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    <title>法人別リリース</title>
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        <title>海洋底の拡がり始めは必ずしも熱くない</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610198180</link>
        <pubDate>Wed, 21 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 熱が少なく冷たい状態でも、広範囲に分布する正断層によってリフトという地殻の凸凹地形が作られていくことを発見 ・ 広域的なマグマ供給の証拠が乏しい条件下でも海洋底拡大が進行する可能性を提示...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 熱が少なく冷たい状態でも、広範囲に分布する正断層によってリフトという地殻の凸凹地形が作られていくことを発見&lt;br /&gt;
・ 広域的なマグマ供給の証拠が乏しい条件下でも海洋底拡大が進行する可能性を提示&lt;br /&gt;
・ 東シナ海における地震リスク評価や防災計画に重要な知見を提供&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）活断層・火山研究部門 大坪 誠 研究部門付らの研究チームは、沖縄トラフ南部で高精度の反射法地震波探査、地殻熱流量測定などを行い、広域的なマグマ供給の証拠が限られた状態で海洋底拡大が進行する可能性を示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
背弧海盆（はいこかいぼん）は、プレートが沈み込む場所の近くで地殻が引っ張られて割れ、海底が拡大することで形成される海の盆地です。このような海洋底が拡大した背弧海盆は日本海をはじめ、地球上に10カ所ほどあり、地下深くから上がってくるマグマの熱によって地殻の強度が下がることでその形成が進行すると考えられています。しかし、海洋底拡大の初期段階において、どのような条件で地殻の凸凹地形であるリフトができるのかはまだよくわかっていません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東シナ海の海底に広がる細長いくぼ地である沖縄トラフは、世界でも数カ所しかない、まさに海洋底が拡大する初期段階にある場所の一つです。今回、研究チームは沖縄トラフ南部の八重山海底地溝と与那国海底地溝でさまざまな海洋調査を実施しました。その結果、海底の地殻熱流量と海底下の断面図より、熱が少なく冷たい状態でも正断層が広範囲に広がることで地殻の凸凹地形が作られることを発見しました。また、局所的なマグマ活動の可能性はあるものの、広域的には熱流量の小さい条件下で、正断層の発達によって海洋底拡大が進行する可能性を示しました。本成果は、海洋地質学および地球物理学分野におけるプレート沈み込み帯での地殻形成プロセスの理解を進めるものであり、深海科学掘削の実施など今後のさらなる研究が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この成果の詳細は、2026年10月21日に「Progress in Earth and Planetary Science」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261021/pr20261021.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261021/pr20261021.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
プレートが沈み込む場所の近くでは、地殻が引っ張られて割れて拡大することで、周囲と比べて水深の深い背弧海盆という盆地が形成されます。背弧海盆の拡大が進むと、より広い海盆へと発達し、海域が拡大することもあります。日本列島は、約1800万年前に日本海の海洋底の拡大が始まり、大陸から分離しました。日本海の海底には、海山などのマグマが噴出してできた地形や、海底拡大の際に形成された正断層など、背弧海盆拡大の痕跡があります。背弧海盆における海底拡大は、地下深くから上昇するマグマの熱によって地殻の強度が低下し、割れやすくなることで進行すると考えられていますが、背弧海盆が拡大を始める初期の段階で、どのように地殻が薄くなっていくのか、未解明の部分が多く、議論が続いています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
沖縄トラフは、日本の南西に位置する東シナ海の海底に広がる、長さ約1,500&amp;nbsp;キロメートル、幅約200&amp;nbsp;キロメートル、水深約2,000&amp;nbsp;メートルの地溝と呼ばれる細長いくぼ地です。そこでは、地下のプレートが引っ張られ、正断層を伴って地殻の凸凹地形であるリフトが形成されつつあり、年間数センチメートルの速度で海底が拡大しています。沖縄トラフは海底の拡大が進行している、世界で数カ所しかない初期状態の背弧海盆の一つと考えられています。そのため、背弧海盆においてどのように地殻が薄くなっていくのか、また海底の拡大が進む要因は何かを検討するための貴重なフィールドです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研らの研究チームは、これまで沖縄トラフ周辺海域において海洋調査を実施し、地下のマグマや断層の分布についての調査を進めてきました[1]。今回、海底のリフトを詳しく調べるため、2023年12月から2024年1月にかけて、学術研究船「白鳳丸」を用いて、沖縄トラフ南部の八重山海底地溝と与那国海底地溝において、地形探査、高精度の反射法地震波探査、地殻熱流量測定、地磁気観測などを組み合わせた調査を実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、文部科学省 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)「Slow-to-Fast地震学（2021～2025年度）」による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
海洋調査の結果、八重山海底地溝と与那国海底地溝では、50 mW/m2程度（1平方メートルあたり50ミリワット程度）という非常に小さい地殻熱流量であることが示されました（図1）。さらに、与那国海底地溝では、広範囲な正断層の存在が確認されましたが、マグマによる加熱の痕跡は見つかりませんでした。八重山海底地溝でも同様に広範囲な正断層が確認され、さらに地殻内部に小規模な貫入体が確認されましたが、全体として地殻の熱流量は小さく、「冷たい地殻」であることが示されました（図2）。また、通常はマグマ活動とともに現れる顕著な地磁気異常もほとんど確認されなかったことから、今回の調査エリアでは広域的なマグマ活動の痕跡が乏しいにもかかわらず、地殻が薄くなっている状況が明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
反射法地震波探査によって示された2つの海底地溝での正断層を含む地下構造によると、小さな正断層が広範囲に認められました。これらの正断層によって地殻は引き伸ばされて凸凹地形が多く形成され、地殻が徐々に広がることが示されました（図2）。特に与那国海底地溝では、広域的なマグマ供給の証拠が限られた状態で、2つの海底地溝での海洋底の底面が下に凸となっているなど、数キロメートルにわたり地殻が薄くなっていました。このことは、従来考えられていたマグマの熱によるリフト形成メカニズムの理論を再考する必要性を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、沖縄トラフ南部において、広域的なマグマ活動の証拠が乏しい状態でも、地殻が引き裂かれようとしていることが確認されました。この発見は、従来の沈み込み帯でのリフト形成の考え方に対する新たな視点を提供するだけでなく、地球の動きや地震の仕組みを理解するうえで重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的意義
これまでの研究で、地震の規模と震源域の地熱環境には相関があることがわかっています。熱によって軟化した地殻においては、地震時にすべる断層の面積が小さくなり、地殻熱流量の大きい場所では規模が大きい地震は起こりにくい傾向にあります。逆に、地殻熱流量が小さい固い地殻では、ひずみをより大きな断層面に蓄積してすべることができるため、規模の大きな地震が起こることがあります。今回の調査で沖縄トラフ南部は、全体的に地殻熱流量が小さいことがわかりました。先行研究によると、沖縄トラフ南部と似た地熱環境ではマグニチュード7を超える規模の地震が発生しています。つまり、沖縄トラフ南部においてもマグニチュード7クラスの地震が発生する可能性は否定できません。この結果は、東シナ海における地震リスク評価や防災計画にも重要な知見となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は地球深部探査船「ちきゅう」により、沖縄トラフ南部でのより深い地中の地殻熱流量の測定を目的とした調査航海を実施する予定です。例えば、海底面から深さ100 メートル程度までの地殻熱流量の測定を行います。断層の広がりや海底面下の地殻熱流量を精度良く明らかにすることで、地震のマグニチュードの評価をはじめとする地震リスク評価に役立ちます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、将来的には、「ちきゅう」による国際海洋科学掘削計画（IODP3）で、沖縄トラフ南部域での海底面下の貫入体やマグマ活動の実態を直接確認することを目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Progress in Earth and Planetary Science&lt;br /&gt;
論文タイトル：Distributed normal faulting and relatively low heat flow conditions during early rifting in the southern Okinawa Trough&lt;br /&gt;
著者：Makoto Otsubo, Masataka Kinoshita, Minoru Ikehara, Ryuta Arai, Ayanori Misawa, Hiroaki Koge, Katsura Kameo, Chiori Tamura, Ryoji Toda, Stephen P. Obrochta, Takanori Kagoshima, Tomohiro Toki, Daisuke Kuwano, Seiya Fujishima, Akane Yamamoto, Natsuki Nomura, Aya Osanai, Keita Kono, Issui Ikuma, Chika Onai, Yusei Miyamoto, Yuka Taira, Yu Miyagi, Soma Sato, Michelle M. Nishimoto, Yukihiko Nakano, Hikaru Iwamaru, Yu Suzuki&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1186/s40645-026-00854-3&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1186/s40645-026-00854-3&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
活断層・火山研究部門 大坪 誠&lt;br /&gt;
地質情報研究部門 三澤文慶、高下裕章&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東京大学地震研究所&lt;br /&gt;
木下正高&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高知大学海洋コア国際研究所&lt;br /&gt;
池原 実&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
海洋研究開発機構&lt;br /&gt;
地震火山研究部門　新井隆太&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東京大学大気海洋研究所&lt;br /&gt;
亀尾 桂、田村千織、戸田亮二&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
秋田大学&lt;br /&gt;
Stephen P. Obrochta、佐藤蒼真（研究当時）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
富山大学&lt;br /&gt;
鹿児島 渉悟&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
琉球大学&lt;br /&gt;
土岐知弘、平良優佳、宮城 裕&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
京都大学&lt;br /&gt;
桑野太輔、藤島誠也&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本大学&lt;br /&gt;
大学院総合基礎科学研究科　山本朱音（研究当時）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高知大学&lt;br /&gt;
野村夏希、小山内 彩、河野敬太、井熊一翠&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
千葉大学&lt;br /&gt;
尾内千花、宮本祐成（研究当時）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本女子大学&lt;br /&gt;
西本桃子&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
株式会社マリン・ワーク・ジャパン&lt;br /&gt;
中野幸彦&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本海洋事業株式会社&lt;br /&gt;
井和丸 光&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ＭＯＬマリン＆エンジニアリング株式会社&lt;br /&gt;
鈴木由布&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] 大坪ほか，IODP掘削に向けた沖縄トラフでの海洋地球科学総合観測：白鳳丸KH-21-3航海速報，日本地球惑星科学連合2021年大会など&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
反射法地震波探査&lt;br /&gt;
ここでは海面付近からエアガンと呼ばれる機材により人工的に振動（地震波）を送り、地下の異なる地層で反射して戻ってくる波を観測して地下の構造を調べる方法。地下の様子を病院のエコー検査のように画像化することができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
地殻熱流量測定&lt;br /&gt;
温度計を海底に差して地中の温度を深さごとに測り、地球の内部から地表に向かってどのくらいの熱が流れているかを調べる方法。このデータにより、地下の温度分布や火山活動などを理解できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
リフト&lt;br /&gt;
地殻が引き裂かれるように伸びて作られる細長い凹地状の構造であり、地溝とも呼ばれる。地殻が薄くなり沈降することで作られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
正断層&lt;br /&gt;
地下の岩盤が引っ張られる力によって割れ目（断層）ができ、その片方がずり落ちるようにずれる事象。正断層によって大地が上下に動くことで、山や谷などの地形が作られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
マグニチュード&lt;br /&gt;
地震の「規模」や「エネルギーの大きさ」を示す値。マグニチュードが大きくなると一般的には地震を起こす断層面の広さは大きくなる。マグニチュードが2大きくなると、地震のエネルギーは約1000倍大きくなり、揺れの範囲や被害の大きさにも大きく影響する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261021/pr20261021.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261021/pr20261021.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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    <item>
        <title>細胞間接着分子がつながる瞬間を膜の上でとらえた</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610147863</link>
        <pubDate>Mon, 19 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 細胞膜に近い環境を人工脂質膜上で再現し、細胞間接着分子カドヘリンの結合・解離を直接観察 ・ 高速原子間力顕微鏡（高速AFM）により、カドヘリン複合体の動的な結合過程を分子レベルで可視化 ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 細胞膜に近い環境を人工脂質膜上で再現し、細胞間接着分子カドヘリンの結合・解離を直接観察&lt;br /&gt;
・ 高速原子間力顕微鏡（高速AFM）により、カドヘリン複合体の動的な結合過程を分子レベルで可視化&lt;br /&gt;
・ 静的な構造情報では説明できない多様な動的結合様式を解明し、細胞間接着・関連疾患に新たな知見&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）モレキュラーバイオシステム研究部門 西口 茂孝 主任研究員と、国立大学法人東京科学大学 生命理工学院 古田 忠臣 助教、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 大学院理学研究科 内橋 貴之 教授（大学共同利用機関法人自然科学研究機構 生命創成探究センター 客員教授）の研究チームは共同で、細胞膜を模した人工脂質膜上でカドヘリン複合体の結合過程を再現し、高速原子間力顕微鏡（高速AFM）によって、その動きを分子レベルで直接観察しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
カドヘリンは、細胞表面に存在する膜タンパク質で、隣り合う細胞同士をつなぎとめる役割を担います。細胞膜上では多数のカドヘリンが集まり複合体を形成することで、細胞同士の接着が安定し、組織の形や構造が保たれます。一方、こうした複合体が膜上でどのように結合・解離するのかを分子が動く状態のまま直接捉えることは難しく、細胞間接着の実際の過程には未解明の点が残されていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、研究チームは、細胞膜を模倣した人工脂質膜上にカドヘリンを配置することで、これまで観察が困難だったカドヘリン複合体の結合過程の観察を可能にしました。液中における分子の構造や動きをナノメートル・ミリ秒の時空間分解能で観察可能な高速AFMを用いた直接観察により、従来の静的な構造モデルだけでは十分に説明できない、カドヘリンの多様な配置や結合過程の存在が明らかになりました。本成果は、細胞間接着の基本原理の理解を深めるとともに、発生異常やがん細胞の浸潤など関連する疾患メカニズムの解明にもつながる可能性があります。今回の観察手法は、カドヘリン以外の細胞間接着分子や膜タンパク質の相互作用解析にも応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年10月7日に「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
多細胞生物のからだでは、細胞が単に集まっているだけでなく、互いに接着し、位置関係を保ちながら組織を形作っています。細胞間接着は、発生の過程で組織や臓器が正しく形成されるためだけでなく、成体になった後も皮膚や上皮、神経組織などの構造と機能を維持するために重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
カドヘリンは、こうした細胞間接着を担う代表的な膜タンパク質です。隣り合う細胞の膜表面にそれぞれ存在するカドヘリン同士が結合することで、細胞同士のつながりが安定し、組織としてのまとまりが保たれます。また、カドヘリンを介した接着は、細胞の形や並び方、移動、増殖などにも関わるため、単なる「接着剤」ではなく、組織形成を支える重要な情報伝達の場としても注目されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方、カドヘリンの働きや発現のバランスが乱れると、細胞同士の接着が弱まり、細胞の配置や移動が変化することがあります。こうした変化は、発生異常に加え、がん細胞が周囲の組織へ広がる浸潤や転移の過程にも関わると考えられています。そのため、カドヘリンが細胞膜上でどのように結合し、解離するのかを詳しく理解することは、基礎生物学だけでなく、疾患メカニズムの解明にもつながる重要な研究課題です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
カドヘリン同士の結合はからだの形態形成に必須であり、その結合異常はがん細胞の浸潤やさまざまな疾患にも関与することから、カドヘリンの結合メカニズムは1970年代から半世紀近く研究されています。従来、カドヘリンのようなタンパク質の結合構造は、タンパク質を大量に精製して結晶化したり凍結した状態にして調べられていました。この方法で得られるのは結合した状態の静的な構造で、分子が実際にどのように動きながら結合しているのかは分かりません。高速AFMは、液中でタンパク質が結合する様子を、ナノメートル・ミリ秒の時空間スケールで動的に調べることができます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
細胞間接着は、2つのカドヘリンの二量体形成から始まり、その後に複数のカドヘリンが多量体を形成することで強化されると考えられています（図1）。研究チームは、これまでに精製したカドヘリンが二量体を形成する様子を、高速AFMで直接観察することに成功し、カドヘリンがフリップしながら二量体を形成する結合過程を明らかにしていました[1]（図1）。しかし、精製したカドヘリンのみの観察では実際の細胞膜上で生じると言われている多量体形成を確認することはできず、カドヘリンがどのように多量体を形成するのかは明らかにできていませんでした。そこで今回、新たに細胞膜環境を模倣した人工脂質膜を使用した観察技術を開発することで、カドヘリンの多量体形成を誘導して観察できるのではないかと考え、人工脂質膜と高速AFMを用いたカドヘリンの多量体観察手法の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、JSPS科研費（JP22K14577、JP24K01309、JP26H01626）、文部科学省 共同利用・共同研究システム形成事業 ～学際領域展開ハブ形成プログラム～（JPMXP1323015482）による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
これまで、人工脂質膜上における膜タンパク質の高速AFM観察は、他の研究者らによっても取り組まれてきましたが、カドヘリンが細胞外に大きく露出した構造をもつことから、脂質膜-タンパク質間の高低差や脂質膜上でのタンパク質の活発な運動により、高速AFM観察におけるカンチレバー探針によるスキャンが阻害されるため観察できないという技術的課題がありました（図2）。そこで、研究チームは、カドヘリンを脂質膜に固定化するためのタンパク質と脂質の化学修飾、流動性の低い脂質を主成分とした混合脂質膜の組成、観察基板上における人工脂質膜の配置など、さまざまな条件を検討し、パッチ状に配置した人工脂質膜の端面に精製カドヘリンを固定化することで、カドヘリンの配向や運動に起因するカンチレバー探針のスキャンの阻害を低減して観察する方法を新たに開発しました（図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
人工脂質膜上でのカドヘリンの高速AFM観察の結果、人工脂質膜への固定化によりカドヘリンが多量体を形成することが明らかになりました。これは、膜の有無によって細胞間接着タンパク質にとって重要な結合機能が変化することを示す成果です。また、過去に報告されたカドヘリンの結晶構造解析では、カドヘリンは相対する膜間における結合（トランス結合）と同一膜上における結合（シス結合）によって多量体を形成する可能性が示唆されていました（図3）。しかし、実際の膜上で同様の構造を形成するかについては分かっていませんでした。そこで、過去に報告された結晶構造モデルから再構成したシミュレーションAFM画像と実際に人工脂質膜上で観察したカドヘリンの高速AFM画像を比較した結果、カドヘリンは人工脂質膜上でも結晶構造モデルと同様の多量体を形成することが分かりました（図3)。さらに、シミュレーションAFM像とは異なる、これまでに報告されていない新規の構造の多量体も観察されました（図4）。これらの結果は、脂質膜上において、カドヘリンが既知の多量体構造だけでなく、多様な結合様式の多量体を形成することを示す新しい発見です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、脂質膜上におけるカドヘリンの多量体形成過程を観察した結果、カドヘリンは研究チームがこれまでに観察した分子が反転するフリップ運動による結合（図1）だけでなく、相対する脂質膜間において、フリップ運動を経ずに相手側のカドヘリンにトランス結合することも明らかになりました（図5）。分子がホップするように相手側のカドヘリンに結合していることから、この運動をホップ運動と名付けました。これは、カドヘリンのトランス結合過程に、これまでに知られていたフリップ運動による結合経路だけではなく、ホップ運動による結合経路も存在することを示す新たな知見です。また、カドヘリンが多量体を形成する際に、相対する膜間におけるトランス結合と、同一膜上におけるシス結合がどのような順序で進行するかについても長年議論されてきましたが、今回の高速AFMによる直接観察により、単一の結合経路ではなくさまざまな順序を経て多量体を形成し得ることが初めて明らかになりました（図6）。これらの結果は、カドヘリンの結合メカニズムやカドヘリンの結合異常による疾患発生メカニズムを理解するための重要な研究成果です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
実際の細胞膜上では、カドヘリンだけでなく、さまざまな種類の細胞間接着タンパク質によって細胞同士がつながれており、これらのタンパク質の結合機能の異常が、がん細胞の浸潤、白血病、心疾患などの疾患を引き起こすことが知られています。カドヘリン以外の細胞間接着タンパク質が結合する様子を直接観察した先行研究はなく、本研究成果はさまざまな細胞間接着タンパク質の結合メカニズムの解明に有用な技術となることが期待できます。今後はカドヘリン以外の細胞間接着タンパク質にも本技術を適用することで、これらのタンパク質の結合メカニズムの解明や結合異常を制御するための薬剤評価への応用を目指します。また、実際の細胞膜上では細胞間接着タンパク質の結合状態が細胞で生じる力によってコントロールされていることが知られています。今回開発した人工脂質膜上におけるタンパク質の観察技術にさらに力を加える技術を追加することで、より細胞膜上に近い環境での解析技術開発も目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)&lt;br /&gt;
論文タイトル：Trans- and cis-interaction dynamics of cadherin complexes on membranes visualized by high-speed atomic force microscopy&lt;br /&gt;
著者：Shigetaka Nishiguchi, Tadaomi Furuta, Takayuki Uchihashi&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1073/pnas.2620441123&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1073/pnas.2620441123&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Nishiguchi, S. et al. Multiple dimeric structures and strand-swap dimerization of E-cadherin in solution visualized by high-speed atomic force microscopy. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS). 2022, vol. 119, no. 30, e2208067119. DOI: 10.1073/pnas.2208067119.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
カドヘリン&lt;br /&gt;
細胞と細胞をつなぐカルシウム依存性の細胞間接着タンパク質。カドヘリンは細胞外領域、膜貫通領域、細胞質領域から構成されており、細胞外領域が細胞間における結合を担っている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高速原子間力顕微鏡（高速AFM）&lt;br /&gt;
AFMは観察基板に吸着したタンパク質などの観察対象物を先鋭な探針でなぞる（スキャンする）ことにより、試料の表面形状をナノメートル分解能で画像化できる顕微鏡である。高速AFM ではサブ秒（～100 ms/frame）の時間分解能でリアルタイムイメージングが可能であり、液中におけるタンパク質やナノ材料の構造変化などの動態観察に利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261019/pr20261019.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261019/pr20261019.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202610147863/_prw_PI1im_58NELh4I.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>オール電気めっきで超薄型パラジウム水素分離膜を高耐圧化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610137749</link>
        <pubDate>Thu, 15 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 高純度水素の供給に貢献する高性能で低コスト化につながるパラジウム水素分離膜を開発・評価 ・ 約1.5 µmの薄いパラジウム層を、空孔率を制御した多孔質ニッケル支持体で支え、高い圧力差に耐...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 高純度水素の供給に貢献する高性能で低コスト化につながるパラジウム水素分離膜を開発・評価&lt;br /&gt;
・ 約1.5 µmの薄いパラジウム層を、空孔率を制御した多孔質ニッケル支持体で支え、高い圧力差に耐える構造を実現&lt;br /&gt;
・ オール電気めっきプロセスによる新しい製造法を、大面積化・量産化に向けた有力手法として提示&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）再生可能エネルギー研究センター 遠藤 成輝 主任研究員は、株式会社山王（以下「山王」という）と共同で、電気めっき法を用いて、厚さ約1.5 µmのパラジウム（Pd）層と多孔質ニッケル（Ni）支持体を一体化した、自立型のパラジウム／多孔質ニッケル複合水素分離膜を開発し、その性能を評価しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高純度水素は、半導体の製造工程、燃料電池、化学プロセスなどで利用される重要なエネルギー媒体・原料です。こうした用途で高純度な水素を供給するためには、水素を他のガスから効率よく分離し、高純度化する技術が必要になります。パラジウム膜は水素を選択的に通す性質を持つため、有望な水素分離膜として研究開発が進められています。一方で、パラジウムは高価な貴金属であり、膜を薄くして使用量を減らすことが求められます。しかし、薄い膜は圧力差で破損しやすいため、低コスト化と信頼性の両立が課題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、薄いパラジウム層と多孔質ニッケル支持体を全て電気めっきで形成し、両者を一枚とした複合水素分離膜を開発しました。多孔質ニッケル支持体が水素の通り道を確保しながら薄いパラジウム層を支えることで、厚さ約1.5 µmのパラジウム層でも、400 ℃、0.75 MPa（7.5気圧）の差圧に耐え、有効直径7.1 mmの膜で1分あたり　150 cm³を超える水素流量を示しました。本成果は、高価なパラジウムの使用量を抑えつつ、高い水素透過性と耐差圧性を両立できることを示すもので、水素精製装置や膜反応器の低コスト化・高性能化に貢献すると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月2日に「International Journal of Hydrogen Energy」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
高純度水素ガスは、半導体の製造工程、燃料電池、化学プロセスなどで利用される重要なエネルギー媒体・原料です。こうした用途で高純度な水素を供給するためには、水素を他のガスから効率よく分離し、高純度で供給する技術が必要になります。パラジウム膜は、水素だけを選択的に通す性質を持ち、高純度水素を連続的に取り出せる小型・省エネルギーな分離技術として期待されており、パラジウム膜の高性能化と低コスト化が重要な開発課題となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
パラジウム膜を用いた水素精製では、水素を含むガスを膜の片側に加圧して供給し、膜の両側に生じる圧力差を利用して水素を取り出します。そのため、分離膜には水素をよく通す性能だけでなく、圧力差に耐えてガスシール性を保つ機械的な強さが求められます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方で、パラジウムは高価な貴金属であるため、実用化に向けては使用量を削減しながら性能を維持することが課題となっています。膜を薄くすると、パラジウムの使用量を減らせるだけでなく、水素透過性能も向上します。しかし、薄膜化に伴い、圧力差や加熱・冷却の繰り返しによる破損が生じやすくなります。そのため、低コスト化につながる薄膜化と、実用化に必要となる耐久性・信頼性を同時に満たす膜構造の研究開発が行われています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
中でも、パラジウム薄膜と多孔質支持体を組み合わせた構造の開発は、パラジウム水素分離膜を実用化する上で重要な開発テーマの一つです。この構造では、多孔質支持体が水素を含むガスの通り道を確保しながら、薄いパラジウム膜を機械的に支えます。従来は、多孔質支持体の材料として、主にセラミックスやステンレスなどが検討されてきましたが、成膜工程が複雑になりやすいことや、薄いパラジウム膜に欠陥が生じやすいことが問題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研はこれまでに、パラジウムを用いた水素分離膜の研究開発において、電気めっきによるワンステップPdCu合金膜、単層純パラジウム膜、および多孔質ニッケル金属支持体を用いた分離膜の研究成果を報告しています（参考情報（1）〜（3））。一方で、パラジウム膜の薄膜化を進めるには、水素を通しやすく、かつ薄い膜を支える支持体との一体化が重要です。今回、これらの要素技術を組み合わせ、厚さ約1.5 µmの超薄型パラジウム層と多孔質ニッケル支持体を一体化した自立型複合膜を開発・評価しました。本研究では、山王が膜の成膜および実験データの取得を担い、産総研が得られたデータに基づく性能解析と考察を行うことで、膜構造と性能の関係を明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、電気めっき法を用いて、厚さ約1.5 µmのパラジウム（Pd）層と多孔質ニッケル（Ni）支持体を一体化した、自立型のパラジウム／多孔質ニッケル複合水素分離膜を開発しました。Pd層は水素のみを選択的に通す役割を担い、多孔質Ni支持体は水素の通り道を確保しながら、極めて薄いPd層を機械的に支える役割を担います。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回の成果のポイントは、高価なPdの使用量を抑える薄膜化と、実用上重要となる耐差圧性を両立した点です。空孔率約30 %の多孔質Ni支持体を用いた膜では、ヘリウムリーク試験で明確な漏れは確認されず、ガスシール性を維持しました。その上で、400 ℃、差圧0.75 MPaの条件で、有効直径7.1 mmの膜において1分あたり150 cm³を超える水素流量を示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、薄いPd層を先に形成し、その上に多孔質Ni支持体を重ねる製膜プロセスを用いました。特徴は、水素を選択的に通すPd層と、それを機械的に支える多孔質Ni支持体の両方を電気めっきで形成する「オール電気めっき製膜」により、自立型のPd／多孔質Ni複合膜を作製した点です。電気めっき法は、膜厚や析出量を制御しやすく、異なる金属層を連続的に形成できるため、超薄型Pd層と多孔質Ni支持体を一体化した複合膜の作製に適しています。また、平板状の導電性基板上に必要な金属層を順次形成する工程であるため、基板サイズやめっき槽を拡大することで大面積膜の作製に展開しやすく、量産化を見据えた製造方法としても有望です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
具体的には、まず平滑なステンレス基板上に、緻密なPd層を電気めっきで形成しました。次に、そのPd層の上に、水素の流路と機械的な支えを兼ねる多孔質Ni支持体を電気めっきで形成しました。最後に基板から剝離することで、Pd層と多孔質Ni支持体が一体化した自立型複合膜を得ました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、多孔質Ni支持体の空孔率を変えた複合膜を作製し、水素透過性と耐差圧性の関係を調べました。一般に、空孔率を高めると水素の流路は増える一方、支持体の機械的強度が低下する可能性があります。本研究では、作製した膜の比較評価により、空孔率約30 %の支持体が、薄いPd層を支えながら水素を多量に通す構造として有効であることを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究グループがこれまでに報告した厚さ5 µmの単層純Pd膜（有効直径7.1 mm）は、0.3 MPaの差圧に耐えられませんでした（参考情報（3））。これに対し、今回開発した複合膜はPd層を約1.5 µmまで薄くしながら、0.75 MPaの差圧に耐えられました。また、400℃、0.75 MPaの差圧下で1分あたり150 cm³を超える水素流量を示しました（図3）。さらに、ヘリウムリーク試験で明確な漏れは確認されず、ガスシール性を維持しました。このように、薄いパラジウム層でありながら高い差圧下でガスシール性と水素透過性を維持できる点は、水素精製装置への応用を見据えた上で重要な性能です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、実用条件に近い混合ガスでの水素分離性能、共存ガスによる影響、長時間使用時の耐久性を評価し、水素精製装置や膜反応器への応用に向けた膜構造と製造プロセスの改良を進めます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌： International Journal of Hydrogen Energy 272 (2026) 157351&lt;br /&gt;
論文タイトル：Electroplated Ultrathin Pure-Pd/Porous Ni Composite Membranes with High Hydrogen Permeation and Enhanced Pressure Resistance&lt;br /&gt;
著者：Naruki Endo, Norikazu Dezawa, Yasuhiro Komo&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2026.157351&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2026.157351&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
電気めっき&lt;br /&gt;
金属イオンを含む溶液中で電流を流し、基板表面に金属を析出させて膜や層を形成する方法である。量産化に向き、膜厚や析出量を制御しやすい特徴がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
多孔質ニッケル支持体&lt;br /&gt;
多数の小さな孔を持つニッケル製の支持体である。水素を通すための流路を確保しながら、薄いパラジウム層を機械的に支える役割を担う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
パラジウム膜（パラジウム水素分離膜）&lt;br /&gt;
パラジウムが水素を選択的に通す性質を利用し、水素を含むガスから高純度の水素を取り出すための膜である。金属系水素分離膜の代表的な材料の一つであり、水素精製装置や膜反応器などへの応用が期待される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
耐差圧性&lt;br /&gt;
膜の両側に圧力差がある状態で、破損やガス漏れを起こさずに形状と機能を保つ性質である。水素分離膜を実際の装置で使う上で重要な性能である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] N. Endo, S. Yaegashi, T. Maehata, M. Kumakawa, S. Suzuki, K. Mashiko, and T. Maeda, “High thermal stability and flexibility of thin porous Ni metal support prepared by electroplating deposition for Pd alloy membranes,” Materials Transactions, 58, 1093–1096 (2017).&lt;br /&gt;
[2] N. Endo, Y. Furukawa, K. Goshome, S. Yaegashi, K. Mashiko, and T. Maeda, “Characterization of mechanical strength and hydrogen permeability of a PdCu alloy film prepared by one-step electroplating for hydrogen separation and membrane reactors,” International Journal of Hydrogen Energy, 44, 8290–8297 (2019).&lt;br /&gt;
[3] N. Endo, Y. Kaneko, N. Dezawa, Y. Komo, and M. Higuchi, “Collectable single pure-Pd metal membrane with high strength and flexibility prepared through electroplating for hydrogen purification,” Inorganics, 11, 111 (2023).&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261015/pr20261015.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261015/pr20261015.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>＃産総研25周年特別公開 in つくばセンターの開催について</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610097597</link>
        <pubDate>Wed, 14 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>2026年11月21日（土）10時～16時、年に一度の研究拠点「つくばセンター」の一般公開イベントを開催します。本年度は「あきらめわるく、四半世紀。」をテーマに掲げ、創立25周年を迎えた産総研の研究・...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年11月21日（土）10時～16時、年に一度の研究拠点「つくばセンター」の一般公開イベントを開催します。本年度は「あきらめわるく、四半世紀。」をテーマに掲げ、創立25周年を迎えた産総研の研究・技術や、その先に広がる未来を、研究者との交流や多彩な体験プログラムを通じてご体感いただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
# 産総研25周年特別公開 はココがスゴい！
本年度は産総研創立25周年を記念し、「産総研25周年特別公開」として開催します。主な対象は中学生以上ですが、小学生以下のお子さまもご参加いただけます。&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;今年は体験ブースをさらに拡充し、産総研の25年の歩みを紹介する「25周年ブース」のほか、来場者が研究現場を自由に訪問できるブースや、地質分野に特化したエリアなど、これまで以上に幅広い体験機会を提供します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、昨年度から開始した講演会企画についても、創立25周年を記念して特別ゲストにQuizKnockの須貝駿貴氏を迎えるとともに、昨年度の1講演から大幅に拡充し、全5回の講演を実施します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そのほか、研究者自らが案内する人気企画「ラボツアー」では、全19コース、約1200人分の参加枠をご用意しています。さらに来場者特典として、産総研の“広報漫画家”が取材から作画まで手掛けた「研究者漫画」や、研究者に質問すると受け取れる「研究者カード」も配布予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
# 産総研25周年特別公開 に参加するには？
本イベントへの参加には事前の入場登録が必要です。また、一部企画は事前予約制です。詳細は特設サイトをご確認ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
イベント入場登録：10月1日（木）～（現地参加 先着2,500名）&lt;br /&gt;
企画（講演会・ラボツアー・産総研ではたらくって…？・産総研ジュニア研究体験）予約：10月21日（水）18:00～&lt;br /&gt;
申し込み：特設サイトより&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/sc/openhouse/2026/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/sc/openhouse/2026/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
# 産総研25周年特別公開 どんな企画があるの？
● 講演会　（予約期間：10月21日（水）～、人数限定・先着順）（講演会ごとに事前予約が必要です）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
あの人気者も降臨！研究への情熱をかき立てる、多彩なラインアップ。&lt;br /&gt;
YouTubeで超人気のQuizKnockから須貝駿貴氏が特別公開に参戦ッ！！！今年はそれだけじゃない！研究者漫画の主人公本人が語る研究人生や、産総研のルーツをたどる地質調査の歩み、今注目の地質資源の最新動向など、アツい講演がめじろ押し。どれを聞くか、存分に迷うべし！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● ラボツアー（予約期間：10月21日（水）～、人数限定・先着順）（ツアーごとに事前予約が必要です）&lt;br /&gt;
全19コース、約1200名規模のラボツアーを敢行。普段は見ることのできない研究室を、研究者みずからガイドします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
体感せよ、20 MN（メガニュートン）級の迫力。日本の“力の標準”を支える巨大装置群に圧倒されるツアー&lt;br /&gt;
自動車、航空機、建築物…命を預かる構造物の安全を守るのは、「力」を正確に測る技術。それを支えているのが、国家計量標準機関たる産総研なのだ！1枚あたり最大5トン、合計55トンの巨大なおもりを備えた540 kN実荷重式力標準機に、パスカルの原理で質量換算約2000トンの力を生み出す20 MN油圧式力標準機。スケールはバグっていても超正確な力標準機たちを大公開！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;超きれいな部屋でナノスケール加工＆計測！完全装備でクリーンルームに潜入するツアー&lt;br /&gt;
次世代電子デバイス・ナノ材料・各種センサーの研究開発に使えるナノスケールのデバイス試作共用施設「AIST-NPF」。ミクロのホコリも入り込めないように作られたクリーンルームです。そんな魅惑の空間に、今回は特別に入れちゃいます！実際にクリーンスーツを着て潜入する、超限定ツアー。見学時間をフルで使えるように、早着替えの術を身につけてお越しを！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● 研究体験ブース（事前の企画予約不要）&lt;br /&gt;
入場登録だけでOK！模擬店スタイルで最新研究にサクッとふれられる特設ブースが今年は大増量の32ブース！さらに量子コンピューターの社会実装とグローバルビジネスエコシステム構築を推進する「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）」など、普段は入ることのできない実際の研究施設に入れちゃう訪問型のブース3コマが新登場です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 実物で魅せます。25年の歩みが生んだ最新成果&lt;br /&gt;
研究者たちがあきらめることなく考え、試し、挑み続けてきた四半世紀。産総研のあゆみが生んだ成果の一部──会話の空気を読むAI、光格子時計、生物発光、液体合成燃料、医薬品を合成するトラック型連続精製装置、磁気を読む技術、3D地質地盤図などをデモや模型でご紹介。つぎの当たり前を創る技術に触れてみませんか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 石のこと見ればわかる？割らねばわからぬ！石のこと &lt;br /&gt;
地質調査の基本は、岩石を割って風化していない断面（＝フレッシュな面）を観察すること。ハンマーで岩石を割って、フレッシュな面を観察しましょう。硬さや割れ方で、岩石の個性が見えてきます。全国各地で収集したいろんな岩石を取りそろえて待ってます。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 SFだと思ったら現実だった！日本最大級の量子コンピューター研究拠点で量子の世界を目撃せよ！（訪問型ブース） &lt;br /&gt;
「量子コンピューターって、白いタンクみたいな？」そう、それが超伝導方式！でもそれだけじゃないんです！超伝導、中性原子、光量子──3種類の方式の量子コンピューターをモックで見比べよう！世界唯一の量子計算用スパコンを眺めつつ、量子消しゴム実験で不思議な量子現象も観察できちゃうぞ。そして、「量子のお仕事」に興味が湧いたら、現場の職員と気軽に話せるキャリア相談コーナーへどうぞ！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● 産業技術【採用】研究所（一部事前予約制。予約期間：10月21日（水）～、先着順）&lt;br /&gt;
毎年大好評！研究成果を取り入れた当日限定メニューを、食堂やカフェで提供します。産総研が機能分析を担当した北海道のブランド玉ねぎ「さらさらレッド」を使った一品をはじめ、人気メニューが今年も登場。さらに、「ココアカレー」や「レモンとアールグレイの全粒粉スコーン」など、気になる新作も！数量限定です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;（画像はイメージです）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● 産業技術【採用】研究所（一部事前予約制。予約期間：10月21日（水）～、先着順）&lt;br /&gt;
産総研に入るまで＆入ってからのあれこれを、現役研究者がガッツリ語るピッチ会を開催！リアルな体験談のプレゼンの後、皆さんからの質問や相談にホンネで答えます。人事担当者と気軽に話せるブースもご用意。研究に関わる仕事に興味がある人、集合！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● 常設展示施設（事前の企画予約不要）&lt;br /&gt;
最先端技術から地球 46 億年の歴史まで。2025 年のオープン後、進化し続ける研究展示施設「&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/sc/cube/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;AIST-Cube&lt;/a&gt;」は特別公開当日自由入場！日本有数の地球科学ミュージアム「&lt;a href=&quot;https://www.gsj.jp/Muse/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;地質標本館&lt;/a&gt;」もやってます！研究体験ブースやラボツアーで気になったテーマの深掘りもよし、ぶらりと立ち寄って知的好奇心を満たすもよし。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
● 来場者特典その①　研究者カード　質問して入手！「情報量（と情熱）の多い名刺」。&lt;br /&gt;
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&lt;br /&gt;
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■特別公開の詳細、参加の申し込み■
特設サイト：&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/sc/openhouse/2026/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/sc/openhouse/2026/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
最新情報は公式Xにて。&lt;br /&gt;
※要事前登録。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　　&lt;a href=&quot;https://x.com/AIST_JP&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://x.com/AIST_JP&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;X&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
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                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202610097597/_prw_PI1im_wJt76o3k.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>排ガスからアンモニア資源を製造、社会実装に向けた活動を加速</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202610067353</link>
        <pubDate>Wed, 07 Oct 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 有害なNOxを有価資源であるNH3として回収するベンチスケールの反応試験に成功 ・ NOxを含む大流量の排ガス処理に向けたハニカム触媒やペレット触媒を開発 ・ 産業活動由来の低濃度なNO...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 有害なNOxを有価資源であるNH3として回収するベンチスケールの反応試験に成功&lt;br /&gt;
・ NOxを含む大流量の排ガス処理に向けたハニカム触媒やペレット触媒を開発&lt;br /&gt;
・ 産業活動由来の低濃度なNOxを吸蔵、NH3への資源化により、エネルギー問題、環境問題の同時解決に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）マルチマテリアル研究部門 若林 隆太郎 研究グループ付、冨田 衷子 主任研究員、木村 辰雄 上級主任研究員は、産総研福島再生可能エネルギー研究所（FREA）に整備されている大型（ベンチスケール）装置を使用し、燃焼排ガスと還元ガスを交互に切り替えて燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物（NOx）をアンモニア（NH3）に変換する、吸蔵NTA反応の実証に成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
火力発電施設やごみ焼却場などの燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物（NOx）は、通常は無害化して窒素（N2）へ戻します。本研究は、NOxをアンモニア（NH3）へ変換し、排ガス浄化と資源回収を同時に実現することを目指すものです。研究グループはこれまで、実験室の小型（ラボスケール）装置を使い、NOxをNH3に変換する吸蔵NTA反応用のナノ複合触媒材料の開発と基本原理の実証、材料組成の最適化、利用技術の高度化に取り組んできました[1,2]。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、吸蔵NTA反応によるNOxの資源化技術の社会実装を進めるため、FREAに整備されている大型（ベンチスケール）装置を活用しました。ベンチプラントでの実験を重ね、燃焼排ガスと還元ガスを交互に切り替える吸蔵NTA反応の実証に成功しました。ラボスケールからベンチスケールへのスケールアップを通じて触媒材料を部材化したことによる利用効率の変化や導入ガスの処理能力を把握することで明らかとなる技術的課題の解決の先に、本技術の社会実装による環境問題の解決と有価資源の確保が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261007/pr20261007.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261007/pr20261007.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
火力発電施設やごみ焼却場などでは、高温燃焼の過程で空気中の窒素（N2）と酸素（O2）が反応してNOxが発生します。NOxは、人体や環境に悪影響を与えるため、世界中で法令に基づき、排出濃度や排出総量が規制されています。そのため、現在はNOxをN2へ触媒変換する「無害化」技術が広く採用されています。一方で、この無害化にはNH3や尿素（CO(NH2) 2）などの還元剤が必要です。NH3は、空気中のN2とメタン（CH4）の水蒸気改質などで合成した水素（H2）から多大なエネルギーを必要とする高温・高圧反応（ハーバー・ボッシュ法）により製造され、尿素もNH3から合成します。つまり、現在主流のNOxの処理は、エネルギーを使って製造したNH3などを用いてNOxをN2に戻すプロセスになります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
他方、農作物を育てる際の肥料として大量の窒素化合物がN2を原料として製造されていますが、その確保に要するエネルギーは世界のエネルギー消費の1〜2 %を占めるとされています。さらに、火力発電燃料としてのNH3についても、2050年に年間3,000万トン（H2換算：500万トン）の国内需要を見込んでおり[3]、その確保に必要なエネルギーもまた膨大になることが懸念されます。N2と比較して反応性が格段に高いNOxを廃棄物として「無害化」するのでなく、化学原料としてNH3などに「資源化」できれば排ガスの浄化と有価資源の製造を同時に達成できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、2019年頃から、燃焼排ガスと還元ガスを交互に切り替えて導入する吸蔵NTA反応を提案し、NOxを化学原料とするNH3の選択合成に取り組んでいます[1,2]。研究グループで独自開発した多孔質材料（酸化物系メソポーラス材料）を活用し、多孔性を保持したまま金属触媒と吸蔵成分を精密に複合化したナノ複合触媒材料の設計を中心に、材料組成の選定や反応条件の最適化を進めてきました[2]。ラボスケールの実験では、90 %を超えるNOxの回収とそのNH3化が可能なプロセス条件も見いだしています。しかし、産総研が研究を進めてきた吸蔵NTA反応の社会実装には解決すべきいくつかの技術的な課題があります。特に、産業由来の排ガスに含まれるNOx濃度は0.1 ％以下と低く、低濃度のNOxを確実に回収するためには、触媒を保持する機構（担体）を含め、緻密に設計された反応プロセスを確立する必要があります。単位時間あたりに処理する排ガス量が増え、反応管の容積が大きくなるにつれ、この課題は顕在化します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、ラボスケールでの反応試験の結果を精査しながら、FREAに整備されているベンチプラントを活用し、スケールアップした場合の吸蔵NTA反応によるNH3製造を検証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の委託事業「ムーンショット型研究開発事業／地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現／産業活動由来の希薄な窒素化合物の循環技術創出―プラネタリーバウンダリー問題の解決に向けて」（2020～2025年度）による支援を受けました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
図1に、吸蔵NTA反応に使用するラボスケール装置と大型ベンチスケール装置の実物写真、装置仕様の比較を示しました。ラボスケールの反応装置で使用する反応管の容積はわずか1 cm3程度ですが、FREAに整備されているベンチスケールの反応装置で使用する反応管は約100倍スケール（容積：100 cm3、内径：16 mmφ、長さ：500 mm）です。反応試験を実施する際のガス流量は最大44 L min-1（最大ガス量：2.64 Nm3 h-1、ラボスケールの400倍以上）です。ラボスケール装置よりも10倍以上長い反応管の内部全体に触媒材料を充填します。スケールアップによる、反応の状況の違いをガス組成の変化や反応管内の温度分布を分析、観察することで、実プロセスに必要な情報が収集できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ベンチスケールの反応試験に使用するハニカム触媒を調製するため、反応管（内径：16 mmφ）にモジュール式で充填するハニカム基材（外径：16 mmφ×長さ：62.5 mm）を設計しました。メソポーラスアルミナ（mAl2O3）を触媒担体として、触媒の白金（Pt）と吸蔵成分の酸化バリウム（BaO）を複合化したナノ複合触媒材料（BaO/Pt@mAl2O3）を含むスラリーをその基材に塗布しました。以前の研究でBaO/Pt@mAl2O3を用いたラボスケールの反応試験を実施しており、吸蔵したNOxの90 %超をNH3化する触媒性能を有することを確認しています[2]。超高感度のガス検出器を接続して反応試験を実施した結果、ベンチスケールでの吸蔵NTA反応の実証に成功しました（図2）。吸蔵工程では、NOとO2を含むガスを導入すると、NOがPt触媒上で酸化されてNO2へと変化した後にBaO種と化学的に反応して捕捉されます （動画1）。還元工程では、H2を含む還元ガスに切り替えると、Pt触媒上で解離した水素種により吸蔵したNOxが水素化されてNH3が生成します（動画1）。 還元工程の初期にNH3が多く生成している様子が確認できます。8本のハニカム触媒を充填した反応管を用いた場合、NH3化率は20 %程度になりました。また、ラボスケールの反応装置を併用することで、ガス流速を下げてNOxと触媒材料との接触時間を長くするとNH3化率が改善することや反応試験を40回程度まで繰り返しても触媒性能が安定していることを確認しています。それらの実験結果を踏まえて現在、NH3化率のさらなる改善や大流量の燃焼排ガスの処理に対応するため、再生可能エネルギー研究センターとともにベンチスケール装置の改良を進めています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 動画1 多孔質触媒材料を用いた吸蔵NTA反応の様子 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
市販のアルミナ粒子に金属触媒や吸蔵成分を複合化するような既存技術を利用した量産化や部材化も想定し、BaO/Pt@mAl2O3と同等性能を示す、アルミナ系ペレット触媒の開発も進めています。ペレット触媒の設計には、Pt触媒の平均粒径を調節する必要があり、Pt源（例えば塩化白金酸）を担持した後の焼成温度を適切に選択することが重要です[4]。大型反応管に充填した触媒量［ペレット触媒：44 g］を考慮し、ラボスケールの反応試験とガス流量に対する触媒量が同一となる条件［反応温度：250 ℃、反応時間：60 min、ガス流量 44 L min-1］を決定しました。ごみ焼却場を意識した排ガス組成［（導入ガス１：吸蔵過程、ごみ焼却場を想定した排ガス）200 ppm NO + 10 % O2 + 10 % CO2 + 10 % H2O　⇆ （導入ガス２：還元過程）5 % H2］は固定し、ベンチスケールの反応試験による吸蔵NTA反応の進行を確認しました。触媒量がハニカム触媒の27.5倍に増えたことを反映し、NH3化率は60 %程度に改善されました。また、ガス流量を44 L min-1から8.8 L min-1に下げると、NOxと触媒の接触時間が増え、NH3化率が90 %程度に達することも実証しました （図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上のように、独自開発したナノ複合触媒材料のハニカム部材化や開発材料と類似性能を示すアルミナ系ペレット触媒を用いて、ベンチスケール装置における反応時間を十分に確保するための技術的な課題を解決すれば、吸蔵NTA反応によるNH3化を高効率化できることを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後、実際のごみ焼却場などの排ガス総量の処理に適用することを視野に、反応器の大型化などを通じた技術的な課題を整理し、ベンチスケール反応装置の100倍スケール程度（ごみ焼却場の排ガス総量に対して100分の１スケールに相当）のパイロットスケールの装置構成を検討していきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
吸蔵NTA反応、あるいは周辺技術の社会実装を加速するため、企業連携を含め、ガスタービンやボイラーなどの燃焼設備やその後段に設置してある排ガス処理施設に本技術を接続することを想定し、ライフサイクルアセスメントの評価も進め、環境問題、資源問題、エネルギー問題の解決に資する本技術による窒素問題の解決やサーキュラーエコノミーへの貢献を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Kimura, T. Utilization of reactive nitrogen compounds for nitrogen circular economy, The Chemical Record 2024, vol. 24, no. 8, e202400094. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1002/tcr.202400094&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1002/tcr.202400094&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[2] Tomita, A. et al. Catalytic conversion to ammonia through solid-state nitrate as a proposal for emerging usage of nitrogen oxides, Catalysis Science &amp;amp; Technology 2023, vol. 13, no. 10, p. 2927-2936. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1039/d3cy00169e&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1039/d3cy00169e&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[3] グリーンイノベーション基金事業「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトの研究開発・社会実装計画（経済産業省／資源エネルギー庁、2021年９月）&lt;br /&gt;
[4] Tomita, A. et al. Size-dependent properties of Pt catalysts for the synthesis of NH3&amp;nbsp;during a gas-switching NOxstorage and reduction process using BaO/Pt/γ-Al2O3. Catalysis Science &amp;amp; Technology 2025, vol. 15, no. 21, p. 6477-6485. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1039/d5cy00778j&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1039/d5cy00778j&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
窒素酸化物&lt;br /&gt;
一酸化窒素（NO）や二酸化窒素（NO2）などの窒素酸化物（NOx）の総称。NO2は光化学スモッグや酸性雨の原因物質であり、環境中への排出が規制されている化学物質である。窒素成分を含む物質が燃焼する時に生成するフューエルNOxの他、高温燃焼により空気中のN2とO2が反応して生成するサーマルNOxがある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アンモニア&lt;br /&gt;
常温常圧では無色透明の気体で刺激臭があり、窒素肥料やさまざまな化学製品の原料となる。容易に液化できることから水素キャリアとしても注目されている他、二酸化炭素を排出しない発電用の燃料とする利用技術の開発も進められている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
吸蔵NTA反応&lt;br /&gt;
NOx吸蔵還元（NOx storage-reduction、NSR）反応の一つ。NTAは「NOx to Ammonia」の頭文字に由来する略称である。希薄燃焼ガソリンエンジン車に搭載されている排ガス浄化触媒に採用されているNSR反応による無害化プロセスに学び、排ガス中に含まれるNOxを化学的に捕捉した後にH2などのガスを導入して還元反応を選択的に進行するよう改良した化学反応を指す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ハーバー・ボッシュ法&lt;br /&gt;
高温・高圧でN2とH2を鉄系触媒と反応させてNH3を工業的に製造する方法。100年以上前にドイツの化学者フリッツ・ハーバーと技術者カール・ボッシュが開発し、現在も空気中のN2からNH3を合成する主な方法である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
メソポーラス材料&lt;br /&gt;
ミクロ孔（孔径：2 nm未満）とマクロ孔（孔径：50 nm以上）の中間の孔径（2～50 nmの範囲、メソ孔）を有する多孔質材料。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
金属触媒&lt;br /&gt;
化学反応の前後で状態は変化しないが、主に化学反応を促進する効果を示す金属成分。触媒の多くには白金などの貴金属が用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
吸蔵成分&lt;br /&gt;
NOxと反応して捕捉（吸蔵）するための化学成分を指す。硝酸塩や亜硝酸塩を形成するアルカリ土類金属やアルカリ金属が主に利用される。代表的な化学成分には、それぞれバリウムやカリウムがある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ハニカム触媒・ペレット触媒&lt;br /&gt;
ガスの流通を妨げないような一軸方向に貫通した穴の開いたハニカム支持体、またはペレットに触媒を塗布したものをハニカム触媒・ペレット触媒と呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ライフサイクルアセスメント（LCA）&lt;br /&gt;
製品の調達から廃棄に至るまでの一連の環境負荷を客観的かつ定量的に評価すること。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
関連記事
●燃焼排ガス中の窒素酸化物を資源化する触媒材料&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2023/nr20230131/nr20230131.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2023/nr20230131/nr20230131.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261007/pr20261007.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20261007/pr20261007.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>8th RD20 Conference to Be Held in South Africa, Its First in Africa</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609307021</link>
        <pubDate>Mon, 05 Oct 2026 15:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>AIST</dc:creator>
        <description>The 8th RD20 Conference will be held on October 19-23, 2026, in Pretoria, South Africa, hosted by th...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
PRETORIA, South Africa and TOKYO, Oct. 5, 2026 /Kyodo JBN/ --&lt;br /&gt;


National Institute of Advanced Industrial Science and Technology&lt;br /&gt;

The 8th RD20 Conference will be held on October 19-23, 2026, in Pretoria, South Africa, hosted by the Council for Scientific and Industrial Research (CSIR), with the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) of Japan serving as co-organizer. This will be the first RD20 Conference held on the African continent.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Images:&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI1fl_klZW4OVC.png&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI1fl_klZW4OVC.png&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI2fl_tQHk329J.jpg&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI2fl_tQHk329J.jpg&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI3fl_eQQ8Qs5s.jpg&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI3fl_eQQ8Qs5s.jpg&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI4fl_0RtzhQVA.jpg&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI4fl_0RtzhQVA.jpg&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Details: &lt;a href=&quot;https://kyodonewsprwire.jp/attach/202609307021-O1-1mdOj8UQ.pdf&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://kyodonewsprwire.jp/attach/202609307021-O1-1mdOj8UQ.pdf&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
RD20 (Research and Development 20 for Clean Energy Technologies) is an international initiative launched in 2019 under Japan&amp;rsquo;s leadership to promote international R&amp;amp;D collaboration toward carbon neutrality. It brings together leading research institutions from G20 countries and regions to share research outcomes and knowledge, foster joint research, and strengthen partnerships among industry, academia, and government.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Under the theme &quot;Accelerating Clean Energy Innovation: From Africa to the World,&quot; the 8th RD20 Conference will focus on clean energy technologies and international collaboration, with particular attention to issues relevant to Africa.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
The program will begin on October 19 with Workshop #1, &quot;AI for Energy,&quot; building on discussions from a workshop held in South Korea in April. On October 20, the Technical Session Plenary will feature presentations on hydrogen and energy R&amp;amp;D and innovation, smart grids, energy transition, and pathways to climate neutrality. Public technical sessions will address &quot;Energy Access--Innovative Solutions for Africa&quot; and &quot;Synthetic Fuels.&quot; On October 21, a public session on &quot;Critical Minerals for Energy&quot; will be followed by a members-only workshop on &quot;Clean Hydrogen and Its Derivatives.&quot; The Leaders Session on October 22 will be open to the public in the morning, while the afternoon program will be for members only. The conference will conclude on October 23 with members-only site visits.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Speakers at the Technical Session Plenary include representatives from South Africa&amp;rsquo;s Department of Science, Technology and Innovation (DSTI), the University of Corsica/CEA and CEA of France, and Fraunhofer ISE of Germany.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Public sessions will also be available online, enabling participants worldwide to join the discussions.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Overview:&lt;br /&gt;
Dates: October 19-23, 2026&lt;br /&gt;
Venue: CSIR International Convention Centre, Pretoria, South Africa&lt;br /&gt;
Format: Hybrid (in-person and online)&lt;br /&gt;
Host: Council for Scientific and Industrial Research (CSIR)&lt;br /&gt;
Co-organizer: National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)&lt;br /&gt;
Details and registration&lt;br /&gt;
RD20 Conference website: &lt;a href=&quot;https://rd20.aist.go.jp/conference/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://rd20.aist.go.jp/conference/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107265/202609307021/_prw_PI1im_C2abgx4U.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>発光強度の変化でタイヤ添加剤とアルブミンの結合を「見える化」</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609246535</link>
        <pubDate>Mon, 28 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ アルブミン（生体内タンパク質）と特異的に結合して可視光を放つ発光インジケーターを開発 ・ 生体内に取り込まれたタイヤ添加剤を、発光インジケーターの発光強度の変化から検出・可視化する技術を...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ アルブミン（生体内タンパク質）と特異的に結合して可視光を放つ発光インジケーターを開発&lt;br /&gt;
・ 生体内に取り込まれたタイヤ添加剤を、発光インジケーターの発光強度の変化から検出・可視化する技術を確立、生体内挙動解析が可能に&lt;br /&gt;
・ 紙ベースセンサーに実装することで、大型の分析機器を必要としない簡便・迅速なスクリーニングが可能、環境モニタリングへの応用に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）環境創生研究部門 金 誠培 主任研究員と国立大学法人東京科学大学生命理工学院 生命理工学系 古田&amp;nbsp;忠臣 助教、国立大学法人電気通信大学環境安全衛生管理センター 北田 昇雄 准教授、情報理工学研究科基盤理工学専攻 牧 昌次郎 教授、慶應義塾大学理工学部応用化学科 チッテリオ ダニエル教授、スタンフォード大学 Ramasamy Paulmurugan教授らは、アルブミンと特異的に結合して可視光を放つ発光インジケーターを用いて、タイヤ添加剤として使われる物質を検出・可視化する新しいイメージング技術を開発しました。本技術により、発光インジケーターが化学物質の存在量に応じて示す発光変化を指標として、対象化学物質を迅速に可視化することが可能となりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さまざまな動物のアルブミンに特異的に結合し、特有の色と強さの光を放つ複数の発光インジケーターの分子構造を最適化しました。生体イメージングへの応用により、生きたマウスに経口投与した際、タイヤ添加剤6PPDが肝臓に到達し、アルブミンと結合する様子が20分以内で観察できました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、本手法は紙ベースのセンサーとしても実装可能であり、アルブミンを塗布した紙片に検体と発光インジケーターを滴下するだけで、簡便かつ迅速に化学物質のアルブミンへの作用を可視化することができます。本技術は、大型の分析機器を必要としない簡便・迅速な手法であることから、環境モニタリングへの応用が見込まれます。化学物質とアルブミンとの作用を紙片やマウス個体で可視化できる点に特長があり、今後、生体内で多様な化学物質の生理活性を可視化・シミュレーションする技術へと発展することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年9月28日に「Environmental Science &amp;amp; Technology」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
タイヤの劣化を抑えるための添加剤として用いられる6PPDは、オゾンや酸素によって酸化され、6PPD-Qを生成することが知られています（図１左）。6PPDや6PPD-Qは、タイヤ摩耗粉塵に含まれるほか、大気、水、底質（河川や海などの水底に堆積した泥や有機物など）など広く環境中から検出されており、特に6PPD-Qについては、一部のサケやマスなどの魚類に対する深刻な毒性が報告されています[1]。マイクロプラスチックのうちタイヤ摩耗粉塵は、環境中への流出量が多いと考えられていますが、特に都市部ではこれが河川に流入することで魚類の大量死を引き起こすことも指摘されています。また、食物連鎖により生体に取り込まれた6PPDや6PPD-Qが、動物やヒトの体内でどのように蓄積し作用を引き起こすのか、といった実態の解明は十分に進んでいません。このような化学物質の環境中および生体内での挙動を把握するためには、実環境や生体内で評価できる手法が必要ですが、従来の分析手法では迅速かつ簡便に評価することが困難であり、新たな手法の開発が望まれていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
これまで産総研では、化学物質生理活性の発光可視化に関して幅広く研究を進めてきました（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180517_2/pr20180517_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2018&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180517_2/pr20180517_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年5月17日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;、&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210126_2/pr20210126_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2021&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210126_2/pr20210126_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年1月26日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）。アルブミンはヒトの血液中に最も多く存在するタンパク質であり、全身への栄養分やホルモンの運搬など、生命維持に不可欠な役割を担っています。また、微量元素や脂肪酸、酸素、薬物などさまざまな物質と結合することが知られており、各種疾患の指標として医療現場で広く利用されています。このような背景を踏まえ、本研究では、アルブミンに特異的に結合し、特有の色と強さの光を放つ発光インジケーター（セレンテラジン（CTZ）誘導体からなる発光性の分子、図１右）を開発することで、アルブミンと6PPDなどのタイヤ添加剤との結合を、簡便かつ迅速に「見える化」することを目指し、分子イメージング基盤技術の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究開発は、独立行政法人日本学術振興会（JSPS）の科研費 基盤A「紙ベースバイオセンサーによる革新的な化学物質の高速生理活性評価基盤の創製」（JP25H01207、2025～2028年度）、国際共同研究加速基金（海外連携）「発光細胞アレイを用いた化学物質のホルモン様活性・健康リスク評価基盤の創出」（JP23KK0101、2023～2028年度）、挑戦的研究（萌芽）「マイクロプラスチックによる生理活性の包括的な評価基盤の開発」（JP25K22883、2025～2027年度）による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
「光が消える」ことで化学物質の存在を検知する新しい検出原理&lt;br /&gt;
研究チームは、従来の発光基質（CTZ）の構造を少しずつ変えた複数の「CTZ誘導体」を合成しました（図1右）。アルブミンと結合した発光インジケーターは強い発光を示しますが、化学物質がアルブミンの薬物結合部位に作用すると、この発光が変化し、「発光が弱まる（消える）」という現象が起こります。この特有の発光色と発光強度の変化を測ることで、6PPDや6PPD-Qなどのタイヤ添加剤がどの程度存在しアルブミンと結合しているかをイメージングすることに成功しました。特に、「TS2」「G6」「K2」と名付けた発光インジケーター（図１右）は、ある種のアルブミンにおいて、6PPDなどのタイヤ添加剤が存在した場合に特に発光の変化が大きく、今回の手法を開発するに当たって有用なインジケーターとなりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
実際に試験を行った結果、「K2」と名付けた特定の構造を持つ発光インジケーターは、さまざまな動物の血清アルブミンと結合して発光を示しました。最も高い発光強度を示すウサギの血清アルブミンをはじめ、ヒトやブタの血清アルブミンは、6PPDなどの存在下で特異的に反応し、発光強度が大きく変化する様子が観察されました（図2）。本手法により、体液などの生体サンプルで簡便かつ迅速に6PPDや6PPD-Qの存在をイメージングできたことに加え、従来の濃度測定では捉えにくかった、生体内における化学物質の空間分布や濃度変化を可視化することも可能となりました。なお、本研究では魚類由来アルブミンを用いた評価には至っていませんが、今後は魚類アルブミンの調製を進めることで、魚類に対する6PPD関連物質の評価も目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、研究チームは、開発した発光インジケーターと6PPDおよび6PPD-Qについて、アルブミンとの結合様式を構造モデリングにより解析しました（図3）。その結果、6PPDは発光インジケーターとともにアルブミンの薬物結合部位に存在することが示唆された一方で、6PPD-Qは同部位に入り込まないモデル結果が示され、本手法で観測された発光変化の違いと整合する結果を示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
「紙ベースセンサー」により、どこでも検査が可能に&lt;br /&gt;
この技術を紙ベースのセンサーに応用しました。まず、特殊な加工をした紙の上にアルブミンをスポットした「ペーパーマイクロプレート」を開発しました。検査したい体液などの生体サンプルを発光インジケーターと混ぜて紙に垂らすだけで、6PPDが存在しているかを発光により簡単に判定でき、他の高価な装置が不要です（図4）。安価かつ持ち運びが可能である点から、高濃度で検出される現場でのクイックチェック（迅速簡易測定）としての利用が期待されます。また、本技術はアルブミンを指標とした評価方法であることから、将来的には尿などの体液を用いた診断支援技術への応用も期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
生きているマウスの体内での生体イメージングへの応用&lt;br /&gt;
さらに、この発光反応を生きているマウスの肝臓でも観察することに成功し、生体内においても本発光技術が適用可能であることを実証しました。6PPDを摂取したマウスでは、肝臓での発光が明らかに抑制されることが確認されました。これは、タイヤの添加剤が体内のアルブミンと結合する様子を視覚的に明らかにした世界初の成果です（概要図右）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究で開発した化学物質とアルブミンとの結合の可視化・評価技術は、環境モニタリングに加え、医療・創薬分野への応用も期待されます。具体的には、アルブミンへの結合特性を指標として、薬物候補化合物の体内動態（分布・輸送特性）を評価する新たなスクリーニング手法としての活用が考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、本技術は生体内で検出される濃度でアルブミンを簡便に検出・評価できる特長を有することから、体液中（血液、唾液、尿など）のアルブミン状態を指標とした簡便な診断キットへの応用も考えられます。例えば、アルブミン量の変化を捉えることで、健康状態の変化を診断するツールとしての活用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに本手法は、混ぜて発光強度を確認するという簡便な測定系であるため、現場での迅速スクリーニングやハイスループット解析への展開も見込まれます。今後は、より多様な化学物質への適用を進めることで、汎用的な環境診断プラットフォームとしての確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Environmental Science &amp;amp; Technology&lt;br /&gt;
タイトル：Imaging the Adverse Effects of Tire-Derived Contaminants via Coelenterazine-Facilitated Albumin Luminescence In Vivo&lt;br /&gt;
著者名：Sung-Bae Kim, Tadaomi Furuta, Ryohei Nihongi, Shuma Kinugasa, Nobuo Kitada, Suresh Thangudu, Arutselvan Natarajan, Shojiro A. Maki, Daniel Citterio, Ramasamy Paulmurugan&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/acs.est.6c06255&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/acs.est.6c06255&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考文献
[1] Tian et al., Science, 371(6525), 185-189 (2021)&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
アルブミン&lt;br /&gt;
血液中のタンパク質の約6割を占める主要なタンパク質で、ホルモン、栄養分、脂肪酸、薬物などを運搬する役割を担う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
発光インジケーター&lt;br /&gt;
特定の分子と相互作用したときに発光し、その変化（強さや色）によって対象の存在や状態を示す分子。本研究では、アルブミンと結合すると発光し、他の化学物質が結合部位に作用すると発光が変化するよう設計されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
6PPD、6PPD-Q&lt;br /&gt;
6PPDはタイヤ添加剤の一種で、タイヤのゴムを長持ちさせるための酸化防止剤。6PPD-Qはその酸化生成物で、水生生物への高い毒性が懸念されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
生理活性&lt;br /&gt;
生体内で化学物質が酵素や受容体を介して、特定の生理的調節機能に影響を与える性質のことをいう。生理活性を持つ化学物質は、生理活性物質と呼ばれる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
セレンテラジン（CTZ）誘導体&lt;br /&gt;
発光生物（ウミホタルなど）の発光基質であるセレンテラジン（CTZ）を模して合成された分子。特定のタンパク質と反応して発光するように設計できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
分子イメージング&lt;br /&gt;
本稿では、試験管内（in vitro）や生体内（in vivo）における分子の挙動や分布を外部から可視化する技術を指す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アルブミンの薬物結合部位（DBS；Drug-Binding Site）&lt;br /&gt;
アルブミン上にある2カ所の薬物結合部位。タイヤ添加剤（6PPDなど）やその酸化物（6PPD-Qなど）、発光インジケーターがこの部位に結合して作用し合うことで、発光強度が変化する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260928/pr20260928.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260928/pr20260928.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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            </item>
    <item>
        <title>合成音声読み上げ時の音声情報理解力を定量化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609186228</link>
        <pubDate>Fri, 25 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 速度調整可能な合成音声読み上げソフト「スクリーンリーダー」使用時に、文章の難易度と利用者の理解能力を分離し、同じ尺度で評価する手法を開発 ・ 開発した手法を用いて、個々の利用者が効率よく...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 速度調整可能な合成音声読み上げソフト「スクリーンリーダー」使用時に、文章の難易度と利用者の理解能力を分離し、同じ尺度で評価する手法を開発&lt;br /&gt;
・ 開発した手法を用いて、個々の利用者が効率よく文字情報を理解できる読み上げ速度を定量化&lt;br /&gt;
・ 視覚障害者個人の視覚特性の違いによる音声理解能力の差や習熟過程を分析するための基盤データに&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）人間社会拡張研究部門 三浦 貴大 上級主任研究員と、国立大学法人筑波技術大学 坂尻 正次 教授ら、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター 藪 謙一郎 特任研究員らは共同で、視覚障害者の音声理解能力を定量化する手法を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーンリーダーは、パソコンやスマートフォンの文字情報を速度調整可能な合成音声で読み上げるためのソフトウェアです。それは、視覚障害者の就学や就労、社会参加を支える情報アクセシビリティの基盤となっています。スクリーンリーダーを使用して音声を理解できる速度には個人差がありますが、その要因や音声理解の習熟過程はこれまで明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では項目反応理論を応用し、読み上げられた文章が理解できなかった時、それは文章が難解だったからか、読み上げ速度が速すぎたからかを区別し、文章の難易度と利用者の理解能力を同じ指標で定量化する手法を開発しました。開発された評価手法を用いたところ、全盲の利用者は、弱視（ロービジョン）の利用者と比べ、より速い読み上げ速度でも高い理解を保つなどの科学的根拠を持つ知見が得られました。本成果は、視覚障害の状況や利用経験による個人差を分析し、音声理解の習熟過程や能力向上の可能性を評価するための基盤データとなり、「速すぎて聞き取れない」「遅すぎてもどかしい」という不便を減らし、視覚障害のある人がより快適に、より速く情報にアクセスできる環境作りにつながると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究成果はInterspeech 2026（2026年9月27日～10月1日、オーストラリア シドニー）で発表予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
スクリーンリーダーは、パソコンやスマートフォンの画面に表示された文字や操作内容を、速度調整が可能な合成音声で伝え、主に目の見えない・見えにくい人（視覚障害者）のデジタル機器の利用を支援するソフトウェアです。視覚障害者がデジタル情報にアクセスし就学や就労をはじめ社会生活を送るための、重要な基盤となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、視覚障害のある身体障害者手帳の所持者は約27万人と推計されています（厚生労働省「令和4年 生活のしづらさなどに関する調査」）。手帳を所持していない人や、加齢によって見えにくくなった人まで含めると、実際に「見えにくさ」を抱える人はさらに多いと考えられ、誰にとっても身近な課題です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーンリーダー利用者の多くは、慣れるにつれて読み上げ速度を徐々に速くします。熟練した利用者の中には、標準の何倍もの速度で聞き取れる人もいます。しかし、情報を最も効率よく理解できる読み上げ速度には個人差があり、その違いには利用経験だけでなく、全盲か弱視か、先天盲か後天盲かといった視覚特性や、読み上げる内容など、さまざまな要因が関係すると考えられています。一方で、こうした個人差がどのように生じるのか、利用経験に伴って音声理解能力がどのように習熟していくのか、また利用者が現在どの程度の速度まで理解できるのかを定量的に評価する方法については、十分に検討されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、視覚障害者の音声理解能力の個人差や習熟過程を定量的に評価し、一人ひとりの特性に応じた学習の最適化を実現するための研究を進めています。今回、学力テストや心理検査で広く用いられている項目反応理論を応用し、スクリーンリーダー利用時の音声理解能力を定量的に評価する手法の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究はJST 創発的研究支援事業（JPMJFR234Y）、JSPS 科研費（JP23K25693、JP23K17582、JP24K22314およびJP26K02945）の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
これまで、スクリーンリーダー利用において「この利用者は、どの速度まで読み上げを理解できているのか」を客観的な数値として示す方法が確立されておらず、読み上げを理解できない要因が文章側と読者側のどちらにあるのかを区別するための知見がありませんでした。従来研究では、特定の速度で読み上げられた音声に対する正答率を比較する方法が主に用いられてきました。これでは、文章が理解されなかった場合に、その原因が「読み上げ速度が速すぎたから」なのか、「文章そのものが難しかったから」なのか、あるいは「その利用者の音声理解能力がまだ十分に習熟していないから」にあるのかを区別できませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで本研究では、スクリーンリーダーの読み上げ速度に対する「理解のしやすさ」を定量的に測るために、項目反応理論を応用した評価手法を構築しました。項目反応理論は、学力テストや資格試験で用いられる統計理論で、「問題の難しさ」と「回答する人の能力」を同じ測定基準（ものさし）の上で別々に推定できる点に特徴があります。本研究はこの考え方を、音声読み上げの理解しやすさの評価に応用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
具体的には、音韻的にバランスの取れた日本語の文章群（研究用に整備された「ITAコーパス」[1,2]）を用い、これらを毎分150語から500語まで5段階の速度で読み上げた音声を作成しました。実測した発話速度は約6〜27モーラ/秒で、通常の会話（およそ7〜8モーラ/秒）の約0.8〜3.5倍に相当します。視覚障害のあるスクリーンリーダー利用者11名を対象に、これらの音声聞き取り実験を行い、内容理解度の回答とともに、「聞き取りやすさ」「わかりやすさ」を評価してもらいました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
得られた回答データから、「どの音声がどれだけ理解しにくいか（項目の難易度）」と「どの利用者がどれだけ理解できるか（個人の能力）」を、共通の測定基準上で分離して推定しました。両者が同じものさしの上に並ぶため、「この利用者の能力は、この速度の難易度を上回っているか」という形で、一人ひとりに適した速度を判断できるようになります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに本研究では、ベイズ統計を取り入れた項目反応理論を用いました。従来の項目反応理論は安定した推定に多数の参加者を必要としますが、ベイズ統計を用いることで、参加者が限られる場合でも安定した推定が可能となる他、推定結果の確からしさ（不確実性の幅）も同時に示すことが可能です。視覚障害者のように対象者が限られる研究において、この点は重要な利点となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
構築した評価手法を用いて分析した結果、まず読み上げ速度が速くなるほど理解の難易度が系統的に高まることが確認されました。内容の理解度は、毎分150語ではほぼ全問正答に近い水準でしたが、毎分300語、毎分500語と速くなるにつれて低下しました（図1 (a)）。特に毎分250～300語のあたりが理解の境界となり、これを超えると理解度が大きく下がる傾向が見られました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方で、最適な速度には大きな個人差があり、すべての利用者に当てはまる唯一の正解は存在しないことも明らかになりました。利用者ごとの能力の違いは、速度による難易度の変化を上回るほど大きく、一律の設定では利用者の能力を十分に活かせないことが定量的に示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、全盲の利用者は、弱視（ロービジョン）の利用者と比べ、より速い読み上げ速度でも高い理解を保つ傾向が確認されました。実際、普段設定している読み上げ速度も、全盲の利用者では標準の約2.3倍、弱視の利用者では約1.4倍と明確な差がありました（図1 (b)）。分析の結果、この違いは「速い読み上げに慣れているから」という利用経験だけでは説明できず、視覚障害の状態そのものと利用経験とが、それぞれ独立して音声理解能力に関係していることが示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、読み上げ速度に対する理解のしやすさが、文章の難易度と利用者の音声理解能力を共通の尺度上でそれぞれ独立に推定できること、そして視覚障害の状態や利用経験に応じた個別最適化に科学的な根拠を与えられることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、より多くの視覚障害者を対象とした大規模な調査を実施し、本手法で得られる推定の精度を高めるとともに、視覚障害の状態や利用経験と音声理解能力との関係の詳細を明らかにします。特に、スクリーンリーダーを使い始めて間もない利用者を対象に含めることで、利用経験に伴って音声理解能力がどのように習熟していくのかを継続的に評価することを目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
あわせて、利用者の音声理解能力を短時間で測定し、一人ひとりに適した読み上げ速度をその場で提示できる評価ツールの開発に取り組みます。将来的には、視覚障害者の情報アクセス環境の改善に加え、速い音声を聞き取る能力（速聴）の訓練や評価など、幅広い応用につなげることを目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
学会情報
学会名：Interspeech 2026&lt;br /&gt;
発表タイトル：Profiling Speech Rate Abilities of Visually Impaired Screen Reader Users by Bayesian Item Response Theory&lt;br /&gt;
著者：Takahiro Miura, Masatsugu Sakajiri, Masaki Matsuo, Keiichi Yasu, Junji Onishi, Ken-ichiro Yabu, Tohru Ifukube&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
人間社会拡張研究部門 三浦 貴大 上級主任研究員&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
筑波技術大学&lt;br /&gt;
坂尻 正次 教授、松尾 政輝 助教、安 啓一 准教授、大西 淳児 教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東京大学先端科学技術研究センター&lt;br /&gt;
藪 謙一郎 特任研究員、伊福部 達 研究顧問&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] 小口純矢，金井郁也，小田恭央，齊藤剛史，森勢将雅：ITAコーパス：パブリックドメインの音素バランス文からなる日本語テキストコーパスの構築と基礎評価，情報処理学会研究報告，vol. 2021-MUS-131, no. 31, pp. 1-4, 2021.&lt;br /&gt;
[2] ITAコーパスの文章リスト公開用リポジトリ, &lt;a href=&quot;https://github.com/mmorise/ita-corpus&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://github.com/mmorise/ita-corpus&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
スクリーンリーダー&lt;br /&gt;
パソコンやスマートフォンなどのコンピューターの画面に表示された文字を合成音声で読み上げるソフトウェア。目の見えない・見えにくい人は、画面を見てマウスを操作する代わりに、この読み上げを聞きながら、キーボードやフリック操作でコンピューターを使う。特に全盲の人たちにとっては情報を得るための必須のツール。WindowsやmacOS、iOS、Androidには、こうした読み上げ機能が標準で搭載されており、日本でもNarrator、PC-Talker、NVDA、VoiceOverなどが広く使われている。読み上げ速度の調整の他、声質の変更などもでき、現在ではさまざまな言語に対応している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
情報アクセシビリティ&lt;br /&gt;
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが必要な情報やサービスに支障なくアクセスし、利用できること。たとえば、Webサイトや電子文書が音声読み上げに対応していることや、文字の拡大・色の調整ができることなどが含まれる。視覚障害のある人にとっては、スクリーンリーダーで読み上げられる形で情報が提供されているかどうかが、仕事や学び、日常生活のしやすさを大きく左右する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
項目反応理論（項目応答理論ともいう、Item Response Theory：IRT）&lt;br /&gt;
テストや調査の結果を分析するための統計理論。「問題の難しさ」と「回答する人の能力」を同じ測定基準の上で別々に推定できる点が特徴。学力テストや資格試験、心理検査などで広く使われている。単純な正答率では「難しい問題だったのか」「その人の能力が高い（低い）のか」が区別できないが、項目反応理論を使うと両者を切り分けて捉えられる。近年では、ベイズ統計を取り入れた項目反応理論も発展しており、参加者が少ない場合でも比較的安定した推定ができ、かつ推定の確からしさ（不確実性）も同時に示せる利点がある。本研究では、このベイズ版の項目反応理論を用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
モーラ&lt;br /&gt;
日本語の音の長さを表すリズムの単位。一般的に、日本語話者が話す時の「ひらがな1文字分」の長さが1モーラ（1拍）に該当。多くの場合、ひらがな1文字が1モーラに対応し、小さな「っ」、鼻音の「ん」、長音の「ー」も、それぞれ1モーラとして数える。一方、「きゃ」「しゅ」のように小さな「ゃ」「ゅ」「ょ」を伴う音は、2文字で1モーラとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ベイズ統計&lt;br /&gt;
分析前に得られている知識や仮定と、実際に観測されたデータを組み合わせて、知りたい量の確からしさを推定する統計的な推論方法。分析前の知識や仮定を確率分布で表したものを「事前分布」、観測データが各仮定のもとで得られるもっともらしさを「尤度」、これらを組み合わせて更新した確率分布を「事後分布」と呼ぶ。推定値だけでなく、その不確実性も併せて示すことができる。本研究では、この方法を取り入れた項目反応理論により、文章の難易度と利用者の音声理解能力をそれぞれ推定した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260925/pr20260925.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260925/pr20260925.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609186228/_prw_PI1im_CsZ1dYwB.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>第8回RD20国際会議開催のご案内</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166078</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・アフリカ大陸で初開催：G20各国・地域の主要研究機関が、クリーンエネルギー技術と国際連携に焦点を当て議論する国際会議 ・第8回RD20国際会議は、南アフリカ共和国のCSIRが主催し、プレト...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt; 
・アフリカ大陸で初開催：G20各国・地域の主要研究機関が、クリーンエネルギー技術と国際連携に焦点を当て議論する国際会議&lt;br /&gt; 
・第8回RD20国際会議は、南アフリカ共和国のCSIRが主催し、プレトリアにて対面とオンラインとのハイブリッド形式で開催&lt;br /&gt; 
・最先端技術を追求するテクニカルセッションではアフリカ地域とも関わりの深いクリーンエネルギー分野について議論&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
概要 
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）は、G20各国・地域の主要な研究機関とともに、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発の国際連携を促進する「RD20（Research and Development 20 for Clean Energy Technologies）」を推進しています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
第8回RD20国際会議を、2026年10月19日から23日まで、南アフリカ共和国・プレトリアのCouncil for Scientific and Industrial Research（CSIR）をホスト機関として開催します。RD20国際会議のアフリカ大陸での開催は今回が初めてです。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
本会議では、エネルギーアクセス、合成燃料、エネルギーのための重要鉱物などをテーマに、各国・地域の研究機関の専門家が研究開発の現状や課題について議論します。公開セッションはオンラインでも参加できます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
開催日程：2026年10月19日（月）– 23日（金）&lt;br /&gt; 
場所　　：南アフリカ共和国　プレトリア　CSIR&lt;br /&gt; 
形態　　：対面およびオンライン&lt;br /&gt; 
詳細および参加登録：&lt;a href=&quot;https://rd20.aist.go.jp/conference/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://rd20.aist.go.jp/conference/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
セッション構成：&lt;br /&gt; 
 
 
 
10月19日（月） 
ワークショップ #1：エネルギーのためのAI活用：4月に韓国で開催されたWSでの議論を発展させた拡張セッション 
招待者のみ 
 
 
10月20日（火） 
テクニカルセッション (TS) プレナリー：クリーンエネルギー技術に関するハイレベルトーク 
公開 
 
 
テクニカルセッション TS #1：エネルギーアクセス　~アフリカにおける解決策~ 
公開 
 
 
テクニカルセッション TS #2：合成燃料 
公開 
 
 
10月21日（水） 
テクニカルセッション TS #3：エネルギーのための重要鉱物 
公開 
 
 
ワークショップ #2：クリーン水素・水素キャリア 
招待者のみ 
 
 
10月22日（木） 
リーダーズセッション 
 午前：公開&lt;br /&gt; 午後：招待者のみ 
 
 
10月23日（金） 
サイトビジット 
招待者のみ 
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
主要講演者（テクニカルセッション・プレナリー） 
 
 
 
 &lt;br /&gt;  
 &lt;br /&gt;  
 &lt;br /&gt;  
 
 
 Ms. Mandy Mlilo, Department of Science, Technology, and Innovation (DSTI), 南アフリカ&lt;br /&gt; DSTI Hydrogen &amp;amp; Energy Research, Development and Innovation Initiatives 
 Prof. Philippe POGGI, University of Corsica/CEA, フランス&lt;br /&gt; Research, Businesses and Innovation in Overseas Territories: Smart Grids and Energy Transition&lt;br /&gt;  
 Prof. Dr. Christopher Hebling, Fraunhofer-ISE, ドイツ&lt;br /&gt; Pathways to Climate Neutrality Through Renewables and Decarbonized Fossil Energy 
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
解説 
RD20：RD20は、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発の国際連携を促進するため、世界最先端の技術開発を行うG20各国・地域の主要研究機関の参加の下、2019年に日本主導で発足した枠組みである。本枠組みでは、クリーンエネルギー技術に関する研究開発成果や知見、ベストプラクティスなどの共有を進めるとともに、国際共同研究の機会を創出している。また、産学官の関係者間における新たなパートナーシップの形成・発展を通じて、イノベーションの創出を目指している。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
CSIR：The Council for Scientific and Industrial Research, 南アフリカの研究機関。アフリカ最大級の研究機関の一つ。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
RD20メンバー機関：&lt;br /&gt; 
INTI (アルゼンチン)、CSIRO（オーストラリア)、UFSCar (ブラジル)、NRC (カナダ)、DICP (中国)、JRC (EU)、CEA (フランス)、CNRS (フランス)、 Fraunhofer Gesellschaft (ドイツ)、Fraunhofer ISE (ドイツ)、HZB(ドイツ)、TERI(インド)、BRIN (インドネシア)、ENEA (イタリア)、CINVESTAV (メキシコ)、KIER (韓国)、KACARE (サウジアラビア)、CSIR (南アフリカ共和国)、TÜBİTAK (トルコ)、UKERC (英国)、NLR (米国)、NIMS (日本)、RIKEN(日本)、AIST (日本)&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166078/_prw_PI5im_1LEF9TqR.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>AIの予測と人によるスクリーニングが創薬を変える</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166030</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ AIモデルBoltz-2による予測にクラスタリングと実験検証を組み合わせて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に抽出することに成功 ・ 50,240化合物から抽出された4...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ AIモデルBoltz-2による予測にクラスタリングと実験検証を組み合わせて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に抽出することに成功&lt;br /&gt;
・ 50,240化合物から抽出された40の候補化合物のうち、7化合物は十分な阻害活性を持つことを実験で検証&lt;br /&gt;
・ このプロセスは、従来課題であったAI予測と実験結果との乖離「ドライ・ウェットギャップ」の縮小に貢献し、大型設備を必要とせずに創薬探索を可能に&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所（以下「産総研」という）人工知能研究センター 富井 健太郎 上級主任研究員、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 遠藤 智史 准教授、岐阜市公立大学法人岐阜薬科大学大学院薬学研究科 河野 真也 大学院生（産総研リサーチアシスタント）、五十里 彰 教授らの共同研究グループは、AIモデルBoltz-2を用いて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に発見しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
AIの創薬応用を目的として、がんの発生や薬剤耐性に関与する酵素AKR1B10を標的とした活性阻害剤を念頭に、50,240化合物から候補化合物の抽出に取り組みました。AI予測と化合物の構造に関する知見を基とした人によるスクリーニングを経て40候補を抽出したところ、そのうちの28の化合物が有効とされる阻害活性を示し、7化合物はより顕著な阻害活性（サブマイクロモル活性）を示しました。さらに、これら7化合物のうち5化合物は、標的となるAKR1B10には強く結合するものの、それと似た構造を持つ酵素AKR1B1には結合しにくいという十分な選択性も確認されました。また、既知阻害剤と異なる骨格の化合物や、AKR1B10選択性を説明する結合様式も確認されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
標的タンパク質に作用しそうな化合物を計算で選ぶ「バーチャルスクリーニング」は、計算をかけたあとにも候補が多く残る点が課題です。本研究でも基準を超えた867化合物を化学構造の多様性に基づいて40化合物に絞り込むことで、大型自動実験設備を必要としない、汎用性の高い実験規模を実現しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本成果は、AIで予測（ドライ）しつつも、最終的には実験（ウェット）で検証するドライ・ウェットギャップを埋めるものとして、AI創薬の発展に貢献するものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月12日に「Journal of Chemical Information and Modeling」に掲載され、ACS Editors&#039; Choice に選出されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
新薬開発を念頭に、標的タンパク質の活性を阻害する候補化合物を抽出するためには、数万から数百万におよぶ化合物の中から、標的に強く結合して十分な阻害活性を示すだけでなく、類似タンパク質には作用しない高い選択性を備えた化合物を探索する必要があります。そのため、大規模なスクリーニングと実験による検証を繰り返す必要があり、多くの時間と労力を要することが課題となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーニングの過程では、標的タンパク質に作用しそうな化合物を計算で選ぶ「バーチャルスクリーニング」が広く使われています。これは、標的タンパク質の立体構造が分かっている場合に候補化合物がそれとどのように結合するかをシミュレーションし、結合の強さや結合様式を予測するものです。近年、タンパク質と低分子化合物を一緒に立体構造化する共折りたたみ（co-folding）モデルが登場し、結合姿勢と結合の強さを同時に推定できるようになりました。一方で、計算上、標的タンパク質と強く結合するとされる化合物が実際に標的タンパク質の活性を阻害するとは限りません。既知データに似た組み合わせでは高精度でも、未知の化学骨格に対する一般化や、活性化合物どうしの細かな順位付けには課題があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
もう一つの課題は、バーチャルスクリーニングにかけても、実際に実験できる数まで候補を絞りきれないことです。本研究で対象とした50,240化合物のライブラリーでも、選定基準を超えたものは867化合物ありました。従来のバーチャルスクリーニングで「アタリ」が出る確率は1 %〜10 %程度とされており、この数の化合物をすべて実験で確かめても、大部分は外れてしまいます。外れる可能性の高い化合物に購入費や活性評価用試薬、時間や労力を費やさねばならず、せっかく計算手法を導入しても、その後の実験負荷が下がりません。このため、計算予測を実験で検証できる候補数まで絞り込み、実際の阻害活性を有する化合物の発見につなげる方法が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研および岐阜大学の研究グループは、「産総研－岐大アライアンス事業」において、データ駆動型アプローチによる抗がん剤耐性克服薬の開発を進めています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、50,240種類の候補化合物の中から酵素AKR1B10の活性を阻害する化合物の抽出に取り組みました。AKR1B10は、有害なカルボニル化合物を解毒して細胞を保護する還元酵素ですが、その発現異常は脂質代謝や細胞増殖を促進し、多くのがんの発生・進展や薬剤耐性に関与するため、診断・治療標的として注目されている酵素です。しかし、活性部位が柔軟で、類似酵素AKR1B1との選択性確保が難しく、ターゲットとすることが困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
岐阜大学および岐阜薬科大学の研究グループは、これまでに多数のAKR1B10阻害剤を発見し、その立体構造的特徴を蓄積してきました。本研究では、この実験的知見を計算条件としてAIに推論させるアプローチをとりました。Boltz-2の大規模推論計算には、産総研のAI橋渡しクラウド（ABCI）を利用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）生命科学・創薬研究支援基盤事業（BINDS）「ライフサイエンス研究加速のためのバイオインフォマティクス研究」（2022～2026年度）と公益財団法人立松財団による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
はじめに、AIによる予測に「酵素が働くための条件」をどのように組み込んだかを説明します。共同研究グループは、タンパク質と低分子化合物の立体構造を同時に計算する共折りたたみモデルBoltz-2による予測に、AKR1B10 の反応の仕組みに基づく二つの距離の制約を導入しました。第一に、補酵素NADPHから4.5 Å以内にあるアミノ酸を、補酵素が収まる領域として定義しました。第二に、水素の受け渡しを担うアミノ酸残基Tyr49とHis111、および結合する部分の形と広さを決める隣接したTrp112を、化合物が近づくべき位置として指定しました（図1）。これにより、結合の強さの予測値が高くても、反応が起こらない向きで結合してしまう化合物を、計算の段階で除くことを狙いました。予測はABCI 上で実行しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次に、この予測を用いて50,240 化合物から候補をどのように絞り込んだかを述べます。まず、どの程度の予測値を合格とするかという基準値を決める必要があります。基準値は、実験で測定された生物活性データを集めた公共データベースChEMBL由来の既知のAKR1B10阻害剤132化合物と、活性のある化合物と性質は似ているが結合しないと考えられる比較用の6,600化合物を系統的に生成して決定しました。なお、この既知阻害剤132化合物はBoltz-2の事前学習データに含まれるため、この段階の性能は未知の化合物への通用性ではなく、手順そのものの妥当性の確認と位置づけています。この条件を市販の化合物ライブラリー（50,240化合物）に適用したところ、基準を超えた一次候補は867 化合物（全体の約1.7 %）でした（図2）。しかし867化合物は、実験で確かめるには多すぎます。そこで、化合物の部分構造の有無をビット列で表すMorgan2フィンガープリントと、二つのビット列の共通度を0から1で表すTanimoto係数を用い、構造の似たものどうしを段階的にまとめる階層的クラスタリングによって867化合物を51のグループに分けました。各グループから代表を選ぶことで、構造の多様さを保ちながら実験の重複を避け、入手可能性も考慮して40化合物を実験に使用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ここからは、選んだ40化合物を実際に実験で調べた結果を述べます。補酵素NADPHが消費される量を340 nm の吸光度で追跡する方法で酵素の活性を測定したところ、10 µMの条件で活性を50 %以上低下させた化合物は28化合物、ヒット率は70 %でした（図3）。この値は、従来の立体構造に基づくバーチャルスクリーニングで報告されている1 %〜10 %を上回るものです。1 µMの条件でも7化合物が阻害活性を保ち、最も強力な化合物の酵素の活性を半分に低下させる濃度（IC50）は197±12 nMでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ここまでは阻害の強さについて述べてきました。続いて、狙った酵素だけを阻害できるかという選択性について説明します。AKR1B10 は、アミノ酸配列が約71 %共通する類似酵素AKR1B1との選択性の確保が長年の課題とされてきました。AKR1B10の活性部位にあるTrp112の側鎖の向きがこの選択性を左右することは、先行研究により既に報告されており[1]、この側鎖はAKR1B10本来の向きと、AKR1B1に似た向きの2通りをとりえます。本研究で新たに示されたのは、Boltz-2がこの向きを化合物ごとに予測し、その予測が実験で測定した選択性と対応したことです。1 µMでもAKR1B10阻害活性を保つ7化合物に加え、10 µMで最も強いAKR1B10阻害活性を示したAICE017を含めた8化合物についてAKR1B1に対する阻害を同じ条件で測定したところ、AKR1B10本来の向きと予測された6化合物（1 µMでAKR1B10阻害活性を保つ5化合物およびAICE017）は、AKR1B1と比べて平均で6.47倍（1.39倍〜231倍）AKR1B10を強く阻害したのに対し、AKR1B1に似た向きと予測された2化合物は0.62倍（0.48倍〜0.80倍）と逆にAKR1B1側へ偏り、両群の間に10.4倍の差が認められました（図4）。ここで重要なのは、この二つの向きを分ける側鎖の回転角が、計算に導入した距離の制約には含まれていない点です。向きの分かれ方はモデルが化合物に応じて自由に予測した結果であり、それが実測の選択性と一致したことになります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、得られた化合物が既知の阻害剤とどう異なるのか、またこのヒット率が本当にAIによる絞り込みの成果といえるのかを検証しました。得られた化合物群と既知のAKR1B10阻害剤132化合物を比較したところ、Morgan2に基づくTanimoto係数は0.35未満にとどまり、化学構造の骨組みとしては既知の阻害剤と異なることが確認されました。一方、化合物を標的との相互作用に関わる特徴の配置として表現するErGフィンガープリントで比べると中程度の類似性が保たれており、結合に必要な特徴の配置は維持したまま、骨組みだけを置き換えられたことを示しています。また、ヒット率の由来を切り分けるため、51のグループを50,240化合物全体に対する251のグループへ拡張し、実験した40化合物を除いたうえで基準の通過率を比較しました。その結果、実験化合物を含むグループでは8.80 %、含まないグループでは0.10 %となり、88倍の差が認められました。（図5）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上をまとめると、反応の仕組みに基づく制約を導入した共折りたたみモデルによる予測と、化学構造の多様さに基づく選抜を組み合わせることで、実験に供する化合物数を40まで減らしながら、70 %のヒット率と1 µM未満で働く複数の阻害剤を得られることが示されました。本研究の実験は、40化合物の購入と、分光光度計およびリアルタイムPCR装置による測定の範囲で完結しており、標的とするタンパク質が定まっている創薬において、数十万規模の化合物ライブラリーや大型の自動実験設備を使用しなくても新規阻害剤の探索が成立することを示す結果です。AKR1B10は、肝細胞がんや非小細胞肺がんでの発現の高まりと、がん細胞の増殖・浸潤および抗がん剤に対する耐性の獲得への関与が報告されている酵素であり、こうした抗がん剤の標的に対して、限られた実験資源のもとでも新規化合物を獲得できることを実証したものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、本研究で見いだした化合物を基に、AKR1B10への阻害活性と選択性、溶解性、細胞膜透過性、代謝安定性などを改善する構造最適化を進めます。また、がん細胞や動物モデルで、既存治療薬の効果増強や薬剤耐性の克服につながるかを検証します。さらに、本研究で用いた「触媒機構の知識をAIの制約として与え、スコアと化学構造多様性の両方で候補を絞る」方法を、他の補酵素依存性酵素や創薬標的にも展開します。AIを単独で使うのではなく、専門知識、計算資源、実験評価を一体化することで、より再現性の高いAI創薬基盤の構築を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Chemical Information and Modeling&lt;br /&gt;
論文タイトル：Efficient Discovery of Potent AKR1B10 Inhibitors Using Co-folding Model Boltz-2&lt;br /&gt;
著者：Shinya Kawano, Akira Ikari, Satoshi Endo*, Kentaro Tomii*（*責任著者）&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/acs.jcim.6c00874&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/acs.jcim.6c00874&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] FEBS Letters 2013, 587(22), 3681-3686.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
Boltz-2&lt;br /&gt;
入力されたタンパク質のアミノ酸配列や化合物などの情報から、複数の分子を含む三次元構造を生成するAI。Boltz-2は、タンパク質、低分子化合物、補酵素を同時に扱うことが可能で、複合体構造と結合性を予測する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
AKR1B10&lt;br /&gt;
アルドケト還元酵素1B10。細胞内の反応性カルボニル化合物の解毒や脂質代謝に関わる。複数のがんで高発現し、増殖や薬剤耐性との関連から創薬標的候補とされる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ドライ・ウェットギャップ&lt;br /&gt;
コンピューター上の予測（ドライ）と、生化学・細胞などの実験（ウェット）の結果が一致しない問題。本研究では、候補の絞り込みと酵素実験を一体化してこの差の縮小を目指した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
フィンガープリント&lt;br /&gt;
化合物相互の類似性定義に必要となる要素（比較的小さな部分構造）のセット。各化合物に含まれる要素の有無（の差）などに基づき類似度が計算される。本研究で用いたものを含め、さまざまなセットが提案されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>産総研、BioJapan 2026に出展</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166037</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 11:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>産業技術総合研究所（以下、「産総研」という）は、2026年10月7日（水）から9日（金）までパシフィコ横浜で開催されるアジア最大級のバイオ産業パートナリングイベント「BioJapan 2026」に出展...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
産業技術総合研究所（以下、「産総研」という）は、2026年10月7日（水）から9日（金）までパシフィコ横浜で開催されるアジア最大級のバイオ産業パートナリングイベント「BioJapan 2026」に出展します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研 生命工学領域は、「少子高齢化等の社会課題の解決やバイオエコノミー社会の実現に貢献するイノベーションの創出と、総合力を生かした社会実装」をミッションに掲げ、最先端のバイオ・ライフサイエンス研究を推進しています。本展示では、「医療・ヘルスケア」「バイオものづくり」「資源循環・生物資源高度利用」の3分野を中心に、健康状態の可視化や診断支援技術、創薬・再生医療を支える細胞評価技術、生物機能を活用したものづくり技術、プラスチック分解や廃水処理など、社会実装を見据えた研究成果を紹介します。あわせて、企業との共同研究拠点（冠ラボ）をはじめとする連携の取り組みや、企業連携による社会実装事例についても紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ブース外観（イメージ）&lt;br /&gt;
【出展概要】
■ブース位置：C-51&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■出展概要：&lt;br /&gt;
①医療・ヘルスケア…健康長寿社会の実現に向け、歩行や身体機能の計測技術、生体分子の検出技術、創薬・再生医療を支える細胞評価技術などを紹介します。また、病気の早期発見や診断精度向上につながる研究成果も展示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
②バイオものづくり…生成AIを活用したタンパク質設計技術、植物や微生物を活用した有用物質生産技術、次世代バイオ製造を支える研究基盤などを紹介します。持続可能なバイオエコノミー社会の実現に向けた取り組みをご覧いただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
③資源循環・生物資源高度利用…PET分解酵素やプラスチック分解技術、廃水・廃棄物からの資源回収技術、機能性食品や生物資源を活用した研究など、循環型社会の実現に資する研究成果を紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
④企業連携・社会実装…企業との共同研究拠点（冠ラボ）における取り組みや、企業との連携を通じて産総研の研究成果を社会実装につなげた事例を紹介します。展示ブースでは、企業との連携により製品化された展示品のデモンストレーションもご覧いただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■注目トピックス：スポンサーセミナー「&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/contents2026/seminar.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;科学的知見に基づくセルフケア、ウェルビーイングの社会実装に向けて&lt;/a&gt;」（10月7日（水）14:30～15:30、場所：アネックスホール F206）&lt;br /&gt;
科学的根拠に基づく健康管理や行動変容支援技術、働く人々のウェルビーイング向上を支える研究成果、ならびにそれらの社会実装に向けた取り組みを紹介します。&lt;br /&gt;
※スポンサーセミナーの聴講には、BioJapan公式サイトからの事前予約が必要です。&lt;br /&gt;
詳細は&lt;a href=&quot;https://biojapan2026.jcdbizmatch.jp/Lookup/jp/Seminar/u0?ae=AE1-&amp;amp;ot=O4-&amp;amp;ke=%E7%94%A3%E6%A5%AD%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B7%8F%E5%90%88%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80&amp;amp;np=2&amp;amp;ob=5&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;こちら&lt;/a&gt;をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
過去のスポンサーセミナーの様子&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【BioJapan概要】
・イベント名：BioJapan 2026&lt;br /&gt;
・日程　　　：2026年10月7日（水）～10月9日（金）&lt;br /&gt;
・会場　　　：パシフィコ横浜&lt;br /&gt;
・主催　　　：BioJapan組織委員会（代表責任団体 : 一般財団法人バイオインダストリー協会）&lt;br /&gt;
　　　　　　　㈱ JTBコミュニケーションデザイン&lt;br /&gt;
・公式サイト：&lt;a href=&quot;https://jcd-expo.jp/jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;BioJapan / &lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://jcd-expo.jp/jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;再生医療JAPAN / healthTECH JAPAN&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
・産総研　生命工学領域　特設ページ：&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;BioJapan&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;｜産総研 生命工学領域&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166037/_prw_PI1im_jmGv4dTE.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>ルーブル美術館がランス別館での特別展でアザラシ型ロボット「パロ」を展示</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166044</link>
        <pubDate>Thu, 17 Sep 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>2026年9月23日（水）から2027年1月18日（月）まで、フランスのルーブル美術館によりランス別館（Louvre-Lens）で開催される特別展「Trop mignon! L’art du bonh...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月23日（水）から2027年1月18日（月）まで、フランスのルーブル美術館によりランス別館（Louvre-Lens）で開催される特別展「Trop mignon! L’art du bonheur （So Cute! The Art of Happiness）」において、アザラシ型ロボット 「PARO（パロ）」 が展示されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本展は、「なぜ人は“かわいい”ものに惹かれ、幸福を感じるのか」をテーマに、古代から現代まで約300点の作品を通じて、人間の感情と芸術の関係を探求する大規模な国際展覧会です。日本のKawaii文化も重要なテーマとして取り上げられ、PAROは「かわいい」を医療機器（海外）にまで発展させ、災害・戦災の被災者の心のケアにも役立つ、象徴的な展示として紹介されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、世界約50か国の医療・福祉現場で活用されるセラピー用ロボットであると同時に、アート、デザイン、身体性人工知能（フィジカルAI）、人道支援を結び付ける存在として国際的に評価され、王侯貴族や富裕層にもペットとして愛玩されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これを機会に、「平時」には、PAROが学校や各種の職場で、子供達の情操教育やSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）教育と、教員・職員のウェルビーイングに活用しつつ、災害等の「有事」の際には、避難所になる体育館や役所等で早期に円滑に心のケアに活用する、PAROの「デュアル・ユース」を提唱します。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■展覧会概要
展覧会名：「Trop mignon ! L’art du bonheur」(So Cute! The Art of Happiness)&lt;br /&gt;
会場：Musée du Louvre-Lens（ルーブル美術館ランス別館） フランス・ランス&lt;br /&gt;
会期：2026年9月23日 （水）～ 2027年1月18日（月）&lt;br /&gt;
展覧会テーマ：&lt;br /&gt;
本展では、&lt;br /&gt;
・動物と人間の感情的な結び付き ・「かわいい」の美学&lt;br /&gt;
・ピンク色の文化史 ・ぬいぐるみと安心感&lt;br /&gt;
・日本のKawaii文化 ・現代アートと幸福感&lt;br /&gt;
などをテーマに、人間の感情や共感性について多角的に考察します。約300点に及ぶ絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーション作品が展示されます。&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.louvrelens.fr/en/exhibition/so-cute-the-art-of-happiness/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.louvrelens.fr/en/exhibition/so-cute-the-art-of-happiness/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
■PAROとは
PAROは、アザラシの赤ちゃんをモデルとして開発されたロボットです。アレルギー、人畜感染症問題、管理問題、高コスト等で、ペット動物を飼いたくても飼えない人や場所があるため、ペット動物の代替として、人に可愛がっていただくことを目的に、1993年から現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長 石村和彦】（以下、「産総研」）が研究開発を行って、2000年からは国内外の医療福祉機関・大学等と連携して臨床研究を推進しています。2004年にパロに関する知的財産権のライセンスを受けた富山県南砺市の株式会社知能システム【代表取締役 島田優平】（以下、「知能システム」）が、パロの製造・販売・輸出等を行っていますが、パロの製造には日本企業80社以上が関わる純粋な日本製です。これは、究極の「高品質」と共に、「セキュリティの確保」を目的にしています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2005年3月に愛知万博の政府迎賓館（皇室・王侯貴族、各国首脳等VIP向け）と、一般向けの展示に合わせて第8世代のPAROが市販化され、一般家庭でのペット代替と、医療福祉施設でのロボット・セラピーに活用されています。改良を重ねて、現在は第9世代になっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
海外は、日本と異なり、一般的にロボットに対して「恐怖感」や「嫌悪感」がある一方、ペット文化が発達しており、「アニマル・セラピー」が深く理解されている等の「文化的な違い」があります。また、欧米は、アート作品を見たり、触れたり、造ったりする「アート・セラピー」についても造詣が深いです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROはロボットでありながら、可愛く、生き物らしい、高いクオリティが世界で認められ、王侯貴族等にも受け入れられ、喜ばれてきています。また、外務省ではPAROを「文化啓発用品」として、世界各国の日本大使館や総領事館に配備し、日本の文化の紹介に活用して頂いています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROのセラピーへの応用について、日本では「医療」と「福祉」が分離されているため「福祉用具」として主に「介護」で利用されています。一方、海外では全て「医療」である「社会制度の違い」があるため、パロが「医療機器」として登録され、医療福祉で活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2009年に、アメリカのFDA（Food and Drug Administration: 食品医薬品局）から「治療効果」と「安全性」が認められて「バイオフィードバック医療機器（クラス2）」の承認を得ました。その後も、市販化後のさまざまな臨床試験を積み重ね、小児から高齢者まで、救急、急性期から終末期まで、「せん妄」や「認知症」等の「神経認知障害群」や発達障害、ガン、脳損傷等のさまざまな患者の不安、抑うつ、痛み、興奮（暴力、暴言、徘徊等）、不眠等の「行動・心理症状」の改善を目的に、PTSDや認知症の患者が多い退役軍人省病院に導入されたり、処方箋に基づく公的医療保険の適用になったりし、副作用が無い安全な「非薬物療法」として喜ばれています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在では、アメリカの他、ヨーロッパ、イギリス、スイス、オーストラリア、シンガポール、香港でパロが「医療機器」登録され、世界約50か国で導入されています。病院（救急、急性期、回復期、慢性期・生活期、終末期）、高齢者施設、障害者施設、認知症ケア施設などにおいて、小児から高齢者まで、さまざまな人々の「心のケア」を支えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは単なる機械ではなく、人との触れ合いの中で信頼関係や愛着を育み、人々の笑顔や会話を生み出す存在として世界中で高く評価されています。これらを踏まえて、2025年の大阪・関西万博では、「世界赤十字・新赤月運動ウィーク」に、パロが展示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ギネス世界記録は、2002年にイギリス・ロンドンの科学博物館でのPAROの展示をきっかけに、PAROを「世界で最もセラピー効果があるロボット」に認定し、現在も継続しています。&lt;br /&gt;
■アートとテクノロジーの融合
PAROは芸術性と先端技術を融合した独創的な存在です。PAROは人から受け入れられて初めてセラピー効果を発揮するため、ふれあう人からの「受容性」を高めることが目的です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
人がPAROに対して自然に親しみや愛着を抱けるように、人の感覚を適切に刺激するため、&lt;br /&gt;
・柔らかな毛並み（感染症対策のため銀イオンで制菌加工した安全な素材で最高級品）&lt;br /&gt;
・温かみのある触感や抱き心地（温度センサで体温制御、3次元的重量バランス）&lt;br /&gt;
・愛らしい表情（一体ずつ手作りとトリミング）&lt;br /&gt;
・やさしい鳴き声（カナダ北東部の本物のアザラシの赤ちゃんの泣き声）&lt;br /&gt;
・滑らかで穏やかな動き（ノイズが少なく、人の強い力に対処する知的静穏型アクチュエータ）&lt;br /&gt;
などが細部にわたり考慮され、設計されています。これにあたり、欧米のビスポーク車、精密機械時計、プライベート・ジェット機等の「ラグジュアリー」を参考にしつつ、2種類の世界遺産がある歴史的文化都市の富山県南砺市の木彫、漆塗り、絹織物、金箔等の伝統工芸のフィロソフィーを取り入れています。そして、PAROは、一体一体、熟練の職人の手作業によって、工芸作品や芸術作品のようなクラフトマンシップによって製作された、「人を癒すために創られたアート作品」と言える存在です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■身体性人工知能（Embodied AI）の最先端技術
PAROは世界を代表する「身体性人工知能（Embodied AI）」（フィジカルAI）の実用例です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
身体性人工知能とは、身体を持つ存在（ロボット）として、人間と相互作用しながら知的な振る舞いを発現する人工知能技術を指します。PAROは、研究開発者の産総研の柴田崇徳による1992年の博士論文「ロボットの階層的知的制御」（名古屋大学）に基づき、1993年に現在の産総研に入所後、1995～98年に研究員を兼任したアメリカのマサチューセッツ工科大学人工知能研究所において、身体性人工知能の応用として動物型ロボットの試作・評価を重ねて、1998年に第1世代のパロを発表、その後、日本で社会実装のための改良を重ねてきました。PAROには、&lt;br /&gt;
・触覚センサ（全身とヒゲ）&lt;br /&gt;
・光センサ（プライバシー保護のため明るさのみで、カメラは排除）&lt;br /&gt;
・音センサ（音声認識と3Dの音源同定）&lt;br /&gt;
・姿勢センサ（抱っこされた時の姿勢等の認識）&lt;br /&gt;
など多様なセンサが搭載されています。これらにより、ふれあう人からの撫でる、抱きしめる、話しかける、名前を呼ぶ、といった働きかけを認識し、その状況に応じて自律行動や反応を変化させ、「強化学習」により飼い主の好みの性格に変わったり、新しい名前に反応するようになったりすることで、飼い主と長期的な関係を築いていきます。PAROは単なる会話AIではなく、「身体を通じて、人と関係性を築く人工知能」を持つロボットとして、世界の研究者や医療関係者から高く評価されています。&lt;br /&gt;
■世界の医療・福祉現場で活躍するPARO
PAROは海外では「医療機器」として、質が高いエビデンスに基づき、フランスやイギリスの「ガイドライン」や、北欧、アメリカ、豪州、シンガポール、香港等の社会制度（公的導入、公的補助、医療保険適用等）に組み込まれている、世界で唯一のロボットです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、厚生労働省と経済産業省の「介護テクノロジー」で、2025年からの重点分野「認知症生活支援・認知症ケア支援」の「選定機器」の第1号です。これにより、高齢者や障害者向けの介護事業者がパロを導入する際には、厚生労働省の「介護テクノロジー導入支援事業」（1体当たり30万円、定員10名当たり1体を目安に必要なだけ）の補助金を利用することが可能です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これまでに、20件以上の「ランダム化比較試験」（1件5～7年間かかる）による臨床試験（薬物の臨床試験・治験に相当）や、それらのメタアナリシスの結果等により、パロのセラピー効果のエビデンスが示されています。&lt;br /&gt;
・ストレス軽減&lt;br /&gt;
・不安、痛み、抑うつ、興奮（徘徊、暴力、暴言等）、不眠等の改善&lt;br /&gt;
・孤独感の低減、コミュニケーション促進、社交性の向上&lt;br /&gt;
・QOL（生活の質）の向上&lt;br /&gt;
・軽度認知症者の認知機能（MMSEのスコア）の維持・改善&lt;br /&gt;
・介護者・看護者の負担感の低減&lt;br /&gt;
などの効果が報告されています。特に認知症ケアや高齢者ケアの分野では、「ロボット・セラピー」として広く活用されています。（&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.7210/jrsj.43.964&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.7210/jrsj.43.964&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ルーブル美術館があるフランスでは、2018年に既存の4種類の抗認知症薬が「効果が低く、副作用が問題」として、保険適用から除外された後、認知症対策として高齢者のケアを重点化するため、各州政府によりPAROが全額助成で導入されるようになり広く活用されています。また、小児病院や歯科病院等でも導入されたり、救急病院で臨床試験が行われたり、多様化しています。&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/180050/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/180050/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
（2026年9月27日（日）に金沢大学で開催される「日本災害復興学会」で詳細を発表予定）&lt;br /&gt;
■災害の被災者支援
PAROは災害の際に、WHO（世界保健機構）が提唱する「Mental Health and Psychosocial Support (MHPSS：心の健康と心理社会的支援) in Emergencies and Beyond」に寄与します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、東日本大震災（2011年）、熊本地震（2016年）、能登半島地震・豪雨（2024年）等の被災地において、避難所、仮設住宅、高齢者施設、病院、障害者施設などで利用されてきました。災害による喪失感や不安、孤独感を抱える被災者に対して、PAROは安心感や心の拠り所を提供し、&lt;br /&gt;
・笑顔を引き出す&lt;br /&gt;
・気持ちを和らげる&lt;br /&gt;
・涙し、悲しみを表出させる（グリーフ・ケア）&lt;br /&gt;
・会話を促し、人と人とのつながりを生み出す（被災者同士や、被災者と支援者の関係）&lt;br /&gt;
役割を果たしてきました。避難所や被災地では、「久しぶりに笑顔になれた」、「抱いていると安心する」、「周囲の人との会話が増えた」などの声が寄せられており、長期的な「心の健康と心理社会的支援」に貢献しました。&lt;br /&gt;
■戦災の被災者・避難者への心のケア
PAROは紛争被害を受けた人々の支援にも活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ロシアによるウクライナ侵攻後には、ミサイル等の爆発や、敵兵からの暴力・暴行による本人・家族・近隣者等の死傷を受け、避難を余儀なくされた人々のストレスや不安やその他のPTSDの治療を目的として、ポーランドの医療機関や支援施設へパロが導入されました。特に、&lt;br /&gt;
・戦争体験によるトラウマを抱える子ども&lt;br /&gt;
・不安を抱える高齢者&lt;br /&gt;
・長期避難生活を送る人々&lt;br /&gt;
の心の安定を支援するツールとして活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、国連移住機関（UN IOM）や国連児童基金（UNICEF）の各「MHPSSプログラム」にも、PAROが組み入れられて、テクノロジーによる新しい人道支援の実践例として注目されています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■世界的アーティストと共に展示
本展ではPAROが、古代のエジプト時代から現代のアーティストの約300点の作品とともに紹介されます。例えば、近代アートでは、オーギュスト・ルノワール氏による「かわいい子供」をモチーフにした作品等が展示されます。一方、かわいさを悪用した事例として、ナチスが戦争に「かわいい」を利用した事例も紹介されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現代アーティストでは、村上隆氏等の作品が展示されます。村上氏は、日本の「Kawaii」文化を現代アートとして再解釈し、世界へ発信するアーティストです。花やキャラクターをモチーフとした作品は、日本文化における「かわいい」の力を象徴しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、ジェフ・クーンズ氏は、《Balloon Dog》に代表される作品で知られ、親しみやすい造形やポップな表現によって、人々に喜びや楽しさをもたらす現代アートを追求しています。&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.bernardaud.com/jp/jp/artists/jeff-koons&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.bernardaud.com/jp/jp/artists/jeff-koons&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、村上隆氏が芸術で表現する「Kawaii」、ジェフ・クーンズ氏が造形で表現する「喜び」を、ロボット工学と人工知能によって実現している存在と言えます。PAROは「ペット代替」や「医療・福祉機器」として誕生しましたが、そのデザイン性、感情への働きかけ、人との関係性を生み出す力によって、本展の主題を象徴する展示物となっています。&lt;br /&gt;
■なぜPAROがルーブル美術館で展示されるのか
ルーブル美術館のキュレータによれば、PAROは、&lt;br /&gt;
・人に愛着を抱かせるデザイン&lt;br /&gt;
・人の幸福感を高めるインタラクション&lt;br /&gt;
・身体性人工知能の最先端技術&lt;br /&gt;
・医療機器としての科学的実績&lt;br /&gt;
・災害被災者支援での実績&lt;br /&gt;
・ウクライナ被災者・避難者への支援の実績&lt;br /&gt;
・日本発のKawaii文化との親和性&lt;br /&gt;
などを兼ね備えており、PAROは単なるロボットではなく、芸術・デザイン・人工知能・医療・福祉・人道支援を結び付ける文化的存在として評価されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ルーブル美術館ランス別館での展示は、「かわいい」が持つ力を科学、芸術、社会貢献の観点から体現する代表的事例として、PAROが国際的に認められたことを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、これまでにもPAROは、アート作品として、ロンドンのVictoria &amp;amp; Albert Museum（展示後、収蔵）、Design Museum、ニューヨークのMuseum of Modern Art （MoMA）など、世界各地の著名な美術館や博物館でも展示されてきました。&lt;br /&gt;
■結論
PAROのルーブル美術館ランス別館の特別展での展示は、日本発のロボット技術が世界最高レベルの文化・芸術の舞台で評価された象徴的な出来事です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、&lt;br /&gt;
・人を幸せにするアート&lt;br /&gt;
・心に寄り添うデザイン&lt;br /&gt;
・身体性人工知能の最前線&lt;br /&gt;
・科学的根拠に基づく「医療機器」（海外）・介護テクノロジーの「選定機器」（日本）&lt;br /&gt;
・災害・戦災の被災者・避難者を支える人道支援ツール&lt;br /&gt;
という多面的な価値を持っています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震等の被災地、そしてウクライナ避難民支援の現場で人々の心を支えてきたPAROは、芸術、科学、医療、福祉、人道支援をつなぐ21世紀の新しい文化的存在です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後、防災として、「平時」にはPAROが学校で、子供達の情操教育やSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）教育や教職員のウェルビーイングにも貢献しつつ、「有事」には避難所になる体育館等で活用できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20260917.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20260917.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166044/_prw_PI1im_u9anKASv.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>遺伝子治療の可能性を広げる「HSVアンプリコンベクター」の高効率産生技術を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609155901</link>
        <pubDate>Wed, 16 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 安全性に配慮した大容量遺伝子搭載能力を持つウイルスベクター「HSVアンプリコンベクター」の新たな製造技術を開発 ・ HSVゲノムを染色体外DNAとして長期安定的に保持しつつ、増殖可能なベ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 安全性に配慮した大容量遺伝子搭載能力を持つウイルスベクター「HSVアンプリコンベクター」の新たな製造技術を開発&lt;br /&gt;
・ HSVゲノムを染色体外DNAとして長期安定的に保持しつつ、増殖可能なベクター産生細胞株を構築し、従来法と比較して100倍以上という高い産生効率を達成&lt;br /&gt;
・ 大型遺伝子や複数遺伝子に起因する遺伝子治療法の開発を加速&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）細胞分子工学研究部門 前田 史雄 主任研究員らと、国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 プロテオーム解析部門 足達 俊吾 部門長は共同で、単純ヘルペスウイルス（Herpes Simplex Virus, HSV）アンプリコンベクターの高効率産生技術「EASY-HSV」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ウイルスベクターは、ウイルスが遺伝子を細胞へ運ぶ能力を利用し、治療用遺伝子を目的細胞へ送り込むことが可能で、遺伝子疾患の治療に用いられています。HSVアンプリコンベクターはレンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルス（AAV）ベクターなど他のウイルスベクターでは搭載しきれない巨大な遺伝子や複数遺伝子を運ぶことができるため、複雑な遺伝子治療やゲノム編集ツールの一括送達を可能とするプラットフォームとして注目されています。しかし、培養細胞からウイルスベクターを得る「ベクター産生」に必要なHSVゲノムが巨大であるため細胞への導入効率が極めて低く、研究室レベルでの少量産生はできても産業向けの大量製造が困難であったことから、臨床応用には至っていません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、HSVゲノムを細胞内に染色体外DNAとして安定的に保持したまま増殖可能なHEK293細胞株の樹立に成功し、この細胞株を用いたベクター産生技術「EASY-HSV（Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus）ベクターシステム」を開発しました。従来法では導入効率が低い巨大HSVゲノムがすでに保持された細胞株を用いるため、細胞あたりのベクター産生量（産生効率）は従来法の約100倍に向上しました。本成果は、HSVアンプリコンベクターの大量製造を可能にし、将来的な臨床応用や新たな遺伝子治療法の開発を加速する重要な基盤技術となりうるものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年8月31日に「Molecular Therapy Advances」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
先天性の遺伝子異常によって生じる希少疾患の多くは現在でも有効な治療法が存在しません。こうした疾患では、病気の原因となる遺伝子異常が明確であることから、根本的な治療を目指して、正常な遺伝子を細胞へ届けて失われた機能を補う遺伝子治療が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
遺伝子治療では、正常な遺伝子を細胞へ届ける１つの方法として、「ウイルスベクター」と呼ばれる遺伝子運搬体が用いられます。ウイルスは、自身の遺伝子を効率よく細胞内に送り込む能力を持っており、ウイルスベクターはその仕組みを利用して治療用遺伝子を目的の細胞へ届けます。近年では、脊髄性筋萎縮症などに対する遺伝子治療薬が実用化されています。一方で、現在実用化されているウイルスベクターにはいくつか課題があります。搭載できる遺伝子サイズが小さいため巨大な遺伝子を運ぶのが難しいこと、ウイルスに対する免疫が獲得されることで再投与時の遺伝子発現が著しく抑制されるなどの課題があります。さらに染色体への遺伝子挿入に伴うがん化のために安全上の懸念があることなどから、適用できる疾患はまだ限定的です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした課題を解決すると期待されているのがHSVアンプリコンベクターです。HSVアンプリコンベクターは、ヒト最大の遺伝子であるジストロフィンを10コピー以上搭載できる、最大15万塩基対（150&amp;nbsp;kb）という遺伝子積載容量を有し、これまで治療対象とすることが難しかった大型の遺伝子が関与する疾患に適用可能です。また、HSV は免疫回避能が高く、反復投与した場合においても遺伝子発現が期待できることから、長期的な反復投与が必要となる慢性疾患、がん治療などにも応用できる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
従来のHSVアンプリコンベクター産生法では、ベクター産生に必要なHSVゲノムの調製に高コストかつ煩雑な工程を要するうえ、収量も低いという課題がありました。また、HSVゲノムは約150 kbと極めて巨大であるため、ベクター産生時にゲノムを産生細胞へ導入することが難しく、医薬品製造プロセスの開発において大きな障壁となっていました。このため、HSVアンプリコンベクターは優れた特性を有しながらも、実用化や普及が進んでいませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研ではこれまでHSVアンプリコンベクターを利用した遺伝子導入技術や遺伝子治療への応用研究を進めてきました。今回、国立がん研究センターと共同でHSVアンプリコンベクターの高効率な産生を可能にする新たな製造基盤の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の委託事業「大学発医療系スタートアップ支援プログラム（シーズS2）」（2026～2027年度）による支援を受けています。また、本研究はJSPS科研費JP24K21113、JP22H02225、JP25K03224の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
今回、研究チームはHSVゲノムを核内に安定的に保持できるHEK293細胞（293/HSV細胞）を樹立しました。細胞株樹立においては、導入されたHSVゲノム由来の遺伝子が発現することによる細胞毒性と導入されたHSVゲノムの細胞分裂に伴う減少という２つの課題がありました。HSVゲノムからHSV遺伝子群の発現制御を担うICP0、ICP27等を除くとともに、エプスタイン・バーウイルス（EBV）由来の自動複製機構を組み込みました。EBV自動複製機構により染色体に結合された染色体外DNAも染色体複製時に複製されることが知られています。これにより、HSV遺伝子発現によって細胞死が引き起こされることがなく、また、HSVゲノムが細胞分裂後も失われにくくなり、細胞内で安定的に維持されることを確認しました（図１）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、この293/HSV細胞に目的遺伝子とHSVゲノムから除いた遺伝子発現制御遺伝子であるICP0遺伝子を搭載したプラスミドとICP27遺伝子を搭載した補助プラスミドの2種類のみを導入することで、HSV遺伝子群の発現が開始され、HSVアンプリコンベクターが産生される新しい産生法を構築しました。研究チームはこの方法を「EASY-HSV（Efficient And Simple high-Yield HSV）システム」と名付けました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来法ではHSVゲノムDNAの大量調製、細胞への導入が必要でしたが、EASY-HSVシステムではこれらの工程が不要になります。あらかじめHSVゲノムを保持した293/HSV細胞を利用するため、研究者は目的遺伝子を搭載したプラスミドを導入するだけでベクターを産生することが可能です。EASY-HSVシステムの産生効率を検証した結果、従来法と比較してベクター産生量が約100倍に向上することが分かりました（図２）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、高価な導入試薬（Lipofectamine 2000, 3000）を用いなくても、安価なポリエチレンイミン（PEI）を利用して高力価のベクターを作製できることを確認しました（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、HSVゲノムが誤ってウイルス粒子に取り込まれた場合、感染細胞に悪影響を及ぼす危険性があるため、HSVゲノム封入リスクを評価しました。HEK293細胞に保持させたHSVゲノムには赤色蛍光タンパク質（RFP）遺伝子が組み込まれているため、HSVゲノムがウイルス粒子に封入されている場合には、HSVアンプリコンベクター溶液を添加された細胞においてRFPの蛍光が検出されると考えられます。実験の結果、RFPの蛍光を示す細胞は検出されませんでした。この結果から、HSVゲノムがウイルス粒子に封入される可能性は極めて低いことが示唆されました（図4）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上の結果は、EASY-HSVシステムがHSVアンプリコンベクターの産生工程を大幅に簡略化するとともに、高効率かつ低コストなベクター産生を可能にする実用化に資する基盤技術であることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、EASY-HSVシステムのさらなる高効率化と低コスト化を進め、より多くの研究者が利用できる技術基盤として整備していきます。また、HSVアンプリコンベクターの大容量遺伝子搭載能力を活かせる疾患領域の探索を進め、本技術を利用した遺伝子治療薬の実用化を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Molecular Therapy Advances&lt;br /&gt;
論文タイトル：Development of the “EASY-HSV (Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus) system” based on HSV-1 genome-maintaining 293 cells&lt;br /&gt;
著者：Fumio Maeda, Moeka Nobe, Kenichiro Imai, Shungo Adachi and Tohru Natsume&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.omta.2026.201829&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.omta.2026.201829&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
単純ヘルペスウイルス（Herpes simplex virus, HSV）アンプリコンベクター&lt;br /&gt;
HSVの粒子を利用して目的遺伝子（DNA）を細胞へ運ぶ遺伝子導入ベクター。ベクター自身はほとんどウイルス遺伝子を持たないため病原性を示さず、高い安全性と約150 kbの大容量遺伝子搭載能を併せ持つ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ウイルスベクター&lt;br /&gt;
ウイルスの中に目的の遺伝子を積載しており、ウイルスが遺伝子を細胞へ運ぶ能力を利用することで治療用遺伝子を目的細胞へ送り込むことが可能。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
レンチウイルスベクター&lt;br /&gt;
積載された遺伝子を感染した細胞の染色体に挿入する形式のRNAウイルスベクターで、最大積載容量は10&amp;nbsp;kb程。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アデノ随伴ウイルス（AAV）ベクター&lt;br /&gt;
HSVアンプリコンベクターと同様、DNAを運ぶウイルスベクター。毒性が低いと考えられていたこともあり、AAVベクターを利用した多くの臨床試験が進んできたが、積載遺伝子容量は4.7 kbと小さく、HSVベクターの1/30程であるため、搭載できる遺伝子が制限される点が特徴。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
HSVゲノム&lt;br /&gt;
約150&amp;nbsp;kbのDNAで、HSVゲノム自身を複製する酵素やHSVの粒子を構成するタンパク質の遺伝子等がコードされている。HSVゲノムを細胞に導入するとHSV遺伝子が発現し、HSVが産生される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
kb（キロベース）&lt;br /&gt;
DNAやRNAの長さを表す単位で、1 kb = 1,000塩基（base）を意味する。遺伝子やDNA断片の大きさを示す際によく用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260916/pr20260916.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260916/pr20260916.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>国内最大級のデジタルイノベーションの総合展CEATEC 2026に出展</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609145846</link>
        <pubDate>Tue, 15 Sep 2026 11:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下、産総研）は、2026年10月13日（火）～16日（金）の4日間にわたって幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2026」へブース...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下、産総研）は、2026年10月13日（火）～16日（金）の4日間にわたって幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2026」へブース出展します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ブース外観（イメージ）&lt;br /&gt;
【出展概要】
■ブース位置：4H 621&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■出展テーマ：「人口減少・高齢化社会を再設計するテクノロジー」&lt;br /&gt;
人口減少と高齢化が進む日本では、働く人の減少、医療・介護需要の増大、ものづくりを支える人材の不足、社会インフラの維持など、さまざまな課題が顕在化しています。これらの課題を乗り越えるためには、人手不足を補うだけでなく、テクノロジーを活用して人々の暮らしや働き方そのものを再設計していくことが求められます。AI、ロボティクス、センシング、デジタル技術など、多様な分野の研究成果を結集して描く、誰もが安心して暮らし、働ける社会。人口減少・高齢化社会の「つぎの当たり前」を生み出す産総研の取り組みをご紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■見どころ：各研究者の研究室を巡るような感覚で楽しめるブースをご用意しました。研究成果を「見る」だけでなく、「体験する」ことで、研究の魅力や技術の可能性をより身近に感じていただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【CEATEC概要】
・イベント名：CEATEC 2026&lt;br /&gt;
・日程　　　：2026年10月13日（火）～10月16日（金）&lt;br /&gt;
・会場　　　：幕張メッセ&lt;br /&gt;
・主催　　　：一般社団法人 電子情報技術産業協会&lt;br /&gt;
・公式サイト：&lt;a href=&quot;https://www.ceatec.com/ja/application/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.ceatec.com/ja/application/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609145846/_prw_PI1im_OW5nflvG.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>3種金属の複合粉末材料で強磁性・高導電性を</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609025137</link>
        <pubDate>Fri, 04 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ ガスアトマイズ法・熱プラズマ法を用いてFe-Cu-Ag微小複合粉末の合成に成功 ・ 磁性を担うFeと導電性を担うCu、Agからなる複合粒子において、Feが中心部に偏在、または微粒子として...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ ガスアトマイズ法・熱プラズマ法を用いてFe-Cu-Ag微小複合粉末の合成に成功&lt;br /&gt;
・ 磁性を担うFeと導電性を担うCu、Agからなる複合粒子において、Feが中心部に偏在、または微粒子として全体的に分散することで、強磁性および高導電性を実現&lt;br /&gt;
・ 半導体テストソケットへの応用により、半導体検査の信頼性向上に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）マルチマテリアル研究部門 Park Kwangjae 主任研究員、劉 崢 上級主任研究員、平山 悠介 研究グループ長は、韓国の国立釜慶大学校 Kwon Hansang教授と共同で、強磁性体であり、高い導電性を実現する微小粉末、鉄（Fe）-銅（Cu）-銀（Ag）複合材料の合成に成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この技術はガスアトマイズ法および熱プラズマ法を用いて、微小粉末Fe-Cu-Ag複合材料を合成するものです。液化金属を噴霧・急速に冷却するガスアトマイズ法によって平均粒径50 µm程度、また金属蒸気を急速冷却する熱プラズマ法では平均粒径100 nm程度の球状の微小粉末が得られました。評価の結果、ニッケル（Ni）粉末に比べてより高い機械的強度と導電性が確認できました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回合成したFe-Cu-Ag微小複合粉末は、エラストマー型半導体テストソケットにおいて、Ni、または、貴金属がメッキされたNi（平均粒径20～50 µm程度）が用いられることの多い導電性フィラーとして、それらを置き換えるポテンシャルを持つと考えられます。今後ますます微細化・多ピン化する半導体の検査において信頼性向上に貢献すると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月11日に第87回応用物理学会秋季学術講演会で発表されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
半導体は、製造後に電気的な特性や動作を確認するためのテストが行われます。その際、半導体とテスター（検査装置）を電気的に接続するために用いられるのが「半導体テストソケット」です。半導体テストソケットには、半導体の端子とテスターを確実に接続するとともに、微細化・多ピン化する半導体に対応し、繰り返し使用しても安定した電気的接続を維持できることが求められます。また、半導体テストソケット内部の接触抵抗が小さく安定していることや、半導体の端子を傷つけにくいことなども重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
半導体テストソケットの接点に、ゴムのように柔らかく、弾性を持った高分子素材「エラストマー」を使ったエラストマー型半導体テストソケットでは、絶縁性のエラストマーの中に金属などの導電性の粒子、「導電性フィラー」を分散させます。半導体をソケットに押し付けるとエラストマーが圧縮され、導電性フィラー同士、また導電性フィラーと半導体端子・電極が電気的に接触し、電気信号が半導体とテスターの間を伝わります。導電性フィラーには、高い導電性だけでなく、適切な硬さや機械的強度、耐摩耗性など、複数の性能が求められます。さらに、導電性フィラーが強磁性体であれば、製造時に磁場を利用して特定の方向に電気を通す導電経路を形成することができます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、エラストマー型半導体テストソケットでは、導電性フィラーにNi、または、貴金属メッキが施されたNiが用いられることが多いのですが、半導体の微細化や多ピン化に合わせてより良い材料、つまり、強磁性体であって高い耐摩耗性と導電性を持つ材料の探索が続けられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、ナノメートルサイズからマイクロメートルサイズまでの幅広い粒径領域において、複合粒子を開発するためのプロセス技術やノウハウを蓄積してきました。また、高性能永久磁石の開発をはじめ、積層造形用材料や高機能金属材料の研究開発にも取り組んでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
韓国・国立釜慶大学校のKwon Hansang教授とは、これまで複合粉末の開発に関する共同研究を進めてきました。産総研が保有する金属粉末製造技術と、Kwon Hansang教授が有する複合材料設計に関する知見を融合することで、優れた磁気応答性、電気特性および機械的特性を兼ね備えた新しい複合粉末の開発を目指しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、強磁性を有し機械的特性にも優れるFeに着目しました。FeはNiと同様に強磁性を有するだけでなく、Niよりも高い飽和磁化を示すことから、磁場応答性の向上が期待されます。そこで、Feと高い電気伝導性を有するCuおよびAgとを一つの粉末中で複合化したFe-Cu-Ag複合粉末を開発しました。原料粉末中の質量比はFe : Cu : Ag = 3 : 5 : 2としました。磁性を担うFeは、CuやAgに比べて導電性に乏しいため、粒子に高導電性を持たせるには粒子表面はCu、Agに富むことが有効です。一方で、Fe、CuおよびAgは互いに固体状態で混ざりにくい非固溶系金属であるため、通常は均一な複合組織を形成することが難しい材料系です。本研究では、この非固溶系金属の特徴を利用し、Feの磁気応答性と機械的特性、CuとAgの高導電性を単一粉末中で発現できる複合粉末の作製を目指しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1に、本研究で開発したFe-Cu-Ag複合粉末の微細構造を示します。ガスアトマイズ法では、金属を溶かして液体にした後、これを高速で噴霧して急速に凝固させることで、球状の金属粉末を作製できます。Fe、CuおよびAgを溶融し、噴霧・急速凝固させることで、平均粒径50 µm程度のマイクロサイズのFe-Cu-Ag複合粉末が得られました。走査型電子顕微鏡観察による解析の結果、粒子状のFeとCuがAgマトリックス中に分散内包された、特徴的な複合微細組織を有する粉末が得られました。一方、熱プラズマ法では、金属原料を超高温のプラズマ中で蒸発させ、その後の冷却過程でナノ粒子が形成されます。このプロセスでは、Fe、Cu、Agの蒸気圧の違いが粒子の形成に大きく影響します。FeがCuおよびAgよりも先に核生成することで、Feが粒子の中心部に偏在する構造を持つ、平均粒径100 nm程度のナノサイズの複合粒子が形成されることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2に、作製したFe-Cu-Ag複合粉末の特性評価結果を示します。マイクロサイズのFe-Cu-Ag複合粉末は、自動粉体抵抗測定の結果、比較対象であるNi粉末（平均粒径50 µm程度）と比べて荷重によらず高い電気伝導率を示しました。また、ナノサイズのFe-Cu-Ag複合粉末についても、圧粉体評価（四端子法）においてNi粉末（平均粒径5 µm程度）と比較して高い電気伝導率を示しました。これにより、本複合粉末は従来のNi粉末よりも優れた導電性を有していることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、半導体テストソケット用フィラーとして重要な磁気特性および機械的特性についても評価しました。従来用いられているNi粉末の飽和磁化が約57 emu/gであるのに対し、本研究で開発したFe-Cu-Agマイクロ粉末は63 emu/g、Fe-Cu-Agナノ粉末は56 emu/gを示しました。CuおよびAgは非磁性元素であるにもかかわらず、Fe-Cu-Ag複合粉末はNi粉末と同等レベルの磁気特性を維持しており、これは強磁性を有するFeの寄与によるものと考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
機械的特性については、繰り返し荷重に対する耐久性に関係する指標の一つとしてビッカース硬度を評価しました。一般的なNi粉末のビッカース硬度は約100～110&amp;nbsp;HV（0.98～1.08 GPa）とされていますが、本研究で開発したFe-Cu-Agマイクロ粉末では127 HV（1.25 GPa）を示しました。この結果は、Fe-Cu-Ag複合粉末がNi粉末と同程度の機械的強度を有する可能性を示しています。すなわち、本研究で開発した複合粉末は、半導体テストソケット用フィラーに求められる磁気特性、電気特性および機械的特性をバランスよく備えた材料であると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
電気伝導性の向上は、半導体テストソケット内部の接触抵抗の低減につながると期待されます。接触抵抗が低減すると、半導体デバイスと測定装置の間で電気信号をより安定して伝達できる可能性があります。また、導電経路の抵抗が低くなることで、通電時の発熱抑制にも寄与すると考えられます。したがって、本研究で開発した複合粉末は、半導体テストソケット用材料としての応用が期待されます。今後は、実際のシリコーンラバー型テストソケットへの適用を想定し、組成、粒径、微細構造の最適化を進めるとともに、接触抵抗、耐久性、信号伝送特性などの評価を進めていきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
学会情報
学会名：第87回応用物理学会秋季学術講演会&lt;br /&gt;
発表タイトル：ガスアトマイズ法および熱プラズマ法で作製したコアシェル微細構造を有するFe–Cu–Ag複合マイクロ／ナノ粉末&lt;br /&gt;
著者：Park Kwangjae、劉 崢、平山 悠介、Kwon Hansang&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
複合材料&lt;br /&gt;
複数の異なる材料を組み合わせることで、単一材料では得られない特性や機能を発現させた材料。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ガスアトマイズ法&lt;br /&gt;
金属を溶かして液体状態にした後、高圧ガスで微細な液滴として噴霧し、急速に凝固させることで金属粉末を製造する方法。量産性に優れ、球状の金属粉末を効率良く作製できることから、産業界で広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
熱プラズマ法&lt;br /&gt;
数千～一万度級の超高温プラズマを利用して原料を蒸発させ、その後の冷却・凝縮過程でナノ粒子を生成する製造法。平均粒径数百ナノメートル以下の金属ナノ粉末を作製できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
飽和磁化&lt;br /&gt;
磁性材料が磁場によって完全に磁化された状態での磁化の大きさ。磁性材料の性能を評価する重要な指標である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自動粉体抵抗測定&lt;br /&gt;
粉末を一定荷重で圧縮しながら電気抵抗を自動測定する手法。粉末材料の導電性を定量的に評価するために用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
四端子法&lt;br /&gt;
電流を流す二つの端子とは別に電圧測定用の二つの端子を用いた電気抵抗の測定方法。試料と端子の間に生じる接触抵抗の影響を低減し、正確に抵抗値を測定できる。本研究では、粉末を圧縮して成形した試料（圧粉体）の導電性を評価するために用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ビッカース硬度&lt;br /&gt;
材料表面にダイヤモンド圧子を押し込み、その圧痕の大きさから材料の硬さを評価する指標。数値が大きいほど、変形や摩耗に対して耐性があることを示す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260904/pr20260904.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260904/pr20260904.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609025137/_prw_PI1im_GnoB8A7X.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>光子が生み出す磁束量子を直接観測し、光子数を識別する“新原理”を実証</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609015061</link>
        <pubDate>Thu, 03 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 光子が生み出す磁束量子を直接観測し、量子化電圧信号として読み出すことで、光子を計数できる“新原理”を実証 ・ 熱応答に依存しない、高速動作が期待される新しい光子数識別器の可能性を開拓 ・...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 光子が生み出す磁束量子を直接観測し、量子化電圧信号として読み出すことで、光子を計数できる“新原理”を実証&lt;br /&gt;
・ 熱応答に依存しない、高速動作が期待される新しい光子数識別器の可能性を開拓&lt;br /&gt;
・ 光量子コンピュータにおける量子誤り訂正に応用可能な高速光子数識別器の実現に向けて前進&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人 産業技術総合研究所（産総研）量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）／物理計測標準研究部門の福田 大治 首席研究員、量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）量子フォトニクスハードウェア研究チーム／物理計測標準研究部門 量子センサー計測研究グループ 鶴田 哲也 主任研究員らは、光子吸収によって超伝導体中に生じる磁束量子を直接観測し、その数から光子数を識別する新しい光子検出原理の実証に成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光子一つひとつを検出することは、光量子コンピュータや量子通信において重要な技術として位置付けられており、いくつかの方式が提案されています。研究用途には一部実用化されているほか、産業応用への組み込みが始まりつつあります。今回実証したのは、従来の技術では実現し得なかった高い光子数識別能力と高速性の両立が期待される新たな光子検出原理です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光子が超伝導体に吸収されると超伝導位相の勾配が不安定化し、磁束量子対が発生します。発生した磁束量子が超伝導体を横切ると位相スリップが生じ、その結果としてジョセフソン効果による量子化電圧信号が発生します。本研究では、この量子化電圧信号を観測することで、光子によって生じた磁束量子の運動を直接捉えるとともに、その信号から入射した光子数を識別することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来の超伝導光子数識別器は、光子吸収後に熱平衡状態に到達した際の温度変化を測定していました。一方、本技術は熱ではなく、光吸収直後に発生する超伝導位相のダイナミクスを利用します。熱的な応答を待つ時間が不要なため、従来方式を超える高速な光子数識別技術につながることが期待されます。この研究成果の詳細は、2026年9月2日に米国物理学会（APS）の学術誌 Physical Review Applied に掲載され、Editor&#039;s Suggestion に選定されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
光量子コンピュータでは光子を量子ビットとして利用することで高速な大規模量子演算の実現が、また量子通信では光子を量子情報の担い手として利用することで情報理論的安全性の高い通信の実現が期待されています。こうした量子フォトニクス技術の高度化には、光子を高効率かつ高精度に検出する必要があります。なかでも、単に光子の有無を検出するだけでなく、1個、2個、3個…と光子数まで識別できる光子数分解検出技術（PNRD）は、単一光子源の評価、ボソニック量子コンピューティング、高度な量子通信方式などへの応用が期待される重要な技術です。PNRDは量子光学研究における重要な計測技術として利用されてきましたが、今後の大規模光量子コンピュータや量子通信インフラへの展開に向けては、さらなる高速化が求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
代表的な光子検出器として超伝導転移端センサー（TES）や超伝導ナノワイヤ単一光子検出器（SNSPD）があります。TESは複数の光子を識別できる優れた性能を持つ一方で、光子のエネルギーを熱として測定するため冷却に伴う待機時間が必要となり、応答速度に制約があります。一方SNSPDは極めて高速に動作しますが、光子が入射したことは分かるものの、それがどれだけのエネルギーだったかは分かりません。そのため、PNRDとして機能させ、光子数を識別するには、多数の検出器を組み合わせる必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、TESの高い光子数識別能力とSNSPDの高速性を両立することは、依然として重要な技術課題となっており、これらを両立するにはこれまでの技術の高度化ではなく、光検出の新たな方式が必要になります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
従来、光子数を測定するためには超伝導転移端センサー（TES）が用いられてきました。産総研では長年にわたりTESの研究開発を進めており、現在では検出効率99 %、30光子以上の光子数を測定可能な世界最高水準の光子数識別器の開発に成功しています[1]。一方で、TESは光子のエネルギーを熱に変換し、その温度上昇を測定することで光子数を識別する原理であるため、次の光パルスを測定するには吸収した熱が冷えて元の状態に戻るまで待機時間が必要です。この応答速度の制限は、大規模光量子コンピュータや量子誤り訂正で求められる超高速な光子数識別の実現において大きな課題となっていました。特に大規模な光量子コンピュータでは、演算中に生じる誤りを検出・訂正するため、多数の光子を高速かつ正確に識別する技術が重要になります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで研究グループは、熱ではなく、光子吸収直後に超伝導体中で生じる超伝導位相のダイナミクスに着目しました。これらの現象は熱平衡に達するよりもはるかに短い時間スケールで発生するため、熱を利用する従来方式を超える高速な光子数識別原理につながる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、この超伝導位相ダイナミクスに由来する量子化電圧信号を利用し、光子が生み出す磁束量子の運動を直接観測することで、光子数識別の実証に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）ムーンショット型研究開発事業 目標6「誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発（JPMJMS2064）」および「誤り耐性型全光学式光量子コンピュータの研究開発（JPMJMS256I）」、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」（研究推進法人：量子科学技術研究開発機構（QST））における研究テーマ「量子コンピュータ・センサーハードウエアコンポーネントテストベッドの構築」、内閣府 研究開発と Society 5.0 との橋渡しプログラム（BRIDGE）「商用光量子コンピュータの構築」、日本学術振興会 科学研究費助成事業（JP24K01374）、および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）委託事業（JPNP25014）の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
光子はその波長に応じたエネルギーを持っています。この光子が超伝導体に吸収されると、「ホットスポット」と呼ばれる局所的に超伝導状態が弱まった領域が形成されます。このホットスポットによって超伝導位相の勾配が生じて不安定化し、それを補償するために磁束量子対が生成されることが理論的に予測されていました。しかし、磁束量子は極めて小さな磁束を持つ量子的な励起であり、その運動を直接観測することは容易ではありません。そのため、光子によって生成された磁束量子のダイナミクスは長年理論的に予測されていたものの、実験的な直接観測は実現されていませんでした。磁束量子が超伝導体を横切ると、超伝導位相は2πだけ変化します。この現象は「位相スリップ」と呼ばれ、ジョセフソン関係に従った量子化電圧信号が発生します。そこで研究グループでは、光子吸収により発生した磁束量子対を、電流によって超伝導体中を移動させ、その際に生じる位相スリップに伴う量子化電圧信号を観測することに着目しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、この量子化電圧を高感度に測定することで、光子によって生成された磁束量子を直接観測することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1は、光子照射後に観測された量子化電圧パルスの例を示しています。各曲線は単一ショット測定の結果であり、パルス高さが離散的な値を取ることが確認できます。これは発生した磁束量子の本数が整数であることを反映しており、磁束量子の数を電圧信号として読み出せていることを示しています。平均数個の光子を入射した場合でも複数の離散レベルが観測され、光子によって生成された磁束量子を量子化電圧信号として直接観測できることを実証しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに研究グループは、光子吸収によって発生する磁束量子の数が、吸収された光子数の増加とともに増えることに着目しました。光子数が多いほど、超伝導体中を横切る磁束量子の数、すなわち位相スリップの発生回数も増加します。その結果、観測される量子化電圧信号の大きさも段階的に変化します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで、位相スリップによって生じた量子化電圧信号の大きさから磁束量子数を求め、その分布の違いを用いて光子数を識別することを試みました。その結果、観測された信号は連続的ではなく、光子数に対応した複数の離散的な値を取ることが分かりました。これは、光子吸収によって発生した磁束量子数を量子化電圧信号として読み出し、その情報から光子数を識別できることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2は、光子照射時に観測された量子化電圧信号の波高値分布を示しています。横軸は信号の大きさを表すピークインデックス、縦軸はその出現頻度です。黒色の棒グラフは測定結果、だいだい色の曲線は複数のガウス分布によるフィッティング結果を示しています。分布には複数のピークが現れており、n=0は光子が入射していない事象、n=1、n=2、n=3はそれぞれ1個、2個、3個の光子が吸収された事象、n≥4は4個以上の光子が吸収された事象に対応します。測定結果がこれらの離散的なピークとして分離していることから、位相スリップ信号を用いて光子数を識別できることが実証されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来の超伝導転移端センサー（TES）では、光子が吸収された後、検出器が熱平衡状態へ緩和する過程を利用して光子数を測定します。一方、本研究で実証した手法では、光吸収直後に発生する磁束量子の生成と運動、さらにそれに伴う位相スリップという超伝導位相のダイナミクスを利用して光子数を識別します。すなわち、光子のエネルギーを熱として測定するのではなく、光子吸収によって発生した磁束量子数を量子化電圧信号として読み出す新しい光子数識別原理です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回の成果は、光子によって生成された磁束量子を直接観測し、その数を利用して光子数を識別する新しい原理を世界で初めて実証したものです。 これは、 「光子 → 磁束量子 → 位相スリップ → 量子化電圧 → 光子数識別」 という一連の量子的ダイナミクスを利用した新しい光子検出原理の実証でもあります。この方式は熱緩和過程に依存しないため、将来的には従来方式を上回る高速な光子数識別器の実現につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究により、光子吸収直後に発生する超伝導位相のダイナミクスを利用した、新しい光子数識別原理が実証されました。今後は、検出効率や光子数識別精度の向上に加え、本原理の特徴である高速動作の実証と、集積化に向けたデバイス構造の最適化を進め、光量子コンピュータや量子通信で必要とされる高速・高精度な光子数識別器の実現を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Physical Review Applied&lt;br /&gt;
論文タイトル：Direct observation of photon-induced vortices in superconducting films&lt;br /&gt;
著者：Takeshi Jodoi, Fuminori Hirayama, Tetsuya Tsuruta, Takahiro Kikuchi and Daiji Fukuda&lt;br /&gt;
DOI： &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1103/n295-rfl8&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1103/n295-rfl8&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] T. Jodoi, T. Tsuruta, T. Kikuchi, N. Kominato, K. Shirota, A. Sato, and D. Fukuda, “Development of transition-edge sensors with high detection efficiency and fast response time,” APL Photonics, vol. 11, no. 7, p. 076114, Jul. 2026, DOI: 10.1063/5.0329056.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
光子&lt;br /&gt;
光の最小単位。光は波としての性質と粒子としての性質を併せ持っており、その粒子としての一つ一つを光子と呼ぶ。量子通信や量子コンピュータでは、光子を情報の担い手として利用する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導&lt;br /&gt;
超伝導とは、物質を極低温まで冷却した際に電気抵抗がゼロになる現象。超伝導状態では、多数の電子が一つの量子的な波として振る舞い、その波が持つ「位相」によって電流の流れが決まる。このため、超伝導体では位相の変化が重要な物理現象を引き起こす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
磁束量子&lt;br /&gt;
超伝導体の中を通過できる磁束（磁力線）は連続的な値をとるのではなく、一定の最小単位で量子化されている。この最小単位を磁束量子と呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光量子コンピュータ&lt;br /&gt;
光子を量子情報の担い手として利用する量子コンピュータ。光子の量子状態を用いて演算を行うため、量子通信との親和性が高く、大規模な量子コンピュータの実現方式として期待されている。演算や量子誤り訂正には光子を高精度に検出・識別する技術が重要となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子通信&lt;br /&gt;
光子などの量子状態を利用して情報を伝送する通信技術。量子暗号通信をはじめとする次世代通信技術の基盤として研究開発が進められている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
位相スリップ&lt;br /&gt;
位相スリップとは、超伝導波の位相が瞬間的に2πだけ変化する現象。光子の吸収などによって超伝導位相の勾配が不安定になると、磁束量子が超伝導体を横切ることで位相の乱れが解消される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ジョセフソン効果&lt;br /&gt;
超伝導体の位相の変化と電圧の発生を結びつける法則。磁束量子が超伝導体を横切ると超伝導位相が変化し、それに対応した電圧信号が発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ボソニック量子コンピューティング&lt;br /&gt;
光子などのボース粒子の量子状態を利用して計算を行う量子コンピュータ方式。光子を用いた光量子コンピュータもボソニック量子コンピューティングの代表例の一つである。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導転移端センサー（TES）&lt;br /&gt;
Transition Edge Sensorを略してTESと呼ぶ。超伝導状態と常伝導状態の境界（転移端）付近で動作させ、光子の吸収によるわずかな温度変化を抵抗変化として検出する超伝導光子検出器。高い検出効率と優れた光子数識別性能を持つ一方、光子によって発生した熱が冷えて元の状態に戻るまで待つ必要があるため、動作速度に制限がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導ナノワイヤ単一光子検出器（SNSPD）&lt;br /&gt;
Superconducting Nanowire Single-Photon Detectorを略してSNSPDと呼ぶ。超伝導細線に光子が入射した際に生じる超伝導状態の局所的な破壊を検出する超伝導光検出器。高い検出効率、低雑音、高速動作を特徴とし、量子通信や量子暗号などで広く利用されている。一方、TESとは異なり光子数を直接識別することは困難である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子誤り訂正&lt;br /&gt;
外部からのノイズやデバイスの不完全性によって生じる量子情報の誤りを検出し、修正する技術。量子コンピュータでは量子状態が非常に壊れやすいため、大規模な計算を実現するためには誤り訂正が不可欠である。多数の物理量子ビットや光子を用いて一つの論理量子ビットを構成することで、高い信頼性を実現する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260903_2/pr20260903_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260903_2/pr20260903_2.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609015061/_prw_PI1im_pA3xb9F3.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>プレート境界の固着状態の変化を高解像度で可視化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609015020</link>
        <pubDate>Wed, 02 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 地震データと地殻変動データを相補的に統合し、プレート境界の固着状態の変化を高い時空間分解能で可視化 ・ 開発した手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 地震データと地殻変動データを相補的に統合し、プレート境界の固着状態の変化を高い時空間分解能で可視化&lt;br /&gt;
・ 開発した手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震前後の固着状態の変化の検出に成功&lt;br /&gt;
・ 地震の発生確率が高い場所の推定や発生時の規模評価の高精度化が期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）活断層・火山研究部門 今西 和俊 副研究部門長、野田 朱美 主任研究員（研究当時 気象研究所）は、プレート境界の固着状態の時空間変動を高い分解能で検出する新たな手法を開発しました。また、その手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震に先行する固着状態の変化を検出することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むプレート境界では、プレート同士が強く固着してほとんど動かない場所と、比較的自由に動く場所が存在します。固着の強い場所ではひずみが蓄積され、それが解放されることで地震が発生するため、固着状態の時空間的な変動を把握することで、地震の発生場所や規模を推定できると考えられています。これまで、プレート境界の固着状態は地殻変動データから推定されてきましたが、時空間的な分解能に限界がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、高い時空間分解能を持つ地震データと、空間的に安定した数年以上の長期変動の把握に優れた地殻変動データを相補的に組み合わせることで、プレート境界の固着状態の変動を高精度に検出する手法を開発しました。開発した手法を東北沖のプレート境界に適用したところ、地殻変動データのみでは検出できなかった年スケールでの固着状態の時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震の数年前から進行していた固着の部分的な剥がれを捉えることに成功しました。本成果により、巨大地震の準備過程への理解が深まるとともに、地震の発生確率の高い場所の推定や発生時の規模評価の高精度化が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月1日（米国東部夏時間）に「Journal of Geophysical Research: Solid Earth」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
日本列島周辺では、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むプレート境界において、巨大地震が繰り返し発生しています。プレート境界では、場所によってプレート同士が強く固着してほとんど動かない場所と、比較的自由に動く場所が存在します。固着が強い場所ではひずみが蓄積されますが、固着が弱い場所ではすべりによってひずみが解放されています。強く固着した場所に蓄積されたひずみが増大すると、やがて急激なすべりが生じて地震が発生します。プレート境界の固着状態は時間や場所によって変化することが知られているため、その時空間変動を把握することで、地震の発生しやすい場所や地震の規模を推定できると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレート境界の固着状態は、地表のわずかな変形である地殻変動から推定することができます。日本では、人工衛星による全球測位衛星システム（GNSS）観測網が高密度に整備されており、そのデータを用いて固着状態が推定されてきました。しかし、GNSSの観測データは長期間の変動を平均して解釈するため、固着状態の時間分解能も数年以上に限られます。また、GNSS観測網は陸上に設置されているため、沖合のプレート境界の固着状態を推定する際、空間分解能に限界がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、地震観測や地殻変動観測、およびそれらの大規模データ解析を通じて、地震発生の仕組みの解明と将来の地震発生の切迫度評価に向けた技術開発に取り組んでいます。本研究では、プレート境界近傍で日常的に発生する地震が、固着状態の変化に伴う応力場の変化に応答する点に着目するとともに、地震データと地殻変動データの特性を組み合わせて活用することで、固着状態の変化を検出する手法の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究では、国立研究開発法人防災科学技術研究所の広帯域地震観測網（F-net）により推定されたメカニズム解（F-net解）および、国土地理院のGEONET（GNSS連続観測システム）のデータを使用しました。また、本研究はJSPS科研費JP23K25975、JP23H01279、JP22H05317の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
プレート境界近傍では、被害を伴わないような小さな地震が日常的に多数発生しています。これらの地震は、プレート境界の固着状態の変化に伴う応力場の変化に応答して発生し、それぞれの地震のメカニズム解には応力場の情報が反映されています。本研究では、このような小さな地震を活用し、応力場との整合性を指標化することで、固着状態の変化を検出する手法を構築しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
具体的には、次のプロセスにより基準状態からの変化を可視化します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・GNSSデータから長期平均的なプレート固着分布（基準状態）を推定&lt;br /&gt;
・推定した固着に起因する周辺域の応力場（基準応力場）を計算&lt;br /&gt;
・発生した地震が基準応力場にどの程度整合的に発生しているか、ミスフィット角を指標として数値化&lt;br /&gt;
・ミスフィット角の時空間分布の変化を評価し、基準状態からの逸脱を可視化&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ミスフィット角が小さい場合は固着状態がおおむね安定に維持されていることを示し、大きい場合は地震やスロースリップなどに伴う固着状態の解消を示唆します（図1）。このように本手法では、高い時空間分解能で地下の状態変化を捉えることができる地震データと、数年以上の長期的変動を安定的に把握できる地殻変動データの特性を相補的に組み合わせ、それぞれの利点を活用して固着状態の変化を捉えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本手法を東北沖のプレート境界に適用し、1997年から2023年までの約25年間の地震データを用いて解析を行いました（図2a）。なお、基準となる長期平均的な固着状態は、2011年東北地方太平洋沖地震発生前の状態を基準とするため、1998年から10年間のGNSSデータを用い、比較的大きな地震の影響を除去して推定しています（図2b）。その結果、2011年東北地方太平洋沖地震の発生前には、震源域に対応する広い範囲で小さなミスフィット角が維持されており、固着状態が長期間にわたり継続していたことが明らかになりました。一方、地震発生後には広域にわたってミスフィット角が増大し、固着の解消が生じたことが確認されました（図3）。ミスフィット角に大きな変化が見られない領域のうち、東北地方太平洋沖地震の前後を通じて、領域Ⅰでは固着状態が継続する一方、領域ⅡおよびⅢでは先行研究に基づきスロースリップ活動が持続していると解釈しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、時間分解能を高めた解析により、固着状態は年スケールで変化するだけでなく、空間的にも複雑で不均質な構造を持つことが明らかとなりました（図4）。前述の領域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲにおいても、短期的には状態の揺らぎが見られることが確認されます。さらに、東北地方太平洋沖地震で大きなすべりが生じた領域周辺における時間変化を詳細に解析した結果、ミスフィット角は地震発生に向かって徐々に減少する傾向を示し、固着状態が時間的に維持・強化されていたことが示唆されます。しかし、2008年以降にはミスフィット角は増加に転じており、他の研究成果も含めて考えると、この時期にスロースリップが発生していた可能性が高いと解釈するのが妥当です（図5）。これらの結果は、大地震の発生に先立ち、数年前から固着の部分的な剥がれが進行し、それが最終的に東北地方太平洋沖地震の発生を誘発した可能性を示唆するものです。こうした変化は、大地震の発生可能性や切迫度の評価に直接関わる重要な情報です。固着状態の変動を高解像度で捉えることで、地震発生過程の理解を深め、防災・減災に資する高度な評価につながると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、南海トラフや千島海溝、海外の沈み込み帯など他地域への適用を進めるとともに、機械学習を用いたメカニズム解の大量推定を行うことで、本手法の汎用性と精度のさらなる向上を図ります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Geophysical Research: Solid Earth&lt;br /&gt;
論文タイトル：Detection of Interannual and Fine-Scale Plate Coupling Variations Using Intraplate Earthquakes and Geodetic Data: Application to the Tohoku-Oki Plate Boundary&lt;br /&gt;
著者：Kazutoshi Imanishi, Akemi Noda&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1029/2025JB032509&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1029/2025JB032509&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
プレート境界の固着&lt;br /&gt;
隣り合うプレート同士が強くくっつき、ほとんど動かなくなっている状態。固着した領域ではプレート運動によりひずみが蓄積し、限界に達すると急激にすべって地震が発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
地震データ&lt;br /&gt;
地震計による地震波観測から得られるデータ。地震の発生位置や規模、メカニズム解など、さまざまな情報を得ることができる。本研究では、固着状態の変化に伴って生じる応力場の変化を高い時空間分解能で捉えるために用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
地殻変動データ&lt;br /&gt;
GNSSなどの観測により得られる地表の位置変化のデータ。プレート運動に伴う数ミリから数センチメートル規模の長期的な変動を安定して捉えることができる。プレート境界の固着状態の推定に広く用いられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
応力場&lt;br /&gt;
地下の岩盤にどの方向から力が加わっているか、その分布の状態を表したもの。この力の向きや分布が、地震の発生の仕方や断層の動き方を左右する重要な要因となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
メカニズム解&lt;br /&gt;
地震がどのような断層運動によって発生したかを示す情報。断層の向きやすべり方向を表す。地震データの解析から求められ、地下の応力場の変化を知る手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ミスフィット角&lt;br /&gt;
基準となる応力場から理論的に求められるすべり方向と、地震のメカニズム解から得られるすべり方向との角度差。この角度を用いることで、観測された地震が応力場とどの程度整合的に発生しているかを評価できる。本研究では、プレート境界の固着状態の変化をさぐる手がかりとして用いる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スロースリップ&lt;br /&gt;
通常の地震のように急激にすべるのではなく、数日から数年かけてゆっくりと断層がすべる現象。地震波がほとんど発生しないため直接感じることはできないが、プレート境界の固着状態の変化を示す重要な現象であり、大地震との関係が注目されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260902/pr20260902.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260902/pr20260902.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609015020/_prw_PI1im_9g3CKQEh.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>精密設計した糖から一気にナノ構造体！</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608314961</link>
        <pubDate>Tue, 01 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 電極材料や触媒担体として有用なナノ多孔質カーボン材料を、化学修飾された糖のみから合成することに成功 ・ 使い捨てである従来のテンプレート剤を使わず、省資源・省エネルギーな合成への可能性を...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 電極材料や触媒担体として有用なナノ多孔質カーボン材料を、化学修飾された糖のみから合成することに成功&lt;br /&gt;
・ 使い捨てである従来のテンプレート剤を使わず、省資源・省エネルギーな合成への可能性を提示&lt;br /&gt;
・ 糖の種類や化学修飾の様式によって、将来はニーズに合わせたナノ構造を設計・合成可能になると期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）化学プロセス研究部門 久保 史織 主任研究員らは、ショ糖や果糖といった身近な糖を化学修飾することによるシンプルな工程で、ナノ多孔質カーボン材料やレイヤー状のナノ構造を有するカーボン材料が得られることを示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ナノ多孔質カーボン材料は、二次電池の電極材料や触媒担体として、エネルギー課題解決に資する材料群としてその役割が注目されています。特に取り込む分子に応じて細孔の大きさや形状がそろった材料群の需要が高まっています。しかし、従来広く使われているテンプレート法は、テンプレート剤の使い捨て、さらに複雑な合成工程が課題であったほか、合成手法によっては、高温や強酸などのエネルギー消費型かつ過酷な化学プロセスに依存していました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、産総研の研究グループは、化学修飾の施された糖分子のみからナノ構造を有するカーボン材料を合成するという新しい手法を確立しました。この手法は、単純でありながらも精密に狙った化学修飾によりアルキル鎖の導入された糖分子を原料として、水熱条件下で重縮合反応を進めるもので、従来のテンプレート剤や過酷な化学プロセスに依存しません。また、糖の種類を変えることで、球状の細孔形成のみならず、レイヤー状のナノスケールの構造体が得られることを見いだしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この成果は、これまでの“物理的な”細孔形成であるテンプレート法から、“化学的な”細孔形成への転換を図るものであり、今後、構築された手法をプラットフォームとすることでテンプレート法では実現できないナノ構造を持つ新たなナノ多孔質カーボン材料群の設計が期待されます。こうした材料をさまざまな化学反応の基材とすることで、電極材料や触媒担体材料などへの応用において従来得られなかった性能が実現する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年8月12日に「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
ナノ多孔質カーボン材料はナノスケールの細孔を多数持ち、大きな比表面積を持つという特徴があります。この特徴により、電気を蓄えたり、物質を吸着したり、反応を促進したりする用途で広く注目されています。その代表的な例は蓄電デバイスの電極材料や燃料電池で、こうした応用研究における電荷貯蔵機構やさまざまなエネルギー反応の舞台となります。他にも、ナノ多孔質カーボン材料は空気を浄化する吸着剤や、各種化学反応を促進する触媒の担体としても重要な機能を持ちます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
私たちに身近な多孔質カーボン材料である活性炭においては、その孔（以下、細孔と呼ぶ）の大きさや形は均一ではありません。そのため、さまざまな大きさの分子を対象とする浄水や脱臭などの用途に向いています。一方、細孔の大きさや形状が均一であると、特定の大きさの分子を選択的に取り込めるため、特に蓄電デバイスの電極材料やガス分離剤、触媒担体への応用に有効です。近年、それらの用途に適する、均質な細孔を持つナノ多孔質カーボン材料の需要が高まっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
均質な細孔を持つナノ多孔質カーボン材料の合成には、テンプレート法と呼ばれる方法が使われています。これは、カーボン材料の原料にテンプレート剤と呼ばれる特殊な無機材料や高分子材料を”鋳型”として混合して炭素化させ、後にそれを除去するものです。しかし、テンプレート剤となる物質は特殊な無機材料や高分子に限られているため、ナノ細孔の構造に対する制約が小さくありません。そのうえ、丹念に作製されたテンプレート剤も使い捨ての状態になっています。また、テンプレート剤の除去工程は、強酸や数百度の高温などの厳しい化学プロセスに依存します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
このような工程や制約を克服する、シンプルかつ反応条件が温和でありながら、ナノ細孔を用途に応じて思い通りに制御できる新たなナノ多孔質カーボン材料の合成技術が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、化学プロセスの省エネ化に向け、界面化学と化学工学を基盤とした機能性材料の研究開発を進めてきました。特に糖などのバイオマス由来分子の化学修飾による分子構造制御と界面形成技術に高度な基盤技術を有しています。さらに、これらの研究と深く関連しながら、糖を原料とした水熱合成によるカーボン材料の合成など、 グリーンな化学プロセスを活用した多孔質材料をはじめとする機能性材料合成に強みを持っています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした基盤技術を背景に、原料である化学修飾された糖分子自身の力によってカーボン材料をナノ多孔化するという、これまで考えられてこなかったアイデアの実現に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究はJSPS科研費 JP18K14307、JP20K05676、JP23K04900、JP18F18030の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、ショ糖の水酸基の一つに、エステル結合を介して、アルキル鎖（ラウロイル基）のつながったショ糖モノラウリン酸エステルを原料として用いました（図1）。この原料分子においては、糖部分一つに対して、アルキル鎖がエステル結合を介して一つつながれており、すなわち糖部分が、化学種、化学結合および置換数の観点から精密に制御されて修飾されています。この原料を水に溶解させた後に、水熱条件下において化学反応を進行させると（以下、水熱反応と呼ぶ）、従来のテンプレート剤を用いることなく、ナノ多孔質カーボンが得られました（図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ショ糖モノラウリン酸エステルからナノ多孔質カーボンへ至る化学プロセスの一端を捉えるべく、水熱反応の途中で反応を停止し、中間体を分析しました。その結果、反応時間の経過に伴い、糖部分の重縮合が進行し、カーボン様の固体が徐々に形成される傾向が観測されました。さらに、反応時間の経過に伴い、はじめに糖部分につながっていたアルキル鎖が、エステル結合の分解により徐々に糖部分から脱離する様子が捉えられました。この結果から、ショ糖モノラウリン酸エステルからナノ多孔質カーボンへの過程として、水熱条件下において、i) ショ糖モノラウリン酸エステルの自己組織化、ii) ショ糖モノラウリン酸エステルの糖部分の重縮合、およびiii) ショ糖モノラウリン酸エステルのアルキル鎖の脱離がそれぞれ起こることが考えられます。すなわちこの結果は、糖が自己組織化した状態でカーボン固体が形成され、かつアルキル鎖の脱離によって細孔が生じ、その結果、ナノ多孔質カーボンが生成することを強く示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
このメカニズムによれば、出発分子の分子構造を変化させれば、自己組織化の挙動も変わり、最終的にカーボン固体のナノ構造の形態を制御することができるのではないかと発想しました。そこで本研究ではさらに、糖部分として二糖であるショ糖に対し、それに代わって単糖である果糖に注目しました。ここでは果糖を狙って化学修飾し、出発分子（果糖モノラウリン酸エステル）を自ら合成し、水熱反応に供しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
その結果、果糖モノラウリン酸エステルを原料とした場合は、レイヤー状のナノ構造体が形成されることが分かりました。このように、糖一分子から、テンプレート剤を使わずに、糖の分子構造に応じて制御可能な、カーボン材料合成の基礎を築きました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、将来的な応用を見据えて、ショ糖モノラウリン酸エステルの出発水溶液の濃度を高くすることによりカーボン収量の増大を図りました。また、水熱反応後のカーボン生成物をさらに高温で焼成することにより電気伝導性の付与を図りました。このようにして得られたカーボン固体は、窒素吸着測定から1155 m2 g-1と1.00 cm3 g-1にのぼる高い比表面積と細孔容積を示し（図3）、かつ約32 nmを分布の中心とした比較的均一な大きさの細孔を有しました。さらにラマン分光法などの各種分光分析から、芳香族性の向上が認められ、良好な電気伝導性を有することが示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、糖に簡単な化学修飾を施すことで、糖自身の駆動力によってナノ多孔質カーボン材料が得られることを示すものです。これは、これまでのテンプレート法から脱却し、プログラミングされた原料分子から、ダイレクトにナノ多孔質カーボンの合成にたどりつく、新たなアイデアによる多孔質カーボン材料合成法を示すものです。さらに、糖分子の種類によって、得られるナノ構造が変化することも示され、こうした合成プラットフォームが、今後さらに拡充・強化され、電極材や触媒担体として高い機能を有するカーボン系材料の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、本成果に基づき、糖の化学修飾の様式と、得られるカーボン材料のナノ細孔の特徴の関係についての知見をより拡充していきます。そして特定の化学修飾の様式に焦点を当て、これまでにない形状のナノ細孔を持った新しいナノ多孔質カーボン材料の開発へとつなげることを目指します。さらに、カーボン固体収量の向上や、得られる材料の応用展開に向けた取り組みを推進します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of the American Chemical Society&lt;br /&gt;
タイトル：Chemically Modified Sugars as Multifunctional Precursors for Direct, Template-Free Synthesis of Nanoporous Carbonaceous Materials&lt;br /&gt;
著者名：Shiori Kubo, Joshua Philip Barham, Norihito Hiyoshi&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/jacs.5c16771&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/jacs.5c16771&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ナノ多孔質カーボン材料&lt;br /&gt;
ナノスケールの多数の孔を持ったカーボン材料。1ナノメートルは、1ミリメートルの百万分の一。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
テンプレート法&lt;br /&gt;
多孔質材料の合成において、あらかじめ決まった大きさや形をもつ固体材料や分子集合体を鋳型として使い、その周囲や内部に目的の材料を形成した後、鋳型を取り除くことで細孔を得る方法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
重縮合反応&lt;br /&gt;
分子自身または分子同士が水などの小さな分子を放出し、分子が互いに次々と化学結合し、小分子が取り除かれつつも、大きな分子を作る反応のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
水熱反応&lt;br /&gt;
水を溶媒とし、水の沸点（100&amp;nbsp;℃)以上、密閉空間において進行する化学反応。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自己組織化&lt;br /&gt;
分子が化学相互作用などにより、自発的に互いに集合して、組織化された構造を形成する挙動。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
窒素吸着測定&lt;br /&gt;
多孔質材料において、固体材料内に存在する細孔の容積や、固体材料の比表面積を調べる方法。多孔質材料の窒素吸着量を窒素の圧力を変えて測定して得られる窒素吸脱着等温線（例えば、図3）から、細孔の容積や比表面積の値が算出される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
比表面積&lt;br /&gt;
固体の単位質量あたりの表面積を表す。固体最外表面の面積と、細孔などの存在により固体内部に生じる表面（細孔の周りの表面）の面積からなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
細孔容積&lt;br /&gt;
固体の単位質量あたりの細孔の容積を表す。多孔質材料において、多孔性の度合いを表す指標となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ラマン分光法&lt;br /&gt;
物質にレーザー光を照射し、照射光に対し散乱する光（ラマン散乱）の波長変化を測定することで、分子構造や化学結合を分析する手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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    <item>
        <title>ダイヤモンド量子センシング技術で電流計測機器の校正を簡素化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608134091</link>
        <pubDate>Tue, 18 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 電流計測機器の校正を支える「電流比較器」にダイヤモンド量子センサーを導入 ・ 同じ装置構成で交流電流比と直流電流比のそれぞれを高精度に評価し、従来の電流比較器と比べて中心部のサイズを3分...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 電流計測機器の校正を支える「電流比較器」にダイヤモンド量子センサーを導入&lt;br /&gt;
・ 同じ装置構成で交流電流比と直流電流比のそれぞれを高精度に評価し、従来の電流比較器と比べて中心部のサイズを3分の1以下、質量を10分の1以下に小型化&lt;br /&gt;
・ 交流用・直流用で分かれていた校正体系の共通化を進める基盤技術として、次世代電力網で電流計測機器校正の効率化と電流計測の標準化への貢献に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）天谷 康孝 チーム長、貝沼 雄太 研究員、物理計測標準研究部門 村松 秀和 研究員、先進パワーエレクトロニクス研究センター 加藤 宙光 研究チーム長、国立大学法人東京科学大学 工学院 電気電子系 岩﨑 孝之 教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 大島 武 センター長らは、ダイヤモンド量子センサーを用いて、交流・直流の電流比を同じ装置構成で高精度に評価できる「電流比較器」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器は、発電設備や送配電設備などで使われている電流計測機器の校正を支える装置です。交流と直流では測定原理が異なるため、従来は交流電流比用と直流電流比用に異なる電流比較器が用いられており、校正体系も別々に整備されていました。両者を統一的に扱える計測技術や校正体系を確立することが、信頼性の高い電流計測をより広く効率的に社会に普及させる上での課題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、電流による磁束をダイヤモンド量子センサーで検出する構成により、交流電流比および直流電流比の両者を同じ装置構成で高精度に評価できることを示しました。また、従来の交流電流比測定に用いられる電磁誘導に基づく検出コイルが不要になったことで、電流比較器の中心部分の小型化にも成功しました。これにより、従来は別々であった電流計測機器の校正体系の共通化や効率化につながり、再生可能エネルギーなどの普及によって交流・直流が混在する次世代電力網における電流計測の標準化への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年8月11日に「Scientific Reports」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
私たちの生活を支える電力網には、発電所や送配電設備などのさまざまな設備が存在します。これらの設備では数百アンペアに及ぶ大電流が扱われるため、そのまま測定器に入力することはできません。そのため、実際には変流器を用いて測定しやすい数アンペア程度の小さな電流に変換して測定します。このとき、元の電流と変換後の電流の比（電流比）を高精度に評価することが重要であり、そのために電流比較器が用いられています。このような高精度な電流比測定を担う電流比較器においては、交流と直流では異なる測定原理が用いられており、それぞれ別の校正体系によって維持されてきました。従来の交流電流比測定に用いられる電流比較器は電磁誘導に基づいた測定原理を採用しており、交流電流比の測定は行えますが、直流を測定することができません。そのため、交流電流比と直流電流比の評価には、それぞれ異なる原理、および異なる装置構成が用いられており、両者を統一的に扱える計測技術や校正体系を確立することが、信頼性の高い電流計測をより広く効率的に社会に普及させる上での課題でした。この課題を解決すれば、交流用と直流用で別々の測定系や校正体系を維持する必要がなくなり、装置構成やデータ管理が複雑になる状況を解消できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研はこれまで、精密電気計測技術の研究開発や電流比較器の国家標準の維持・管理を進めてきました。東京科学大学はダイヤモンド量子センサーの開発、量子科学技術研究開発機構はダイヤモンド結晶中に高品質な窒素と空孔の複合欠陥を形成する技術の研究開発を進めてきました。本研究では、各機関の技術を統合し、電流比較技術にダイヤモンド量子センサーを組み込むことで、交流電流比と直流電流比を同じ装置構成で高精度に測定できる新たな電流計測技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム（Q-LEAP）JPMXS0118067395（2018～2027年度）、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第３期「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」（2023～2027年度）、内閣府 研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム（BRIDGE「研究開発型」）（2025～2027年度）、国立研究開発法人科学技術振興機構 先端国際共同研究推進事業「量子技術応用のためのダイヤモンドスピンキュービット」（JPMJAP24C1）（2024～2029年度）の支援を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、交流および直流それぞれの電流比を同じ装置で高精度に測定できる電流比較器を開発しました。開発した装置では、磁気センサーとして交流および直流において高い磁気感度を示すダイヤモンド量子センサーを用いることで、同じ装置での交流電流比・直流電流比の高精度な測定を実現しました。また、従来の交流電流比測定に必要であった電磁誘導型の検出コイルが不要となったことで、磁性体コアの小型化が可能となり、従来の構成と比べて、電流比較器の中心部分のサイズは3分の1以下、質量は10分の1以下になりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器は、二つの巻線に流れる電流がつくる磁束が互いに打ち消しあってゼロとなるように調整し、そのときの釣り合いから二つの巻線数の比に基づいて電流比を測定する装置です。その精度は非常に高いため、電流比測定の国家標準の実現や変流器の校正に広く用いられています。本研究では、ドーナツ形状である磁性体の一部に設けた切れ目（ギャップ）へ磁束を集中させ、そこに配置したダイヤモンド量子センサーで、わずかに漏れ出る磁束の検出を行いました。ダイヤモンド量子センサーでは、量子ダイヤモンドに緑色レーザーを照射し、特定の周波数のマイクロ波を印加したときに得られる赤色の蛍光の強度が、外部からの磁場を反映した量子状態に応じて変化することを利用しています。そのため、蛍光強度の変化を読み取ることで、ギャップ中の磁束を高感度に検出し、電流同士のバランスを正確に検出することができます（図1）。また、ダイヤモンド量子センサーは磁場と温度を独立に計測することができるため、周囲の温度変化の影響を低減し、安定した磁束検出を可能としました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
交流測定では、検出した磁束から、入力電流に対応する周波数成分を取り出し、電流比較器において巻線数の比で決まる理想比からのわずかなズレを評価しました。その結果、開発した電流比較器の300 Hz程度までの理想比からのズレ（図2(a)の赤マーカー）が磁性材料の周波数特性を考慮した曲線（図2(a)の黒実線）と矛盾のないことを確認しました。さらに測定の繰り返し性を評価した結果、交流電流比の測定においてアラン偏差の解析結果（図2(b)の赤実線）が時間と相関のないランダムなノイズの理論曲線（図2(b)の黒実線）に沿って50 nAまで低減したことから、入力電流1 Aにおける繰り返し測定として5×10-8 A/A程度の再現性を得ました。国家標準に要求される1× 10-6&amp;nbsp;A/Aレベルを十分に上回る性能を実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
直流測定では、交流測定のように周波数成分を分離することができず、また地磁気の影響を受けるため、直流電流を入力した状態と入力しない状態の差分を評価しました。直流電流の過渡的な変化の影響を最小限にするため、直流電流を加えてから十分な時間が経過した後（図3(a)のオレンジの網掛け部分）および直流電流を切ってから十分な時間が経過した後（図3(a)のグレーの網掛け部分）のデータを解析しました。その結果、直流測定においても高精度に残留磁束を検出し、微小な直流電流比のズレに対応する信号を測定可能であることを確認しました（図3(a)）。さらに測定の繰り返し性を評価した結果、アラン偏差が交流測定と同様に50 nAまで低減し、開発した電流比較器は交流だけでなく、直流測定においても入力電流1 Aにおける繰り返し測定の再現性が5×10-8 A/A程度であることを実証しました（図3(b)）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上の結果から、ダイヤモンド量子センサーを用いた電流比較器により、交流電流比と直流電流比を同じ装置構成で高精度に測定できることを示しました。本成果は、再生可能エネルギーの普及によって交流と直流が混在する次世代電力網において複雑化する電流計測を下支えする、機器校正の効率化と電流計測の標準化への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、今回開発した電流比較器のさらなる周波数範囲の拡大と感度向上を目指すとともに、実用化に向けたシステム構築を進めます。光ファイバーと一体化した構成などの導入により、従来必要であった大型の定盤構造を排したコンパクトかつ堅牢な計測システムの構築を進め、実験室環境に限らず、電流計測機器校正や電流計測の標準化に活用できる技術基盤の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Scientific Reports&lt;br /&gt;
論文タイトル：Current comparator for both AC and DC ratio measurements with 10-8-level type-a uncertainty&lt;br /&gt;
著者：Hidekazu Muramatsu, Yuta Kainuma, Hiromitsu Kato, Norihiko Sakamoto, Tatsuji Yamada, Chiharu Urano, Hiroshi Abe, Shinobu Onoda, Takeshi Ohshima, Yuji Hatano, Mutsuko Hatano, Nobu-Hisa Kaneko, Yasutaka Amagai, and Takayuki Iwasaki&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41598-026-58868-2&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41598-026-58868-2&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ダイヤモンド量子センサー&lt;br /&gt;
ダイヤモンド結晶中のナノスケールの欠陥（窒素と空孔の複合欠陥）を利用したセンサー。この欠陥に存在する電子スピンは、室温でも安定に量子状態を保持でき、レーザーやマイクロ波を用いて初期化・読み出しが可能である。そのため、磁場・電場・温度などを極めて高感度に測定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比&lt;br /&gt;
二つの電流の大きさの比。高精度な電流計測では、電流の比を測定する方法が広く用いられる。発電設備や送配電設備などの大電流計測では、変流器によって電流を測定しやすい大きさに変換する。そのため、元の電流と変換後の電流の比（電流比）を高精度に評価することが重要となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器&lt;br /&gt;
基準電流と測定電流を比較することで、その比を高精度に決定する装置。電流比を高精度に決定できるため、電流比測定の国家標準の実現や変流器の校正に用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
再生可能エネルギー&lt;br /&gt;
太陽光や風力、水力、地熱など自然の仕組みによって継続的に得られるエネルギー。これらを発電に利用することで電力として取り出すことができる。環境負荷が低く持続可能なエネルギー源として重要視されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
変流器&lt;br /&gt;
100 Aなどの大きな電流を測定しやすい小さな電流に比例変換する装置。電磁誘導を利用して、一次電流を巻数比に応じて二次電流に変換する。主に電流計測や保護リレー用に使われ、電力系統の安全・精密計測を支えている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子ダイヤモンド&lt;br /&gt;
ダイヤモンド量子センサーに利用される窒素と空孔からなる複合欠陥を含むダイヤモンド。ダイヤモンド量子センサーでは、量子ダイヤモンド中のこれらの欠陥を単一あるいは複数（アンサンブル）用いて、さまざまな物理量を高感度に測定する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アラン偏差&lt;br /&gt;
測定値のばらつきが時間とともにどのように変化するかを評価する指標。測定時間を長くしたときにノイズがどの程度平均化されるか、あるいは温度変化やドリフトなどの影響がどの程度現れるかを調べるために用いられる。周波数標準や量子センサーなどの高精度計測において、測定の安定性を評価する代表的な手法である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>ここにどうして蛇紋岩？</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607222910</link>
        <pubDate>Fri, 24 Jul 2026 22:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 紀伊半島に分布する白亜紀付加体中に混じりこんだ蛇紋岩について、その分布・産状の詳細な調査に加えて、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施 ・ 海洋プレートのマントル物質起源である蛇...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 紀伊半島に分布する白亜紀付加体中に混じりこんだ蛇紋岩について、その分布・産状の詳細な調査に加えて、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施&lt;br /&gt;
・ 海洋プレートのマントル物質起源である蛇紋岩が海洋プレート内の断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入するという新たなモデルを提案&lt;br /&gt;
・ 蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）地質情報研究部門 志村 侑亮 研究員（研究当時、現：国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学）、羽地 俊樹 主任研究員ら、国立大学法人島根大学 遠藤 俊祐 准教授、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 淺原 良浩 准教授らの研究チームは共同で、紀伊半島中央部に分布する白亜紀付加体中の蛇紋岩について詳細な地質調査と各種分析を行い、その起源が海洋プレートのマントル物質であることを明らかにしました。さらに蛇紋岩が、沈み込む海洋プレート内の断層を通じて上昇し、付加体に貫入するという新たなモデルを提案しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩は、地下深部のマントル物質が水と反応してできた岩石です。紀伊半島中央部には、プレート境界浅部で形成された付加体と、その付加体がプレート境界深部の高圧環境下で変成した変成岩が広く分布しており、それらの中には蛇紋岩が取り込まれています。変成岩中に見られる蛇紋岩については、大陸プレートのマントル物質起源と考えられています。一方、大陸プレートのマントルまで到達しない浅い場所で形成された付加体中の蛇紋岩については、その起源は今まで明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、紀伊半島中央部の蛇紋岩の詳細な分布・産状を調査し、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施しました。その結果、蛇紋岩は海洋プレートのマントル物質起源であり、付加体ができた後に蛇紋岩が貫入したことを明らかにしました。これらのことを踏まえ、蛇紋岩がプレート沈み込み前にできた切れ目であるアウターライズ断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入するという新たなモデルを提案しました。蛇紋岩は沈み込み帯における流体循環やプレート境界の力学特性に大きな影響をもたらすと考えられており、今後、沈み込み帯における蛇紋岩の分布や移動プロセスを詳細に明らかにすることで、蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年7月24日（米国東部夏時間）に「Tectonics」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
日本列島は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む、沈み込み帯に位置しています。日本列島には、海洋プレートが沈み込む際に、砂岩・泥岩・チャートなどの海洋プレート上に堆積した地層や、玄武岩などのプレートそのものの岩石がプレート境界ではがされて、大陸プレートに付加して形成された「付加体」や、付加体が地下20&amp;nbsp;km以深のプレート境界深部の高圧環境下まで沈み込むことで変成して形成された変成岩が広く分布しています。付加体や変成岩には、蛇紋岩とよばれる地下深部のマントル物質起源の岩石が取り込まれている例が日本各地で見られます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩は、マントル物質に水が加わることで形成される岩石です。多くの水を蓄えることができる蛇紋岩は、プレートの沈み込みによって地下深部に運ばれ、放出された水が沈み込み帯での地震発生やマグマ形成に重要な役割を果たしていると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩のルーツには、海洋プレート起源と大陸プレート起源のものがあります。これまで、四国の三波川変成岩類など、白亜紀変成岩中の蛇紋岩は、大陸プレートのマントル物質起源とされてきました[1]。しかし、プレート境界の浅い場所で形成された付加体中の蛇紋岩は、その起源や付加体に取り込まれたメカニズムの多くが未解明のままでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
紀伊半島中央部には、白亜紀当時の沈み込み帯のプレート境界で形成された付加体（四万十付加体）や高圧型変成岩（三波川変成岩類）が分布しており、それらの岩石の中には蛇紋岩も見られます。研究チームはこれまで、紀伊半島中央部の高見山地域およびその周辺地域を対象に地質調査を実施し、四万十付加体および三波川変成岩類の地質構造や発達史の解明に向けた研究を進めてきました。また、その成果の一部を5万分の1地質図幅「高見山」[2]として刊行しました（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250321/pr20250321.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2025&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250321/pr20250321.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年3月21日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）。今回、紀伊半島中央部に露出する四万十付加体中の蛇紋岩を対象に、地質調査に加え、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施し、蛇紋岩の起源や付加体への定置プロセスの解明に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお本研究は、日本学術振興会の科学研究費助成事業（科研費）（課題番号：JP21H05200、JP22H05314、JP22K14129、JP26K17261）による支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
研究チームは、紀伊半島中央部に分布する白亜紀の四万十付加体および三波川変成岩類を対象に地質調査を実施し、蛇紋岩が特定の地質ユニット（四万十付加体の小栗栖ユニット）にのみ分布することを明らかにしました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩分布域において詳細な地質調査を実施した結果、蛇紋岩は長さ150 m以上・最大幅10 mのスラブ状岩体として産し、付加体との境界部では顕著な交代作用により滑石岩化していることが明らかになりました（図2a）。また、蛇紋岩および滑石岩は、付加体の地質構造を明瞭に切断しており、蛇紋岩が付加体形成後に貫入したことを示しています（図2b、c）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究チームはさらに、蛇紋岩中の鉱物を解析しました。その結果、蛇紋岩には低温型の蛇紋石であるリザダイトが認められました（図3a）。また、蛇紋岩化以前のマントル物質に由来するクロムスピネルも確認されました（図3b）。クロムスピネルの化学組成を分析した結果、海洋プレート起源の組成をもつことが明らかになりました（図3c）。これらの特徴は、付加体がプレート境界深部の高圧環境下まで沈み込むことで形成された三波川変成岩類中に産する、大陸プレート起源の蛇紋岩とは大きく異なる特徴です（図3c）。これらの結果から、研究チームは対象とした蛇紋岩が海洋プレート起源であると結論付けました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
では、海洋プレート起源の蛇紋岩はどのように付加体に貫入したのでしょうか？現在の沈み込み帯では、沈み込み直前の海洋プレートの屈曲に伴って形成される、アウターライズ断層に沿って流体が深部まで浸透することで、海洋プレートのマントル物質が蛇紋岩化していることが明らかになっています[3]。そこで研究チームは、蛇紋岩化した海洋プレートがアウターライズ断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入する新たなモデルを提案しました（図4）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに研究チームは、蛇紋岩の貫入に伴う交代作用について検討しました。蛇紋岩と付加体構成岩の化学組成に基づくマスバランス解析の結果、蛇紋岩は境界部（滑石岩領域）で顕著なSiO2交代作用およびCa–CO2交代作用を受け、境界部から離れた内部ではSiO2交代作用およびCO2交代作用を受けていたことが明らかになりました（図5）。また、これらの反応に必要なSiO2およびCO2は、外部流体によって供給されたことが示されました（図5）。この解釈は、境界部の滑石岩にCa–Mg炭酸塩鉱物脈と滑石が認められることや、蛇紋岩内部にMg炭酸塩鉱物脈と滑石脈が発達することとも整合的です。さらに構造地質学的解析の結果、こうした流体流入を伴う交代作用と体積膨張が生じていたにもかかわらず、その際の応力状態は沈み込む海洋プレートからの押しによる定常的な水平圧縮応力場によって支配されていたことが明らかになりました（図6）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究は、「蛇紋岩がどのように沈み込み帯で付加体と混じるのか」という問題に対して新たなモデルを提示するとともに、蛇紋岩貫入に伴う化学的・物理的プロセスについても新たな知見を提供しています。今後、過去の沈み込み帯で形成された付加体だけでなく、現在の沈み込み帯においても、地震波探査断面の解析を通じて同様の蛇紋岩上昇・貫入構造が認識されることが期待されます。さらに、沈み込み帯における蛇紋岩の分布や移動プロセスを詳細に明らかにすることで、蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Tectonics&lt;br /&gt;
論文タイトル：Origin, tectonic processes, and metasomatism of serpentinite in the Shimanto Accretionary Complex, SW Japan: Possible diapiric intrusion of serpentinized oceanic lithosphere&lt;br /&gt;
著者：Shimura, Y., Endo, S., Asahara, Y., Haji, T., Ushimaru, K., &amp;amp; Yamamoto, K.&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1029/2025TC009237&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1029/2025TC009237&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
地質情報研究部門 羽地 俊樹 主任研究員、牛丸 健太郎 研究員&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
名古屋大学&lt;br /&gt;
大学院環境学研究科 志村 侑亮 講師、淺原 良浩 准教授&lt;br /&gt;
名古屋大学博物館 山本 鋼志 特任教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
島根大学&lt;br /&gt;
総合理工学部 遠藤 俊祐 准教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Aoya, M. et al. Paleo-mantle wedge preserved in the Sambagawa high-pressure metamorphic belt and the thickness of forearc continental crust. Geology. 2013, vol. 41, no. 4, p. 451–454. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1130/G33834.1&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1130/G33834.1&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[2] 竹内　誠ほか. 高見山地域の地質. 地域地質研究報告（5万分の1地質図幅）, 産総研地質調査総合センター. 2025, 118p.&lt;br /&gt;
[3] Ranero, C. R. et al. Bending-related faulting and mantle serpentinization at the Middle America trench. Nature. 2003, vol. 425, p. 367–373. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/nature01961&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/nature01961&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
付加体&lt;br /&gt;
沈み込み帯で海洋プレートが沈み込む際に、海洋プレート上に堆積した地層（砂岩・泥岩・チャートなど）や海洋プレートそのものの岩石（玄武岩など）が、プレート境界ではがされ、大陸プレート側に付加して形成される地質体。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩&lt;br /&gt;
マントルを構成するかんらん岩などの超苦鉄質岩が、水と反応して形成される岩石。多量の水を取り込み地下深部へ運ぶ性質や、特徴的な物理的・化学的性質をもつことから、沈み込み帯における地震発生やマグマ形成に重要な役割を果たしていると考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレート境界&lt;br /&gt;
プレート同士が接する境界。沈み込み帯では沈み込む海洋プレートとその上にある大陸プレートとの境界を指し、付加体や高圧型変成岩が形成されるとともに、多くの地震が発生する場所でもある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アウターライズ断層&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む直前に、海洋プレートの屈曲によって形成される断層。アウターライズ断層に沿って流体が深部まで浸透することで、海洋プレートのマントル物質が蛇紋岩化することが知られている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
沈み込み帯&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所。地震や火山活動が活発に生じる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
交代作用&lt;br /&gt;
岩石と流体、あるいは異なる岩石同士の間で物質が移動し、もとの岩石の化学組成が変化する現象。蛇紋岩は大陸地殻や付加体を構成する岩石に比べてSiに乏しく、Mgに富むため、これらの岩石との接触部では交代作用が生じることがある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
滑石岩&lt;br /&gt;
主に滑石（タルク）からなる岩石。蛇紋岩がSiO2交代作用やCO2交代作用を受けることで形成される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋石&lt;br /&gt;
蛇紋岩の主要な構成鉱物。かんらん岩などの超苦鉄質岩が水と反応して形成される。蛇紋石にはリザダイト、クリソタイル、アンチゴライトなどの種類がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
リザダイト&lt;br /&gt;
蛇紋石の一種。比較的低温の条件で形成され、高温側ではアンチゴライトが形成される。そのため、蛇紋岩が形成された温度条件を推定する手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
クロムスピネル&lt;br /&gt;
Mg、Fe、Al、Crを主成分とする酸化鉱物。マントルを構成するかんらん岩などの超苦鉄質岩に含まれる。かんらん岩が蛇紋岩化しても、クロムスピネル粒子は変質に強いため残ることがあり、その化学組成はマントル物質の起源を明らかにする重要な手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
マスバランス解析&lt;br /&gt;
岩石の化学組成を比較し、元素の増減を定量的に評価する解析手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
応力&lt;br /&gt;
岩石に力が加わることで岩石内部に生じる単位面積あたりの力。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607222910/_prw_PI1im_amUVoFGu.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>植物由来の分子で環境発電</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607162634</link>
        <pubDate>Tue, 21 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ コガネバナ（シソ科タツナミソウ属）の根から抽出できる極性分子バイカレインを真空蒸着することで得られるエレクトレット薄膜による振動発電を実証 ・ 大気中でエレクトレットとしての特性が早期に...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ コガネバナ（シソ科タツナミソウ属）の根から抽出できる極性分子バイカレインを真空蒸着することで得られるエレクトレット薄膜による振動発電を実証&lt;br /&gt;
・ 大気中でエレクトレットとしての特性が早期に消失する原因を突き止め、保護膜を形成することで耐久性向上を確認&lt;br /&gt;
・ 微小な振動をエネルギー源として環境発電が可能なことから、ウエアラブルデバイスなどの分散型電源としての応用を期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）材料基盤研究部門 赤池 幸紀 研究グループ付、下位 幸弘 テクニカルスタッフ、衛 慶碩 上級主任研究員、秋山 陽久 首席研究員、田中 駿介 主任研究員と、国立大学法人筑波大学数理物質系 山田 洋一 教授、小野 裕太郎（産総研技術研修員）は、自発配向分極を示すバイカレイン蒸着膜の表裏に蓄積される電荷の密度（分極電荷密度）を高めるとともに、その耐久性を向上させ、振動発電素子として利用できることを実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
マグネットが磁気を長期間保持する物質であるのに対し、静電気を長期間保持する物質をエレクトレットといいます。エレクトレットは、小型マイクロホンにおける振動を電気信号に変換する素子や空気清浄機などのフィルターに実用化されています。また、エレクトレットが形成する電場を利用して振動を電気に変換できることから、IoTセンサー用の分散電源に用いる振動発電素子への実用化に向けて、高密度化と耐久性の向上を課題に研究開発が進められています。一方、同センサーの普及に伴って、必要とされる電源数も増加すると予想されます。そのため、持続的に材料供給でき、使用済み電源の廃棄時に環境負荷がかからない材料の探索も求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、大がかりな荷電処理を必要とせず、真空蒸着するだけでエレクトレットとして機能する「自己組織化エレクトレット」を形成できる植物由来の分子を見つけ、その膜を使った振動発電素子の開発に取り組みました。その結果、成膜条件を最適化することで、自己組織化エレクトレットとして機能する既存の化学合成品と同程度の分極電荷密度2 mC/m2を達成しました。また、劣化の原因である水蒸気の吸着や拡散を抑制する保護膜を形成することで耐久性を向上させました。実際に、振動発電素子として機能することを実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回見いだした自己組織化エレクトレットは、微小電気機械システム（MEMS）との相性が良く、半導体プロセスを応用して超小型振動発電素子が得られると考えられます。また、ウエアラブルデバイスや環境センサーなどにおいて、電池交換や充電が不要なIoTセンサーの自立電源として応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年7月20日に「Advanced Functional Materials」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
環境発電とは、光、熱（廃熱や体温）、振動、電磁波、湿度変動など、身の回りにある未利用のエネルギーを電力に変換する技術です。発電容量はさほど大きくなく、マイクロワットや大きくてもミリワットレベルですが、ウエアラブルデバイスや環境センサーなどにおいて、電池交換や充電が不要なIoTセンサーの自立電源として注目されています。これらのうち、振動を電力に変換する振動発電は、圧電式や電磁式など複数の方式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。中でも電極間容量の変化を電力として取り出す、エレクトレットを用いた静電式の振動発電素子は、他の方式に比べて低い周波数の振動に対する出力電力が大きいことが特徴です。また、MEMS技術で素子を小さくすれば、小型IoTセンサーへの搭載も可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
静電式の振動発電素子（概要図）で使われるエレクトレットは、“電気の永久磁石” とも呼ばれています。永久磁石（マグネット）が磁気を長期間保持する物質なのに対して、エレクトレットは電気（電荷や分極）を長期間保持する性質を持った物質です。エレクトレットの概念自体は100年以上前から知られており、小型マイクロホンにおける振動を電気信号に変換する素子や空気清浄機などのフィルターとしてすでに実用化されていますが、振動発電素子への応用はまだ研究開発段階です。実用化に向けては、大面積に高密度かつ一様に電荷や分極を与えるという製造上のプロセスの困難さに加え、蓄えた電荷や分極が環境により時間とともに減少するという問題を抱えていました。また、IoTセンサーの導入量が今後増えると見込まれる中、その自立電源に利用する材料は持続的に供給可能で、使用済み電源の廃棄時に環境負荷が低いことが望まれます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、これまでにシソ科タツナミソウ属の植物コガネバナの根に含まれる成分から抽出されるバイカレイン（図1a）という極性を持った分子を基板に真空蒸着すると自発配向分極が発現することを、ケルビンプローブ法（KP法）を用いた表面電位測定から見いだしてきました[1]。バイカレイン分子は分子構造に由来する永久双極子を持っていますが（図1a）、通常はそれぞれの永久双極子が互いに打ち消し合うため、集合体全体としての分極は生じません。一方、バイカレイン蒸着膜では、蒸着過程で分子の向きが一定の割合で特定の方向に偏って配列します。そのため、各分子が持つ永久双極子は隣接分子間で完全には打ち消されず、膜全体として基板表面に垂直な方向に電気的な偏り、すなわち分極が生じ、エレクトレットとして機能すると考えられます。今回、バイカレイン蒸着膜のエレクトレットとしての性能評価や、振動発電素子への実用化に向けた技術開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
まず、バイカレイン蒸着膜の自発配向分極の挙動をKP法で調べました。電極上に膜を徐々に堆積し、各膜厚における表面電位を調べると、膜厚に比例して表面電位が増える領域が現れます（図1b点線部）。この線形な電位変化は、自発配向分極の発現を示唆します。すなわち、蒸着膜中で、バイカレイン分子の永久双極子が隣接分子間で完全には打ち消されず、基板に垂直な方向にプラスとマイナスの電荷の偏り（分極）が生じています。（図1b挿図）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
線形領域における表面電位の傾きは、分極電荷密度に比例します。蒸着膜をエレクトレットに用いた振動発電素子で発生する電流は分極電荷密度に比例するため、電位の傾きは振動電流を見積もる指標となります。バイカレイン膜を形成する際の蒸着速度を1 Å/sから約3倍に増やすと、永久双極子の配向性が向上し、線形領域の傾きは55 mV/nmから72 mV/nmに増加しました（図1b）。この表面電位の傾きは、自発配向分極を示す代表的な低分子材料である有機発光ダイオード材料、1,3,5-トリス（1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル）ベンゼン（TPBi）と同程度でした。さらに、この傾きから分極電荷密度を見積もると、3 Å/sで作製した膜では2.4 mC/m²に達しました。この値は、市販のフッ素系ポリマーを帯電させたエレクトレットに匹敵し、植物由来の極性分子でも既存のエレクトレット材料と同程度の電荷を蓄積できることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
続いて、分子の並びが特定の方向に向いた箇所の振動スペクトルを測定できる和周波発生（SFG）分光で、バイカレイン膜を評価しました。膜厚が増えるとSFG信号強度が増加しました（図1c）。その傾向は、基板垂直方向に一様な電場が発生した試料から放出されるSFGの理論モデルとよく対応します（図1c挿図）。この結果から、隣接分子間で永久双極子が打ち消されない分子配列が積み重なり、蒸着膜が分極することが分かりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次に、固定電極にインジウムスズ酸化物（ITO）、可動電極にKP測定装置のプローブを用い、短絡時における振動電流を真空中で測定しました（図1d）。その結果、外部回路に交流電流が流れたため、バイカレイン蒸着膜がエレクトレットとして機能することを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自発配向分極を示す膜を振動発電素子に実用化するには、動作環境における分極状態の安定化が不可欠です。多くのIoTセンサーは大気中での利用が想定されます。しかし、大気中でのバイカレイン蒸着膜の分極状態は、水蒸気の吸着が誘起する結晶化により、わずか4.4時間で消失します。そこで、バイカレイン膜への水蒸気拡散を抑制するため、疎水性分子の蒸着膜で保護できるかを調べました。保護層なしのバイカレイン膜では、表面電位が初期値の半分となる大気曝露時間（T50）が3.8時間であるのに対し、膜厚が200 nmの9-(1-ナフチル)-10-(2-ナフチル)アントラセン（1,2-ADN）層で保護した場合、T50が132時間に延びることが分かりました（図2a）。また、単純な長鎖アルカン蒸着膜による保護でもT50を100時間以上に延ばせました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、プロトタイプの振動発電素子を作製して、大気中における動作を評価しました（図2b）。ITOが被覆された柔軟なポリエチレンテレフタレート（PET）基板上に形成されたバイカレイン膜を1,2-ADN膜で保護し、エレクトレットとしました（図2b）。ITO/ガラス基板側をスピーカーで振動させ、発生した電流を抵抗で電圧に変換して測定しました。その結果、振動の周波数に合わせて電圧が出力されることが分かりました（図2c）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、植物由来のバイカレインを真空蒸着して得られる薄膜が、自己組織化エレクトレットとして機能し、環境中の振動を電気に変換する発電素子として応用できる可能性を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
バイカレイン蒸着膜を大気中で使うIoTセンサー用の分散電源として長期間利用するには、分極状態のさらなる延命化が直近の課題です。今後は、バイカレインエレクトレットの大気安定性をさらに高めるため、水蒸気拡散をより抑制できる材料の探索と表面保護方法の最適化に関する研究を推進します。また、自己組織化エレクトレットとして機能する、バイカレイン以外の植物由来材料の探索も進めます。これらの基盤研究を踏まえて、IoTセンサー用分散電源に使用するデバイスの作製技術の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Advanced Functional Materials&lt;br /&gt;
論文タイトル：Demonstrating Vibrational Current Generation With a Self-Assembled Bioelectret&lt;br /&gt;
著者：Kouki Akaike, Yukihiro Shimoi, Qingshuo Wei, Yutaro Ono, Satomi Hosono, Yoichi Yamada, Haruhisa Akiyama, Shunsuke Tanaka&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1002/adfm.76653&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1002/adfm.76653&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Akaike, K. et al. Spontaneous orientation polarization of flavonoids. Scientific Reports. 2023, vol. 13, no. 1,&lt;br /&gt;
p. 19402. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41598-023-46834-1&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41598-023-46834-1&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
自発配向分極&lt;br /&gt;
極性分子を基板上に成膜した際に、外部から電場をかけたり帯電処理をしたりしなくても、薄膜中で分子の向きが一定方向にある程度そろい、電気的な偏りが生じる（分極する）現象。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
分極電荷密度&lt;br /&gt;
自発配向分極が生じる蒸着膜の表裏に蓄積される電荷の密度。この値が大きいほど、振動発電で得られる電流が増える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
振動発電&lt;br /&gt;
機械や人の動き、音などによる振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電技術。静電式の振動発電では、エレクトレットに蓄えられた電荷や分極を利用し、振動による電極間の距離や面積の変化から電気を取り出す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
エレクトレット&lt;br /&gt;
外部から与えられた電荷や、材料内部に生じた電気的な偏りを保持する材料。磁石を意味する「マグネット」にならい、エレクトレットと名付けられた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
微小電気機械システム（MEMS）&lt;br /&gt;
半導体を作る技術を応用して、目に見えないほど小さな機械部品やセンサーを作る技術。スマートフォンの加速度センサーなどに使われている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ケルビンプローブ法（KP法）&lt;br /&gt;
試料表面とプローブの間に発生する接触電位差から、試料表面の仕事関数を測定する手法。今回の研究では、電位差が大きいほど、基板表面に垂直な方向に永久双極子を傾けた分子の割合が多く、分極によって蓄積される電荷の密度が高いことを意味する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
永久双極子&lt;br /&gt;
外部電場がない状態でもプラスとマイナスが偏っている電荷のペア。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
有機発光ダイオード&lt;br /&gt;
発光する分子の薄膜を二つの電極で挟み、プラスとマイナスの電荷を注入して発光させるデバイス。テレビやスマートフォンのディスプレーに実用化されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
和周波発生（SFG）分光&lt;br /&gt;
赤外光と可視光を試料に同時に照射し、入射光の周波数の和に相当する光（和周波光）の強度を赤外光の波数を走査しながら測定する手法。和周波発生は二次の非線形光学現象であるため、表面・界面、バルク内部で原子や分子の並びが特定の方向に向いた箇所などの振動スペクトルが選択的に得られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
インジウムスズ酸化物（ITO）&lt;br /&gt;
無色透明で導電性の高い金属酸化物。太陽電池や発光ダイオードなどの透明電極に使われる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607162634/_prw_PI1im_0cUbN4pl.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>バイオものづくり由来の廃棄物と廃水をまとめて処理してエネルギー回収</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607072114</link>
        <pubDate>Wed, 08 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を一括処理し、有機物の分解からメタンガス生成までを行う装置を開発 ・ 反応器を撹拌部と流路部に区画することで、固形物の蓄積を抑えつつ装置内の微生物の働き...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を一括処理し、有機物の分解からメタンガス生成までを行う装置を開発&lt;br /&gt;
・ 反応器を撹拌部と流路部に区画することで、固形物の蓄積を抑えつつ装置内の微生物の働きを段階的に引き出し、長期間の安定稼働を実現&lt;br /&gt;
・ 嫌気性微生物を活用した効率的なメタンガス回収により、バイオものづくり現場の課題解決に貢献&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）バイオものづくり研究センター 一色 理乃 研究員（主務：サーキュラーテクノロジー実装研究センター）、黒田 恭平 主任研究員、成廣 隆 研究センター付らと、独立行政法人国立高等専門学校機構鹿児島工業高等専門学校 創造デザイン工学科 山田 真義 教授らは共同で、有機物を高濃度に含むバイオものづくり由来の廃棄物と廃水を、一括で処理してエネルギー回収も可能な装置「嫌気性バッフル連続撹拌一体型反応器（ABCS：Anaerobic Baffled Continuous Stirred）」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
バイオものづくりの製造工程で発生する固形有機性廃棄物（糖化残渣）や高濃度有機性廃水には、微生物の作用でエネルギー資源へ変換可能な有機成分が多く含まれています。これらの処理には、無酸素下での微生物の作用によって有機物を分解・除去して環境負荷を抑えるとともに、メタンガスとしてエネルギーを回収する嫌気性消化技術の活用が期待されています。しかし、バイオものづくり由来の廃棄物・廃水は固形物を含み、かつ有機物濃度が高いという特性があるため、従来の反応器では固形物の蓄積や分解に伴う廃水の酸性化といった課題に対応しながら微生物叢のバランスを長期間維持してメタンガス生成までの反応を効率的に進めることが困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、反応器の内部を撹拌部と流路部の二つの区画に分け、高分子有機物の分解からメタンガス生成までの反応を段階的に進行させることで、従来型では困難であった固形有機性廃棄物と高濃度有機性廃水の一括処理を可能にしました。開発した反応器は固形物の蓄積を抑え、100日以上の長期間の連続運転においても安定した反応を継続し、従来型反応器と比較して1.62倍のメタンガス生成速度を達成しました。本技術は、廃水処理設備の運転効率向上と省スペース化、さらにエネルギーの自給を可能にし、微生物による廃水処理の実用性と持続性の向上に貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年6月29日に「Journal of Environmental Chemical Engineering」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
微生物や酵素などの生物機能を利用して化学品や材料を製造するバイオものづくりは、化石資源への依存低減や脱炭素社会の実現の観点から注目されており、今後さらなる産業拡大が見込まれています。バイオものづくりでは、木材や農業残渣などの植物バイオマスを分解して得られた糖を原料として利用しますが、その過程で糖に分解されなかった固形有機性廃棄物（糖化残渣）が発生します。また、微生物を培養して目的の化合物を製造する過程では、糖や有機酸などを多く含む高濃度有機性廃水が発生します。これらバイオものづくりにかかる廃棄物と廃水は環境負荷を高めるリスクがあるため、有機物を除去するなど適切に処理する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、糖化残渣などの固形有機性廃棄物の処理は脱水・乾燥を経た上での焼却が最も一般的ですが、エネルギー消費量が大きいため持続可能性が高いとはいえません。一方、高濃度有機性廃水は活性汚泥法などの好気性処理技術によって処理されていますが、有機物の濃度が高いことから処理に必要な微生物量、酸素量が膨大となり施設も大規模になります。そこで、いずれの処理においても、有機物を微生物が無酸素下で分解し、メタンガスとしてエネルギーを回収可能な嫌気性消化技術の活用が期待されています。しかし、従来の廃水処理用の反応器では、微生物による固形有機物の加水分解速度の遅さや、微生物と固形有機物の接触効率の低さから分解が不均一になりやすいことから、処理可能な有機物負荷に限界がありました。そのため、多段階にわたる反応を安定的に進めつつ効率的にメタンガスを生成することは困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研ではこれまで、廃水を処理する微生物叢の機能を解明、制御することで、生物学的な側面から廃水処理システムを高度化する研究を行ってきました。廃水処理に利用される活性汚泥プロセスに共通する微生物叢の特定（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230905_2/pr20230905_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2023&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230905_2/pr20230905_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年9月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）やペットボトルなどに用いられるポリエチレンテレフタレートの原料を製造する過程で排出される高濃度有機性廃水の一括処理（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220513/pr20220513.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2022&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220513/pr20220513.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年5月13日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）に成功しています。今回、嫌気性消化技術により、バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を同時に効率的に処理可能な反応器の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究開発は、独立行政法人日本学術振興会の科学研究費助成事業（JP23K20980、JP25K00043）による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
開発した反応器（ABCS反応器）の内部は、固形物の分解を助ける撹拌部と、有機物分解とメタンガス生成が進む仕切り板付きの流路部から構成されています（図1）。この構造により、固形物の分解反応からメタンガス生成反応まで一つの反応器の内部で順序よく進むように設計されています。撹拌部では、固形有機物と微生物の接触効率が上がることで、セルロースのような高分子有機物を分解する微生物がよく働き、グルコースのような低分子有機物へと変換する反応が促進されます。その後、流路部で低分子有機物の分解や有機物からのメタンガス生成反応が進行します。また、区画間が緩やかなスロープで接続された構造となっていることも、固形物の滞留を防いでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この反応器の性能を検証するため、従来型の撹拌部のない嫌気性バッフル反応器（ABR：Anaerobic Baffled Reactor）とともに100日以上の連続運転を行い、バイオものづくり工程から排出されるものを模擬した固形有機物と高濃度有機性廃水（約25,000 mg COD/L）を同一条件で処理しました。その結果、ABCS反応器ではセルロースなどの固形有機物が撹拌部で微生物により分解されましたが、ABRではこれらが分解されずに反応器内部に蓄積しました（図2）。ABRでは固形物が内部に溜まることで処理水に含まれる有機物の濃度は低くなり、流出廃水に含まれる有機物量を流入廃水に含まれる有機物量で除した比率である有機物除去率としてはABCS反応器と同程度の値を示しました。しかし、反応器内に固形物が蓄積するためにABRをさらに長期間運転すると反応器の流路閉塞などから運転が破綻することが予測されます。一方、ABCS反応器では固形物が十分に分解されて後段の反応に移行するため蓄積せず、その分メタンガス生成が進みました。実際に、ABCS反応器のメタンガス生成速度はABRの1.62倍となっており、固形有機物の分解効率の違いがエネルギー生成速度の差として現れたと考えられます。（図2）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
固形有機物の分解効率およびメタンガス生成速度の違いをもたらす要因を明らかにするため、各反応器の汚泥から16S rRNA遺伝子アンプリコン解析により微生物の種類と存在割合を解析しました。その結果、両反応器において、プロピオン酸や酪酸、酢酸等の有機酸をメタンガスまで変換する微生物（SyntrophobacterやSyntrophomonadaceae、Methanothrix、Methanobacteriumなど）が検出されました。さらに、ABCS反応器ではセルロースやグルコースを分解する細菌（BacteroidesやDysgonomonasなど）が高い割合で存在していましたが、ABRではこれらの細菌の存在割合は全体的に非常に低いことがわかりました（図3）。ABRで固形物が蓄積した現象は、こうした分解細菌が反応器内で十分に増加できない構造が影響したものと考えられます。一方で、ABCS反応器では撹拌部が存在することで、セルロースなどを分解する細菌が増殖し、嫌気性汚泥内での存在割合が増加することで、固形有機物が分解されやすい環境が形成されたと考えられました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果から、開発したABCS反応器は固形有機物と高濃度有機性廃水を同時に処理しながら、100日以上の長期間にわたって安定した運転と高いメタンガス生成性能を実現できることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、ABCS反応器をスケールアップすることで実装に向けた実証試験を行います。さらに、その他の固形有機物を含む廃水・廃棄物への適用可能性を検証するため、プラスチックケミカルリサイクル廃棄物・廃水の処理試験を行います。ABCS反応器を横展開し、微生物による持続可能性の高い廃水処理技術の開発を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Environmental Chemical Engineering&lt;br /&gt;
タイトル：Development of an anaerobic baffled continuous stirring (ABCS) reactor for co-digestion of synthetic high-strength wastewater and solid organic waste&lt;br /&gt;
著者名：一色理乃、*山田真義、青柳智、堀知行、山内正仁、*成廣隆、*黒田恭平【*は共同責任著者】&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.jece.2026.123885&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.jece.2026.123885&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
バイオものづくり研究センター 一色 理乃 研究員（主務：サーキュラーテクノロジー実装研究センター）、&lt;br /&gt;
黒田 恭平 主任研究員、成廣 隆 研究センター付&lt;br /&gt;
環境創生研究部門 青柳 智 主任研究員、堀 知行 研究グループ長&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
鹿児島工業高等専門学校&lt;br /&gt;
創造デザイン工学科 山田 真義 教授、山内 正仁 教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
糖化残渣&lt;br /&gt;
木材や農業残渣などの植物バイオマスを酵素などで糖に分解する工程で、糖にならずに残る固形の有機性固形物。難分解性有機物（主にセルロースやリグニン）を含む。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高濃度有機性廃水&lt;br /&gt;
糖や有機酸、アルコールなどの有機物が高濃度で含まれる廃水。発酵産業、食品加工、化学工業、バイオものづくりプロセス、その他の多様な工業プロセスで発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
嫌気性消化技術&lt;br /&gt;
無酸素下での微生物の働きで有機物を分解し、メタンを主成分とするバイオガスを生成する技術。廃棄物処理とエネルギー回収を同時に行えるため、循環型処理技術として利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
微生物叢&lt;br /&gt;
さまざまな環境に生息する多種多様な微生物の集合体。「マイクロバイオーム」ともいう。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
農業残渣&lt;br /&gt;
収穫後に圃場などに残る茎・葉・わらなど、農作物由来の未利用植物資源。家畜飼料や土壌堆肥として利用されるほか、バイオマス資源としての活用が進められている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
植物バイオマス&lt;br /&gt;
木材、農業残渣、草本類など、植物由来の再生可能な有機資源。セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主成分とし、化学品や燃料の原料として利用される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
活性汚泥法&lt;br /&gt;
産業廃水や都市下水で広く用いられている生物学的処理法。反応槽と呼ばれるタンクに廃水を流入させ、エアレーションポンプにより空気をタンク内へ送りこむことで、好気性微生物の各種化合物分解活性を利用して廃水に含まれる有機物の分解や窒素成分の除去を行う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
好気性処理&lt;br /&gt;
酸素を利用する微生物を用いて有機物や窒素成分を分解する処理方法の総称。活性汚泥法、生物膜法、好気性ろ床法などが含まれ、廃水処理の主要技術として広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
有機物負荷&lt;br /&gt;
廃水中に含まれる有機物の量を示す指標で、廃水処理の難しさを左右する。有機物負荷が高いほど、処理設備や微生物にかかる負荷が増大する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
嫌気性バッフル反応器&lt;br /&gt;
内部に連続した仕切り（バッフル）を設け、廃水が上下に流れながら複数区画を通過する構造の嫌気性処理装置。各区画で異なる嫌気性微生物が定着し、段階的に有機物を分解する。汚泥の保持性にも優れている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
COD&lt;br /&gt;
化学的酸素要求量（Chemical oxygen demand）。有機物などの酸化に必要な酸素量を指標化したものであり、水中の有機物濃度の測定や、水質汚濁の程度を評価するために広く用いられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
16S rRNA遺伝子アンプリコン解析&lt;br /&gt;
細菌に共通して存在する16S rRNA遺伝子の塩基配列を指標に、微生物の種類と構成比を解析する手法。高速シーケンサーを用いて多数の配列を取得し、反応器内の微生物叢を明らかにする。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260708/pr20260708.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260708/pr20260708.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607072114/_prw_PI1im_8oYS4Uhw.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>世界最高精度で曲面ミラーの形状を測る装置を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607021883</link>
        <pubDate>Mon, 06 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 曲面ミラーの局所角度分布を測定することで、2ナノメートル精度で絶対形状を非接触測定 ・ 誤差を自ら補正する高精度な角度測定技術（SelfA）により、広範囲かつ高精度に局所角度を測定 ・ ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 曲面ミラーの局所角度分布を測定することで、2ナノメートル精度で絶対形状を非接触測定&lt;br /&gt;
・ 誤差を自ら補正する高精度な角度測定技術（SelfA）により、広範囲かつ高精度に局所角度を測定&lt;br /&gt;
・ EUV露光装置や放射光施設などで用いられる超高精度光学素子の製造・開発・評価に貢献&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ 増田 秀征 研究員、近藤 余範 主任研究員、堀 泰明 研究グループ長、平井 亜紀子 研究グループ付、工学計測標準研究部門 尾藤 洋一 副研究部門長は、曲面光学素子の絶対形状を非接触で高精度に測定できる新しい形状測定装置を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
極端紫外線（EUV）露光装置、放射光施設、天体望遠鏡、重力波検出装置などでは、集光や波面制御のために高精度な曲面ミラーが用いられており、その形状精度は装置性能に大きく影響します。こうした光学素子の製造工程では、表面の細かな凹凸形状だけでなく、曲率半径等の情報を含む形状（絶対形状）を正確に把握し、その結果に基づいて形状を修正することが重要です。しかし、このような曲面ミラーの形状を、表面を傷つけずに数ナノメートルレベルで測ることは困難でした。今回、曲面上の各位置における表面の傾き（局所角度）を、反射光の向きとして広い角度範囲で高精度に測定できる測定系を構築しました。局所角度は形状の変化量に対応するため、その分布を位置に沿って求めることで、絶対形状を算出することができます。この反射光の向きを高精度に測定するため、装置自身で角度目盛りの誤差を補正できる高精度な角度測定装置（SelfA）を組み込みました。これにより、従来は困難であった、曲面ミラーの絶対形状の非接触・高精度測定を実現し、2ナノメートル精度での測定を達成しました。本技術は、先端光学素子の製造・開発・評価を支える基盤技術として、高性能光学系の高度化に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年7月6日に「Precision Engineering」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
社会的背景
半導体素子の微細加工や、電池材料、生体分子などのナノメートルスケールの構造観察には、極端紫外線（EUV）やX線などの波長の短い光が用いられます。近年、これらの光を利用するEUV露光装置や、最先端の放射光施設が注目されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
短波長の光は透過しにくく、その集光や波面制御にはレンズが使えないため、曲面をもつ数百ミリメートルサイズの大型ミラーが使われています。ミラーの形状は、微細構造の加工精度や観察精度に大きく影響します。特にEUV露光装置や放射光施設などで用いられる高精度光学素子の表面はできるだけ平滑である必要がある他、全体の形状が極めて高い精度で設計通りである必要があります。そのため、光学素子の製造工程では、加工後の形状が設計形状からどの程度ずれているかを高精度に測定し、その結果に基づいて形状を修正することが重要です。特に曲面ミラーでは、曲率半径等の形状情報を含む絶対形状を高精度に測定する必要があります。また、高性能な光学素子の表面には多層膜などの機能膜が形成される場合もあり、表面を傷つけない非接触測定が求められます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方、非接触な手法として従来広く用いられている干渉計による測定は、基準となる参照面や参照波面との比較測定であるため、絶対形状を評価することは困難です。このため、曲面ミラーの絶対形状を非接触で、かつ数ナノメートルレベルの超高精度で測定できる技術の開発が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研の計量標準総合センターは、長さ標準の研究開発において世界的にも高度な技術を有しています。平面形状測定では、参照面を必要としない角度測定に基づく形状測定技術である走査型角度測定式形状測定装置（SDP）を開発し、直径600 mmまでの平面基板の平面度を5 nmの絶対精度で非接触測定することに成功しています。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2020&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年2月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方、オートコリメーターを角度測定装置とする従来のSDPでは、測定可能な角度範囲に制約があり、局所角度が大きく変化する曲面の測定は困難でした。そこで今回、角度標準器としても用いられ、装置自身で角度目盛りの誤差を補正できる高精度な角度測定装置である自己校正型ロータリーエンコーダー（SelfA）を形状測定装置に導入し、これを角度測定装置とする測定系を構築しました。これにより、曲面光学素子の絶対形状を非接触で測定できる新しい形状測定技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）経済安全保障重要技術育成プログラム（JPMJKP24M1）、独立行政法人日本学術振興会（JSPS）科研費 （23K19106）、公益財団法人精密測定技術振興財団の支援を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、産総研が平面形状の高精度測定に用いてきたSDPを、曲面にも適用できるように拡張しました。SDPは、光を測定対象の表面に当てて、反射光の角度から各位置での表面の傾き（局所角度）を測定し、その局所角度分布を積分することで表面形状を求める方法です。従来は、オートコリメーターと呼ばれる微小角度測定装置で反射光角度を直接測定していました。しかし、曲面では測定位置によって表面の角度が大きく変化するため、反射光角度の変化が大きくなり、 オートコリメーターで測定可能な範囲（0.1°程度） を超えてしまいます。また、測定位置ごとに光の通り道が変わるため、使用する光学素子の収差が測定誤差として現れやすくなるという課題がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで本研究では、反射光の大きな角度変化を直接測るのではなく、反射光が常に入射光と平行に戻るように測定対象を回転させ、その回転角度を測定する方式に基づく形状測定装置を開発しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
装置は、反射光と入射光の角度ずれを検出する光角度検出ユニット、光を測定対象上で走査するペンタミラーと直動ステージ、測定対象を回転させる回転ステージで構成されます。回転ステージには、角度標準器としても用いられ、広い角度範囲を高精度に測定できるSelfAを導入しました。測定では、ペンタミラーと直動ステージで光の照射位置を走査し、各位置で光角度検出ユニットからの信号を用いて、反射光が入射光と平行になるまで測定対象を回転させます。このときSelfAが示す回転角が、その位置の表面の局所角度に対応します。さらに、レーザー干渉計でペンタミラーの変位を高精度に測定し、得られた局所角度分布を積分することで、絶対形状を求めます。なお、本方式では測定対象を回転させるため、測定対象面が回転中心からずれていると光の照射位置が変化し、形状測定の誤差につながります。そこで、この誤差を幾何学的に解析し、専用の治具や測定装置を用いて十分な精度で測定対象を設置することで、測定結果への影響を避けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この方式では、入射光と反射光の小さな角度ずれは光角度検出ユニットで検出し、大きな角度ずれはSelfAで読み取ります。そのため、従来のようにオートコリメーターの測定範囲に制限されず、広範囲で高精度な角度測定が可能になります。さらに、反射光が入射光とほぼ同じ光路を戻るため、光学素子の収差による影響も抑えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
開発した装置の性能を確認するため、曲率半径5 mの円筒面をもつ光学素子を測定しました。測定長さは90 mmで、測定範囲内における表面の角度の変化は約1°に達し、従来型SDPでは測定できません。測定結果を図2に示します。繰り返し測定による形状のばらつきは標準偏差で0.46 nmであり、1 nm未満で安定して測定できることを確認しました。この繰り返し測定のばらつきに加え、角度測定、変位測定、測定対象の位置決めなどの要因を見積もった結果、Peak-to-Valley値で見た絶対形状測定の不確かさは2.0 nmとなり、世界最高精度での測定を実現しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本技術は、先端光学素子の製造・開発・評価を支える基盤技術として、光学素子の形状精度が装置性能に大きく影響するEUV露光装置、放射光施設、天体望遠鏡、重力波検出器などの発展に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今回開発した曲面用SDPを用いて、曲面ミラーの絶対形状測定技術のさらなる高度化を進めます。さらに、曲面ミラーの絶対形状測定サービスの提供や共同研究を通じて、社会実装を行う予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Precision Engineering&lt;br /&gt;
論文タイトル：Non-contact Absolute Measurement of Curved Surface Profiles Using a Scanning Deflectometric Profiler&lt;br /&gt;
著者：Shusei Masuda, Yohan Kondo, Yasuaki Hori, Akiko Hirai and Youichi Bitou&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.precisioneng.2026.05.011&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.precisioneng.2026.05.011&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
絶対形状&lt;br /&gt;
基準面や近似形状からのずれだけでなく、曲率半径などの面全体の形状情報を含めた表面形状のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
曲率半径&lt;br /&gt;
曲面の曲がり具合を表す量で、曲面を円弧の一部とみなしたときの円の半径のこと。曲率半径が小さいほど強く曲がった面であり、大きいほど平面に近い面である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
干渉計&lt;br /&gt;
光の干渉を利用して、長さや表面形状を高精度に測定する装置。特に形状測定用途では、参照面からの反射光と、測定対象面からの反射光の位相を比較することで、基準となる参照面と測定対象面の間の微小な形状差を検出することができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
走査型角度測定式形状測定装置（SDP）&lt;br /&gt;
試料表面に光を当て、反射光の向きから各測定位置の局所的な角度を測定する方式に基づく形状測定装置。光の照射位置を一定間隔で走査し、得られた局所角度分布を数値積分することで、表面全体の形状を求める。参照面との比較ではなく、角度と走査距離に基づいて形状を算出するため、絶対形状を測定することができる。高精度な平面基板の表面形状評価に利用される。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2020&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年2月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
オートコリメーター&lt;br /&gt;
平行光を測定対象面に照射し、反射して戻ってきた光の角度の変化から、測定対象面の角度変化を測定する角度測定装置。ミラーが傾くと反射光の進行方向が変わり、装置内のレンズで結像される光スポットの位置が検出器上で移動する。このスポット位置のずれを読み取ることで、反射光の角度変化、すなわち測定対象面の角度変化を高精度に求める。小さな角度変化を高精度に測定できるため、光学部品の角度調整・評価やステージの真直度測定等に広く用いられるが、測定可能な角度範囲は、撮像素子のサイズやレンズの焦点距離に依存する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自己校正型ロータリーエンコーダー（SelfA）&lt;br /&gt;
回転ステージなどの回転角を高精度に測定する角度測定装置。通常のロータリーエンコーダーでは角度目盛りの誤差が測定精度に影響するが、SelfAは装置自身で目盛り誤差を評価・補正できる構造をもつ。360°にわたり高精度に測定できるため、角度標準器としても用いられる。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2014&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年4月23日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ペンタミラー&lt;br /&gt;
45°向かい合わせに設置された一対の鏡。入射した光線は、2回反射することで90°方向が変わって反射される。入射角が変わっても、反射光は必ず90°方向が変わる。そのためSDPでは、ペンタミラーの移動に伴う運動誤差が生じない。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Peak-to-Valley値&lt;br /&gt;
形状の評価指標の一つ。測定した形状における最大値（Peak）と最小値（Valley）の差のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260706/pr20260706.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260706/pr20260706.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>産総研、製造AX拠点を始動</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607021869</link>
        <pubDate>Thu, 02 Jul 2026 14:23:34 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 産総研は、AI技術などを用いて日本の製造業DXを後押しする「製造AX拠点」(バーチャルな拠点)を構築・運営 ・ 生産機械メーカーと連携し、製造現場のデータベースを構築するとともに、メーカ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 産総研は、AI技術などを用いて日本の製造業DXを後押しする「製造AX拠点」(バーチャルな拠点)を構築・運営&lt;br /&gt;
・ 生産機械メーカーと連携し、製造現場のデータベースを構築するとともに、メーカーによる製造プラットフォームの開発を支援&lt;br /&gt;
・ 今回採択された経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し取組を強力に推進&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所（以下「産総研」という）は、経済産業省が推進する「製造AX拠点」構想において、同拠点の構築・運営を担います。本拠点は、これまで全国の製造現場に分散していた生産設備の稼働データや品質データなど、多様なデータを集約・統合する基盤です。AIにより高度化された製造現場向けの多種多様なサービスの開発にこれらのデータを活用することで、AIを活用した変革（AIトランスフォーメーション：AX）を製造プラットフォーマーやAI開発事業者と連携して推進し、その成果を再び製造現場に還元する循環型の製造データエコシステムを構築します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本取り組みの狙いは、日本の製造業をデータでつなぎAIを活用することで高稼働率・高品質・高収益な工場を多数創出するとともに、これらの工場が国際情勢の変化や自然災害等による製造環境や製品需要などの急激な変動に対して迅速に適応できる製造業への変革を支えることです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研は、生産機械メーカーや製造現場を有する企業と連携し、こうしたデータ循環を支える製造データエコシステムを構築するとともに、その上で動作する製造プラットフォームの開発を支援します。この度、DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）が推進する「ポスト５Ｇ情報通信システム基盤強化研究開発事業／データエコシステムの構築等に関する研究開発（GENIAC）」事業（以下「GENIAC事業」）を活用し、製造AX拠点の取り組みを強力に推進します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研では、「ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）」の設立などを通じ、製造業の競争力強化に取り組んできました。また、今回の製造AXに加え、先端加工技術の研究開発を担う「ものづくり拠点」の整備を進めています。同拠点は産総研臨海副都心センターを中心に、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点の成果を迅速に実装するテストベッドとしての機能が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上により、個社単独では困難な製造業変革を加速する共通基盤を実現します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
社会的背景
近年、製造業では人手不足の深刻化に加え、中国のAI主導型製造、欧州のデータ標準化、米国のBig Tech主導によるDXの加速などにより、国際競争が急速に激化しています。このような状況の下、DXの推進は不可欠ですが、中小企業ではデジタル人材の確保が難しく、個社単独での対応には限界があります。また、大企業においても競争環境は一層厳しさを増しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした課題を背景に、日本製造業全体でDXを推進し、その先の価値創出につなげることを目的として、「製造AX拠点」構想が2026年版ものづくり白書において提唱されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本構想では、製造現場から生み出される多様なデータを広範に収集・統合し、大規模な製造データベースを構築するとともに、その利活用を通じて生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発を支援します。また、製造AX拠点には、製造データを生成AIやフィジカルAIの開発などに応用し新たな価値を創出する役割が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研を核とした製造AX拠点
産総研を核とした製造AX拠点は、国内ものづくり工場とAI開発事業者、製造プラットフォーマーをつなぐハブとして機能します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
まず、製造現場から収集される多様なデータを統合し、外部提供も可能な形で整理・蓄積することで、製造分野における大規模なデータ基盤を構築します。これにより、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの横断的な活用が可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうして整備されたデータは、AI開発事業者による生成AI・フィジカルAIの開発・高度化に活用されるとともに、製造プラットフォーマーによる生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発につながります。さらに、その成果は再び製造現場へと還元され、製造プロセスの高度化や付加価値創出を生み出す好循環を形成します。製造AX拠点は、このように製造データとAIを媒介として産業全体をつなぎ、DXの先にある価値創出を実現する基盤として機能します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
幅広い分野の研究者が集う総合研究所であり、産業界との連携実績も豊富な産総研が拠点の核となることで、製造分野とAI分野の研究者が連携しながら拠点の構築・運営に関与し、データ基盤の整備、AI開発の促進、製造現場への還元といった一連の機能を一体的に推進することが可能となります。具体的には、製造工程の現象理解に基づく製造データ取得の支援や、収集したデータの匿名化・構造化による外部提供可能なデータセットの構築、さらにはこれらデータセットを活用した製造技術のデータ駆動化や、生成AI・フィジカルAIなどのAI開発支援を担うことが期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、産総研は中立的な研究機関であるため、多様な企業やプレイヤーが安心して参画できる環境を提供し、産業全体を俯瞰したデータ連携と価値創出の基盤を構築できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業の活用による拠点の始動
DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し、製造AX拠点の取組を推進します。本事業は、生成AIの産業応用を目的として、企業と研究機関が連携し、実データに基づくAI開発から社会実装までを一体的に推進するものです。特に製造分野においては、データの整備・統合とAI開発を結び付けることで、生産性向上や新たな価値創出の実現が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この枠組みのもと、産総研とDMG森精機株式会社、株式会社WALCは、工作機械を中心とした製造工場データを活用し、生成AIおよびフィジカルAIの高度化に向けた研究開発に取り組みます。多様な加工プロセスから得られるデータを統合・構造化し、AIによる加工条件最適化や異常検知などへの応用を進めるとともに、その成果を製造プラットフォームへ展開し、製造現場への実装につなげることを目指しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、産総研と株式会社小松製作所は、量産・少量多品種・変種変量型などの多様な製造現場から得られる工作機械・ロボットなどの稼働データを収集し、生産計画・実績管理業務を高度化するAI開発のためのデータセットを構築します。また、これらの業務を支援するAIエージェントの研究開発を行い、データセットの有用性を検証するとともに、AIエージェント技術を製造プラットフォームへ展開し、製造現場へのAI技術の効率的な社会実装を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次世代製造への取り組み
産総研は、2025年3月「ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）」を設立するなど、これまでも製造業の競争力強化のための技術ネットワーク形成に取り組んできました。今回始動する製造AX拠点を中核として、製造データとAIの活用を軸に、日本企業のDXを一層加速するとともに、その先の価値創出を後押しします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また先端加工技術の研究開発を担うリアルな拠点として産総研「ものづくり拠点」の整備を進めています。産総研臨海副都心センターを中心とする同拠点には、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点で創出された技術を迅速に検証・実装するテストベッドとしての役割が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これにより、データ・AIを中核とするサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を一体的に推進し、次世代製造の実現に貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
期待される成果と今後の予定
本取組により、製造現場で日々生み出される多様なデータの統合・活用が進み、AIを活用した生産効率の向上や省人化の実現、さらには新たな製造サービスやビジネスモデルの創出が期待されます。また、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの連携が進むことで、製造業全体としての競争力強化にも貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、製造AX拠点とものづくり拠点における取り組みを一体的に推進することで、データ・AIによるサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を両輪で進め、その成果を迅速に製造現場へ還元することが可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後は、GENIAC事業の取り組みを通じて製造業の実データに基づくAI開発とその実証を進めるとともに、参画企業の拡大やデータ連携の範囲の拡大を図ります。あわせて、製造プラットフォームの開発を加速し、得られた成果を広く産業界へ展開することで、日本の製造業全体のDXと価値創出のさらなる推進を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プロジェクト情報
GENIAC事業の採択情報（経済産業省）&lt;br /&gt;
URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260702001/20260702001.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260702001/20260702001.html&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業の採択情報（NEDO）&lt;br /&gt;
URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100430.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100430.html&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
製造AX拠点構想&lt;br /&gt;
経済産業省では、AIなどの先端技術を用いた製造プラットフォームを広く展開することで、事業者の自助努力のみに頼らず、我が国製造業全体のDXを実現することを目指して、「製造AX拠点」の立ち上げに向けた検討を進めてきた。（出典：「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
製造プラットフォーム&lt;br /&gt;
製造プラットフォームとは、製造現場において生産設備等から取得したデータを用いて開発され、生産の効率化・省人化など製造業の高度化やDXに資する機能を提供するものを指す。（出典：「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業&lt;br /&gt;
GENIAC（Generative AI Accelerator Challenge）：日本の生成AI の開発力強化・社会実装を目的とした経済産業省およびNEDOが推進するプロジェクト&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）&lt;br /&gt;
ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）は、産学官の連携を通じて製造業の競争力強化と新たな価値創出を目指す枠組み。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/cmt-ri/moco/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://unit.aist.go.jp/cmt-ri/moco/&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20260702.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20260702.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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