報をT細胞に伝えることで、免疫反応を調節する役割をもつ免疫細胞。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）二光子顕微鏡：生きた状態のまま、体内の組織をリアルタイムで観察できる顕微鏡。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）CXCL16：免疫細胞の移動などを調節する「ケモカイン」と呼ばれる分子の一種。樹状細胞などによってつくられ、CXCR6と結合する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜研究者のコメント＞
アレルギー性皮膚炎では、再燃が大きな課題です。本研究がその解決への一歩になればと考えています。生体イメージングで「免疫細胞の拠点」周囲の炎症を捉えた時は、忘れられない瞬間でした。ご指導いただいた椛島健治先生をはじめ、研究を支えてくれたラボメンバーと家族に感謝します。獣医師・研究者として、ヒトと動物の医学をつなぐOne Medicineを実践し、再燃を繰り返す皮膚疾患の克服に挑み続けたいと思います。（朝比奈良太）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜論文タイトルと著者＞
タイトル：&lt;br /&gt;
Skin-resident CXCR6+ memory CD4+ T cells and dendritic cells form dermal perivascular hubs that drive relapse in allergic dermatitis&lt;br /&gt;
（皮膚常在性CXCR6陽性記憶CD4陽性T細胞と樹状細胞は、アレルギー性皮膚炎の再燃を駆動する真皮血管周囲の免疫拠点を形成する）&lt;br /&gt;
著者：&lt;br /&gt;
Ryota Asahina, Fuuka Minami, Satoshi Nakamizo, Toshiya Miyake, Satoru Yonekura, Toshiaki Kogame, Shuto Kanameishi, Kosuke Katsuo, Hiroyuki Irie, Saeko Nakajima, Takashi Nomura, Akihiko Kitoh, Gyohei Egawa, Kenji Kabashima&lt;br /&gt;
掲載誌：Immunity&lt;br /&gt;
DOI：10.1016/j.immuni.2026.09.010&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜参考図表＞
&lt;br /&gt;
図１．「免疫細胞の拠点」周囲で炎症が起こる様子を捉えた&lt;br /&gt;
炎症が治まったマウスの皮膚を再刺激し、二光子顕微鏡で皮膚内部を生きたまま観察しました。再刺激後、「免疫細胞の拠点」の周囲で血管から蛍光物質が漏れ出し、時間とともに広がる様子が観察されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
図２．CXCL16の働きを抑えると、皮膚炎の再燃が抑制される&lt;br /&gt;
CXCL16の働きを抑える抗CXCL16抗体をマウスに投与すると、「免疫細胞の拠点」とCXCR6陽性の組織常在性記憶T（TRM）細胞（「再燃の火種」）が減少しました。その結果、皮膚を再刺激した際の炎症も抑えられました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図３．治療後のアトピー性皮膚炎患者の皮膚にも「免疫細胞の拠点」が残る&lt;br /&gt;
アトピー性皮膚炎患者の皮膚を治療前後で解析しました。治療によって皮膚炎が大きく改善した後も、CXCR6陽性の組織常在性記憶T（TRM）細胞を含む「免疫細胞の拠点」が皮膚に残存していました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610097610/_prw_PI2im_6s2TgH4W.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>関節炎を抑える新たな化合物を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610077501</link>
        <pubDate>Fri, 09 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>関節炎を抑える新たな化合物を発見 — 炎症に関わる酵素「ナルディライジン」の働きを止める初の低分子化合物 — 研究のポイント ・炎症やがんなどに関わる酵素「ナルディライジン（NRDC）」の働きを抑える...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月9日&lt;br /&gt;


滋賀医科大学&lt;br /&gt;
岐阜薬科大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

関節炎を抑える新たな化合物を発見  — 炎症に関わる酵素「ナルディライジン」の働きを止める初の低分子化合物 —
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究のポイント
・炎症やがんなどに関わる酵素「ナルディライジン（NRDC）」の働きを抑える化合物「R5-1」を、約3万3千種類の化合物の中から発見しました。NRDCを標的とする低分子化合物の報告は世界で初めてです。&lt;br /&gt;
・R5-1は、酵素がタンパク質を切る「刃」の部分ではなく、そこから離れた場所に結合して働きを鈍らせる、珍しいタイプの阻害剤であることが示唆されました。&lt;br /&gt;
・関節リウマチのモデルマウスにR5-1を投与すると、関節の腫れなどの症状が有意に軽減しました。関節リウマチなど炎症性疾患の新しい治療薬開発の出発点となることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概要
　国立大学法人滋賀医科大学 薬理学講座の西 清人 助教、西 英一郎 教授、整形外科学講座の天野 泰孝 助教（研究当時）、今井 晋二 教授らの研究グループは、岐阜薬科大学 生化学研究室の河野 真也 大学院生、五十里 彰 教授、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科の遠藤 智史 准教授、京都大学、神戸学院大学との共同研究により、酵素「ナルディライジン（NRDC）※1」の働きを抑える化合物「R5-1」を発見しました。&lt;br /&gt;
　NRDCは、タンパク質を切断する「はさみ」のような酵素（プロテアーゼ※2）で、細胞の核の中では遺伝子のスイッチ（転写※3）の調節にも関わっています。これまでの研究で、NRDCをもたないマウスでは関節炎やがんが起こりにくいことが分かっており、NRDCは新しい治療の標的として注目されてきました。しかし、NRDCの働きを薬で抑える手段（阻害剤※4）はこれまで存在せず、「薬で狙える標的なのか」を確かめることができませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究グループは、NRDCの「はさみ」の働きを光の強さで測る方法を確立し、理化学研究所の協力のもと、約3万3千種類の化合物から、NRDCの働きを抑えるものを探索しました（ハイスループットスクリーニング※5）。段階的な絞り込みの結果、R5-1を最有力候補として選び出しました。R5-1は、細胞の中でNRDCによる遺伝子スイッチの調節を打ち消し、さらに関節リウマチのモデルマウス※6に投与すると、関節の腫れなどの症状を有意に軽減しました。&lt;br /&gt;
　本成果は、NRDCが薬の標的にできる分子であることを示すものです。今後、R5-1を出発点として改良を重ねることで、関節リウマチなど炎症性疾患の新しい治療薬の開発につながることが期待されます（図1）。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年9月9日付けで国際学術誌 Biochemical Pharmacology にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1：本研究の概要&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景
　関節リウマチは、免疫の異常（普段は細菌やウイルスなど外から侵入した異物のみを攻撃する免疫系が、自分自身の関節を攻撃してしまうことで生じる自己免疫疾患）によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、さらには関節の変形をもたらす病気です。治療薬は大きく進歩してきましたが、十分な効果が得られない患者さんも少なくなく、これまでとは異なる仕組みで働く新しい治療薬が求められています。&lt;br /&gt;
　本研究グループは、長年にわたり「ナルディライジン（NRDC）」という酵素の研究を続けてきました。NRDCは、タンパク質を切断する「はさみ」の役割をもつ一方で、細胞の核の中では遺伝子のスイッチを調節する役割ももつ、ユニークな酵素です。これまでに、NRDCをもたないマウスでは関節炎が軽くなること、関節リウマチの患者さんでは関節液中のNRDCが増えていることなどを明らかにしてきました。&lt;br /&gt;
　しかし、遺伝子を無くしてしまう方法では、NRDCというタンパク質そのものが無くなるため、「はさみ」としての働きが重要なのか、それ以外の役割が重要なのかを区別できません。また、実際の治療に結びつけるには、薬（化合物）でNRDCの働きを抑えられるかを示す必要があります。ところが、NRDCの働きを抑える化合物はこれまで報告されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究手法・成果
① 約3万3千種類の化合物から「R5-1」を発見&lt;br /&gt;
　研究グループはまず、NRDCに切られると光る特殊な物質を用いて、NRDCの「はさみ」の働きを光の強さで測定する方法を確立しました。この方法を用いて、理化学研究所などが保有する33,305種類の化合物を調べ、NRDCの働きを抑えるものを探しました。見かけ上だけ効いているように見える化合物や、細胞に毒性を示す化合物、NRDCと同じ仲間の別の酵素（インスリン分解酵素：IDE）にも効いてしまう化合物などを段階的に取り除き、最終的に「R5-1」を最有力候補として選び出しました（図2）。&lt;br /&gt;
　R5-1は、マウスとヒトのどちらのNRDCに対してもほぼ同じ強さで働き（50%の働きを抑える濃度は約0.7マイクロモル）、同じ系統（メタロプロテアーゼ）に属する別の種類の酵素（MMP-1）には作用しませんでした。また、R5-1と構造の似た化合物38種類と比較した結果、R5-1の効果が最も優れていることが分かりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2：約3万3千種類の化合物からR5-1を選び出すまでの流れ&lt;br /&gt;
NRDCの働きを抑える化合物を自動測定で探し、再現性、見かけ上の効果の除外、近縁酵素への作用や細胞毒性の有無などの基準で段階的に絞り込んだ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
② R5-1は「刃」とは離れた場所から働きを鈍らせる&lt;br /&gt;
　R5-1がどのようにNRDCの働きを抑えるのかを、酵素反応の速さを詳しく調べる方法（酵素反応速度解析）で解析しました。その結果、R5-1は、NRDCが切断する相手（基質）と場所を奪い合うのではなく、切断の効率そのものを下げる「非競合阻害※7」というタイプであることが分かりました。&lt;br /&gt;
　さらに、人工知能（AlphaFold）が推定したNRDCの立体構造を用いたコンピューター解析（ドッキングシミュレーション）により、R5-1は酵素の活性中心から離れた「くぼみ」に結合することが予測されました。また、R5-1は分子が小さいわりに効率よく標的に結合する（リガンド効率が高い）ことから、今後の改良によってさらに効果を高められる余地が大きいと考えられます。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
③ R5-1を細胞に投与することで、NRDCによる遺伝子スイッチの調節を打ち消した&lt;br /&gt;
　NRDCは、エネルギー代謝などを司る遺伝子スイッチ「PGC-1α」の働きを抑えることが知られており、この働きには「はさみ」の機能が必要です。細胞にR5-1を加えると、NRDCによるPGC-1αの抑制が打ち消されました。一方、「はさみ」の機能を失わせたNRDCでは、R5-1による変化はみられませんでした。このことから、R5-1はNRDCの「はさみ」の働きを抑えることで、遺伝子スイッチの調節に影響を与えていることが示されました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
④ 関節リウマチのモデルマウスで関節炎を軽減&lt;br /&gt;
　最後に、関節リウマチのモデルマウス（SKGマウス）にR5-1を週3回投与しました。その結果、R5-1を投与したマウスでは、投与していないマウスに比べて関節炎の重症度（スコア）が有意に低く、手首や足首の腫れも軽減しました（図３）。また、投与期間中に体重減少などの明らかな異常はみられませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図３：R5-1は関節リウマチのモデルマウスの関節炎を軽減した&lt;br /&gt;
（左）関節炎の重症度スコアの推移。R5-1を投与したマウス（オレンジ）では、投与していないマウス（青）に比べて、投与後半で有意に低く推移した（＊p&amp;lt;0.05）。（右）前肢の写真。R5-1投与により腫れと赤みが軽減している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展望
　本研究により、これまで薬で抑制する手段がなかったNRDCについて、その働きを止める化合物を初めて見いだし、関節炎の治療標的となり得ることを示しました。NRDCは関節炎だけでなく、がんや代謝の異常などとの関わりも報告されており、R5-1はNRDCの多様な働きを解き明かすための研究用の「道具」としても役立つと期待されます。&lt;br /&gt;
　一方で、R5-1は創薬の「出発点」となる段階の化合物（ヒット化合物）であり、効き目の強さや、ほかの酵素に作用しないか（選択性）、体の中での薬の動き（体内動態）など、改良・検証すべき課題が残されています。また、R5-1がNRDCのどこに結合するかは、現時点ではコンピューターによる予測であり、今後、実験による確認が必要です。ヒトでの効果や安全性についても、今後の研究で慎重に検証していく必要があります。&lt;br /&gt;
　今後は、R5-1をもとに構造を改良した化合物の開発を進め、関節リウマチなどの炎症性疾患に対する、これまでにない仕組みの治療薬の開発をめざします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
　本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業（科研費）（課題番号：JP23K07550、JP23K07966、JP25K02686）、文部科学省・日本医療研究開発機構（AMED）「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム（P-DIRECT）」、公益財団法人武田科学振興財団、公益財団法人鈴木万平糖尿病財団などの支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
　また、図１に用いた質量分析装置のイラストはTogoTVより引用しました（© 2016 DBCLS TogoTV, CC-BY-4.0, &lt;a href=&quot;https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
発表論文
雑誌名：Biochemical Pharmacology&lt;br /&gt;
タイトル：Identification of a small-molecule inhibitor of nardilysin and its pharmacological effects on transcriptional regulation and inflammatory arthritis&lt;br /&gt;
著者：Yasutaka Amano, Kiyoto Nishi, Hazuki Sano, Shinya Kawano, Satoshi Endo, Mikiko Ohno, Akio Shimizu, Shinya Ikeda, Yusuke Morita, Jiro Sakamoto, Yoshinori Hiraoka, Akira Ikari, Taku Kawasaki, Shinji Imai, Eiichiro Nishi&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.bcp.2026.118456&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.bcp.2026.118456&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　ナルディライジン（NRDC）&lt;br /&gt;
アミノ酸配列を認識し、タンパク質（ペプチド）を特定の場所で切断するタンパク分解酵素（プロテアーゼ）の一つ。細胞の外ではほかのタンパク質の切り出しを助け、細胞の核の中では遺伝子の働き（転写）の調節に関わる。炎症、虚血性心疾患、がん、エネルギー代謝などとの関わりが報告されている。&lt;br /&gt;
※2　プロテアーゼ&lt;br /&gt;
タンパク質を切断する酵素の総称。体の中でタンパク質の働きを調節したり、不要なタンパク質を分解したりする。&lt;br /&gt;
※3　転写&lt;br /&gt;
DNAに書かれた遺伝情報をもとにRNA（リボ核酸）が作られる過程。どの遺伝子をどれだけ使うかは、転写の段階で細かく調節されている（遺伝子のスイッチ）。&lt;br /&gt;
※4　阻害剤（低分子化合物）&lt;br /&gt;
特定の酵素などに結合してその働きを抑える物質。分子量が小さい化合物は「低分子化合物」と呼ばれ、飲み薬など多くの医薬品がこれにあたる。&lt;br /&gt;
※5　ハイスループットスクリーニング&lt;br /&gt;
ロボットなどを用いて、数万〜数百万種類の化合物の効果を短期間に自動で調べ、目的の作用をもつ化合物を探し出す手法。新薬開発の最初の段階で広く用いられる。&lt;br /&gt;
※6　関節リウマチのモデルマウス（SKGマウス）&lt;br /&gt;
免疫に関わる遺伝子に変異をもち、ヒトの関節リウマチによく似た関節炎を起こすマウス。関節リウマチの仕組みの解明や治療薬の評価に用いられる。&lt;br /&gt;
※7　非競合阻害&lt;br /&gt;
阻害剤が、酵素が切断する相手（基質）と結合場所を奪い合うのではなく、酵素の別の場所（アロステリック部位）に結合して、酵素の働きの効率を下げるタイプの阻害様式。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報（当時）
国立大学法人滋賀医科大学　薬理学講座&lt;br /&gt;
　西 清人、佐野 芳珠季、大野 美紀子、池田 真也、西 英一郎&lt;br /&gt;
国立大学法人滋賀医科大学　整形外科学講座&lt;br /&gt;
　天野 泰孝、今井 晋二&lt;br /&gt;
国立大学法人滋賀医科大学　医師臨床教育センター&lt;br /&gt;
　川崎 拓&lt;br /&gt;
国立大学法人滋賀医科大学　生化学・分子生物学講座（分子病態生化学部門）&lt;br /&gt;
　清水 昭男&lt;br /&gt;
岐阜薬科大学　生化学研究室&lt;br /&gt;
　河野 真也、五十里 彰&lt;br /&gt;
国立大学法人東海国立大学機構　岐阜大学大学院　連合創薬医療情報研究科／COMIT&lt;br /&gt;
　遠藤 智史&lt;br /&gt;
国立大学法人京都大学大学院　医学研究科　循環器内科学&lt;br /&gt;
　森田 雄介、坂本 二郎&lt;br /&gt;
学校法人神戸学院大学　薬学部　臨床薬学部門&lt;br /&gt;
　平岡 義範&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610077501/_prw_PI2im_itf4cJ8q.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>「食べる順番」が食後血糖を左右する仕組みを解明　脂質を糖質より先に摂ると、食後の血糖上昇が緩やかに</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610077495</link>
        <pubDate>Fri, 09 Oct 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>「食べる順番」が食後血糖を左右する仕組みを解明 脂質を糖質より先に摂ると、食後の血糖上昇が緩やかに ― グルカゴン・GLP-1・迷走神経が連携する胃排出調節機構をマウスで解明 ― 概要 食事では、「何...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月9日&lt;br /&gt;


京都大学／関西電力医学研究所／岐阜大学／藤田医科大学／秋田大学／京都府立大学／岐阜薬科大学&lt;br /&gt;

「食べる順番」が食後血糖を左右する仕組みを解明&amp;nbsp;脂質を糖質より先に摂ると、食後の血糖上昇が緩やかに  ― グルカゴン・GLP-1・迷走神経が連携する胃排出調節機構をマウスで解明 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概要
食事では、「何を食べるか」だけでなく、「どのような順番で食べるか」も食後血糖に影響します。京都大学大学院医学研究科、関西電力医学研究所、岐阜大学、藤田医科大学、秋田大学、京都府立大学、岐阜薬科大学、名古屋大学、トロント大学、アデレード大学からなる共同研究グループは、オリーブ油などの脂質をブドウ糖より先に投与すると、マウスでは胃から腸への内容物の移動（胃排出*1）が遅くなり、糖負荷後早期の血糖上昇が抑えられることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この効果には、グルカゴン*2とGLP-1*3のシグナルが互いに補い合って働くことに加え、迷走神経*4が関与することが示されました。また、2型ダイアベティス（糖尿病）のモデルマウスと、インスリン分泌が著しく低下したモデルマウスでも同様の効果が認められました。本研究成果は、実践しやすく持続可能な食事療法として注目される「食べる順番」が、食後血糖に影響する仕組みを理解するうえで重要な知見となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果は、2026年10月8日午前10時（米国東部夏時間）に国際学術誌『Diabetes』にオンライン掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1：本研究で明らかになったオリーブ油前負荷の作用機序。左：オリーブ油をブドウ糖より先に投与すると、グルカゴンとGLP-1の分泌が早期に増加し、胃排出の遅延を介して糖負荷後早期の血糖上昇が抑制される。この効果は、ダイアベティス（糖尿病）のないマウスに加え、2型ダイアベティスのモデルマウスと、インスリン分泌が著しく低下したモデルマウスでも認められた。中央：グルカゴンとGLP-1を遺伝学的に欠損させた場合、または両者の受容体シグナルを薬理学的に同時遮断した場合、オリーブ油前負荷による胃排出遅延は検出されなくなり、血糖上昇抑制効果も減弱する。右：迷走神経を結紮すると、グルカゴンとGLP-1の分泌は維持または増強される一方、オリーブ油前負荷による胃排出遅延と血糖上昇抑制効果は減弱する。作成者：矢部大介&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
食後高血糖は、ダイアベティス（糖尿病）における重要な治療標的です。これまで、野菜、たんぱく質、脂質を炭水化物より先に摂取する「食べる順番」の工夫によって、胃から腸への食物の移動（胃排出）が緩やかになり、食後血糖の上昇が抑えられることが示されてきました。しかし、脂質を先に摂取したときに、どのような仕組みで胃排出が遅くなり、血糖上昇が抑制されるのかは、十分に明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究方法
絶食後のダイアベティスをもたないマウスを用い、以下の3条件で経口ブドウ糖負荷試験を行い、血糖値、インスリン、グルカゴン、GIP*5、GLP-1および胃排出を評価しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　● 水を投与し、15分後にブドウ糖を投与（コントロール）&lt;br /&gt;
　● オリーブ油（5 mL/kg）を投与し、15分後にブドウ糖を投与（前負荷）&lt;br /&gt;
　● ブドウ糖を投与し、15分後にオリーブ油を投与（後負荷）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、ストレプトゾシン*6投与によってインスリン分泌を著しく低下させたモデルマウス（STZマウス）、2型ダイアベティスのモデルマウス（NSYマウス）、グルカゴンやGLP-1などのプログルカゴン由来ペプチドを産生できない遺伝子改変マウス（Gcg欠損マウス）、GLP-1受容体を産生できない遺伝子改変マウス（Glp1r欠損マウス）を用いて検討しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、グルカゴン受容体中和抗体およびGLP-1受容体拮抗薬〔exendin（9–39）〕による薬理学的遮断や、両側横隔膜下迷走神経結紮（VNL：vagus nerve ligation）を組み合わせ、作用機序を解析しました。胃排出は、アセトアミノフェンが血中に現れる速さを指標として評価しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1．オリーブ油を先に投与すると胃排出が遅くなり、早期の血糖上昇が抑制される&lt;br /&gt;
オリーブ油前負荷では、コントロールおよび後負荷と比べ、ブドウ糖投与15分後と30分後の血糖値ならびに0～60分の血糖曲線下面積（AUC）が低下し、胃排出も遅くなりました。一方、0～120分の血糖AUCには差がなく、主として食後早期の急峻な血糖上昇を緩やかにする効果であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2．グルカゴン、GIP、GLP-1の分泌が早期に増加する&lt;br /&gt;
オリーブ油前負荷により、ブドウ糖負荷後早期のグルカゴン、GIP、GLP-1の分泌応答が増強しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3．グルカゴンとGLP-1は部分的に補い合って作用する&lt;br /&gt;
グルカゴンとGLP-1をともに産生できないGcg欠損マウスでは、オリーブ油前負荷による血糖上昇抑制効果と胃排出遅延が認められなくなりました。一方、GLP-1受容体欠損や、グルカゴン受容体またはGLP-1受容体のいずれか一方のみを遮断した場合には、効果はおおむね保たれました。これに対し、グルカゴン受容体とGLP-1受容体を同時に遮断すると、血糖上昇抑制効果は弱まり、胃排出遅延は検出されなくなりました。これらの結果は、グルカゴンとGLP-1の両経路が部分的に補い合って作用することを示唆します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4．迷走神経がホルモン応答と胃運動をつなぐ可能性&lt;br /&gt;
迷走神経結紮後もグルカゴンとGLP-1の分泌応答は保たれ、むしろ増強する場合もありましたが、オリーブ油前負荷による血糖上昇抑制効果は弱まり、胃排出遅延は検出されなくなりました。この結果から、迷走神経がホルモンのシグナルを胃運動の変化へつなぐ可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
5．ダイアベティス（糖尿病）のモデルマウスでも効果を確認&lt;br /&gt;
2型ダイアベティスのモデルであるNSYマウスと、ストレプトゾシン投与によってインスリン分泌を著しく低下させたSTZマウスでも、オリーブ油前負荷による早期の血糖上昇抑制と胃排出遅延が認められました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6．オリーブ油に加え、アマニ油とラードでも早期の血糖上昇が抑制される&lt;br /&gt;
オリーブ油と同様に、アマニ油とラードの前負荷によって、早期の血糖上昇抑制と胃排出遅延が認められました。ココナッツ油の前負荷でも胃排出が遅くなり、早期の血糖上昇が抑制される傾向がみられました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究の意義と今後の展開
本研究は、脂質を糖質より先に摂ることで、互いに補い合うグルカゴンとGLP-1のシグナル、および迷走神経を含む内分泌・神経ネットワークが働き、胃排出と食後血糖が調節される可能性を示しました。実践しやすく持続可能な食事療法として注目される「食べる順番」の作用機序に、新たな生理学的根拠を与える成果です。&lt;br /&gt;
ただし、本研究はマウスに脂質とブドウ糖を投与した実験であり、通常の食事を摂るヒトでも同じ仕組みや効果が認められるかについては、今後の検証が必要です。現在、脂質に加えて、たんぱく質の前投与がグルカゴンやGLP-1の分泌、胃排出、血糖上昇、摂餌量に及ぼす影響を検討しています。&lt;br /&gt;
さらに、脂質やたんぱく質の前投与がインクレチン分泌を増強する仕組みを解明し、より効果的な「食べる順番」の提案と、ダイアベティスや肥満症の発症・重症化予防に資する創薬基盤の構築を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
＊1 胃排出　摂取した食物や液体が胃から十二指腸へ送り出される過程。その速度は、食後血糖を左右する重要な因子です。&lt;br /&gt;
＊2 グルカゴン　主に膵島のα細胞から分泌され、肝臓での糖産生を高めるホルモン。薬理学的に投与した場合には、胃排出を遅らせる作用も知られています。&lt;br /&gt;
＊3 GLP-1食事に含まれる栄養素に応じて、主に消化管のL細胞から分泌されるホルモン。GIPとともにインクレチンと総称され、血糖値に応じたインスリン分泌を促すほか、胃排出を遅らせ、食欲を抑える作用などを持ちます。&lt;br /&gt;
＊4 迷走神経　脳と胸部・腹部の臓器をつなぐ主要な副交感神経。胃腸運動、栄養の感知、内分泌応答の調節に関与します。&lt;br /&gt;
＊5 GIP　食事に含まれる栄養素に応じて、主に消化管のK細胞から分泌されるホルモン。GLP-1とともにインクレチンと総称され、血糖値に応じたインスリン分泌を促します。GLP-1とは異なり、胃排出を遅らせる作用は示されていません。&lt;br /&gt;
＊6ストレプトゾシン　膵島のβ細胞に取り込まれ、β細胞を障害する薬剤。実験動物のインスリン分泌を著しく低下させ、ダイアベティスの病態を再現する目的で用いられます。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
共同研究グループ
京都大学、関西電力医学研究所・関西電力病院、岐阜大学、藤田医科大学、秋田大学、名古屋大学、岐阜薬科大学、京都府立大学、Lunenfeld-Tanenbaum Research Institute／Mount Sinai Hospital（カナダ）、Adelaide University（オーストラリア）の研究者による共同研究です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究プロジェクト
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業（KAKENHI）、日本糖尿病協会（JADEC）研究助成、鈴木謙三記念医科学応用研究財団研究助成、日本医療研究開発機構（AMED）「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」の支援のもと実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
タイトル：Olive Oil Before Oral Glucose Delays Gastric Emptying and Lowers Glycemia Through Partially Redundant Glucagon and GLP-1 Signaling in Mice（オリーブ油を経口ブドウ糖より先に投与すると、グルカゴンとGLP-1の部分的に重複するシグナルを介して胃排出が遅延し、血糖上昇が抑えられる）&lt;br /&gt;
著者：Yanyan Liu, Hiromi Tsuchida, Sodai Kubota, Saki Kubota-Okamoto, Takehiro Kato, Yukio Horikawa, Shin Tsunekawa, Hitoshi Kuwata, Yuka Fujiwara, Yuji Yamazaki, Yuichiro Yamada, Hiroki Fujita, Katsumi Iizuka, Naoya Murao, Shinji Ueno, Yusuke Seino, Atsushi Suzuki, Yoshitaka Hayashi, Tsuyoshi Nakanishi, Daniel J. Drucker, Takahiko Shiina, Yasutake Shimizu, Yusaku Iwasaki, Toshihiko Yada, Youhei Seno, Yuya Takahashi, Toshinori Imaizumi, Takaaki Murakami, Michael Horowitz, Yutaka Seino, Daisuke Yabe&lt;br /&gt;
掲載誌：Diabetes（Original Article: Metabolism）&lt;br /&gt;
DOI：10.2337/db26-0531　　公開日：2026年10月8日&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610077495/_prw_PI2im_htbQk8AT.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>「子どもをつくれないオス」がいるとき、メスはどうするのか？</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610017138</link>
        <pubDate>Mon, 05 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>「子どもをつくれないオス」がいるとき、メスはどうするのか？ ― 複数のオスと交尾する「保険」が進化する可能性を実験で示唆 ― ◆発表のポイント ・動物の集団には、さまざまな理由で繁殖能力をもたないオス...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年10月5日&lt;br /&gt;


岡山大学&lt;br /&gt;
東京大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
香川大学&lt;br /&gt;

「子どもをつくれないオス」がいるとき、メスはどうするのか？ ― 複数のオスと交尾する「保険」が進化する可能性を実験で示唆 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
◆発表のポイント
・動物の集団には、さまざまな理由で繁殖能力をもたないオスが存在します。メスが不妊のオスとだけ交尾した場合、子孫を残すことができません。このような繁殖上のリスクに対して、メスは不妊のオスを見分けて交尾を避けるのでしょうか。それとも、複数のオスと交尾することで、「すべての交尾相手が不妊だった」という最悪の事態を避けるのでしょうか。&lt;br /&gt;
・私たちはコクヌストモドキ 1) を用いて、この問いを15世代以上にわたる実験進化 2) によって検証しました。オスの半数が不妊という環境を人工的につくり、その環境でメスを進化させたのです。&lt;br /&gt;
・その結果、不妊オスが存在する環境で進化したメスでは、複数のオスと交尾する程度が対照群より一貫して高い傾向が見られました。&lt;br /&gt;
・統計的には明確な進化を確認するには至りませんでしたが、この結果は、メスが相手を見分けることができない場合、「一匹のオスにすべてを賭けない」という戦略によって繁殖失敗のリスクを分散する可能性を示しています。つまり昆虫のメスは、オス選びに「保険」をかけているのです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の宮竹貴久教授と岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の大学院生らは、東京大学大学院総合文化研究科の松村健太郎助教・岐阜大学応用生物科学部の日室千尋准教授・香川大学農学部応用生物科学科の安井行雄教授・沖縄県との共同研究で、複数のオスと交尾することで、繁殖に失敗するリスクを減らす「ベットヘッジ型の多回交尾」3）4）という仮説を、コクヌストモドキを用いた実験進化によって検証しました。研究では、繁殖能力を完全には失わせない程度の放射線を照射したオスと、放射線を照射していないオスを1対1の割合で同居させ、その環境でメスを15世代以上にわたって飼育しました。その結果、不妊となったオスとともに進化した系統のメスは、不妊のオスとの交尾を避けるようにはならず、不妊のオスと交尾した場合には繁殖成功が低下しました。一方で、対照群と比べて、これらのメスはより多くのオスと交尾する傾向を示しました。この研究成果は10月5日午前9時（日本時間）、SpringerのJournal of Ethologyにオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
◆研究者からのひとこと
本研究の着想を得たのは私が害虫を不妊化法で根絶させる事業に参画していた時で、1995年頃です。30余年の時を経て研究材料も変えて、やっと論文として公表することができて感慨もひとしおです。着想から約30年、長かったです。あきらめず、研究を続けることができて良かったです。（宮竹教授）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■発表内容
＜現状＞&lt;br /&gt;
　動物のオスは、必ずしも毎回交尾に成功するわけではありません。遺伝的な要因、病気やけがによる生殖器の損傷、精子の一時的な枯渇など、さまざまな理由によってオスは交尾に失敗します。先行研究では、30種の昆虫における1回の交尾が結果的に受精に繋がらなかった確率は0～63％、中央値は22％と報告されています。今回の実験では放射線照射により恒久的な不妊を誘導していますが、もし集団の20％のオスが不妊だった場合、1匹のオスとしか交尾しないメスが繁殖に完全に失敗する確率は0.2³ = 0.8%と25分の1に劇的に低下します。つまり、相手のオスが繁殖可能かどうか分からない場合、「何らかの手掛かりで不妊オスを識別し排除する」ことよりも、「相手かまわず複数のオスと交尾してリスクを分散する」ことがはるかに低コストで実現できる可能性があります。このような戦略は、進化生物学では「ベットヘッジ」と呼ばれます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜研究成果の内容＞&lt;br /&gt;
　まず私たちが調べたのは、メスが不妊オスを見分けて交尾を避けるようになったかどうかです。その結果、不妊オスが存在する環境で15世代以上進化したメスは、不妊オスを明確に避けるようにはなりませんでした。また、交尾後に不妊オスの精子を選択的に利用しない能力が進化したことを示す明確な証拠も得られませんでした。つまり、今回の実験では、メスは「不妊オスを見破る能力」を明確には進化させなかったのです。&lt;br /&gt;
　次に私たちは、メスが不妊オスを見分けられないのであれば、複数のオスと交尾することでリスクを分散する可能性を調べました。主要な統計解析では、不妊オスが存在する環境で進化したメスと対照群の間に、多回交尾の程度の統計的に有意な差は確認されませんでした。しかし、複数の解析を比較すると、不妊オスが存在する環境で進化したメスでは、対照群より多くのオスと交尾する傾向が一貫してみられました（図）。このため、今回の結果は、「多回交尾が進化した」と断定するには十分ではないものの、「相手を見分けられないなら、交尾する相手の数を増やす」という方向への進化的変化が起こり始めている可能性を示しています。&lt;br /&gt;
　動物の配偶行動を考えるとき、これまでは「メスはより質の高いオスを選ぶ」という考え方が注目されてきました。しかし現実には、オスの繁殖能力をメスが正確に見抜けるとは限りません。そのようなときに重要なのは、「誰を選ぶか」ではなく、「一匹のオスにすべてを賭けないこと」かもしれません。複数のオスと交尾すれば、その中に繁殖能力をもつオスが含まれる可能性が高くなり、「すべての交尾相手が不妊だった」という完全な繁殖失敗を避けやすくなります。今回の研究は、多回交尾が、単に「より多くの子孫を残すため」の行動ではなく、予測できない繁殖上のリスクに備える「保険」として進化する可能性を示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＜社会的な意義＞&lt;br /&gt;
　今回の研究結果は、農業害虫などの根絶に利用されている不妊虫放飼法を考えるうえでも重要な示唆を与えます。不妊虫放飼法とは、人工的に不妊にしたオスを野外に大量に放ち、野生のメスと交尾させることで、次世代の個体数を減らしていく防除方法です。少なくとも今回の実験の範囲内では、不妊のオスが一定の割合で存在する環境が15世代以上続いても、メスが不妊オスを明確に見分けて交尾を避ける能力が明確に進化することはありませんでした。この結果は、不妊虫放飼法のような環境に置かれても、メスが短期間のうちに不妊オスを「見破る」能力を進化させるとは限らないことを示しています。&lt;br /&gt;
　一方で、不妊オスが存在する環境で進化したメスでは、複数のオスと交尾する傾向が見られました。もし野外でも同様の進化的変化が起こるとすれば、不妊オスが多く放たれる環境では、より多くのオスと交尾するメスが増える可能性があります。&lt;br /&gt;
　本研究は、害虫を防除・根絶する際には、単に害虫の数を減らすだけでなく、人間が加えた防除の圧力に対して、害虫がどのように進化的に反応する可能性があるのかを考えることも重要であることを示しています。今後、不妊虫放飼法を始めとする害虫防除技術をより効果的に進めるためには、防除によって生じる「進化の力」が害虫の行動や繁殖戦略をどのように変化させるのかを理解していく必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■論文情報等
論文名：Experimental evolution of female mating responses to infertile males in Tribolium castaneum&lt;br /&gt;
邦題名「コクヌストモドキにおける不妊オスに対するメスの交尾反応の実験進化」&lt;br /&gt;
掲載誌：Journal of Ethology (Springer)&lt;br /&gt;
著者：Fujii Y, Asano Y, Kori K, Matsumura K, Yasui Y, Himuro C, Nakamoto Y, Sokei Y, Miyatake T&lt;br /&gt;
DOI：10.1007/s10164-026-00902-x&lt;br /&gt;
URL：&lt;a href=&quot;https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-026-00902-x&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-026-00902-x&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■研究資金
科学研究費21K19116（挑戦的研究（萌芽）「抵抗性メスの進化と乱婚メス出現の仕組みの解明と対策」2021-07-09 – 2024-03-31&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■補足・用語説明
1）コクヌストモドキ：小麦粉などの貯蔵食品に発生する昆虫。繁殖力が高く、世代交代が比較的早いことから、進化や行動、生殖に関する研究にも広く利用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2）実験進化：生物を特定の環境条件のもとで複数世代にわたって飼育し、その過程で起こる進化的な変化を直接調べる研究手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3）ベットヘッジ（bet-hedging）：将来の環境や状況が不確実な場合に、一つの選択肢だけに依存せず、リスクを分散することで、まれに起こる大きな失敗を避ける戦略。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4）多回交尾（polyandry）：メスが複数のオスと交尾すること。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202610017138/_prw_PI7im_rLA8emM5.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>ペロブスカイト太陽電池向け新材料</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609286799</link>
        <pubDate>Wed, 30 Sep 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>ペロブスカイト太陽電池向け新材料 ～同じ結晶相の酸化チタンが創る「エネルギーの階段」が高性能化に有効～ 本研究のポイント ・ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層（光で生じた電子を効率よく電極へ運ぶ膜）と...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月30日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

ペロブスカイト太陽電池向け新材料 ～同じ結晶相の酸化チタンが創る「エネルギーの階段」が高性能化に有効～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層（光で生じた電子を効率よく電極へ運ぶ膜）として、エネルギー準位の異なる2種類の酸化チタンを積層し、電子輸送に適した「エネルギーの階段」を形成しました。&lt;br /&gt;
・異なる材料や結晶相を組み合わせることなく、同じルチル相 注1）の酸化チタンを積層して「エネルギーの階段」を創る新たな材料設計です。&lt;br /&gt;
・技術の要は、50 ℃と60 ℃のわずかな合成温度の違いによって微細構造と電子物性の異なる酸化チタンを作り分ける低温化学合成と、それらの分散液をスピンコート法で塗布・熱処理して積層膜を形成する連続プロセスです。&lt;br /&gt;
・作り分けた分散液の塗布順を変え、高性能化につながる条件を見いだしました。単層構造や逆の積層構造と比べて発電効率が相対的に約10～14％向上しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（図1）　ペロブスカイト太陽電池用酸化チタン薄膜材料の設計概念&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　近年、再生可能エネルギー分野において、「ペロブスカイト太陽電池」が注目されています。新たな材料開発や界面設計が進む中、酸化スズや酸化チタン等の金属酸化物半導体は、ペロブスカイト層が光を吸収することで生じた電子の取り出しや輸送を担う代表的な材料として知られ、その高機能化は現在も重要な研究課題です。これまで、薄膜を形成するこれらの酸化物の微細構造や電子物性（エネルギー準位等）を制御する研究が数多く行われてきました。&lt;br /&gt;
　岐阜大学工学部の萬関一広准教授の研究グループでは、独自の化学合成をもとに、酸化チタンをエネルギー創出技術へ応用する研究に取り組んでいます。今回、低温化学合成（50～60 ℃）と熱処理を組み合わせ、形状と電子物性の異なる酸化チタン微粒子を作り分けました。特に重要な成果は、2種類のルチル型酸化チタンが示す比較的小さなエネルギー準位の差を利用し、これらを薄膜として積み重ねて「エネルギーの階段」を創る材料設計です。&lt;br /&gt;
　異なる半導体材料や結晶相のエネルギー準位の違いを利用する材料設計は、ペロブスカイト太陽電池を含む様々な研究分野で検討されてきました。今回、この積層構造をペロブスカイト太陽電池に導入したところ、積層する順序によって発電性能が変化し、適切な積層構造では他の構造と比較して高い発電性能を示しました。これは、異なる酸化物半導体（酸化スズ/酸化チタン等）や異なる結晶相（アナターゼ型/ルチル型酸化チタン等）の組み合わせを利用せず、同じ結晶相の酸化チタンを積み重ねてエネルギー配置を設計するペロブスカイト太陽電池用の独自技術です。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年9月22日に英国の国際学術誌『Journal of Materials Chemistry C』のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らによる先駆的研究を起点に発展してきた日本発の太陽光発電技術です。現在、その社会実装に向けた取り組みが加速する中、将来の普及拡大に貢献するさらなる機能材料やデバイスの研究開発が求められています。このような光エネルギー変換技術の多様化と高度化を目指し、研究グループでは、化学の力で新しい材料を創り出すことを基盤として、酸化物半導体の「ナノ構造エンジニアリング（微細構造と電子物性の制御）」に関する研究を進めています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果（図1参照）
●低温化学合成と熱処理の組み合わせにより、酸化チタン微粒子の特徴的な構造変換を発見し、同じ結晶相の酸化チタンでも異なるエネルギー準位を示すことを明らかに&lt;br /&gt;
　透過型電子顕微鏡（TEM）等を利用し、反応温度を変えて合成した酸化チタン微粒子を観察しました（合成には、研究グループがこれまで開発した「チタンオキソクラスター」注2）からナノ粒子を形成する独自の縮合反応を利用しました）。その結果、50 ℃で合成した束状の酸化チタン微粒子は、500 ℃の熱処理によってロッド状粒子へと構造変換する一方、60 ℃で合成した粒状の酸化チタンは、粒子同士が集まってつながった構造へと変化することが分かりました。いずれも同じルチル型結晶相をもちながら、合成時の形態の違いを起点として、熱処理後に異なる微細構造が形成されることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　紫外光電子分光法（UPS）、光吸収スペクトル測定、電気化学測定であるMott–Schottky測定等を組み合わせて電子物性を評価した結果、2種類のルチル型酸化チタンのエネルギー準位に違いがあることが示されました。これにより、異なる材料や異なる結晶相を組み合わせることなく、同じルチル型酸化チタンがもつエネルギー準位の違いを利用して、「エネルギーの階段」となる積層構造が設計可能であることを示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
●積層する順序によってペロブスカイト太陽電池の発電性能が変化&lt;br /&gt;
　2種類の酸化チタンを異なる順序でFTOガラス基板上に積層して電子輸送層とし、FAPbI₃（ホルムアミジニウム鉛ヨウ化物）を光吸収層として用いてペロブスカイト太陽電池を作製したところ、発電性能が明確に変化しました。特に、「エネルギーの階段」となるように2種類の酸化チタンを配置した構造では、19.20％の光電変換効率を示し、逆の順序で積層した構造（17.37％）や単層構造よりも高い発電性能が得られました。なお、本研究では酸化チタン電子輸送層の効果を明確に比較するため、ペロブスカイト光吸収層には文献に基づく標準的な作製条件を用い、その条件を統一して評価を行いました。また、別途緻密な酸化チタン層を設けることなく、作製した酸化チタン積層膜を電子輸送層として直接用いています。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、同じ結晶相の酸化チタンでも、微細構造と電子物性の異なる材料を適切な順序で積層することが、電子輸送および界面設計を通じた太陽電池の高性能化に有効であることを示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　今後、酸化チタンの微細構造や積層構造をさらに精密に制御し、光吸収材料に応じて電子の流れを最適化できる電子輸送層の開発を進めます。同じ結晶相の酸化チタンの組み合わせに着目して示した「エネルギーの階段」という材料設計を発展させることで、ペロブスカイト太陽電池のさらなる高性能化に加え、光吸収材料の選択肢を広げ、多彩な次世代太陽電池への展開につながることが期待されます。また、本研究で得られた材料設計の考え方は、酸化チタン以外の酸化物半導体材料への展開も期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
　本研究は、小川科学技術財団、国際クラブ、民間企業との共同研究促進事業、科学研究費助成事業の基盤研究(C)24K08492の支援を受けて実施したものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
注1） ルチル：酸化チタン（TiO₂）の代表的な結晶構造の一つ。他にアナターゼやブルッカイト等が知られている。&lt;br /&gt;
注2） チタンオキソクラスター：低温化学合成を利用して酸化チタンのTi–O–Ti結合を形成するための原料&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
関連する過去のプレスリリース
異なる酸化チタン結晶種を同一溶液中で連続成膜：世界初の成功（2025年8月5日）&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2025/08/entry05-14518.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2025/08/entry05-14518.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Journal of Materials Chemistry C&lt;br /&gt;
論文タイトル： Spatially Modulated Energy Alignment in Single-Phase Rutile TiO₂ Bilayer Electron Transport Layers for Perovskite Solar Cells&lt;br /&gt;
著者：Kazuhiro Manseki*, Shinapol Toranathumkul, So Yokoyama,&lt;br /&gt;
Daisuke Takemoto　&lt;br /&gt;
(*)Corresponding Author　&lt;br /&gt;
DOI: 10.1039/D6TC01828A&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202609286799/_prw_PI3im_Z88klwm0.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>糖鎖の枝分かれ酵素MGAT3の生物種間の違いを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609246569</link>
        <pubDate>Fri, 25 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>糖鎖の枝分かれ酵素MGAT3の生物種間の違いを解明 〜カエルや魚のMGAT3は低温で糖鎖を作る〜 本研究のポイント ・MGAT3は、N型糖鎖と呼ばれる糖鎖の枝分かれを作る酵素で、脳に豊富に存在します。...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月25日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

糖鎖の枝分かれ酵素MGAT3の生物種間の違いを解明 〜カエルや魚のMGAT3は低温で糖鎖を作る〜
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・MGAT3は、N型糖鎖と呼ばれる糖鎖の枝分かれを作る酵素で、脳に豊富に存在します。&lt;br /&gt;
・ヒトから魚類・両生類まで幅広い生物種のMGAT3を比較した結果、生物種によって大きく異なる2つの領域が存在することを発見しました。&lt;br /&gt;
・ヒトのMGAT3が37℃付近で高い活性を示す一方、カエルのMGAT3は37℃で活性を完全に失い、25℃で高い活性を示しました。&lt;br /&gt;
・同じ糖鎖を作る酵素で、全体の立体構造がよく似ていても、生物種によって働く温度が大きく異なることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所の木塚 康彦教授、鮑 婉雪研究員らの研究グループは、新潟大学、リール大学(フランス)、東北医科薬科大学、岐阜大学応用生物科学部との共同研究で、糖鎖の枝分かれを作るMGAT3と呼ばれる酵素の生物種間における働き方の違いを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　タンパク質には形の異なる様々な糖鎖が付きます。これら糖鎖は、細胞の中で多くの酵素の働きによって作られ、様々な生命現象や疾患との関わりが報告されています。本研究では、脳などで主に働く酵素MGAT3(別名GnT-III)に着目しました。MGAT3が作る糖鎖の機能や認知症などとの関わりはわかりつつありますが、MGAT3の働きの調節の仕組みや、生物種間での働きの違いなどはわかっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、哺乳類、魚類、両生類、爬虫類など様々な生物種のMGAT3の構造や活性を調べました。その結果、糖鎖を作る領域の立体構造は生物種間で極めて類似している一方、立体構造と配列が大きく異なる領域が2箇所存在することがわかりました。また、ヒトの酵素は37℃付近で高い活性を示すのに対し、カエルの酵素は37℃で完全に活性を失い、25℃で高い活性を示すなど、種によって働く温度が大きく異なることがわかりました。本研究は、生物種間における糖鎖合成酵素の働き方の違いを明らかにしたもので、種間で異なる糖鎖が作られる仕組みの解明に繋がることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年9月23日にJournal of Biological Chemistry誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
本研究の概要図&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　糖鎖 1）とは、グルコースなどの糖（動物では約10種類の糖が存在）が枝分かれしながら鎖状につながったもので、多くはタンパク質や脂質などに結合した状態で存在します。タンパク質に付いている糖鎖には様々な形のものがあり、タンパク質ごとに糖鎖の形が異なること、また同じタンパク質でも、臓器ごとに糖鎖の形が異なること、健康なときと病気のときとで糖鎖の形が変化することなどが知られています。糖鎖の形が変わることで、タンパク質の機能が変化したり、病気の発症や進行の程度が変化することから、糖鎖の変化や働きの仕組みを理解することは、生命や病気の原因を理解するために重要です。また生物種によっても糖鎖の形は異なり、異なる種の糖鎖が免疫により異物として認識されることもあるため、種間の糖鎖形成機構の違いの理解とその制御は、免疫機構の理解や治療応用においても重要です。&lt;br /&gt;
　タンパク質に付く糖鎖は、細胞の中で糖転移酵素 2）（糖鎖合成酵素）と呼ばれる酵素の働きによって作られます。ヒトの体内には、約180種類の糖転移酵素が存在し、それらの働きが厳密に制御されることで膨大な種類の糖鎖が作られます。&lt;br /&gt;
　MGAT3 (GnT-IIIとも呼ばれる) 3）は、脳や腎臓に豊富に存在する糖転移酵素で、タンパク質に付いたN型糖鎖 4）と呼ばれる糖鎖に作用して、バイセクト GlcNAc (bisecting GlcNAc) 5） と呼ばれる枝分かれ構造を作る酵素です（図1）。これまでの研究で、MGAT3を欠損したマウスでは、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ 6）の形成が抑えられ、アルツハイマー病態が軽減することが報告されています。一方で、 MGAT3の働きを調節する仕組みや、ヒト以外の生物種におけるMGAT3の構造や活性についてはよくわかっていませんでした。そこで本研究では、ヒトを含む様々な生物種のMGAT3の構造や活性を調べ ました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図1　MGAT3が作る糖鎖構造&lt;br /&gt;
MGAT3はタンパク質に付いたN型糖鎖に作用し、バイセクトGlcNAc (bisecting GlcNAc)という枝分かれ構造を作る。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　まず、ヒトを含む哺乳類、爬虫類、両生類、魚類のMGAT3について、その構造を比較しました。ヒトの MGAT3は、木塚教授らの先行研究で、特定の立体構造を取らない領域が２つ存在し（図2のLoopおよび Tail）、これらの領域は、ヒトのMGAT3の酵素活性に重要であることがわかっています。他の生物種のMGAT3の立体構造を見ると、バイセクトGlcNAcを作る触媒領域 7）（図2のグレーの部分）は、生物種間で極めて類似していた一方で、LoopとTailの長さや形は大きく異なることがわかりました。このことから、生物種間で保存されていないこれらの領域が、生物種特有の酵素の性質を生み出す可能性が示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図2　様々な生物種のMGAT3の立体構造&lt;br /&gt;
ヒト、ガーターヘビ、アフリカツメガエルのMGAT3の立体構造を示す。Loop、Tailは、特定の立体構造を取らない領域で、種間で構造が異なる。グレーは糖鎖を作る触媒領域。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　続いて、様々な生物種（ヒト、マウス、ヘビ、トカゲ、カエル、ゼブラフィッシュ）由来のMGAT3の活性を調べました。その結果、調べた全ての生物のMGAT3はバイセクトGlcNAcを作る能力を有していました。一方、ヒトやマウスのMGAT3が37℃ 付近で高い活性を示すのに対して、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエルのMGAT3は、37℃ではほとんど活性を失っており、 25℃や 30℃など、より低温でのみ高い活性を示すことがわかりました（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図3　様々な生物種のMGAT3の活性&lt;br /&gt;
ヒト、ゼブラフィッシュ、アフリカツメガエルのMGAT3の酵素活性を、様々な温度で測定した結果を示す。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、MGAT3は生物種によって働く温度が大きく異なることが明らかになりました。こうした違いは、各生物が生息する環境に適応した結果であると考えられます。一方で、この異なる温度依存性が生み出される詳細なメカニズムはまだ不明であり、今後の解明が期待されます。本成果は、生物種ごとに糖鎖が異なる様式で作られる仕組みの一つを示したものであり、今後、生物種特有の糖鎖形成メカニズムの解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
1）糖鎖：グルコース (ブドウ糖) などの糖が鎖状につながった物質。遊離の状態で存在するものもあれば、タンパク質や脂質に結合した状態のものもある。デンプン、グリコーゲンなどの多糖は数多くの糖がつながり、糖鎖だけで遊離の状態で存在する。一方タンパク質に結合したものは、数個から20個程度の糖がつながったものが多い。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2）糖転移酵素：糖鎖を合成する酵素のことで、ヒトでは180種類程度存在することが知られている。主に、細胞の中のゴルジ体と呼ばれる小器官に存在している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3）MGAT3：糖鎖を合成する酵素（糖転移酵素）の1つ。GnT-IIIとも呼ばれ、バイセクトGlcNAcを細胞内で合成する。体の組織の中では脳にもっとも多く含まれており、アルツハイマー病患者の脳で、MGAT3の量が増加していることが報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4）N型糖鎖：タンパク質に付く糖鎖の種類の1つで、タンパク質のアスパラギン残基（アミノ酸の1文字表記でN）に結合している。ヒトでは7,000種類以上のタンパク質がN型糖鎖を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
5）バイセクトGlcNAc：N型糖鎖の枝分かれした構造の一つ。中央部のマンノース(緑丸)に結合したN-アセチルグルコサミン（GlcNAc）（青四角）のこと。MGAT3の働きによって作られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6）アミロイドβ：アルツハイマー病発症の原因と考えられている凝集しやすいペプチドのこと。脳に蓄積する。APPと呼ばれる前駆体タンパク質が2段階の切断を受けることによって作られる。MGAT3が欠損すると、APPを切断する酵素の働きが低下して、アミロイドβの産生が抑えられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
7）触媒領域：触媒とは、化学反応の速度を高める物質のこと。酵素は生体内の様々な反応を触媒するタンパク質である。触媒領域とは、酵素が持つ複数の領域の中で、触媒反応を行う部分のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Journal of Biological Chemistry&lt;br /&gt;
論文タイトル：Species-specific disordered regions and temperature dependence of bisecting GlcNAc-synthetic enzyme MGAT3&lt;br /&gt;
著者：Wanxue Bao, Shunji Natsuka, Anne Harduin-Lepers, Masamichi Nagae, Takahiro Yamasaki, Atsushi Iwasawa, Kyoko Matsuzawa, Yasuhiko Kizuka*&lt;br /&gt;
(*責任著者)&lt;br /&gt;
DOI: 10.1016/j.jbc.2026.113604&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202609246569/_prw_PI5im_e7QP2qJ5.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>複合スフィンゴ脂質の代謝異常に直面した細胞は、どう生き延びるのか？</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609115732</link>
        <pubDate>Fri, 11 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>複合スフィンゴ脂質の代謝異常に直面した細胞は、どう生き延びるのか？ 本研究のポイント ・ 出芽酵母において複合スフィンゴ脂質の生合成を抑えると、ストレス応答経路であるHOG経路が活性化し、その下流で働...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月11日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

複合スフィンゴ脂質の代謝異常に直面した細胞は、どう生き延びるのか？
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 出芽酵母において複合スフィンゴ脂質の生合成を抑えると、ストレス応答経路であるHOG経路が活性化し、その下流で働くFmp48、Uip4、Mga1の3因子が、HOG経路による細胞保護の一部を担うことを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ これらの因子は、複合スフィンゴ脂質代謝の異常そのものを解消するのではなく、異常に伴って生じる二次的な細胞障害を抑えることで、細胞の生存に寄与することを示しました。&lt;br /&gt;
・ 複合スフィンゴ脂質の合成障害によって、ミトコンドリア由来の活性酸素種（ROS）が蓄積し、細胞死を引き起こすこと、さらにFmp48を過剰発現させると、ROSの蓄積と細胞死が抑えられることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学応用生物科学部応用生命化学科の谷 元洋教授らの研究グループは、出芽酵母を用いて、複合スフィンゴ脂質の生合成に障害が生じた際に活性化するHOG経路の下流で働く細胞保護因子を探索し、FMP48、UIP4、MGA1という3つの遺伝子を同定しました。重要な点は、これら3因子が、複合スフィンゴ脂質代謝の異常そのものを解消しなかったことです。すなわち、HOG経路は原因となる脂質代謝異常を直接修復するのではなく、異常によって引き起こされる二次的な細胞障害を抑えることで、細胞を保護すると考えられます。さらに、複合スフィンゴ脂質の合成障害によって生じる細胞死には、ミトコンドリア由来の活性酸素種（ROS）が大きく関与することが分かりました。HOG経路はこのROSの蓄積を抑える防御に働き、その下流因子であるFmp48が、ROSの蓄積と細胞死の抑制に関与することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本研究は、細胞が脂質代謝異常に直面した際に、「原因となる脂質代謝異常そのものを修復する」だけでなく、「脂質代謝異常から波及する細胞障害を抑える」という別の生存戦略を備えていることを示すものです。膜脂質の恒常性とミトコンドリア機能、ストレス応答経路の連携を理解するうえで、新たな基盤となることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年9月9日に国際学術誌「Molecular Biology of the Cell」オンライン版に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　複合スフィンゴ脂質（注1）は、真核細胞の膜を構成する主要な脂質であり、細胞の情報伝達や物質輸送、ストレス応答などにも関与しています。複合スフィンゴ脂質の生合成系や分解系に関わる遺伝子の異常は、遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチー1型や若年性筋萎縮性側索硬化症（ALS）などの神経疾患、さらにゴーシェ病やファブリー病などのライソゾーム病（注2）を引き起こすことが知られています。一部の疾患では酵素補充療法などが実用化されていますが、根本的な治療法が確立されていない疾患も多く残されています。これらの疾患の病態を理解し、新たな治療法の開発につなげるためには、複合スフィンゴ脂質代謝の異常が、どのように細胞機能障害や細胞死を引き起こすのか、その分子機構を明らかにすることが重要です。それと同時に、細胞が複合スフィンゴ脂質代謝の異常にどのように適応し、生存を維持するのかを理解する必要があります。しかし、複合スフィンゴ脂質代謝の異常に対する細胞の防御機構については、これまで十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　出芽酵母（注3）では、セラミドに親水性頭部であるイノシトールリン酸を付加し、複合スフィンゴ脂質であるイノシトールホスホリルセラミド（IPC）を合成する酵素Aur1が、生育に不可欠です。この酵素をコードするAUR1遺伝子の発現を低下させると、著しい増殖阻害が起こり、さらに細胞死が引き起こされます（図1）。本研究グループはこれまでに、高浸透圧ストレス応答経路（HOG経路）（注4）が活性化することで、AUR1遺伝子の発現低下による増殖阻害と細胞死が軽減されることを明らかにしていました。HOG経路の活性化によって多数の遺伝子の発現が誘導されますが、その中のどの遺伝子が実際に細胞保護を担うのかは分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　そこで、本研究では、トランスクリプトーム解析（注5）でAUR1遺伝子の発現低下に伴ってHOG経路依存的に発現が上昇する45遺伝子を抽出し、その中からFMP48、UIP4、MGA1という3つの遺伝子を細胞保護因子として同定しました（図2）。これら3遺伝子を同時に欠損させると、AUR1遺伝子の発現低下による増殖阻害と細胞死が増悪し、HOG経路を強制的に活性化させた際の細胞保護増強効果も弱まりました。一方、それぞれの遺伝子を過剰発現させると、増殖阻害と細胞死が軽減されました。ただし、これら3遺伝子を過剰発現させても、AUR1遺伝子の発現低下によって生じた複合スフィンゴ脂質代謝の異常そのものは改善されませんでした。したがって、これらの因子は脂質代謝異常の原因そのものを修復するのではなく、その下流で生じる細胞障害を抑えることで、細胞の生存に寄与すると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　次に、AUR1遺伝子の発現を低下させた細胞では、活性酸素種 (ROS)（注6）が著しく蓄積しました。ROSを除去する化合物を加えると細胞死が減少したことから、ROSの蓄積が細胞死に大きく関与することが分かりました。さらに、ミトコンドリア（注7）の電子伝達機能を遺伝学的に低下させると、ROSの蓄積と細胞死がともに大きく減少しました。これにより、スフィンゴ脂質の合成障害時に蓄積するROSの主な発生源がミトコンドリアであることが示されました。また、HOG経路の働きを失わせると、ROSの蓄積はさらに増加しました。一方、Fmp48またはMga1を過剰発現させるとROSの蓄積が低下し、特にFmp48の過剰発現は長時間にわたって細胞死を抑えました。加えて、ミトコンドリアの電子伝達機能を低下させた細胞では、Fmp48を過剰発現させても、細胞死はそれ以上減少しませんでした。このことから、Fmp48による細胞保護の主要部分は、ミトコンドリア依存的なROSの蓄積を抑える仕組みと機能的に重なることが示されました（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　複合スフィンゴ脂質の代謝異常に関する研究では、これまで、脂質の量や組成の変化がどのように細胞の機能障害や細胞死を引き起こすのかという、障害発生の仕組みに主な関心が向けられてきました。一方、細胞には、脂質代謝に異常が生じても、その影響を抑えて生存を維持するための防御機構が備わっています。本研究は、細胞が複合スフィンゴ脂質代謝の異常そのものを修復できない場合にも、その異常から波及する細胞障害を抑えることで生存を維持するという防御戦略を示しました。&lt;br /&gt;
　今後は、Fmp48がどのような分子機構を介してミトコンドリア依存的なROSの蓄積を抑えるのかを明らかにするとともに、HOG経路による細胞保護に関わる他の因子についても解析を進めます。また、同様の防御機構が動物細胞にも存在するのかを検証することで、複合スフィンゴ脂質代謝の異常に伴う疾患の病態理解や、脂質代謝異常から波及する細胞障害を抑える新たな方法の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1） 複合スフィンゴ脂質&lt;br /&gt;
真核生物の細胞膜を構成する主要な脂質の一つで、細胞膜の構造維持や情報伝達、ストレス応答などに重要な役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2） ライソゾーム病&lt;br /&gt;
細胞内で不要になった物質を分解するライソゾームの酵素などに遺伝的な異常が生じ、脂質や糖質などが細胞内に蓄積する疾患の総称。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3） 出芽酵母&lt;br /&gt;
パンや酒の発酵に使われる単細胞の真核生物で、細胞の基本的な仕組みを研究するモデル生物として広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4） HOG経路&lt;br /&gt;
塩濃度の上昇など、細胞外の環境変化を感知して活性化するストレス応答経路で、遺伝子発現の調節を通して、細胞が環境変化に適応するために働く。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5） トランスクリプトーム解析&lt;br /&gt;
細胞内でどの遺伝子がどの程度働いているのかを網羅的に調べる解析方法。異なる条件間で遺伝子の発現量を比較することにより、細胞内で起きている変化を明らかにできる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注6） 活性酸素種（ROS）&lt;br /&gt;
反応性の高い酸素を含む物質の総称で、過剰に蓄積するとタンパク質や脂質、DNAなどを傷つけ、細胞死を引き起こすことがある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注7） ミトコンドリア&lt;br /&gt;
真核細胞内に存在する細胞小器官の一つで、呼吸によって生命活動に必要なエネルギーをつくる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Molecular Biology of the Cell&lt;br /&gt;
論文名：HOG pathway-dependent protection against impaired complex sphingolipid biosynthesis involves Fmp48-mediated suppression of mitochondria-dependent ROS accumulation&lt;br /&gt;
著　者：Takatoshi Sudo¶, Risa Sakamoto¶, Kensei Yamanaka, Saki Sugihara, and Motohiro Tani*&lt;br&gt;¶: equal contribution　*: corresponding author　　&lt;br /&gt;
DOI：10.1091/mbc.E26-07-0335&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業（科研費）（21H02118、23K18009、24K01682）、公益財団法人大隅基礎科学創成財団、および公益財団法人水谷糖質科学振興財団の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202609115732/_prw_PI7im_8R55IDB5.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>アゲハ幼虫は寄生バチから逃げるために長距離を歩く</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609085495</link>
        <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>アゲハ幼虫は寄生バチから逃げるために長距離を歩く ― 蛹化前の『放浪』が寄生リスクを下げる可能性 ― 本研究のポイント ・ナミアゲハ（Papilio xuthus）の終齢幼虫は、蛹になる前に平均20 ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月9日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

アゲハ幼虫は寄生バチから逃げるために長距離を歩く  ― 蛹化前の『放浪』が寄生リスクを下げる可能性 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ナミアゲハ（Papilio xuthus）の終齢幼虫は、蛹になる前に平均20 m以上を移動することがわかりました。&lt;br /&gt;
・寄主植物の近くでは蛹に寄生するアオムシコバチ（Pteromalus puparum）の寄生が確認されましたが、寄主植物から5 mおよび17 m離れた場所では確認されませんでした。&lt;br /&gt;
・寄生バチにさまざまな匂いを提示したところ、幼虫の食痕、ガットパージ（蛹になる前に排出する消化管内容物）、幼虫そのものの匂いには明確な誘引を示さず、前蛹（蛹になる直前の幼虫）の匂いに誘引されることがわかりました。&lt;br /&gt;
・これらの結果から、ナミアゲハの幼虫が蛹化前に寄主植物から離れる「放浪行動」は、蛹を狙う寄生バチに発見されるリスクを低下させる行動として機能している可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学応用生物科学部の岡本朋子准教授と土田浩治招へい教員らの研究グループは、ナミアゲハ（以下アゲハ）と、その蛹に寄生するアオムシコバチを対象に、蛹化前の幼虫の移動が寄生回避に役立っている可能性を検証しました。&lt;br /&gt;
　その結果、アゲハ幼虫は蛹化前に平均20 m以上もの距離を移動することが確認されました。また、野外に前蛹を配置した実験では、寄主植物およびその直近に配置した個体ではアオムシコバチによる寄生が確認された一方、寄主植物から5 mおよび17 m離れた場所に配置した個体には、寄生は確認されませんでした。さらに、寄生バチがどのような匂いを手がかりに寄主を探しているのかを調べるため、Y字型嗅覚計を用いた行動実験を行いました。幼虫が放浪前に排出するガットパージ、ガットパージ抽出物、幼虫による食害を受けた葉、終齢幼虫、放浪中の幼虫、前蛹の匂いをそれぞれ提示したところ、アオムシコバチは前蛹の匂いにのみ有意な誘引を示しました。これらの結果は、アゲハ幼虫が蛹化前に寄主植物から離れることによって、寄主植物の周辺で寄主を探索するアオムシコバチから逃れ、寄生リスクを低下させている可能性を示しています。また、アオムシコバチはアゲハの寄主植物周辺に到達した後、前蛹自身が発する匂いを手がかりとして寄主を探索している可能性があります。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年8月26日に昆虫行動学の国際誌であるJournal of Insect Behavior誌のオンラン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　昆虫にとって、捕食者や寄生者に発見されないことは生存上きわめて重要です。特に蛹は、成虫や幼虫のように移動して敵から逃げることができないため、蛹になる場所の選択そのものが重要な防御手段になると考えられています。一方、植物を食べるチョウやガの幼虫は、成長期間中は餌を得るために寄主植物上にとどまる必要があります。しかし、摂食を終えた終齢幼虫はその制約から解放され、蛹になる前に寄主植物を離れて移動することができます。これまで、この「放浪行動」については捕食回避などとの関係が議論されてきましたが、寄生バチを回避するうえでどの程度役立っているのかはほとんど検証されていませんでした。そこで研究グループは、「寄主植物から離れた場所で蛹になることで、蛹寄生性の寄生バチに発見されるリスクが低下するのではないか」と考え、検証を行いました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　本研究では、まずアゲハの終齢幼虫が蛹化前にどの程度移動するのかを調べました。その結果、幼虫はガットパージを排出してから前蛹になるまでの間に平均20 m以上移動することが分かりました。なお、移動距離には雌雄差や体サイズによる明確な違いは認められませんでした。&lt;br /&gt;
　次に、野外に前蛹を配置し、寄主植物からの距離と寄生率の関係を調べました。寄主植物上およびその直近では、蛹寄生バチであるアオムシコバチ（図1）の寄生が確認された一方、寄主植物から5 mおよび17 m離れた地点では、アオムシコバチによる寄生は確認されませんでした（図2）。&lt;br /&gt;
　さらに、アオムシコバチが寄主を探す際に利用する匂いを調べるため、Y字型嗅覚計を用いて、ガットパージ、食害葉、幼虫、前蛹などの匂いを提示しました。その結果、アオムシコバチは前蛹の匂いにのみ有意な誘引を示しました。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、アゲハ幼虫の蛹化前の長距離移動は、寄主植物付近で寄主を探索するアオムシコバチから離れることで、寄生リスクを低下させる可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1. ナミアゲハの蛹に乗るアオムシコバチ&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. 寄主植物と蛹化場所間の距離ごとのアオムシコバチの寄生率&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究では、アゲハの幼虫が蛹化前に寄主植物から離れることで、蛹寄生バチによる寄生リスクを低下させる可能性が示されました。また、アオムシコバチは前蛹の匂いに誘引されたことから、前蛹期に特有の揮発性物質を手がかりとして寄主を探索している可能性があります。&lt;br /&gt;
　今後は、前蛹から放出される揮発性物質をGC–MSなどの化学分析によって特定し、それらの化合物に対する寄生バチの電気生理学的な反応や行動を調べることで、寄生バチが蛹化直前の寄主を発見する仕組みの解明を目指します。寄主植物からの移動距離や蛹化場所の選択が、自然環境下で実際にどの程度寄生リスクを低下させているのかを検証することで、チョウ類の蛹化前の放浪行動がもつ適応的意義をさらに明らかにできると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Journal of Insect Behavior&lt;br /&gt;
論文タイトル：Escape from parasitism: wandering behavior in lepidopteran larvae before pupation as a strategy to avoid parasitic wasps.&lt;br /&gt;
著者：近澤佑菜（岐阜大学修了生）、渡辺旭裕（岐阜大学修了生）、土田浩治（岐阜大学招へい教員）、岡本朋子（岐阜大学准教授）&lt;br /&gt;
DOI: 10.1007/s10905-026-09920-6&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者プロフィール
岡本朋子准教授と土田浩治招へい教員は、本学応用生物科学部生物圏環境学科に所属する教員で、それぞれ、生物間相互作用、昆虫の集団構造の解明を行っている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202609085495/_prw_PI6im_5MZXS13Q.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608274835</link>
        <pubDate>Mon, 31 Aug 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる ～体内受精魚では、精子の長さがより均一であることを解明～ 琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月31日&lt;br /&gt;


琉球大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪公立大学&lt;br /&gt;

魚類の精子の「ばらつき」は受精様式によって異なる&lt;br&gt;～体内受精魚では、精子の長さがより均一であることを解明～ 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 昌哉 准教授、岐阜大学教育学部の古屋 康則 教授、大阪公立大学大学院理学研究科の安房田 智司 教授らの研究チームによる研究成果が国際学術雑誌「Journal of Evolutionary Biology」誌に掲載されました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆成果：海産魚類11種を比較し、体内で受精する種では、体外で受精する種よりも雄間および同じ雄の精子間における精子長のばらつきが小さいことを明らかにしました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆新規性：精子の平均的な形や大きさだけでなく、種間の違いに加えて、同じ種における雄個体間、および同一雄がつくる精子間のばらつきに着目し、受精様式や精子競争との関係性を示した点に新規性があります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
◆社会的意義：精子形成に働く進化的な選択や精子自体の品質管理の仕組みを理解する手がかりとなり、魚類の繁殖戦略や生殖形質の多様化を解明する研究への発展が期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
研究の背景 
　精子は卵に到達して受精するという機能に特化した生殖細胞で、頭部、中片、鞭毛という共通の基本構造を持ちます（図1）。受精という生物共通の役割を担う一方、その長さや形、運動性は種によって大きく異なります。こうした多様性がどのような繁殖環境で進化したのかを明らかにすることは、繁殖戦略や性選択（注1）の理解に重要です。この多様性には、体外受精・体内受精といった受精様式や、複数の雄の精子が受精をめぐって競う精子競争（注2）が関係すると考えられています。しかし、哺乳類は体内受精、カエル類の多くは体外受精であるように、受精様式は分類群ごとに大きく偏っています。そのため、受精様式の異なる種を比較しようとすると、系統的に大きく離れた分類群同士の比較になりやすく、繁殖行動や生殖器官の構造など、受精様式以外の違いも結果に影響します。このため、受精様式そのものが精子に与える影響を十分に調べることはできていませんでした。&lt;br /&gt; 
　魚類には、近縁種の間でも体外受精と体内受精の両方がみられる分類群があります。研究チームはこの点に着目し、先行研究では、受精様式と精子競争レベルの異なる種を比較し、受精様式は精子全長ではなく頭部長と関連すること、精子競争が強い種ほど精子が長いことをこれまで明らかにしてきました（ Ito et al. 2021, Journal of Zoology, Ito et al. 2022, Ecology and Evolution ）。&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
図1　精子の模式図&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
研究の内容 
　本研究では、さらに精子の平均的な形質だけでなく、その「ばらつき」に着目しました。琉球大学熱帯⽣物圏研究センター瀬底研究施設の伊藤 岳 学振特別研究員(PD)と同施設の守田 昌哉 准教授、大阪公立大学大学院理学研究科の奥野 聖也 助教、筑波大学下田臨海実験センターの稲葉 一男 教授、柴 小菊 助教（現・お茶の水女子大学湾岸生物教育研究所准教授）、岐阜大学教育学部の古屋 康則 教授、ダイビングサービスF.WAVEの本間 光雄 氏、大阪公立大学大学院理学研究科の安房田 智司 教授らの研究チームは、受精様式と精子競争の程度が異なる海産魚11種を対象に（表1）、精子形質（精子全長、鞭毛長、頭部長、頭部幅、中片長、中片幅、精子の遊泳速度）を測定しました。そして、雄同士の違いである「雄間のばらつき」と、同じ雄がつくる精子同士の違いである「雄内のばらつき」を分けて解析しました。解析には、種間の系統関係、雄間差、測定数の違いを同時に扱えるベイズ階層モデル（注3）を用いました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
表1　研究に使用した魚種、その受精様式、および配偶様式から予測される精子競争レベル。&lt;br /&gt; 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 近縁種グループ 
 分類群 
 種名 
 受精様式 
 精子競争 レベル*1 
 
 
 1. スズキ系魚類の一群・Ovalentariaの仲間（最新の分類ではギンポ目)&lt;br /&gt;  
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 クマノミ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 低 
 
 
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 スズメダイ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 スズメダイ科&lt;br /&gt;  
 ナガサキスズメダイ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 ウミタナゴ科&lt;br /&gt;  
 ウミタナゴ&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 高 
 
 
 2. スズキ目・カサゴ亜目の仲間&lt;br /&gt; &amp;nbsp;&lt;br /&gt;  
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 キリンミノ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 低 
 
 
 オニオコゼ科&lt;br /&gt;  
 ハオコゼ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 高 
 
 
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 シロメバル&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 中 
 
 
 フサカサゴ科&lt;br /&gt;  
 カサゴ&lt;br /&gt;  
 体内受精 
 高 
 
 
 3. スズキ目・トゲウオ亜目の仲間&lt;br /&gt;  
 クダヤガラ科&lt;br /&gt;  
 Tubesnout&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 中 
 
 
 シワイカナゴ科&lt;br /&gt;  
 シワイカナゴ&lt;br /&gt;  
 体外受精 
 高 
 
 
 クダヤガラ科&lt;br /&gt;  
 クダヤガラ&lt;br /&gt;  
 体内配偶子会合*2 
 中 
 
 
 
*1　精子競争レベルは一夫一妻、乱婚などの配偶様式やスニーカー（こっそり繁殖に参加する雄）の有無、繁殖場所の雄の密度などから推定した。&lt;br /&gt; 
*2　クダヤガラでは、交尾によって精子が雌の体内へ送り込まれ、精子と卵が雌体内で接触するが最終的な受精は卵が海水中へ産み出された後に成立する。この特殊な受精様式は「体内配偶子会合」と呼ばれる。本研究では、精子が雌の体内環境を経験するという点に基づき、体内配偶子会合を示すクダヤガラを解析上、体内受精種と同じグループに含めた。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　その結果、体内受精種では体外受精種より、雄間・雄内のいずれにおいても精子全長のばらつきが小さく、より均一であることが分かりました（図2）。雄内のばらつきについては、精子全長のみならず中片長を除くすべての測定項目で体内受精種の方が小さいことが分かりました。体外受精種は全体としてはばらつきが大きいものの、精子競争が強いほど精子全長のばらつきが小さくなることが示されました（図2）。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
 図2　受精様式および精子競争レベルと精子全長のばらつきの関係。 &lt;br /&gt; 
系統関係および個体差を考慮したベイズ階層モデルによる推定値を示す。（a）雄間のばらつき。（b）雄内のばらつき。青色は体外受精種、赤色は体内受精種を表す。点は推定値、エラーバーは95％信用区間を示す。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　さらに、精子形質間でばらつきの大きさを比較したところ、雄間・雄内のいずれにおいても、精子全長と鞭毛長のばらつきが最も小さいことが分かりました（図3）。また、各精子形質のばらつきの大小には雄間と雄内で共通した傾向がみられ、雄間でばらつきの大きい形質は、雄内でもおおむねばらつきが大きいことが分かりました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
図3　精子形質によるばらつきの大きさの違い。&lt;br /&gt; 
（a）雄間のばらつき。（b）雄内のばらつき。（c）各精子形質における雄間のばらつきと雄内のばらつきの関係。点は推定値、エラーバーは95％信用区間を示す。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
　これらの結果から、体内受精種では、受精に適した一定の精子形態を保つ安定化選択（注4）が働き、とくに精子全長や鞭毛長が強い選択を受けている可能性が示唆されました。今回調べた体外受精種では、精子は卵に直接放出され、比較的短い距離と時間のうちに受精が起こります。体外受精においても、卵に到達して受精するうえで有利な精子形態があると考えられますが、精子競争が弱い場合、形態の違いが受精成功を左右する程度が相対的に小さく、より幅広い形態の精子が受精に寄与できる可能性があります。一方、体内受精では、精子は雌の生殖器官内を移動するため、その環境に適さない形態の精子は受精しにくく、長期的には進化の過程で規格外の精子は淘汰され、ばらつきが減少した可能性があります。&lt;br /&gt; 
　また、体外受精種において、精子競争が強いほど精子全長のばらつきが小さかったことは、精子競争によって均一な精子をつくる方向に選択が働くとする、これまでの研究とも整合します。また、雄内でのばらつきが小さいことは、精子形成の過程で形をそろえる仕組み、すなわち品質管理がより厳密である可能性を示しています。さらに、雄間と雄内で形質ごとのばらつきに共通した傾向がみられたことから、精子の各部位の長さを調節する発生過程や遺伝的な制御などが、両方のばらつきに関係している可能性が考えられますが、その具体的な仕組みは今後の検証課題です。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
社会的意義と今後の展望 
　これまで、精子形質のばらつきと精子競争の関係は、主に哺乳類や鳥類などの体内受精動物で研究されてきました。本研究は、体外受精種と体内受精種を含む近縁な海産魚類を対象に、精子形質のばらつきを雄間と雄内に分け、受精様式と精子競争の影響を同時に検証した点に新規性があります。今後、対象を他の魚類へ広げるとともに、遺伝子発現や精子形成過程も調べることで、受精様式の変化に伴う生物の適応進化の一般則や、その分子メカニズムの解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
用語解説 
（注1）性選択： 繁殖をめぐる競争を通じて、配偶相手を獲得したり、受精を成功させたりするうえで有利な形質が、世代を重ねるなかで進化すること。求愛行動や体の装飾だけでなく、精子の形や運動性も性選択の影響を受けることがあります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注2）精子競争：複数の雄の精子が、同じ卵の受精をめぐって競争する現象。精子競争が強い種では、より多くの精子を生産することや、速く泳ぐ精子をつくることなど、受精の成功率を高める形質が進化する場合があることが知られています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注3）ベイズ階層モデル：個体差や種差など、複数の階層からなるデータを同時に扱うことのできる統計手法。各精子を互いに独立したデータとして扱うのではなく、同じ雄や近縁種のデータが似やすいこと、種や雄によって測定数が異なることを考慮して、調べたい要因の影響を推定できます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
（注4）安定化選択：ある形質について、中間的な値を持つ個体が有利となり、極端な値を持つ個体が相対的に不利になる自然選択です。そのため、安定化選択が働くと、集団内における形質のばらつきが小さくなると考えられます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
論文情報 
(1)　Inter- and intra-male variation in sperm length is associated with fertilization mode in marine fishes&lt;br /&gt; 
(2)　Journal of Evolutionary Biology&lt;br /&gt; 
(3)　Takeshi Ito*, Masaya Morita, Seiya Okuno, Kazuo Inaba, Kogiku Shiba, Yasunori Koya, Mitsuo Homma, Satoshi Awata&lt;br /&gt; 
(4)　DOI番号：10.1093/jeb/voag076&lt;br /&gt; 
(5)　アブストラクトURL：&lt;br /&gt; 
&lt;a href=&quot;https://academic.oup.com/jeb/advance-article-abstract/doi/10.1093/jeb/voag076/8770998&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://academic.oup.com/jeb/advance-article-abstract/doi/10.1093/jeb/voag076/8770998&lt;/a&gt;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608274835/_prw_PI9im_8QH8iB38.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264766</link>
        <pubDate>Mon, 31 Aug 2026 09:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明 －TG2によるビメンチン架橋が肝臓マクロファージの炎症を制御－ 本研究のポイント ・ 敗血症に伴う肝障害(SALD)（注１）は死亡率が約60%に達...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月31日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
理化学研究所&lt;br /&gt;
東京慈恵会医科大学&lt;br /&gt;
名古屋大学&lt;br /&gt;

敗血症性肝障害を「タンパク質品質管理」の視点から解明 －TG2によるビメンチン架橋が肝臓マクロファージの炎症を制御－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 敗血症に伴う肝障害(SALD)（注１）は死亡率が約60%に達する重篤な病態ですが、有効な分子標的治療法は確立されていません。&lt;br /&gt;
・ 細菌を感知すると、肝臓の免疫細胞であるマクロファージにおいて、酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」（注２）が活性化し、細胞骨格タンパク質「ビメンチン」（注３）を架橋することを発見しました。&lt;br /&gt;
・ 細胞骨格の構造変化がタンパク質品質管理（プロテオスタシス）（注４）を破綻させ、炎症シグナル分子TRAF6（注５）の分解を抑制することで炎症を持続させる新たな分子機構を解明しました。&lt;br /&gt;
・ Rab27a（注５）陽性小胞を介した新たなタンパク質分解機構を発見しました。&lt;br /&gt;
・ TG2阻害により敗血症モデルマウスの炎症と死亡率が改善し、新たな治療戦略となる可能性を示しました。&lt;br /&gt;
 &lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院医学系研究科の秦咸陽特任講師らの研究グループは、理化学研究所環境資源科学研究センター生命分子解析ユニットの堂前直ユニットリーダー、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の古谷裕准教授、名古屋大学大学院創薬科学研究科の辰川英樹助教などとの共同研究により、敗血症に伴う肝障害（sepsis-associated liver dysfunction、SALD）が悪化する新たな分子メカニズムを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　敗血症は感染に対する免疫反応が過剰となり、全身に炎症が発生し、臓器に深刻な障害を引き起こす病気です。特に肝臓は敗血症の影響を受けやすく、肝障害を発症すると死亡率が約60％に達します。しかし、その発症メカニズムには未解明な部分が多く、有効な治療法は確立されていません。&lt;br /&gt;
　研究グループは、細菌毒素であるリポ多糖（LPS）を感知して活性化した肝臓のマクロファージにおいて、タンパク質架橋酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」が細胞骨格タンパク質「ビメンチン」を架橋し、線維状ネットワークを核周囲の「かご状構造」へと再編成することを発見しました。この構造変化により、タンパク質凝集体へのプロテアソーム（注６）の動員が妨げられ、炎症シグナル分子TRAF6の分解が抑制されることで炎症が持続することが明らかになりました。一方、TG2あるいはビメンチンを阻害すると、Rab27a陽性小胞を介した新たなタンパク質分解経路が活性化し、TRAF6の分解が促進されることで炎症が抑制されました。さらに、TG2阻害により敗血症モデルマウスの生存率が改善することも確認しました。&lt;br /&gt;
　本研究は、敗血症性肝障害を単なる「サイトカインの暴走」としてではなく、タンパク質の品質管理（プロテオスタシス）が破綻する疾患として捉え直すものであり、新たな治療薬開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月29日にScience Advances誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図：TG2－ビメンチン軸によるマクロファージの炎症制御モデル&lt;br /&gt;
TG2によるビメンチン架橋がプロテオスタシスを障害し、TRAF6の分解抑制を介して炎症を持続させる。 一方、TG2またはビメンチンの阻害はRab27a陽性小胞を介したタンパク質分解を促進し、炎症を抑制する。 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　敗血症は感染症に対する生体の過剰な免疫応答により全身に炎症が広がり、多臓器不全に至る重篤な病態です。世界で年間約1,100万人が死亡と推定されており、全死亡の約20%に関与すると報告されています。中でも肝臓は代謝と免疫の両面で重要な役割を担うため、敗血症の影響を強く受けやすく、敗血症に伴う肝障害（SALD）は死亡率が約60％に達します。しかし、既存の肝疾患治療の延長では十分な効果が得られておらず、病態に即した治療法の開発が急務となっています。&lt;br /&gt;
　肝臓の炎症では、マクロファージが細菌成分（リポ多糖など）を感知して活性化し、TNF・IL-6・IL-1βなどの炎症性サイトカインを大量に産生することが、組織障害や死亡率と密接に関わることが知られています。しかし、個々のサイトカインを標的とした治療は臨床試験で十分な効果を示せておらず、炎症を引き起こす上流の共通メカニズムの解明が求められてきました。&lt;br /&gt;
　研究グループは以前より、タンパク質を架橋する酵素「トランスグルタミナーゼ2（TG2）」に着目し、肝疾患モデルにおいてTG2が転写因子を架橋して肝細胞死を誘導することなどを報告してきました。さらに、敗血症モデルマウスの肝臓マクロファージでTG2の酵素活性が特異的に上昇することも見出していました。一方で、TG2がどのようにして炎症を増幅させるのか、その分子標的は長らく不明でした。近年、細胞内でタンパク質の合成・分解のバランス（プロテオスタシス）が崩れることが炎症性疾患に関与すると注目されていますが、敗血症時にマクロファージがこの破綻にどのように対処しているのかについては、ほとんど分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
　研究グループは、LPSを投与した敗血症モデルマウスの肝臓・肺・腎臓を比較したところ、TG2の酵素活性が肝臓のマクロファージで特異的に強く誘導されることを見出しました。TG2阻害薬シスタミンを投与すると、肝臓の炎症性遺伝子の発現が抑えられ、敗血症モデルマウスの生存率も有意に改善しました。また、ヒトの敗血症性肝障害患者の肝組織でもTG2タンパク質量の増加が確認され、TG2が病態に関与することが裏付けられました。&lt;br /&gt;
　次に、TG2が架橋する標的タンパク質を網羅的に探索した結果、細胞骨格を構成するタンパク質「ビメンチン」がTG2の架橋標的であることを突き止めました。LPSで活性化したマクロファージでは、TG2がビメンチンを架橋して高次構造体（オリゴマー）を形成させ、細い線維状であったビメンチンネットワークを核の周囲を取り囲む「かご状」の構造へと変化させることが、顕微鏡観察により明らかになりました。ビメンチンを欠損させたマクロファージでは、LPSに対する炎症性サイトカインの産生が抑制され、TG2を欠損させた場合と同様の抗炎症効果が確認されました。&lt;br /&gt;
　さらに詳しく調べたところ、ビメンチンが形成する「かご状」構造は、タンパク質の凝集体を包み込み、プロテアソームの凝集体への動員（リクルート）を妨げていることが分かりました。一方、TG2またはビメンチンを欠損させたマクロファージでは、この抑制が解除され、プロテアソームがタンパク質凝集体へ効率的に動員され、炎症を引き起こす分子「TRAF6」の分解が促進されることが明らかになりました。プロテオミクス解析からは、この過程に「Rab27a」という小胞輸送を担うタンパク質が関与する、これまで知られていなかった凝集体の分解経路（Rab27a陽性小胞を介した経路）が存在することも新たに見出しました。&lt;br /&gt;
　最後に、TG2阻害薬シスタミンとオートファジー（注６）阻害薬クロロキンを併用したところ、それぞれ単独で用いるよりも高い効果が得られ、敗血症モデルマウスの致死を4日間にわたって完全に防ぐことに成功しました。以上の結果から、「TG2－ビメンチン軸」が肝臓マクロファージの細胞骨格リモデリングとタンパク質の品質管理（プロテオスタシス）を介して炎症を制御する、新たな分子機構であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、敗血症性肝障害の悪化に「TG2－ビメンチン軸」が関与する新たな分子機構が明らかになりました。今回の成果は、マウスモデルおよびマウス由来のマクロファージ細胞株を用いた検討に基づくものであり、多菌性感染やウイルス感染など、より複雑な病態を反映したヒトの敗血症を完全に再現するものではありません。今後は、ヒトの肝臓マクロファージや臨床的に妥当性の高い敗血症モデルを用いた検証を進め、TG2を敗血症性肝障害のバイオマーカーおよび治療標的として確立することを目指します。また、TG2阻害薬シスタミンはこれまでにも皮膚炎症や糖尿病網膜症、嚢胞性線維症など様々な疾患での抗炎症作用が報告されており、オートファジー阻害薬との併用による相乗効果も踏まえ、TG2－ビメンチン－プロテオスタシス経路を標的とした敗血症性肝障害の新規治療戦略の開発が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　敗血症では「炎症を抑える」ことが長年の治療戦略でした。しかし本研究から、炎症そのものではなく、細胞内のタンパク質品質管理の破綻が炎症を持続させる重要な要因であることが明らかになりました。今後は、この「プロテオスタシスの破綻」という概念を、敗血症後の長期予後、さらには慢性炎症を背景とする老化や発がんの理解と制御へと展開し、新たな診断法や治療法の開発につなげたいと考えています。（秦咸陽）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注１）敗血症・敗血症性肝障害（SALD）&lt;br /&gt;
感染症に対する生体の免疫応答が制御を失い、全身に過剰な炎症と臓器障害を引き起こす病態が敗血症。中でも肝臓に生じる障害を敗血症性肝障害（SALD）と呼び、死亡率が特に高いことが知られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注２）トランスグルタミナーゼ2（TG2）&lt;br /&gt;
タンパク質中のグルタミン残基とリジン残基の間に共有結合を形成し、タンパク質同士を架橋する酵素。神経変性疾患やがんなど様々な疾患への関与が報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注３）ビメンチン&lt;br /&gt;
細胞の形を支える中間径フィラメントを構成するタンパク質の一つ。細胞骨格としての機能に加え、近年は免疫細胞の機能制御にも関わることが分かってきている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注４）プロテオスタシス（タンパク質品質管理）&lt;br /&gt;
細胞内でタンパク質が合成・折りたたみ・輸送・分解される一連の過程が適切に保たれている状態。この均衡が崩れると異常なタンパク質の蓄積（凝集）が生じ、細胞機能に影響する。近年では、タンパク質凝集体は単なる老廃物ではなく、細胞が受けたストレスや細胞状態の変化を反映・記録する「情報体」として機能する可能性が注目されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注５）TRAF6・Rab27a&lt;br /&gt;
TRAF6は炎症シグナル（NF-κB経路）を伝える中心的な分子。Rab27aは細胞内の小胞輸送を制御するタンパク質で、本研究ではTRAF6を含む凝集体をプロテアソームへ受け渡す経路に関与することが示された。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注６）ユビキチン－プロテアソーム系・オートファジー&lt;br /&gt;
細胞内の不要・異常なタンパク質を分解する二つの主要な仕組み。プロテアソームは主に個々のタンパク質を分解し、オートファジーはより大きな凝集体や損傷した細胞小器官を分解する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究支援
本研究は、以下の研究助成などを受けて実施されました。&lt;br /&gt;
日本学術振興会　科学研究費助成事業（科研費：JP20K07349、JP24K10088）、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED：JP23fk0210100h0003、 P24jm0210092s0104）、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST：JPMJNX25E3）、公益財団法人 武田科学振興財団&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Science Advances&lt;br /&gt;
論文タイトル：Transglutaminase 2 regulates vimentin-dependent proteostasis during macrophage activation&lt;br /&gt;
著者：Yali Xu, Ting Su, Mishra Hricha, Naoshi Dohmae, Takehiro Suzuki, Yuriko Sakamaki, Haruyo Aoyagi, Hideki Aizaki, Hajime Nishimura, Erina Furuhata, Yuqing Gong, Qi Cheng, Beiyuan Zhang, Chenzhe He, Kaori Yanaka, Yutaka Furutani, Hideki Tatsukawa, Harukazu Suzuki, Wenkui Yu, Xian-Yang Qin&lt;br /&gt;
DOI: 10.1126/sciadv.aea7513&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264766/_prw_PI7im_Rbc43qL6.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264738</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見 ～糖脂質が微小膜領域を形成し、がんに関わるEGF受容体の活性を抑制～ 本研究のポイント ・ 本研究では、これまで確認されてこなかった、同じ細胞膜上の糖鎖...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
国立がん研究センター&lt;br /&gt;
沖縄科学技術大学院大学&lt;br /&gt;

糖鎖間相互作用が細胞膜を組織化する新原理を発見 ～糖脂質が微小膜領域を形成し、がんに関わるEGF受容体の活性を抑制～
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ 本研究では、これまで確認されてこなかった、同じ細胞膜上の糖鎖同士が弱く一時的に結合する現象「cis糖鎖間相互作用」を、生きた細胞膜上で直接捉えることに成功しました。&lt;br /&gt;
・ 糖脂質の一種であるガングリオシド(注1)は、この相互作用によって同種２分子からなる短寿命の二量体を形成し、コレステロールによって安定化された微小な膜領域をつくることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・ ガングリオシドGM3の二量体は、がんに関わるEGF受容体(EGFR)(注2)の糖鎖と相互作用し、EGFRの二量体化と活性化を抑制することが分かりました。&lt;br /&gt;
・ 本研究は、これまで主にタンパク質と脂質の相互作用によって説明されてきた細胞膜の組織化(注3)に、「糖鎖間相互作用」という新たな基本原理を加えるものです。さらに、一回ごとの結合は短寿命であっても、形成と解離を繰り返すことで、細胞膜の構造と受容体シグナルを持続的に制御できることを示しました。本成果は、糖鎖生物学に留まらず、膜生物学、受容体シグナル研究、がん研究、創薬研究への波及が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所/国立がん研究センター研究所先端バイオイメージング研究分野の鈴木健一教授/分野長、岐阜大学糖鎖生命コア研究所の安藤弘宗教授、河村奈緒子准教授、沖縄科学技術大学院大学の楠見明弘教授らの研究グループは、京都大学、名古屋大学、神戸大学、中部大学との共同研究により、同じ細胞膜上の糖鎖同士が直接相互作用し、細胞膜を組織化する新たな原理を発見しました。さらに、この糖鎖間相互作用が、がんに関わるEGF受容体(EGFR)の二量体化と活性化を抑えることを明らかにしました。EGFRは細胞の増殖や生存を制御する受容体であり、その過剰な活性化は多くのがんの発生や進展に関係します。&lt;br /&gt;
　細胞の表面は、多種多様な糖鎖で覆われていますが、同じ細胞膜上で糖鎖同士が直接相互作用し、膜の構造や情報伝達を制御するかどうかについては、長年、直接的な証拠が得られず、未解明のままでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、39種類の蛍光標識ガングリオシドを全化学合成(注4)し、1分子イメージングを用いることで、糖鎖同士が弱く一時的に結合する「糖鎖間相互作用」を生きた細胞膜上で直接捉えることに成功しました。さらに、この相互作用によって微小な膜領域が形成され、GM3の糖鎖とEGFRの糖鎖との相互作用が、EGFRの二量体化と活性化を抑えることを明らかにしました。一回の相互作用は約0.1秒と短寿命ですが、GM3ホモダイマーは形成と解離を繰り返しながらEGFRに何度も結合することで、受容体の不要な活性化を持続的に抑えていました。&lt;br /&gt;
　本成果は、細胞膜の構造と情報伝達が、タンパク質や脂質だけでなく、糖鎖同士の弱く一時的な相互作用によっても組織化されることを示すものです。膜生物学と受容体シグナル研究の基本概念を広げるとともに、がんに関わるEGFRの新たな活性制御機構を明らかにしたことで、糖鎖を標的とする創薬研究への展開が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月27日にNature Communications誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　細胞膜の微小領域形成や受容体シグナルの制御は、これまで主に脂質とタンパク質の相互作用を中心に研究されてきました。一方、糖鎖については、これまで細胞同士や細胞と病原体との間で働く相互作用を中心に研究されてきました。同じ細胞膜上で糖鎖同士が横方向に相互作用する「cis糖鎖間相互作用」は以前から提唱されていましたが、相互作用が弱く短寿命であるため、生きた細胞膜上で直接観測することは困難であり、その実態は未解明なままでした。&lt;br&gt;　また、糖脂質の一種であるガングリオシドは、細胞膜上で「脂質ラフト(注5)」と呼ばれる微小な領域を形成し、受容体の働きや細胞内への情報伝達を調節すると考えられてきました。ガングリオシドの一種であるGM3は、細胞の増殖やがん化に関わるEGF受容体(EGFR)の活性化を抑制することが知られていました。しかし、GM3が細胞膜上でどのような集合体を形成し、どのような仕組みでEGFRの活性を制御するのかは明らかになっていませんでした。そのため、cis糖鎖間相互作用が膜領域を形成し、受容体の活性を制御する可能性は、十分に検証されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1．短寿命のcis糖鎖間相互作用を生細胞膜上で直接観察&lt;br /&gt;
　本研究では、細胞膜上の糖鎖同士の相互作用を直接観察するため、主要な系列を網羅する39種類の蛍光標識ガングリオシドを全化学合成し、生きた細胞膜および組成を制御した人工脂質膜上で、分子を1分子蛍光観察(注6)によって追跡しました。その結果、調べたすべてのガングリオシドが、膜上を拡散しながら同じ種類の分子同士で一時的に結合し、短寿命のホモダイマーを形成することを見いだしました(図1a-c)。例えばGM3の結合寿命は約0.2秒でした。1分子FRET法(注7)によって分子同士が数nm以内に接近していることも確認され、単なる偶然の重なりではなく、直接的な分子間相互作用であることが示されました。また、異なる種類のガングリオシド間の結合は、多くの場合、同種分子間の結合より弱く、糖鎖の立体構造を識別する選択的な相互作用であることが分かりました。&lt;br /&gt;
　本研究で用いた精密な糖鎖化学合成と高速1分子イメージングの組み合わせは、従来は観察困難であった、弱く短寿命の糖鎖間相互作用を解析する新たな方法となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1. a. GM3プローブの1分子蛍光の輝点同士が短期間共局在する様子。番号はフレームを表す。30 フレーム/秒で観察。 b. aの軌跡。 c. ガングリオシドが短寿命のホモダイマーを形成する模式図。糖鎖同士は「一瞬だけペア」をつくり、それを繰り返していた：生きた細胞膜で世界で初めて直接観察した糖鎖間相互作用。すべての主要系列のガングリオシドは、糖鎖同士の直接相互作用によって約0.1～0.2秒だけホモダイマー(ペア)を形成し、それを絶えず繰り返していた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2．糖鎖間相互作用を起点とする微小膜領域の形成&lt;br /&gt;
　糖鎖の一部を除いた分子や立体構造を変えた分子を比較したところ、GM3のシアル酸とガラクトースを含む部分が基本的な結合力を生み、糖鎖全体の三次元構造が結合の選択性を決めることが示されました。特に、シアル酸のアセトアミド基(図2a)やカルシウムイオンが、GM3の糖鎖間相互作用を安定化することが示され、水酸基間の相互作用に関与する可能性が示されました。さらに、コレステロールを減少させるとホモダイマーの寿命が短くなり、コレステロールを戻すと回復しました。ホモダイマーの周囲には、スフィンゴミエリンやGPIアンカー型タンパク質などのラフト親和性分子が一時的に集まり、ホモダイマー同士がさらに会合して三量体や四量体も形成しました。これらの結果から、研究グループは、糖鎖間相互作用を起点として生じ、コレステロールによって安定化される微小な膜領域を「ガングリオシドホモダイマーラフト」と名付けました(図2b)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2 a. GM3の各部位を改変した蛍光プローブの模式図。 b. 糖鎖間相互作用が細胞膜ナノ構造を組み立てる：糖鎖間相互作用によって形成されたガングリオシドホモダイマーは、コレステロールによって安定化され、「ガングリオシドホモダイマーラフト」を形成する。この小さなナノラフトが、細胞膜の動的なナノ構造を組み立てる基本ユニットとして働く。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3．GM3ホモダイマーがEGFRの自発的な二量体化を抑制 &lt;br /&gt;
　次に、この膜領域が受容体の働きを制御するかを、EGF受容体(EGFR)を用いて調べました。GM3ホモダイマーはGM3モノマーよりもEGFRに結合しやすく、その結合確率は約5倍でした。これは、2本のGM3糖鎖がEGFR上の2本の糖鎖を同時に捉えるためと考えられます。GM3を欠く細胞、GM3を再導入した細胞、コレステロールを除去・再添加した細胞を比較し、EGFRの二量体形成と解離を1分子レベルで解析したところ、GM3ホモダイマーラフトはEGFR二量体の形成速度を低下させるとともに、形成された二量体の解離を促進し、EGFが存在しない状態での自発的なEGFR活性化を抑えることが明らかになりました(図3)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3. EGF刺激前(a)と刺激後(b)のGM3ホモダイマーによるEGFR二量体化と活性化抑制の模式図。GM3ホモダイマーの2本の糖鎖がEGFRのN504/N579糖鎖を捉え、EGFRの二量体化を抑える。一方、GM1やGM2ではこのような制御は認められなかった。EGF刺激前は形成を抑え解離を促進、刺激後は形成速度のみを抑える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4．反復する短寿命相互作用がEGFR活性化の立ち上がりを調節&lt;br /&gt;
　さらに、EGFRの糖鎖を酵素処理で除去する実験、EGFR糖鎖と類似した糖鎖を競合させる実験、糖鎖結合部位を置換する実験を組み合わせ、GM3がEGFRのN504およびN579に結合した複合型N型糖鎖(注8)と相互作用することを突き止めました(図3)。個々の結合は約0.1秒と短寿命ですが、GM3ホモダイマーが細胞膜上に多数存在し、高速で拡散するため、EGFRとの相互作用が頻繁に繰り返されます(図4)。EGF刺激後も、GM3ホモダイマーラフトはEGFRモノマーとの相互作用を保ち、二量体化を遅らせて、下流シグナル分子Grb2の結合を抑制しました。一方、EGF結合によって安定なEGFR二量体が完成すると、受容体の構造変化によってGM3が糖鎖へ届きにくくなり、安定なEGF結合型EGFR二量体を不安定化する作用は、ほとんど見られなくなりました(図3)。&lt;br /&gt;
　これらの結果から、糖鎖は細胞表面を覆うだけでなく、膜上で同種糖鎖同士の微小な集合体をつくり、受容体の状態に応じて二量体化と活性化を調節することが明らかになりました。また、一回ごとの分子間相互作用は極めて短寿命であっても、その形成と解離が繰り返されることで、細胞膜の動的な構造と受容体シグナルを持続的に制御できることが示されました(図4)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図4. 「繰り返す一瞬」が細胞膜構造と受容体シグナルを制御する：一回のGM3-EGFR相互作用は約0.1秒しか続かない。しかし、細胞膜では新しいGM3ホモダイマーが絶えず形成され、EGFRへ何度も繰り返し結合する。その積み重ねによって、細胞膜の動的構造が維持されるとともに、EGFRの不要な活性化が抑えられる。本研究は、「繰り返す一瞬の分子間相互作用」が細胞膜構造と情報伝達を支える新しい基本原理であることを示した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
がん研究との関係
　EGFRは細胞の増殖や生存を制御する代表的な受容体で、その異常な活性化は多くのがんの発生や進展に関係します。本研究は、細胞膜上の糖鎖間相互作用がEGFRの不要な二量体化と活性化を抑えることを示し、糖鎖環境とがん関連受容体シグナルを結ぶ新たな分子機構を提示しました。一方で、本研究は培養細胞と人工膜を用いた基礎研究であり、今後、ヒト腫瘍や動物モデルにおいて同様の機構が働くかを検証する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、細胞表面の糖鎖は単なる識別標識や保護層ではなく、同じ細胞膜上で互いに相互作用して微小な膜領域を形成し、受容体の活性を直接調節することが明らかになりました。今後は、糖鎖の種類や立体構造によって相互作用の強さと選択性がどのように決まるのかを解明するとともに、HGF受容体(c-Met)などのEGFR以外の増殖因子受容体やGタンパク質共役型受容体などにも同様の制御機構が存在するかを検証します。また、GM3ホモダイマーラフトの形成や、GM3と受容体糖鎖との相互作用を選択的に制御できれば、受容体そのものを直接阻害する従来の方法とは異なり、受容体を取り巻く糖鎖環境を調節することでシグナルを制御する、新たな創薬概念につながる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　今回、生きた細胞膜上で糖鎖同士がほんの短時間だけ結びつき、その形成と解離を繰り返すことで、細胞膜の構造と受容体の働きを調節していることを直接捉えました。一回ごとの相互作用は弱く短寿命ですが、それが何度も繰り返されることで、安定した膜構造と精密なシグナル制御が実現されます。本成果は、『弱く短い相互作用の反復』が生命システムを支える重要な原理であることを示すものと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞
科学技術振興機構CREST (JPMJCR24B3, JPMJCR18H2)、創発的研究支援事業 (JPMJFR2004)、国立がん研究センター研究開発費(2023-A-03)、JSPS　科研費基盤研究A (21H04772、22H00359)、科研費基盤研究B (JP24K01974)、挑戦的研究(JP24K21944)、J-GlycoNet Cooperative Network (26A029)、日本医療研究開発機構 (JP24tk0124003h0002、JP24ym0126134)、中谷財団研究開発助成、武田科学振興財団特定研究助成、精密測定技術振興財団研究助成、水谷糖質科学振興財団研究助成、上原記念生命科学財団研究助成&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
(注1)　ガングリオシド&lt;br /&gt;
細胞膜に存在するセラミドに、シアル酸を含む糖鎖が結合した糖脂質の一種。細胞間の認識や情報伝達、細胞膜上の微小な膜領域の形成などに関与する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注2)　EGF受容体&lt;br /&gt;
細胞膜に存在し、増殖因子EGFが結合すると二量体を形成して活性化する受容体タンパク質である。細胞の増殖や生存を制御し、その過剰な活性化は多くのがんに関係している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注3)　細胞膜の組織化&lt;br /&gt;
細胞膜上で脂質やタンパク質、糖鎖などの分子が特定の配置や微小領域をつくり、動的に集合・解離すること。こうした分子の空間的な配置によって、受容体の働きや細胞内への情報伝達などが調節される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注4)　全化学合成&lt;br /&gt;
ガングリオシドの糖鎖、脂質部分、蛍光色素を、化学反応によって人工的に組み立てて作製する手法。構造の異なるガングリオシドを合成し、あらかじめ定めた位置に蛍光色素を精密に導入できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注5)　ラフト&lt;br /&gt;
細胞膜上に一時的に形成される、コレステロールやスフィンゴ脂質に富む微小な膜領域で、特定の脂質やタンパク質を集め、細胞内への情報伝達などを調節すると考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注6)　1分子蛍光観察&lt;br /&gt;
全反射照明顕微鏡を用いて、蛍光標識した分子を一つずつ観察し、その位置や動きを時間とともに追跡する手法である。分子の拡散、結合・解離、集合体形成などを、生きた細胞や細胞膜上で直接解析できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注7)　FRET（蛍光共鳴エネルギー移動）&lt;br /&gt;
異なる蛍光分子が数nm程度まで近づいたとき、一方から他方へエネルギーが移動する現象のこと。分子同士の接近や結合を、非常に短い距離の変化まで検出するために用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
(注8)　N型糖鎖&lt;br /&gt;
タンパク質中のアスパラギン残基に結合する糖鎖で、多くの細胞膜タンパク質や分泌タンパク質に存在する。タンパク質の構造安定化や細胞表面への輸送、細胞認識、受容体の活性調節などに関与する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Nature Communications&lt;br /&gt;
論文タイトル：Cis glycan-glycan interactions organize membrane nanodomains that tune receptor signaling&lt;br /&gt;
著者：Kenichi G. N. Suzuki†*, Naoko Komura†, Sachi Asano, Maina Takahashi, Eriko Yamaguchi, Ayano Yamazaki, Akihiro Imamura, Shusaku Shibutani, Rahul Chadda, Taka A. Tsunoyama, Takahiro K. Fujiwara, Koichiro M. Hirosawa, Kenichi Morigaki, Koichi Furukawa, Keiko Furukawa, Yoshio Yamauchi, Yukichi Kitamura, Masataka Nagaoka, Hiromune Ando*, Akihiro Kusumi*&lt;br /&gt;
†共同筆頭著者, *責任著者&lt;br /&gt;
DOI:10.1038/s41467-026-76857-x&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
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            </item>
    <item>
        <title>ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264727</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見 ― 喫煙と前立腺がん悪化の関連を説明する新たな分子機構 ― 本研究のポイント ・ニコチンの主要代謝物であるコチニン※1が、アンド...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

ニコチン代謝物「コチニン」が前立腺がん細胞の増殖を促進する仕組みを発見 ― 喫煙と前立腺がん悪化の関連を説明する新たな分子機構 ―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・ニコチンの主要代謝物であるコチニン※1が、アンドロゲン※2存在下で前立腺がん細胞のアンドロゲンシグナルを増強し、がん細胞増殖を促進することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・コチニンは、アンドロゲン産生を増やすのではなく、アンドロゲン受容体（AR）※3と、治療抵抗性に関与するAR-V7※4のタンパク質分解を抑え、これらを安定化することを見いだしました。&lt;br /&gt;
・さらに、その分子機構として、コチニンがARと分子シャペロンHSP70※5との結合を増強する可能性を示しました。喫煙者の前立腺がんで報告されている予後不良やARを標的とする治療の効果低下を説明する新たな分子基盤となる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科博士後期課程2年の林 莉々さん、博士研究員の工藤 優大さん（当時）、遠藤 智史 准教授らの研究グループは、岐阜薬科大学の五十里 彰 教授・吉野 雄太 講師、九州大学大学院医学研究院の塩田 真己 准教授、産業医科大学の藤本 直浩 名誉教授との共同研究により、ニコチンの主要代謝物であるコチニンが前立腺がん細胞の増殖を促進する新たな分子機構を明らかにしました。&lt;br /&gt;
　前立腺がんではアンドロゲン受容体（AR）ががん細胞の増殖に重要な役割を果たしますが、喫煙ががん進行に影響する仕組みは十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、コチニンがアンドロゲン前駆体存在下で、ARシグナルの指標となるPSA発現とがん細胞増殖を促進することを発見しました。さらに、コチニンが分子シャペロンHSP70とARとの結合を強め、ARおよびAR-V7をタンパク質分解から保護することで、その作用を増強することを明らかにしました。本成果は、喫煙と前立腺がんの進行・治療抵抗性との関連を説明する、新たな分子基盤を示すものです。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、現地時間2026年8月19日に、国際学術誌『Archives of Biochemistry and Biophysics』のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　前立腺がんは、男性ホルモンであるアンドロゲンに依存して増殖するがんです。そのため、アンドロゲンの産生やアンドロゲン受容体（AR）の働きを抑える治療が広く行われています。しかし、治療を続けるうちに、アンドロゲンを低下させても増殖する「去勢抵抗性前立腺がん（CRPC）※6」へ進行することがあり、治療上の大きな課題となっています。特にCRPCでは、ARの異常や、ARの一部が変化したスプライシングバリアント「AR-V7」が、エンザルタミドやアビラテロンなどのARシグナルを標的とした治療への抵抗性に関与することが知られています。&lt;br /&gt;
　一方、喫煙は多くのがんのリスク因子として知られています。前立腺がんについては、喫煙と発症との関係に不明な点が残るものの、診断時に喫煙している患者では、病気の進行や予後、特にARシグナル阻害薬による治療成績が悪化する可能性が共著者によって報告されていました [Shiota et al., Prostate, 2019;79:1147]。しかし、この現象を引き起こす具体的な物質と分子機構は十分に解明されていませんでした。&lt;br /&gt;
　ニコチンは体内に取り込まれると、主に肝臓で「コチニン」へと代謝されます。ニコチンの血中半減期が約2時間と比較的短いのに対し、コチニンは約16～20時間と長く、血中にもニコチンより高い濃度で存在します。そこで本研究では、「ニコチンそのものではなく、体内で長時間存在するコチニンが前立腺がんのアンドロゲンシグナルに影響しているのではないか」という仮説のもと、その作用を解析しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
1. ニコチンではなくコチニンがアンドロゲンシグナルを増強&lt;br /&gt;
　研究グループは、ARおよびAR-V7を発現するヒト去勢抵抗性前立腺がん22Rv1細胞を用いて、ニコチンとコチニンの作用を比較しました。ニコチンまたはコチニンを単独で添加しても、ARシグナルの指標となるPSAの発現には大きな変化が認められませんでした。一方、アンドロゲンの前駆体である5α-androstane-3,17-dione（5α-Adione）とともに処理すると、コチニンはPSA発現を有意に増強しましたが、ニコチンでは同様の作用は認められませんでした。&lt;br /&gt;
　さらに、細胞増殖マーカーKi67の解析から、コチニンは5α-Adioneによって誘導される前立腺がん細胞の増殖をさらに促進することが明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1. コチニンによるアンドロゲンシグナルと前立腺がん細胞増殖の増強&lt;br /&gt;
（A）5α-Adione処理によるPSA mRNA発現量変化。（B）ニコチンまたはコチニン処理によるPSA mRNA発現量変化。（C）5α-Adione存在下におけるニコチンまたはコチニン処理によるPSA mRNA発現量変化。（D–F）AR（緑）、増殖マーカーKi67（赤）および核（DAPI、青）の免疫蛍光染色。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2. コチニンはARとAR-V7を「分解されにくく」する&lt;br /&gt;
　次に、コチニンがどのようにARシグナルを増強するのかを解析しました。まず、AKR1C3、DHRS11、HSD17B3、SRD5A1など、細胞内でアンドロゲンの合成にかかわる酵素について調べましたが、コチニンによる明らかな発現増加は認められず、ARシグナルの増強における関与が低度であることが示唆されました。&lt;br /&gt;
　そこでARタンパク質そのものの安定性を調べたところ、コチニンはアンドロゲン存在下でARタンパク質の寿命を有意に延長することが分かりました。さらに重要なことに、コチニンは、去勢抵抗性前立腺がんの治療抵抗性との関連が知られているAR-V7についてもタンパク質の安定性を高めました。&lt;br /&gt;
　つまりコチニンは、アンドロゲンを多く作らせるのではなく、「がん細胞の増殖スイッチとなるARを壊れにくくする」ことでアンドロゲンシグナルを増強することが明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3. ARとHSP70の結合増強がAR安定化に関与&lt;br /&gt;
　ARは細胞内で不要になると、ユビキチン・プロテアソーム系※7によって分解されます。しかし、コチニンはARの分解に関係する代表的なE3ユビキチンリガーゼの発現や、プロテアソーム全体の活性には大きな影響を与えませんでした。一方、タンパク質の正しい構造や安定性を維持する「分子シャペロン」であるHSP70に着目したところ、コチニン存在下ではARとHSP70の結合量が増加することを見いだしました。これらの結果から、コチニンはプロテアソームを全面的に止めるのではなく、ARとHSP70の相互作用を強めることでARおよびAR-V7を選択的に分解されにくい状態にし、結果としてアンドロゲンシグナルを持続させると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. コチニンによるAR・AR-V7安定化の分子機構&lt;br /&gt;
（A、B）5α-Adione存在下における細胞質および核内のAR、AR variants（AR Vs）のタンパク質発現とその定量。（C–F）Cycloheximide （CHX）chase assayによるAR、AR VsおよびAR-V7のタンパク質安定性解析。（C、E）5α-Adione存在下におけるコチニンの影響。（D、F）5α-Adione非存在下におけるコチニンの影響。（G）免疫共沈降法によるARとHSP70およびHSP90との相互作用解析。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　本研究により、ニコチンの主要代謝物であるコチニンが、ARとHSP70の相互作用を介してARおよびAR-V7を安定化し、前立腺がん細胞のアンドロゲン依存的な増殖を促進するという新たな作用機構が明らかになりました。&lt;br /&gt;
　一方、本研究は培養細胞を用いたin vitro研究であり、コチニンが実際の生体内で前立腺がんの進行や治療抵抗性を促進することを直接証明したものではありません。今後は、慢性的なコチニン曝露を再現した動物モデルを用いて、血中コチニン濃度やアンドロゲン濃度を厳密に管理しながら、腫瘍増殖やAR・AR-V7の安定化への影響を検証する必要があります。また、エンザルタミドなどのARシグナル阻害薬に対する治療応答への影響についても検証を進めることで、喫煙と前立腺がん治療成績との関連をさらに明らかにしていきます。&lt;br /&gt;
　将来的には、喫煙歴やコチニン曝露を考慮した前立腺がんの治療戦略や、ARのタンパク質恒常性を標的とする新たな治療法の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　喫煙と前立腺がんの予後との関連は以前から報告されてきましたが、その背景にある分子機構には多くの不明点が残されていました。今回、ニコチンそのものではなく、体内でより安定して存在する代謝物「コチニン」がARとAR-V7の分解を抑えるという、これまで知られていなかった仕組みを見いだしました。特に、治療抵抗性との関連が知られているAR-V7まで安定化されたことは重要な知見と考えています。&lt;br /&gt;
　一方で、今回の成果は培養細胞を用いた基礎研究であり、「コチニンがヒトの前立腺がんを悪化させる」と直接結論づけることはできません。今後、動物モデルや臨床的な解析を重ねることで、喫煙と前立腺がんの進行・治療抵抗性との関係をより明確にし、患者さんの治療につながる知見へ発展させたいと考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　コチニン（Cotinine）： ニコチンが主に肝臓で代謝されて生じる主要代謝物です。ニコチンよりも体内で安定しており、血中半減期が長いことから、喫煙・ニコチン曝露の指標としても利用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　アンドロゲン： テストステロンやジヒドロテストステロンなどの男性ホルモンの総称です。前立腺がん細胞の増殖を促進する重要な因子です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　アンドロゲン受容体（AR）： アンドロゲンと結合して細胞内の遺伝子発現を調節するタンパク質です。前立腺がんの増殖に重要な役割を果たし、現在の前立腺がん治療における主要な標的の一つです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　AR-V7： ARのスプライシングバリアントの一つで、通常のARとは異なりアンドロゲン結合部位を欠いています。アンドロゲンが少ない環境でも活性を維持でき、去勢抵抗性前立腺がんやAR標的治療への抵抗性との関連が知られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※5　HSP70： Heat Shock Protein 70の略で、細胞内でタンパク質の正しい折りたたみや安定性を維持する「分子シャペロン」と呼ばれるタンパク質です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※6　去勢抵抗性前立腺がん（CRPC）： アンドロゲンを低下させる治療を行っても進行する前立腺がんです。ARシグナルの再活性化やAR-V7など、さまざまな機構が治療抵抗性に関与しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※7　ユビキチン・プロテアソーム系： 細胞内で不要になったタンパク質にユビキチンという目印を付け、プロテアソームによって分解する仕組みです。細胞内のタンパク質量や品質を維持する重要な機構です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名：Archives of Biochemistry and Biophysics&lt;br /&gt;
論文タイトル：Cotinine enhances androgen receptor stability and promotes androgen-dependent proliferation in prostate cancer cells: An in vitro study&lt;br /&gt;
著者：Riri Hayashi, Yudai Kudo, Yuta Yoshino, Masaki Shiota, Naohiro Fujimoto, Akira Ikari, and Satoshi Endo&lt;br /&gt;
DOI: 10.1016/j.abb.2026.110976&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264727/_prw_PI4im_w97qzx36.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608264717</link>
        <pubDate>Thu, 27 Aug 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立 本研究のポイント ・プロテオミクスの前処理方法であるSP3法を基盤に、糖ペプチドを一気通貫で調製する方法を確立しました。 ・市...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月27日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪国際がんセンター&lt;br /&gt;

疾患関連糖鎖カタログづくりを加速させる一気通貫型の糖ペプチド調製法を確立
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・プロテオミクスの前処理方法であるSP3法を基盤に、糖ペプチドを一気通貫で調製する方法を確立しました。&lt;br /&gt;
・市販のセルロース磁性粒子を用いることにより、糖ペプチドの純度が向上しました。&lt;br /&gt;
・血液試料や組織試料から高純度な糖ペプチドを効率的に回収することが可能になりました。&lt;br /&gt;
・本技術は、疾患に関連する糖鎖を網羅的に示す「疾患関連糖鎖カタログ」を構築する基盤技術として活用されることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 研究概要 
　岐阜大学糖鎖生命コア研究所の中嶋和紀准教授、半澤健研究員、ネムチッチ・マティ研究員らの研究グループは、大阪国際がんセンターの宮本泰豪臨床検査科副部長、岡本三紀チームリーダーとの共同研究により、糖鎖が結合したタンパク質を大規模に解析するための、糖ペプチド調製法を確立しました。&lt;br /&gt;
　糖ペプチドの網羅的解析「グライコプロテオミクス」は、疾患バイオマーカー探索において有力なアプローチです。現在、国内で進められているヒューマングライコームプロジェクトでは、糖鎖の多検体分析を通じて、疾患と関連する糖鎖を探索してカタログ化を行います。しかし、これまでの試料調製法は、原理としては確立されていたものの、多検体を効率的に分析する上では限界がありました。&lt;br /&gt;
　本研究では、磁性粒子を用いてペプチドを集めるSP3（Single-pot, solid-phase-enhanced sample-preparation）法に着目しました。糖ペプチドは液体クロマトグラフ質量分析計による分析においてイオン化しにくいため、糖ペプチドを高純度に精製することが重要です。そこで本研究では、N-型糖ペプチドの調製に適したセルロース磁性粒子を選定し、ペプチド断片化から糖ペプチド精製までを一気通貫で行うことができる試料調製法を確立しました。この方法により、血清・血漿、組織試料から、糖ペプチドを高純度に集めることが可能になりました。近い将来、本技術がグライコプロテオミクスの全自動装置に実装され、新たな糖鎖バイオマーカーの発見や、新しい診断システムの開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本論文は、現地時間2026年8月11日付で『Molecular &amp;amp; Cellular Proteomics』誌に掲載されました。なお、本研究は、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」の支援を受けて実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
本研究の概要図&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　糖鎖とは、グルコースなどの単糖（動物では約10種類の糖が存在）が枝分かれしながら鎖状につながったものです。糖鎖の構造は、がんや神経変性疾患など、様々な疾病において特徴的に変化することから、特定の糖タンパク質に生じる構造的変化は、疾患バイオマーカーの標的になりえます。&lt;br /&gt;
　グライコプロテオミクス1)（糖ペプチド2）の網羅的解析）は、糖鎖とペプチドの配列情報を両方同時に取得できるため、特異度が高いバイオマーカーがえられるアプローチです。2023年4月より、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業において進められているヒューマングライコームプロジェクトでは、血液試料を用いてグライコプロテオミクスの大規模コホート解析を進めています。しかし、現在の実験作業は一部の工程のみを自動で行うものであり、多検体分析には限界がありました。&lt;br /&gt;
　プロテオミクス分野では、自動化への対応のために様々な前処理法が検討されてきました。その一つとして、SP3（Single-pot, solid-phase-enhanced sample-preparation）3)法は、磁性粒子を用いて、1-チューブ内でペプチド断片化を行う方法です。また、ペプチド断片化により生じた糖ペプチドは、質量分析においてイオン化効率が低く、検出効率を高めるためには糖鎖を持たないペプチドを取り除く操作が必要でした。糖ペプチドの精製には、親水性相互作用クロマトグラフィー（HILIC）4）が最も用いられています。そこで本研究では、SP3法を基盤に、HILICによる糖ペプチド精製法を組み合わせた一気通貫型の糖ペプチド調製法を検討しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
１． N-型糖ペプチドの精製に適した一気通貫型の試料調製法を確立 （本研究の概要図）&lt;br /&gt;
　本法は、ペプチド断片化と、それに続くHILICによる糖ペプチド精製という２つの原理に基づいて行います（半澤健、中嶋和紀、Glycoforum, 2024）。SP3法ではタンパク質を80%(v/v) エタノール存在下で、磁性粒子上に凝集させたのち、集磁し、磁性粒子を洗浄、トリプシンによりオンビーズ消化を行います。&lt;br /&gt;
　次に、ペプチド消化物にトリフルオロ酢酸-アセトニトリル系のローディング液を加えてHILICによる糖ペプチド精製に進みます。このHILICでは、糖鎖の主にヒドロキシ基に起因する親水性の高さを利用して、糖ペプチドを捕捉し、非糖鎖付加ペプチドを除去します。非糖鎖付加ペプチドは、この条件においてアセトニトリル層に移行するため洗浄により除去されます。一方、糖ペプチドは、水比率が高い溶媒によって溶出されます。その回収された糖ペプチドは、液体クロマトグラフ質量分析計（LCMS）5)により測定して糖ペプチドを解析します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
２．セルロース磁性粒子6)の有用性を確認 （図１）&lt;br /&gt;
　SP3法によるペプチド断片化では、カルボン酸ポリマー磁性粒子（SeraMag-SpeedBeads）がよく使用されます。カルボン酸ポリマー磁性粒子でも糖ペプチドを精製することは可能ですが、本研究では、セルロース磁性粒子を用いることで、糖ペプチドの回収率や純度が向上することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　血清試料を用いた解析では、N-型糖ペプチド同定数やその回収量も若干向上しました。また、ラット脳組織を分析したところ、非糖鎖付加ペプチドの混入を大幅に抑えることができました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1&amp;nbsp;&amp;nbsp; 磁性粒子を使ったN-型糖ペプチドの調製法における磁性粒子の材質の比較。血液 (ヒト血しょう)および組織 (ラット脳)から調製を行い、ペプチドの同定数 (定性)およびペプチド量 (定量)について比較した：N-型糖ペプチド (検出対象)および非糖鎖付加ペプチド (除去対象)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
３． 胃がんにおける糖タンパク質のN-結合型糖鎖の癌性変化を検出　（図２）&lt;br /&gt;
　健常人20例、胃がん患者10例の血清を用いて、本セルロース磁性粒子を用いる方法と従来法の性能を比較しました。その結果、本法は、従来法とほぼ同様に、150種類の糖タンパク質に由来する1984個のN-型糖ペプチドが同定されました。有意に変動した糖ペプチドは方法間で若干異なりましたが、既に報告されている急性期糖タンパク質であるα1酸性糖タンパク質（AGP）やヘモペキシン（Hemopexin）の多分枝型でフコースを持つものの増加が確認されました。&lt;br /&gt;
　次に胃がん患者 8例より採取されたがん組織と近傍の正常組織を用いて癌性変化を調べました。その結果、本法では、686種類の糖タンパク質に由来する6812個のN-型糖ペプチドが同定されました。また、既に報告されているCEACAM6 7)の224番目のアスパラギン残基に付いたオリゴマンノース型糖鎖の変化や、ペリオスチン8)の599番目のアスパラギン残基に付いた複合型糖鎖の変化を検出しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展望
　本研究では、血液試料から均一なN-型糖ペプチドを調製できることを示しました。本技術はヒューマングライコームプロジェクトにおける22万検体の糖鎖分析を実現するうえで、グライコプロテオミクス全自動装置の根幹をなす試料調製法となる可能性があります。近い将来、本技術が世界標準法として認知され、ヒューマングライコームプロジェクトにおける大規模解析の推進に貢献するとともに、その成果として、疾患関連糖鎖ペプチドの発見や糖鎖診断薬の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者コメント
　これまでに糖ペプチド精製に関しては、固相抽出カラムを用いる報告が多くありましたが、全自動化に適した、汎用性の高い糖ペプチド調製法が必要でした。また、本研究は安価に入手できる市販のセルロース磁性粒子を用いて、N-型糖ペプチドを高い回収率で得られることを示しました。この効果により、さらに複雑なプロトコルを自動化することが可能になり、グライコプロテオミクスの高深度解析や、難易度が高いO型糖ペプチドの解析にも応用できると考えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語の解説
1)　グライコプロテオミクス：&lt;br /&gt;
　プロテオミクス（試料中に含まれているすべてのタンパク質の種類を特定する解析手法）を応用し、試料中の糖タンパク質を網羅的に解析する手法。糖タンパク質の上の、どこにどのような構造の糖鎖が付いているかを特定できます。&lt;br /&gt;
　タンパク質のアスパラギン残基（アミノ酸の1文字表記法でNと表記）に結合しているN型糖鎖がついた糖ペプチドを解析する方法を、特にN-グライコプロテオミクスという。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2)　糖ペプチド：&lt;br /&gt;
　グルコースなどの単糖が鎖状につながった糖鎖が、ペプチドに結合したもの。本研究の検出対象。糖タンパク質を、プロテアーゼによりペプチド断片化して得ることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3)　SP3法：&lt;br /&gt;
　磁性粒子を用いて、1-チューブ内でペプチド断片化を行う方法（Hughes CS et al. Nat. Protoc, 2019）。プロテオミクスでは、Cytiva社のSeraMag Speedbeadシリーズがよく使われているが、他の磁性粒子であっても同様に可能である（Batth TS et al. Mol. Cell Proteomics, 2019）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
4)　親水性相互作用クロマトグラフィー（HILIC）：&lt;br /&gt;
　固定相（本研究の場合はセルロース磁性粒子）に、別の液体を移動相として溶離させる分配クロマトグラフィーの一つ。HILICでは主にアセトニトリル条件で、親水性の固定相上に生じた水和層において糖ペプチドが保持されて、非糖鎖付加ペプチドと分離される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
5)　液体クロマトグラフ質量分析計（LCMS）：&lt;br /&gt;
　液体クロマトグラフィー（LC）と質量分析計（MS）を組み合わせた分析方法で、複雑な混合物を分離し、MSにより同定と定量を行うことができます。プロテオミクスやグライコプロテオミクスでは、本研究でも使用しているナノLCとOrbitrap型MSがよく用いられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6)　セルロース磁性粒子：&lt;br /&gt;
　磁性粒子は磁石で容易に集めることができるため、自動化プロトコルに転用しやすい実験素材の一つ。本研究で使用したセルロース磁性粒子（ReliaPrep Resin）は核酸精製用としてプロメガ社から市販されている。本粒子は多孔質のセルロース磁性体であり、比表面積が高く、結合容量が大きいため、少量の磁性粒子で十分な収量を得ることができるという特長がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
7)　CECAM:&lt;br /&gt;
　癌胎児性抗原。腫瘍マーカーの一つで、細胞接着因子に関係する分子量約20万の糖タンパク質である。主に腺癌に対する診断マーカーとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
8)　ペリオスチン:&lt;br /&gt;
　正常組織や原発腫瘍間質中の線維芽細胞によって発現される細胞外マトリックスの構成要素。上皮細胞の接着および遊走を支える役割を果たし、様々な癌との関連性が報告されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Molecular &amp;amp; Cellular Proteomics&lt;br /&gt;
論文名：N-Glycoproteomics sample preparation using commercially available cellulose magnetic particles&lt;br /&gt;
著　者：Ken Hanzawa, Miki Tanaka-Okamoto, Matej Nemcic, Yasuhide Miyamoto, Kazuki Nakajima * (*責任著者)&lt;br /&gt;
doi: 10.1016/j.mcpro.2026.101638&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608264717/_prw_PI1im_3GFD5SHZ.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204481</link>
        <pubDate>Fri, 21 Aug 2026 16:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！ －骨折治癒の早期評価や骨疾患の診断・治療への応用に期待－ 岐阜薬科大学 薬理学研究室の久保拓也大学院生（JST SPRINGスカラシップ研究学生、...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月21日&lt;br /&gt;


岐阜薬科大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

骨折治癒を担う細胞の代謝変化を超偏極MRIで可視化！  －骨折治癒の早期評価や骨疾患の診断・治療への応用に期待－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　岐阜薬科大学 薬理学研究室の久保拓也大学院生（JST SPRINGスカラシップ研究学生、米国ラトガース大学客員研究員）、岐阜薬科大学 薬理学研究室・岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科・岐阜大学高等研究院One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター（COMIT）の檜井栄一教授らの研究グループは、東京大学、大阪大学、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、岐阜大学との共同研究により、超偏極MRIを用いて、骨折治癒を担う骨格幹前駆細胞のレドックス状態の変化を、生きたマウスの体内で可視化することに成功しました。&lt;br /&gt;
　骨折は日常生活や運動機能に大きな影響を及ぼすだけでなく、要介護・寝たきりのリスクを高め、高齢者では骨折後の死亡率の増加にもつながります。骨折すると、骨折部位ではさまざまな細胞が働き始め、なかでも骨格幹前駆細胞※1が骨折修復に重要な役割を担います。X線やCTは骨の構造変化を捉えることができますが、骨折治癒の早期段階では構造的な変化から治癒の進行を評価することが難しい場合があります。そのため、骨折後の早期段階から治癒の進行を評価できる新たな骨イメージング手法の開発が求められてきました。&lt;br /&gt;
　本研究では、レドックス※2状態を画像化できる超偏極MRI（in vivo DNP-MRI※3）と活性酸素（ROS※4）と反応する造影プローブを組み合わせることで、骨折後の早期から中期にかけて、骨折部位のレドックス活性が高まり、その後、骨の再構築に伴って低下することを明らかにしました。さらに、骨折部位で働く骨格幹前駆細胞でもレドックス活性が高まっていることを確認しました。本研究成果は、骨折治癒の進行を早期に評価する新たな診断法として活用できるだけでなく、骨折治癒における細胞の代謝変化やレドックス動態の理解を通じて、骨折治癒を促進する新たな治療法の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、英国学術雑誌『npj Imaging』に掲載されました（オンライン版公開日：日本時間2026年8月15日）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・骨折部位のレドックス動態の変化を、in vivo DNP-MRIによって生体内で可視化することに成功しました。&lt;br /&gt;
・骨折部位のレドックス活性は、骨折後の早期から中期にかけて高まり、その後、骨の再構築が進むにつれて低下することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・骨折部位の骨格幹前駆細胞では、健康な骨由来の細胞と比較して、レドックス活性が高く、ミトコンドリア由来のROSが増加していることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
・本成果は、骨折治癒の早期評価や骨再生研究、骨疾患の診断・治療への応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果の概要
　骨折すると、骨折部位に「仮骨」と呼ばれる組織が形成され、その中ではさまざまな細胞がそれぞれの役割を果たします。その中でも、骨格幹前駆細胞は骨折部位で増殖し、軟骨細胞や骨芽細胞へと分化することで、仮骨の形成に重要な役割を担います。本研究ではまず、マウスの骨折モデルを用いて、骨折治癒過程（骨折後の時間経過に伴って仮骨が形成され、その後、骨の再構築が進む過程）が適切に進行することを確認しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1: 骨折後の時間経過に伴う仮骨形成と骨の再構築&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　次に、レドックス反応によって性質が変化するプローブを骨折後のマウスに投与し、in vivo DNP-MRIを用いて骨折部位の仮骨を経時的に観察しました。その結果、骨折部位では骨折していない健康な骨と比較してプローブの信号が速く減少し、骨折後3日目にレドックス活性が最も高くなりました。その後、7日目、14日目にも高いレドックス活性が維持され、21日目、28日目には低下することが分かりました（図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図2: DNP-MRIによって捉えた骨折治癒に伴うレドックス動態 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　さらに、骨折部位の骨格幹前駆細胞を解析したところ、健康な骨由来の同細胞と比較してレドックス活性が高いことが分かりました。&lt;br /&gt;
　すなわち本研究により、骨折部位で働く骨格幹前駆細胞の活動の変化を、レドックス動態として生体内で捉えられることに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果の意義・今後の展開
　これまでのX線やCTなどによる骨折治癒の評価は、主として骨の形態や骨量などの「構造的な変化」に基づいていました。本研究では、従来のX線やCTなどでは難しかった「骨折治癒に伴う細胞のレドックス動態を生体内で捉えること」に成功しました。さらに、骨折部位の仮骨におけるレドックス動態の時間的変化と、骨格幹前駆細胞の機能との関連を明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、骨折治癒の早期評価や骨再生のメカニズム解明に加え、骨疾患の診断・治療法の開発につながることが期待されます（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3: 仮骨のレドックス動態は骨格幹前駆細胞の代謝活性を反映し、骨再生の機能的評価につながる&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1 骨格幹前駆細胞&lt;br /&gt;
骨組織に存在する自己複製能・多分化能をもつ骨の起源細胞。&lt;br /&gt;
骨恒常性の維持や骨折修復を担う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2 レドックス&lt;br /&gt;
酸化と還元に関わる細胞内の化学反応の総称。&lt;br /&gt;
細胞のエネルギー代謝や機能の維持に重要な役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3 in vivo DNP-MRI（生体内動的核偏極MRI）&lt;br /&gt;
活性酸素と反応する造影プローブを用いて生体内のレドックス状態を画像化する技術。&lt;br /&gt;
特殊な磁気共鳴技術により、生体内のレドックス動態を可視化することができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　活性酸素（ROS）&lt;br /&gt;
酸素から生じる反応性の高い分子の総称。&lt;br /&gt;
細胞内の情報伝達などに関わる一方、過剰に増加すると細胞や組織に影響を及ぼす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載論文
雑誌名: npj Imaging&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文名: Evaluation of redox dynamics in callus-forming skeletal progenitor cells during fracture healing using in vivo DNP-MRI&lt;br /&gt;
超偏極MRIを用いた骨折治癒過程における骨格幹前駆細胞のレドックス動態解析&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
著者名：Takuya Kubo, Shohei Tsuji, Yoshiaki Kitaura, Hironori Hojo, Shinsuke Ohba, Takuya Katashima, Hiroki Ochi, Masayuki Matsuo, Fuminori Hyodo, Eiichi Hinoi.&lt;br /&gt;
久保拓也，辻翔平，北浦義昭，北條宏徳，大庭伸介，片島拓弥，越智広樹，松尾政之，兵藤文紀，檜井栄一&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s44303-026-00190-7&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究B (一般) (檜井栄一) や、JST次世代研究者挑戦的研究プログラムJPMJSP2142 (久保拓也) などの支援を受けて行ったものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204481/_prw_PI1im_t7ov2U0i.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204473</link>
        <pubDate>Fri, 21 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明 植物には「季節メーター」と呼ばれる内部的な仕組みがあり、過去数週間から数ヶ月間の気温データから開花時期を決定しています。2種の多年生野生植物を2年...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月21日&lt;br /&gt;


筑波大学&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;

植物が開花時期を決める「季節メーター」の仕組みを解明
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　植物には「季節メーター」と呼ばれる内部的な仕組みがあり、過去数週間から数ヶ月間の気温データから開花時期を決定しています。2種の多年生野生植物を2年間にわたり調査・比較したところ、3つの遺伝子が、それぞれ異なる期間の温度を記憶し、季節の変化を確実に予測していることが分かりました。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　植物は、環境の周期的な変化に備えるため、過去数週間から数ヶ月間の気温などの環境シグナルをもとに、季節を予測し、成長・開花・休眠などのタイミングを決定する「季節メーター (Season-Meter) 」と呼ばれる仕組みを備えています。しかし、この季節メーターがどれくらい過去までさかのぼって環境変動を記憶しているのか、また、異なる植物や遺伝子の間で同じように働いているのかは、これまで分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、日本に自生する2種の野生の多年生アブラナ科植物であるワサビ（Eutrema japonicum）とハクサンハタザオ（Arabidopsis halleri）を対象に、両種で保存される花成制御に関わる遺伝子の挙動と気候データの関係を2年間にわたって追跡し、これらの遺伝子を制御する季節メーターが過去の気温履歴をどれくらいさかのぼって記憶しているかを算出する手法を確立しました。これにより、同じ制御系にある3つの遺伝子が、それぞれ異なる温度記憶期間（数日間、数週間、約5カ月）に基づいて制御されることを明らかにしました。さらに、この手法を用いて、モデル学習には使用していない別の年の気温データから予測した3遺伝子の挙動は、実際に観測された遺伝子の挙動と一致することを確認しました。&lt;br /&gt;
　本研究結果は、気温データのみから遺伝子の挙動、さらにはそれに引き続く生理現象の予測が可能であることを示唆しています。今後、地球温暖化等により気候変動が進行する中、未知の気候パターンに対する野生植物や農作物の反応を予測・評価する上で大きく貢献すると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究代表者　
筑波大学生命環境系　Diana Mihaela Buzas　准教授&lt;br /&gt;
京都大学生態学研究センター　工藤 洋　教授&lt;br /&gt;
岐阜大学応用生物科学部　山根 京子　准教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景　
　植物は、春の前の厳しい冬の寒さや、夏から秋への日照時間の減少など、毎年およそ決まったリズムで繰り返される環境の変化に直面します。このように周期的な変化への対応戦略は、単にそれが起きた時に反応を開始するよりも、変化の到来を予測して事前に備えておく方が有利です。そのため、植物は「季節メーター (Season-Meter) 」と呼ばれる仕組みを備えています。これは過去数週間から数ヶ月間の気温の推移を集計するもので、これによって季節の変化を予測し、成長・開花・休眠などのタイミングを決定しています。この仕組みにより、真冬に一日だけ暖かい日があっても、早く開花することはありませんし、春に一時的な寒波が来ても、予定通りに進んでいる開花が止まることもありません。しかし、この季節メーターが、どれくらい過去までさかのぼって環境変動を記憶しているのか、あるいは異なる植物や遺伝子の間で同じように働いているのかを評価する標準的な方法は、これまでありませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容と成果　
　本研究では、日本に自生する2種の野生のアブラナ科多年生植物注１）であるワサビ（Eutrema japonicum、図１）とハクサンハタザオ（Arabidopsis halleri）を対象に、両種で保存されている花成制御に関わる3つの遺伝子（花成制御遺伝子注２））の挙動を丸2年間にわたって追跡しました。&lt;br /&gt;
　また、遺伝子活性と測定前の過去の気温記録とを比較し、それぞれの遺伝子の季節メーターがどれくらいの過去までさかのぼっているか、すなわち、その遺伝子の挙動を最もよく説明できる気温履歴の期間（温度記憶期間注３））を算出する手法を開発しました。これにより、同じ制御系にある3つの花成制御遺伝子が、それぞれ非常に異なる記憶期間（数日間、数週間、約5カ月間）に基づいて働いていることが判明しました（図２）。このパターンは、本研究に用いた、生活サイクルが大きく異なる2つの植物種の両方で共通して見られたことから、特定の種の特異的な現象ではなく、植物の一般的な戦略を反映していると考えられます。&lt;br /&gt;
　さらに、この季節メーターモデルを用いて、モデル学習には使用していない別の年の気温データから3遺伝子の挙動を予測したところ、正確に観測値と一致することを確認しました。このことは、本モデルが植物の気候への反応を予測に利用できることを示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　今回の研究手法は、複雑な生物学的メカニズムの詳細を予め解明しておく必要がなく、遺伝子活性と気温の測定のみに依存しているため、他の遺伝子や、降水量・日長といった他の環境シグナル、さらには他の生物種にも適用可能です。地球温暖化等により気候変動が進行する中、このようなツールは、野生植物や農作物が未知の気候パターンにどのように反応するかを予測・評価する上で大きく貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考図　
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;図１　本研究で対象としたワサビ（Eutrema japonicum）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図２　植物の遺伝子が持つ季節メーター&lt;br /&gt;
3つの遺伝子が、それぞれ異なる時間スケールで過去の気温を記憶している。これらの記憶により、季節の推移を示す情報が絶えず更新され、植物の年間を通じたライフサイクルを制御する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説　
注１）多年生植物&lt;br /&gt;
1年で一生を終えて枯れてしまう一年生植物とは異なり、枯れずに何年も生存し、毎年繰り返し花を咲かせる植物。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注２）花成制御遺伝子&lt;br /&gt;
植物が花を咲かせるタイミングをコントロールするために、リレーのように働く遺伝子群。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
注３）温度記憶期間（TMI：Thermal Memory Interval）&lt;br /&gt;
植物が現在の遺伝子の働き（発現量）を決める際に、過去どれくらいの期間の気温履歴をさかのぼって集計（記憶）しているかを示す定量的な指標のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究資金　
　本研究は、科研費による研究プロジェクト（15K07289、16H01459、20K0669、21H04977、21H05659）、科学技術振興機構（JST）CREST（JPMJCR15O1）、京都大学生態学研究センターの共同利用プログラムの一環として実施されました。また、本研究は、筑波大学つくば植物イノベーション研究センター（T-PIRC）および筑波大学オープンファリリティ推進機構の施設・設備を利用して実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載論文
【題　名】 Conserved gene- and network-level thermal memory intervals in two divergent perennial crucifers in nature&lt;br /&gt;
（自然環境における、系統的に大きく異なる2種の多年生アブラナ科植物に保存された、遺伝子およびネットワークレベルの気温記憶期間）&lt;br /&gt;
【著者名】 Yoshikazu Endo, Haruki Nishio, Oguchi Taichi, Kyoko Yamane, Victoria Faith Eseese, Clarissa Frances Frederica, Hiroshi Kudoh and Diana Mihaela Buzas&lt;br /&gt;
【掲載誌】 PLOS ONE&lt;br /&gt;
【掲載日】 2026年8月19日&lt;br /&gt;
【DOI】 10.1371/journal.pone.0336733&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204473/_prw_PI6im_1dtQ2zB7.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204435</link>
        <pubDate>Thu, 20 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明 本研究のポイント ・細胞外でヒアルロン酸※1を分解する酵素「Transmembrane protein-2(TMEM2)」の働きを調節する新たな仕...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月20日&lt;br /&gt;


岐阜大学&lt;br /&gt;

細胞外におけるヒアルロン酸分解の新たな制御機構を解明
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究のポイント
・細胞外でヒアルロン酸※1を分解する酵素「Transmembrane protein-2(TMEM2)」の働きを調節する新たな仕組みを解明しました。&lt;br /&gt;
・ヒアルロン酸合成酵素「HAS」が同一細胞上に発現するときにTMEM2の分解活性は高くなり、他の細胞が発現するヒアルロン酸や細胞から遊離したヒアルロン酸に対する分解活性は限定的であることが明らかになりました。&lt;br /&gt;
・TMEM2の遊離ヒアルロン酸に対する活性制御には、ヒアルロン酸結合タンパク質である「CD44※2」と「LYVE-1※3」が関与することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究概要
　岐阜大学医学部附属病院泌尿器科の飛澤 悠葵准教授、矢野 文彬臨床助教、富岡 莉紗医員、古家 琢也教授らの研究グループは、米国カリフォルニアのSanford Burnham Prebys Medical Discovery Instituteの山口 祐教授らとの共同研究で、細胞膜貫通型ヒアルロン酸分解酵素であるTMEM2の新たな活性制御機構を解明しました。&lt;br /&gt;
　肌のハリや保湿の有効成分として知られるヒアルロン酸は、細胞と細胞の間隙を満たす細胞外マトリクスの主要成分であり、組織の柔軟性、粘弾性を保つ重要な役割を担っています。ヒアルロン酸は、組織内において絶えず合成と分解が繰り返され、わずか3日ですべてが入れ替わるほど高速に代謝回転します。しかし、細胞外におけるヒアルロン酸分解がどのように調節されているかについては、十分に分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　本研究では、TMEM2の酵素活性には空間的に制御されたメカニズムが存在すること、そのメカニズムにおいて、CD44またはLYVE-1を介した細胞表面でのヒアルロン酸の捕捉が効率的なヒアルロン酸分解に寄与することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　本成果は、TMEM2によるヒアルロン酸分解が細胞周囲のグリコカリックス層および細胞外マトリクスの恒常性維持に重要な役割を担っている可能性を示すとともに、これらが関与するがんや希少疾患の新たな治療法開発へつながることが期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、日本時間2026年8月12日にFrontiers in Molecular Biosciences誌のオンライン版で発表されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究背景
　生体組織は様々な細胞の集合体として構成されています。この細胞と細胞の間隙は細胞外マトリクスと呼ばれる物質によって満たされており、細胞の移動や向き、機能的な分子の受け渡し、老廃物の排除など、組織を形成する上で多様な機能を担っています。この細胞外マトリクスの主要成分はヒアルロン酸と呼ばれる機能性糖鎖です。ヒアルロン酸は単純な2つの単糖の繰り返し構造をとり、200万ダルトンを超える巨大分子として生体内の多くの細胞から合成されます。合成されたヒアルロン酸には、様々な分解酵素が段階的に働き、わずか3日ですべてが入れ替わるほど高速に代謝回転します。ヒアルロン酸は、組織の柔軟性や粘弾性を支えるとともに、炎症や免疫応答など生体反応においても重要な役割を担っています。&lt;br /&gt;
　ヒアルロン酸は細胞外に合成・分泌されるため、最初の分解は細胞外で起こります。研究グループはこれまでに、その役割を担う酵素として「TMEM2」を同定していました。しかし、試験管内での分解活性と生体内での分解活性に乖離があるなど詳細な分解調節機構については不明なままでした。&lt;br /&gt;
　そこで本研究では細胞表面での分解活性を制御する補助分子の存在を含め、TMEM2の細胞レベルでのヒアルロン酸分解機構の詳細を検証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果
&lt;br /&gt;
　本研究ではまず同一細胞上にヒアルロン酸合成酵素HASとヒアルロン酸分解酵素TMEM2が発現する条件（Cis）と、HASおよびTMEM2がそれぞれ別の細胞に発現する条件（Trans）を比較しました。その結果、両者が同一細胞上に存在するCis条件において、TMEM2によるヒアルロン酸分解活性が著しく高まることを明らかにしました。&lt;br /&gt;
　研究チームはこれまでに、ガラス上に固相化されたヒアルロン酸をTMEM2が分解することを報告していました。つまりTrans条件下におけるTMEM2を介した効率的なヒアルロン酸の分解には、ヒアルロン酸の移動性を制限するヒアルロン酸結合タンパク質の存在が必要であるという仮説を立てました。そこで、Trans条件下においてヒアルロン酸結合タンパク質であるCD44を同時に発現させ酵素活性への影響を検証しました。その結果、TMEM2とCD44を同一細胞に発現させることでTrans条件においてヒアルロン酸分解が顕著に高まることが明らかになりました。&lt;br /&gt;
　CD44以外にもヒアルロン酸結合タンパク質としてLYVE-1, RHAMM, layilin, TLR2, ICAM-1, TSG-6が報告されています。最後に、これらのタンパク質がTMEM2の酵素活性を調節しうるかをTMEM2と共発現することで検証しました。その結果、リンクモジュールを有する膜タンパク質であるCD44とLYVE-1がTMEM2の活性制御に関与することが明らかとなりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開
　ヒアルロン酸は細胞周囲のグリコカリックス層および細胞外マトリクスの主要成分であり、TMEM2の分解活性がこれらの恒常性維持に重要な役割を担う可能性が明らかになりました。がん組織や指定難病である間質性膀胱炎ではグリコカリックス層や細胞外マトリクスの異常が示されているため、がん悪性化、治療抵抗性獲得のメカニズムや難病の病態解明に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
※1　ヒアルロン酸&lt;br /&gt;
肌の保湿を促す成分として化粧水などに配合されるヒアルロン酸は2つの単糖（N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸）を1ユニットとして繰り返し連結した直鎖の糖鎖です。大量の水を保持し粘弾性を持つため全身の組織を支える機能を有しています。一方でその機能が物質の拡散や細胞の移動を制御する物理的な障壁となり、薬剤の効果や生体反応に影響を及ぼすことがわかっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　CD44&lt;br /&gt;
ヒアルロン酸に結合することが確認されている細胞接着分子の一つで、一部のがんではがん幹細胞マーカーとして使用されるなど、がんの進展や遊走に関与する膜貫通型タンパク質です。生体の多くの細胞で発現が見られ、組織に応じて分子量や結合親和性の異なるフォームを有することも特徴の一つです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　LYVE-1&lt;br /&gt;
CD44と並んでヒアルロン酸結合が確認されている膜貫通型タンパク質です。主にリンパ節やリンパ管で発現し免疫細胞の遊走に関与します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
雑誌名： Frontiers in Molecular Biosciences&lt;br /&gt;
論文タイトル： Regulation of TMEM2-mediated hyaluronan degradation by CD44 and LYVE-1&lt;br /&gt;
著者：Yuki Tobisawa1,2*, Fumiakira Yano1, Risa Tomioka-Inagawa1, Fumitoshi Irie3, Takuya Koie1, Yu Yamaguchi3&lt;br /&gt;
1 Department of Urology, Gifu University Hospital, Gifu, Japan&lt;br /&gt;
2 Center for One Medicine Innovative Translational Research (COMIT), Institute for Advanced Study, Gifu University, Gifu, Japan&lt;br /&gt;
3 Center for Neurologic Diseases, Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute, La Jolla, California, USA.&lt;br /&gt;
DOI: 10.3389/fmolb.2026.1852012&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608204435/_prw_PI1im_e800ga6N.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608053740</link>
        <pubDate>Thu, 06 Aug 2026 13:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発－ ナノ変位の検出と高速断層イメージングで医療・産業応用に前進－ 本研究成果のポイント ・ 従来の“見えない領域”を解消し、生体組...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月6日&lt;br /&gt;


新潟大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
大阪大学&lt;br /&gt;

光コムで生体組織の“わずかな動き”までとらえる新しい3D計測技術を開発－&lt;br&gt;ナノ変位の検出と高速断層イメージングで医療・産業応用に前進－
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果のポイント
・ 従来の“見えない領域”を解消し、生体組織や透明材料の微小変位・断層構造を一度に計測できる新手法を確立&lt;br /&gt;
・ 数十 nm 精度と1秒の高速取得を両立し、非接触での3D検査と高速トモグラフィ計測を実現&lt;br /&gt;
・ 単一光源・単一カメラで動作し、医療イメージング装置や顕微鏡システムへの組み込みが容易な高性能計測系を構築&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　新潟大学工学部電子情報通信プログラムの崔森悦准教授らの研究グループは、岐阜大学大学院医学系研究科生命原理学講座生体物理・生理学分野の任書晃教授、大阪大学大学院医学系研究科薬理学講座統合薬理学の日比野浩教授らと共同で、光周波数コム（注1）を用いた新しい干渉計測手法を開発しました。従来の光コム計測では、コム間隔が固定され測定範囲や精度の調整が難しく、さらに干渉信号が消える「盲領域」が発生するという課題がありました。本研究では、干渉信号に位相変調（SPM）を導入することでこの制約を克服し、盲領域を完全に解消しながら高速・高精度・広帯域の全視野3D計測を実現しました。本成果は、2026年7月12日に、光計測分野の国際誌「Optics &amp;amp; Laser Technology」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅰ．研究の背景
　光コムは、光の周波数が櫛のように等間隔に並んだ特殊なレーザ光で、“光の物差し”として高精度な距離計測や分光計測に広く利用されています。しかし、従来の光コム計測では、コム間隔が固定されているため、測定範囲や精度を柔軟に調整できないという制約がありました。さらに、光コムの周波数間隔を電子的に掃引して3次元形状を取得する際、試料の形状によって干渉振幅がゼロになる「盲領域」が必ず発生し、表面の一部が測れなくなる問題がありました。既存の回避策は複数光路や複数検出器を必要とするなど装置が複雑になる傾向があり、光コムの高速性・高精度性を十分に活かしきれない状況でした。&lt;br /&gt;
　本研究では、この構造的な制約を克服するために、干渉信号に正弦波位相変調（Sinusoidal Phase Modulation: SPM）（注2）を導入し（図1）、盲領域を原理的に解消しながら、位相が定在する干渉ピークを利用した高速・高精度な全視野3D計測を可能にする新しい方式を提案しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図1. 　提案手法のコンセプトと原理、(a)測定面の微小なスロープ、(b) それぞれの位置に応じて変化する光コム干渉法のピーク波形、(c)SPMを施した場合の干渉ピーク波形、(d) 提案する新しい信号処理法によって復元される位相分布と干渉ピークエンベロープ&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅱ．研究の概要
　本研究では、電気光学変調によって生成した 10 GHz 間隔の光周波数コム（EOコム（注3））から、非線形光学効果を利用して波長帯域を大幅に広げた高安定なスーパーコンティニウム（注4）光源を構築しました。この光源を用いて、単一光学系・単一カメラによるフルフィールド干渉計測顕微鏡を設計し、光路差に応じて変化する干渉信号を高速に取得できるようにしました。&lt;br /&gt;
　さらに、EOコムの周波数間隔を電子的に掃引する光コム干渉法に、SPM技術を導入することで、先行研究で必ず発生していた干渉振幅の消失（盲領域）を原理的に解消できることを示しました。つまり、SPMによって干渉位相が時間的に変調されるため、位相がπ/2付近で振幅がゼロになる領域でも安定した干渉信号が得られ、全視野で連続した深さ情報を取得できます。&lt;br /&gt;
　本計測系では、顕微観察できる規模の測定領域に対して、深さ方向で数ミリメートルの範囲をカバーし、9.995から10.005 GHzまでの周波数間隔掃引を用いた1回の計測を約1秒で完了できる構成としました。これにより、640×518×865 voxelの3Dボリュームデータを1秒で取得できる高速トモグラフィが可能となり、広帯域光源と高速カメラを組み合わせたフルフィールド3D計測の新しい方式を実現しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2. 　実験系、EOコム発生器からの出力を広帯域なスーパーコンティニウム光化する光源は、従来の干渉顕微鏡システムへ容易に組み込むことができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅲ．研究の成果
　本研究は、概要でも述べた通り、光周波数コム（10 GHz間隔のEOコムをスーパーコンティニウム化した広帯域光源）と SPMを組み合わせた新しい干渉計測法を実証しました。本方式は、赤外高速イメージセンサ（InGaAsカメラ）を用いた単一光路・単一カメラ方式を採用し（図2）、従来の周波数間隔掃引に伴って生じていた干渉振幅の消失（盲領域）を解消し、フルフィールドで取得した位相情報を用いてサブミクロン精度の3D形状及び断層構造の計測・可視化を可能にしました。&lt;br /&gt;
　本方式の有効性は、複数の代表的な試料を用いた実験により確認されました。まず、段差標準試料の測定（図3a）では、SPMによる位相復元を用いることで、従来のピーク位置法では得られなかった連続的な深さ情報が取得でき、段差高さの繰り返し測定において約0.05 µm（2σ）の高い再現性を示しました。次に、非鏡面の硬貨表面の計測（図3b）では、粗面に対しても盲領域が発生せず、全視野で安定した振幅・位相分布が得られ、複雑な微細凹凸形状を高速に3D再構成できることを確認しました。さらに、ガラス板の厚さ計測（図3c）では、内部反射を伴う多層構造に対してもSTFTを併用した位相追跡により断層構造を正確に抽出でき、厚さ評価においてサブミクロン級の精度を達成しました。&lt;br /&gt;
　本研究では、測定誤差についても総合的に評価を行い、位相情報を用いた本研究で提案した距離測定法が、従来のピーク位置法に比べて大幅に高い精度と再現性を示すことを確認しました(図4)。特に、繰り返し測定の誤差は凡そ数十nmの精度が得られ、硬貨やガラス板のような異なる性質の試料に対しても一貫して高い精度を示しました。これらの評価結果から、本方式は多様な試料に対して高速かつ高精度な3D計測を実現できる、実用性の高い新しい光コム干渉計測技術であることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図3. 　本手法を用いて得られた測定結果、(a) 段差標準、(b)10円硬貨表面、(c)ガラス薄膜&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図4. 　信号対雑音比(SNR)に対する繰り返し誤差(2s)の比較&lt;br /&gt;
(a)従来のピーク位置から求める方法では1 µm以上の誤差があるが、(b)位相を用いた新手法では、約50 nm以下に抑えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅳ．今後の展開
　本研究で示した計測方式は、深さ分解能の限界を超えて微小な変動を捉えられるという特長を持ち、ナノメートルスケールで変化する生体ダイナミクスの観測に大きな可能性を広げます。細胞や膜構造の高速な揺らぎをリアルタイムに検出できるため、生体ダイナミックスOCT（注5）への応用が期待されます。&lt;br /&gt;
　また、非接触で高速・高精度な全視野計測が可能であることから、薄膜厚さ評価や微細加工面の検査など、産業計測への展開も有望です。従来の顕微鏡システム上に容易に組み込めるため、装置の小型化や製造ラインへの導入にも適しています。&lt;br /&gt;
　さらに、本手法の特長は、より高速な3D計測技術への発展にもつながります。画像処理の負荷が小さいため、将来的には毎秒数十〜数百ボリュームの3D計測も視野に入ります。現在投稿中の研究では、この特長を活かしたさらなる高速化手法を検討しており、リアルタイム3D計測の新しいアーキテクチャとして発展する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅴ．研究成果の公表
本研究成果は、2026年7月12日、科学誌「Optics &amp;amp; Laser Technology」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【論文タイトル】Optical comb-based interferometry with sinusoidal phase modulation for full-field surface profile and tomographic measurement&lt;br /&gt;
【著者】Samuel Choi, Souta Miura, Atsuto Sugai, Shivam Kumar Chaubey, Fumiaki Nin, Hiroshi Hibino, Osami Sasaki.&lt;br /&gt;
【doi】10.1016/j.optlastec.2026.115926&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Ⅵ．謝辞
　本研究は、JSPS 科研費（24K21607, 24K02596 及び24K00897）、 日本医療研究開発機構（AMED）革新的先端研究開発支援事業AMED-CRESTメカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出研究領域「内耳による音のナノ振動の受容・応答機構の解明と難聴治療への展開」、同AMED-CRESTマルチセンシングネットワークの統合的理解と制御機構の解明による革新的医療技術開発研究領域「加齢性難聴の克服に資する病態解明と次世代型医療の基盤技術の創出」、及びJST創発的研究支援事業（グラント番号：JPMJFR 25126424）の助成を受けて行われました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
（注1）光周波数コム（Optical Frequency Comb）&lt;br /&gt;
光の周波数（光の色）が、櫛（くし）の歯のように等間隔に並んだ特殊なレーザ光。多数の周波数をもつ光波が正確にそろっているため、「光の物差し」として距離計測や分光分析に使われる。非常に高い精度で光の周波数を扱えることが特徴。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注2）正弦波位相変調（Sinusoidal Phase Modulation: SPM）&lt;br /&gt;
干渉光の干渉縞や時間波形の位相（波のタイミング）を、正弦波の形で周期的に揺らす技術。レーザ干渉計において広く用いられ、光路差情報である干渉縞の位相を定量的に求めることができる。本研究では、従来測れなかった「盲領域」を検出可能にする重要な役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注3）EOコム（Electro‑Optic Comb）&lt;br /&gt;
電気信号で光を高速に変調して作る光周波数コム。レーザ光に電気的な変調を加えることで、等間隔の多数の光周波数成分を生成できる。装置構成が比較的簡便で、電子的に制御しやすく周波数間隔が可変であることが特徴である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注4）スーパーコンティニウム（Supercontinuum）&lt;br /&gt;
単色のレーザ光を特殊な光ファイバに通すことで、非常に広い波長帯域に広がった「白色光のような光」を作る技術。本研究では、EOコムを光ファイバで広帯域化し、深さ方向の分解能を高めるために利用している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
（注5）OCT（Optical Coherence Tomography：光干渉断層撮像法）&lt;br /&gt;
光の干渉を利用して、物体の内部構造を非接触で撮影する技術。医療分野では眼科検査や生体組織の観察に広く使われている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202608053740/_prw_PI5im_TIX5bJv0.png" length="" type="image/png"/>
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        <title>光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608043658</link>
        <pubDate>Wed, 05 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>岐阜大学</dc:creator>
        <description>光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功 ―中性子星の謎などに迫る新たな観測― 研究成果のポイント ・「反Kメソン」と呼ばれる特殊な粒子が「糊」となって陽子や中性子を強く結びつけた原子核を、光...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年8月5日&lt;br /&gt;


大阪大学&lt;br /&gt;
京都産業大学&lt;br /&gt;
岐阜大学&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;

光子ビームで反Ｋメソンを含む原子核の観測に初成功  ―中性子星の謎などに迫る新たな観測―
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究成果のポイント
・「反Kメソン」と呼ばれる特殊な粒子が「糊」となって陽子や中性子を強く結びつけた原子核を、光子ビームを使った実験で初めて観測した&lt;br /&gt;
・反Kメソン原子核の運動量分布を参照することでほかの現象との判別が可能になった&lt;br /&gt;
・高密度核物質や中性子星の内部構造といった物質の起源に迫る理解の進展に期待&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
概要
　大阪大学核物理研究センターの小早川亮特任研究員、石川貴嗣教授、京都産業大学理学部の新山雅之教授、東北大学先端量子ビーム科学研究センターの大西宏明教授、韓国・高麗大学校のJung Keun Ahn教授、岐阜大学教育学部の住濱水季教授、中国近代物理研究所の村松憲仁教授、理化学研究所仁科加速器科学研究センターのYue Ma専任研究員、京都大学理学研究科の冨田夏希准教授、台湾中央研究院のWen-Chen Chang教授、カナダ・サスカチュワン大学のChary Rangacharyulu教授らの国際共同研究グループ「LEPS2/Solenoid コラボレーション」は、図1のような通常とは異なる「糊」が陽子と中性子を結びつけた原子核を、光子ビームを使った実験において、世界で初めて観測することに成功しました。具体的には反Kメソン※1と呼ばれる粒子が陽子や中性子を強く結びつけた状態です。&lt;br /&gt;
　実験は、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8※２のレーザー電子光※３実験施設LEPS2における大型ソレノイド分光装置を使った初めての成果です。LEPS2は大阪大学核物理研究センターと東北大学先端量子ビーム科学研究センターが共同で運用しています。&lt;br /&gt;
　身の回りの物質を構成する原子の中心には陽子と中性子からなる原子核があります。湯川秀樹博士によりπメソン※４(π中間子)という粒子が、陽子や中性子を糊のように結びつけていることがわかりました。陽子や中性子、そしてπメソンは、物質の最小構成要素である素粒子のクォークの中でuクォークとdクォーク、およびこれらの反クォークでできています。クォークには他にも種類があり、クォークが集まってできる粒子をハドロンと呼んでいます。ハドロンには3つのクォークからなるバリオン、クォークと反クォークからなるメソンの2種類があります。しかし非常に密度の高い中性子星の内部などでは、陽子や中性子がもたないsクォークを含む特殊な原子核（ハイパー核）が存在すると考えられておりますが、sクォークを含む反Kメソンが糊として働くような原子核(反Kメソン原子核)が存在するかは謎でした。&lt;br /&gt;
　今回、LEPS2/Solenoidコラボレーションでは、光子ビームを使って重陽子から反Kメソン原子核を生成・観測することに成功しました。sクォークを含まない光子・重陽子衝突からの生成に初めて成功したことにより、反Kメソンが原子核を作り上げる糊としてしっかり働いていることが明らかにされました。これまで茨城県那珂郡東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)における反Kメソンビームの実験で候補となる存在が見つかっていますが、全く異なる反応(ビーム)で同じ状態が見つかった、すなわち反Kメソン原子核状態が存在する可能性が高まった、ということを意味します。また生成された反Kメソン原子核の運動量分布から、通常の原子核である重陽子に比べ、二つの核子がより引き寄せられた状態である可能性が強く示唆されました。このことは、未だよくわかっていない高密度の核物質※５や中性子星※６の内部構造を理解するために極めて重要な情報をもたらし、進展が期待されます。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、国際的な物理専門誌「Physics Letters B」に、7月9日（木）に公開されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1　反Kメソンが入り込み、糊のように陽子や中性子（合わせて核子）を強く結びつける原子核。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【石川貴嗣教授のコメント】&lt;br /&gt;
本研究成果を学術論文としてまとめた小早川亮特任研究員は、2015年からLEPS2実験施設の大型ソレノイド分光装置における検出器開発・建設の中核を担ってきました。特に主要検出器である三次元飛跡検出器TPCの立ち上げ・運用では数々の技術的課題を粘り強く克服し、長年にわたる挑戦の積み重ねが、今回の反Kメソン原子核の光子ビームでの世界初観測という画期的な成果へと結実しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景
　私たちの身の回りにあるものは、すべて原子でできています。その原子の中心には「原子核」があり、原子核は陽子と中性子からできています。この陽子や中性子は、さらに「クォーク」という、これ以上分けられない一番小さな粒からできています。クォークが集まってできる粒子を「ハドロン」と呼びます。ハドロンには2種類あり、クォーク3つでできる「バリオン」(陽子や中性子はこの仲間)と、クォークと反クォークでできる「メソン」です。こうしてクォークからハドロンができることが、物質が作られていく最初のステップです。実は、私たちの身の回りにある物質の質量の98〜99%は、このステップで生まれています。&lt;br /&gt;
　普通の原子核では、陽子や中性子はπメソンをキャッチボールのようにやり取りすることで、互いに引き合っています。このやり取りが、原子核をまとめる「糊」のような役割を果たしています。陽子や中性子、πメソンはuクォーク、dクォーク、およびこれらの反クォークからできているため、原子核の中でπメソンは露わに現れません。これとは別に、sクォークを含む反Kメソンという特殊な粒子も、陽子や中性子を強く引きつけることが分かっていました。sクォークは一般的な物質の中には含まれませんが、宇宙線の中にはsクォークを含む粒子が観測されることがあり、中性子星のような非常に密度が高い物質の中にもあると考えられています。またsクォークを含む粒子を人工的につくることもできます。&lt;br /&gt;
　反Kメソンは、πメソンのようにやり取りされるのではなく、原子核の中に実際の粒子として入り込み、周りの陽子や中性子を直接引きつけると考えられています。つまり、原子核の中に反Kメソンそのものがとどまることで、ずっとコンパクトな原子核ができる、と考えられます。そのため、「反Kメソンを原子核内に抱え込んだ、通常よりずっと小さくまとまった原子核があるのではないか」と長年考えられてきましたが、実験結果の解釈がはっきりせず、本当にあるのかは分かっていませんでした。&lt;br /&gt;
　そんな中、J-PARCのE15実験で、反Kメソンをビームとして原子核に照射する実験が行われ、反Kメソンを含む原子核の候補が報告されました。この新種の原子核の存在や性質を明らかにするため、他のビーム、とくにsクォークを含まないビームを用いた実験での確認が待たれていました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
研究の内容
　LEPS2/Solenoidコラボレーションでは、光子・重陽子衝突実験で、反Kメソンを含む原子核を生成・観測することに世界で初めて成功しました。&lt;br /&gt;
　この実験では、紫外線レーザーを大型放射光施設SPring-8の電子蓄積リングに入射し、レーザーと8 GeVの高エネルギー電子のコンプトン散乱で得られる1.3～2.4 GeVの高エネルギーガンマ線を光子ビームとして使用しています。このような光子ビームをレーザー電子光と呼んでいます。レーザー電子光は蓄積リング棟とは別のLEPS2実験棟まで導き、このレーザー電子光を液体重水素標的※７に照射しました。光子・重陽子衝突では様々な反応が起こりますが、本実験では、図2の磁気スペクトロメータSolenoidを使って、主に荷電粒子の運動量とエネルギーを測定することで反応を同定しています。反Kメソン原子核の観測では、中性Kメソン、Λバリオン※８、陽子の三つのハドロンを同時に生成する反応を調べました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2　大型ソレノイド分光装置Solenoid。ソレノイド電磁石の中心に、液体重水素標的を配置し、荷電粒子に対して飛跡検出器と飛行時間検出器を使って、どのような粒子がどのような運動量とエネルギーを持って放出されたかを測定します。模式図では、大きさを表すため人を書き込んでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　反 K メソン原子核は、崩壊して Λ バリオンと陽子になると期待されます。そこで、 Λ バリオンと陽子の不変質量※９を調べることで、反 K メソン原子核の生成を調べました。 Λ バリオンと陽子の不変質量を示した図3では、Λ バリオンと陽子が最終的に生成されていても、反 K メソン原子核が形成されていない背景事象がたくさん存在します。 Λ バリオンと陽子がもつ運動量分布を参照することで反 K メソン原子核が確かに存在することを確かめました。sクォークを含まない光子・重陽子衝突での生成に初めて成功したことにより、反 K メソンが原子核を作り上げる糊として機能していることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図3　Λバリオンと陽子の不変質量分布。反Kメソンを糊とする原子核が崩壊してΛバリオンと陽子が発生した信号事象とこれらが独立に生成された背景事象は、Λバリオンと陽子がもつ運動量を使って弁別しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究成果が社会に与える影響（本研究成果の意義）
　本研究成果とJ-PARCのE15実験での成果を合わせて、反Kメソンを糊とする原子核の存在が確実なものとなりました。また反Kメソン原子核の運動量分布から、通常の原子核である重陽子よりも、はるかに二つの核子が引き寄せられた状態であることがわかりました。そのため未だよく理解されていない高密度である核物質や中性子星の内部構造に対して極めて重要な情報をもたらします。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
特記事項
本研究成果は、国際的な物理専門誌「Physics Letters B」に、7月9日に公開されました。&lt;br /&gt;
タイトル：Evidence for a K ̅NN quasi-bound state in the γd→K^0 Λp reaction&lt;br /&gt;
著者名： R. Kobayakawa, J.K. Ahn, S. Ajimura, W.-C. Chang, M.-L. Chu, S. Daté, T. Gogami, T.A. Hashimoto, T. Hotta, T. Ishikawa, H. Katsuragawa, H. Kohri, Y. Ma, M. Miyabe, K. Mizutani, N. Muramatsu, T. Nakano, T. H. Nam, M. Niiyama, Y. Nozawa, Y. Ohashi, H. Ohkuma, H. Ohnishi, T. Ohta, C. Rangacharyulu, S.Y. Ryu, Y. Sada, H. Shimizu, M. Sumihama, S. Suzuki, S. Tanaka, A.O. Tokiyasu, N. Tomida, K. Watanabe, T. Yorita, C. Yoshida, and M. Yosoi (LEPS2/Solenoid Collaboration)&lt;br /&gt;
ＤＯＩ：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.physletb.2026.140719&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.physletb.2026.140719&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業(15H00839, 16K13806, 17H02892, 18H05402, 20H01933, 21H00114, 21H01110, 21H01115, 21H04986, 22H00124, 433 23H01201, 24H00232)、韓国研究財団（NRF）の助成事業 (2020R1A3B2079993)、台湾（中華民国）国家科学及技術委員会の助成事業の助成を受けて推進しました。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
用語説明
※1　反Kメソン&lt;br /&gt;
反K(ケイ)中間子とも呼ばれる。反uクォークまたは反dクォーク、およびsクォークからなるメソン。核子との間に非常に強い引力が働くことが知られており、核子同士を強く束縛する「糊」として働く可能性がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2　 SPring-8&lt;br /&gt;
兵庫県播磨科学公園都市にある世界最高性能の大型放射光施設。8 GeVまで加速した電子から放射光（X線）を発生させ、物質・生命・材料科学など幅広い研究に利用されている。本研究では、LEPS2ビームラインでレーザー電子光を用いたハドロン生成実験を行った。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3　 レーザー電子光&lt;br /&gt;
高エネルギー電子にレーザー光を正面衝突させて発生させる高エネルギーガンマ線。散乱後の電子の運動量を測定することで、それぞれのガンマ線のエネルギーを高い精度で決定（標識化）できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4　πメソン&lt;br /&gt;
π(パイ)中間子とも呼ばれる。uクォークまたはdクォーク、および反uクォークまたは反dクォークからなるメソンの総称。陽子や中性子(核子)の間に働く力を伝え、原子核を形作る「糊」のような役割を果たす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※５　核物質&lt;br /&gt;
陽子や中性子（核子）が隙間なく集まった高密度の物質。通常の原子核も小さな核物質と考えることができる。反Kメソンが核子同士を強く束縛すると、通常の原子核よりさらに高密度な核物質が実現する可能性があり、その研究は中性子星内部の超高密度物質の理解にもつながると期待されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※６　中性子星&lt;br /&gt;
太陽の約8倍以上の質量をもつ恒星が一生の最後に超新星爆発を起こした後に残る超高密度の天体。太陽の約1～2倍の質量が直径約20 kmの球に詰め込まれている。内部には原子核を超える高密度の物質が存在すると考えられており、反Kメソンと核子の相互作用を理解することは、そのような極限環境の物質の性質を解明する手掛かりになる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※７　液体重水素標的&lt;br /&gt;
重水素（陽子1個と中性子1個からなる重陽子原子核と電子からなる原子または分子）を約20 K（約−253 ℃）まで冷却して液体にした標的。気体のままより約1000倍高い密度となるため、多くの反応を効率よく測定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※８　Λバリオン&lt;br /&gt;
uクォーク、dクォーク、sクォークからなる電気的に中性なバリオン。ごく短時間で負電荷のπメソンと正電荷の陽子に崩壊するため、これらの粒子の運動量とエネルギーを測定することで、もとのΛ(ラムダ)バリオンの性質を調べることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※９　不変質量&lt;br /&gt;
複数の粒子を一つの粒子としてみなしたときの質量。観測する人の運動状態によらず一定であることから、「不変質量」と呼ばれる。新しい粒子や束縛状態を探す際の重要な指標となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考URL
レーザー電子光実験グループ URL &lt;a href=&quot;https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/np1-b/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/np1-b/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
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