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    <title>法人別リリース</title>
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        <title>合成音声読み上げ時の音声情報理解力を定量化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609186228</link>
        <pubDate>Fri, 25 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 速度調整可能な合成音声読み上げソフト「スクリーンリーダー」使用時に、文章の難易度と利用者の理解能力を分離し、同じ尺度で評価する手法を開発 ・ 開発した手法を用いて、個々の利用者が効率よく...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 速度調整可能な合成音声読み上げソフト「スクリーンリーダー」使用時に、文章の難易度と利用者の理解能力を分離し、同じ尺度で評価する手法を開発&lt;br /&gt;
・ 開発した手法を用いて、個々の利用者が効率よく文字情報を理解できる読み上げ速度を定量化&lt;br /&gt;
・ 視覚障害者個人の視覚特性の違いによる音声理解能力の差や習熟過程を分析するための基盤データに&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）人間社会拡張研究部門 三浦 貴大 上級主任研究員と、国立大学法人筑波技術大学 坂尻 正次 教授ら、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター 藪 謙一郎 特任研究員らは共同で、視覚障害者の音声理解能力を定量化する手法を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーンリーダーは、パソコンやスマートフォンの文字情報を速度調整可能な合成音声で読み上げるためのソフトウェアです。それは、視覚障害者の就学や就労、社会参加を支える情報アクセシビリティの基盤となっています。スクリーンリーダーを使用して音声を理解できる速度には個人差がありますが、その要因や音声理解の習熟過程はこれまで明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では項目反応理論を応用し、読み上げられた文章が理解できなかった時、それは文章が難解だったからか、読み上げ速度が速すぎたからかを区別し、文章の難易度と利用者の理解能力を同じ指標で定量化する手法を開発しました。開発された評価手法を用いたところ、全盲の利用者は、弱視（ロービジョン）の利用者と比べ、より速い読み上げ速度でも高い理解を保つなどの科学的根拠を持つ知見が得られました。本成果は、視覚障害の状況や利用経験による個人差を分析し、音声理解の習熟過程や能力向上の可能性を評価するための基盤データとなり、「速すぎて聞き取れない」「遅すぎてもどかしい」という不便を減らし、視覚障害のある人がより快適に、より速く情報にアクセスできる環境作りにつながると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究成果はInterspeech 2026（2026年9月27日～10月1日、オーストラリア シドニー）で発表予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
スクリーンリーダーは、パソコンやスマートフォンの画面に表示された文字や操作内容を、速度調整が可能な合成音声で伝え、主に目の見えない・見えにくい人（視覚障害者）のデジタル機器の利用を支援するソフトウェアです。視覚障害者がデジタル情報にアクセスし就学や就労をはじめ社会生活を送るための、重要な基盤となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、視覚障害のある身体障害者手帳の所持者は約27万人と推計されています（厚生労働省「令和4年 生活のしづらさなどに関する調査」）。手帳を所持していない人や、加齢によって見えにくくなった人まで含めると、実際に「見えにくさ」を抱える人はさらに多いと考えられ、誰にとっても身近な課題です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーンリーダー利用者の多くは、慣れるにつれて読み上げ速度を徐々に速くします。熟練した利用者の中には、標準の何倍もの速度で聞き取れる人もいます。しかし、情報を最も効率よく理解できる読み上げ速度には個人差があり、その違いには利用経験だけでなく、全盲か弱視か、先天盲か後天盲かといった視覚特性や、読み上げる内容など、さまざまな要因が関係すると考えられています。一方で、こうした個人差がどのように生じるのか、利用経験に伴って音声理解能力がどのように習熟していくのか、また利用者が現在どの程度の速度まで理解できるのかを定量的に評価する方法については、十分に検討されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、視覚障害者の音声理解能力の個人差や習熟過程を定量的に評価し、一人ひとりの特性に応じた学習の最適化を実現するための研究を進めています。今回、学力テストや心理検査で広く用いられている項目反応理論を応用し、スクリーンリーダー利用時の音声理解能力を定量的に評価する手法の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究はJST 創発的研究支援事業（JPMJFR234Y）、JSPS 科研費（JP23K25693、JP23K17582、JP24K22314およびJP26K02945）の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
これまで、スクリーンリーダー利用において「この利用者は、どの速度まで読み上げを理解できているのか」を客観的な数値として示す方法が確立されておらず、読み上げを理解できない要因が文章側と読者側のどちらにあるのかを区別するための知見がありませんでした。従来研究では、特定の速度で読み上げられた音声に対する正答率を比較する方法が主に用いられてきました。これでは、文章が理解されなかった場合に、その原因が「読み上げ速度が速すぎたから」なのか、「文章そのものが難しかったから」なのか、あるいは「その利用者の音声理解能力がまだ十分に習熟していないから」にあるのかを区別できませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで本研究では、スクリーンリーダーの読み上げ速度に対する「理解のしやすさ」を定量的に測るために、項目反応理論を応用した評価手法を構築しました。項目反応理論は、学力テストや資格試験で用いられる統計理論で、「問題の難しさ」と「回答する人の能力」を同じ測定基準（ものさし）の上で別々に推定できる点に特徴があります。本研究はこの考え方を、音声読み上げの理解しやすさの評価に応用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
具体的には、音韻的にバランスの取れた日本語の文章群（研究用に整備された「ITAコーパス」[1,2]）を用い、これらを毎分150語から500語まで5段階の速度で読み上げた音声を作成しました。実測した発話速度は約6〜27モーラ/秒で、通常の会話（およそ7〜8モーラ/秒）の約0.8〜3.5倍に相当します。視覚障害のあるスクリーンリーダー利用者11名を対象に、これらの音声聞き取り実験を行い、内容理解度の回答とともに、「聞き取りやすさ」「わかりやすさ」を評価してもらいました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
得られた回答データから、「どの音声がどれだけ理解しにくいか（項目の難易度）」と「どの利用者がどれだけ理解できるか（個人の能力）」を、共通の測定基準上で分離して推定しました。両者が同じものさしの上に並ぶため、「この利用者の能力は、この速度の難易度を上回っているか」という形で、一人ひとりに適した速度を判断できるようになります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに本研究では、ベイズ統計を取り入れた項目反応理論を用いました。従来の項目反応理論は安定した推定に多数の参加者を必要としますが、ベイズ統計を用いることで、参加者が限られる場合でも安定した推定が可能となる他、推定結果の確からしさ（不確実性の幅）も同時に示すことが可能です。視覚障害者のように対象者が限られる研究において、この点は重要な利点となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
構築した評価手法を用いて分析した結果、まず読み上げ速度が速くなるほど理解の難易度が系統的に高まることが確認されました。内容の理解度は、毎分150語ではほぼ全問正答に近い水準でしたが、毎分300語、毎分500語と速くなるにつれて低下しました（図1 (a)）。特に毎分250～300語のあたりが理解の境界となり、これを超えると理解度が大きく下がる傾向が見られました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方で、最適な速度には大きな個人差があり、すべての利用者に当てはまる唯一の正解は存在しないことも明らかになりました。利用者ごとの能力の違いは、速度による難易度の変化を上回るほど大きく、一律の設定では利用者の能力を十分に活かせないことが定量的に示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、全盲の利用者は、弱視（ロービジョン）の利用者と比べ、より速い読み上げ速度でも高い理解を保つ傾向が確認されました。実際、普段設定している読み上げ速度も、全盲の利用者では標準の約2.3倍、弱視の利用者では約1.4倍と明確な差がありました（図1 (b)）。分析の結果、この違いは「速い読み上げに慣れているから」という利用経験だけでは説明できず、視覚障害の状態そのものと利用経験とが、それぞれ独立して音声理解能力に関係していることが示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、読み上げ速度に対する理解のしやすさが、文章の難易度と利用者の音声理解能力を共通の尺度上でそれぞれ独立に推定できること、そして視覚障害の状態や利用経験に応じた個別最適化に科学的な根拠を与えられることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、より多くの視覚障害者を対象とした大規模な調査を実施し、本手法で得られる推定の精度を高めるとともに、視覚障害の状態や利用経験と音声理解能力との関係の詳細を明らかにします。特に、スクリーンリーダーを使い始めて間もない利用者を対象に含めることで、利用経験に伴って音声理解能力がどのように習熟していくのかを継続的に評価することを目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
あわせて、利用者の音声理解能力を短時間で測定し、一人ひとりに適した読み上げ速度をその場で提示できる評価ツールの開発に取り組みます。将来的には、視覚障害者の情報アクセス環境の改善に加え、速い音声を聞き取る能力（速聴）の訓練や評価など、幅広い応用につなげることを目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
学会情報
学会名：Interspeech 2026&lt;br /&gt;
発表タイトル：Profiling Speech Rate Abilities of Visually Impaired Screen Reader Users by Bayesian Item Response Theory&lt;br /&gt;
著者：Takahiro Miura, Masatsugu Sakajiri, Masaki Matsuo, Keiichi Yasu, Junji Onishi, Ken-ichiro Yabu, Tohru Ifukube&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
人間社会拡張研究部門 三浦 貴大 上級主任研究員&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
筑波技術大学&lt;br /&gt;
坂尻 正次 教授、松尾 政輝 助教、安 啓一 准教授、大西 淳児 教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東京大学先端科学技術研究センター&lt;br /&gt;
藪 謙一郎 特任研究員、伊福部 達 研究顧問&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] 小口純矢，金井郁也，小田恭央，齊藤剛史，森勢将雅：ITAコーパス：パブリックドメインの音素バランス文からなる日本語テキストコーパスの構築と基礎評価，情報処理学会研究報告，vol. 2021-MUS-131, no. 31, pp. 1-4, 2021.&lt;br /&gt;
[2] ITAコーパスの文章リスト公開用リポジトリ, &lt;a href=&quot;https://github.com/mmorise/ita-corpus&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://github.com/mmorise/ita-corpus&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
スクリーンリーダー&lt;br /&gt;
パソコンやスマートフォンなどのコンピューターの画面に表示された文字を合成音声で読み上げるソフトウェア。目の見えない・見えにくい人は、画面を見てマウスを操作する代わりに、この読み上げを聞きながら、キーボードやフリック操作でコンピューターを使う。特に全盲の人たちにとっては情報を得るための必須のツール。WindowsやmacOS、iOS、Androidには、こうした読み上げ機能が標準で搭載されており、日本でもNarrator、PC-Talker、NVDA、VoiceOverなどが広く使われている。読み上げ速度の調整の他、声質の変更などもでき、現在ではさまざまな言語に対応している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
情報アクセシビリティ&lt;br /&gt;
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが必要な情報やサービスに支障なくアクセスし、利用できること。たとえば、Webサイトや電子文書が音声読み上げに対応していることや、文字の拡大・色の調整ができることなどが含まれる。視覚障害のある人にとっては、スクリーンリーダーで読み上げられる形で情報が提供されているかどうかが、仕事や学び、日常生活のしやすさを大きく左右する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
項目反応理論（項目応答理論ともいう、Item Response Theory：IRT）&lt;br /&gt;
テストや調査の結果を分析するための統計理論。「問題の難しさ」と「回答する人の能力」を同じ測定基準の上で別々に推定できる点が特徴。学力テストや資格試験、心理検査などで広く使われている。単純な正答率では「難しい問題だったのか」「その人の能力が高い（低い）のか」が区別できないが、項目反応理論を使うと両者を切り分けて捉えられる。近年では、ベイズ統計を取り入れた項目反応理論も発展しており、参加者が少ない場合でも比較的安定した推定ができ、かつ推定の確からしさ（不確実性）も同時に示せる利点がある。本研究では、このベイズ版の項目反応理論を用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
モーラ&lt;br /&gt;
日本語の音の長さを表すリズムの単位。一般的に、日本語話者が話す時の「ひらがな1文字分」の長さが1モーラ（1拍）に該当。多くの場合、ひらがな1文字が1モーラに対応し、小さな「っ」、鼻音の「ん」、長音の「ー」も、それぞれ1モーラとして数える。一方、「きゃ」「しゅ」のように小さな「ゃ」「ゅ」「ょ」を伴う音は、2文字で1モーラとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ベイズ統計&lt;br /&gt;
分析前に得られている知識や仮定と、実際に観測されたデータを組み合わせて、知りたい量の確からしさを推定する統計的な推論方法。分析前の知識や仮定を確率分布で表したものを「事前分布」、観測データが各仮定のもとで得られるもっともらしさを「尤度」、これらを組み合わせて更新した確率分布を「事後分布」と呼ぶ。推定値だけでなく、その不確実性も併せて示すことができる。本研究では、この方法を取り入れた項目反応理論により、文章の難易度と利用者の音声理解能力をそれぞれ推定した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260925/pr20260925.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260925/pr20260925.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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            </item>
    <item>
        <title>第8回RD20国際会議開催のご案内</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166078</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・アフリカ大陸で初開催：G20各国・地域の主要研究機関が、クリーンエネルギー技術と国際連携に焦点を当て議論する国際会議 ・第8回RD20国際会議は、南アフリカ共和国のCSIRが主催し、プレト...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt; 
・アフリカ大陸で初開催：G20各国・地域の主要研究機関が、クリーンエネルギー技術と国際連携に焦点を当て議論する国際会議&lt;br /&gt; 
・第8回RD20国際会議は、南アフリカ共和国のCSIRが主催し、プレトリアにて対面とオンラインとのハイブリッド形式で開催&lt;br /&gt; 
・最先端技術を追求するテクニカルセッションではアフリカ地域とも関わりの深いクリーンエネルギー分野について議論&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
概要 
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）は、G20各国・地域の主要な研究機関とともに、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発の国際連携を促進する「RD20（Research and Development 20 for Clean Energy Technologies）」を推進しています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
第8回RD20国際会議を、2026年10月19日から23日まで、南アフリカ共和国・プレトリアのCouncil for Scientific and Industrial Research（CSIR）をホスト機関として開催します。RD20国際会議のアフリカ大陸での開催は今回が初めてです。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
本会議では、エネルギーアクセス、合成燃料、エネルギーのための重要鉱物などをテーマに、各国・地域の研究機関の専門家が研究開発の現状や課題について議論します。公開セッションはオンラインでも参加できます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
開催日程：2026年10月19日（月）– 23日（金）&lt;br /&gt; 
場所　　：南アフリカ共和国　プレトリア　CSIR&lt;br /&gt; 
形態　　：対面およびオンライン&lt;br /&gt; 
詳細および参加登録：&lt;a href=&quot;https://rd20.aist.go.jp/conference/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://rd20.aist.go.jp/conference/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
セッション構成：&lt;br /&gt; 
 
 
 
10月19日（月） 
ワークショップ #1：エネルギーのためのAI活用：4月に韓国で開催されたWSでの議論を発展させた拡張セッション 
招待者のみ 
 
 
10月20日（火） 
テクニカルセッション (TS) プレナリー：クリーンエネルギー技術に関するハイレベルトーク 
公開 
 
 
テクニカルセッション TS #1：エネルギーアクセス　~アフリカにおける解決策~ 
公開 
 
 
テクニカルセッション TS #2：合成燃料 
公開 
 
 
10月21日（水） 
テクニカルセッション TS #3：エネルギーのための重要鉱物 
公開 
 
 
ワークショップ #2：クリーン水素・水素キャリア 
招待者のみ 
 
 
10月22日（木） 
リーダーズセッション 
 午前：公開&lt;br /&gt; 午後：招待者のみ 
 
 
10月23日（金） 
サイトビジット 
招待者のみ 
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
主要講演者（テクニカルセッション・プレナリー） 
 
 
 
 &lt;br /&gt;  
 &lt;br /&gt;  
 &lt;br /&gt;  
 
 
 Ms. Mandy Mlilo, Department of Science, Technology, and Innovation (DSTI), 南アフリカ&lt;br /&gt; DSTI Hydrogen &amp;amp; Energy Research, Development and Innovation Initiatives 
 Prof. Philippe POGGI, University of Corsica/CEA, フランス&lt;br /&gt; Research, Businesses and Innovation in Overseas Territories: Smart Grids and Energy Transition&lt;br /&gt;  
 Prof. Dr. Christopher Hebling, Fraunhofer-ISE, ドイツ&lt;br /&gt; Pathways to Climate Neutrality Through Renewables and Decarbonized Fossil Energy 
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
解説 
RD20：RD20は、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発の国際連携を促進するため、世界最先端の技術開発を行うG20各国・地域の主要研究機関の参加の下、2019年に日本主導で発足した枠組みである。本枠組みでは、クリーンエネルギー技術に関する研究開発成果や知見、ベストプラクティスなどの共有を進めるとともに、国際共同研究の機会を創出している。また、産学官の関係者間における新たなパートナーシップの形成・発展を通じて、イノベーションの創出を目指している。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
CSIR：The Council for Scientific and Industrial Research, 南アフリカの研究機関。アフリカ最大級の研究機関の一つ。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
RD20メンバー機関：&lt;br /&gt; 
INTI (アルゼンチン)、CSIRO（オーストラリア)、UFSCar (ブラジル)、NRC (カナダ)、DICP (中国)、JRC (EU)、CEA (フランス)、CNRS (フランス)、 Fraunhofer Gesellschaft (ドイツ)、Fraunhofer ISE (ドイツ)、HZB(ドイツ)、TERI(インド)、BRIN (インドネシア)、ENEA (イタリア)、CINVESTAV (メキシコ)、KIER (韓国)、KACARE (サウジアラビア)、CSIR (南アフリカ共和国)、TÜBİTAK (トルコ)、UKERC (英国)、NLR (米国)、NIMS (日本)、RIKEN(日本)、AIST (日本)&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166078/_prw_PI5im_1LEF9TqR.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>AIの予測と人によるスクリーニングが創薬を変える</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166030</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ AIモデルBoltz-2による予測にクラスタリングと実験検証を組み合わせて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に抽出することに成功 ・ 50,240化合物から抽出された4...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ AIモデルBoltz-2による予測にクラスタリングと実験検証を組み合わせて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に抽出することに成功&lt;br /&gt;
・ 50,240化合物から抽出された40の候補化合物のうち、7化合物は十分な阻害活性を持つことを実験で検証&lt;br /&gt;
・ このプロセスは、従来課題であったAI予測と実験結果との乖離「ドライ・ウェットギャップ」の縮小に貢献し、大型設備を必要とせずに創薬探索を可能に&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所（以下「産総研」という）人工知能研究センター 富井 健太郎 上級主任研究員、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 遠藤 智史 准教授、岐阜市公立大学法人岐阜薬科大学大学院薬学研究科 河野 真也 大学院生（産総研リサーチアシスタント）、五十里 彰 教授らの共同研究グループは、AIモデルBoltz-2を用いて、がん関連酵素AKR1B10の新規阻害剤候補を高効率に発見しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
AIの創薬応用を目的として、がんの発生や薬剤耐性に関与する酵素AKR1B10を標的とした活性阻害剤を念頭に、50,240化合物から候補化合物の抽出に取り組みました。AI予測と化合物の構造に関する知見を基とした人によるスクリーニングを経て40候補を抽出したところ、そのうちの28の化合物が有効とされる阻害活性を示し、7化合物はより顕著な阻害活性（サブマイクロモル活性）を示しました。さらに、これら7化合物のうち5化合物は、標的となるAKR1B10には強く結合するものの、それと似た構造を持つ酵素AKR1B1には結合しにくいという十分な選択性も確認されました。また、既知阻害剤と異なる骨格の化合物や、AKR1B10選択性を説明する結合様式も確認されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
標的タンパク質に作用しそうな化合物を計算で選ぶ「バーチャルスクリーニング」は、計算をかけたあとにも候補が多く残る点が課題です。本研究でも基準を超えた867化合物を化学構造の多様性に基づいて40化合物に絞り込むことで、大型自動実験設備を必要としない、汎用性の高い実験規模を実現しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本成果は、AIで予測（ドライ）しつつも、最終的には実験（ウェット）で検証するドライ・ウェットギャップを埋めるものとして、AI創薬の発展に貢献するものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月12日に「Journal of Chemical Information and Modeling」に掲載され、ACS Editors&#039; Choice に選出されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
新薬開発を念頭に、標的タンパク質の活性を阻害する候補化合物を抽出するためには、数万から数百万におよぶ化合物の中から、標的に強く結合して十分な阻害活性を示すだけでなく、類似タンパク質には作用しない高い選択性を備えた化合物を探索する必要があります。そのため、大規模なスクリーニングと実験による検証を繰り返す必要があり、多くの時間と労力を要することが課題となっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スクリーニングの過程では、標的タンパク質に作用しそうな化合物を計算で選ぶ「バーチャルスクリーニング」が広く使われています。これは、標的タンパク質の立体構造が分かっている場合に候補化合物がそれとどのように結合するかをシミュレーションし、結合の強さや結合様式を予測するものです。近年、タンパク質と低分子化合物を一緒に立体構造化する共折りたたみ（co-folding）モデルが登場し、結合姿勢と結合の強さを同時に推定できるようになりました。一方で、計算上、標的タンパク質と強く結合するとされる化合物が実際に標的タンパク質の活性を阻害するとは限りません。既知データに似た組み合わせでは高精度でも、未知の化学骨格に対する一般化や、活性化合物どうしの細かな順位付けには課題があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
もう一つの課題は、バーチャルスクリーニングにかけても、実際に実験できる数まで候補を絞りきれないことです。本研究で対象とした50,240化合物のライブラリーでも、選定基準を超えたものは867化合物ありました。従来のバーチャルスクリーニングで「アタリ」が出る確率は1 %〜10 %程度とされており、この数の化合物をすべて実験で確かめても、大部分は外れてしまいます。外れる可能性の高い化合物に購入費や活性評価用試薬、時間や労力を費やさねばならず、せっかく計算手法を導入しても、その後の実験負荷が下がりません。このため、計算予測を実験で検証できる候補数まで絞り込み、実際の阻害活性を有する化合物の発見につなげる方法が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研および岐阜大学の研究グループは、「産総研－岐大アライアンス事業」において、データ駆動型アプローチによる抗がん剤耐性克服薬の開発を進めています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、50,240種類の候補化合物の中から酵素AKR1B10の活性を阻害する化合物の抽出に取り組みました。AKR1B10は、有害なカルボニル化合物を解毒して細胞を保護する還元酵素ですが、その発現異常は脂質代謝や細胞増殖を促進し、多くのがんの発生・進展や薬剤耐性に関与するため、診断・治療標的として注目されている酵素です。しかし、活性部位が柔軟で、類似酵素AKR1B1との選択性確保が難しく、ターゲットとすることが困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
岐阜大学および岐阜薬科大学の研究グループは、これまでに多数のAKR1B10阻害剤を発見し、その立体構造的特徴を蓄積してきました。本研究では、この実験的知見を計算条件としてAIに推論させるアプローチをとりました。Boltz-2の大規模推論計算には、産総研のAI橋渡しクラウド（ABCI）を利用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）生命科学・創薬研究支援基盤事業（BINDS）「ライフサイエンス研究加速のためのバイオインフォマティクス研究」（2022～2026年度）と公益財団法人立松財団による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
はじめに、AIによる予測に「酵素が働くための条件」をどのように組み込んだかを説明します。共同研究グループは、タンパク質と低分子化合物の立体構造を同時に計算する共折りたたみモデルBoltz-2による予測に、AKR1B10 の反応の仕組みに基づく二つの距離の制約を導入しました。第一に、補酵素NADPHから4.5 Å以内にあるアミノ酸を、補酵素が収まる領域として定義しました。第二に、水素の受け渡しを担うアミノ酸残基Tyr49とHis111、および結合する部分の形と広さを決める隣接したTrp112を、化合物が近づくべき位置として指定しました（図1）。これにより、結合の強さの予測値が高くても、反応が起こらない向きで結合してしまう化合物を、計算の段階で除くことを狙いました。予測はABCI 上で実行しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次に、この予測を用いて50,240 化合物から候補をどのように絞り込んだかを述べます。まず、どの程度の予測値を合格とするかという基準値を決める必要があります。基準値は、実験で測定された生物活性データを集めた公共データベースChEMBL由来の既知のAKR1B10阻害剤132化合物と、活性のある化合物と性質は似ているが結合しないと考えられる比較用の6,600化合物を系統的に生成して決定しました。なお、この既知阻害剤132化合物はBoltz-2の事前学習データに含まれるため、この段階の性能は未知の化合物への通用性ではなく、手順そのものの妥当性の確認と位置づけています。この条件を市販の化合物ライブラリー（50,240化合物）に適用したところ、基準を超えた一次候補は867 化合物（全体の約1.7 %）でした（図2）。しかし867化合物は、実験で確かめるには多すぎます。そこで、化合物の部分構造の有無をビット列で表すMorgan2フィンガープリントと、二つのビット列の共通度を0から1で表すTanimoto係数を用い、構造の似たものどうしを段階的にまとめる階層的クラスタリングによって867化合物を51のグループに分けました。各グループから代表を選ぶことで、構造の多様さを保ちながら実験の重複を避け、入手可能性も考慮して40化合物を実験に使用しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ここからは、選んだ40化合物を実際に実験で調べた結果を述べます。補酵素NADPHが消費される量を340 nm の吸光度で追跡する方法で酵素の活性を測定したところ、10 µMの条件で活性を50 %以上低下させた化合物は28化合物、ヒット率は70 %でした（図3）。この値は、従来の立体構造に基づくバーチャルスクリーニングで報告されている1 %〜10 %を上回るものです。1 µMの条件でも7化合物が阻害活性を保ち、最も強力な化合物の酵素の活性を半分に低下させる濃度（IC50）は197±12 nMでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ここまでは阻害の強さについて述べてきました。続いて、狙った酵素だけを阻害できるかという選択性について説明します。AKR1B10 は、アミノ酸配列が約71 %共通する類似酵素AKR1B1との選択性の確保が長年の課題とされてきました。AKR1B10の活性部位にあるTrp112の側鎖の向きがこの選択性を左右することは、先行研究により既に報告されており[1]、この側鎖はAKR1B10本来の向きと、AKR1B1に似た向きの2通りをとりえます。本研究で新たに示されたのは、Boltz-2がこの向きを化合物ごとに予測し、その予測が実験で測定した選択性と対応したことです。1 µMでもAKR1B10阻害活性を保つ7化合物に加え、10 µMで最も強いAKR1B10阻害活性を示したAICE017を含めた8化合物についてAKR1B1に対する阻害を同じ条件で測定したところ、AKR1B10本来の向きと予測された6化合物（1 µMでAKR1B10阻害活性を保つ5化合物およびAICE017）は、AKR1B1と比べて平均で6.47倍（1.39倍〜231倍）AKR1B10を強く阻害したのに対し、AKR1B1に似た向きと予測された2化合物は0.62倍（0.48倍〜0.80倍）と逆にAKR1B1側へ偏り、両群の間に10.4倍の差が認められました（図4）。ここで重要なのは、この二つの向きを分ける側鎖の回転角が、計算に導入した距離の制約には含まれていない点です。向きの分かれ方はモデルが化合物に応じて自由に予測した結果であり、それが実測の選択性と一致したことになります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、得られた化合物が既知の阻害剤とどう異なるのか、またこのヒット率が本当にAIによる絞り込みの成果といえるのかを検証しました。得られた化合物群と既知のAKR1B10阻害剤132化合物を比較したところ、Morgan2に基づくTanimoto係数は0.35未満にとどまり、化学構造の骨組みとしては既知の阻害剤と異なることが確認されました。一方、化合物を標的との相互作用に関わる特徴の配置として表現するErGフィンガープリントで比べると中程度の類似性が保たれており、結合に必要な特徴の配置は維持したまま、骨組みだけを置き換えられたことを示しています。また、ヒット率の由来を切り分けるため、51のグループを50,240化合物全体に対する251のグループへ拡張し、実験した40化合物を除いたうえで基準の通過率を比較しました。その結果、実験化合物を含むグループでは8.80 %、含まないグループでは0.10 %となり、88倍の差が認められました。（図5）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上をまとめると、反応の仕組みに基づく制約を導入した共折りたたみモデルによる予測と、化学構造の多様さに基づく選抜を組み合わせることで、実験に供する化合物数を40まで減らしながら、70 %のヒット率と1 µM未満で働く複数の阻害剤を得られることが示されました。本研究の実験は、40化合物の購入と、分光光度計およびリアルタイムPCR装置による測定の範囲で完結しており、標的とするタンパク質が定まっている創薬において、数十万規模の化合物ライブラリーや大型の自動実験設備を使用しなくても新規阻害剤の探索が成立することを示す結果です。AKR1B10は、肝細胞がんや非小細胞肺がんでの発現の高まりと、がん細胞の増殖・浸潤および抗がん剤に対する耐性の獲得への関与が報告されている酵素であり、こうした抗がん剤の標的に対して、限られた実験資源のもとでも新規化合物を獲得できることを実証したものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、本研究で見いだした化合物を基に、AKR1B10への阻害活性と選択性、溶解性、細胞膜透過性、代謝安定性などを改善する構造最適化を進めます。また、がん細胞や動物モデルで、既存治療薬の効果増強や薬剤耐性の克服につながるかを検証します。さらに、本研究で用いた「触媒機構の知識をAIの制約として与え、スコアと化学構造多様性の両方で候補を絞る」方法を、他の補酵素依存性酵素や創薬標的にも展開します。AIを単独で使うのではなく、専門知識、計算資源、実験評価を一体化することで、より再現性の高いAI創薬基盤の構築を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Chemical Information and Modeling&lt;br /&gt;
論文タイトル：Efficient Discovery of Potent AKR1B10 Inhibitors Using Co-folding Model Boltz-2&lt;br /&gt;
著者：Shinya Kawano, Akira Ikari, Satoshi Endo*, Kentaro Tomii*（*責任著者）&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/acs.jcim.6c00874&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/acs.jcim.6c00874&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] FEBS Letters 2013, 587(22), 3681-3686.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
Boltz-2&lt;br /&gt;
入力されたタンパク質のアミノ酸配列や化合物などの情報から、複数の分子を含む三次元構造を生成するAI。Boltz-2は、タンパク質、低分子化合物、補酵素を同時に扱うことが可能で、複合体構造と結合性を予測する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
AKR1B10&lt;br /&gt;
アルドケト還元酵素1B10。細胞内の反応性カルボニル化合物の解毒や脂質代謝に関わる。複数のがんで高発現し、増殖や薬剤耐性との関連から創薬標的候補とされる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ドライ・ウェットギャップ&lt;br /&gt;
コンピューター上の予測（ドライ）と、生化学・細胞などの実験（ウェット）の結果が一致しない問題。本研究では、候補の絞り込みと酵素実験を一体化してこの差の縮小を目指した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
フィンガープリント&lt;br /&gt;
化合物相互の類似性定義に必要となる要素（比較的小さな部分構造）のセット。各化合物に含まれる要素の有無（の差）などに基づき類似度が計算される。本研究で用いたものを含め、さまざまなセットが提案されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260918/pr20260918.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>産総研、BioJapan 2026に出展</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166037</link>
        <pubDate>Fri, 18 Sep 2026 11:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>産業技術総合研究所（以下、「産総研」という）は、2026年10月7日（水）から9日（金）までパシフィコ横浜で開催されるアジア最大級のバイオ産業パートナリングイベント「BioJapan 2026」に出展...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
産業技術総合研究所（以下、「産総研」という）は、2026年10月7日（水）から9日（金）までパシフィコ横浜で開催されるアジア最大級のバイオ産業パートナリングイベント「BioJapan 2026」に出展します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研 生命工学領域は、「少子高齢化等の社会課題の解決やバイオエコノミー社会の実現に貢献するイノベーションの創出と、総合力を生かした社会実装」をミッションに掲げ、最先端のバイオ・ライフサイエンス研究を推進しています。本展示では、「医療・ヘルスケア」「バイオものづくり」「資源循環・生物資源高度利用」の3分野を中心に、健康状態の可視化や診断支援技術、創薬・再生医療を支える細胞評価技術、生物機能を活用したものづくり技術、プラスチック分解や廃水処理など、社会実装を見据えた研究成果を紹介します。あわせて、企業との共同研究拠点（冠ラボ）をはじめとする連携の取り組みや、企業連携による社会実装事例についても紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ブース外観（イメージ）&lt;br /&gt;
【出展概要】
■ブース位置：C-51&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■出展概要：&lt;br /&gt;
①医療・ヘルスケア…健康長寿社会の実現に向け、歩行や身体機能の計測技術、生体分子の検出技術、創薬・再生医療を支える細胞評価技術などを紹介します。また、病気の早期発見や診断精度向上につながる研究成果も展示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
②バイオものづくり…生成AIを活用したタンパク質設計技術、植物や微生物を活用した有用物質生産技術、次世代バイオ製造を支える研究基盤などを紹介します。持続可能なバイオエコノミー社会の実現に向けた取り組みをご覧いただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
③資源循環・生物資源高度利用…PET分解酵素やプラスチック分解技術、廃水・廃棄物からの資源回収技術、機能性食品や生物資源を活用した研究など、循環型社会の実現に資する研究成果を紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
④企業連携・社会実装…企業との共同研究拠点（冠ラボ）における取り組みや、企業との連携を通じて産総研の研究成果を社会実装につなげた事例を紹介します。展示ブースでは、企業との連携により製品化された展示品のデモンストレーションもご覧いただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■注目トピックス：スポンサーセミナー「&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/contents2026/seminar.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;科学的知見に基づくセルフケア、ウェルビーイングの社会実装に向けて&lt;/a&gt;」（10月7日（水）14:30～15:30、場所：アネックスホール F206）&lt;br /&gt;
科学的根拠に基づく健康管理や行動変容支援技術、働く人々のウェルビーイング向上を支える研究成果、ならびにそれらの社会実装に向けた取り組みを紹介します。&lt;br /&gt;
※スポンサーセミナーの聴講には、BioJapan公式サイトからの事前予約が必要です。&lt;br /&gt;
詳細は&lt;a href=&quot;https://biojapan2026.jcdbizmatch.jp/Lookup/jp/Seminar/u0?ae=AE1-&amp;amp;ot=O4-&amp;amp;ke=%E7%94%A3%E6%A5%AD%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B7%8F%E5%90%88%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80&amp;amp;np=2&amp;amp;ob=5&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;こちら&lt;/a&gt;をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
過去のスポンサーセミナーの様子&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【BioJapan概要】
・イベント名：BioJapan 2026&lt;br /&gt;
・日程　　　：2026年10月7日（水）～10月9日（金）&lt;br /&gt;
・会場　　　：パシフィコ横浜&lt;br /&gt;
・主催　　　：BioJapan組織委員会（代表責任団体 : 一般財団法人バイオインダストリー協会）&lt;br /&gt;
　　　　　　　㈱ JTBコミュニケーションデザイン&lt;br /&gt;
・公式サイト：&lt;a href=&quot;https://jcd-expo.jp/jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;BioJapan / &lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://jcd-expo.jp/jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;再生医療JAPAN / healthTECH JAPAN&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
・産総研　生命工学領域　特設ページ：&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;BioJapan&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/dlsbt/bio/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;｜産総研 生命工学領域&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166037/_prw_PI1im_jmGv4dTE.png" length="" type="image/png"/>
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    <item>
        <title>ルーブル美術館がランス別館での特別展でアザラシ型ロボット「パロ」を展示</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609166044</link>
        <pubDate>Thu, 17 Sep 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>2026年9月23日（水）から2027年1月18日（月）まで、フランスのルーブル美術館によりランス別館（Louvre-Lens）で開催される特別展「Trop mignon! L’art du bonh...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年9月23日（水）から2027年1月18日（月）まで、フランスのルーブル美術館によりランス別館（Louvre-Lens）で開催される特別展「Trop mignon! L’art du bonheur （So Cute! The Art of Happiness）」において、アザラシ型ロボット 「PARO（パロ）」 が展示されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本展は、「なぜ人は“かわいい”ものに惹かれ、幸福を感じるのか」をテーマに、古代から現代まで約300点の作品を通じて、人間の感情と芸術の関係を探求する大規模な国際展覧会です。日本のKawaii文化も重要なテーマとして取り上げられ、PAROは「かわいい」を医療機器（海外）にまで発展させ、災害・戦災の被災者の心のケアにも役立つ、象徴的な展示として紹介されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、世界約50か国の医療・福祉現場で活用されるセラピー用ロボットであると同時に、アート、デザイン、身体性人工知能（フィジカルAI）、人道支援を結び付ける存在として国際的に評価され、王侯貴族や富裕層にもペットとして愛玩されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これを機会に、「平時」には、PAROが学校や各種の職場で、子供達の情操教育やSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）教育と、教員・職員のウェルビーイングに活用しつつ、災害等の「有事」の際には、避難所になる体育館や役所等で早期に円滑に心のケアに活用する、PAROの「デュアル・ユース」を提唱します。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■展覧会概要
展覧会名：「Trop mignon ! L’art du bonheur」(So Cute! The Art of Happiness)&lt;br /&gt;
会場：Musée du Louvre-Lens（ルーブル美術館ランス別館） フランス・ランス&lt;br /&gt;
会期：2026年9月23日 （水）～ 2027年1月18日（月）&lt;br /&gt;
展覧会テーマ：&lt;br /&gt;
本展では、&lt;br /&gt;
・動物と人間の感情的な結び付き ・「かわいい」の美学&lt;br /&gt;
・ピンク色の文化史 ・ぬいぐるみと安心感&lt;br /&gt;
・日本のKawaii文化 ・現代アートと幸福感&lt;br /&gt;
などをテーマに、人間の感情や共感性について多角的に考察します。約300点に及ぶ絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーション作品が展示されます。&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.louvrelens.fr/en/exhibition/so-cute-the-art-of-happiness/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.louvrelens.fr/en/exhibition/so-cute-the-art-of-happiness/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
■PAROとは
PAROは、アザラシの赤ちゃんをモデルとして開発されたロボットです。アレルギー、人畜感染症問題、管理問題、高コスト等で、ペット動物を飼いたくても飼えない人や場所があるため、ペット動物の代替として、人に可愛がっていただくことを目的に、1993年から現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長 石村和彦】（以下、「産総研」）が研究開発を行って、2000年からは国内外の医療福祉機関・大学等と連携して臨床研究を推進しています。2004年にパロに関する知的財産権のライセンスを受けた富山県南砺市の株式会社知能システム【代表取締役 島田優平】（以下、「知能システム」）が、パロの製造・販売・輸出等を行っていますが、パロの製造には日本企業80社以上が関わる純粋な日本製です。これは、究極の「高品質」と共に、「セキュリティの確保」を目的にしています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2005年3月に愛知万博の政府迎賓館（皇室・王侯貴族、各国首脳等VIP向け）と、一般向けの展示に合わせて第8世代のPAROが市販化され、一般家庭でのペット代替と、医療福祉施設でのロボット・セラピーに活用されています。改良を重ねて、現在は第9世代になっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
海外は、日本と異なり、一般的にロボットに対して「恐怖感」や「嫌悪感」がある一方、ペット文化が発達しており、「アニマル・セラピー」が深く理解されている等の「文化的な違い」があります。また、欧米は、アート作品を見たり、触れたり、造ったりする「アート・セラピー」についても造詣が深いです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROはロボットでありながら、可愛く、生き物らしい、高いクオリティが世界で認められ、王侯貴族等にも受け入れられ、喜ばれてきています。また、外務省ではPAROを「文化啓発用品」として、世界各国の日本大使館や総領事館に配備し、日本の文化の紹介に活用して頂いています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROのセラピーへの応用について、日本では「医療」と「福祉」が分離されているため「福祉用具」として主に「介護」で利用されています。一方、海外では全て「医療」である「社会制度の違い」があるため、パロが「医療機器」として登録され、医療福祉で活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
2009年に、アメリカのFDA（Food and Drug Administration: 食品医薬品局）から「治療効果」と「安全性」が認められて「バイオフィードバック医療機器（クラス2）」の承認を得ました。その後も、市販化後のさまざまな臨床試験を積み重ね、小児から高齢者まで、救急、急性期から終末期まで、「せん妄」や「認知症」等の「神経認知障害群」や発達障害、ガン、脳損傷等のさまざまな患者の不安、抑うつ、痛み、興奮（暴力、暴言、徘徊等）、不眠等の「行動・心理症状」の改善を目的に、PTSDや認知症の患者が多い退役軍人省病院に導入されたり、処方箋に基づく公的医療保険の適用になったりし、副作用が無い安全な「非薬物療法」として喜ばれています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在では、アメリカの他、ヨーロッパ、イギリス、スイス、オーストラリア、シンガポール、香港でパロが「医療機器」登録され、世界約50か国で導入されています。病院（救急、急性期、回復期、慢性期・生活期、終末期）、高齢者施設、障害者施設、認知症ケア施設などにおいて、小児から高齢者まで、さまざまな人々の「心のケア」を支えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは単なる機械ではなく、人との触れ合いの中で信頼関係や愛着を育み、人々の笑顔や会話を生み出す存在として世界中で高く評価されています。これらを踏まえて、2025年の大阪・関西万博では、「世界赤十字・新赤月運動ウィーク」に、パロが展示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ギネス世界記録は、2002年にイギリス・ロンドンの科学博物館でのPAROの展示をきっかけに、PAROを「世界で最もセラピー効果があるロボット」に認定し、現在も継続しています。&lt;br /&gt;
■アートとテクノロジーの融合
PAROは芸術性と先端技術を融合した独創的な存在です。PAROは人から受け入れられて初めてセラピー効果を発揮するため、ふれあう人からの「受容性」を高めることが目的です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
人がPAROに対して自然に親しみや愛着を抱けるように、人の感覚を適切に刺激するため、&lt;br /&gt;
・柔らかな毛並み（感染症対策のため銀イオンで制菌加工した安全な素材で最高級品）&lt;br /&gt;
・温かみのある触感や抱き心地（温度センサで体温制御、3次元的重量バランス）&lt;br /&gt;
・愛らしい表情（一体ずつ手作りとトリミング）&lt;br /&gt;
・やさしい鳴き声（カナダ北東部の本物のアザラシの赤ちゃんの泣き声）&lt;br /&gt;
・滑らかで穏やかな動き（ノイズが少なく、人の強い力に対処する知的静穏型アクチュエータ）&lt;br /&gt;
などが細部にわたり考慮され、設計されています。これにあたり、欧米のビスポーク車、精密機械時計、プライベート・ジェット機等の「ラグジュアリー」を参考にしつつ、2種類の世界遺産がある歴史的文化都市の富山県南砺市の木彫、漆塗り、絹織物、金箔等の伝統工芸のフィロソフィーを取り入れています。そして、PAROは、一体一体、熟練の職人の手作業によって、工芸作品や芸術作品のようなクラフトマンシップによって製作された、「人を癒すために創られたアート作品」と言える存在です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■身体性人工知能（Embodied AI）の最先端技術
PAROは世界を代表する「身体性人工知能（Embodied AI）」（フィジカルAI）の実用例です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
身体性人工知能とは、身体を持つ存在（ロボット）として、人間と相互作用しながら知的な振る舞いを発現する人工知能技術を指します。PAROは、研究開発者の産総研の柴田崇徳による1992年の博士論文「ロボットの階層的知的制御」（名古屋大学）に基づき、1993年に現在の産総研に入所後、1995～98年に研究員を兼任したアメリカのマサチューセッツ工科大学人工知能研究所において、身体性人工知能の応用として動物型ロボットの試作・評価を重ねて、1998年に第1世代のパロを発表、その後、日本で社会実装のための改良を重ねてきました。PAROには、&lt;br /&gt;
・触覚センサ（全身とヒゲ）&lt;br /&gt;
・光センサ（プライバシー保護のため明るさのみで、カメラは排除）&lt;br /&gt;
・音センサ（音声認識と3Dの音源同定）&lt;br /&gt;
・姿勢センサ（抱っこされた時の姿勢等の認識）&lt;br /&gt;
など多様なセンサが搭載されています。これらにより、ふれあう人からの撫でる、抱きしめる、話しかける、名前を呼ぶ、といった働きかけを認識し、その状況に応じて自律行動や反応を変化させ、「強化学習」により飼い主の好みの性格に変わったり、新しい名前に反応するようになったりすることで、飼い主と長期的な関係を築いていきます。PAROは単なる会話AIではなく、「身体を通じて、人と関係性を築く人工知能」を持つロボットとして、世界の研究者や医療関係者から高く評価されています。&lt;br /&gt;
■世界の医療・福祉現場で活躍するPARO
PAROは海外では「医療機器」として、質が高いエビデンスに基づき、フランスやイギリスの「ガイドライン」や、北欧、アメリカ、豪州、シンガポール、香港等の社会制度（公的導入、公的補助、医療保険適用等）に組み込まれている、世界で唯一のロボットです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、厚生労働省と経済産業省の「介護テクノロジー」で、2025年からの重点分野「認知症生活支援・認知症ケア支援」の「選定機器」の第1号です。これにより、高齢者や障害者向けの介護事業者がパロを導入する際には、厚生労働省の「介護テクノロジー導入支援事業」（1体当たり30万円、定員10名当たり1体を目安に必要なだけ）の補助金を利用することが可能です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これまでに、20件以上の「ランダム化比較試験」（1件5～7年間かかる）による臨床試験（薬物の臨床試験・治験に相当）や、それらのメタアナリシスの結果等により、パロのセラピー効果のエビデンスが示されています。&lt;br /&gt;
・ストレス軽減&lt;br /&gt;
・不安、痛み、抑うつ、興奮（徘徊、暴力、暴言等）、不眠等の改善&lt;br /&gt;
・孤独感の低減、コミュニケーション促進、社交性の向上&lt;br /&gt;
・QOL（生活の質）の向上&lt;br /&gt;
・軽度認知症者の認知機能（MMSEのスコア）の維持・改善&lt;br /&gt;
・介護者・看護者の負担感の低減&lt;br /&gt;
などの効果が報告されています。特に認知症ケアや高齢者ケアの分野では、「ロボット・セラピー」として広く活用されています。（&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.7210/jrsj.43.964&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.7210/jrsj.43.964&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ルーブル美術館があるフランスでは、2018年に既存の4種類の抗認知症薬が「効果が低く、副作用が問題」として、保険適用から除外された後、認知症対策として高齢者のケアを重点化するため、各州政府によりPAROが全額助成で導入されるようになり広く活用されています。また、小児病院や歯科病院等でも導入されたり、救急病院で臨床試験が行われたり、多様化しています。&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/180050/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/180050/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
（2026年9月27日（日）に金沢大学で開催される「日本災害復興学会」で詳細を発表予定）&lt;br /&gt;
■災害の被災者支援
PAROは災害の際に、WHO（世界保健機構）が提唱する「Mental Health and Psychosocial Support (MHPSS：心の健康と心理社会的支援) in Emergencies and Beyond」に寄与します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、東日本大震災（2011年）、熊本地震（2016年）、能登半島地震・豪雨（2024年）等の被災地において、避難所、仮設住宅、高齢者施設、病院、障害者施設などで利用されてきました。災害による喪失感や不安、孤独感を抱える被災者に対して、PAROは安心感や心の拠り所を提供し、&lt;br /&gt;
・笑顔を引き出す&lt;br /&gt;
・気持ちを和らげる&lt;br /&gt;
・涙し、悲しみを表出させる（グリーフ・ケア）&lt;br /&gt;
・会話を促し、人と人とのつながりを生み出す（被災者同士や、被災者と支援者の関係）&lt;br /&gt;
役割を果たしてきました。避難所や被災地では、「久しぶりに笑顔になれた」、「抱いていると安心する」、「周囲の人との会話が増えた」などの声が寄せられており、長期的な「心の健康と心理社会的支援」に貢献しました。&lt;br /&gt;
■戦災の被災者・避難者への心のケア
PAROは紛争被害を受けた人々の支援にも活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ロシアによるウクライナ侵攻後には、ミサイル等の爆発や、敵兵からの暴力・暴行による本人・家族・近隣者等の死傷を受け、避難を余儀なくされた人々のストレスや不安やその他のPTSDの治療を目的として、ポーランドの医療機関や支援施設へパロが導入されました。特に、&lt;br /&gt;
・戦争体験によるトラウマを抱える子ども&lt;br /&gt;
・不安を抱える高齢者&lt;br /&gt;
・長期避難生活を送る人々&lt;br /&gt;
の心の安定を支援するツールとして活用されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、国連移住機関（UN IOM）や国連児童基金（UNICEF）の各「MHPSSプログラム」にも、PAROが組み入れられて、テクノロジーによる新しい人道支援の実践例として注目されています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
■世界的アーティストと共に展示
本展ではPAROが、古代のエジプト時代から現代のアーティストの約300点の作品とともに紹介されます。例えば、近代アートでは、オーギュスト・ルノワール氏による「かわいい子供」をモチーフにした作品等が展示されます。一方、かわいさを悪用した事例として、ナチスが戦争に「かわいい」を利用した事例も紹介されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現代アーティストでは、村上隆氏等の作品が展示されます。村上氏は、日本の「Kawaii」文化を現代アートとして再解釈し、世界へ発信するアーティストです。花やキャラクターをモチーフとした作品は、日本文化における「かわいい」の力を象徴しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、ジェフ・クーンズ氏は、《Balloon Dog》に代表される作品で知られ、親しみやすい造形やポップな表現によって、人々に喜びや楽しさをもたらす現代アートを追求しています。&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.bernardaud.com/jp/jp/artists/jeff-koons&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.bernardaud.com/jp/jp/artists/jeff-koons&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、村上隆氏が芸術で表現する「Kawaii」、ジェフ・クーンズ氏が造形で表現する「喜び」を、ロボット工学と人工知能によって実現している存在と言えます。PAROは「ペット代替」や「医療・福祉機器」として誕生しましたが、そのデザイン性、感情への働きかけ、人との関係性を生み出す力によって、本展の主題を象徴する展示物となっています。&lt;br /&gt;
■なぜPAROがルーブル美術館で展示されるのか
ルーブル美術館のキュレータによれば、PAROは、&lt;br /&gt;
・人に愛着を抱かせるデザイン&lt;br /&gt;
・人の幸福感を高めるインタラクション&lt;br /&gt;
・身体性人工知能の最先端技術&lt;br /&gt;
・医療機器としての科学的実績&lt;br /&gt;
・災害被災者支援での実績&lt;br /&gt;
・ウクライナ被災者・避難者への支援の実績&lt;br /&gt;
・日本発のKawaii文化との親和性&lt;br /&gt;
などを兼ね備えており、PAROは単なるロボットではなく、芸術・デザイン・人工知能・医療・福祉・人道支援を結び付ける文化的存在として評価されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ルーブル美術館ランス別館での展示は、「かわいい」が持つ力を科学、芸術、社会貢献の観点から体現する代表的事例として、PAROが国際的に認められたことを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、これまでにもPAROは、アート作品として、ロンドンのVictoria &amp;amp; Albert Museum（展示後、収蔵）、Design Museum、ニューヨークのMuseum of Modern Art （MoMA）など、世界各地の著名な美術館や博物館でも展示されてきました。&lt;br /&gt;
■結論
PAROのルーブル美術館ランス別館の特別展での展示は、日本発のロボット技術が世界最高レベルの文化・芸術の舞台で評価された象徴的な出来事です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PAROは、&lt;br /&gt;
・人を幸せにするアート&lt;br /&gt;
・心に寄り添うデザイン&lt;br /&gt;
・身体性人工知能の最前線&lt;br /&gt;
・科学的根拠に基づく「医療機器」（海外）・介護テクノロジーの「選定機器」（日本）&lt;br /&gt;
・災害・戦災の被災者・避難者を支える人道支援ツール&lt;br /&gt;
という多面的な価値を持っています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震等の被災地、そしてウクライナ避難民支援の現場で人々の心を支えてきたPAROは、芸術、科学、医療、福祉、人道支援をつなぐ21世紀の新しい文化的存在です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後、防災として、「平時」にはPAROが学校で、子供達の情操教育やSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）教育や教職員のウェルビーイングにも貢献しつつ、「有事」には避難所になる体育館等で活用できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20260917.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20260917.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609166044/_prw_PI1im_u9anKASv.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>遺伝子治療の可能性を広げる「HSVアンプリコンベクター」の高効率産生技術を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609155901</link>
        <pubDate>Wed, 16 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 安全性に配慮した大容量遺伝子搭載能力を持つウイルスベクター「HSVアンプリコンベクター」の新たな製造技術を開発 ・ HSVゲノムを染色体外DNAとして長期安定的に保持しつつ、増殖可能なベ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 安全性に配慮した大容量遺伝子搭載能力を持つウイルスベクター「HSVアンプリコンベクター」の新たな製造技術を開発&lt;br /&gt;
・ HSVゲノムを染色体外DNAとして長期安定的に保持しつつ、増殖可能なベクター産生細胞株を構築し、従来法と比較して100倍以上という高い産生効率を達成&lt;br /&gt;
・ 大型遺伝子や複数遺伝子に起因する遺伝子治療法の開発を加速&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）細胞分子工学研究部門 前田 史雄 主任研究員らと、国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 プロテオーム解析部門 足達 俊吾 部門長は共同で、単純ヘルペスウイルス（Herpes Simplex Virus, HSV）アンプリコンベクターの高効率産生技術「EASY-HSV」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ウイルスベクターは、ウイルスが遺伝子を細胞へ運ぶ能力を利用し、治療用遺伝子を目的細胞へ送り込むことが可能で、遺伝子疾患の治療に用いられています。HSVアンプリコンベクターはレンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルス（AAV）ベクターなど他のウイルスベクターでは搭載しきれない巨大な遺伝子や複数遺伝子を運ぶことができるため、複雑な遺伝子治療やゲノム編集ツールの一括送達を可能とするプラットフォームとして注目されています。しかし、培養細胞からウイルスベクターを得る「ベクター産生」に必要なHSVゲノムが巨大であるため細胞への導入効率が極めて低く、研究室レベルでの少量産生はできても産業向けの大量製造が困難であったことから、臨床応用には至っていません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、HSVゲノムを細胞内に染色体外DNAとして安定的に保持したまま増殖可能なHEK293細胞株の樹立に成功し、この細胞株を用いたベクター産生技術「EASY-HSV（Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus）ベクターシステム」を開発しました。従来法では導入効率が低い巨大HSVゲノムがすでに保持された細胞株を用いるため、細胞あたりのベクター産生量（産生効率）は従来法の約100倍に向上しました。本成果は、HSVアンプリコンベクターの大量製造を可能にし、将来的な臨床応用や新たな遺伝子治療法の開発を加速する重要な基盤技術となりうるものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年8月31日に「Molecular Therapy Advances」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
先天性の遺伝子異常によって生じる希少疾患の多くは現在でも有効な治療法が存在しません。こうした疾患では、病気の原因となる遺伝子異常が明確であることから、根本的な治療を目指して、正常な遺伝子を細胞へ届けて失われた機能を補う遺伝子治療が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
遺伝子治療では、正常な遺伝子を細胞へ届ける１つの方法として、「ウイルスベクター」と呼ばれる遺伝子運搬体が用いられます。ウイルスは、自身の遺伝子を効率よく細胞内に送り込む能力を持っており、ウイルスベクターはその仕組みを利用して治療用遺伝子を目的の細胞へ届けます。近年では、脊髄性筋萎縮症などに対する遺伝子治療薬が実用化されています。一方で、現在実用化されているウイルスベクターにはいくつか課題があります。搭載できる遺伝子サイズが小さいため巨大な遺伝子を運ぶのが難しいこと、ウイルスに対する免疫が獲得されることで再投与時の遺伝子発現が著しく抑制されるなどの課題があります。さらに染色体への遺伝子挿入に伴うがん化のために安全上の懸念があることなどから、適用できる疾患はまだ限定的です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした課題を解決すると期待されているのがHSVアンプリコンベクターです。HSVアンプリコンベクターは、ヒト最大の遺伝子であるジストロフィンを10コピー以上搭載できる、最大15万塩基対（150&amp;nbsp;kb）という遺伝子積載容量を有し、これまで治療対象とすることが難しかった大型の遺伝子が関与する疾患に適用可能です。また、HSV は免疫回避能が高く、反復投与した場合においても遺伝子発現が期待できることから、長期的な反復投与が必要となる慢性疾患、がん治療などにも応用できる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
従来のHSVアンプリコンベクター産生法では、ベクター産生に必要なHSVゲノムの調製に高コストかつ煩雑な工程を要するうえ、収量も低いという課題がありました。また、HSVゲノムは約150 kbと極めて巨大であるため、ベクター産生時にゲノムを産生細胞へ導入することが難しく、医薬品製造プロセスの開発において大きな障壁となっていました。このため、HSVアンプリコンベクターは優れた特性を有しながらも、実用化や普及が進んでいませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研ではこれまでHSVアンプリコンベクターを利用した遺伝子導入技術や遺伝子治療への応用研究を進めてきました。今回、国立がん研究センターと共同でHSVアンプリコンベクターの高効率な産生を可能にする新たな製造基盤の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の委託事業「大学発医療系スタートアップ支援プログラム（シーズS2）」（2026～2027年度）による支援を受けています。また、本研究はJSPS科研費JP24K21113、JP22H02225、JP25K03224の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
今回、研究チームはHSVゲノムを核内に安定的に保持できるHEK293細胞（293/HSV細胞）を樹立しました。細胞株樹立においては、導入されたHSVゲノム由来の遺伝子が発現することによる細胞毒性と導入されたHSVゲノムの細胞分裂に伴う減少という２つの課題がありました。HSVゲノムからHSV遺伝子群の発現制御を担うICP0、ICP27等を除くとともに、エプスタイン・バーウイルス（EBV）由来の自動複製機構を組み込みました。EBV自動複製機構により染色体に結合された染色体外DNAも染色体複製時に複製されることが知られています。これにより、HSV遺伝子発現によって細胞死が引き起こされることがなく、また、HSVゲノムが細胞分裂後も失われにくくなり、細胞内で安定的に維持されることを確認しました（図１）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、この293/HSV細胞に目的遺伝子とHSVゲノムから除いた遺伝子発現制御遺伝子であるICP0遺伝子を搭載したプラスミドとICP27遺伝子を搭載した補助プラスミドの2種類のみを導入することで、HSV遺伝子群の発現が開始され、HSVアンプリコンベクターが産生される新しい産生法を構築しました。研究チームはこの方法を「EASY-HSV（Efficient And Simple high-Yield HSV）システム」と名付けました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来法ではHSVゲノムDNAの大量調製、細胞への導入が必要でしたが、EASY-HSVシステムではこれらの工程が不要になります。あらかじめHSVゲノムを保持した293/HSV細胞を利用するため、研究者は目的遺伝子を搭載したプラスミドを導入するだけでベクターを産生することが可能です。EASY-HSVシステムの産生効率を検証した結果、従来法と比較してベクター産生量が約100倍に向上することが分かりました（図２）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、高価な導入試薬（Lipofectamine 2000, 3000）を用いなくても、安価なポリエチレンイミン（PEI）を利用して高力価のベクターを作製できることを確認しました（図3）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、HSVゲノムが誤ってウイルス粒子に取り込まれた場合、感染細胞に悪影響を及ぼす危険性があるため、HSVゲノム封入リスクを評価しました。HEK293細胞に保持させたHSVゲノムには赤色蛍光タンパク質（RFP）遺伝子が組み込まれているため、HSVゲノムがウイルス粒子に封入されている場合には、HSVアンプリコンベクター溶液を添加された細胞においてRFPの蛍光が検出されると考えられます。実験の結果、RFPの蛍光を示す細胞は検出されませんでした。この結果から、HSVゲノムがウイルス粒子に封入される可能性は極めて低いことが示唆されました（図4）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上の結果は、EASY-HSVシステムがHSVアンプリコンベクターの産生工程を大幅に簡略化するとともに、高効率かつ低コストなベクター産生を可能にする実用化に資する基盤技術であることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、EASY-HSVシステムのさらなる高効率化と低コスト化を進め、より多くの研究者が利用できる技術基盤として整備していきます。また、HSVアンプリコンベクターの大容量遺伝子搭載能力を活かせる疾患領域の探索を進め、本技術を利用した遺伝子治療薬の実用化を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Molecular Therapy Advances&lt;br /&gt;
論文タイトル：Development of the “EASY-HSV (Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus) system” based on HSV-1 genome-maintaining 293 cells&lt;br /&gt;
著者：Fumio Maeda, Moeka Nobe, Kenichiro Imai, Shungo Adachi and Tohru Natsume&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.omta.2026.201829&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.omta.2026.201829&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
単純ヘルペスウイルス（Herpes simplex virus, HSV）アンプリコンベクター&lt;br /&gt;
HSVの粒子を利用して目的遺伝子（DNA）を細胞へ運ぶ遺伝子導入ベクター。ベクター自身はほとんどウイルス遺伝子を持たないため病原性を示さず、高い安全性と約150 kbの大容量遺伝子搭載能を併せ持つ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ウイルスベクター&lt;br /&gt;
ウイルスの中に目的の遺伝子を積載しており、ウイルスが遺伝子を細胞へ運ぶ能力を利用することで治療用遺伝子を目的細胞へ送り込むことが可能。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
レンチウイルスベクター&lt;br /&gt;
積載された遺伝子を感染した細胞の染色体に挿入する形式のRNAウイルスベクターで、最大積載容量は10&amp;nbsp;kb程。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アデノ随伴ウイルス（AAV）ベクター&lt;br /&gt;
HSVアンプリコンベクターと同様、DNAを運ぶウイルスベクター。毒性が低いと考えられていたこともあり、AAVベクターを利用した多くの臨床試験が進んできたが、積載遺伝子容量は4.7 kbと小さく、HSVベクターの1/30程であるため、搭載できる遺伝子が制限される点が特徴。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
HSVゲノム&lt;br /&gt;
約150&amp;nbsp;kbのDNAで、HSVゲノム自身を複製する酵素やHSVの粒子を構成するタンパク質の遺伝子等がコードされている。HSVゲノムを細胞に導入するとHSV遺伝子が発現し、HSVが産生される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
kb（キロベース）&lt;br /&gt;
DNAやRNAの長さを表す単位で、1 kb = 1,000塩基（base）を意味する。遺伝子やDNA断片の大きさを示す際によく用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260916/pr20260916.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260916/pr20260916.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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    <item>
        <title>国内最大級のデジタルイノベーションの総合展CEATEC 2026に出展</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609145846</link>
        <pubDate>Tue, 15 Sep 2026 11:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下、産総研）は、2026年10月13日（火）～16日（金）の4日間にわたって幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2026」へブース...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下、産総研）は、2026年10月13日（火）～16日（金）の4日間にわたって幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2026」へブース出展します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ブース外観（イメージ）&lt;br /&gt;
【出展概要】
■ブース位置：4H 621&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■出展テーマ：「人口減少・高齢化社会を再設計するテクノロジー」&lt;br /&gt;
人口減少と高齢化が進む日本では、働く人の減少、医療・介護需要の増大、ものづくりを支える人材の不足、社会インフラの維持など、さまざまな課題が顕在化しています。これらの課題を乗り越えるためには、人手不足を補うだけでなく、テクノロジーを活用して人々の暮らしや働き方そのものを再設計していくことが求められます。AI、ロボティクス、センシング、デジタル技術など、多様な分野の研究成果を結集して描く、誰もが安心して暮らし、働ける社会。人口減少・高齢化社会の「つぎの当たり前」を生み出す産総研の取り組みをご紹介します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
■見どころ：各研究者の研究室を巡るような感覚で楽しめるブースをご用意しました。研究成果を「見る」だけでなく、「体験する」ことで、研究の魅力や技術の可能性をより身近に感じていただけます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【CEATEC概要】
・イベント名：CEATEC 2026&lt;br /&gt;
・日程　　　：2026年10月13日（火）～10月16日（金）&lt;br /&gt;
・会場　　　：幕張メッセ&lt;br /&gt;
・主催　　　：一般社団法人 電子情報技術産業協会&lt;br /&gt;
・公式サイト：&lt;a href=&quot;https://www.ceatec.com/ja/application/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.ceatec.com/ja/application/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609145846/_prw_PI1im_OW5nflvG.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>3種金属の複合粉末材料で強磁性・高導電性を</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609025137</link>
        <pubDate>Fri, 04 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ ガスアトマイズ法・熱プラズマ法を用いてFe-Cu-Ag微小複合粉末の合成に成功 ・ 磁性を担うFeと導電性を担うCu、Agからなる複合粒子において、Feが中心部に偏在、または微粒子として...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ ガスアトマイズ法・熱プラズマ法を用いてFe-Cu-Ag微小複合粉末の合成に成功&lt;br /&gt;
・ 磁性を担うFeと導電性を担うCu、Agからなる複合粒子において、Feが中心部に偏在、または微粒子として全体的に分散することで、強磁性および高導電性を実現&lt;br /&gt;
・ 半導体テストソケットへの応用により、半導体検査の信頼性向上に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）マルチマテリアル研究部門 Park Kwangjae 主任研究員、劉 崢 上級主任研究員、平山 悠介 研究グループ長は、韓国の国立釜慶大学校 Kwon Hansang教授と共同で、強磁性体であり、高い導電性を実現する微小粉末、鉄（Fe）-銅（Cu）-銀（Ag）複合材料の合成に成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この技術はガスアトマイズ法および熱プラズマ法を用いて、微小粉末Fe-Cu-Ag複合材料を合成するものです。液化金属を噴霧・急速に冷却するガスアトマイズ法によって平均粒径50 µm程度、また金属蒸気を急速冷却する熱プラズマ法では平均粒径100 nm程度の球状の微小粉末が得られました。評価の結果、ニッケル（Ni）粉末に比べてより高い機械的強度と導電性が確認できました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回合成したFe-Cu-Ag微小複合粉末は、エラストマー型半導体テストソケットにおいて、Ni、または、貴金属がメッキされたNi（平均粒径20～50 µm程度）が用いられることの多い導電性フィラーとして、それらを置き換えるポテンシャルを持つと考えられます。今後ますます微細化・多ピン化する半導体の検査において信頼性向上に貢献すると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月11日に第87回応用物理学会秋季学術講演会で発表されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
半導体は、製造後に電気的な特性や動作を確認するためのテストが行われます。その際、半導体とテスター（検査装置）を電気的に接続するために用いられるのが「半導体テストソケット」です。半導体テストソケットには、半導体の端子とテスターを確実に接続するとともに、微細化・多ピン化する半導体に対応し、繰り返し使用しても安定した電気的接続を維持できることが求められます。また、半導体テストソケット内部の接触抵抗が小さく安定していることや、半導体の端子を傷つけにくいことなども重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
半導体テストソケットの接点に、ゴムのように柔らかく、弾性を持った高分子素材「エラストマー」を使ったエラストマー型半導体テストソケットでは、絶縁性のエラストマーの中に金属などの導電性の粒子、「導電性フィラー」を分散させます。半導体をソケットに押し付けるとエラストマーが圧縮され、導電性フィラー同士、また導電性フィラーと半導体端子・電極が電気的に接触し、電気信号が半導体とテスターの間を伝わります。導電性フィラーには、高い導電性だけでなく、適切な硬さや機械的強度、耐摩耗性など、複数の性能が求められます。さらに、導電性フィラーが強磁性体であれば、製造時に磁場を利用して特定の方向に電気を通す導電経路を形成することができます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、エラストマー型半導体テストソケットでは、導電性フィラーにNi、または、貴金属メッキが施されたNiが用いられることが多いのですが、半導体の微細化や多ピン化に合わせてより良い材料、つまり、強磁性体であって高い耐摩耗性と導電性を持つ材料の探索が続けられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、ナノメートルサイズからマイクロメートルサイズまでの幅広い粒径領域において、複合粒子を開発するためのプロセス技術やノウハウを蓄積してきました。また、高性能永久磁石の開発をはじめ、積層造形用材料や高機能金属材料の研究開発にも取り組んでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
韓国・国立釜慶大学校のKwon Hansang教授とは、これまで複合粉末の開発に関する共同研究を進めてきました。産総研が保有する金属粉末製造技術と、Kwon Hansang教授が有する複合材料設計に関する知見を融合することで、優れた磁気応答性、電気特性および機械的特性を兼ね備えた新しい複合粉末の開発を目指しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、強磁性を有し機械的特性にも優れるFeに着目しました。FeはNiと同様に強磁性を有するだけでなく、Niよりも高い飽和磁化を示すことから、磁場応答性の向上が期待されます。そこで、Feと高い電気伝導性を有するCuおよびAgとを一つの粉末中で複合化したFe-Cu-Ag複合粉末を開発しました。原料粉末中の質量比はFe : Cu : Ag = 3 : 5 : 2としました。磁性を担うFeは、CuやAgに比べて導電性に乏しいため、粒子に高導電性を持たせるには粒子表面はCu、Agに富むことが有効です。一方で、Fe、CuおよびAgは互いに固体状態で混ざりにくい非固溶系金属であるため、通常は均一な複合組織を形成することが難しい材料系です。本研究では、この非固溶系金属の特徴を利用し、Feの磁気応答性と機械的特性、CuとAgの高導電性を単一粉末中で発現できる複合粉末の作製を目指しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1に、本研究で開発したFe-Cu-Ag複合粉末の微細構造を示します。ガスアトマイズ法では、金属を溶かして液体にした後、これを高速で噴霧して急速に凝固させることで、球状の金属粉末を作製できます。Fe、CuおよびAgを溶融し、噴霧・急速凝固させることで、平均粒径50 µm程度のマイクロサイズのFe-Cu-Ag複合粉末が得られました。走査型電子顕微鏡観察による解析の結果、粒子状のFeとCuがAgマトリックス中に分散内包された、特徴的な複合微細組織を有する粉末が得られました。一方、熱プラズマ法では、金属原料を超高温のプラズマ中で蒸発させ、その後の冷却過程でナノ粒子が形成されます。このプロセスでは、Fe、Cu、Agの蒸気圧の違いが粒子の形成に大きく影響します。FeがCuおよびAgよりも先に核生成することで、Feが粒子の中心部に偏在する構造を持つ、平均粒径100 nm程度のナノサイズの複合粒子が形成されることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2に、作製したFe-Cu-Ag複合粉末の特性評価結果を示します。マイクロサイズのFe-Cu-Ag複合粉末は、自動粉体抵抗測定の結果、比較対象であるNi粉末（平均粒径50 µm程度）と比べて荷重によらず高い電気伝導率を示しました。また、ナノサイズのFe-Cu-Ag複合粉末についても、圧粉体評価（四端子法）においてNi粉末（平均粒径5 µm程度）と比較して高い電気伝導率を示しました。これにより、本複合粉末は従来のNi粉末よりも優れた導電性を有していることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、半導体テストソケット用フィラーとして重要な磁気特性および機械的特性についても評価しました。従来用いられているNi粉末の飽和磁化が約57 emu/gであるのに対し、本研究で開発したFe-Cu-Agマイクロ粉末は63 emu/g、Fe-Cu-Agナノ粉末は56 emu/gを示しました。CuおよびAgは非磁性元素であるにもかかわらず、Fe-Cu-Ag複合粉末はNi粉末と同等レベルの磁気特性を維持しており、これは強磁性を有するFeの寄与によるものと考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
機械的特性については、繰り返し荷重に対する耐久性に関係する指標の一つとしてビッカース硬度を評価しました。一般的なNi粉末のビッカース硬度は約100～110&amp;nbsp;HV（0.98～1.08 GPa）とされていますが、本研究で開発したFe-Cu-Agマイクロ粉末では127 HV（1.25 GPa）を示しました。この結果は、Fe-Cu-Ag複合粉末がNi粉末と同程度の機械的強度を有する可能性を示しています。すなわち、本研究で開発した複合粉末は、半導体テストソケット用フィラーに求められる磁気特性、電気特性および機械的特性をバランスよく備えた材料であると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
電気伝導性の向上は、半導体テストソケット内部の接触抵抗の低減につながると期待されます。接触抵抗が低減すると、半導体デバイスと測定装置の間で電気信号をより安定して伝達できる可能性があります。また、導電経路の抵抗が低くなることで、通電時の発熱抑制にも寄与すると考えられます。したがって、本研究で開発した複合粉末は、半導体テストソケット用材料としての応用が期待されます。今後は、実際のシリコーンラバー型テストソケットへの適用を想定し、組成、粒径、微細構造の最適化を進めるとともに、接触抵抗、耐久性、信号伝送特性などの評価を進めていきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
学会情報
学会名：第87回応用物理学会秋季学術講演会&lt;br /&gt;
発表タイトル：ガスアトマイズ法および熱プラズマ法で作製したコアシェル微細構造を有するFe–Cu–Ag複合マイクロ／ナノ粉末&lt;br /&gt;
著者：Park Kwangjae、劉 崢、平山 悠介、Kwon Hansang&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
複合材料&lt;br /&gt;
複数の異なる材料を組み合わせることで、単一材料では得られない特性や機能を発現させた材料。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ガスアトマイズ法&lt;br /&gt;
金属を溶かして液体状態にした後、高圧ガスで微細な液滴として噴霧し、急速に凝固させることで金属粉末を製造する方法。量産性に優れ、球状の金属粉末を効率良く作製できることから、産業界で広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
熱プラズマ法&lt;br /&gt;
数千～一万度級の超高温プラズマを利用して原料を蒸発させ、その後の冷却・凝縮過程でナノ粒子を生成する製造法。平均粒径数百ナノメートル以下の金属ナノ粉末を作製できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
飽和磁化&lt;br /&gt;
磁性材料が磁場によって完全に磁化された状態での磁化の大きさ。磁性材料の性能を評価する重要な指標である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自動粉体抵抗測定&lt;br /&gt;
粉末を一定荷重で圧縮しながら電気抵抗を自動測定する手法。粉末材料の導電性を定量的に評価するために用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
四端子法&lt;br /&gt;
電流を流す二つの端子とは別に電圧測定用の二つの端子を用いた電気抵抗の測定方法。試料と端子の間に生じる接触抵抗の影響を低減し、正確に抵抗値を測定できる。本研究では、粉末を圧縮して成形した試料（圧粉体）の導電性を評価するために用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ビッカース硬度&lt;br /&gt;
材料表面にダイヤモンド圧子を押し込み、その圧痕の大きさから材料の硬さを評価する指標。数値が大きいほど、変形や摩耗に対して耐性があることを示す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260904/pr20260904.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260904/pr20260904.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>光子が生み出す磁束量子を直接観測し、光子数を識別する“新原理”を実証</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609015061</link>
        <pubDate>Thu, 03 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 光子が生み出す磁束量子を直接観測し、量子化電圧信号として読み出すことで、光子を計数できる“新原理”を実証 ・ 熱応答に依存しない、高速動作が期待される新しい光子数識別器の可能性を開拓 ・...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 光子が生み出す磁束量子を直接観測し、量子化電圧信号として読み出すことで、光子を計数できる“新原理”を実証&lt;br /&gt;
・ 熱応答に依存しない、高速動作が期待される新しい光子数識別器の可能性を開拓&lt;br /&gt;
・ 光量子コンピュータにおける量子誤り訂正に応用可能な高速光子数識別器の実現に向けて前進&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人 産業技術総合研究所（産総研）量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）／物理計測標準研究部門の福田 大治 首席研究員、量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）量子フォトニクスハードウェア研究チーム／物理計測標準研究部門 量子センサー計測研究グループ 鶴田 哲也 主任研究員らは、光子吸収によって超伝導体中に生じる磁束量子を直接観測し、その数から光子数を識別する新しい光子検出原理の実証に成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光子一つひとつを検出することは、光量子コンピュータや量子通信において重要な技術として位置付けられており、いくつかの方式が提案されています。研究用途には一部実用化されているほか、産業応用への組み込みが始まりつつあります。今回実証したのは、従来の技術では実現し得なかった高い光子数識別能力と高速性の両立が期待される新たな光子検出原理です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光子が超伝導体に吸収されると超伝導位相の勾配が不安定化し、磁束量子対が発生します。発生した磁束量子が超伝導体を横切ると位相スリップが生じ、その結果としてジョセフソン効果による量子化電圧信号が発生します。本研究では、この量子化電圧信号を観測することで、光子によって生じた磁束量子の運動を直接捉えるとともに、その信号から入射した光子数を識別することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来の超伝導光子数識別器は、光子吸収後に熱平衡状態に到達した際の温度変化を測定していました。一方、本技術は熱ではなく、光吸収直後に発生する超伝導位相のダイナミクスを利用します。熱的な応答を待つ時間が不要なため、従来方式を超える高速な光子数識別技術につながることが期待されます。この研究成果の詳細は、2026年9月2日に米国物理学会（APS）の学術誌 Physical Review Applied に掲載され、Editor&#039;s Suggestion に選定されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
光量子コンピュータでは光子を量子ビットとして利用することで高速な大規模量子演算の実現が、また量子通信では光子を量子情報の担い手として利用することで情報理論的安全性の高い通信の実現が期待されています。こうした量子フォトニクス技術の高度化には、光子を高効率かつ高精度に検出する必要があります。なかでも、単に光子の有無を検出するだけでなく、1個、2個、3個…と光子数まで識別できる光子数分解検出技術（PNRD）は、単一光子源の評価、ボソニック量子コンピューティング、高度な量子通信方式などへの応用が期待される重要な技術です。PNRDは量子光学研究における重要な計測技術として利用されてきましたが、今後の大規模光量子コンピュータや量子通信インフラへの展開に向けては、さらなる高速化が求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
代表的な光子検出器として超伝導転移端センサー（TES）や超伝導ナノワイヤ単一光子検出器（SNSPD）があります。TESは複数の光子を識別できる優れた性能を持つ一方で、光子のエネルギーを熱として測定するため冷却に伴う待機時間が必要となり、応答速度に制約があります。一方SNSPDは極めて高速に動作しますが、光子が入射したことは分かるものの、それがどれだけのエネルギーだったかは分かりません。そのため、PNRDとして機能させ、光子数を識別するには、多数の検出器を組み合わせる必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、TESの高い光子数識別能力とSNSPDの高速性を両立することは、依然として重要な技術課題となっており、これらを両立するにはこれまでの技術の高度化ではなく、光検出の新たな方式が必要になります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
従来、光子数を測定するためには超伝導転移端センサー（TES）が用いられてきました。産総研では長年にわたりTESの研究開発を進めており、現在では検出効率99 %、30光子以上の光子数を測定可能な世界最高水準の光子数識別器の開発に成功しています[1]。一方で、TESは光子のエネルギーを熱に変換し、その温度上昇を測定することで光子数を識別する原理であるため、次の光パルスを測定するには吸収した熱が冷えて元の状態に戻るまで待機時間が必要です。この応答速度の制限は、大規模光量子コンピュータや量子誤り訂正で求められる超高速な光子数識別の実現において大きな課題となっていました。特に大規模な光量子コンピュータでは、演算中に生じる誤りを検出・訂正するため、多数の光子を高速かつ正確に識別する技術が重要になります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで研究グループは、熱ではなく、光子吸収直後に超伝導体中で生じる超伝導位相のダイナミクスに着目しました。これらの現象は熱平衡に達するよりもはるかに短い時間スケールで発生するため、熱を利用する従来方式を超える高速な光子数識別原理につながる可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、この超伝導位相ダイナミクスに由来する量子化電圧信号を利用し、光子が生み出す磁束量子の運動を直接観測することで、光子数識別の実証に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）ムーンショット型研究開発事業 目標6「誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発（JPMJMS2064）」および「誤り耐性型全光学式光量子コンピュータの研究開発（JPMJMS256I）」、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」（研究推進法人：量子科学技術研究開発機構（QST））における研究テーマ「量子コンピュータ・センサーハードウエアコンポーネントテストベッドの構築」、内閣府 研究開発と Society 5.0 との橋渡しプログラム（BRIDGE）「商用光量子コンピュータの構築」、日本学術振興会 科学研究費助成事業（JP24K01374）、および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）委託事業（JPNP25014）の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
光子はその波長に応じたエネルギーを持っています。この光子が超伝導体に吸収されると、「ホットスポット」と呼ばれる局所的に超伝導状態が弱まった領域が形成されます。このホットスポットによって超伝導位相の勾配が生じて不安定化し、それを補償するために磁束量子対が生成されることが理論的に予測されていました。しかし、磁束量子は極めて小さな磁束を持つ量子的な励起であり、その運動を直接観測することは容易ではありません。そのため、光子によって生成された磁束量子のダイナミクスは長年理論的に予測されていたものの、実験的な直接観測は実現されていませんでした。磁束量子が超伝導体を横切ると、超伝導位相は2πだけ変化します。この現象は「位相スリップ」と呼ばれ、ジョセフソン関係に従った量子化電圧信号が発生します。そこで研究グループでは、光子吸収により発生した磁束量子対を、電流によって超伝導体中を移動させ、その際に生じる位相スリップに伴う量子化電圧信号を観測することに着目しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、この量子化電圧を高感度に測定することで、光子によって生成された磁束量子を直接観測することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1は、光子照射後に観測された量子化電圧パルスの例を示しています。各曲線は単一ショット測定の結果であり、パルス高さが離散的な値を取ることが確認できます。これは発生した磁束量子の本数が整数であることを反映しており、磁束量子の数を電圧信号として読み出せていることを示しています。平均数個の光子を入射した場合でも複数の離散レベルが観測され、光子によって生成された磁束量子を量子化電圧信号として直接観測できることを実証しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに研究グループは、光子吸収によって発生する磁束量子の数が、吸収された光子数の増加とともに増えることに着目しました。光子数が多いほど、超伝導体中を横切る磁束量子の数、すなわち位相スリップの発生回数も増加します。その結果、観測される量子化電圧信号の大きさも段階的に変化します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで、位相スリップによって生じた量子化電圧信号の大きさから磁束量子数を求め、その分布の違いを用いて光子数を識別することを試みました。その結果、観測された信号は連続的ではなく、光子数に対応した複数の離散的な値を取ることが分かりました。これは、光子吸収によって発生した磁束量子数を量子化電圧信号として読み出し、その情報から光子数を識別できることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図2は、光子照射時に観測された量子化電圧信号の波高値分布を示しています。横軸は信号の大きさを表すピークインデックス、縦軸はその出現頻度です。黒色の棒グラフは測定結果、だいだい色の曲線は複数のガウス分布によるフィッティング結果を示しています。分布には複数のピークが現れており、n=0は光子が入射していない事象、n=1、n=2、n=3はそれぞれ1個、2個、3個の光子が吸収された事象、n≥4は4個以上の光子が吸収された事象に対応します。測定結果がこれらの離散的なピークとして分離していることから、位相スリップ信号を用いて光子数を識別できることが実証されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来の超伝導転移端センサー（TES）では、光子が吸収された後、検出器が熱平衡状態へ緩和する過程を利用して光子数を測定します。一方、本研究で実証した手法では、光吸収直後に発生する磁束量子の生成と運動、さらにそれに伴う位相スリップという超伝導位相のダイナミクスを利用して光子数を識別します。すなわち、光子のエネルギーを熱として測定するのではなく、光子吸収によって発生した磁束量子数を量子化電圧信号として読み出す新しい光子数識別原理です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回の成果は、光子によって生成された磁束量子を直接観測し、その数を利用して光子数を識別する新しい原理を世界で初めて実証したものです。 これは、 「光子 → 磁束量子 → 位相スリップ → 量子化電圧 → 光子数識別」 という一連の量子的ダイナミクスを利用した新しい光子検出原理の実証でもあります。この方式は熱緩和過程に依存しないため、将来的には従来方式を上回る高速な光子数識別器の実現につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究により、光子吸収直後に発生する超伝導位相のダイナミクスを利用した、新しい光子数識別原理が実証されました。今後は、検出効率や光子数識別精度の向上に加え、本原理の特徴である高速動作の実証と、集積化に向けたデバイス構造の最適化を進め、光量子コンピュータや量子通信で必要とされる高速・高精度な光子数識別器の実現を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Physical Review Applied&lt;br /&gt;
論文タイトル：Direct observation of photon-induced vortices in superconducting films&lt;br /&gt;
著者：Takeshi Jodoi, Fuminori Hirayama, Tetsuya Tsuruta, Takahiro Kikuchi and Daiji Fukuda&lt;br /&gt;
DOI： &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1103/n295-rfl8&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1103/n295-rfl8&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] T. Jodoi, T. Tsuruta, T. Kikuchi, N. Kominato, K. Shirota, A. Sato, and D. Fukuda, “Development of transition-edge sensors with high detection efficiency and fast response time,” APL Photonics, vol. 11, no. 7, p. 076114, Jul. 2026, DOI: 10.1063/5.0329056.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
光子&lt;br /&gt;
光の最小単位。光は波としての性質と粒子としての性質を併せ持っており、その粒子としての一つ一つを光子と呼ぶ。量子通信や量子コンピュータでは、光子を情報の担い手として利用する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導&lt;br /&gt;
超伝導とは、物質を極低温まで冷却した際に電気抵抗がゼロになる現象。超伝導状態では、多数の電子が一つの量子的な波として振る舞い、その波が持つ「位相」によって電流の流れが決まる。このため、超伝導体では位相の変化が重要な物理現象を引き起こす。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
磁束量子&lt;br /&gt;
超伝導体の中を通過できる磁束（磁力線）は連続的な値をとるのではなく、一定の最小単位で量子化されている。この最小単位を磁束量子と呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
光量子コンピュータ&lt;br /&gt;
光子を量子情報の担い手として利用する量子コンピュータ。光子の量子状態を用いて演算を行うため、量子通信との親和性が高く、大規模な量子コンピュータの実現方式として期待されている。演算や量子誤り訂正には光子を高精度に検出・識別する技術が重要となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子通信&lt;br /&gt;
光子などの量子状態を利用して情報を伝送する通信技術。量子暗号通信をはじめとする次世代通信技術の基盤として研究開発が進められている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
位相スリップ&lt;br /&gt;
位相スリップとは、超伝導波の位相が瞬間的に2πだけ変化する現象。光子の吸収などによって超伝導位相の勾配が不安定になると、磁束量子が超伝導体を横切ることで位相の乱れが解消される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ジョセフソン効果&lt;br /&gt;
超伝導体の位相の変化と電圧の発生を結びつける法則。磁束量子が超伝導体を横切ると超伝導位相が変化し、それに対応した電圧信号が発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ボソニック量子コンピューティング&lt;br /&gt;
光子などのボース粒子の量子状態を利用して計算を行う量子コンピュータ方式。光子を用いた光量子コンピュータもボソニック量子コンピューティングの代表例の一つである。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導転移端センサー（TES）&lt;br /&gt;
Transition Edge Sensorを略してTESと呼ぶ。超伝導状態と常伝導状態の境界（転移端）付近で動作させ、光子の吸収によるわずかな温度変化を抵抗変化として検出する超伝導光子検出器。高い検出効率と優れた光子数識別性能を持つ一方、光子によって発生した熱が冷えて元の状態に戻るまで待つ必要があるため、動作速度に制限がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
超伝導ナノワイヤ単一光子検出器（SNSPD）&lt;br /&gt;
Superconducting Nanowire Single-Photon Detectorを略してSNSPDと呼ぶ。超伝導細線に光子が入射した際に生じる超伝導状態の局所的な破壊を検出する超伝導光検出器。高い検出効率、低雑音、高速動作を特徴とし、量子通信や量子暗号などで広く利用されている。一方、TESとは異なり光子数を直接識別することは困難である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子誤り訂正&lt;br /&gt;
外部からのノイズやデバイスの不完全性によって生じる量子情報の誤りを検出し、修正する技術。量子コンピュータでは量子状態が非常に壊れやすいため、大規模な計算を実現するためには誤り訂正が不可欠である。多数の物理量子ビットや光子を用いて一つの論理量子ビットを構成することで、高い信頼性を実現する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260903_2/pr20260903_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260903_2/pr20260903_2.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609015061/_prw_PI1im_pA3xb9F3.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>プレート境界の固着状態の変化を高解像度で可視化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202609015020</link>
        <pubDate>Wed, 02 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 地震データと地殻変動データを相補的に統合し、プレート境界の固着状態の変化を高い時空間分解能で可視化 ・ 開発した手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 地震データと地殻変動データを相補的に統合し、プレート境界の固着状態の変化を高い時空間分解能で可視化&lt;br /&gt;
・ 開発した手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震前後の固着状態の変化の検出に成功&lt;br /&gt;
・ 地震の発生確率が高い場所の推定や発生時の規模評価の高精度化が期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）活断層・火山研究部門 今西 和俊 副研究部門長、野田 朱美 主任研究員（研究当時 気象研究所）は、プレート境界の固着状態の時空間変動を高い分解能で検出する新たな手法を開発しました。また、その手法を東北沖のプレート境界に適用し、年スケールの時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震に先行する固着状態の変化を検出することに成功しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むプレート境界では、プレート同士が強く固着してほとんど動かない場所と、比較的自由に動く場所が存在します。固着の強い場所ではひずみが蓄積され、それが解放されることで地震が発生するため、固着状態の時空間的な変動を把握することで、地震の発生場所や規模を推定できると考えられています。これまで、プレート境界の固着状態は地殻変動データから推定されてきましたが、時空間的な分解能に限界がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、高い時空間分解能を持つ地震データと、空間的に安定した数年以上の長期変動の把握に優れた地殻変動データを相補的に組み合わせることで、プレート境界の固着状態の変動を高精度に検出する手法を開発しました。開発した手法を東北沖のプレート境界に適用したところ、地殻変動データのみでは検出できなかった年スケールでの固着状態の時空間変動に加え、2011年東北地方太平洋沖地震の数年前から進行していた固着の部分的な剥がれを捉えることに成功しました。本成果により、巨大地震の準備過程への理解が深まるとともに、地震の発生確率の高い場所の推定や発生時の規模評価の高精度化が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年9月1日（米国東部夏時間）に「Journal of Geophysical Research: Solid Earth」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
日本列島周辺では、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むプレート境界において、巨大地震が繰り返し発生しています。プレート境界では、場所によってプレート同士が強く固着してほとんど動かない場所と、比較的自由に動く場所が存在します。固着が強い場所ではひずみが蓄積されますが、固着が弱い場所ではすべりによってひずみが解放されています。強く固着した場所に蓄積されたひずみが増大すると、やがて急激なすべりが生じて地震が発生します。プレート境界の固着状態は時間や場所によって変化することが知られているため、その時空間変動を把握することで、地震の発生しやすい場所や地震の規模を推定できると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレート境界の固着状態は、地表のわずかな変形である地殻変動から推定することができます。日本では、人工衛星による全球測位衛星システム（GNSS）観測網が高密度に整備されており、そのデータを用いて固着状態が推定されてきました。しかし、GNSSの観測データは長期間の変動を平均して解釈するため、固着状態の時間分解能も数年以上に限られます。また、GNSS観測網は陸上に設置されているため、沖合のプレート境界の固着状態を推定する際、空間分解能に限界がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、地震観測や地殻変動観測、およびそれらの大規模データ解析を通じて、地震発生の仕組みの解明と将来の地震発生の切迫度評価に向けた技術開発に取り組んでいます。本研究では、プレート境界近傍で日常的に発生する地震が、固着状態の変化に伴う応力場の変化に応答する点に着目するとともに、地震データと地殻変動データの特性を組み合わせて活用することで、固着状態の変化を検出する手法の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究では、国立研究開発法人防災科学技術研究所の広帯域地震観測網（F-net）により推定されたメカニズム解（F-net解）および、国土地理院のGEONET（GNSS連続観測システム）のデータを使用しました。また、本研究はJSPS科研費JP23K25975、JP23H01279、JP22H05317の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
プレート境界近傍では、被害を伴わないような小さな地震が日常的に多数発生しています。これらの地震は、プレート境界の固着状態の変化に伴う応力場の変化に応答して発生し、それぞれの地震のメカニズム解には応力場の情報が反映されています。本研究では、このような小さな地震を活用し、応力場との整合性を指標化することで、固着状態の変化を検出する手法を構築しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
具体的には、次のプロセスにより基準状態からの変化を可視化します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・GNSSデータから長期平均的なプレート固着分布（基準状態）を推定&lt;br /&gt;
・推定した固着に起因する周辺域の応力場（基準応力場）を計算&lt;br /&gt;
・発生した地震が基準応力場にどの程度整合的に発生しているか、ミスフィット角を指標として数値化&lt;br /&gt;
・ミスフィット角の時空間分布の変化を評価し、基準状態からの逸脱を可視化&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ミスフィット角が小さい場合は固着状態がおおむね安定に維持されていることを示し、大きい場合は地震やスロースリップなどに伴う固着状態の解消を示唆します（図1）。このように本手法では、高い時空間分解能で地下の状態変化を捉えることができる地震データと、数年以上の長期的変動を安定的に把握できる地殻変動データの特性を相補的に組み合わせ、それぞれの利点を活用して固着状態の変化を捉えています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本手法を東北沖のプレート境界に適用し、1997年から2023年までの約25年間の地震データを用いて解析を行いました（図2a）。なお、基準となる長期平均的な固着状態は、2011年東北地方太平洋沖地震発生前の状態を基準とするため、1998年から10年間のGNSSデータを用い、比較的大きな地震の影響を除去して推定しています（図2b）。その結果、2011年東北地方太平洋沖地震の発生前には、震源域に対応する広い範囲で小さなミスフィット角が維持されており、固着状態が長期間にわたり継続していたことが明らかになりました。一方、地震発生後には広域にわたってミスフィット角が増大し、固着の解消が生じたことが確認されました（図3）。ミスフィット角に大きな変化が見られない領域のうち、東北地方太平洋沖地震の前後を通じて、領域Ⅰでは固着状態が継続する一方、領域ⅡおよびⅢでは先行研究に基づきスロースリップ活動が持続していると解釈しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、時間分解能を高めた解析により、固着状態は年スケールで変化するだけでなく、空間的にも複雑で不均質な構造を持つことが明らかとなりました（図4）。前述の領域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲにおいても、短期的には状態の揺らぎが見られることが確認されます。さらに、東北地方太平洋沖地震で大きなすべりが生じた領域周辺における時間変化を詳細に解析した結果、ミスフィット角は地震発生に向かって徐々に減少する傾向を示し、固着状態が時間的に維持・強化されていたことが示唆されます。しかし、2008年以降にはミスフィット角は増加に転じており、他の研究成果も含めて考えると、この時期にスロースリップが発生していた可能性が高いと解釈するのが妥当です（図5）。これらの結果は、大地震の発生に先立ち、数年前から固着の部分的な剥がれが進行し、それが最終的に東北地方太平洋沖地震の発生を誘発した可能性を示唆するものです。こうした変化は、大地震の発生可能性や切迫度の評価に直接関わる重要な情報です。固着状態の変動を高解像度で捉えることで、地震発生過程の理解を深め、防災・減災に資する高度な評価につながると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、南海トラフや千島海溝、海外の沈み込み帯など他地域への適用を進めるとともに、機械学習を用いたメカニズム解の大量推定を行うことで、本手法の汎用性と精度のさらなる向上を図ります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Geophysical Research: Solid Earth&lt;br /&gt;
論文タイトル：Detection of Interannual and Fine-Scale Plate Coupling Variations Using Intraplate Earthquakes and Geodetic Data: Application to the Tohoku-Oki Plate Boundary&lt;br /&gt;
著者：Kazutoshi Imanishi, Akemi Noda&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1029/2025JB032509&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1029/2025JB032509&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
プレート境界の固着&lt;br /&gt;
隣り合うプレート同士が強くくっつき、ほとんど動かなくなっている状態。固着した領域ではプレート運動によりひずみが蓄積し、限界に達すると急激にすべって地震が発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
地震データ&lt;br /&gt;
地震計による地震波観測から得られるデータ。地震の発生位置や規模、メカニズム解など、さまざまな情報を得ることができる。本研究では、固着状態の変化に伴って生じる応力場の変化を高い時空間分解能で捉えるために用いた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
地殻変動データ&lt;br /&gt;
GNSSなどの観測により得られる地表の位置変化のデータ。プレート運動に伴う数ミリから数センチメートル規模の長期的な変動を安定して捉えることができる。プレート境界の固着状態の推定に広く用いられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
応力場&lt;br /&gt;
地下の岩盤にどの方向から力が加わっているか、その分布の状態を表したもの。この力の向きや分布が、地震の発生の仕方や断層の動き方を左右する重要な要因となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
メカニズム解&lt;br /&gt;
地震がどのような断層運動によって発生したかを示す情報。断層の向きやすべり方向を表す。地震データの解析から求められ、地下の応力場の変化を知る手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ミスフィット角&lt;br /&gt;
基準となる応力場から理論的に求められるすべり方向と、地震のメカニズム解から得られるすべり方向との角度差。この角度を用いることで、観測された地震が応力場とどの程度整合的に発生しているかを評価できる。本研究では、プレート境界の固着状態の変化をさぐる手がかりとして用いる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
スロースリップ&lt;br /&gt;
通常の地震のように急激にすべるのではなく、数日から数年かけてゆっくりと断層がすべる現象。地震波がほとんど発生しないため直接感じることはできないが、プレート境界の固着状態の変化を示す重要な現象であり、大地震との関係が注目されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260902/pr20260902.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260902/pr20260902.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202609015020/_prw_PI1im_9g3CKQEh.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>精密設計した糖から一気にナノ構造体！</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608314961</link>
        <pubDate>Tue, 01 Sep 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 電極材料や触媒担体として有用なナノ多孔質カーボン材料を、化学修飾された糖のみから合成することに成功 ・ 使い捨てである従来のテンプレート剤を使わず、省資源・省エネルギーな合成への可能性を...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 電極材料や触媒担体として有用なナノ多孔質カーボン材料を、化学修飾された糖のみから合成することに成功&lt;br /&gt;
・ 使い捨てである従来のテンプレート剤を使わず、省資源・省エネルギーな合成への可能性を提示&lt;br /&gt;
・ 糖の種類や化学修飾の様式によって、将来はニーズに合わせたナノ構造を設計・合成可能になると期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）化学プロセス研究部門 久保 史織 主任研究員らは、ショ糖や果糖といった身近な糖を化学修飾することによるシンプルな工程で、ナノ多孔質カーボン材料やレイヤー状のナノ構造を有するカーボン材料が得られることを示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ナノ多孔質カーボン材料は、二次電池の電極材料や触媒担体として、エネルギー課題解決に資する材料群としてその役割が注目されています。特に取り込む分子に応じて細孔の大きさや形状がそろった材料群の需要が高まっています。しかし、従来広く使われているテンプレート法は、テンプレート剤の使い捨て、さらに複雑な合成工程が課題であったほか、合成手法によっては、高温や強酸などのエネルギー消費型かつ過酷な化学プロセスに依存していました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、産総研の研究グループは、化学修飾の施された糖分子のみからナノ構造を有するカーボン材料を合成するという新しい手法を確立しました。この手法は、単純でありながらも精密に狙った化学修飾によりアルキル鎖の導入された糖分子を原料として、水熱条件下で重縮合反応を進めるもので、従来のテンプレート剤や過酷な化学プロセスに依存しません。また、糖の種類を変えることで、球状の細孔形成のみならず、レイヤー状のナノスケールの構造体が得られることを見いだしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この成果は、これまでの“物理的な”細孔形成であるテンプレート法から、“化学的な”細孔形成への転換を図るものであり、今後、構築された手法をプラットフォームとすることでテンプレート法では実現できないナノ構造を持つ新たなナノ多孔質カーボン材料群の設計が期待されます。こうした材料をさまざまな化学反応の基材とすることで、電極材料や触媒担体材料などへの応用において従来得られなかった性能が実現する可能性があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年8月12日に「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
ナノ多孔質カーボン材料はナノスケールの細孔を多数持ち、大きな比表面積を持つという特徴があります。この特徴により、電気を蓄えたり、物質を吸着したり、反応を促進したりする用途で広く注目されています。その代表的な例は蓄電デバイスの電極材料や燃料電池で、こうした応用研究における電荷貯蔵機構やさまざまなエネルギー反応の舞台となります。他にも、ナノ多孔質カーボン材料は空気を浄化する吸着剤や、各種化学反応を促進する触媒の担体としても重要な機能を持ちます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
私たちに身近な多孔質カーボン材料である活性炭においては、その孔（以下、細孔と呼ぶ）の大きさや形は均一ではありません。そのため、さまざまな大きさの分子を対象とする浄水や脱臭などの用途に向いています。一方、細孔の大きさや形状が均一であると、特定の大きさの分子を選択的に取り込めるため、特に蓄電デバイスの電極材料やガス分離剤、触媒担体への応用に有効です。近年、それらの用途に適する、均質な細孔を持つナノ多孔質カーボン材料の需要が高まっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
均質な細孔を持つナノ多孔質カーボン材料の合成には、テンプレート法と呼ばれる方法が使われています。これは、カーボン材料の原料にテンプレート剤と呼ばれる特殊な無機材料や高分子材料を”鋳型”として混合して炭素化させ、後にそれを除去するものです。しかし、テンプレート剤となる物質は特殊な無機材料や高分子に限られているため、ナノ細孔の構造に対する制約が小さくありません。そのうえ、丹念に作製されたテンプレート剤も使い捨ての状態になっています。また、テンプレート剤の除去工程は、強酸や数百度の高温などの厳しい化学プロセスに依存します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
このような工程や制約を克服する、シンプルかつ反応条件が温和でありながら、ナノ細孔を用途に応じて思い通りに制御できる新たなナノ多孔質カーボン材料の合成技術が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、化学プロセスの省エネ化に向け、界面化学と化学工学を基盤とした機能性材料の研究開発を進めてきました。特に糖などのバイオマス由来分子の化学修飾による分子構造制御と界面形成技術に高度な基盤技術を有しています。さらに、これらの研究と深く関連しながら、糖を原料とした水熱合成によるカーボン材料の合成など、 グリーンな化学プロセスを活用した多孔質材料をはじめとする機能性材料合成に強みを持っています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした基盤技術を背景に、原料である化学修飾された糖分子自身の力によってカーボン材料をナノ多孔化するという、これまで考えられてこなかったアイデアの実現に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究はJSPS科研費 JP18K14307、JP20K05676、JP23K04900、JP18F18030の助成を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、ショ糖の水酸基の一つに、エステル結合を介して、アルキル鎖（ラウロイル基）のつながったショ糖モノラウリン酸エステルを原料として用いました（図1）。この原料分子においては、糖部分一つに対して、アルキル鎖がエステル結合を介して一つつながれており、すなわち糖部分が、化学種、化学結合および置換数の観点から精密に制御されて修飾されています。この原料を水に溶解させた後に、水熱条件下において化学反応を進行させると（以下、水熱反応と呼ぶ）、従来のテンプレート剤を用いることなく、ナノ多孔質カーボンが得られました（図2）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ショ糖モノラウリン酸エステルからナノ多孔質カーボンへ至る化学プロセスの一端を捉えるべく、水熱反応の途中で反応を停止し、中間体を分析しました。その結果、反応時間の経過に伴い、糖部分の重縮合が進行し、カーボン様の固体が徐々に形成される傾向が観測されました。さらに、反応時間の経過に伴い、はじめに糖部分につながっていたアルキル鎖が、エステル結合の分解により徐々に糖部分から脱離する様子が捉えられました。この結果から、ショ糖モノラウリン酸エステルからナノ多孔質カーボンへの過程として、水熱条件下において、i) ショ糖モノラウリン酸エステルの自己組織化、ii) ショ糖モノラウリン酸エステルの糖部分の重縮合、およびiii) ショ糖モノラウリン酸エステルのアルキル鎖の脱離がそれぞれ起こることが考えられます。すなわちこの結果は、糖が自己組織化した状態でカーボン固体が形成され、かつアルキル鎖の脱離によって細孔が生じ、その結果、ナノ多孔質カーボンが生成することを強く示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
このメカニズムによれば、出発分子の分子構造を変化させれば、自己組織化の挙動も変わり、最終的にカーボン固体のナノ構造の形態を制御することができるのではないかと発想しました。そこで本研究ではさらに、糖部分として二糖であるショ糖に対し、それに代わって単糖である果糖に注目しました。ここでは果糖を狙って化学修飾し、出発分子（果糖モノラウリン酸エステル）を自ら合成し、水熱反応に供しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
その結果、果糖モノラウリン酸エステルを原料とした場合は、レイヤー状のナノ構造体が形成されることが分かりました。このように、糖一分子から、テンプレート剤を使わずに、糖の分子構造に応じて制御可能な、カーボン材料合成の基礎を築きました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、将来的な応用を見据えて、ショ糖モノラウリン酸エステルの出発水溶液の濃度を高くすることによりカーボン収量の増大を図りました。また、水熱反応後のカーボン生成物をさらに高温で焼成することにより電気伝導性の付与を図りました。このようにして得られたカーボン固体は、窒素吸着測定から1155 m2 g-1と1.00 cm3 g-1にのぼる高い比表面積と細孔容積を示し（図3）、かつ約32 nmを分布の中心とした比較的均一な大きさの細孔を有しました。さらにラマン分光法などの各種分光分析から、芳香族性の向上が認められ、良好な電気伝導性を有することが示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、糖に簡単な化学修飾を施すことで、糖自身の駆動力によってナノ多孔質カーボン材料が得られることを示すものです。これは、これまでのテンプレート法から脱却し、プログラミングされた原料分子から、ダイレクトにナノ多孔質カーボンの合成にたどりつく、新たなアイデアによる多孔質カーボン材料合成法を示すものです。さらに、糖分子の種類によって、得られるナノ構造が変化することも示され、こうした合成プラットフォームが、今後さらに拡充・強化され、電極材や触媒担体として高い機能を有するカーボン系材料の開発につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、本成果に基づき、糖の化学修飾の様式と、得られるカーボン材料のナノ細孔の特徴の関係についての知見をより拡充していきます。そして特定の化学修飾の様式に焦点を当て、これまでにない形状のナノ細孔を持った新しいナノ多孔質カーボン材料の開発へとつなげることを目指します。さらに、カーボン固体収量の向上や、得られる材料の応用展開に向けた取り組みを推進します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of the American Chemical Society&lt;br /&gt;
タイトル：Chemically Modified Sugars as Multifunctional Precursors for Direct, Template-Free Synthesis of Nanoporous Carbonaceous Materials&lt;br /&gt;
著者名：Shiori Kubo, Joshua Philip Barham, Norihito Hiyoshi&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/jacs.5c16771&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/jacs.5c16771&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ナノ多孔質カーボン材料&lt;br /&gt;
ナノスケールの多数の孔を持ったカーボン材料。1ナノメートルは、1ミリメートルの百万分の一。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
テンプレート法&lt;br /&gt;
多孔質材料の合成において、あらかじめ決まった大きさや形をもつ固体材料や分子集合体を鋳型として使い、その周囲や内部に目的の材料を形成した後、鋳型を取り除くことで細孔を得る方法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
重縮合反応&lt;br /&gt;
分子自身または分子同士が水などの小さな分子を放出し、分子が互いに次々と化学結合し、小分子が取り除かれつつも、大きな分子を作る反応のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
水熱反応&lt;br /&gt;
水を溶媒とし、水の沸点（100&amp;nbsp;℃)以上、密閉空間において進行する化学反応。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自己組織化&lt;br /&gt;
分子が化学相互作用などにより、自発的に互いに集合して、組織化された構造を形成する挙動。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
窒素吸着測定&lt;br /&gt;
多孔質材料において、固体材料内に存在する細孔の容積や、固体材料の比表面積を調べる方法。多孔質材料の窒素吸着量を窒素の圧力を変えて測定して得られる窒素吸脱着等温線（例えば、図3）から、細孔の容積や比表面積の値が算出される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
比表面積&lt;br /&gt;
固体の単位質量あたりの表面積を表す。固体最外表面の面積と、細孔などの存在により固体内部に生じる表面（細孔の周りの表面）の面積からなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
細孔容積&lt;br /&gt;
固体の単位質量あたりの細孔の容積を表す。多孔質材料において、多孔性の度合いを表す指標となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ラマン分光法&lt;br /&gt;
物質にレーザー光を照射し、照射光に対し散乱する光（ラマン散乱）の波長変化を測定することで、分子構造や化学結合を分析する手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260901/pr20260901.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202608314961/_prw_PI1im_6dJF4x3n.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>ダイヤモンド量子センシング技術で電流計測機器の校正を簡素化</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608134091</link>
        <pubDate>Tue, 18 Aug 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 電流計測機器の校正を支える「電流比較器」にダイヤモンド量子センサーを導入 ・ 同じ装置構成で交流電流比と直流電流比のそれぞれを高精度に評価し、従来の電流比較器と比べて中心部のサイズを3分...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 電流計測機器の校正を支える「電流比較器」にダイヤモンド量子センサーを導入&lt;br /&gt;
・ 同じ装置構成で交流電流比と直流電流比のそれぞれを高精度に評価し、従来の電流比較器と比べて中心部のサイズを3分の1以下、質量を10分の1以下に小型化&lt;br /&gt;
・ 交流用・直流用で分かれていた校正体系の共通化を進める基盤技術として、次世代電力網で電流計測機器校正の効率化と電流計測の標準化への貢献に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（G-QuAT）天谷 康孝 チーム長、貝沼 雄太 研究員、物理計測標準研究部門 村松 秀和 研究員、先進パワーエレクトロニクス研究センター 加藤 宙光 研究チーム長、国立大学法人東京科学大学 工学院 電気電子系 岩﨑 孝之 教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 大島 武 センター長らは、ダイヤモンド量子センサーを用いて、交流・直流の電流比を同じ装置構成で高精度に評価できる「電流比較器」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器は、発電設備や送配電設備などで使われている電流計測機器の校正を支える装置です。交流と直流では測定原理が異なるため、従来は交流電流比用と直流電流比用に異なる電流比較器が用いられており、校正体系も別々に整備されていました。両者を統一的に扱える計測技術や校正体系を確立することが、信頼性の高い電流計測をより広く効率的に社会に普及させる上での課題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、電流による磁束をダイヤモンド量子センサーで検出する構成により、交流電流比および直流電流比の両者を同じ装置構成で高精度に評価できることを示しました。また、従来の交流電流比測定に用いられる電磁誘導に基づく検出コイルが不要になったことで、電流比較器の中心部分の小型化にも成功しました。これにより、従来は別々であった電流計測機器の校正体系の共通化や効率化につながり、再生可能エネルギーなどの普及によって交流・直流が混在する次世代電力網における電流計測の標準化への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年8月11日に「Scientific Reports」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
私たちの生活を支える電力網には、発電所や送配電設備などのさまざまな設備が存在します。これらの設備では数百アンペアに及ぶ大電流が扱われるため、そのまま測定器に入力することはできません。そのため、実際には変流器を用いて測定しやすい数アンペア程度の小さな電流に変換して測定します。このとき、元の電流と変換後の電流の比（電流比）を高精度に評価することが重要であり、そのために電流比較器が用いられています。このような高精度な電流比測定を担う電流比較器においては、交流と直流では異なる測定原理が用いられており、それぞれ別の校正体系によって維持されてきました。従来の交流電流比測定に用いられる電流比較器は電磁誘導に基づいた測定原理を採用しており、交流電流比の測定は行えますが、直流を測定することができません。そのため、交流電流比と直流電流比の評価には、それぞれ異なる原理、および異なる装置構成が用いられており、両者を統一的に扱える計測技術や校正体系を確立することが、信頼性の高い電流計測をより広く効率的に社会に普及させる上での課題でした。この課題を解決すれば、交流用と直流用で別々の測定系や校正体系を維持する必要がなくなり、装置構成やデータ管理が複雑になる状況を解消できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研はこれまで、精密電気計測技術の研究開発や電流比較器の国家標準の維持・管理を進めてきました。東京科学大学はダイヤモンド量子センサーの開発、量子科学技術研究開発機構はダイヤモンド結晶中に高品質な窒素と空孔の複合欠陥を形成する技術の研究開発を進めてきました。本研究では、各機関の技術を統合し、電流比較技術にダイヤモンド量子センサーを組み込むことで、交流電流比と直流電流比を同じ装置構成で高精度に測定できる新たな電流計測技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム（Q-LEAP）JPMXS0118067395（2018～2027年度）、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第３期「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」（2023～2027年度）、内閣府 研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム（BRIDGE「研究開発型」）（2025～2027年度）、国立研究開発法人科学技術振興機構 先端国際共同研究推進事業「量子技術応用のためのダイヤモンドスピンキュービット」（JPMJAP24C1）（2024～2029年度）の支援を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、交流および直流それぞれの電流比を同じ装置で高精度に測定できる電流比較器を開発しました。開発した装置では、磁気センサーとして交流および直流において高い磁気感度を示すダイヤモンド量子センサーを用いることで、同じ装置での交流電流比・直流電流比の高精度な測定を実現しました。また、従来の交流電流比測定に必要であった電磁誘導型の検出コイルが不要となったことで、磁性体コアの小型化が可能となり、従来の構成と比べて、電流比較器の中心部分のサイズは3分の1以下、質量は10分の1以下になりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器は、二つの巻線に流れる電流がつくる磁束が互いに打ち消しあってゼロとなるように調整し、そのときの釣り合いから二つの巻線数の比に基づいて電流比を測定する装置です。その精度は非常に高いため、電流比測定の国家標準の実現や変流器の校正に広く用いられています。本研究では、ドーナツ形状である磁性体の一部に設けた切れ目（ギャップ）へ磁束を集中させ、そこに配置したダイヤモンド量子センサーで、わずかに漏れ出る磁束の検出を行いました。ダイヤモンド量子センサーでは、量子ダイヤモンドに緑色レーザーを照射し、特定の周波数のマイクロ波を印加したときに得られる赤色の蛍光の強度が、外部からの磁場を反映した量子状態に応じて変化することを利用しています。そのため、蛍光強度の変化を読み取ることで、ギャップ中の磁束を高感度に検出し、電流同士のバランスを正確に検出することができます（図1）。また、ダイヤモンド量子センサーは磁場と温度を独立に計測することができるため、周囲の温度変化の影響を低減し、安定した磁束検出を可能としました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
交流測定では、検出した磁束から、入力電流に対応する周波数成分を取り出し、電流比較器において巻線数の比で決まる理想比からのわずかなズレを評価しました。その結果、開発した電流比較器の300 Hz程度までの理想比からのズレ（図2(a)の赤マーカー）が磁性材料の周波数特性を考慮した曲線（図2(a)の黒実線）と矛盾のないことを確認しました。さらに測定の繰り返し性を評価した結果、交流電流比の測定においてアラン偏差の解析結果（図2(b)の赤実線）が時間と相関のないランダムなノイズの理論曲線（図2(b)の黒実線）に沿って50 nAまで低減したことから、入力電流1 Aにおける繰り返し測定として5×10-8 A/A程度の再現性を得ました。国家標準に要求される1× 10-6&amp;nbsp;A/Aレベルを十分に上回る性能を実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
直流測定では、交流測定のように周波数成分を分離することができず、また地磁気の影響を受けるため、直流電流を入力した状態と入力しない状態の差分を評価しました。直流電流の過渡的な変化の影響を最小限にするため、直流電流を加えてから十分な時間が経過した後（図3(a)のオレンジの網掛け部分）および直流電流を切ってから十分な時間が経過した後（図3(a)のグレーの網掛け部分）のデータを解析しました。その結果、直流測定においても高精度に残留磁束を検出し、微小な直流電流比のズレに対応する信号を測定可能であることを確認しました（図3(a)）。さらに測定の繰り返し性を評価した結果、アラン偏差が交流測定と同様に50 nAまで低減し、開発した電流比較器は交流だけでなく、直流測定においても入力電流1 Aにおける繰り返し測定の再現性が5×10-8 A/A程度であることを実証しました（図3(b)）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上の結果から、ダイヤモンド量子センサーを用いた電流比較器により、交流電流比と直流電流比を同じ装置構成で高精度に測定できることを示しました。本成果は、再生可能エネルギーの普及によって交流と直流が混在する次世代電力網において複雑化する電流計測を下支えする、機器校正の効率化と電流計測の標準化への貢献が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、今回開発した電流比較器のさらなる周波数範囲の拡大と感度向上を目指すとともに、実用化に向けたシステム構築を進めます。光ファイバーと一体化した構成などの導入により、従来必要であった大型の定盤構造を排したコンパクトかつ堅牢な計測システムの構築を進め、実験室環境に限らず、電流計測機器校正や電流計測の標準化に活用できる技術基盤の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Scientific Reports&lt;br /&gt;
論文タイトル：Current comparator for both AC and DC ratio measurements with 10-8-level type-a uncertainty&lt;br /&gt;
著者：Hidekazu Muramatsu, Yuta Kainuma, Hiromitsu Kato, Norihiko Sakamoto, Tatsuji Yamada, Chiharu Urano, Hiroshi Abe, Shinobu Onoda, Takeshi Ohshima, Yuji Hatano, Mutsuko Hatano, Nobu-Hisa Kaneko, Yasutaka Amagai, and Takayuki Iwasaki&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41598-026-58868-2&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41598-026-58868-2&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ダイヤモンド量子センサー&lt;br /&gt;
ダイヤモンド結晶中のナノスケールの欠陥（窒素と空孔の複合欠陥）を利用したセンサー。この欠陥に存在する電子スピンは、室温でも安定に量子状態を保持でき、レーザーやマイクロ波を用いて初期化・読み出しが可能である。そのため、磁場・電場・温度などを極めて高感度に測定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比&lt;br /&gt;
二つの電流の大きさの比。高精度な電流計測では、電流の比を測定する方法が広く用いられる。発電設備や送配電設備などの大電流計測では、変流器によって電流を測定しやすい大きさに変換する。そのため、元の電流と変換後の電流の比（電流比）を高精度に評価することが重要となる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
電流比較器&lt;br /&gt;
基準電流と測定電流を比較することで、その比を高精度に決定する装置。電流比を高精度に決定できるため、電流比測定の国家標準の実現や変流器の校正に用いられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
再生可能エネルギー&lt;br /&gt;
太陽光や風力、水力、地熱など自然の仕組みによって継続的に得られるエネルギー。これらを発電に利用することで電力として取り出すことができる。環境負荷が低く持続可能なエネルギー源として重要視されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
変流器&lt;br /&gt;
100 Aなどの大きな電流を測定しやすい小さな電流に比例変換する装置。電磁誘導を利用して、一次電流を巻数比に応じて二次電流に変換する。主に電流計測や保護リレー用に使われ、電力系統の安全・精密計測を支えている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
量子ダイヤモンド&lt;br /&gt;
ダイヤモンド量子センサーに利用される窒素と空孔からなる複合欠陥を含むダイヤモンド。ダイヤモンド量子センサーでは、量子ダイヤモンド中のこれらの欠陥を単一あるいは複数（アンサンブル）用いて、さまざまな物理量を高感度に測定する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アラン偏差&lt;br /&gt;
測定値のばらつきが時間とともにどのように変化するかを評価する指標。測定時間を長くしたときにノイズがどの程度平均化されるか、あるいは温度変化やドリフトなどの影響がどの程度現れるかを調べるために用いられる。周波数標準や量子センサーなどの高精度計測において、測定の安定性を評価する代表的な手法である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260818/pr20260818.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>ここにどうして蛇紋岩？</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607222910</link>
        <pubDate>Fri, 24 Jul 2026 22:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 紀伊半島に分布する白亜紀付加体中に混じりこんだ蛇紋岩について、その分布・産状の詳細な調査に加えて、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施 ・ 海洋プレートのマントル物質起源である蛇...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 紀伊半島に分布する白亜紀付加体中に混じりこんだ蛇紋岩について、その分布・産状の詳細な調査に加えて、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施&lt;br /&gt;
・ 海洋プレートのマントル物質起源である蛇紋岩が海洋プレート内の断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入するという新たなモデルを提案&lt;br /&gt;
・ 蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）地質情報研究部門 志村 侑亮 研究員（研究当時、現：国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学）、羽地 俊樹 主任研究員ら、国立大学法人島根大学 遠藤 俊祐 准教授、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 淺原 良浩 准教授らの研究チームは共同で、紀伊半島中央部に分布する白亜紀付加体中の蛇紋岩について詳細な地質調査と各種分析を行い、その起源が海洋プレートのマントル物質であることを明らかにしました。さらに蛇紋岩が、沈み込む海洋プレート内の断層を通じて上昇し、付加体に貫入するという新たなモデルを提案しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩は、地下深部のマントル物質が水と反応してできた岩石です。紀伊半島中央部には、プレート境界浅部で形成された付加体と、その付加体がプレート境界深部の高圧環境下で変成した変成岩が広く分布しており、それらの中には蛇紋岩が取り込まれています。変成岩中に見られる蛇紋岩については、大陸プレートのマントル物質起源と考えられています。一方、大陸プレートのマントルまで到達しない浅い場所で形成された付加体中の蛇紋岩については、その起源は今まで明らかになっていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、紀伊半島中央部の蛇紋岩の詳細な分布・産状を調査し、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施しました。その結果、蛇紋岩は海洋プレートのマントル物質起源であり、付加体ができた後に蛇紋岩が貫入したことを明らかにしました。これらのことを踏まえ、蛇紋岩がプレート沈み込み前にできた切れ目であるアウターライズ断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入するという新たなモデルを提案しました。蛇紋岩は沈み込み帯における流体循環やプレート境界の力学特性に大きな影響をもたらすと考えられており、今後、沈み込み帯における蛇紋岩の分布や移動プロセスを詳細に明らかにすることで、蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年7月24日（米国東部夏時間）に「Tectonics」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
日本列島は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む、沈み込み帯に位置しています。日本列島には、海洋プレートが沈み込む際に、砂岩・泥岩・チャートなどの海洋プレート上に堆積した地層や、玄武岩などのプレートそのものの岩石がプレート境界ではがされて、大陸プレートに付加して形成された「付加体」や、付加体が地下20&amp;nbsp;km以深のプレート境界深部の高圧環境下まで沈み込むことで変成して形成された変成岩が広く分布しています。付加体や変成岩には、蛇紋岩とよばれる地下深部のマントル物質起源の岩石が取り込まれている例が日本各地で見られます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩は、マントル物質に水が加わることで形成される岩石です。多くの水を蓄えることができる蛇紋岩は、プレートの沈み込みによって地下深部に運ばれ、放出された水が沈み込み帯での地震発生やマグマ形成に重要な役割を果たしていると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩のルーツには、海洋プレート起源と大陸プレート起源のものがあります。これまで、四国の三波川変成岩類など、白亜紀変成岩中の蛇紋岩は、大陸プレートのマントル物質起源とされてきました[1]。しかし、プレート境界の浅い場所で形成された付加体中の蛇紋岩は、その起源や付加体に取り込まれたメカニズムの多くが未解明のままでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
紀伊半島中央部には、白亜紀当時の沈み込み帯のプレート境界で形成された付加体（四万十付加体）や高圧型変成岩（三波川変成岩類）が分布しており、それらの岩石の中には蛇紋岩も見られます。研究チームはこれまで、紀伊半島中央部の高見山地域およびその周辺地域を対象に地質調査を実施し、四万十付加体および三波川変成岩類の地質構造や発達史の解明に向けた研究を進めてきました。また、その成果の一部を5万分の1地質図幅「高見山」[2]として刊行しました（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250321/pr20250321.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2025&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250321/pr20250321.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年3月21日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）。今回、紀伊半島中央部に露出する四万十付加体中の蛇紋岩を対象に、地質調査に加え、岩石学的・地球化学的・構造地質学的分析を実施し、蛇紋岩の起源や付加体への定置プロセスの解明に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお本研究は、日本学術振興会の科学研究費助成事業（科研費）（課題番号：JP21H05200、JP22H05314、JP22K14129、JP26K17261）による支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
研究チームは、紀伊半島中央部に分布する白亜紀の四万十付加体および三波川変成岩類を対象に地質調査を実施し、蛇紋岩が特定の地質ユニット（四万十付加体の小栗栖ユニット）にのみ分布することを明らかにしました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩分布域において詳細な地質調査を実施した結果、蛇紋岩は長さ150 m以上・最大幅10 mのスラブ状岩体として産し、付加体との境界部では顕著な交代作用により滑石岩化していることが明らかになりました（図2a）。また、蛇紋岩および滑石岩は、付加体の地質構造を明瞭に切断しており、蛇紋岩が付加体形成後に貫入したことを示しています（図2b、c）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究チームはさらに、蛇紋岩中の鉱物を解析しました。その結果、蛇紋岩には低温型の蛇紋石であるリザダイトが認められました（図3a）。また、蛇紋岩化以前のマントル物質に由来するクロムスピネルも確認されました（図3b）。クロムスピネルの化学組成を分析した結果、海洋プレート起源の組成をもつことが明らかになりました（図3c）。これらの特徴は、付加体がプレート境界深部の高圧環境下まで沈み込むことで形成された三波川変成岩類中に産する、大陸プレート起源の蛇紋岩とは大きく異なる特徴です（図3c）。これらの結果から、研究チームは対象とした蛇紋岩が海洋プレート起源であると結論付けました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
では、海洋プレート起源の蛇紋岩はどのように付加体に貫入したのでしょうか？現在の沈み込み帯では、沈み込み直前の海洋プレートの屈曲に伴って形成される、アウターライズ断層に沿って流体が深部まで浸透することで、海洋プレートのマントル物質が蛇紋岩化していることが明らかになっています[3]。そこで研究チームは、蛇紋岩化した海洋プレートがアウターライズ断層を通じて上昇し、プレート境界を越え、付加体に貫入する新たなモデルを提案しました（図4）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに研究チームは、蛇紋岩の貫入に伴う交代作用について検討しました。蛇紋岩と付加体構成岩の化学組成に基づくマスバランス解析の結果、蛇紋岩は境界部（滑石岩領域）で顕著なSiO2交代作用およびCa–CO2交代作用を受け、境界部から離れた内部ではSiO2交代作用およびCO2交代作用を受けていたことが明らかになりました（図5）。また、これらの反応に必要なSiO2およびCO2は、外部流体によって供給されたことが示されました（図5）。この解釈は、境界部の滑石岩にCa–Mg炭酸塩鉱物脈と滑石が認められることや、蛇紋岩内部にMg炭酸塩鉱物脈と滑石脈が発達することとも整合的です。さらに構造地質学的解析の結果、こうした流体流入を伴う交代作用と体積膨張が生じていたにもかかわらず、その際の応力状態は沈み込む海洋プレートからの押しによる定常的な水平圧縮応力場によって支配されていたことが明らかになりました（図6）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究は、「蛇紋岩がどのように沈み込み帯で付加体と混じるのか」という問題に対して新たなモデルを提示するとともに、蛇紋岩貫入に伴う化学的・物理的プロセスについても新たな知見を提供しています。今後、過去の沈み込み帯で形成された付加体だけでなく、現在の沈み込み帯においても、地震波探査断面の解析を通じて同様の蛇紋岩上昇・貫入構造が認識されることが期待されます。さらに、沈み込み帯における蛇紋岩の分布や移動プロセスを詳細に明らかにすることで、蛇紋岩が関与する地震発生やマグマ形成メカニズムの実態解明につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Tectonics&lt;br /&gt;
論文タイトル：Origin, tectonic processes, and metasomatism of serpentinite in the Shimanto Accretionary Complex, SW Japan: Possible diapiric intrusion of serpentinized oceanic lithosphere&lt;br /&gt;
著者：Shimura, Y., Endo, S., Asahara, Y., Haji, T., Ushimaru, K., &amp;amp; Yamamoto, K.&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1029/2025TC009237&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1029/2025TC009237&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
地質情報研究部門 羽地 俊樹 主任研究員、牛丸 健太郎 研究員&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
名古屋大学&lt;br /&gt;
大学院環境学研究科 志村 侑亮 講師、淺原 良浩 准教授&lt;br /&gt;
名古屋大学博物館 山本 鋼志 特任教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
島根大学&lt;br /&gt;
総合理工学部 遠藤 俊祐 准教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Aoya, M. et al. Paleo-mantle wedge preserved in the Sambagawa high-pressure metamorphic belt and the thickness of forearc continental crust. Geology. 2013, vol. 41, no. 4, p. 451–454. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1130/G33834.1&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1130/G33834.1&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[2] 竹内　誠ほか. 高見山地域の地質. 地域地質研究報告（5万分の1地質図幅）, 産総研地質調査総合センター. 2025, 118p.&lt;br /&gt;
[3] Ranero, C. R. et al. Bending-related faulting and mantle serpentinization at the Middle America trench. Nature. 2003, vol. 425, p. 367–373. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/nature01961&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/nature01961&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
付加体&lt;br /&gt;
沈み込み帯で海洋プレートが沈み込む際に、海洋プレート上に堆積した地層（砂岩・泥岩・チャートなど）や海洋プレートそのものの岩石（玄武岩など）が、プレート境界ではがされ、大陸プレート側に付加して形成される地質体。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋岩&lt;br /&gt;
マントルを構成するかんらん岩などの超苦鉄質岩が、水と反応して形成される岩石。多量の水を取り込み地下深部へ運ぶ性質や、特徴的な物理的・化学的性質をもつことから、沈み込み帯における地震発生やマグマ形成に重要な役割を果たしていると考えられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレート境界&lt;br /&gt;
プレート同士が接する境界。沈み込み帯では沈み込む海洋プレートとその上にある大陸プレートとの境界を指し、付加体や高圧型変成岩が形成されるとともに、多くの地震が発生する場所でもある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アウターライズ断層&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む直前に、海洋プレートの屈曲によって形成される断層。アウターライズ断層に沿って流体が深部まで浸透することで、海洋プレートのマントル物質が蛇紋岩化することが知られている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
沈み込み帯&lt;br /&gt;
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所。地震や火山活動が活発に生じる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
交代作用&lt;br /&gt;
岩石と流体、あるいは異なる岩石同士の間で物質が移動し、もとの岩石の化学組成が変化する現象。蛇紋岩は大陸地殻や付加体を構成する岩石に比べてSiに乏しく、Mgに富むため、これらの岩石との接触部では交代作用が生じることがある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
滑石岩&lt;br /&gt;
主に滑石（タルク）からなる岩石。蛇紋岩がSiO2交代作用やCO2交代作用を受けることで形成される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
蛇紋石&lt;br /&gt;
蛇紋岩の主要な構成鉱物。かんらん岩などの超苦鉄質岩が水と反応して形成される。蛇紋石にはリザダイト、クリソタイル、アンチゴライトなどの種類がある。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
リザダイト&lt;br /&gt;
蛇紋石の一種。比較的低温の条件で形成され、高温側ではアンチゴライトが形成される。そのため、蛇紋岩が形成された温度条件を推定する手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
クロムスピネル&lt;br /&gt;
Mg、Fe、Al、Crを主成分とする酸化鉱物。マントルを構成するかんらん岩などの超苦鉄質岩に含まれる。かんらん岩が蛇紋岩化しても、クロムスピネル粒子は変質に強いため残ることがあり、その化学組成はマントル物質の起源を明らかにする重要な手がかりとなる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
マスバランス解析&lt;br /&gt;
岩石の化学組成を比較し、元素の増減を定量的に評価する解析手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
応力&lt;br /&gt;
岩石に力が加わることで岩石内部に生じる単位面積あたりの力。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260724/pr20260724.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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            </item>
    <item>
        <title>植物由来の分子で環境発電</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607162634</link>
        <pubDate>Tue, 21 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ コガネバナ（シソ科タツナミソウ属）の根から抽出できる極性分子バイカレインを真空蒸着することで得られるエレクトレット薄膜による振動発電を実証 ・ 大気中でエレクトレットとしての特性が早期に...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ コガネバナ（シソ科タツナミソウ属）の根から抽出できる極性分子バイカレインを真空蒸着することで得られるエレクトレット薄膜による振動発電を実証&lt;br /&gt;
・ 大気中でエレクトレットとしての特性が早期に消失する原因を突き止め、保護膜を形成することで耐久性向上を確認&lt;br /&gt;
・ 微小な振動をエネルギー源として環境発電が可能なことから、ウエアラブルデバイスなどの分散型電源としての応用を期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）材料基盤研究部門 赤池 幸紀 研究グループ付、下位 幸弘 テクニカルスタッフ、衛 慶碩 上級主任研究員、秋山 陽久 首席研究員、田中 駿介 主任研究員と、国立大学法人筑波大学数理物質系 山田 洋一 教授、小野 裕太郎（産総研技術研修員）は、自発配向分極を示すバイカレイン蒸着膜の表裏に蓄積される電荷の密度（分極電荷密度）を高めるとともに、その耐久性を向上させ、振動発電素子として利用できることを実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
マグネットが磁気を長期間保持する物質であるのに対し、静電気を長期間保持する物質をエレクトレットといいます。エレクトレットは、小型マイクロホンにおける振動を電気信号に変換する素子や空気清浄機などのフィルターに実用化されています。また、エレクトレットが形成する電場を利用して振動を電気に変換できることから、IoTセンサー用の分散電源に用いる振動発電素子への実用化に向けて、高密度化と耐久性の向上を課題に研究開発が進められています。一方、同センサーの普及に伴って、必要とされる電源数も増加すると予想されます。そのため、持続的に材料供給でき、使用済み電源の廃棄時に環境負荷がかからない材料の探索も求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、大がかりな荷電処理を必要とせず、真空蒸着するだけでエレクトレットとして機能する「自己組織化エレクトレット」を形成できる植物由来の分子を見つけ、その膜を使った振動発電素子の開発に取り組みました。その結果、成膜条件を最適化することで、自己組織化エレクトレットとして機能する既存の化学合成品と同程度の分極電荷密度2 mC/m2を達成しました。また、劣化の原因である水蒸気の吸着や拡散を抑制する保護膜を形成することで耐久性を向上させました。実際に、振動発電素子として機能することを実証しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回見いだした自己組織化エレクトレットは、微小電気機械システム（MEMS）との相性が良く、半導体プロセスを応用して超小型振動発電素子が得られると考えられます。また、ウエアラブルデバイスや環境センサーなどにおいて、電池交換や充電が不要なIoTセンサーの自立電源として応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年7月20日に「Advanced Functional Materials」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
環境発電とは、光、熱（廃熱や体温）、振動、電磁波、湿度変動など、身の回りにある未利用のエネルギーを電力に変換する技術です。発電容量はさほど大きくなく、マイクロワットや大きくてもミリワットレベルですが、ウエアラブルデバイスや環境センサーなどにおいて、電池交換や充電が不要なIoTセンサーの自立電源として注目されています。これらのうち、振動を電力に変換する振動発電は、圧電式や電磁式など複数の方式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。中でも電極間容量の変化を電力として取り出す、エレクトレットを用いた静電式の振動発電素子は、他の方式に比べて低い周波数の振動に対する出力電力が大きいことが特徴です。また、MEMS技術で素子を小さくすれば、小型IoTセンサーへの搭載も可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
静電式の振動発電素子（概要図）で使われるエレクトレットは、“電気の永久磁石” とも呼ばれています。永久磁石（マグネット）が磁気を長期間保持する物質なのに対して、エレクトレットは電気（電荷や分極）を長期間保持する性質を持った物質です。エレクトレットの概念自体は100年以上前から知られており、小型マイクロホンにおける振動を電気信号に変換する素子や空気清浄機などのフィルターとしてすでに実用化されていますが、振動発電素子への応用はまだ研究開発段階です。実用化に向けては、大面積に高密度かつ一様に電荷や分極を与えるという製造上のプロセスの困難さに加え、蓄えた電荷や分極が環境により時間とともに減少するという問題を抱えていました。また、IoTセンサーの導入量が今後増えると見込まれる中、その自立電源に利用する材料は持続的に供給可能で、使用済み電源の廃棄時に環境負荷が低いことが望まれます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、これまでにシソ科タツナミソウ属の植物コガネバナの根に含まれる成分から抽出されるバイカレイン（図1a）という極性を持った分子を基板に真空蒸着すると自発配向分極が発現することを、ケルビンプローブ法（KP法）を用いた表面電位測定から見いだしてきました[1]。バイカレイン分子は分子構造に由来する永久双極子を持っていますが（図1a）、通常はそれぞれの永久双極子が互いに打ち消し合うため、集合体全体としての分極は生じません。一方、バイカレイン蒸着膜では、蒸着過程で分子の向きが一定の割合で特定の方向に偏って配列します。そのため、各分子が持つ永久双極子は隣接分子間で完全には打ち消されず、膜全体として基板表面に垂直な方向に電気的な偏り、すなわち分極が生じ、エレクトレットとして機能すると考えられます。今回、バイカレイン蒸着膜のエレクトレットとしての性能評価や、振動発電素子への実用化に向けた技術開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
まず、バイカレイン蒸着膜の自発配向分極の挙動をKP法で調べました。電極上に膜を徐々に堆積し、各膜厚における表面電位を調べると、膜厚に比例して表面電位が増える領域が現れます（図1b点線部）。この線形な電位変化は、自発配向分極の発現を示唆します。すなわち、蒸着膜中で、バイカレイン分子の永久双極子が隣接分子間で完全には打ち消されず、基板に垂直な方向にプラスとマイナスの電荷の偏り（分極）が生じています。（図1b挿図）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
線形領域における表面電位の傾きは、分極電荷密度に比例します。蒸着膜をエレクトレットに用いた振動発電素子で発生する電流は分極電荷密度に比例するため、電位の傾きは振動電流を見積もる指標となります。バイカレイン膜を形成する際の蒸着速度を1 Å/sから約3倍に増やすと、永久双極子の配向性が向上し、線形領域の傾きは55 mV/nmから72 mV/nmに増加しました（図1b）。この表面電位の傾きは、自発配向分極を示す代表的な低分子材料である有機発光ダイオード材料、1,3,5-トリス（1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル）ベンゼン（TPBi）と同程度でした。さらに、この傾きから分極電荷密度を見積もると、3 Å/sで作製した膜では2.4 mC/m²に達しました。この値は、市販のフッ素系ポリマーを帯電させたエレクトレットに匹敵し、植物由来の極性分子でも既存のエレクトレット材料と同程度の電荷を蓄積できることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
続いて、分子の並びが特定の方向に向いた箇所の振動スペクトルを測定できる和周波発生（SFG）分光で、バイカレイン膜を評価しました。膜厚が増えるとSFG信号強度が増加しました（図1c）。その傾向は、基板垂直方向に一様な電場が発生した試料から放出されるSFGの理論モデルとよく対応します（図1c挿図）。この結果から、隣接分子間で永久双極子が打ち消されない分子配列が積み重なり、蒸着膜が分極することが分かりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次に、固定電極にインジウムスズ酸化物（ITO）、可動電極にKP測定装置のプローブを用い、短絡時における振動電流を真空中で測定しました（図1d）。その結果、外部回路に交流電流が流れたため、バイカレイン蒸着膜がエレクトレットとして機能することを確認しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自発配向分極を示す膜を振動発電素子に実用化するには、動作環境における分極状態の安定化が不可欠です。多くのIoTセンサーは大気中での利用が想定されます。しかし、大気中でのバイカレイン蒸着膜の分極状態は、水蒸気の吸着が誘起する結晶化により、わずか4.4時間で消失します。そこで、バイカレイン膜への水蒸気拡散を抑制するため、疎水性分子の蒸着膜で保護できるかを調べました。保護層なしのバイカレイン膜では、表面電位が初期値の半分となる大気曝露時間（T50）が3.8時間であるのに対し、膜厚が200 nmの9-(1-ナフチル)-10-(2-ナフチル)アントラセン（1,2-ADN）層で保護した場合、T50が132時間に延びることが分かりました（図2a）。また、単純な長鎖アルカン蒸着膜による保護でもT50を100時間以上に延ばせました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
最後に、プロトタイプの振動発電素子を作製して、大気中における動作を評価しました（図2b）。ITOが被覆された柔軟なポリエチレンテレフタレート（PET）基板上に形成されたバイカレイン膜を1,2-ADN膜で保護し、エレクトレットとしました（図2b）。ITO/ガラス基板側をスピーカーで振動させ、発生した電流を抵抗で電圧に変換して測定しました。その結果、振動の周波数に合わせて電圧が出力されることが分かりました（図2c）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、植物由来のバイカレインを真空蒸着して得られる薄膜が、自己組織化エレクトレットとして機能し、環境中の振動を電気に変換する発電素子として応用できる可能性を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
バイカレイン蒸着膜を大気中で使うIoTセンサー用の分散電源として長期間利用するには、分極状態のさらなる延命化が直近の課題です。今後は、バイカレインエレクトレットの大気安定性をさらに高めるため、水蒸気拡散をより抑制できる材料の探索と表面保護方法の最適化に関する研究を推進します。また、自己組織化エレクトレットとして機能する、バイカレイン以外の植物由来材料の探索も進めます。これらの基盤研究を踏まえて、IoTセンサー用分散電源に使用するデバイスの作製技術の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Advanced Functional Materials&lt;br /&gt;
論文タイトル：Demonstrating Vibrational Current Generation With a Self-Assembled Bioelectret&lt;br /&gt;
著者：Kouki Akaike, Yukihiro Shimoi, Qingshuo Wei, Yutaro Ono, Satomi Hosono, Yoichi Yamada, Haruhisa Akiyama, Shunsuke Tanaka&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1002/adfm.76653&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1002/adfm.76653&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1] Akaike, K. et al. Spontaneous orientation polarization of flavonoids. Scientific Reports. 2023, vol. 13, no. 1,&lt;br /&gt;
p. 19402. DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41598-023-46834-1&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41598-023-46834-1&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
自発配向分極&lt;br /&gt;
極性分子を基板上に成膜した際に、外部から電場をかけたり帯電処理をしたりしなくても、薄膜中で分子の向きが一定方向にある程度そろい、電気的な偏りが生じる（分極する）現象。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
分極電荷密度&lt;br /&gt;
自発配向分極が生じる蒸着膜の表裏に蓄積される電荷の密度。この値が大きいほど、振動発電で得られる電流が増える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
振動発電&lt;br /&gt;
機械や人の動き、音などによる振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電技術。静電式の振動発電では、エレクトレットに蓄えられた電荷や分極を利用し、振動による電極間の距離や面積の変化から電気を取り出す。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
エレクトレット&lt;br /&gt;
外部から与えられた電荷や、材料内部に生じた電気的な偏りを保持する材料。磁石を意味する「マグネット」にならい、エレクトレットと名付けられた。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
微小電気機械システム（MEMS）&lt;br /&gt;
半導体を作る技術を応用して、目に見えないほど小さな機械部品やセンサーを作る技術。スマートフォンの加速度センサーなどに使われている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ケルビンプローブ法（KP法）&lt;br /&gt;
試料表面とプローブの間に発生する接触電位差から、試料表面の仕事関数を測定する手法。今回の研究では、電位差が大きいほど、基板表面に垂直な方向に永久双極子を傾けた分子の割合が多く、分極によって蓄積される電荷の密度が高いことを意味する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
永久双極子&lt;br /&gt;
外部電場がない状態でもプラスとマイナスが偏っている電荷のペア。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
有機発光ダイオード&lt;br /&gt;
発光する分子の薄膜を二つの電極で挟み、プラスとマイナスの電荷を注入して発光させるデバイス。テレビやスマートフォンのディスプレーに実用化されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
和周波発生（SFG）分光&lt;br /&gt;
赤外光と可視光を試料に同時に照射し、入射光の周波数の和に相当する光（和周波光）の強度を赤外光の波数を走査しながら測定する手法。和周波発生は二次の非線形光学現象であるため、表面・界面、バルク内部で原子や分子の並びが特定の方向に向いた箇所などの振動スペクトルが選択的に得られる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
インジウムスズ酸化物（ITO）&lt;br /&gt;
無色透明で導電性の高い金属酸化物。太陽電池や発光ダイオードなどの透明電極に使われる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260721/pr20260721.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607162634/_prw_PI1im_0cUbN4pl.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>バイオものづくり由来の廃棄物と廃水をまとめて処理してエネルギー回収</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607072114</link>
        <pubDate>Wed, 08 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を一括処理し、有機物の分解からメタンガス生成までを行う装置を開発 ・ 反応器を撹拌部と流路部に区画することで、固形物の蓄積を抑えつつ装置内の微生物の働き...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を一括処理し、有機物の分解からメタンガス生成までを行う装置を開発&lt;br /&gt;
・ 反応器を撹拌部と流路部に区画することで、固形物の蓄積を抑えつつ装置内の微生物の働きを段階的に引き出し、長期間の安定稼働を実現&lt;br /&gt;
・ 嫌気性微生物を活用した効率的なメタンガス回収により、バイオものづくり現場の課題解決に貢献&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）バイオものづくり研究センター 一色 理乃 研究員（主務：サーキュラーテクノロジー実装研究センター）、黒田 恭平 主任研究員、成廣 隆 研究センター付らと、独立行政法人国立高等専門学校機構鹿児島工業高等専門学校 創造デザイン工学科 山田 真義 教授らは共同で、有機物を高濃度に含むバイオものづくり由来の廃棄物と廃水を、一括で処理してエネルギー回収も可能な装置「嫌気性バッフル連続撹拌一体型反応器（ABCS：Anaerobic Baffled Continuous Stirred）」を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
バイオものづくりの製造工程で発生する固形有機性廃棄物（糖化残渣）や高濃度有機性廃水には、微生物の作用でエネルギー資源へ変換可能な有機成分が多く含まれています。これらの処理には、無酸素下での微生物の作用によって有機物を分解・除去して環境負荷を抑えるとともに、メタンガスとしてエネルギーを回収する嫌気性消化技術の活用が期待されています。しかし、バイオものづくり由来の廃棄物・廃水は固形物を含み、かつ有機物濃度が高いという特性があるため、従来の反応器では固形物の蓄積や分解に伴う廃水の酸性化といった課題に対応しながら微生物叢のバランスを長期間維持してメタンガス生成までの反応を効率的に進めることが困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、反応器の内部を撹拌部と流路部の二つの区画に分け、高分子有機物の分解からメタンガス生成までの反応を段階的に進行させることで、従来型では困難であった固形有機性廃棄物と高濃度有機性廃水の一括処理を可能にしました。開発した反応器は固形物の蓄積を抑え、100日以上の長期間の連続運転においても安定した反応を継続し、従来型反応器と比較して1.62倍のメタンガス生成速度を達成しました。本技術は、廃水処理設備の運転効率向上と省スペース化、さらにエネルギーの自給を可能にし、微生物による廃水処理の実用性と持続性の向上に貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年6月29日に「Journal of Environmental Chemical Engineering」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
微生物や酵素などの生物機能を利用して化学品や材料を製造するバイオものづくりは、化石資源への依存低減や脱炭素社会の実現の観点から注目されており、今後さらなる産業拡大が見込まれています。バイオものづくりでは、木材や農業残渣などの植物バイオマスを分解して得られた糖を原料として利用しますが、その過程で糖に分解されなかった固形有機性廃棄物（糖化残渣）が発生します。また、微生物を培養して目的の化合物を製造する過程では、糖や有機酸などを多く含む高濃度有機性廃水が発生します。これらバイオものづくりにかかる廃棄物と廃水は環境負荷を高めるリスクがあるため、有機物を除去するなど適切に処理する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
現在、糖化残渣などの固形有機性廃棄物の処理は脱水・乾燥を経た上での焼却が最も一般的ですが、エネルギー消費量が大きいため持続可能性が高いとはいえません。一方、高濃度有機性廃水は活性汚泥法などの好気性処理技術によって処理されていますが、有機物の濃度が高いことから処理に必要な微生物量、酸素量が膨大となり施設も大規模になります。そこで、いずれの処理においても、有機物を微生物が無酸素下で分解し、メタンガスとしてエネルギーを回収可能な嫌気性消化技術の活用が期待されています。しかし、従来の廃水処理用の反応器では、微生物による固形有機物の加水分解速度の遅さや、微生物と固形有機物の接触効率の低さから分解が不均一になりやすいことから、処理可能な有機物負荷に限界がありました。そのため、多段階にわたる反応を安定的に進めつつ効率的にメタンガスを生成することは困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研ではこれまで、廃水を処理する微生物叢の機能を解明、制御することで、生物学的な側面から廃水処理システムを高度化する研究を行ってきました。廃水処理に利用される活性汚泥プロセスに共通する微生物叢の特定（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230905_2/pr20230905_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2023&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230905_2/pr20230905_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年9月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）やペットボトルなどに用いられるポリエチレンテレフタレートの原料を製造する過程で排出される高濃度有機性廃水の一括処理（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220513/pr20220513.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2022&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220513/pr20220513.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年5月13日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）に成功しています。今回、嫌気性消化技術により、バイオものづくり由来の廃棄物と廃水を同時に効率的に処理可能な反応器の開発に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究開発は、独立行政法人日本学術振興会の科学研究費助成事業（JP23K20980、JP25K00043）による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
開発した反応器（ABCS反応器）の内部は、固形物の分解を助ける撹拌部と、有機物分解とメタンガス生成が進む仕切り板付きの流路部から構成されています（図1）。この構造により、固形物の分解反応からメタンガス生成反応まで一つの反応器の内部で順序よく進むように設計されています。撹拌部では、固形有機物と微生物の接触効率が上がることで、セルロースのような高分子有機物を分解する微生物がよく働き、グルコースのような低分子有機物へと変換する反応が促進されます。その後、流路部で低分子有機物の分解や有機物からのメタンガス生成反応が進行します。また、区画間が緩やかなスロープで接続された構造となっていることも、固形物の滞留を防いでいます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この反応器の性能を検証するため、従来型の撹拌部のない嫌気性バッフル反応器（ABR：Anaerobic Baffled Reactor）とともに100日以上の連続運転を行い、バイオものづくり工程から排出されるものを模擬した固形有機物と高濃度有機性廃水（約25,000 mg COD/L）を同一条件で処理しました。その結果、ABCS反応器ではセルロースなどの固形有機物が撹拌部で微生物により分解されましたが、ABRではこれらが分解されずに反応器内部に蓄積しました（図2）。ABRでは固形物が内部に溜まることで処理水に含まれる有機物の濃度は低くなり、流出廃水に含まれる有機物量を流入廃水に含まれる有機物量で除した比率である有機物除去率としてはABCS反応器と同程度の値を示しました。しかし、反応器内に固形物が蓄積するためにABRをさらに長期間運転すると反応器の流路閉塞などから運転が破綻することが予測されます。一方、ABCS反応器では固形物が十分に分解されて後段の反応に移行するため蓄積せず、その分メタンガス生成が進みました。実際に、ABCS反応器のメタンガス生成速度はABRの1.62倍となっており、固形有機物の分解効率の違いがエネルギー生成速度の差として現れたと考えられます。（図2）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
固形有機物の分解効率およびメタンガス生成速度の違いをもたらす要因を明らかにするため、各反応器の汚泥から16S rRNA遺伝子アンプリコン解析により微生物の種類と存在割合を解析しました。その結果、両反応器において、プロピオン酸や酪酸、酢酸等の有機酸をメタンガスまで変換する微生物（SyntrophobacterやSyntrophomonadaceae、Methanothrix、Methanobacteriumなど）が検出されました。さらに、ABCS反応器ではセルロースやグルコースを分解する細菌（BacteroidesやDysgonomonasなど）が高い割合で存在していましたが、ABRではこれらの細菌の存在割合は全体的に非常に低いことがわかりました（図3）。ABRで固形物が蓄積した現象は、こうした分解細菌が反応器内で十分に増加できない構造が影響したものと考えられます。一方で、ABCS反応器では撹拌部が存在することで、セルロースなどを分解する細菌が増殖し、嫌気性汚泥内での存在割合が増加することで、固形有機物が分解されやすい環境が形成されたと考えられました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果から、開発したABCS反応器は固形有機物と高濃度有機性廃水を同時に処理しながら、100日以上の長期間にわたって安定した運転と高いメタンガス生成性能を実現できることが示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、ABCS反応器をスケールアップすることで実装に向けた実証試験を行います。さらに、その他の固形有機物を含む廃水・廃棄物への適用可能性を検証するため、プラスチックケミカルリサイクル廃棄物・廃水の処理試験を行います。ABCS反応器を横展開し、微生物による持続可能性の高い廃水処理技術の開発を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Environmental Chemical Engineering&lt;br /&gt;
タイトル：Development of an anaerobic baffled continuous stirring (ABCS) reactor for co-digestion of synthetic high-strength wastewater and solid organic waste&lt;br /&gt;
著者名：一色理乃、*山田真義、青柳智、堀知行、山内正仁、*成廣隆、*黒田恭平【*は共同責任著者】&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.jece.2026.123885&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.jece.2026.123885&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究者情報
産総研&lt;br /&gt;
バイオものづくり研究センター 一色 理乃 研究員（主務：サーキュラーテクノロジー実装研究センター）、&lt;br /&gt;
黒田 恭平 主任研究員、成廣 隆 研究センター付&lt;br /&gt;
環境創生研究部門 青柳 智 主任研究員、堀 知行 研究グループ長&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
鹿児島工業高等専門学校&lt;br /&gt;
創造デザイン工学科 山田 真義 教授、山内 正仁 教授&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
糖化残渣&lt;br /&gt;
木材や農業残渣などの植物バイオマスを酵素などで糖に分解する工程で、糖にならずに残る固形の有機性固形物。難分解性有機物（主にセルロースやリグニン）を含む。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
高濃度有機性廃水&lt;br /&gt;
糖や有機酸、アルコールなどの有機物が高濃度で含まれる廃水。発酵産業、食品加工、化学工業、バイオものづくりプロセス、その他の多様な工業プロセスで発生する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
嫌気性消化技術&lt;br /&gt;
無酸素下での微生物の働きで有機物を分解し、メタンを主成分とするバイオガスを生成する技術。廃棄物処理とエネルギー回収を同時に行えるため、循環型処理技術として利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
微生物叢&lt;br /&gt;
さまざまな環境に生息する多種多様な微生物の集合体。「マイクロバイオーム」ともいう。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
農業残渣&lt;br /&gt;
収穫後に圃場などに残る茎・葉・わらなど、農作物由来の未利用植物資源。家畜飼料や土壌堆肥として利用されるほか、バイオマス資源としての活用が進められている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
植物バイオマス&lt;br /&gt;
木材、農業残渣、草本類など、植物由来の再生可能な有機資源。セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主成分とし、化学品や燃料の原料として利用される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
活性汚泥法&lt;br /&gt;
産業廃水や都市下水で広く用いられている生物学的処理法。反応槽と呼ばれるタンクに廃水を流入させ、エアレーションポンプにより空気をタンク内へ送りこむことで、好気性微生物の各種化合物分解活性を利用して廃水に含まれる有機物の分解や窒素成分の除去を行う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
好気性処理&lt;br /&gt;
酸素を利用する微生物を用いて有機物や窒素成分を分解する処理方法の総称。活性汚泥法、生物膜法、好気性ろ床法などが含まれ、廃水処理の主要技術として広く利用されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
有機物負荷&lt;br /&gt;
廃水中に含まれる有機物の量を示す指標で、廃水処理の難しさを左右する。有機物負荷が高いほど、処理設備や微生物にかかる負荷が増大する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
嫌気性バッフル反応器&lt;br /&gt;
内部に連続した仕切り（バッフル）を設け、廃水が上下に流れながら複数区画を通過する構造の嫌気性処理装置。各区画で異なる嫌気性微生物が定着し、段階的に有機物を分解する。汚泥の保持性にも優れている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
COD&lt;br /&gt;
化学的酸素要求量（Chemical oxygen demand）。有機物などの酸化に必要な酸素量を指標化したものであり、水中の有機物濃度の測定や、水質汚濁の程度を評価するために広く用いられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
16S rRNA遺伝子アンプリコン解析&lt;br /&gt;
細菌に共通して存在する16S rRNA遺伝子の塩基配列を指標に、微生物の種類と構成比を解析する手法。高速シーケンサーを用いて多数の配列を取得し、反応器内の微生物叢を明らかにする。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260708/pr20260708.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260708/pr20260708.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607072114/_prw_PI1im_8oYS4Uhw.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>世界最高精度で曲面ミラーの形状を測る装置を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607021883</link>
        <pubDate>Mon, 06 Jul 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 曲面ミラーの局所角度分布を測定することで、2ナノメートル精度で絶対形状を非接触測定 ・ 誤差を自ら補正する高精度な角度測定技術（SelfA）により、広範囲かつ高精度に局所角度を測定 ・ ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 曲面ミラーの局所角度分布を測定することで、2ナノメートル精度で絶対形状を非接触測定&lt;br /&gt;
・ 誤差を自ら補正する高精度な角度測定技術（SelfA）により、広範囲かつ高精度に局所角度を測定&lt;br /&gt;
・ EUV露光装置や放射光施設などで用いられる超高精度光学素子の製造・開発・評価に貢献&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ 増田 秀征 研究員、近藤 余範 主任研究員、堀 泰明 研究グループ長、平井 亜紀子 研究グループ付、工学計測標準研究部門 尾藤 洋一 副研究部門長は、曲面光学素子の絶対形状を非接触で高精度に測定できる新しい形状測定装置を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
極端紫外線（EUV）露光装置、放射光施設、天体望遠鏡、重力波検出装置などでは、集光や波面制御のために高精度な曲面ミラーが用いられており、その形状精度は装置性能に大きく影響します。こうした光学素子の製造工程では、表面の細かな凹凸形状だけでなく、曲率半径等の情報を含む形状（絶対形状）を正確に把握し、その結果に基づいて形状を修正することが重要です。しかし、このような曲面ミラーの形状を、表面を傷つけずに数ナノメートルレベルで測ることは困難でした。今回、曲面上の各位置における表面の傾き（局所角度）を、反射光の向きとして広い角度範囲で高精度に測定できる測定系を構築しました。局所角度は形状の変化量に対応するため、その分布を位置に沿って求めることで、絶対形状を算出することができます。この反射光の向きを高精度に測定するため、装置自身で角度目盛りの誤差を補正できる高精度な角度測定装置（SelfA）を組み込みました。これにより、従来は困難であった、曲面ミラーの絶対形状の非接触・高精度測定を実現し、2ナノメートル精度での測定を達成しました。本技術は、先端光学素子の製造・開発・評価を支える基盤技術として、高性能光学系の高度化に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年7月6日に「Precision Engineering」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
社会的背景
半導体素子の微細加工や、電池材料、生体分子などのナノメートルスケールの構造観察には、極端紫外線（EUV）やX線などの波長の短い光が用いられます。近年、これらの光を利用するEUV露光装置や、最先端の放射光施設が注目されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
短波長の光は透過しにくく、その集光や波面制御にはレンズが使えないため、曲面をもつ数百ミリメートルサイズの大型ミラーが使われています。ミラーの形状は、微細構造の加工精度や観察精度に大きく影響します。特にEUV露光装置や放射光施設などで用いられる高精度光学素子の表面はできるだけ平滑である必要がある他、全体の形状が極めて高い精度で設計通りである必要があります。そのため、光学素子の製造工程では、加工後の形状が設計形状からどの程度ずれているかを高精度に測定し、その結果に基づいて形状を修正することが重要です。特に曲面ミラーでは、曲率半径等の形状情報を含む絶対形状を高精度に測定する必要があります。また、高性能な光学素子の表面には多層膜などの機能膜が形成される場合もあり、表面を傷つけない非接触測定が求められます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方、非接触な手法として従来広く用いられている干渉計による測定は、基準となる参照面や参照波面との比較測定であるため、絶対形状を評価することは困難です。このため、曲面ミラーの絶対形状を非接触で、かつ数ナノメートルレベルの超高精度で測定できる技術の開発が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研の計量標準総合センターは、長さ標準の研究開発において世界的にも高度な技術を有しています。平面形状測定では、参照面を必要としない角度測定に基づく形状測定技術である走査型角度測定式形状測定装置（SDP）を開発し、直径600 mmまでの平面基板の平面度を5 nmの絶対精度で非接触測定することに成功しています。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2020&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年2月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方、オートコリメーターを角度測定装置とする従来のSDPでは、測定可能な角度範囲に制約があり、局所角度が大きく変化する曲面の測定は困難でした。そこで今回、角度標準器としても用いられ、装置自身で角度目盛りの誤差を補正できる高精度な角度測定装置である自己校正型ロータリーエンコーダー（SelfA）を形状測定装置に導入し、これを角度測定装置とする測定系を構築しました。これにより、曲面光学素子の絶対形状を非接触で測定できる新しい形状測定技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）経済安全保障重要技術育成プログラム（JPMJKP24M1）、独立行政法人日本学術振興会（JSPS）科研費 （23K19106）、公益財団法人精密測定技術振興財団の支援を受けたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
本研究では、産総研が平面形状の高精度測定に用いてきたSDPを、曲面にも適用できるように拡張しました。SDPは、光を測定対象の表面に当てて、反射光の角度から各位置での表面の傾き（局所角度）を測定し、その局所角度分布を積分することで表面形状を求める方法です。従来は、オートコリメーターと呼ばれる微小角度測定装置で反射光角度を直接測定していました。しかし、曲面では測定位置によって表面の角度が大きく変化するため、反射光角度の変化が大きくなり、 オートコリメーターで測定可能な範囲（0.1°程度） を超えてしまいます。また、測定位置ごとに光の通り道が変わるため、使用する光学素子の収差が測定誤差として現れやすくなるという課題がありました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで本研究では、反射光の大きな角度変化を直接測るのではなく、反射光が常に入射光と平行に戻るように測定対象を回転させ、その回転角度を測定する方式に基づく形状測定装置を開発しました（図1）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
装置は、反射光と入射光の角度ずれを検出する光角度検出ユニット、光を測定対象上で走査するペンタミラーと直動ステージ、測定対象を回転させる回転ステージで構成されます。回転ステージには、角度標準器としても用いられ、広い角度範囲を高精度に測定できるSelfAを導入しました。測定では、ペンタミラーと直動ステージで光の照射位置を走査し、各位置で光角度検出ユニットからの信号を用いて、反射光が入射光と平行になるまで測定対象を回転させます。このときSelfAが示す回転角が、その位置の表面の局所角度に対応します。さらに、レーザー干渉計でペンタミラーの変位を高精度に測定し、得られた局所角度分布を積分することで、絶対形状を求めます。なお、本方式では測定対象を回転させるため、測定対象面が回転中心からずれていると光の照射位置が変化し、形状測定の誤差につながります。そこで、この誤差を幾何学的に解析し、専用の治具や測定装置を用いて十分な精度で測定対象を設置することで、測定結果への影響を避けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この方式では、入射光と反射光の小さな角度ずれは光角度検出ユニットで検出し、大きな角度ずれはSelfAで読み取ります。そのため、従来のようにオートコリメーターの測定範囲に制限されず、広範囲で高精度な角度測定が可能になります。さらに、反射光が入射光とほぼ同じ光路を戻るため、光学素子の収差による影響も抑えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
開発した装置の性能を確認するため、曲率半径5 mの円筒面をもつ光学素子を測定しました。測定長さは90 mmで、測定範囲内における表面の角度の変化は約1°に達し、従来型SDPでは測定できません。測定結果を図2に示します。繰り返し測定による形状のばらつきは標準偏差で0.46 nmであり、1 nm未満で安定して測定できることを確認しました。この繰り返し測定のばらつきに加え、角度測定、変位測定、測定対象の位置決めなどの要因を見積もった結果、Peak-to-Valley値で見た絶対形状測定の不確かさは2.0 nmとなり、世界最高精度での測定を実現しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本技術は、先端光学素子の製造・開発・評価を支える基盤技術として、光学素子の形状精度が装置性能に大きく影響するEUV露光装置、放射光施設、天体望遠鏡、重力波検出器などの発展に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今回開発した曲面用SDPを用いて、曲面ミラーの絶対形状測定技術のさらなる高度化を進めます。さらに、曲面ミラーの絶対形状測定サービスの提供や共同研究を通じて、社会実装を行う予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Precision Engineering&lt;br /&gt;
論文タイトル：Non-contact Absolute Measurement of Curved Surface Profiles Using a Scanning Deflectometric Profiler&lt;br /&gt;
著者：Shusei Masuda, Yohan Kondo, Yasuaki Hori, Akiko Hirai and Youichi Bitou&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.precisioneng.2026.05.011&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.precisioneng.2026.05.011&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
絶対形状&lt;br /&gt;
基準面や近似形状からのずれだけでなく、曲率半径などの面全体の形状情報を含めた表面形状のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
曲率半径&lt;br /&gt;
曲面の曲がり具合を表す量で、曲面を円弧の一部とみなしたときの円の半径のこと。曲率半径が小さいほど強く曲がった面であり、大きいほど平面に近い面である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
干渉計&lt;br /&gt;
光の干渉を利用して、長さや表面形状を高精度に測定する装置。特に形状測定用途では、参照面からの反射光と、測定対象面からの反射光の位相を比較することで、基準となる参照面と測定対象面の間の微小な形状差を検出することができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
走査型角度測定式形状測定装置（SDP）&lt;br /&gt;
試料表面に光を当て、反射光の向きから各測定位置の局所的な角度を測定する方式に基づく形状測定装置。光の照射位置を一定間隔で走査し、得られた局所角度分布を数値積分することで、表面全体の形状を求める。参照面との比較ではなく、角度と走査距離に基づいて形状を算出するため、絶対形状を測定することができる。高精度な平面基板の表面形状評価に利用される。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2020&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200205_2/pr20200205_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年2月5日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
オートコリメーター&lt;br /&gt;
平行光を測定対象面に照射し、反射して戻ってきた光の角度の変化から、測定対象面の角度変化を測定する角度測定装置。ミラーが傾くと反射光の進行方向が変わり、装置内のレンズで結像される光スポットの位置が検出器上で移動する。このスポット位置のずれを読み取ることで、反射光の角度変化、すなわち測定対象面の角度変化を高精度に求める。小さな角度変化を高精度に測定できるため、光学部品の角度調整・評価やステージの真直度測定等に広く用いられるが、測定可能な角度範囲は、撮像素子のサイズやレンズの焦点距離に依存する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
自己校正型ロータリーエンコーダー（SelfA）&lt;br /&gt;
回転ステージなどの回転角を高精度に測定する角度測定装置。通常のロータリーエンコーダーでは角度目盛りの誤差が測定精度に影響するが、SelfAは装置自身で目盛り誤差を評価・補正できる構造をもつ。360°にわたり高精度に測定できるため、角度標準器としても用いられる。（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2014&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年4月23日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ペンタミラー&lt;br /&gt;
45°向かい合わせに設置された一対の鏡。入射した光線は、2回反射することで90°方向が変わって反射される。入射角が変わっても、反射光は必ず90°方向が変わる。そのためSDPでは、ペンタミラーの移動に伴う運動誤差が生じない。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
Peak-to-Valley値&lt;br /&gt;
形状の評価指標の一つ。測定した形状における最大値（Peak）と最小値（Valley）の差のこと。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260706/pr20260706.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260706/pr20260706.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607021883/_prw_PI1im_d2N1Q78I.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>産総研、製造AX拠点を始動</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202607021869</link>
        <pubDate>Thu, 02 Jul 2026 14:23:34 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 産総研は、AI技術などを用いて日本の製造業DXを後押しする「製造AX拠点」(バーチャルな拠点)を構築・運営 ・ 生産機械メーカーと連携し、製造現場のデータベースを構築するとともに、メーカ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 産総研は、AI技術などを用いて日本の製造業DXを後押しする「製造AX拠点」(バーチャルな拠点)を構築・運営&lt;br /&gt;
・ 生産機械メーカーと連携し、製造現場のデータベースを構築するとともに、メーカーによる製造プラットフォームの開発を支援&lt;br /&gt;
・ 今回採択された経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し取組を強力に推進&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所（以下「産総研」という）は、経済産業省が推進する「製造AX拠点」構想において、同拠点の構築・運営を担います。本拠点は、これまで全国の製造現場に分散していた生産設備の稼働データや品質データなど、多様なデータを集約・統合する基盤です。AIにより高度化された製造現場向けの多種多様なサービスの開発にこれらのデータを活用することで、AIを活用した変革（AIトランスフォーメーション：AX）を製造プラットフォーマーやAI開発事業者と連携して推進し、その成果を再び製造現場に還元する循環型の製造データエコシステムを構築します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本取り組みの狙いは、日本の製造業をデータでつなぎAIを活用することで高稼働率・高品質・高収益な工場を多数創出するとともに、これらの工場が国際情勢の変化や自然災害等による製造環境や製品需要などの急激な変動に対して迅速に適応できる製造業への変革を支えることです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研は、生産機械メーカーや製造現場を有する企業と連携し、こうしたデータ循環を支える製造データエコシステムを構築するとともに、その上で動作する製造プラットフォームの開発を支援します。この度、DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）が推進する「ポスト５Ｇ情報通信システム基盤強化研究開発事業／データエコシステムの構築等に関する研究開発（GENIAC）」事業（以下「GENIAC事業」）を活用し、製造AX拠点の取り組みを強力に推進します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研では、「ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）」の設立などを通じ、製造業の競争力強化に取り組んできました。また、今回の製造AXに加え、先端加工技術の研究開発を担う「ものづくり拠点」の整備を進めています。同拠点は産総研臨海副都心センターを中心に、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点の成果を迅速に実装するテストベッドとしての機能が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
以上により、個社単独では困難な製造業変革を加速する共通基盤を実現します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
社会的背景
近年、製造業では人手不足の深刻化に加え、中国のAI主導型製造、欧州のデータ標準化、米国のBig Tech主導によるDXの加速などにより、国際競争が急速に激化しています。このような状況の下、DXの推進は不可欠ですが、中小企業ではデジタル人材の確保が難しく、個社単独での対応には限界があります。また、大企業においても競争環境は一層厳しさを増しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうした課題を背景に、日本製造業全体でDXを推進し、その先の価値創出につなげることを目的として、「製造AX拠点」構想が2026年版ものづくり白書において提唱されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本構想では、製造現場から生み出される多様なデータを広範に収集・統合し、大規模な製造データベースを構築するとともに、その利活用を通じて生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発を支援します。また、製造AX拠点には、製造データを生成AIやフィジカルAIの開発などに応用し新たな価値を創出する役割が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
産総研を核とした製造AX拠点
産総研を核とした製造AX拠点は、国内ものづくり工場とAI開発事業者、製造プラットフォーマーをつなぐハブとして機能します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
まず、製造現場から収集される多様なデータを統合し、外部提供も可能な形で整理・蓄積することで、製造分野における大規模なデータ基盤を構築します。これにより、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの横断的な活用が可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
こうして整備されたデータは、AI開発事業者による生成AI・フィジカルAIの開発・高度化に活用されるとともに、製造プラットフォーマーによる生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発につながります。さらに、その成果は再び製造現場へと還元され、製造プロセスの高度化や付加価値創出を生み出す好循環を形成します。製造AX拠点は、このように製造データとAIを媒介として産業全体をつなぎ、DXの先にある価値創出を実現する基盤として機能します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
幅広い分野の研究者が集う総合研究所であり、産業界との連携実績も豊富な産総研が拠点の核となることで、製造分野とAI分野の研究者が連携しながら拠点の構築・運営に関与し、データ基盤の整備、AI開発の促進、製造現場への還元といった一連の機能を一体的に推進することが可能となります。具体的には、製造工程の現象理解に基づく製造データ取得の支援や、収集したデータの匿名化・構造化による外部提供可能なデータセットの構築、さらにはこれらデータセットを活用した製造技術のデータ駆動化や、生成AI・フィジカルAIなどのAI開発支援を担うことが期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、産総研は中立的な研究機関であるため、多様な企業やプレイヤーが安心して参画できる環境を提供し、産業全体を俯瞰したデータ連携と価値創出の基盤を構築できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業の活用による拠点の始動
DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し、製造AX拠点の取組を推進します。本事業は、生成AIの産業応用を目的として、企業と研究機関が連携し、実データに基づくAI開発から社会実装までを一体的に推進するものです。特に製造分野においては、データの整備・統合とAI開発を結び付けることで、生産性向上や新たな価値創出の実現が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この枠組みのもと、産総研とDMG森精機株式会社、株式会社WALCは、工作機械を中心とした製造工場データを活用し、生成AIおよびフィジカルAIの高度化に向けた研究開発に取り組みます。多様な加工プロセスから得られるデータを統合・構造化し、AIによる加工条件最適化や異常検知などへの応用を進めるとともに、その成果を製造プラットフォームへ展開し、製造現場への実装につなげることを目指しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、産総研と株式会社小松製作所は、量産・少量多品種・変種変量型などの多様な製造現場から得られる工作機械・ロボットなどの稼働データを収集し、生産計画・実績管理業務を高度化するAI開発のためのデータセットを構築します。また、これらの業務を支援するAIエージェントの研究開発を行い、データセットの有用性を検証するとともに、AIエージェント技術を製造プラットフォームへ展開し、製造現場へのAI技術の効率的な社会実装を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次世代製造への取り組み
産総研は、2025年3月「ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）」を設立するなど、これまでも製造業の競争力強化のための技術ネットワーク形成に取り組んできました。今回始動する製造AX拠点を中核として、製造データとAIの活用を軸に、日本企業のDXを一層加速するとともに、その先の価値創出を後押しします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また先端加工技術の研究開発を担うリアルな拠点として産総研「ものづくり拠点」の整備を進めています。産総研臨海副都心センターを中心とする同拠点には、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点で創出された技術を迅速に検証・実装するテストベッドとしての役割が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これにより、データ・AIを中核とするサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を一体的に推進し、次世代製造の実現に貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
期待される成果と今後の予定
本取組により、製造現場で日々生み出される多様なデータの統合・活用が進み、AIを活用した生産効率の向上や省人化の実現、さらには新たな製造サービスやビジネスモデルの創出が期待されます。また、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの連携が進むことで、製造業全体としての競争力強化にも貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、製造AX拠点とものづくり拠点における取り組みを一体的に推進することで、データ・AIによるサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を両輪で進め、その成果を迅速に製造現場へ還元することが可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後は、GENIAC事業の取り組みを通じて製造業の実データに基づくAI開発とその実証を進めるとともに、参画企業の拡大やデータ連携の範囲の拡大を図ります。あわせて、製造プラットフォームの開発を加速し、得られた成果を広く産業界へ展開することで、日本の製造業全体のDXと価値創出のさらなる推進を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プロジェクト情報
GENIAC事業の採択情報（経済産業省）&lt;br /&gt;
URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260702001/20260702001.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260702001/20260702001.html&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業の採択情報（NEDO）&lt;br /&gt;
URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100430.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100430.html&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
製造AX拠点構想&lt;br /&gt;
経済産業省では、AIなどの先端技術を用いた製造プラットフォームを広く展開することで、事業者の自助努力のみに頼らず、我が国製造業全体のDXを実現することを目指して、「製造AX拠点」の立ち上げに向けた検討を進めてきた。（出典：「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
製造プラットフォーム&lt;br /&gt;
製造プラットフォームとは、製造現場において生産設備等から取得したデータを用いて開発され、生産の効率化・省人化など製造業の高度化やDXに資する機能を提供するものを指す。（出典：「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
GENIAC事業&lt;br /&gt;
GENIAC（Generative AI Accelerator Challenge）：日本の生成AI の開発力強化・社会実装を目的とした経済産業省およびNEDOが推進するプロジェクト&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）&lt;br /&gt;
ものづくり創造コンソーシアム（MOCO）は、産学官の連携を通じて製造業の競争力強化と新たな価値創出を目指す枠組み。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;URL:&amp;nbsp; &lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/cmt-ri/moco/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://unit.aist.go.jp/cmt-ri/moco/&lt;/a&gt;&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20260702.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20260702.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202607021869/_prw_PI1im_FytQYai7.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>“松やに”から黒鉛製造</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606261572</link>
        <pubDate>Wed, 01 Jul 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 松やにに含まれる樹脂酸から、黒鉛化につながる前駆体材料が得られることを実証 ・ 従来は石油・石炭由来原料に依存していた人造黒鉛製造の新たな原料選択肢となる可能性を提示 ・ 合成した黒鉛が...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 松やにに含まれる樹脂酸から、黒鉛化につながる前駆体材料が得られることを実証&lt;br /&gt;
・ 従来は石油・石炭由来原料に依存していた人造黒鉛製造の新たな原料選択肢となる可能性を提示&lt;br /&gt;
・ 合成した黒鉛がリチウムイオン電池負極材料として利用できることを実証&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）エネルギープロセス研究部門 炭化水素資源転換研究グループ 加登 裕也 研究グループ長、森本 正人 研究グループ付、麓 恵里 上級主任研究員、細貝 聡 主任研究員、曽根田 靖 キャリアリサーチャーらは、松やにに含まれる成分を出発原料として、黒鉛前駆体となるピッチを合成し、熱処理によって黒鉛化可能であることを示しました。さらに、本材料がリチウムイオン電池（LIB）の負極材料として利用できる可能性も示しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
黒鉛は、蓄電池の電極材料や電炉製鉄における黒鉛電極、半導体製造に必要なるつぼやヒーターなどに幅広く利用されており、エネルギー分野および先端科学分野において不可欠な材料です。一方で、石炭や石油から得られる原料を高温で熱処理することにより製造する人造黒鉛は、脱化石資源化の進展やCO₂排出規制の強化に加え、安定供給の観点から、その原料の多様化への期待が高まっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
バイオマスなど非化石資源の活用は有望な選択肢の一つと考えられますが、これまで触媒を利用したバイオマスの黒鉛化は知られているものの、得られる材料形態や用途には制約がありました。今回、産総研の研究グループは松やにに含まれる樹脂酸を黒鉛化可能なピッチへと転換することに成功し、さらに無触媒条件下の熱処理による黒鉛化を初めて実証しました。本研究は、植物由来分子から黒鉛前駆体を設計できる可能性を示したものであり、黒鉛製造プロセスにおける原料多様化の可能性を提示するものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
また、バイオマス由来資源を活用した持続可能な黒鉛材料開発に向けた基盤的知見を提供するとともに、LIB負極材料への適用も含む幅広い応用展開に向けた重要な一歩と位置づけられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究成果の詳細は、2026年7月1日に「Nature Communications」に掲載されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
黒鉛は高い電気/熱伝導性をもち、製鉄業における黒鉛電極あるいは半導体製造に必要なるつぼ、ヒーターなどの高耐熱材料、さらに蓄電池の電極材料などのように化学的安定性が求められる分野に至るまで幅広く利用される材料です。黒鉛は大きく天然黒鉛と人造黒鉛に分類されます。天然黒鉛は自然界で炭素が熱や圧力を受けて形成された鉱物資源であるのに対して、人造黒鉛は石炭や石油由来の原料を、高温処理することにより製造されています。LIB負極材としての利用を想定したとき、天然黒鉛は容量やコスト面で有利である一方、人造黒鉛は高速充電特性に優れるという特徴があります。近年、黒鉛の需要が高まる中、脱化石資源化の進展や CO₂ 排出規制強化に加え、天然黒鉛・人造黒鉛ともに海外依存度が高いことから安定供給の点で課題があります。このため、人造黒鉛の製造プロセスにおける原料多様化の重要性が高まっています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
一方で、バイオマスなどの非化石資源を炭素材料へ転換する研究は進められているものの、黒鉛材料の製造に適した原料設計やプロセスの確立にはなお解決すべき課題があります。特に、木質系バイオマスを加熱して得られる炭化物の多くは高温で熱処理しても黒鉛化しないことが知られています。また、触媒を用いた黒鉛化手法も報告されていますが、ピッチを経由しないため、成形・加工プロセスへの適用が難しく、用途やプロセスの面で制約があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、重質油などの化石資源を高効率かつクリーンに利用するための研究開発に取り組んでおり、特に、重質炭化水素の複雑な混合物に対して、その分子構造に基づいて理解するための解析技術を強みとしています。これまで、例えば石油精製プロセスにおける重質成分の析出現象に対して、対象となる成分の詳細な分子構造解析と、その構造を模擬したモデル化合物の合成および性状評価を組み合わせることで、現象の発生メカニズムを解明する研究開発を進めてきました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
このような分子レベルでの理解と設計に基づく技術基盤を背景に、同様のアプローチを炭素材料開発へ展開することを志向しました。そこで、人造黒鉛の原料として必須であるピッチを、植物由来成分から合成するという、これまで実現されていなかった課題に取り組みました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本成果はNEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の委託業務（JPNP14004）の結果得られたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
人造黒鉛の製造には、熱処理過程で溶融し、芳香族分子が配向・再配列するピッチを前駆体として経由することが重要です。そこで本研究では、既存ピッチの分子構造に基づき、黒鉛化に適した構造を設計しました。その結果、樹脂酸を出発原料としてピッチ様構造を構築できることを見出しました。さらに、樹脂酸が松やにに豊富に含まれることに着目し、その混合物であるロジンに対して本手法を適用しました。得られたピッチについて分子構造解析を実施した結果、酸素含有量の低減と芳香族性の向上が確認され、本ピッチが黒鉛化可能な構造特性を備えていることが示されました。また、本手法で得られるピッチは、現在工業的に利用されているピッチと同様に、加熱により溶融・流動性を示すため（図１）、成形体への加工プロセスなど用途展開の自由度が高いことを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
続いて、本ピッチに対して無触媒下で段階的な熱処理を行い、X線回折等により結晶構造を評価した結果、黒鉛結晶が発達していることが確認されました（図１）。また、得られた黒鉛については、黒鉛に特徴的な充放電曲線が観測されたことから、LIB負極材料としての適用可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
バイオマス由来の大きな分子を分解する、従来のトップダウン型のアプローチでは分子構造を制御できず黒鉛化可能なピッチを得ることが困難でした。これに対し本研究では、分子構造に基づくボトムアップ型の材料設計により、黒鉛化可能なピッチの創出を実現しました。本研究により、植物由来分子から黒鉛前駆体を合成するための新たな材料設計指針が得られました。さらに、この分子設計の考え方は、松やにに含まれる樹脂酸に限らず、植物が生合成する各種テルペン類にも適用可能であると考えられ、バイオマス由来の炭素材料設計に新たな展開をもたらすことが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、原料の選定や合成条件の最適化、構造制御の高度化を進めるとともに、得られるピッチの特性評価をさらに進めます。一方、合成された黒鉛について、容量などの電池特性にはなお改善の余地があるため、今後さらなる性能向上に向けた検討を進めていきます。また、本プロセスの実用化を目指して、成形体への適用可能性や各種炭素材料への展開について検討していきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Nature Communications&lt;br /&gt;
タイトル：Graphitizable Pitch from Pine Resin Enables Bulk Graphite from Terpenes&lt;br /&gt;
著者名：Masato Morimoto, Yuya Kado, Takuma Kawaguchi, Shogo Ise, Shinya Sato, Eri Fumoto, Toshihiro Kakinuma, Sadao Matsuzawa, Sou Hosokai, Yasushi Soneda&lt;br /&gt;
DOI：10.1038/s41467-026-74338-9&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ピッチ&lt;br /&gt;
一般に石油または石炭を原料として得られる多環芳香族化合物を主成分とする常温で固体状の物質で、熱溶融性があり、炭素・黒鉛材料の前駆体として利用される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
黒鉛化&lt;br /&gt;
炭素原子が規則的に並んだ六角形の層状構造へと変化し、黒鉛としての結晶構造が発達すること。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
芳香族&lt;br /&gt;
炭素原子が環状に結合し、安定な平面構造をとる分子構造のことで、ベンゼン環などが代表例。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
X線回折&lt;br /&gt;
X線を試料に照射し、その回折パターンから物質の結晶構造や結晶性を評価する分析手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
充放電曲線&lt;br /&gt;
電池の充電・放電に伴う電圧変化を示すグラフで、黒鉛の場合は特有の形状を示すことが知られている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260701/pr20260701.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260701/pr20260701.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202606261572/_prw_PI1im_EaKm1BLd.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>次世代XRコンテンツ産業を規格が後押し</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606261535</link>
        <pubDate>Mon, 29 Jun 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ メタバース、XR、ロケーションベースドエンターテイメント（LBE）などのコンテンツで利用されるアバター全般に関する国際規格ISO/IEC 24216-1:2026が発行 ・ アバターの用...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt; 
・ メタバース、XR、ロケーションベースドエンターテイメント（LBE）などのコンテンツで利用されるアバター全般に関する国際規格ISO/IEC 24216-1:2026が発行&lt;br /&gt; 
・ アバターの用語、機能、身体所有感、利用上の配慮事項を整理し、利用者が安心してサービスを選択・利用できる環境整備に貢献&lt;br /&gt; 
・ アニメ調アバターなど日本発のコンテンツ文化に関する国際的な共通理解の形成に貢献し、コンテンツ・XR産業の国際展開を支える共通基盤となる&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
メタバースやXR（VR・AR・MR）、ロケーションベースドエンターテイメント（LBE）などの普及に伴い、アバターは利用者の分身として人と人、人とサービスをつなぐ重要な役割を担うようになっています。しかし、アバターの種類や機能、体験上の特徴を共通の基準で説明する方法はこれまで存在していませんでした。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
今回発行されたISO/IEC 24216-1:2026は、アバターに関する用語、機能、設計・運用上の配慮事項などを体系的に整理した包括的な国際規格です。アバターを利用したシステムやアプリケーション、コンテンツを企画・設計・提供する開発者や事業者、デザイナーなどに向けて、アバター活用のための要件や推奨事項を定めています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
この規格を用いることで、クリエイターやコンテンツ開発者にとっては、アバター設計や体験設計に関する国際的な共通指針を利用できるようになり、体験品質や安全性に配慮したコンテンツ開発を進めやすくなります。プラットフォーム事業者にとっては、アバターの機能や品質を共通の考え方で整理・提示できるようになり、サービス間の相互理解や国際展開を進めやすくなります。利用者にとっては、アバターの特徴や機能を事前に理解しやすくなり、自分に適したサービスや体験を選択しやすくなります。また、多様な文化や価値観への配慮が進むことで、より安心してメタバースやXRサービスを利用できるようになることが期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
本規格は、日本が強みを持つアニメ調アバターなどの日本発のコンテンツ文化に関する国際的な共通理解の形成に貢献することが期待されます。また、アニメ、ゲーム、メタバース、XRなど、アバターを活用するコンテンツやサービスの国際展開を支える共通基盤としての活用も見込まれます。さらに、アバターを介してサイバー空間と現実空間を行き来することが日常となるサイバーフィジカル社会の到来を見据え、本規格はその社会を支える基盤となることも期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）は、人間社会拡張研究部門に設置されたコンソーシアムである拡張体験デザイン協会（DAAX）において「&lt;a href=&quot;https://unit.aist.go.jp/rihsa/daax/d_cns_standardization.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;アバター国際標準化の国内検討委員会&lt;/a&gt;」を運営し、業界関係者、学識者、著名なユーザーと共にこの規格の原案を作成し、ISO/IEC JTC 1/SC 35に日本から規格開発を提案し、規格開発を先導してきました。こうした活動は、経済産業省、ISO/IEC JTC 1/SC 35国内委員会の支援を受け、今回の規格発行に至りました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
社会課題の解決 
① 利用者が安心してサービスを選べる環境の整備&lt;br /&gt; 
アバターの種類や機能を説明する共通基準がなかったため、利用者は体験の特徴や品質を事前に理解しにくい状況にありました。本規格により、アバターの特徴を分かりやすく説明できるようになり、利用者が安心してサービスを選択できる環境の整備につながります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
② 安全で質の高いXR体験の実現&lt;br /&gt; 
利用者の現実の身体に変わる仮想の身体であるアバターの設計は、体験の快適さや没入感に大きく影響します。本規格はアバター設計に関する共通指針を提供し、安全で質の高いXR体験づくりを支援します。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
③ 日本発コンテンツの国際展開促進&lt;br /&gt; 
アニメ調アバターなどの日本で発展してきたコンテンツ文化が国際的に理解されやすくなり、日本のコンテンツ産業やXR産業の海外展開を後押しします。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
規格発行までの道のり 
産総研はこれまで、メタバースやXRにおけるアバター利用に関する研究を進めてきました。特に、本規格開発には、産総研で独自開発した汎用XR評価実験システムXperigrapher®の知見と、このシステムを用いることで得られた、アバターへの身体所有感（Body Ownership）、身体リアリティ（Body Reality）、体験リアリティ、XR体験評価に関する学術的知見が基盤になっています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
また、産総研の人間社会拡張研究部門に設置されたコンソーシアム「拡張体験デザイン協会（DAAX）」（2022年設立）では、XRによる体験拡張を進めているさまざまな企業と自治体が参加し、アバター国際標準化の国内検討委員会を運営し、メタバース、XR、コンテンツ産業の関係者との継続的な議論を通じて、実際の産業ニーズや課題を整理してきました。さらに、2024年度に実施した産総研標準化推進プロジェクトでは、各国のメタバース関連標準化動向や産業政策に関する国際比較調査を実施し、アバター標準化の必要性や国際的なニーズを分析してきました。これらの学術的知見、産業界との合意形成、国際比較調査の結果を基盤として、産総研が中心となり、日本からISO/IEC JTC 1/SC 35に対してアバターに関する国際規格を提案しました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
メタバース関連分野では、近年多くの国際標準化提案が行われている一方で、実際に国際規格として発行に至った事例はまだ多くありません。そのような状況の中、学術的エビデンスと業界の実務知見を取り入れ、国際調査に基づく中立的かつ実践的な規格提案を行ったことで、規格の必要性と緊急性について国際的な理解を獲得しました。その結果、比較的短期間で国際合意を形成し、アバターに関する初の国際規格の開発・発行を実現しました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
規格開発では、大山潤爾主任研究員（産総研 人間社会拡張研究部門 インターバース研究チーム）がプロジェクトエディタとして編集作業を主導しました。また、経済産業省、ISO/IEC JTC 1/SC 35国内委員会の支援のもと、日本国内での議論と国際的な合意形成を推進しました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
今後の予定・波及効果 
今後、産総研は本規格の普及活動を進めるとともに、ISO/IEC 24216シリーズのさらなる発展や関連する国際標準化活動に取り組みます。また、国内外の産業界や研究機関と連携し、本規格の活用促進を図ります。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
本規格により、アバターの種類や機能、体験上の特徴を共通の用語や分類体系で説明できるようになります。これにより、利用者はサービスの特徴を理解しやすくなり、自らが望む姿や表現に適したアバターや、サービスを選択しやすくなります。クリエイターやコンテンツ開発者は、体験品質に加えて利用者の心理的安全性や多様な自己表現にも配慮した設計を進めやすくなります。さらに、プラットフォーム事業者はアバターの特性を共有しやすくなり、多様なアバター表現に関する国際的な共通理解が進むことで、異なるサービス間での相互理解や国際展開を進めやすくなることが期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
特に本規格は、日本が強みを持つアニメ調アバターの文化を国際的に説明するための共通基盤として機能します。これまで海外では、日本に広く浸透しているアニメやマンガ的なキャラクターの特徴を共通の言葉で説明することが難しい場面もありましたが、本規格によりそれらを国際的な枠組みの中で位置付けられるようになります。これにより、日本のアニメ、ゲーム、VTuber、メタバース、XRなどのコンテンツ産業は、自らの強みを海外市場に対してより分かりやすく提示できるようになります。また、海外企業や海外ユーザーとの共通理解の形成が進むことで、日本発コンテンツの国際展開や市場拡大を後押しすることが期待されます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
さらに、本規格はエンターテイメント分野にとどまらず、教育、医療、観光、遠隔コミュニケーション、産業トレーニングなど、アバターを活用したさまざまなサービスの普及にも貢献すると期待されます。産総研は今後も、利用者が安心して利用できる安全で質の高いデジタル体験の実現と、日本発のコンテンツ文化・技術の国際展開を支える標準化活動を推進していきます。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 

 
 
 
 
 
 規格の概要 ISO/IEC 24216-1:2026 Information technology — User interface requirements and guidelines on avatars — Part 1: General&lt;br /&gt; 情報技術 — アバターに関するユーザーインターフェースの指針 — 第1部：総則&lt;br /&gt; この規格は、メタバース、バーチャルリアリティ（VR）、拡張現実（AR）、複合現実（MR）、ロケーションベースドエンターテイメント（LBE）、デジタルツインなどにおいて利用されるアバターについて、用語、分類、機能、利用上の配慮事項および管理方法に関する指針を規定する国際規格である。&lt;br /&gt; 本規格では、アバターの外観、視点、身体追跡機能、表情表現、非言語コミュニケーション機能などを説明するための共通的な分類体系を示すとともに、身体所有感（Body Ownership）に基づくアバターの分類、文化的背景やジェンダー、多様性への配慮、アバター利用時の倫理的事項などについての指針を規定している。&lt;br /&gt; &amp;nbsp;&lt;br /&gt; 作業グループ：&lt;br /&gt; ISO/IEC JTC 1/SC 35&lt;br /&gt; （国際標準化機構／国際電気標準会議 情報技術委員会／ユーザーインターフェース分科委員会）&lt;br /&gt; &amp;nbsp;&lt;br /&gt; メンバー&lt;br /&gt; 大山 潤爾（産総研 人間社会拡張研究部門 インターバース研究チーム 主任研究員）&lt;br /&gt; 原田 佑規（京都先端科学大学 人文学部心理学科 准教授）&lt;br /&gt; 杉本 麻樹（慶應義塾大学 理工学部情報工学科 教授）&lt;br /&gt;  
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
関連する論文 
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用語解説 
メタバース&lt;br /&gt; 
インターネット上に構築された仮想空間。利用者はアバターを通じて空間内を移動し、他の利用者と交流したり、イベント、買い物、学習、仕事などを行ったりすることができる。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
XR（エックス・アール）&lt;br /&gt; 
VR（バーチャルリアリティ）、AR（拡張現実）、MR（複合現実）などの技術をまとめた呼び方。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
ロケーションベースドエンターテイメント（LBE）&lt;br /&gt; 
XR（VR・AR・MR）や映像、音響などの技術を活用し、利用者に高い没入感を提供する体験型サービスおよびエンターテイメントコンテンツ。広義には、利用者が特定の場所・施設において体験するエンターテイメント全般を指す。VRアトラクションやイマーシブシアターなどが代表例である。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
アバター&lt;br /&gt; 
メタバースやXR空間の中で利用者の身体の代わりとなるCGオブジェクト。利用者の行動や表情を反映してコミュニケーションを行う。ISO/IEC 24216-1:2026では、「利用者を表す図形オブジェクト（graphical object）」と定義している。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
サイバーフィジカル社会&lt;br /&gt; 
サイバー空間（情報空間・仮想空間）と、フィジカル空間（物理空間・これまでの定義での現実空間）が融合し、その間を行き来して生活するSociety 5.0社会。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
プレスリリースURL&lt;br /&gt; 
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260629/pr20260629.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260629/pr20260629.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202606261535/_prw_PI1im_zjl3dcP6.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>「棄てる」廃水処理から「活かす」廃水処理へ</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606221218</link>
        <pubDate>Wed, 24 Jun 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 実際の発酵産業廃水処理プラントを縮小した装置と製造ラインで発生した廃水を用いて、微生物群集を窒素除去型から窒素資源変換・回収型へ転換することに成功 ・ 微好気性活性汚泥プロセスの立ち上げ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 実際の発酵産業廃水処理プラントを縮小した装置と製造ラインで発生した廃水を用いて、微生物群集を窒素除去型から窒素資源変換・回収型へ転換することに成功&lt;br /&gt;
・ 微好気性活性汚泥プロセスの立ち上げにより、廃水中の低濃度窒素化合物をエネルギー資源として活用できるアンモニウムイオンにまで変換、それ以上の生物反応が進まないよう制御&lt;br /&gt;
・ 窒素化合物を窒素ガスに変換して大気放出する現行の窒素除去型プラントから、エネルギー回収型プラントへの転換を後押し&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）環境創生研究部門 堀 知行 上級主任研究員、青柳 智 研究グループ付は、キリンホールディングス株式会社（以下「キリンHD」という）R&amp;amp;D本部 微生物科学技術研究所 阿部 哲也 主幹、籾内 研吾 研究員、鈴木 拓磨 研究員、国立大学法人東京農工大学（以下「農工大」という）大学院工学研究院 化学物理工学部門 寺田 昭彦 教授、国立大学法人京都大学（以下「京都大」という）大学院地球環境学堂 藤原 拓 教授らと、発酵産業廃水処理プラントの微生物群集を窒素除去型から変換・回収型へと順応させるための制御技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
窒素化合物は私たちの社会活動に必要である一方で、その環境負荷が問題になっています。環境負荷を抑えるため、窒素化合物を含む産業廃水の現行の処理プラントでは窒素化合物は窒素ガスにまで分解され、大気放出されていますが、そのプロセスにおいては多量の酸素を供給するための曝気にエネルギーが消費されます。この分解反応を中間産物であるアンモニウムイオンまでで止め、それを回収することができれば、消費されるエネルギーが減るばかりか、逆にエネルギー資源として活用することができます。そのためには処理プラントにおいて活性汚泥中の微生物群集の分解機能を制御することが必要ですが、制御条件や微生物群集の応答についての調査研究は十分に進んでいませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、実際の処理プラントの縮小版と、現場で混合・調整した準実廃水を用いて、活性汚泥中の微生物群集を窒素除去型から変換・回収型へ順応させる過程における大きなボトルネックを解消することに成功しました。開発技術である「微好気性活性汚泥プロセス」によって廃水中の窒素化合物から生成されるアンモニアを、分離・濃縮することでエネルギー資源として回収することができます。本技術は現行の処理プラントに大幅な改変を加えることなく、分解・除去の廃水処理から、エネルギー回収を可能にする処理へのシフトチェンジになると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年6月15日に「Water Research」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260624/pr20260624.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260624/pr20260624.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
窒素化合物は、農作物の生育に必要不可欠な肥料として食糧生産を支えるだけでなく、医薬品や化成品の原料としても広く使われており、さまざまな分野で重要な役割を担っています。一方で、人間活動に由来する窒素化合物は、プラネタリーバウンダリーの研究において、その排出量が地球の限界値を超えた非常にリスクの高い状態にあると指摘されています。例えば、窒素化合物が環境中へ過剰に排出されることによる湖沼や海域の富栄養化、酸性雨の発生、亜酸化窒素による地球温暖化などの影響が懸念されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
発酵産業において、食品や医薬品の製造時に排出される有機性産業廃水には低濃度の窒素化合物が含まれていますが、その処理に用いられる現行の活性汚泥プロセスでは、窒素化合物の有機成分はアンモニウムイオンに変換された後、亜硝酸・硝酸・一酸化窒素・亜酸化窒素を経て窒素ガスにまで生物学的に分解され、大気放出されています（硝化脱窒処理）。このプロセスには多量の酸素が必要で、曝気によるエネルギー消費も少なくありません。廃水中に含まれている低濃度の窒素化合物をアンモニウムイオンに変換・回収し、資源として活用するためには活性汚泥中の微生物群集の繊細な制御が必要ですが、その制御技術は確立していませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、水資源の循環利用と安全・安心な処理技術の開発を目指し、微生物学的知見に基づいた廃水処理・再資源化に関する研究を進めており、鉄鋼産業廃水処理技術の開発（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220804/pr20220804.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2022&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220804/pr20220804.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年8月4日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）や難分解性有害物質の安定処理機構解明（&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180615/pr20180615.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;2018&lt;/a&gt;&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180615/pr20180615.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;年6月15日 産総研プレス発表&lt;/a&gt;）などに取り組んできました。今回、その一環として、産総研の次世代シーケンサー解析や網羅的有機物分析などを用いた環境微生物研究で蓄積された知見と、キリンHDの有する発酵産業廃水の処理技術基盤、農工大と京都大の窒素動態解析の技術・知見を連携・発展させて、窒素除去型から窒素資源変換・回収型へ微生物群集を順応制御する方法の開発を目指しました。硝化脱窒による窒素除去が定常的に行われている発酵産業廃水処理プラントの活性汚泥を種汚泥として、実処理プラントの縮小モデル装置に製造ラインで発生・混合した準実廃水を流入させ最適条件を適用することで、廃水中窒素化合物をアンモニウムイオンとして変換・回収するレトロフィット技術の有効性を探りました（概要図）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この成果は、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の委託事業「ムーンショット型研究開発事業」の結果得られたものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
廃水中の窒素化合物をアンモニウムイオンへと変換・保持するためには、アンモニウムイオンを消費する硝化微生物（アンモニア酸化微生物、亜硝酸酸化微生物）の活性を抑制する必要があります。硝化微生物は酸素を利用して生育すること、また低いpHで阻害されることが知られています。そのため、研究チームでは曝気削減による低溶存酸素（DO）濃度とpH調整剤添加による低pHを制御因子として、処理水質と微生物群集の両面から微好気性活性汚泥プロセスの立ち上げと安定化を評価しました。運転条件は三つの系列「①低DO低pH、②低DO→低DO低pH、③低pH→低DO低pH」を準備しました。低DOは1.0 mg/L以下程度、低pHはpH 5.8を基準としました。系列①では運転条件切り替え開始とともに低DOと低pHを同時適用させました。系列②は、切り替え1では低DOのみを適用し、その後切り替え2でさらに低pHを追加適用させました。系列③は、切り替え1では低pHのみを適用し、その後切り替え2でさらに低DOを追加適用させました。なお、運転条件切り替え前はすべての系列で硝化脱窒条件にて運転を実施しました。合計容量が約33 Lの縮小モデル装置に種汚泥を投入し、その後、全有機炭素濃度約1,500 mg/L、全窒素濃度約600 mg/L、アンモニウム態窒素濃度約400 mg/Lの廃水を連続的に流入させました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
運転期間を通して、流入廃水中の全窒素濃度に対する処理水中のアンモニウム態窒素濃度の比率（アンモニウムイオン変換・保持率）を評価しました。運転条件切り替え1にて、低DO条件を設定した系列①と系列②は切り替え直後に処理水中のアンモニウムイオン変換・保持率の急激な上昇が見られましたが、系列③の低pH条件では変換・保持率上昇には切り替えをしてから一週間ほどを要しました（図1上）。運転条件切り替え2の期間における変換・保持率は三つの系列で77.6 %〜103.6 %を達成しました。有機物の除去率は、運転期間を通してほぼ90 %以上を示しましたが、三つの系列すべてで低DO条件を設定した直後に比較的大きな有機物除去率の低下が観察されました（図1中央）。この結果は、有機物除去とアンモニウムイオン変換・保持はトレードオフの関係にあることを示しています。有機物除去率が減少する時かつアンモニウムイオン変換・保持率が上昇する時に処理水の濁度の上昇が観察され、低pH条件に比べて低DO条件でより顕著であることが示されました（図1下）。産業廃水処理においては、処理水の濁度は200 NTU以下であることが基準となります。本プロセスの処理水の濁度成分は、ほとんどが微生物細胞由来であることが示唆されたため、運転期間中にDO濃度を下げすぎない制御を実施することで、汚泥微生物と処理水の分離性能（自然沈降による固液分離）を高く保ち、濁度の上昇を抑えることもできました。アンモニウムイオン変換・保持率や有機物除去率、処理水濁度の水質パラメーターの結果から、系列①が最も速くかつ安定な立ち上げができました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本プロセスの処理水は、分離膜や吸着材による濃縮過程を経て、多用途に活用可能な高濃度アンモニア水として回収されます（概要図）。処理水中に残存する溶存有機物も、後段の工程でさらに濃縮されることが想定されます。そのため、処理水中の溶存有機物の残存性評価を行いました。まず初めに3D-EEM（3次元励起蛍光マトリクス）を用いて、未知成分も含めてどのような物質が処理水中に残存しているかを可視化しました（図2左）。その結果、三つの系列すべてで低DO条件を設定後に特定の残存物質の存在を示すスペクトルの強度が高く（赤色）なっていましたが、運転期間終了時には強度は低くなっていました。詳細に解析するために、同じ処理水についてLC-TOF/MS（液体クロマトグラフ飛行時間型質量分析計）によるノンターゲット定性・定量分析を行いました。その結果、数百種の陽イオン物質が処理水中に残存することが明らかになりました。その種類と存在量をインプット情報として主成分分析したところ、処理が安定に保たれた時にはプロットが左側に位置し、処理が不安定の時にはプロットが右側に移動しました。系列①と系列②では低DO条件の適用直後の有機物除去率が低下した時には右側にプロットが移動しましたが、運転後半には左側にプロットが戻り、処理回復が示唆されました（図2右）。さらに、物質推定を試みたところ、安定処理と不安定処理の時の特徴的な残存有機物を絞り込むことができました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
運転条件の切り替えによる微生物群集の応答を検出し、さらにアンモニウムイオン変換および有機炭素除去を可能とした微生物を特定するため、次世代シーケンサーにより、活性汚泥中の数千種の微生物（バクテリア・アーキア）を同定しました。微生物群集構造は硝化脱窒条件とアンモニウムイオン変換・保持条件では明確に異なりました（図3左）。さらに系列①〜③の異なる運転条件や経緯で微生物群集が順応制御されましたが、それらの構成種は比較的類似していました。特に加水分解やタンパク質分解能を持つExtensimonas属の1種（図3右紫色）およびThermomonas属の1種（図3右赤色）が共通して優占し、一つの微生物種で微生物全体の26.5 %〜51.1 %を占めていました。このことから、これらの微生物がアンモニウムイオン変換において中心的な役割を果たしていたと示唆されました。また低分子有機物を活発に分解することが知られるLimnohabitans属の1種（図3右青色）は低DO条件において順応しやすかったことが判明しました。この優占微生物の違いが処理水中の残存有機物に影響を与えた可能性があります。なお、三つの系列すべてでアンモニウムイオンを亜硝酸に酸化するアンモニア酸化微生物の量は運転開始時の100分の1程度まで減っていたことも確認し、アンモニウムイオンの保持に密接に関与していると示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これらの結果は、運転条件の制御因子（低DOおよび低pH）を変更することで、窒素除去型から窒素資源変換・回収型への微生物群集の迅速な切り替えが可能であると示しています。また、廃水処理と資源回収を両立するためのボトルネックとなっていた水質成分や主要微生物を特定することができました。このように、微生物群集を制御しその高い適応能力を発揮させることが新たな窒素循環技術の確立に重要であると見いだしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
「微好気性活性汚泥プロセス」は既存の処理装置を使いレトロフィットに迅速導入できる技術です。今後は発酵産業廃水でのスケールアップ（ベンチスケール）や他の低濃度廃水（下水など）を対象に本プロセスの開発を継続し、多様な処理設備や廃水種に適用できる新しい水処理・資源化技術の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Water Research&lt;br /&gt;
論文タイトル：Acclimation of microbial communities in low dissolved oxygen and low pH driven start-up of microaerobic activated sludge process to recover ammonium from fermentation industrial wastewater&lt;br /&gt;
著者：Kengo Momiuchi#, Tomo Aoyagi#, Takuma Suzuki, Taku Fujiwara, Akihiko Terada, Hidehiro Sugiura, Tetsuya Abe*, Tomoyuki Hori*（#共同筆頭著者、*共同責任著者）&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.watres.2026.126305&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.watres.2026.126305&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
曝気&lt;br /&gt;
ブロアーやエアレーターにより水中へ空気（酸素）を供給し、酸素を利用する好気性の微生物の活動を維持・促進する操作のこと。微生物が活発に働くことで、有機物の分解を効率的に進めることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
活性汚泥&lt;br /&gt;
生活・産業廃水の浄化のために利用される微生物群（バクテリア・アーキアや菌類が主な構成生物）・有機汚泥の総称。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プラネタリーバウンダリー（地球の限界）&lt;br /&gt;
従来人類が安全に生存できる活動領域と、地球環境が回復不能な破壊を受ける境界線（限界値）を定義した環境科学の概念。九つの指標のうち、すでに複数の項目が危険領域に達していると警告されている。そのうち窒素は、リンとともにすでに人間活動による影響が安全域を大きく超え、不可逆的な変化が懸念されている「高リスク（危険領域）」とされている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
次世代シーケンサー&lt;br /&gt;
従来に比べ、飛躍的に解析速度が向上した、遺伝子の塩基配列の解読装置。複数の試料に含まれる微生物の種類を1試料あたり数万から数十万種、合計で数千万種の微生物を同時並行的に同定できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
アンモニウム態窒素&lt;br /&gt;
アンモニウムイオン（NH4+）として含まれる窒素。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
3D-EEM（3次元励起蛍光マトリクス）&lt;br /&gt;
水中の溶存有機物の光学的特性を用いた比較的簡易な水質評価法。水試料に対し、励起波長と蛍光波長を変化させながら蛍光強度を測定し、3次元にプロットすることで、水中に含まれる蛍光性有機物の大まかな種類と存在比率の推定が可能。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
LC-TOF/MS（液体クロマトグラフ飛行時間型質量分析計）&lt;br /&gt;
液体クロマトグラフ（LC）とTOF/MSを組み合わせた装置。LCは、試料中に含まれる混合成分を時間差で分ける装置であり、成分ごとにカラムの中で進む速さが異なるため、順番に分離される。その後、分離された成分はTOF/MSに送られ、電気の力でイオン（帯電した状態）化される。そのイオンが装置の中で加速され、飛んでいく時間の違いから質量を測定する装置。この「飛ぶ時間の差」から非常に精密な質量がわかり、物質の種類や構造を調べられる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ノンターゲット定性・定量分析&lt;br /&gt;
あらかじめ調べる対象を決めずに、試料中に含まれるできるだけ多くの化合物を検出・同定する分析方法。ここでは、LC-TOF/MS測定で高精度な質量データを取得することで、各成分の候補となる分子式や構造を推定する。この方法により、未知成分や予想していなかった物質も含めて、試料全体の化学組成を把握できる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
主成分分析&lt;br /&gt;
複雑なデータ（多変量データ）における違いや傾向を、データ内のばらつきや特徴を保ったまま、2次元や3次元にして可視化する統計手法。ここでは、LC-TOF/MS測定で得られた成分情報（質量や強度データ）を用いて、「どの運転条件における処理水に残存する有機物成分が似ているか」を可視化した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260624/pr20260624.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260624/pr20260624.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202606221218/_prw_PI1im_uswv7qza.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>運動をすると認知課題中の脳活動が変化する</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202606100655</link>
        <pubDate>Thu, 11 Jun 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 「運動」と認知課題の繰り返しによる「課題反復」の影響を区別する研究デザインを導入・実施 ・ 「運動」は認知課題中の脳活動パターンを変化させる一方、「課題反復」は認知課題中の脳活動の効率化...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 「運動」と認知課題の繰り返しによる「課題反復」の影響を区別する研究デザインを導入・実施&lt;br /&gt;
・ 「運動」は認知課題中の脳活動パターンを変化させる一方、「課題反復」は認知課題中の脳活動の効率化に影響することが明らかに&lt;br /&gt;
・ 運動前後で生じる、認知課題中の脳活動の変化を可視化することで、介入効果を実感しやすくなり、運動の継続や将来的な認知機能低下予防への応用が期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）セルフケア実装研究センター 浅原 亮太 主任研究員、樽味 孝 上級主任研究員、菅原 順 研究チーム長らは、米国University of Texas Southwestern Medical Centerと共同で、有酸素運動の前後において、認知課題中の脳活動変化を検討しました。その結果、これまで十分に区別されてこなかった「運動」そのものの影響と、運動の合間に認知課題を繰り返すことで生じる「課題反復」の影響を区別することに成功し、有酸素運動が認知課題中の脳活動パターンを変化させること、課題反復が認知課題中の脳活動の効率化に影響することを明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
運動は認知機能の低下や認知症の予防に効果があるとされています。こうした効果を高めるためには、運動の前後で生じる認知課題中の脳活動変化を評価することが重要です。ここで、運動による脳活動変化を正確に捉えるには、その変化が「運動」による影響なのか、それとも認知課題を繰り返すことで生じる「課題反復」の影響なのかを区別する必要がありますが、容易ではありません。そのため、運動によって認知課題中の脳活動がどのように変化するのかは十分に明らかにされていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、研究グループは、産総研における反復的な脳活動計測が可能な研究環境を生かし、有酸素運動が認知課題中の脳活動に与える影響と、課題反復による影響を区別できる研究デザインを導入しました。その結果、有酸素運動によって認知課題中の脳内プロセスが変化する可能性が示されました。また高齢者では、課題反復による脳活動の低下と課題成績との間に正の相関が認められ、課題への慣れに伴う脳活動の変化が、課題処理の効率化と関連する可能性が示されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
運動による認知機能への効果は日常生活の中では体感しにくいですが、運動による認知課題中の脳活動の変化を可視化することで、介入効果を実感しやすくなり、運動継続につながる可能性があります。こうした取り組みは、将来的な認知機能低下の予防にも貢献すると考えられます。さらに本研究は、運動介入だけでなく、認知課題の反復実施そのものが、認知機能維持に果たす役割への理解を深めるものであり、高齢者の認知機能維持を支える新たな介入法の開発にもつながる知見です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年6月11日に「Journal of Magnetic Resonance Imaging」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
高齢化が進む社会において、認知機能の低下や認知症の予防は、医療・介護の分野にとどまらず、日常生活の質（QOL）を維持するうえで重要な課題となっています。これまでの研究で、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うと、運動前と比べて運動後に認知課題の成績が向上することが報告されており、運動が認知機能に良い影響を与える可能性が示されてきました。しかし、これまでの研究の多くは、主に認知課題の成績変化といった行動面から評価されており、認知課題を実施している際の脳の活動そのものにどのような変化をもたらしているのかは、十分に明らかにされてきませんでした。有酸素運動によって、認知課題を実施している際の脳活動がどのように変化するのかを明らかにできれば、運動が脳にどのように働きかけているかの理解が進み、より効果的な介入方法の開発につながると期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研は、超高齢社会における健康寿命の延伸を実現するため、運動や生活習慣が脳や認知機能に与える影響の解明と、その知見の社会実装に向けた研究開発に取り組んでいます。特に、日常生活に取り入れ可能な簡便な介入手法の確立を目指しています。これまで、脳の構造や活動を高い精度で計測可能な磁気共鳴画像法（MRI）を用いた評価により、運動や加齢が脳に与える影響を可視化する技術の高度化を進めてきました。[1]&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これまでに、有酸素運動前と比べて、運動後に認知課題の成績が向上することが報告されていますが、有酸素運動の前後で、認知課題を実行している際の脳活動がどのように変化するのかについて十分に明らかにされてきませんでした。運動による脳活動変化を捉えるには、「運動」と認知課題を繰り返すことで生じる「課題反復」の影響を区別する必要があります。そのためには、運動の前後に認知課題中の脳活動を計測することに加えて、比較対照となる安静条件の前後でも繰り返し脳活動を測定する研究デザインが求められます。しかし、こうした脳活動の反復した計測には時間的・経済的コストがかかるため、このような研究デザインを実施できる研究環境は限られています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
そこで本研究では、産総研における反復的な脳活動計測が可能な研究環境を生かし、先端イメージングである機能的MRI（fMRI）を用いて、有酸素運動と課題反復が認知課題中の脳活動に与える影響を分離して評価できる研究デザインを導入しました。そして、運動そのものが認知課題中の脳活動にどのような変化をもたらすのかを明らかにすることを目指しました。なお、本研究開発は、独立行政法人日本学術振興会（JSPS）科学研究費助成事業「基盤研究B」（23K24748、25K21803）、「若手研究」（24K20656）および、公益財団法人明治安田厚生事業団による支援を受け、米国University of Texas Southwestern Medical Centerとの共同研究として実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 研究の内容 
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、健常な若年者17名（平均年齢25歳）と高齢者19名（平均年齢62歳）を対象としました。研究デザインには、被験者内クロスオーバーデザインを採用し、各参加者は異なる日に、「運動介入」条件および「安静介入」条件の両方に参加しました。まず、運動、安静介入の前に、fMRIを用いて認知課題中の脳活動を測定しました。認知課題には、状況に応じて判断ルールを切り替える「タスクスイッチング課題」を用いました。本課題では、同一ルールを一定期間繰り返し適用する課題ブロックとルールを切り替えながら遂行する課題ブロックをランダムに実施するブロックデザインを採用しました。参加者は、MRI装置内の画面に表示される指示に従い、異なるルールを切り替えながら、できるだけ早く間違えないように回答しました。課題成績として、正答率と反応時間を評価しました。その後、運動条件では、有酸素運動として、トレッドミルを用いた30分間の中強度ウォーキングを行い、安静条件では同じ時間座って過ごしました。運動介入後および安静介入後にも認知課題中の脳活動の測定を2回（介入後15分、介入後45分）行い、介入前後の3回にわたって、脳活動と課題成績を評価しました。脳活動の指標には、fMRIにより得られる血中酸素濃度依存信号（Blood oxygenation level-dependent signal：BOLD信号）を用いました。ブロックデザインに基づき、認知課題ブロックと課題ブロック間の休止時間との変化量を算出し、条件（運動介入条件と安静介入条件）、時間経過および課題反復回数（介入前［1回目］・介入後15分［2回目］・介入後45分［3回目］）、年齢（若年者・高齢者）の影響を統計的に検討しました。認知課題を繰り返すことによる影響は、運動介入条件と安静介入条件の両方で共通して生じる一方、運動による影響は運動介入条件のみで追加されます。そのため、両介入条件における脳活動を比較することで、課題反復による影響と運動そのものによる影響を統計的に分離して評価することが可能となります（図1）。この手法により、個人差の影響を最小限に抑えつつ、時間の経過や日内変動の影響を補正し、運動と課題反復がそれぞれ認知課題中の脳活動に与える影響を評価しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
その結果、安静介入では、介入前および介入後15分と比べて、介入後45分において、課題反復に伴い、認知課題中のBOLD 信号が脳全体で低下しました。一方、運動介入でも、介入前と比べて介入後には脳全体でBOLD 信号の低下が認められましたが、頭頂葉（右中心後回など）や前頭葉といった一部の脳領域では、介入後15分および介入後45分の時点においても、BOLD信号の低下は認められず、認知課題中の脳活動が維持されました（図2）。これらの結果から、有酸素運動が認知課題中の脳活動のパターンを変化させる可能性を、本研究において初めて明らかにしました。一方で、認知課題の成績（正答率と反応時間）は、課題の反復に伴って、安静介入、運動介入の両条件で同程度に向上し、運動による特異的な改善は認められませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、安静介入と運動介入の合計6回（介入前2回、介入後15分2回、介入後45分2回）の測定データを統合し、課題反復に伴う影響について、より詳細に検討したところ、若年者・高齢者のいずれにおいても、広い脳領域で認知課題中のBOLD信号の低下が認められました。一方で、運動の影響が認められた頭頂葉や前頭葉では、このような低下は認められませんでした。また、高齢者では、同一課題の反復により、反応時間の改善が認められました。さらに、高齢者では、課題反復によるBOLD信号の低下と反応時間の改善との間に正の相関が認められ、課題への慣れに伴う脳活動の変化が、課題処理の効率化と関連する可能性が示されました（図3）。一方で、若年者では、BOLD信号の変化と反応時間との間に明確な相関は認められず、課題反復に伴う脳活動変化と認知課題成績変化の関係性が高齢者とは異なる可能性が示唆されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究の意義は、これまで区別が困難であった「運動」と「課題反復」の脳活動への影響を分離して評価できる手法を用い、有酸素運動が認知課題中の脳活動のパターンを変化させることを示した点にあります。さらに、有酸素運動により認知課題の成績に大きな変化が認められない場合であっても、脳活動には変化が生じている可能性を示しました。これは、課題成績には変化が現れない段階でも、脳活動には変化が生じている可能性を示しており、「課題成績」だけでなく「脳活動そのもの」を指標とした評価の重要性を示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
運動による認知機能への効果は体感しにくく、その結果としてモチベーションの維持が難しく、運動の継続が困難となる場合があります。しかし、脳活動の変化を可視化することで介入効果を実感しやすくなり、運動の継続につながる可能性が期待されます。こうした取り組みは、将来的な認知機能低下の予防にも貢献すると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
加えて、高齢者では、認知課題の反復実施に伴う脳活動の変化が、課題処理の効率化と関連する可能性が示されました。この知見は、運動介入だけでなく、認知課題の反復実施による認知機能変化の理解にもつながり、高齢者の認知機能維持を支える介入方法の開発への応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、単回の有酸素運動によって生じる脳活動の変化が長期的な認知機能の維持にどのように寄与するかを明らかにし、日常生活に取り入れ可能な認知機能維持・向上手法の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
さらに、加齢による影響や課題反復の影響を考慮した脳活動評価手法の高度化を進め、運動や認知トレーニングによる介入効果を適切に評価できる技術の確立を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of Magnetic Resonance Imaging&lt;br /&gt;
論文タイトル：Effects of Acute Aerobic Exercise and Task Repetition on the Neural Correlates of Executive Function in Young and Older Adults: A Crossover fMRI Study&lt;br /&gt;
著者：Ryota Asahara, Marina Fukuie, Daisuke Hoshi, Junyeon Won, Rong Zhang, Jun Sugawara, Takashi Tarumi&lt;br /&gt;
DOI：10.1002/jmri.70329&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1]Tarumi T, Tomoto T, Sugawara J, Zhang R. Aerobic Exercise Training for the Aging Brain: Effective Dosing and Vascular Mechanism. Exerc Sport Sci Rev. 2025, vol. 53, no. 1, p. 31-40. DOI: 10.1249/JES. 0000000000000349.&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
磁気共鳴画像法（MRI）&lt;br /&gt;
磁気とラジオ波を利用して体内の水素原子の挙動を捉え、主に解剖学的構造を画像化する技術である。放射線を用いず非侵襲的に断面画像を取得できるため、医療現場で広く用いられている検査法である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
機能的磁気共鳴画像法（fMRI）&lt;br /&gt;
磁気共鳴画像法（MRI）を用いて血流動態の変化を検出し、脳の神経活動を間接的に評価する手法である。非侵襲的にヒトの脳機能を計測できる代表的な脳機能イメージング法の一つである。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
クロスオーバーデザイン&lt;br /&gt;
同一の被験者が複数の条件を異なる時期に順番を変えて受ける実験デザインである。個人差の影響を抑えつつ、条件間の比較を高精度に行うことが可能である。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
血中酸素濃度依存信号（BOLD信号）&lt;br /&gt;
神経活動に伴う血流変化により、脱酸素化ヘモグロビン量が変化することで生じるMRI信号の変化である。fMRIにおいて脳活動を間接的に反映する指標として広く用いられている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
頭頂葉&lt;br /&gt;
大脳皮質の一領域であり、視覚や体性感覚など多様な感覚情報の統合に関与する部位である。空間認知や身体の位置把握など、高次の認知機能に重要な役割を果たすとされる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
前頭葉&lt;br /&gt;
大脳の前方に位置する領域であり、意思決定、注意、実行機能などの高次認知機能を担う部位である。運動の計画や制御、社会的行動の調整にも深く関与する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260611/pr20260611.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260611/pr20260611.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202606100655/_prw_PI1im_R1gj9ML3.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>瀬戸内海燧灘（ひうちなだ）において海底活断層の分布を明らかに</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605289857</link>
        <pubDate>Fri, 29 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 瀬戸内海燧灘（ひうちなだ）全域を対象とした詳細な海底活断層調査を初めて実施 ・ 国の活断層評価などで見落とされていた海底活断層を確認し、地震災害リスクを明確化 ・ 地震被害想定・防災計画...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ 瀬戸内海燧灘（ひうちなだ）全域を対象とした詳細な海底活断層調査を初めて実施&lt;br /&gt;
・ 国の活断層評価などで見落とされていた海底活断層を確認し、地震災害リスクを明確化&lt;br /&gt;
・ 地震被害想定・防災計画などに活用され、沿岸域の地震防災・減災に貢献すると期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）活断層・火山研究部門 大上 隆史 研究グループ長、宮下 由香里 副研究部門長および地質情報研究部門 佐藤 智之 主任研究員は、瀬戸内海燧灘（ひうちなだ）において海底活断層の詳細な分布を明らかにしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日本では、海底活断層で起こる大地震に伴って、沿岸域を中心に甚大な地震災害が繰り返し発生してきました。こうした地震災害に備えるため、産総研では海底活断層に関する地質情報の取得・整備を継続的に実施しています。本研究では、燧灘の全域を対象とした詳細な海底活断層調査を初めて実施し、国の活断層評価等が行われていない海底活断層の存在を確認するとともに、その正確な位置を明らかにしました。「調査の空白域」とされてきた海域における活断層の存在が確認されたことにより、これまで見落とされていた地震災害リスクが明確になりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、海底活断層の正確な分布を明らかにしたことにより、大地震が発生する場所や地震の規模を推定できるようになりました。今後は、過去の大地震の履歴を明らかにする調査を行い、将来の地震発生確率の評価につなげていきます。本研究で取得した海底活断層に関する情報は、地震被害想定や地域防災計画の策定などを通じて、沿岸域における地震防災・減災に貢献します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この研究の詳細は、2026年5月29日に「JpGU-AGU Joint Meeting 2026」で発表されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
2024年能登半島地震は海底活断層を震源とする大地震で、沿岸域を中心に甚大な被害をもたらしました。このような海底活断層を震源とする大地震による地震災害は、日本の沿岸域で繰り返し発生してきました。こうした地震災害に備えるため、国（政府の地震調査研究推進本部）は海底活断層の調査を推進し、大地震の評価を進めてきました。しかし、国が2016年に公表した「中国地域の活断層の長期評価」[2]および2017年に公表した「四国地域の活断層の長期評価」[3]において、瀬戸内海燧灘およびその周辺の海域に海底活断層は示されていません。その背景には、燧灘において海域全体を対象とした網羅的な海底活断層調査がこれまで十分に実施されてこなかったことがあります。2000年代前半には燧灘に海底活断層が存在する可能性が報告されていますが、調査範囲が限定的であり、海域全体の海底活断層の有無や活動性の把握には至っていません。このため、燧灘はいわゆる「調査の空白域」となっていました。地震災害リスクを正確に把握するためには、海底活断層の分布など、地質情報・活断層情報を速やかに整備することが極めて重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、2007年度から重点課題として「沿岸地域の地質・活断層調査」[4]に取り組むなど、日本全国の沿岸海域における活断層情報を継続的に整備してきました。瀬戸内地域は十分な活断層調査が実施されていない海域であり、詳細が不明な海底活断層が残されていることから、2022年度から「防災・減災のための高精度デジタル地質情報の整備事業」[5]の一環として、瀬戸内海の周防灘および伊予灘における活断層情報の整備に取り組みました。さらに、2025年度からは「沿岸域の地震防災・減災に資する高精度地質情報の整備事業」[6]を開始し、「調査の空白域」となっていた瀬戸内海燧灘の全域を対象とした詳細な活断層調査を初めて実施しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
燧灘における海底活断層の分布を確認するため、 2025年10月から11月にかけて[※] 、海底面下の地質構造を検討するための反射法音波探査を燧灘の全域において実施しました（図1）。その結果、燧灘の西部および東部に海底活断層が存在することを確認しました（図2、3）。これらの断層は25 km程度またはそれ以上の長さを有しており、地震の際には断層の北西側が相対的に高まるような「ずれ」が繰り返し生じてきたことが明らかになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
[※] 本文中の調査期間を訂正しました（2026年6月3日）。&lt;br /&gt;
【訂正前】2025年11月から12月にかけて&lt;br /&gt;
【訂正後】2025年10月から11月にかけて&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、燧灘に分布する海底活断層の過去の活動について、具体的な活動時期、活動頻度を明らかにするための掘削調査を進める予定です。これらの海底活断層で起こりうる将来の大地震の発生確率などに関する情報を速やかに整備することにより、沿岸地域の地震防災・減災へのさらなる貢献を目指します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
学会情報
学会名：JpGU-AGU Joint Meeting 2026&lt;br /&gt;
発表タイトル：High-resolution seismic reflection survey at the Hiuchi-nada and adjacent seas, central part of the Seto Inland Sea, western Japan&lt;br /&gt;
著者：Takashi OGAMI, Tomoyuki SATO, Yukari MIYASHITA, Ikuhisa ADACHI, Masashi MATSUDA,&lt;br /&gt;
Tsubasa SEKIGUCHI, Masayoshi SATO, Moeko TAKAHATA, Takashi SATO&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考情報
[1]　産業技術総合研究所(2025) 活断層データベース 2025年9月30日版 &lt;a href=&quot;https://gbank.gsj.jp/activefault/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://gbank.gsj.jp/activefault/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[2]　地震調査研究推進本部地震調査委員会.「中国地域の活断層の長期評価（第一版）」2016, 70p.&lt;br /&gt;
[3]　地震調査研究推進本部地震調査委員会.「四国地域の活断層の長期評価（第一版）」2017, 57p.&lt;br /&gt;
[4]　産総研地質調査総合センター 沿岸地域の地質・活断層調査&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gsj.jp/researches/project/coastal-geology/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gsj.jp/researches/project/coastal-geology/index.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[5]　産総研地質調査総合センター 防災・減災のための高精度デジタル地質情報の整備事業&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gsj.jp/researches/project/resilience/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gsj.jp/researches/project/resilience/index.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
[6]　産総研地質調査総合センター 沿岸域の地震防災・減災に資する高精度地質情報の整備事業&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.gsj.jp/researches/project/setouchi/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.gsj.jp/researches/project/setouchi/index.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
中国地域の活断層の長期評価・四国地域の活断層の長期評価&lt;br /&gt;
政府の地震調査研究推進本部の下に設置されている地震調査委員会が、中国地域・四国地域に分布する活断層で発生する地震を総合的に評価したもの。陸域及び沿岸海域に分布する活断層で生じるM6.8以上の地震を主対象とし、地震の規模、発生確率などを予測している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
反射法音波探査&lt;br /&gt;
海水面の近くで人工的に音波パルスを発振し、海底面および海底面下の地層境界で反射して再び海水面へ戻ってきた音波を受振することにより、海底の地形および海底面下の地質構造を調べる手法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260529/pr20260529.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260529/pr20260529.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107968/202605289857/_prw_PI1im_u518912Y.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>麹菌に有用物質の“設計図”を素早く読み込ませる方法</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605269691</link>
        <pubDate>Thu, 28 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ 長大な生合成遺伝子を24のDNA断片に分けてPCRで調製、それらを混合して麹菌細胞に一度に導入するだけで元の1本の長大な生合成遺伝子を再現できることを確認 ・ クローニングや複数回の遺伝...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント　&lt;br /&gt;
・ 長大な生合成遺伝子を24のDNA断片に分けてPCRで調製、それらを混合して麹菌細胞に一度に導入するだけで元の1本の長大な生合成遺伝子を再現できることを確認&lt;br /&gt;
・ クローニングや複数回の遺伝子導入が不要となるため、別の生物の二次代謝産物を麹菌で異種生産する際の課題だった生合成遺伝子の移植期間の短縮が可能&lt;br /&gt;
・ バイオものづくり技術による医薬品・農薬・機能性材料の迅速かつ安全な安定生産に貢献&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要　
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）バイオものづくり研究センター 玉野 孝一 主任研究員、細胞分子工学研究部門　工藤 慧 主任研究員、末永 光 研究グループ長、モレキュラーバイオシステム研究部門　新家 一男 キャリアリサーチャーらは、麹菌への多重相同組み換えによる長大な生合成遺伝子の簡便で迅速な移植技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
バイオテクノロジーを活用して植物や微生物が生産する二次代謝産物を医薬品・農薬・機能性材料として利用するにあたっては、その生産性向上が不可欠です。そこで、有用物質の“設計図”ともいえる生合成遺伝子を、生産性の高い異なる種の微生物に移植して生産させる「異種生産」という手法があります。異種生産の宿主としてさまざまな微生物が用いられる中、麹菌（別名コウジカビ）は安全で、物質生産の能力が高く、RNAスプライシング能力を備え植物やカビ、キノコといった同じ真核生物の遺伝子を働かせるのに適していることから、宿主の有力候補の一つです。しかし、麹菌への生合成遺伝子の移植には時間と手間がかかることが問題でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、6.3万の塩基配列（= 63 kb）を持つ生合成遺伝子を24のDNA断片に分けてPCRで調製、それらを混合して麹菌細胞に一度に導入するだけで、42コロニーのうち13コロニーで、元の1本の長大な生合成遺伝子の再現に成功しました。従来技術では必要だったクローニングや複数回の遺伝子導入が不要となるため、麹菌への生合成遺伝子の移植期間を30日間と、従来技術のおよそ4分の１に短縮できます。この技術により、バイオテクノロジーを活用した有用物質の生産において、異種生産の宿主としての麹菌の利用が進むと期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、この技術の詳細は、2026年5月7日に「Applied Microbiology and Biotechnology」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
微生物の生産する二次代謝産物の中には医薬品・農薬・機能性材料として有用な物質があり、その安定供給・大量生産はバイオテクノロジーの重要なテーマです。生産性向上の手段の一つとして、ある微生物の生産する二次代謝産物の生合成遺伝子を生産性の高い別種の微生物に移植して生産させる「異種生産」があります。ただし、生産させたい有用物質の“設計図”ともいえる生合成遺伝子は長大で、数万におよぶ塩基配列を持つものが多く、その移植には膨大な期間と手間が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
麹菌は日本酒・醤油・味噌の製造で重要な役割を果たす糸状菌（カビ）であり、抗生物質などの二次代謝産物は元々ほとんど作らず、他の生物からの遺伝子移植による物質生産を行う場合に精製の障害となる不純物が少ない点で、他の糸状菌と比較して優れています。長く食品に用いられており安全性も高いため、二次代謝産物を工業的に生産できるようにする異種生産の宿主として有力です。一方で、大腸菌などに比べると、生活環（ライフサイクル）がやや複雑で増殖も遅いため、遺伝子の移植に長い期間がかかります。従来技術では、麹菌に対して63 kbの塩基配列を持つ生合成遺伝子を移植するのに、およそ130日かかると試算されます。加えて、移植成功後も生産性向上のための改良に時間を要することから、迅速な遺伝子移植技術が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研ではこれまでに、麹菌に医薬品などで有用な物質を多く生産させる技術について研究してきました。麹菌が元々生産する物質で有用なものには、アミラーゼやプロテアーゼといった加水分解酵素、またコウジ酸という化合物などがありますが、それらは組み換えにより麹菌の遺伝子自体を改良することで、生産量を高めることができます。一方、麹菌が元々生産しない物質は、それを作るために必要な遺伝子を他の生物から麹菌に移植することで生産できるようになります。ただし植物など、医薬品などに利用できる可能性のある物質を生産する生物では、その生産に際して一般的に3個～20個以上の個別の役割を持つ遺伝子が働く必要があります。遺伝子が多いということは、それだけ生合成遺伝子が長くなってしまい、一般的に数十kbから数百kbもの長さになります。そのような長大な生合成遺伝子を麹菌に移植することは、大変な期間と手間のかかる作業でした。そこで私たちは、有用物質の生産に必要な生合成遺伝子を効率的に麹菌に移植する技術の開発に取り組んできました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
物質生産に優れた麹菌に、従来技術で行うよりも格段に短い期間と少ない手間で、医薬品や農薬などに有用な物質の生産に必要な長大な生合成遺伝子を導入する技術を開発しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回対象としたある二次代謝産物の生合成遺伝子は、8遺伝子からなり63 kbもの長さを有します（図1）。これを24個に分けて、全ての両末端に相同組み換えのための重複配列を1 kbずつ付加したDNA断片をPCRにより調製しました。また麹菌は、細胞内に二つ以上のDNA断片が存在する場合、それらをランダムに結合する非相同末端結合と、重複する配列を手がかりに結合する相同組み換えというしくみを備えています。本研究では、あらかじめ相同組み換えのみが起こるように麹菌も改変しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
改変型麹菌に、24個のDNA断片を等モル量で混合してから導入した結果、生育してきた42個のコロニーのうち13個のコロニーで、これらのDNA断片が正しく1本の長大な形に連結されて、染色体の標的部位に組み込まれていました。この導入株を液体培養した結果、目的の二次代謝産物が麹菌で生産されるようになったことを確認でき、設計図通りに生合成遺伝子が麹菌に移植されたことが証明されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
従来は遺伝子クローニングやその後複数回の形質転換とマーカー除去という遺伝子導入の作業を経て、少しずつ生合成遺伝子を麹菌に移植してきました。本研究では、クローニングを行わず、しかも一度の遺伝子導入で生合成遺伝子を移植することができました。その結果、従来よりも少ない手間で、かつ約4分の1の短期間で、目的の有用物質の生産株を作出できることを見いだしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、別の生物に由来する遺伝子8種類を麹菌で稼働させるため、それぞれの遺伝子上流領域を本来のものから麹菌で常に高発現するものに置き換えました。このような置き換えも、従来のようにクローニングを必要とせず、人工遺伝子合成とPCRのみで実現できるため、作業の時間と手間を削減できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
過去には麹菌とは別種の糸状菌で、同様の手法で5個のDNA断片を混合して導入し、20 kbもの生合成遺伝子を細胞内で組み立てた報告があり[1]、これが本研究以前の最多DNA断片数かつ最長生合成遺伝子の導入記録でした。それと比べると、本研究はDNA断片数が4倍以上、生合成遺伝子長が3倍以上です。そのような数でも長大な生合成遺伝子が一度の遺伝子導入だけで麹菌細胞内で組み立てられることがわかりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回対象の物質であれば、従来技術を用いた場合[2]は最初の形質転換から完成までに作業日数は最低でも130日かかったと見込まれます（図2）。本技術ではそれが約30日に短縮できました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究により、麹菌を用いて医薬品・農薬・機能性材料などに有用な物質を生産させるための生合成遺伝子の移植を短期間で行うことが可能になります。その結果、化学合成では高コストで長い期間がかかったり、化学合成そのものが困難であったりする物質の麹菌による生産が、従来よりもずっと簡単で迅速にできるようになります。麹菌は毒素を作らず安全な菌であることから、微生物による安価で安心な有用物質生産が、より現実的になると考えられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
今後は、長大な生合成遺伝子を要する別種の有用物質をターゲットとし、本研究で開発した移植技術による麹菌の異種生産株の構築を進めます。また、麹菌で有用物質が生産できるようになれば、次に生産量を増やす方向で菌の改良にも取り組みます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Applied Microbiology and Biotechnology&lt;br /&gt;
論文タイトル：One-step in vivo assembly of a 63 kb-long biosynthetic gene cluster via multiple recombination in Aspergillus oryzae&lt;br /&gt;
著者：Koichi Tamano, Haruka Takayama, Ikuko Kozone, Yukiko Abe, Akio Kanda, Kei Kudo, Hikaru Suenaga, Kazuo Shin-ya&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1007/s00253-026-13845-7&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1007/s00253-026-13845-7&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
相同組み換え&lt;br /&gt;
細胞内で同じ塩基配列のDNA領域がある一定の長さで二つ存在すると、その二つの間でDNAの乗り換えが起きる。学術的には交差ともいわれる。その機能を用いることで、外部より導入したDNAを麹菌の染色体DNAに組み込んだり、外部より導入したDNAが2種類以上あればそれらを連結したりすることができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
二次代謝産物&lt;br /&gt;
生物が生きていくうえで必須の細胞内の化合物は一次代謝産物と呼ばれる。これに対し、それ以外の生きていくうえで必須でない化合物が二次代謝産物になる。ただし生きるうえで必須でないから存在意義のない化合物とはいえず、実際は他の生物の生育を抑えて自らの生育環境を守るための物質（抗生物質）や、紫外線からの遺伝子損傷を防ぐための物質（色素）など、その生物が自然界で有利に生育するのに必要な物質が二次代謝産物に含まれる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
RNAスプライシング&lt;br /&gt;
動物や植物、また菌類の中でも高等なカビやキノコ、酵母などでは、細胞内でDNAは核という小器官に収められて存在している。そのことから、真核生物と呼ばれ、核を持たない細菌などの原核生物と区別される。真核生物の遺伝子が働く際、DNAから転写でRNAができた後、RNAの中でタンパク質に翻訳されるのに必要な領域だけが切り取られ、連結される。そのようなRNAの必要な領域だけを切り取り、それらだけを一つに再度つなげる真核生物に特有の細胞機能をRNAスプライシングと呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
PCR（Polymerase Chain Reaction）&lt;br /&gt;
遺伝子を実験室レベルで増幅する技術。生物から抽出した遺伝子は微量であることが多く、それを実験で取り扱うために増やす必要がある。PCRの技術を用いれば、目的の遺伝子だけを実験室で増やすことができる。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
コロニー&lt;br /&gt;
微生物を寒天培地などの表面で生育させると、元々は一つの細胞であったものが分裂により増殖を繰り返すことで、肉眼でも観察できるくらいに大きな集団となる。この集団をコロニーと呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
遺伝子上流領域&lt;br /&gt;
遺伝子はDNAからRNAへの転写、そしてRNAからタンパク質への翻訳を経て、機能を発揮する。そのためには、転写をつかさどるRNAポリメラーゼ、また翻訳をつかさどるリボソームが遺伝子に結び付く必要がある。その結び付きに必要なDNA領域は、遺伝子のすぐ上流の1 kb前後の領域となり、その領域を遺伝子上流領域と呼ぶ。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
人工遺伝子合成&lt;br /&gt;
遺伝子を人工的に合成する技術。これまでは有用な機能を持つ遺伝子を利用したい場合、その遺伝子を持つ生物またはその生物のDNAを入手しなければ利用することができなかった。しかしこの技術が開発されたことで、有用な遺伝子の塩基配列の情報さえあれば、その情報を元にその遺伝子のDNAを人工的に合成することができるようになった。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考文献
[1] Kirchgaessner et al.(2023) A genetic tool to express long fungal biosynthetic genes, Fungal Biology and Biotechnology, 10:4&lt;br /&gt;
[2] Yoshimi et al.(2018) Heterologous production of a novel cyclic peptide compound, KK-1, in&amp;nbsp;Aspergillus oryzae, Frontiers in Microbiology, 9:690&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260528_2/pr20260528_2.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260528_2/pr20260528_2.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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    <item>
        <title>標準的な製法×新組成設計で、より硬くて変形しにくいガラスに</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202605269680</link>
        <pubDate>Wed, 27 May 2026 14:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>産総研</dc:creator>
        <description>ポイント ・ ガラスの標準的な製法である溶融法を用いて、変形しにくく硬いガラスを従来よりも低温で実現 ・ 硬いガラスの実現と希少金属含有量の低減を両立 ・ 従来よりも硬いガラス繊維や、より薄くて硬い板...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
ポイント&lt;br /&gt;
・ ガラスの標準的な製法である溶融法を用いて、変形しにくく硬いガラスを従来よりも低温で実現&lt;br /&gt;
・ 硬いガラスの実現と希少金属含有量の低減を両立&lt;br /&gt;
・ 従来よりも硬いガラス繊維や、より薄くて硬い板ガラスへの展開に期待&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下「産総研」という）材料基盤研究部門 光機能材料創発研究グループ 正井 博和 研究グループ長は、標準的なガラス製造法を用いながらもヤング率130 GPaを超える透明な酸化物ガラスの組成を見いだしました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ガラスは、スマートフォンやモニターのディスプレイ、電子回路基板、構造材用のガラス繊維など、現代社会を支える基盤材料のひとつです。用途に応じて自在に成形・加工できることが大きな特徴で、求められる性能も用途ごとに異なります。例えば、カバーガラスには薄さや透明性が求められ、ガラス繊維には樹脂や建材に強度を付える役割が求められます。さらに近年では、「より薄く、より強く」──その両立が可能な新しいガラスが求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本研究では、ガラス製造で標準的な溶融法を用いながらも、一般的なガラスの主成分として用いられる二酸化ケイ素（SiO2）をほとんど含まない組成を設計することで、既往の報告よりも高いヤング率（137 GPa）を達成する硬いガラスを作製しました。この手法は、大型ガラスやガラス繊維の作製にも適用可能です。なお、この技術の詳細は、2026年5月1日に「Journal of the Ceramic Society of Japan」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
下線部は【用語解説】参照&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。&lt;br /&gt;
正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ&lt;br /&gt;
（ &lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260527/pr20260527.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260527/pr20260527.html&lt;/a&gt; ）をご覧ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の社会的背景
現在、私たちの暮らしの中には、ガラスを用いた製品が数多く存在しています。特に近年では、スマートフォンやPCモニターで使われるディスプレイ用のガラスなどの新たな用途の拡大により、ガラスに求められる性能は年々高度化しています。例えば、スマートフォン向けのガラスには、「より薄く」「より強く」といった特性が一層強く求められています。また、樹脂や建材などに強度を与える材料として活用されるガラス繊維にも、同様に優れた機械的特性が不可欠です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
市販されている強化ガラス、例えば化学強化ガラスや物理強化ガラスは、ガラスの表面に圧縮応力をかけることで表面に生成した傷が広がりにくくなるよう、強度が高められています。しかし、こうした高強度化は、ガラス製造と別に強化処理が必要であるため、材料自体が高強度を有するガラスの実現が長年求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
これまで、材料自体が硬く傷の付きにくいガラスの製造には、ガラス化しにくい原料を高温で溶かすためのレーザーの照射、あるいは高価な希少金属を一定量以上使用した組成とする必要がありました。そのため、より低温かつ低コストで作製できるガラス製法が求められていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の経緯
産総研では、ガラスを中心とした非晶質材料について、既存のガラスにはない付加価値を有する新規ガラス材料の開発を目指して研究を進めてきました。ガラスの製造は、珪砂やソーダ灰、石灰などの原料を炉で約1500〜1600&amp;nbsp;℃の高温に加熱して溶かす溶融法が主流です。今回、産業界で幅広く用いられているこの溶融法を用いつつも、ガラスの組成を詳細に検討することにより、高いヤング率を有するガラスを作製しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
なお、本研究開発は、独立行政法人日本学術振興会 学術変革領域研究(A)&amp;nbsp;「超秩序構造が創造する物性科学（20H05882、2020～2024年度）」、科学研究費助成事業 基盤研究（B）（22H01785、2022～2024年度）による支援を受けています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の内容
図１には、これまでに報告されている各種ガラスについて、ガラスの溶融温度とヤング率との関係を示します。高いヤング率を示すガラスを得るためには、酸化アルミニウム（Al2O3）や酸化チタン（TiO2）のような結合解離エネルギーの高い原料を用いる必要がありますが、これらの融点が高いために溶融法で作製することは困難です。このため、局所的に非常に高い温度を発生させることが可能な、レーザーの照射による加熱溶融が必要です。しかし、加熱領域が限定されることから、得られる試料は数ミリメートル程度に限られています。溶融法で作製するために、結合解離エネルギーの高い原料と、一般的なガラス材料として最も広く用いられているSiO2とを組み合わせた、SiO2系高弾性ガラスの報告もなされています。しかし依然として、1600&amp;nbsp;℃以上の溶融温度が必要でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回、より低温での作製を達成するため、SiO2よりもはるかに低温で融解する三酸化二ホウ素（B2O3）を選択しました。さらに、より低コストでの作製を達成するため、結合解離エネルギーの高い原料の種類と割合を検討しました。その結果、約1400～1600&amp;nbsp;℃の溶融温度で130&amp;nbsp;GPa以上のヤング率を有するガラスを作製できました。得られたヤング率は、光学カメラレンズなどで一般的に用いられているBK7に代表されるようなB2O3–SiO2系ガラスよりも約2倍高い値になります（図1）。さらに、希少金属酸化物の含有量を低くでき、これまでより低コストで作製が可能になりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今回得られた透明な高弾性ガラスは、図２の試作品で示すように大面積化が可能です。高いヤング率と比較的低温で成型できる温度特性を兼ね備えており、超薄板ガラスからガラス繊維、複雑形状のガラスまで幅広く作製することができます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の予定
本研究ではガラス組成の検討により、硬く傷の付きにくいガラスの開発に成功しました。一方で、表面の傷つきに対する強さとは別に、強い衝撃などで割れやすいというガラス特有の脆い性質については依然として改善の余地があります。今回実現した硬さに加えて、脆さの改善を両立できれば、ガラスの弱点を克服する、「割れないガラス」の誕生が期待できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
ガラスは、身の回りから最先端の部材まで、社会を広く支える基盤材料です。今回開発したガラスは、BK7に代表される一般的な光学ガラスに比べて原料コストが高いため、幅広い普及に向けて、より安価な材料を用いた組成の開発を引き続き進めていきます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
論文情報
掲載誌：Journal of the Ceramic Society of Japan&lt;br /&gt;
論文タイトル：High-modulus Oxide Glasses Fabricated by the Melt-quenching Method&lt;br /&gt;
著者：Hirokazu Masai&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.2109/jcersj2.26015&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.2109/jcersj2.26015&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説
ヤング率&lt;br /&gt;
材料の変形しにくさを示す特性。単位はPa（パスカル）。標準的なガラスは80&amp;nbsp;GPa程度であり、100&amp;nbsp;GPaを超えるガラスは、一般に硬いガラスに分類される。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
溶融法&lt;br /&gt;
ガラスの一般的な作製法。主として混合した粉末材料を高温の電気炉中で溶かし、その後、液体状態から急冷することでガラスを得る方法。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
強化ガラス&lt;br /&gt;
ガラス表面に圧縮応力（縮もうとする力がかかっている）層、内部に引張応力（広がろうとする力がかかっている）層を導入することによって、表面に生成した傷が広がりにくくなり、割れにくい特徴を有する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
化学強化ガラス&lt;br /&gt;
ガラスの構成成分の１つであるナトリウムイオンを、表面近傍で、よりイオン半径の大きなカリウムイオンに置換することによって、表面に約数十マイクロメートルの圧縮層を形成させ、割れにくくしたガラス。一旦作製したガラスを、カリウムが含まれる溶液に一定時間漬けることによって圧縮層を形成する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
物理強化ガラス&lt;br /&gt;
数ミリメートル以上の厚さを有する板状のガラスをガラス転移温度以上から急冷することによって、表面付近に圧縮応力を付与したガラス。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
溶融温度&lt;br /&gt;
主に粉末原料を高温で加熱することによって、均一な液体状のガラスを得るための温度。一般的な板ガラスでは、粘度をηとした際にlogη=2になる温度。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
結合解離エネルギー&lt;br /&gt;
化合物中の原子同士を結び付けている化学結合を切断するのに必要なエネルギー。この値が高いほど、結合は切れにくく安定している。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
SiO2ガラス&lt;br /&gt;
シリカガラスとも呼ばれるSiO2のみを成分としたガラス。極めて高い安定性と高い透明性を有し、光ファイバーや半導体分野等で必須の材料となっている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
BK7&lt;br /&gt;
光学用途で幅広く用いられる一般的なホウケイ酸塩ガラス(B2O3とSiO2を原料として含むガラス)。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プレスリリースURL&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260527/pr20260527.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2026/pr20260527/pr20260527.html&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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