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    <title>法人別リリース</title>
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        <title>高齢者の高血圧治療薬選択が認知症リスクに関連</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608214512</link>
        <pubDate>Fri, 21 Aug 2026 12:10:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>【概要】 野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授、砂田寛司 鳥取大学医学部附属病院講師らの研究グループは、高齢者における高血圧治療薬の選択が、その後...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
【概要】&lt;br /&gt;
　野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授、砂田寛司 鳥取大学医学部附属病院講師らの研究グループは、高齢者における高血圧治療薬の選択が、その後の認知症発症リスクに与える影響について分析を行いました。&lt;br /&gt;
　認知症の予防は、世界的に進行する高齢化社会における最重要課題の一つです。新しい認知症治療薬の開発が進む一方で、すでに多くの高齢者が日常的に使用している薬剤の中に、認知症リスクを低減し得るものがあるかを明らかにすることは、公衆衛生上大きな意義を持ちます。&lt;br /&gt;
　本研究では、日本の自治体が保有する医療・健診情報を統合した500万人規模の大規模医療データベースであるLIFE Study※1をもとに、最新のデータサイエンスの方法である標的試験エミュレーション※2による、アンジオテンシン受容体拮抗薬※3（angiotensin receptor blockers; ARB）とカルシウム拮抗薬※4（calcium channel blockers; CCB）の比較分析を行いました。標的試験エミュレーションは、リアルワールドの医療ビッグデータから、可能な限り理想的なランダム化臨床試験※5を再現するための統計的因果推論※6の方法です。&lt;br /&gt;
　その結果、65歳以上で認知症のない高齢者52,019人のうち、ARBによる治療を新たに開始した群では、CCBによる治療を新たに開始した群と比較して、全認知症の発症リスクが有意に低いことが示されました。追跡期間中の血圧は両群でほぼ同等であったことから、この差は単なる血圧低下効果だけでは説明しにくく、ARBが持つ脳血管保護作用などが関与している可能性が示唆されます。特に、血管性認知症※7では、ARB群でリスクがより大きく低下していました。&lt;br /&gt;
　本研究は、高齢者が日常診療で広く使用している降圧薬の選択が、認知症予防につながる可能性を示したものです。また、500万人規模の医療ビッグデータを高度なデータサイエンスの方法で解析することにより、通常の臨床試験では検証が難しい高齢者医療の重要課題に対して、現実社会に根ざしたエビデンスを創出できることを示しました。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年8月20日に国際学術誌「Alzheimer’s &amp;amp; Dementia: The Journal of the Alzheimer’s Association」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 図1：500万人規模のLIFE Studyを用いた高齢者の降圧薬選択と認知症リスクの比較研究&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　認知症は、健康寿命の延伸を阻む最大級の疾患の一つであり、本人の生活の質だけでなく、家族、介護、医療制度、社会保障全体に大きな負担をもたらします。世界的に高齢化が進む中で、認知症の発症を少しでも遅らせることができれば、個人・社会の双方に大きな利益をもたらすと考えられます。&lt;br /&gt;
　高血圧は、アルツハイマー病※8と血管性認知症の双方に関係する、代表的なリスク要因です。高血圧は、脳の大血管や小血管に負担をかけ、動脈硬化、白質病変、微小梗塞、血液脳関門の障害などを通じて、加齢に伴う認知機能低下に関与すると考えられています。&lt;br /&gt;
　これまで、多くの研究により、血圧を適切にコントロールすることが脳卒中や心血管疾患の予防に有効であることが示されてきました。一方で、降圧薬の「種類」の違いが、血圧低下とは独立して認知症リスクに影響するかについては、十分に明らかではありませんでした。&lt;br /&gt;
　ARBとCCBはいずれも、高齢者の日常診療で広く使われている代表的な降圧薬です。CCBは血管平滑筋へのカルシウム流入を抑えることで血管を拡張し、血圧を下げます。一方、ARBはアンジオテンシンIIの受容体を遮断することで、血圧低下に加え、炎症、酸化ストレス、血管内皮障害、微小血管障害などに関与する経路を抑制する可能性があります。これらの作用の違いが、脳血管の老化や認知症リスクに影響を与える可能性が考えられてきました。&lt;br /&gt;
　しかし、高齢者を対象に、認知症の発症を長期間追跡する大規模なランダム化臨床試験を実施することは容易ではありません。高齢者では、糖尿病、腎機能低下、心疾患、フレイルなど複数の併存疾患を持つことが多く、また認知症の発症までには長い時間を要するためです。&lt;br /&gt;
そこで本研究では、LIFE Studyに集積された大規模なリアルワールドデータを用いて、標的試験エミュレーションという最新のデータサイエンスの方法により、ARBを開始した場合とCCBを開始した場合を、あたかも理想的な臨床試験で比較したかのように分析しました。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 図２：標的試験エミュレーションで明らかになったARB群とCCB群の認知症病型別リスク比較&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究方法・成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、LIFE Studyに含まれる医療請求、診断、薬剤処方、入院、健診情報のデータベースを連結した解析を行いました。対象期間は2014年4月から2024年9月までで、19自治体、約505万人の住民情報が含まれています。解析対象は、65歳以上で、過去に認知症の診断がなく、ARBまたはCCBによる高血圧治療を新たに開始した高齢者です。最終的に、ARB群17,860人、CCB群34,159人、計52,019人が解析対象となりました。&lt;br /&gt;
　本研究では、治療開始時点での年齢、性別、BMI、血圧、脂質、腎機能、糖尿病、心血管疾患、脳卒中、うつ病、パーキンソン病、各種薬剤使用歴など、多くのバイアスを生じさせ得る背景要因を統計学的に調整しました。追跡期間の中央値は3.6年で、この間に3,524件の新規認知症が確認されました。主な結果は以下の通りです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・ARB群はCCB群に比べて、全認知症の発症リスクが有意に低かった&lt;br&gt;　ハザード比※9 0.916、95%信頼区間 0.852–0.985&lt;br /&gt;
・5年後の認知症累積発症率&lt;br&gt;　ARB群：8.0%&lt;br&gt;　CCB群：8.8%&lt;br&gt;　絶対差：0.8ポイント低下&lt;br /&gt;
・血管性認知症では、ARB群でより大きなリスク低下が認められた&lt;br&gt;　ハザード比 0.617、95%信頼区間 0.409–0.930&lt;br /&gt;
・アルツハイマー病については、ARB群で低い傾向は認められたものの、統計学的に有意な差には至らなかった&lt;br&gt;　ハザード比 0.930、95%信頼区間 0.849–1.018&lt;br /&gt;
・治療中の収縮期血圧および拡張期血圧は、両群でほぼ同等であった&lt;br&gt;　年間の血圧差はいずれも1 mmHg未満&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　これらの結果は、ARB群で認められた認知症リスクの低下が、単に「血圧がよりよく下がった」ことだけでは説明しにくいことを示しています。特に血管性認知症で強い関連がみられたことから、ARBが脳血管の老化、微小血管障害、血管内皮障害などに影響する可能性が考えられます。&lt;br /&gt;
　一方で、アルツハイマー病については、リスク低下の方向性はみられたものの統計学的に有意ではなく、病型によってARBの関連の強さが異なる可能性が示されました。また、本研究の結果は、CCBが認知症予防に無効または不適切であることを意味するものではありません。CCBは現在も重要な降圧薬であり、本研究は、同じように血圧を下げる薬剤の間でも、長期的な脳血管・認知機能への影響が異なる可能性を示したものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の意義】&lt;br /&gt;
　本研究の第一の意義は、高齢者が日常診療で広く使用している降圧薬の選択が、将来の認知症リスクに関連する可能性を、500万人規模の医療ビッグデータから示した点です。認知症予防というと、高価な新薬や特別な医療技術が注目されがちですが、本研究は、すでに多くの高齢者に処方されている既存薬の使い方を見直すことで、社会全体の認知症リスク低減につながる可能性を示しています。&lt;br /&gt;
　第二の意義は、ARBとCCBという、いずれも高血圧治療で広く用いられる薬剤を直接比較した点です。臨床現場では、まず血圧を適切に下げることが重要視されますが、本研究は、達成された血圧が同程度であっても、薬剤の作用機序の違いが認知症リスクに関係する可能性を示しました。特に、血管性認知症で強い関連が認められたことは、脳血管の保護という観点から重要です。&lt;br /&gt;
　第三の意義は、LIFE Studyという大規模医療データ基盤と、標的試験エミュレーションという高度なデータサイエンスの方法を組み合わせることで、通常の臨床試験では検証が難しい高齢者医療の課題に対し、リアルワールドに即したエビデンスを創出した点です。高齢者は併存疾患や薬剤使用が多様であり、臨床試験から除外されやすい集団でもあります。医療ビッグデータを適切に解析することで、こうした高齢者医療の「空白」に科学的根拠を与えることができます。&lt;br /&gt;
　ただし、本研究は大規模診療データを用いた観察研究であり、標的試験エミュレーションによりバイアスの低減を図っているものの、生活習慣、服薬遵守、医師の処方判断、認知機能検査の詳細など、データに含まれない要因の影響を完全に排除することはできません。また、LIFE Studyに参加する自治体のデータに基づく研究であり、全国を代表する無作為抽出集団ではないため、結果の一般化には一定の留意が必要です。&lt;br /&gt;
　本研究の結果は、患者さんが自己判断で薬を変更することを推奨するものではありません。降圧薬の選択は、血圧、腎機能、心疾患、糖尿病、脳卒中歴、副作用、他の薬剤との相互作用などを総合的に考慮して、主治医と相談しながら決定されるべきものです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　今後は、他の医療データベースや海外データを用いた検証、より長期の追跡、認知症病型別の詳細な解析、個々のARB・CCB薬剤間の違いの検討が期待されます。また、ACE阻害薬など他の降圧薬との比較、フレイル、介護認定、日常生活動作、腎機能、心血管疾患などを含めた包括的な高齢者アウトカムの評価も重要です。&lt;br /&gt;
　今回の成果は、LIFE Studyをはじめとする日本発の医療ビッグデータと、統計的因果推論・標的試験エミュレーションに代表されるデータサイエンスの力により、高齢社会の重要課題に対する実践的なエビデンスを生み出せることを示しました。こうした研究の積み重ねは、認知症予防、健康寿命の延伸、そして一人ひとりの状態に応じた個別化医療の実現に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※1 LIFE Study&lt;br /&gt;
自治体が保有する保健・医療・介護データを個人単位で統合し、20年間を追跡することを目指した大規模データベースプロジェクトです。九州大学との契約締結により学術利用することができ、本研究では統計数理研究所と九州大学との契約締結によりデータ利用が行われました。LIFE Studyの詳細はウェブサイトを参照ください（&lt;a href=&quot;https://life.lifestudylab.org/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;https://life.lifestudylab.org/&lt;/a&gt;）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2 標的試験エミュレーション（target trial emulation）&lt;br /&gt;
リアルワールドにおける膨大な診療データなどを用いて、あたかも理想的なランダム化臨床試験を行ったかのようにデータを構成し、分析するデータサイエンスの方法です。実際の臨床試験が難しい条件下で、結論を歪め得るバイアスをできる限り制御しながら、治療効果に関するエビデンスを作り上げるために用いられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3 アンジオテンシン受容体拮抗薬（angiotensin receptor blockers）&lt;br /&gt;
アンジオテンシンIIという血圧を上げるホルモンの働きを、受容体の段階で抑えることで血管を広げ、血圧を下げる薬です。高血圧治療で広く用いられており、血圧低下に加えて、心臓、腎臓、血管への保護作用が期待されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4 カルシウム拮抗薬（calcium channel blockers）&lt;br /&gt;
血管の壁にある筋肉へのカルシウム流入を抑えることで血管を広げ、血圧を下げる薬です。降圧効果が安定しており、日本でも高齢者を含む多くの患者さんに使用されている代表的な降圧薬です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※5 ランダム化臨床試験（randomized clinical trial）&lt;br /&gt;
参加者をランダムに複数の治療群へ割り付け、治療効果を比較する臨床試験です。患者さんの背景因子の偏りを抑え、薬の効果を評価するうえで最も信頼性が高い研究デザインの一つとされています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※6 統計的因果推論（statistical causal inference）&lt;br /&gt;
単なる「関連」ではなく、「ある治療や曝露が、ある結果をどの程度引き起こしたか」という因果関係を、統計学的に評価するための方法論です。医療ビッグデータを用いた研究では、患者背景の違いによるバイアスを調整するために重要な役割を果たします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※7 血管性認知症（vascular dementia）&lt;br /&gt;
脳梗塞、脳出血、脳小血管病変など、脳の血管障害が関与して起こる認知症です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの血管リスク因子と関連が深いとされています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※8 アルツハイマー病（Alzheimer&#039;s disease）&lt;br /&gt;
認知症の原因疾患として最も多い病型の一つです。脳内にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積し、神経細胞の障害が進むことなどが関与すると考えられています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※9 ハザード比（hazard ratio）&lt;br /&gt;
ある期間中にイベントが発生するリスクを、二つの群で比較するための指標です。ハザード比が1より小さい場合、比較対象群に比べてイベント発生リスクが低いことを意味します。例えばハザード比0.916は、リスクが約0.92倍であることを示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
タイトル&lt;br /&gt;
Angiotensin Receptor Blockers and Dementia Risk in Older Adults: A Target Trial Emulation&lt;br /&gt;
（高齢者におけるアンジオテンシン受容体拮抗薬と認知症リスク：標的試験エミュレーション）&lt;br /&gt;
著者　野間久史，砂田寛司，杉本大貴，藤澤貴央，小田太史，前田恵，福田治久&lt;br /&gt;
掲載誌　Alzheimer’s &amp;amp; Dementia: The Journal of the Alzheimer’s Association&lt;br /&gt;
DOI　&lt;a href=&quot;https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/alz.71692&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1002/alz.71692&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>TEEを用いたプライバシー保護データ解析に向けた安全性指標の導入とアルゴリズムの開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608204427</link>
        <pubDate>Thu, 20 Aug 2026 12:10:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>【概要】 統計数理研究所の村上隆夫准教授、電気通信大学の清雄一教授、産業技術総合研究所の江利口礼央研究員の研究グループは、「TEE（Trusted Execution Environment）」※1と...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
【概要】&lt;br /&gt;
　統計数理研究所の村上隆夫准教授、電気通信大学の清雄一教授、産業技術総合研究所の江利口礼央研究員の研究グループは、「TEE（Trusted Execution Environment）」※1と呼ばれる高信頼実行環境を用いて、パーソナルデータの漏洩を防ぐデータ解析アルゴリズムを開発しました。開発したアルゴリズムは、近年プライバシー保護分野で研究されている「拡張型シャッフルモデル」※2を、TEEを搭載した1台のサーバを用いて実現します。拡張型シャッフルモデルは一部の悪意を持ったユーザが不正を試みてもデータの漏洩を防ぐことを可能とするもので、TEEはサーバ管理者でさえも内部のデータを閲覧・改ざんできないことを保証します。これらにより、悪意のあるユーザやサーバ管理者に対してもデータの漏洩を防ぐことが可能となります。　&lt;br /&gt;
　このようなアルゴリズムを開発するにあたり、TEEに対するサイドチャネル攻撃まで考慮した安全性指標を導入しました。具体的には、TEEは内部のデータを保護するものとして注目されていますが、メモリアクセスパターンや制御フローに基づくサイドチャネル攻撃によって、内部のデータが漏洩するリスクがあることが近年の研究で明らかになっています。この問題を解決するため、本研究では、攻撃者がアルゴリズムの出力・メモリアクセスパターン・制御フローの全てを入手したとしても、内部のデータに関する情報をほとんど得ることができないことを数理的に保証する「FODP（Fully Oblivious Differential Privacy）」という安全性指標を新たに導入し、FODPを満たすようにアルゴリズムを設計しました。これにより、サイドチャネル攻撃に対しても高い安全性を保証することが可能となります。また、開発したアルゴリズムが高い精度と効率性（短い実行時間）を達成できることを、他の既存のアルゴリズムやモデルとの比較を通して明らかにしています。&lt;br /&gt;
　本成果は、情報セキュリティ分野のトップ国際会議The 35th USENIX Security Symposium（USENIX Security 2026、採択率：12.0%）に採択されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　近年、スマートフォン・ウェアラブル端末・AI（Artificial Intelligence）などの普及に伴い、サービス事業者がユーザから様々なパーソナルデータ（購買履歴、位置情報、身体活動データなど）を収集して、データ解析や機械学習などの用途に利活用できるようになりました。一方で、個人のデータが用いられることから、プライバシーの問題が懸念されています。個人のプライバシーを保護したままデータ解析や機械学習を行うため、「差分プライバシー（DP: Differential Privacy）」※3と呼ばれる安全性指標が広く用いられています。差分プライバシーは、データ解析結果や機械学習モデルに十分なノイズを加えることで、元データの漏洩を防ぐもので、それを実現するシステム・アーキテクチャという観点から幾つかのモデルに大別されます。&lt;br /&gt;
　差分プライバシーのモデルの一つに「シャッフルモデル」※2と呼ばれるものがあり、高い精度と安全性を両立できるモデルとして知られています。シャッフルモデルでは、ユーザとサービス事業者の間に「shuffler」と呼ばれる中間サーバを導入します。まず、ユーザが自身のパーソナルデータにノイズを加えた上でshufflerに送信し、shufflerが受け取ったデータのシャッフルを行った上で、サービス事業者に送信します。サービス事業者は受け取ったシャッフルデータを基に、データ解析や機械学習モデルの構築を行います。このshufflerによるデータのシャッフルが匿名化の効果を持っているため、その分、ユーザが加えるノイズの量は小さくてもデータの漏洩を防ぐことができます。即ち、高い精度と安全性を実現できます。&lt;br /&gt;
　shufflerがデータのシャッフルを行う前に、受け取ったデータのランダムサンプリングと、ダミーデータの追加を行う「拡張型シャッフルモデル」※2というものも近年研究されています。ランダムサンプリングとダミーデータの追加は「ノイズ付与」としての役割を果たすため、このモデルではユーザがノイズを一切加えなくても高い安全性を実現できるようになります。拡張型ではないシャッフルモデルでは、一部の悪意を持ったユーザ（あるいは不正アカウント）がサービス事業者に自身のノイズ付きデータを共有することで、シャッフルによる匿名化の効果（即ち、安全性）を下げることができてしまいます。一方、拡張型シャッフルモデルでは、shufflerによるノイズ付与処理とシャッフル処理で高い安全性を担保できるため、悪意を持ったユーザが上記のような不正を試みても、データの漏洩を防ぐことが可能となります。&lt;br /&gt;
　しかし、この拡張型シャッフルモデルにおいても大きな課題が残されていました。このモデルでは、shufflerが正確にプロトコル通りにノイズ付与処理（ランダムサンプリング、ダミーデータの追加）とシャッフル処理を行い、また秘密にすべき情報（シャッフル前のデータなど）を暴露しないことを保証する必要があります。逆に、shufflerがプロトコルを逸脱する、秘密情報を暴露するといった不正を行うと、元データが漏洩するリスクがあります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
―shufflerの信頼性をどう担保するか？―&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
この質問に対する根本的な解決策は、従来では提示されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、データ解析タスクとして頻度分布※4の推定に焦点を当て、shufflerの信頼性を担保するために「TEE（Trusted Execution Environment）」※1を用いたアルゴリズムを開発しました（図1）。開発したアルゴリズムは、拡張型シャッフルモデルを1台のサーバを用いて実現し、サーバのTEE内部がshuffler、TEE外部がサービス事業者としての役割を果たします。即ち、まず各ユーザが自身のパーソナルデータをサーバのTEE内部に送信します。次に、サーバはTEE内部で受け取ったデータのランダムサンプリング、ダミーデータの追加、データのシャッフルを行って、シャッフルされたデータをTEE外部に置きます。最後に、サーバはTEE外部にあるシャッフルデータを基に、全ユーザのデータの頻度分布を推定します。TEEはOSや管理者権限からも保護された、ハードウェアレベルの隔離された実行環境で、サーバ管理者でさえも内部のデータを閲覧・改ざんできないことを保証します。また、内部のコードが改ざんされていないことを第三者に証明する仕組みも有しています。これにより、shufflerがプロトコルに従い、秘密にすべき情報を暴露しないことを保証することが可能となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1: 開発したアルゴリズム。シャッフルデータとサイドチャネル情報（メモリアクセスパターン・制御フロー）から元データが漏洩しないことをFODP（Fully Oblivious Differential Privacy）によって数理的に保証する。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　開発したアルゴリズムの最大の特長は、TEEに対するサイドチャネル攻撃を強固に防ぐことができる点です。TEEは内部のデータを保護するものとして近年注目を集めていますが、メモリアクセスパターンや制御フローに基づくサイドチャネル攻撃によって、内部のデータが漏洩し得ることが近年の研究で明らかになっています。この問題を解決するため、本研究では、攻撃者がアルゴリズムの出力（即ち、シャッフルデータ）・メモリアクセスパターン・制御フローの全てを入手しても、内部のデータに関する情報をほとんど得ることができないことを数理的に保証する「FODP（Fully Oblivious Differential Privacy）」という安全性指標を新たに導入し、FODPを満たすようにアルゴリズムを設計しました。具体的には、開発したアルゴリズムでは、アルゴリズムの出力にノイズが加わるようにダミーデータを追加するだけでなく、メモリアクセスパターン・制御フローにノイズが加わるように「bot」（無意味なデータ）を追加します。これによってFODPを達成でき、サイドチャネル攻撃に対する安全性を保証することが可能となります。さらには、ダミー数分布／bot数分布として、それぞれ「右／左に歪んだ非対称幾何分布」（positively/negatively skewed asymmetric geometric distribution）を導入し、その歪度（skewness）を、ランダムサンプリングの確率に応じて適切に調整する方法論も提案しています。これによって、botの数を最小限に抑えることが可能となり、計算時間を削減できます。このような左右に歪んだ非対称幾何分布は、プライバシー保護の分野では初めて導入された新しいものです。&lt;br&gt;　本研究では、他の既存のシャッフル／拡張型シャッフルアルゴリズムとの比較を通して、開発したアルゴリズムが安全性・精度・効率性において優れていることを示しています。また、開発アルゴリズムは、悪意を持ったユーザが偽データを送る「ポイズニング攻撃」に対しても、既存のアルゴリズムより高い頑健性を有しており、依然として高精度なデータ解析が可能なことも示しています。さらには、他のモデルとの比較も行うことで、開発アルゴリズムの有効性を明らかにしています。例えば、TEEを用いるのであれば、TEE内部で直接ヒストグラムを求め、ノイズを加えた上でTEE外部に出力することも可能です。これは、「中央集権型モデル」のアルゴリズムとして知られています。しかし、このようなアプローチは、FODPを満たそうとすると、ユーザ数・カテゴリー数が大きいときに膨大な計算時間が必要となります。一方、拡張型シャッフルモデルにおける処理は、計算時間の一番大きなシャッフル処理ですら効率的に計算できるため、遥かに短い計算時間で実行可能です。例えば、ユーザ数・カテゴリー数がともに1億という大規模データにおいて、中央集権型モデルのアルゴリズムでは270日程度の実行時間がかかるのに対し、開発したアルゴリズムでは16時間以下で済むことを、評価実験を通して示しています。また、中央集権型モデルは精度が非常に高いことで知られていますが、開発したアルゴリズムは上述の非対称幾何分布の導入により、このモデルと同等の精度を達成することも可能です。&lt;br /&gt;
　以上をまとめると、本研究では、TEEを用いた拡張型シャッフルモデルの実現に向けて、サイドチャネル攻撃に対する安全性を保証するFODPという新たな安全性指標を導入し、これを満たすようにアルゴリズムを開発しました。開発したアルゴリズムは、悪意のあるユーザや、サイドチャネル攻撃を試みるサーバ管理者に対してもデータの漏洩を防ぐことができ、高い精度・効率性も達成できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　本研究で開発したアルゴリズムは、TEEを搭載した1台のサーバを用いて、プライバシーを保護したまま最も基本的なデータ解析タスクの一つである頻度分布の推定を可能にします。今後、本研究で確立した安全性指標（FODP）やアルゴリズムを、頻度分布の推定以外のデータ解析や、機械学習などのタスクに応用していくことを予定しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※１　TEE（Trusted Execution Environment）&lt;br /&gt;
OSや管理者権限からも保護された、ハードウェアレベルの隔離された実行環境。内部のデータの漏洩や改ざんを防ぐものとして近年注目を集めている。&lt;br /&gt;
※２　シャッフルモデル（Shuffle Model）／拡張型シャッフルモデル（Augmented Shuffle Model）&lt;br /&gt;
差分プライバシーにおいて近年研究されているモデル。シャッフルモデルでは、ユーザが自身のパーソナルデータにノイズを加えた上でshufflerに送信し、shufflerが受け取ったデータのシャッフルを行った上で、サービス事業者に送信する。拡張型シャッフルモデルでは、shufflerがデータのシャッフルを行う前に、受け取ったデータのランダムサンプリング、ダミーデータの追加を行う。拡張型シャッフルモデルについては【関連情報】も参照されたい。&lt;br /&gt;
※３　差分プライバシー（DP: Differential Privacy）&lt;br /&gt;
データ解析結果から、元のパーソナルデータに関する情報をほとんど得ることができないことを数理的に保証する安全性指標。プライバシー保護データ解析における安全性指標のデファクト標準として知られ、米国の企業や政府などで導入が進められている。&lt;br /&gt;
※４　頻度分布（Frequency Distribution）&lt;br /&gt;
データを特定のカテゴリー（あるいは区間）に分類し、カテゴリー（あるいは区間）ごとのデータ数をカウントすることで求めた分布。度数分布とも言う。頻度分布の推定は、データ解析における最も基本的なタスクの一つとして広く研究されている。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【関連情報】&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2024-05.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;［プレスリリース］新しいプライバシー保護データ解析プロトコル「local-noise-free protocol」を開発　～安全で高精度な頻度分布の推定を可能に～&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
学会名　The 35th USENIX Security Symposium (USENIX Security 2026)&lt;br /&gt;
タイトル&lt;br /&gt;
Fully Oblivious Differential Privacy for Frequency Estimation in the Augmented Shuffle Model with Trusted Processors&lt;br /&gt;
著者&lt;br /&gt;
村上隆夫（統計数理研究所 学際統計数理研究系 准教授／情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 准教授／産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究部門 客員研究員／理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員）、清雄一（電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 教授）、江利口礼央（産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究部門研究員）&lt;br /&gt;
URL　&lt;a href=&quot;https://www.usenix.org/conference/usenixsecurity26/presentation/murakami&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.usenix.org/conference/usenixsecurity26/presentation/murakami&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
論文公開日　2026年8月12日&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【謝辞】&lt;br /&gt;
　本研究の一部は、日本学術振興会 科学研究費（22H00521、24H00714、24K20775）、科学技術振興機構 経済安全保障重要技術育成プログラム（JPMJKP24U5）、科学技術振興機構 日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業（JPMJNX25C2）、科学技術振興機構 AIP加速研究（JPMJCR22U5）、科学技術振興機構 CREST（JPMJCR22M1）の助成を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202608204427/_prw_PI2im_QB8Lty34.gif" length="" type="image/gif"/>
            </item>
    <item>
        <title>75歳以上の2型糖尿病、SGLT2阻害薬で死亡・透析リスクが 低い可能性</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202608194352</link>
        <pubDate>Wed, 19 Aug 2026 12:10:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>【概要】 野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、後藤温 横浜市立大学医学部教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授らの研究グループは、75歳以上の2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
【概要】&lt;br /&gt;
　野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、後藤温　横浜市立大学医学部教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授らの研究グループは、75歳以上の2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬※1またはDPP-4阻害薬※2の使用が、死亡、心血管疾患、腎疾患などのリスクとどのように関連するかを分析しました。&lt;br /&gt;
　75歳以上の高齢者では、糖尿病に加えて、心疾患、腎機能低下、脳卒中、フレイルなど複数の健康問題を抱えることが多いため、ランダム化臨床試験※3に含めることが難しく、日常診療でどの糖尿病治療薬を選択することが望ましいのかについての直接的な科学的根拠は限られていました。本研究では、日本の自治体が保有する医療・健診情報を統合した500万人規模の大規模医療データベースであるLIFE Study※4をもとに、最新のデータサイエンスの方法である標的試験エミュレーション※5を実施しました。&lt;br /&gt;
　75歳以上の2型糖尿病患者8,486人を対象として、SGLT2阻害薬を新たに開始した2,204人と、DPP-4阻害薬を新たに開始した6,282人を比較しました。その結果、SGLT2阻害薬を開始した群では、DPP-4阻害薬を開始した群に比べ、死亡のリスクが相対的に約32％低いことが示されました。ハザード比※6は0.677、95％信頼区間は0.500–0.916でした。また、末期腎不全または透析導入のリスクも、SGLT2阻害薬群では相対的に約63％低いことが分かりました。一方、心不全による入院と心筋梗塞については、主要解析で両群の間に明確な差は認められませんでした。また、脳卒中はSGLT2阻害薬群で多く観察されました。本研究は、⾼齢者における治療薬の選択が予後に影響する可能性を⽰し、臨床現場での治療⽅針決定に重要な知⾒を提供するものです。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年8月19日に老年医学分野の国際学術誌「Age and Ageing」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 図1：約500万人規模のLIFE Studyを用いた、75歳以上の2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の比較研究。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　2型糖尿病は、高齢者に多くみられる代表的な慢性疾患です。特に75歳以上では、糖尿病そのものだけでなく、心不全、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、身体機能の低下などが、その後の生活の質や生命予後に大きく影響します。&lt;br /&gt;
　一方、同じ「75歳以上」であっても、健康状態には大きな個人差があります。活動的で自立した生活を送っている人がいる一方、複数の病気を抱え、フレイルや脱水、低血圧、副作用の影響を受けやすい人もいます。このため、高齢者の糖尿病治療では、血糖値を下げることだけでなく、心臓や腎臓を守ること、安全性を確保すること、生活機能を維持することを同時に考える必要があります。&lt;br /&gt;
　SGLT2阻害薬は、腎臓で糖が再吸収される仕組みを抑え、余分な糖を尿中に排出する薬です。血糖を下げる効果に加えて、心不全や腎疾患のリスクを低下させることが、大規模な臨床試験から示されてきました。しかし、これまでの試験の多くはプラセボとの比較であり、75歳以上を対象として設計されたものではありませんでした。これに対してDPP-4阻害薬は、低血糖を起こしにくく、比較的使用しやすいことから、日本の高齢者の日常診療で広く使われています。&lt;br /&gt;
　75歳以上の患者について、これら2種類の薬を直接比較した科学的根拠は限られていました。高齢者を対象とする長期間のランダム化臨床試験は、健康状態の個人差が大きいこと、複数の薬を使用していること、治療内容が途中で変更されやすいことなどから、実施が容易ではありません。&lt;br /&gt;
さらに日常診療では、患者の状態によって医師が薬を選択します。例えば、心不全や腎疾患のある高リスク患者にSGLT2阻害薬が優先的に処方される場合、単純に治療後の結果を比べるだけでは、薬の効果と、もともとの患者背景の違いを区別できません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 図２：標的試験エミュレーションによる主要結果。SGLT2阻害薬の開始は、DPP-4阻害薬の開始に比べ、全死亡および末期腎不全・透析導入のリスクが低いことと関連した。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　そこで本研究では、LIFE Studyに蓄積された大規模なリアルワールドデータを用い、標的試験エミュレーションという方法によって、SGLT2阻害薬を開始した場合とDPP-4阻害薬を開始した場合を、あたかも理想的な臨床試験で比較したかのように分析しました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究方法・成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、LIFE Studyに含まれるレセプト（診療報酬明細書）、病名情報、薬剤処方、入院、死亡、健診・検査情報を連結したデータを解析しました。対象期間は2014年4月から2024年9月までで、19自治体、約505万人の住民情報が含まれています。&lt;br /&gt;
　解析対象は、75歳以上の2型糖尿病患者のうち、過去12か月間にSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の使用がなく、いずれかの薬による治療を新たに開始した人です。治療開始時の健診情報が利用できることを条件とし、すでに末期腎不全または透析中の人、活動性のがんがある人、緩和ケアを受けている人などは除外しました。&lt;br /&gt;
　最終的に、SGLT2阻害薬群2,204人、DPP-4阻害薬群6,282人の計8,486人が対象となりました。追跡期間の中央値は3.0年でした。&lt;br /&gt;
　治療開始前のデータを見ると、SGLT2阻害薬群には、心不全、慢性腎臓病、心血管疾患などをすでに抱えている人が多く含まれていました。そこで、年齢、性別、BMI、血糖値、血圧、腎機能、喫煙、飲酒、心不全、脳卒中、心疾患、使用薬剤、治療開始年など、多数の背景要因を統計学的に調整し、比較する2群の条件を可能な限りそろえました。&lt;br /&gt;
　また、治療開始直後に起こるイベントは、薬の効果ではなく、もともとの病状の悪化や臨床的な不安定さを反映している可能性があります。このため、死亡、心血管疾患、腎疾患の主要解析では、治療開始後1か月を導入期間とし、この期間に起こったイベントを主要な治療後アウトカムには含めず、その後から比較を開始しました。&lt;br /&gt;
　主な結果は以下の通りです。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・全死亡のリスクは、SGLT2阻害薬群で相対的に約32％低かった&lt;br&gt;　ハザード比0.677、95％信頼区間0.500–0.916&lt;br /&gt;
・3年間の死亡リスクは、SGLT2阻害薬群で5.0％、DPP-4阻害薬群で8.7％だった&lt;br&gt;　絶対差は3.7ポイント。観察研究に基づく仮想的な換算では、27人が3年間SGLT2阻害薬を開始した場合、死亡1件の減少に相当すると推定されました。&lt;br&gt;　仮想的治療必要数（number needed to treat）※7&amp;nbsp; 27.0、95％信頼区間17.9–55.6&lt;br /&gt;
・末期腎不全または透析導入のリスクは、SGLT2阻害薬群で相対的に約63％低かった&lt;br&gt;　ハザード比0.374、95％信頼区間0.157–0.890&lt;br&gt;　ただし、発生件数は多くないため、推定値の大きさについては慎重な解釈が必要です。&lt;br /&gt;
・心不全による入院と心筋梗塞については、主要解析で明確な差を認めなかった&lt;br&gt;　心不全入院：ハザード比1.103、95％信頼区間0.854–1.426&lt;br&gt;　心筋梗塞：ハザード比1.015、95％信頼区間0.768–1.341&lt;br /&gt;
・脳卒中はSGLT2阻害薬群で多く観察されたが、慎重な解釈が必要&lt;br&gt;　治療開始時の選択に基づく主要解析では、ハザード比1.420、95％信頼区間1.165–1.828でした。&lt;br /&gt;
　一方、当初の薬を継続した場合を想定した解析では、ハザード比は1.110、95％信頼区間0.866–1.424まで縮小し、明確な差は認められませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　安全性については、重症低血糖や尿路感染症に明確な差は認められませんでした。一方、当初の薬を継続した場合を想定した解析では、性器感染症がSGLT2阻害薬群で多く観察されました。これは、SGLT2阻害薬について従来から知られている副作用と整合する結果です。&lt;br /&gt;
　研究グループは、治療薬を開始した時点で比較する解析に加え、治療の継続を考慮した解析、腎機能データが確認できる人だけに限定した解析、死亡を脳卒中の競合イベントとして扱う解析など、複数の方法で結果を検証しました。全死亡については、多くの解析でSGLT2阻害薬群のリスクが低い方向を示しましたが、一部の解析では信頼区間が広くなり、統計学的な不確実性も残りました。&lt;br /&gt;
　特に脳卒中の結果については、SGLT2阻害薬が脳卒中を直接増やしたと解釈すべきではありません。治療開始前のSGLT2阻害薬群には、心不全、腎疾患、心房細動、脳卒中歴などを持つ人が多く、統計的な調整後も、フレイル、血管病変の程度、医師が薬を選んだ理由など、データに含まれない背景差が残った可能性があります。また、死亡リスクが異なる場合、死亡した人はその後に脳卒中を経験しないという「競合」の影響も生じます。&lt;br /&gt;
　したがって、本研究の結果は「75歳以上であれば誰にでもSGLT2阻害薬を使用すべき」という意味ではありません。全死亡や腎アウトカムに関する好ましい関連と、脳卒中や性器感染症などの注意点の双方を踏まえ、一人ひとりの状態に応じて治療を選ぶことが重要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の意義】&lt;br /&gt;
　本研究の第一の意義は、これまで臨床試験で十分な科学的根拠を得ることが難しかった75歳以上の2型糖尿病患者に焦点を当てた点です。75歳以上は、糖尿病治療を実際に多く必要とする年代である一方、併存疾患やフレイルのため臨床試験から除外されやすく、治療についての「エビデンスの空白」が生じやすい集団です。本研究は、この空白に実臨床データから新たな科学的根拠を与えるものです。&lt;br /&gt;
　第二の意義は、SGLT2阻害薬をプラセボと比較したのではなく、日常診療で高齢者に広く使用されているDPP-4阻害薬と直接比較した点です。臨床現場で医師と患者が直面するのは、多くの場合、「薬を使うか使わないか」ではなく、「複数の選択肢の中からどの薬を選ぶか」という問題です。本研究は、より実際の診療に近い問いに答えています。&lt;br /&gt;
　第三の意義は、約500万人規模の医療データ基盤と、標的試験エミュレーションという統計的因果推論の方法を組み合わせた点です。治療開始前の背景条件、治療を選択する時点、追跡の開始時点を明確にそろえるとともに、治療開始直後の臨床的不安定さの影響を抑える1か月の導入期間を設定しました。これにより、通常の診療データを単純に比較する場合に生じやすいバイアスを減らし、臨床試験に近い問いをリアルワールドデータで検討しました。&lt;br /&gt;
　ただし、本研究は大規模な診療データを用いた観察研究であり、ランダム化臨床試験ではありません。統計学的に多数の背景要因を調整しているものの、フレイル、身体機能、服薬状況、血管病変の重症度、医師が薬を選んだ理由など、データに含まれていない要因の影響を完全に取り除くことはできません。また、腎機能、喫煙、飲酒など一部の情報には欠測があり、診療報酬データに基づく病名やアウトカムの誤分類もあり得ます。LIFE Studyに参加する自治体のデータに基づくため、日本全体や海外の患者にそのまま当てはまるとは限りません。&lt;br /&gt;
　本研究の結果は、患者さんが自己判断で現在の糖尿病治療薬を中止したり、別の薬へ変更したりすることを推奨するものではありません。SGLT2阻害薬の使用にあたっては、腎機能、心不全、脳卒中歴、血圧、脱水への弱さ、フレイル、感染症のリスク、併用薬などを総合的に考慮し、主治医と相談して決定する必要があります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　今後は、日本国内の他の医療データベースや海外データを用いて、本研究結果を再検証することが必要です。特に、脳卒中については、虚血性脳卒中と出血性脳卒中の違い、治療開始前の脳血管病変、血圧や体液量の変化、フレイルや脱水の影響などを詳しく調べる必要があります。&lt;br /&gt;
　また、より長期間の追跡、個々のSGLT2阻害薬間の比較、心不全や慢性腎臓病の有無に応じた評価、介護認定、日常生活動作、転倒、入院、生活の質など、高齢者にとって重要な幅広いアウトカムの検討も求められます。リアルワールドデータによる検証と、実施可能な臨床試験を相互に組み合わせることが重要です。&lt;br /&gt;
　今回の成果は、日本発の大規模医療データと、統計的因果推論・標的試験エミュレーションに代表されるデータサイエンスを活用することで、臨床試験だけでは答えることが難しい高齢者医療の重要課題に対し、実践的なエビデンスを生み出せることを示したと考えることもできます。こうした研究の積み重ねにより、年齢だけで一律に治療を決めるのではなく、一人ひとりの健康状態や価値観に応じた個別化医療の実現に貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※1 SGLT2阻害薬（sodium–glucose cotransporter 2 inhibitors）&lt;br /&gt;
腎臓で糖が血液中に再吸収される働きを抑え、尿中への糖の排出を増やすことで血糖値を下げる薬です。心不全や腎疾患に対する保護効果も報告されています。一方、脱水、性器感染症などに注意が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※2 DPP-4阻害薬（dipeptidyl peptidase-4 inhibitors）&lt;br /&gt;
血糖値に応じてインスリン分泌を促す消化管ホルモンの働きを保つことで、血糖値を下げる薬です。単独では低血糖を起こしにくく、比較的使用しやすいことから、日本の高齢者に広く処方されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※3 ランダム化臨床試験（randomized clinical trial）&lt;br /&gt;
参加者をランダムに複数の治療群へ割り付け、治療効果を比較する臨床試験です。患者背景の偏りを抑え、薬の効果を評価するうえで信頼性が高い研究デザインの一つとされています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※4 LIFE Study&lt;br /&gt;
自治体が保有する保健・医療・介護データを個人単位で統合し、20年間を追跡することを目指した大規模データベースプロジェクトです。九州大学との契約締結により学術利用することができ、本研究では統計数理研究所と九州大学との契約締結によりデータ利用が行われました。LIFE Studyの詳細はウェブサイトを参照ください（&lt;a href=&quot;https://life.lifestudylab.org/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://life.lifestudylab.org/&lt;/a&gt;）。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※5 標的試験エミュレーション（target trial emulation）&lt;br /&gt;
リアルワールドの診療データを用い、「理想的なランダム化臨床試験を行うとすれば、誰を対象とし、いつ治療を開始し、何と何を比較し、どの時点から追跡するか」をあらかじめ明確に定め、その試験を可能な限りデータ上で再現する方法です。患者背景の違いなどによるバイアスを減らし、治療効果に関する因果的な問いを検討するために用いられます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※6 ハザード比・95％信頼区間（hazard ratio; HR、95% confidence interval; CI）&lt;br /&gt;
ハザード比は、追跡期間中に死亡や病気などのイベントが発生する速さを2群で比較する指標です。1より小さい場合は比較対象群よりリスクが低く、1より大きい場合は高いことを示します。95％信頼区間は、推定値にどの程度の統計学的な不確実性があるかを示します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
※7 仮想的治療必要数（number needed to treat）&lt;br /&gt;
2つの治療群の一定期間後の絶対リスクの差から、「一つのイベントを減らすために何人を治療する必要があるか」を換算したものです。本研究の27人という値は、観察研究による標的試験エミュレーションから得られた3年間の仮想的・時間依存的な推定であり、ランダム化臨床試験で直接得られた治療必要数ではありません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
タイトル&lt;br /&gt;
Real-world effectiveness of SGLT2 inhibitors in adults aged 75 years or older: a target trial emulation&lt;br /&gt;
（75歳以上の成人におけるSGLT2阻害薬のリアルワールドでの有効性：標的試験エミュレーション）&lt;br /&gt;
著者　野間久史、後藤温、杉本大貴、砂田寛司、小田太史、前田恵、福田治久&lt;br /&gt;
掲載誌　Age and Ageing&lt;br /&gt;
DOI　10.1093/ageing/afag246&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202608194352/_prw_PI1im_a0so3uzL.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>高齢者の高血圧治療薬選択が死亡・心疾患のリスクに関連</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202604278178</link>
        <pubDate>Mon, 27 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>図1：75歳以上の後期高齢者における高血圧治療薬の比較研究。500万人以上の医療ビッグデータのデータベース分析より。 【概要】 野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、福田治久 九州大学大学...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 図1：75歳以上の後期高齢者における高血圧治療薬の比較研究。500万人以上の医療ビッグデータのデータベース分析より。&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【概要】 &lt;br&gt;　野間久史 統計数理研究所／総合研究大学院大学教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授、砂田寛司 鳥取大学医学部附属病院講師らの研究グループは、75歳以上の後期高齢者における高血圧治療薬の選択が、その後の死亡や心疾患などの予後に与える影響について分析を行いました。500万人以上の大規模医療データベース（LIFE Study※1）をもとに、最新のデータサイエンスの方法である標的試験エミュレーション※2（target trial emulation）を用いて、アンジオテンシン受容体拮抗薬※3とカルシウム拮抗薬※4の比較分析を行いました。その結果、アンジオテンシン受容体拮抗薬を用いたグループは、死亡リスクが0.89倍、心不全入院リスクが0.84倍に低下することが示されました。両群の追跡期間中の血圧はほぼ同等であったことから、アンジオテンシン受容体拮抗薬固有の臓器保護作用が予後に寄与した可能性が示唆されます。本研究は、高齢者における治療薬の選択が予後に影響する可能性を示し、臨床現場での治療方針決定に重要な知見を提供するものです。&lt;br /&gt;
　本研究成果は、2026年4月27日に国際学術誌「Journal of the American Geriatrics Society」にオンライン掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　高血圧は75歳以上の後期高齢者の多くに見られる疾患であり、心疾患や死亡の主要な要因となっています。我が国において急速に進む社会の高齢化を受けて、その治療と制御はますます重要な問題となっています。これまでに、高血圧治療薬の有効性については、幅広い年齢層を対象として、多くのランダム化臨床試験※5によって評価が行われており、心疾患や脳梗塞のリスクを低減することが一貫して示されていますが、75歳以上の高齢者を対象とした第一選択薬が何であるかの質の高い直接比較のエビデンスは限られていました。これは、多くの後期高齢者の方々が複数の慢性疾患（糖尿病、腎機能低下など）を有していることから、臨床試験による比較試験の実施が容易ではなかったためです。&lt;br /&gt;
　アンジオテンシン受容体拮抗薬（angiotensin receptor blockers; ARB）とカルシウム拮抗薬（calcium channel blockers; CCB）は、いずれも血圧を効果的に低下させる薬剤であり、我が国において、高齢者に対して最も多く処方されている高血圧治療薬です。それぞれ異なる作用機序によって血圧を低下させる薬剤であり、特に、高齢者においては、それらの機序の違いが、単なる血圧低下を超えて、死亡や心疾患など、臨床的に重要なアウトカムの差として現れる可能性があります。国際的なガイドラインなどでも、これらの薬剤は、しばしば同等の選択肢とみなされてきましたが、それらの比較についてのエビデンスの確立が望まれていました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究方法・成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、日本全国の医療情報を統合した500万人以上の大規模データベース（LIFE Study）を用いて、75歳以上の後期高齢者における高血圧治療薬の比較分析を行いました。特に、因果関係の究明のために用いられる統計的因果推論※6というデータサイエンスの理論の枠組みにおいて、近年、開発された標的試験エミュレーション（target trial emulation）という方法を用いた精緻な分析を行いました。標的試験エミュレーションは、データベースに記録されたリアルワールドのデータから、可能な限り、理想的なランダム化臨床試験を再現した分析を行い、結論を歪め得るバイアスをできる限り制御した分析を行うための方法です。&lt;br /&gt;
　データベースに集められた膨大な情報の中から、ARBとCCBによる治療を新たに開始した患者を対象とし、29,822人から成る理想的なランダム化臨床試験を模倣した集団を構築しました（ARB群10,037人、CCB群19,785人）。傾向スコアなどの統計的因果推論によるバイアス調整の方法を用いた分析により、以下の結果が得られました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
・ARB群はCCB群に比べて死亡リスクが有意に低かった&lt;br /&gt;
　（ハザード比 0.885，95%信頼区間 0.823-0.951）&lt;br /&gt;
・5年後の死亡率&lt;br /&gt;
　　ARB群：12.7%&lt;br /&gt;
　　CCB群：14.8%&lt;br /&gt;
　　→ 絶対差 2.1% の低下&lt;br /&gt;
・ARB群では以下のイベントのリスクも低下&lt;br /&gt;
　　心不全入院 ハザード比 0.843，95%信頼区間 0.774-0.918&lt;br /&gt;
　　心筋梗塞　ハザード比 0.867，95%信頼区間 0.795-0.945&lt;br /&gt;
　　脳卒中 ハザード比 0.931，95%信頼区間 0.869-0.998&lt;br /&gt;
　　末期腎不全／透析 ハザード比 0.611，95%信頼区間 0.354-1.056&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　また、治療中の血圧は比較群間でほぼ同等でした。このことは、これらの良好な結果が単なる血圧低下の効果だけでなく、ARBが持つ独自の臓器保護作用に起因している可能性を示唆しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の意義】&lt;br /&gt;
　現在、75歳以上の高齢者の多くが高血圧治療を受けていますが、どの種類の治療薬が最も生存率や心疾患の予防に寄与するかを直接比較したエビデンスは限られていました。世界的にも急速に社会の高齢化が進む我が国において、その科学的エビデンスの確立は重要な課題でした。本研究では、全国規模の大規模な診療データと、最新のデータサイエンスの方法によって、「理想的な臨床試験」を、可能な限り再現することで、この課題に挑みました。&lt;br /&gt;
　その結果、ARBを中心とした高血圧治療は、CCBを中心とした治療と比較して、死亡および心不全入院のリスクを有意に低下させることが明らかになりました。これは、ARBが持つ心臓やホルモンバランスへの保護作用が、加齢に伴う身体の変化に対して特に有効である可能性を示唆しています。これまで、血圧低下効果に注目した議論が中心となりやすかった高齢者の高血圧治療において、薬剤の種類そのものが予後に影響を与える可能性を示した点は、重要な学術的・臨床的意義を持ちます。&lt;br /&gt;
　ただし、本研究は大規模診療データを用いた観察研究であり、標的試験エミュレーションによりバイアスの低減を図っているものの、生活習慣や服薬遵守、医師の処方判断などの未測定要因の影響を完全に排除することはできません。また、本研究は、研究に参加した特定の自治体のデータに基づくものであり、全国を代表する無作為抽出集団ではないため、結果の一般化には一定の留意が必要です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　今回の知見は、現場の医師が75歳以上の患者さんに降圧薬を処方する際の有用な参考情報となります。今後は、死亡や心疾患の抑制だけでなく、患者さんのフレイル（虚弱）の状態や、日常生活の自立度、さらには腎機能への長期的な影響についても詳しく解析を進めていく予定です。&lt;br /&gt;
　こうした我が国の実情に即した緻密なエビデンスの積み重ねは、ガイドラインの最適化を促し、最終的には、急速に進む超高齢社会において、単なる長寿ではない「健康寿命の延伸」を支える個別化医療の実現に大きく貢献することが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図２：死亡をエンドポイントとした累積発生率曲線と75-79歳，80-84歳，85歳以上の年齢階層ごとのサブグループ解析の結果。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※1 LIFE Study&lt;br&gt;自治体が保有する保健・医療・介護データを個人単位で統合し、20年間を追跡することを目指した大規模データベースプロジェクトです。九州大学との契約締結により学術利用することができ、本研究では統計数理研究所と九州大学との契約締結によりデータ利用が行われました。LIFE Studyの詳細はウェブサイトを参照ください（&lt;a href=&quot;https://life.lifestudylab.org/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://life.lifestudylab.org/&lt;/a&gt;）。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
※2 標的試験エミュレーション（target trial emulation）&lt;br&gt;リアルワールドにおける膨大な診療データなどを用いて、あたかも「ランダム化臨床試験」を行ったかのようにデータを構成し、分析する最新のデータサイエンスの方法です。特に、実際の臨床試験が困難な条件下で、それを模したエビデンスを作り上げるのに有効な方法です。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
※3 アンジオテンシン受容体拮抗薬（angiotensin receptor blockers）&lt;br&gt;アンジオテンシンIIという血圧を上げるホルモンの働きを抑えることで血管を広げ、血圧を下げる薬です。血圧を下げるだけでなく、心臓や腎臓を保護し、体内のホルモンバランスを整える効果があるため、多くの高齢者に処方されています。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
※4 カルシウム拮抗薬（calcium channel blockers）&lt;br&gt;血管の壁にある筋肉を緩めることで血管を広げ、スムーズに血液を流して血圧を下げる薬です。降圧効果が強く、食事の影響を受けにくいといった特徴があり、日本では最も一般的に使用されている降圧薬の一つです。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
※5 ランダム化臨床試験（randomized clinical trial）&lt;br&gt;参加者をランダムにグループ分けして、割り付ける治療を決める、最も信頼性が高いとされる臨床試験のデザインです。患者さんの背景（持病や生活習慣など）の偏りを防ぎ、統計学的に純粋に「薬の効果による差」を評価することができます。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
※6 統計的因果推論（statistical causal inference）&lt;br&gt;単なる「データの関連性」だけでなく、「ある原因（薬の服用）が、結果（生存率の向上）を導いた」という因果関係を統計学的に究明するための方法論です。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
タイトル &lt;br&gt;Angiotensin receptor blockers vs calcium channel blockers for first-line antihypertensive therapy and survival in adults aged 75 years or older&lt;br /&gt;
（75歳以上の高齢者における高血圧治療薬の選択と生存への影響：アンジオテンシン受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の比較研究）&lt;br /&gt;
著者　野間久史，砂田寛司，杉本大貴，佐田憲映，小田太史，前田恵，福田治久&lt;br /&gt;
掲載誌　Journal of the American Geriatrics Society&lt;br /&gt;
DOI　10.1111/jgs.70463&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本件に関するお問い合わせ先&lt;br /&gt;
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所&lt;br /&gt;
運営企画本部 広報室&lt;br /&gt;
TEL：050-5533-8500（代表）　E-mail：kouhou@ml1.ism.ac.jp&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
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    <item>
        <title>公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202604097148</link>
        <pubDate>Thu, 09 Apr 2026 12:20:45 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>情報・システム研究機構 統計数理研究所は公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」を会場（統計数理研究所）とオンラインで開催します。潜在因子（SEM・因子分析・IRT等）を軸とした統計的方法論お...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
情報・システム研究機構 統計数理研究所は公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」を会場（&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/access/index_j.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所&lt;/a&gt;）とオンラインで開催します。潜在因子（SEM・因子分析・IRT等）を軸とした統計的方法論およびその教育・心理・調査領域への展開をテーマに3名の研究者がお話しします。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
日時　2026年5月22日（金）15:00～17:15&lt;br&gt;場所　&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/access/index_j.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所&lt;/a&gt; 大会議室、オンライン&lt;br&gt;参加無料、要申込み&lt;br&gt;&lt;a href=&quot;https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_i3_oqXnnSt-AvflU2JDDwA&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;お申込みはこちらから&lt;/a&gt;　&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
プログラム&amp;nbsp;&lt;br&gt;15:00～15:02&lt;br&gt;開会挨拶　山下智志（統計数理研究所長）&lt;br&gt;15:02～15:05&lt;br&gt;趣旨説明&lt;br&gt;15:05～15:45&lt;br&gt;「因子分析および構造方程式モデリングにおける理論と実践」　狩野裕（同志社大学 文化情報学部 特別客員教授）&lt;br&gt;概要：潜在変数モデルの理論と実践についての最近までの発展を概観します。因子分析と構造方程式モデリングの実践をふまえた理論のポイント、すなわち、世間にまかり通る&quot;Dos and Don&#039;ts&quot;、因子数選定と因子回転、統計的推測と推測の頑健性、マルチレベルSEM、強縦断データ、探索的分析と検証的分析、因果推論などについてできるだけ広く講じます。&lt;br&gt;15:45～15:55&lt;br&gt;休憩&lt;br&gt;15:55～16:35&lt;br&gt;「項目反応理論の世界：潜在因子モデリングの数理と実社会への応用」 　分寺杏介（神戸大学 経営学研究科 准教授） &lt;br&gt;概要：本講演では、テストやアンケートの応答データから、直接観測できない人間の能力や特性（潜在因子）を測定・評価するための枠組みの一つである「項目反応理論（IRT）」を取り上げます。前半では、IRTがどのような数理的メカニズムで成り立っているのか、その基本的な考え方について解説します。さらに、この理論が現実の社会でどのように役立っているのか、具体的には大規模な資格試験や教育・調査の現場において利用されている技術（テストスコアの公平な比較や、受験者に合わせた効率的な測定の仕組みなど）を概観します。後半では、IRTの枠組みを拡張した近年の発展的な話題（より細やかな認知状態の診断モデルや新たなデータ形式の活用など）についても紹介し、潜在因子を測る統計手法の今後の展望についてお話しする予定です。 &lt;br&gt;16:35～17:15&lt;br&gt; 「様々な分野での潜在因子モデリングの応用：社会調査の分野を中心に」 　前田忠彦（統計数理研究所 学際統計数理研究系 准教授） &lt;br&gt;概要：本講演では、様々な分野における因子分析や構造方程式モデリングの応用例を紹介します。例えば政治学、心理学、社会学、マーケティングなど、特にアンケート（質問票）の複数の項目を通じて相互に相関する多変量のデータを得る機会が多い、社会科学系の分野における応用例を取り上げます。これらの分野での応用の特徴は、抽象的な概念（構成概念）を潜在変数により表現し、潜在変数間の関係をモデリングすることに注力する点です。調査データを用いた分析例で、手法のイメージをより具体的につかんでいただくことを目標にします。
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本講演会は統計数理研究所オープンハウスのプログラムのひとつです。会場では公開講演会のほか、全研究者や大学院生による研究内容ポスタ―発表や、統計に関わる質問や相談に1件30分程度でお答えする統計よろず相談室なども開催します。こちらもぜひご参加ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&amp;nbsp; &amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/openhouse/2026/index.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所オープンハウス2026ホームページ&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202604097148/_prw_PI1im_P02dIpEI.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>米価はなぜ高騰したのか？</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202603306566</link>
        <pubDate>Mon, 30 Mar 2026 12:01:33 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>図：天保の大飢饉期における日射量と米価の推移 本図は、1830年代の天保の大飢饉期における大坂米市場の月別米価と、夏季の日射量の指標（PCA1スコア）を示している。米価は当時の標準的な価値単位である「...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年3月30日&lt;br /&gt;


&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;

&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図：天保の大飢饉期における日射量と米価の推移&lt;br /&gt;
本図は、1830年代の天保の大飢饉期における大坂米市場の月別米価と、夏季の日射量の指標（PCA1スコア）を示している。米価は当時の標準的な価値単位である「匁（もんめ）」で表示している。1836年夏には、日射量の指標が低い状態が続いた時期と重なる形で、米価の上昇局面がみられる&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【概要】&lt;br /&gt;
　1830年代の天保の大飢饉※1を対象に、月単位のデータを用いて、夏の気候条件と市場の動きとの関係を検討した研究です。国内18地点の古日記に記された天気記録から、1821年〜1850年の月平均日射量を復元しました。その結果、飢饉が最も深刻化した1836年の夏、東日本から九州にかけて広い範囲で日射量が平年より約10%低下し、冷涼な気候が数か月にわたって続いていたことが確認されました。この時期、大坂米市場※2では収穫期を待たずに米価が平年の3〜4倍へ上昇しており、夏の気候条件に関する情報が、市場価格の動きに先行して反映されていた状況が示されました。&lt;br&gt;　本研究成果は2026年3月24日に学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　気候の変化が社会や経済にどのような影響を及ぼすのかを理解することは、現代の気候変動を考える上でも重要な課題です。統計数理研究所/データサイエンス共同利用基盤施設の市野美夏特任助教と立正大学の増田耕一教授、東京都立大学の三上岳彦名誉教授、神戸大学の髙槻泰郎准教授は、その歴史的事例として、江戸時代後期に発生した「天保の大飢饉（1830年代）」に注目しました。これまで、樹木年輪などのプロキシ（代替）データを用いた気候復元が行われてきましたが、こうした手法では季節や地域ごとの違いを十分に捉えることが難しく、人々の経済活動と直接対応する月単位の変動を分析するには制約がありました。また、当時の経済データは年1回の記録が中心であり、収穫前の気候条件が市場の動きにどのように関係していたのかを、時間的な順序を踏まえて検討することは容易ではありませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、国内18地点に残る古日記の天気記述を月平均日射量に変換し、1821年から1850年にかけて、日本全体の月ごとの日射量分布を復元しました。さらに、この日射量分布に統計的な空間解析（主成分分析：PCA※3）を施し、夏の気候状態を表す指標として整理しました。その結果、天保の大飢饉が深刻化した1836年には、冷涼な夏に対応する気候状態が6月から9月までの4か月にわたって続いていたことが分かりました。次に、復元した日射量と大坂米市場の月別米価を照合したところ、1836年は、こうした夏の気候条件が続く中で、収穫期を待たずに米価の上昇する局面が見られました。実際に、米価は平年の3〜4倍（50〜70匁※4から約200匁）に達し、高値の状態が1837年夏頃まで続いていました。これらの結果は、夏の気候状態に関する情報が、収穫前の段階で市場の動きに反映されていた可能性を示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　今回の研究により、夏の気候条件に関する情報が、収穫前の段階で市場の動きに反映されていた可能性を、月単位・全国規模で捉えられることが示されました。今後は、この手法を他の時期や地域にも適用することで、異常気象が社会や経済にどのような形で影響してきたのかを、より多くの歴史事例を通じて比較できるようになります。こうした蓄積は、過去の社会が気候の変化にどのように向き合ってきたのかを考えるための基盤となります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※1　天保の大飢饉&lt;br /&gt;
1833年から1839年頃にかけて、江戸時代後期の日本で発生した飢饉です。冷涼な夏や洪水などによる凶作が続き、各地で深刻な影響が生じました。&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
※2　大坂米市場（堂島米市場）&lt;br /&gt;
江戸時代の大坂は米の集散地であり、堂島米市場を中心に米価が形成されていました。本研究で扱う米価は、この大坂米市場における取引価格を指します。&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
※3　主成分分析：PCA&lt;br /&gt;
複数地点のデータに共通する変動パターンを要約するための統計手法です。本研究では、全国的な夏の気候状態を表す分布パターンを整理する目的で用いています。&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
※4　匁（もんめ）&lt;br /&gt;
江戸時代に用いられていた価値尺度で、元々は銀の重量を示すものでした。大坂など上方では米価などの価格表示に使われていました。本研究では、当時の史料に基づき、この単位で記録された米価を用いています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
タイトル Unusual solar radiation and its impact on the Japanese rice market during the 1830s famine&lt;br /&gt;
著者 Mika Ichino, Kooiti Masuda, Takehiko Mikami, Yasuo Takatsuki&lt;br /&gt;
掲載誌 Scientific Reports&lt;br /&gt;
DOI &lt;a href=&quot;https://www.nature.com/articles/s41598-026-40316-w&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1038/s41598-026-40316-w&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【謝辞】&lt;br /&gt;
本研究は、JSPS科研費（JP17540410、JP18H03794、JP20K01152、JP21H03776、JP21H05180、JP22H04938、JP23K00974、JP23K25538、JP24K00277、JP25K00651、JP25K04619）、データサイエンス共同利用基盤施設公募型共同研究ROIS-DS-JOINT(027RP2021、041RP2022、044RP2023、056RP2024、025RP2025、028RP2024)、および石井記念証券研究振興財団の支援を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202603306566/_prw_PI1im_9M9WsWI3.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>統計数理研究所で研究内容ポスター発表</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202603256263</link>
        <pubDate>Wed, 25 Mar 2026 12:01:44 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>2026年5月22日（金）統計数理研究所を会場に、研究者と大学院生が最新の研究成果を紹介します。発表は時間帯を3グループに分け、40分ずつ行います。統計数理研究所の全教員と大学院生が集まる年に1度の機...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2026年5月22日（金）&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/access/index_j.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所&lt;/a&gt;を会場に、研究者と大学院生が最新の研究成果を紹介します。発表は時間帯を3グループに分け、40分ずつ行います。統計数理研究所の全教員と大学院生が集まる年に1度の機会にぜひ会場までお越しください。申込不要、参加無料です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表時間】&lt;br /&gt;
① 13：00～13：40&lt;br /&gt;
② 13：40～14：20&lt;br /&gt;
③ 14：20～15：00&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
＊ポスターはオープンハウスの開催時間中（10：00～17：15）展示しています&lt;br /&gt;
＊事情により当日参加できない研究者や大学院生がいる場合もあります&lt;br /&gt;
2025年度開催のポスター発表会場の様子100枚以上の研究紹介ポスターを展示&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容ポスター発表は統計数理研究所オープンハウスのプログラムのひとつです。ポスターの各タイトルや発表時間帯など詳細は5月中旬に&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/openhouse/2026/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;オープンハウス2026のホームページ&lt;/a&gt;より公開します&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
統計数理研究所オープンハウス2026
&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/openhouse/2026/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;　https://www.ism.ac.jp/openhouse/2026/&lt;/a&gt;　＊4月9日（木）公開予定&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
統計数理研究所オープンハウスでは研究内容ポスター発表のほか、公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」や統計よろず相談室なども開催します。こちらもぜひご参加ください。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
コアタイムにはポスター内容の説明を行います。ご質問もお待ちしております。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202603256263/_prw_PI1im_7HfClod7.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>極域電離圏の“宇宙天気図”を描く新技術</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202511279926</link>
        <pubDate>Thu, 27 Nov 2025 12:00:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>図1 エミュレータにデータ同化を適用して推定された2017年3月27日の3:00～4:40 UTの20分ごとの極域電離圏電場ポテンシャルの分布 電場ポテンシャル分布からただちに電場分布を求めることがで...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2025年11月27日&lt;br /&gt;


統計数理研究所&lt;br /&gt;

&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
  &lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1　エミュレータにデータ同化を適用して推定された2017年3月27日の3:00～4:40 UTの20分ごとの極域電離圏電場ポテンシャルの分布&lt;br /&gt;
電場ポテンシャル分布からただちに電場分布を求めることができる。これは、限られた領域しか得られない観測データから数学的に補間して作成されたSuperDARNの「宇宙天気図」と比較して、磁気圏および電離圏の物理過程を取り入れた、より正確な「宇宙天気図」であると言える。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【概要】　&lt;br /&gt;
統計数理研究所および総合研究大学院大学の中野慎也教授、統計数理研究所の藤田茂特任教授、米国ジェット推進研究所のSachin Reddy研究員（元国立極地研究所）、沖縄科学技術大学院大学の片岡龍峰准教授（元国立極地研究所）、国立極地研究所および総合研究大学院大学の行松彰准教授、国立研究開発法人情報通信研究機構（NICT）の中溝葵主任研究員の研究グループは、磁気圏の物理モデルを模擬する機械学習ベースのエミュレータ※1「SMRAI2.1」に、国際的なレーダー観測網SuperDARNのデータを取り込むことで、極域電離圏の電場分布を正確に再現する新たな手法を開発しました。従来の数値モデルでは困難だった細かな時間変動の再現や、観測が不可能な領域を物理則に従った計算結果で補間することも可能となり、電離圏のこれまでにない正確な「宇宙天気図」を構成することに成功しました。&lt;br /&gt;
この成果は、数値モデルと実観測の融合によって、より現実に近い宇宙環境の再現と予測が可能になることを示しており、今後の宇宙天気予測や人工衛星の安定運用支援等への応用が期待されます。なお、本成果は、米国地球物理学会誌「Space Weather」に掲載されました。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
地球上空の高度100～1000km程度の領域は、大気の一部が電離してプラズマ状態になっており、電離圏と呼ばれています。高緯度域の電離圏では、電場の空間分布が刻々と変化しており、その電場によって作られる電離圏の電流は、人工衛星の軌道や地上のインフラに影響を及ぼすことがあります。こうした電場の変化を把握することは、宇宙空間の安全な利用や宇宙環境の理解にとって欠かせません。&lt;br /&gt;
電離圏の電場や電流は、電離圏の上にある磁気圏と呼ばれる領域の物理過程によって生成されます。すでに研究グループでは、機械学習を用いて、磁気圏の物理過程を数値的に再現する磁気圏MHDモデル※2「REPPU」の出力を模擬するエミュレータ「SMRAI2」を開発し、太陽風の条件を入力することで極域電離圏の電場分布を予測する技術を開発していました(&lt;a href=&quot;https://www.nipr.ac.jp/info2023/20240216.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;「太陽風の観測値からオーロラの広がりや電流の強さを瞬時に予測可能なエミュレータSMRAI2（サムライ2）を開発」&lt;/a&gt; | 2023年度 研究成果 | 国立極地研究所)。しかし、磁気圏・電離圏の複雑な物理過程に起因する細かい時間変動はうまく再現できていませんでした。一方、レーダーや磁場観測など、電場や電流を地上から観測する手段も存在していますが、限られた地域のデータしか得られないため、極域電離圏全体の電場や電流分布を示した「宇宙天気図」を作るのは困難でした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究内容（成果）】&lt;br /&gt;
研究グループは、天気予報でも用いられているデータ同化技術を使って、国際的なレーダー観測網「SuperDARN」が取得した電離圏プラズマ速度のデータをSMRAI2の改良版「SMRAI2.1」に取り込むことにより、極域電離圏全体の電場分布の変動を正確に再現する手法を開発しました。通常、データ同化技術は、物理モデルによるシミュレーションと観測データを統合するために用いられます。データ同化を実現するには、単にシミュレーションを行った場合の数十倍程度の計算時間が必要であり、天気予報が対象とする下層大気よりも物理過程が複雑な磁気圏のモデルにそのままデータ同化を適用するのは困難です。本研究では、機械学習で得られたシミュレーションを模擬するモデル「エミュレータ」を使うことで計算時間の問題を解決し、磁気圏・電離圏の物理過程を反映した極域電離圏の「宇宙天気図」を構成することに初めて成功したものです。従来の関数形を仮定した方法と比較すると、物理則に則った計算結果を使うことで不自然な時間変化がなくなり、より正しい「宇宙天気図」が作れるようになりました (図2)。&lt;br /&gt;
これにより、実際の電場分布が全体としてMHDモデルによるシミュレーションよりも激しく変動していることが明らかになりました。また、直接の観測が不可能な地域でも電離圏変動の様子を容易に把握できるようになりました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
図2　エミュレータとSuperDARNデータを組み合わせる「データ同化」によって宇宙天気図を作成する&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
この成果により、磁気圏MHDモデルを模擬するエミュレータと実観測を融合することで、より現実に近い電離圏環境の再現が可能になることが示されました。今後は、リアルタイムで得られる地上観測データを用いることにより、宇宙天気予測の精度向上や、人工衛星の運用をはじめとした様々な社会システムの運用支援への貢献、宇宙環境の理解に向けた応用が期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【各機関の役割分担】&lt;br&gt;統計数理研究所：エミュレータ改良、データ同化&lt;br /&gt;
国立極地研究所：エミュレータ開発、SuperDARNデータ管理&lt;br /&gt;
沖縄科学技術大学院大学：エミュレータ開発&lt;br&gt;NICT: REPPU改良版の開発、REPPU改良版による実時間シミュレーションの実施、データ資源管理&lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
※1 エミュレータ&lt;br /&gt;
数値シミュレーションの出力を予測するモデル。サロゲート(代理)モデルとも呼ばれる。計算時間の掛かる数値シミュレーションの代わりとして、短時間で結果を得るために用いられる。&lt;br /&gt;
※2　磁気圏MHDモデル&lt;br /&gt;
磁気圏・電離圏は、導電性の流体(プラズマ)で満たされているため、その物理過程を記述するには、電磁気学と流体力学を組み合わせた磁気流体力学（Magnetohydrodynamics; MHD）の方程式を用いる必要がある。MHD方程式に基づいて、磁気圏・電離圏の物理過程を計算するのが磁気圏MHDモデルであり、NICTで運用ならびに改良を行っている磁気圏MHDモデルがREPPUである。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
タイトル：Data assimilation into a machine learning-based emulator of a global MHD simulation for analyzing the polar ionosphere&lt;br /&gt;
著者：S. Nakano, S. A. Reddy, R. Kataoka, A. Nakamizo, S. Fujita, A. S. Yukimatu&lt;br /&gt;
掲載誌： Space Weather&lt;br /&gt;
DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1029/2025SW004488&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1029/2025SW004488&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【謝辞】&lt;br /&gt;
本研究を進めるに当たっては、科学研究費補助金基盤研究A (24H00277)および基盤研究B (23K24810)の支援をいただきました。また、情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設 公募型共同研究(ROIS-DS-JOINT 012RP2023)の支援もいただきました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202511279926/_prw_PI1im_6xX0N479.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>材料研究の新展開：大規模計算データベースと実験データをつなぐスケーリング則を発見</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202506050046</link>
        <pubDate>Thu, 05 Jun 2025 11:30:48 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>統計数理研究所（以下「統数研」）と三菱ケミカル株式会社（本社：東京都千代田区、社長：筑本 学）の共同研究部門「ISM-MCCフロンティア材料設計拠点」の研究グループは、物質・材料研究機構の研究グループ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2025年6月5日&lt;br /&gt;


&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;統計数理研究所&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;

　統計数理研究所（以下「統数研」）と三菱ケミカル株式会社（本社：東京都千代田区、社長：筑本 学）の共同研究部門「&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2019-06.html&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;ISM-MCCフロンティア材料設計拠点&lt;/a&gt;」の研究グループは、物質・材料研究機構の研究グループと協力し、材料研究における大規模計算物性データベースと実験データの統合解析において、「Sim2Real転移学習※1のスケーリング則※2」と呼ばれる現象を発見しました。本成果（以下「本研究」）をまとめた論文が国際学術誌「&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41524-025-01606-5&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;npj Computational Materials&lt;/a&gt;」に掲載されたことをお知らせいたします。&lt;br /&gt;
　データ駆動型材料研究では、実験データの不足が原因でAIの予測性能を十分に発揮できないことが大きな課題となっています。この課題を克服するために、物理シミュレーションによって生成された大規模な計算物性データベースの開発が進められています。例えば、計算物性データベースで事前学習されたモデルを、限られた実験データを用いて追加学習することで、直接学習では到達不可能な予測性能を実現できることが知られています。このような統合解析をSim2Real転移学習といいます。&lt;br /&gt;
本研究では、データ駆動型材料研究のSim2Real転移学習において、計算物性データベースの規模が拡大するにつれて、転移モデルの実験物性に対する性能がべき乗則に従い単調に改善していくことを実証しました。材料系のSim2Real転移学習において、スケーリング則が存在することを系統的に示したのは、これが初めてです。&lt;br /&gt;
スケーリング強度は、データベースの将来価値を評価する定量的な指標となります。また、スケーリング挙動を解析することでAIのモデルが目標性能に到達するために必要なデータ数や到達可能な限界性能を見積もることができます。さらに、スケーリング則の解析は、材料開発プロジェクトにおけるデータプラットフォーム開発の戦略立案やデータ生産プロトコルの効率化につながることが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景&lt;br /&gt;
　データ駆動型研究において最も重要な資源は、言うまでもなくデータです。しかしながら、自然言語処理やコンピュータビジョン、生物、医療などのAI先進分野に比べると、材料研究のデータ資源は極めて乏しいというのが現状です。この壁を乗り越えるために、材料研究者らは第一原理計算※3や分子動力学シミュレーション※4などの物理シミュレーションを駆使し、大規模な計算物性データベースの構築に取り組んできました。無機材料分野では、この分野の先駆けであるMaterials Project1を皮切りに、AFLOW2、OQMD3、GNoME4、OMat24データセット5など、周期表全体を網羅する計算物性データベースが次々と開発されてきました。高分子材料分野では、統数研の研究グループが、高分子材料の計算機実験を全自動化するソフトウェアRadonPyを開発しながら、2つの国立研究所、８大学、37企業に属する約260名が参画する産学連携コンソーシアムを形成し、世界最大級の高分子物性データベースの共同開発を進めています6。また、「ISM-MCCフロンティア材料設計拠点」の研究グループ（以下「同グループ」）は、量子化学計算を全自動化するシステムを構築し、高分子材料と溶媒分子の相溶性を網羅的に評価した大規模データベースを開発しています7。&lt;br /&gt;
　材料研究では、転移学習という手法を活用し、大規模な計算機実験のデータと限られた実験データを統合的に活用することで、モデルの予測性能を向上させます。例えば、計算物性データベースを用いてモデルを事前学習し、限られた実験データを用いて現実世界の予測タスク向けに微調整（ファインチューニング）します。このようなSim2Real転移で得られたモデルは、実験データだけで学習されたモデルでは到達できない高度な予測能力を発揮することが知られています。同グループは、材料開発における実践を通じて、転移学習が限られた実験データの壁を克服するための効果的なアプローチであることを実証してきました8,9。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容と成果&lt;br /&gt;
　本研究において、同グループは、材料研究の多様なタスクにおいて、Sim2Real転移学習のスケーリング則が成り立つことを明らかにしました（図1）。統数研の福水健次教授と株式会社Preferred Networksの共同研究グループは、先行研究においてスケーリング則の存在を理論的に予想し、コンピュータビジョン分野のSim2Real転移学習において、この法則が成り立つことを実証しました10。この理論によれば、ファインチューニングされたモデルの実験物性に対する予測性能は、計算データベースのサイズ の増加に伴い、べき乗則に従って単調に改善します。データ数 &amp;nbsp;の増加に対する改善率が大きく、転移ギャップが小さいデータベースが望ましいと考えられます。転移ギャップは、データベース拡大によって到達可能な限界性能であり、計算物性データベースの将来価値を表す指標となります。&lt;br /&gt;
　本研究では、RadonPy高分子物性データベースや高分子相溶性データベースから導かれた転移モデルが、さまざまな実験物性に対して強いスケーリングを示すことが確認されました。実験データの一部は、物質・材料研究機構のPoLyInfoデータベース開発チームから提供されました11。計算物性データベースは、現実世界の広範な予測タスクに対する転移可能性と強いスケーラビリティを持つことが望ましいと考えられます。これまでにさまざまな計算物性データベースが開発されてきましたが、スケーリング則の観点からその有用性を定量的に示した例は報告されていません。本研究は、多様な現実系に対して転移学習の強いスケーラビリティを持つことが、計算物性データベースの有用性を表す指標になることを示しました。&lt;br /&gt;
　スケーリング挙動の解析は、目標精度に到達するために必要なデータ数や、到達可能な性能限界を見積もることに役立ちます。また、スケーリング挙動が収束した場合には、それ以上のデータ生産を停止し、計算資源を他のプロジェクトに再分配するという意思決定が可能になります。さらに本研究では、スケーリング挙動の解析に基づく実験計画の策定や、物理実験と計算機実験の最適な資源配分を決定することが可能であることを示しました。&lt;br /&gt;
 &lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展開&lt;br /&gt;
　データ駆動型材料研究における重要なマイルストーンの一つは、このようなスケーラブルに転移可能なデータ生産プロトコルと解析ワークフローを確立することです（図2）。材料開発の多くのドメインでは、データ駆動型研究に必要な十分な量のデータを蓄積できません。この傾向は先端的な研究領域に近づくにつれて顕著になります。そこで、計算機実験のような大量データを生産可能な元ドメインを選定し、機械学習で元ドメインと目標ドメインの間のギャップを埋めるというアプローチが重要になってきます。この際、元ドメインのデータが増加することで、目標ドメインでの予測性能がスケールするようにワークフローを設計することが重要です。あるいは逆に、元ドメインのデータベースから転移可能な目標ドメインを探索していくということも重要になります。&lt;br /&gt;
　Sim2Real転移学習やスケーリング則の概念は、計算物性データベースに限らず、あらゆるデータベースの開発に適用できます。ハイスループットなデータ生産プロセスによって基盤的データを構築し、データ生産効率の低い先端研究領域との間の乖離を機械学習でスケーラブルにつなぐことが、データ駆動型材料研究の有効な戦略になります。&lt;br /&gt;
　今回の研究により、RadonPyプロジェクトにおけるデータベース開発や、ポリマー・溶媒系の相溶性予測モデルを構築するための量子化学計算・深層学習統合解析プラットフォームの設計指針が確立しました。今後もデータ生産を継続しながら、下流タスクにおける転移モデルの予測性能を向上させていく予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
 &lt;br&gt;&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
掲載論文&lt;br /&gt;
論文題目: Scaling law of Sim2Real transfer learning in expanding computational materials databases for real-world predictions&lt;br /&gt;
著者: Shunya Minami, Yoshihiro Hayashi, Stephen Wu, Kenji Fukumizu, Hiroki Sugisawa, Masashi Ishii, Isao Kuwajima, Kazuya Shiratori, Ryo Yoshida&lt;br /&gt;
雑誌: npj Computational Materials 11, 146&lt;br /&gt;
DOI: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41524-025-01606-5&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41524-025-01606-5&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
掲載日時: 2025年5月24日&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞&lt;br /&gt;
　本研究の一部は、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「データ駆動型高分子材料研究のデータ基盤」(hp210264) 、科学技術振興機構CREST（JPMJCR19I3、JPMJCR22O3、JPMJCR2332）の一環として実施されたものです。また、本研究を実施するにあたり、高分子物性データベースPoLyInfoを提供していただいた国立研究開発法人 物質・材料研究機構 技術開発・共用部門の石井真史氏ならびに桑島功氏に感謝の意を表します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
1）Jain et al., The Materials Project: A materials genome approach to accelerating materials innovation. APL Mater 1, 011002 (2013). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1063/1.4812323&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1063/1.4812323&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
2）Curtarolo et al., AFLOW: An automatic frame-work for high-throughput materials discovery. Comput Mater Sci 58, 218–226 (2012). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1016/j.commatsci.2012.02.005&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1016/j.commatsci.2012.02.005&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
3）Kirklin et al., The Open Quantum Materials Database (OQMD): assessing the accuracy of DFT formation energies. npj Comput Mater&amp;nbsp;1, 15010 (2015). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/npjcompumats.2015.10&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/npjcompumats.2015.10&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
4）Merchant et al., Scaling deep learning for materials discovery. Nature 624, 80–85 (2023). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41586-023-06735-9&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41586-023-06735-9&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
5）Barroso-Luque et al., Open materials 2024 (omat24) inorganic materials dataset and models. arXiv preprint arXiv:2410.12771 (2024). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.48550/arXiv.2410.12771&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.48550/arXiv.2410.12771&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
6）Hayashi et al., RadonPy: automated physical property calculation using all-atom classical molecular dynamics simulations for polymer informatics. npj Comput Mater&amp;nbsp;8, 222 (2022). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41524-022-00906-4&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41524-022-00906-4&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
7）Aoki et al., Multitask machine learning to predict polymer–solvent miscibility using Flory–Huggins interaction parameters. Macromolecules&amp;nbsp;56, 5446–5456 (2023). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/acs.macromol.2c02600&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/acs.macromol.2c02600&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
8）Wu et al., Machine-learning-assisted discovery of polymers with high thermal conductivity using a molecular design algorithm. npj Comput Mater&amp;nbsp;5, 66 (2019). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1038/s41524-019-0203-2&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1038/s41524-019-0203-2&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
9）Yamada et al., Predicting materials properties with little data using shotgun transfer learning. ACS Cent Sci 5, 1717-1730 (2019). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1021/acscentsci.9b00804&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1021/acscentsci.9b00804&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
10）Mikami et al., A scaling law for syn2real transfer: How much is your pre-training effective? Machine Learning and Knowledge Discovery in Databases, 477–492 (2023). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1007/978-3-031-26409-2_29&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1007/978-3-031-26409-2_29&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
11）Ishii et al., NIMS polymer database PoLyInfo (I): an overarching view of half a million data points. STAM-M 4, 2354649 (2024). &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1080/27660400.2024.2354649&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://doi.org/10.1080/27660400.2024.2354649&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
用語解説&lt;br /&gt;
※1　計算物性データベースで事前に学習されたモデルを、実験データを用いて追加学習し実験物性の予測モデルを構築する。&lt;br /&gt;
※2　AIのスケーリング則とは、機械学習モデルの性能（例：予測精度）が、学習データの量の増加に伴って、べき乗則に従って改善していくという経験則です。&lt;br /&gt;
※3　量子力学の原理に基づいて、材料の電子構造・エネルギー・反応性などを理論的に解析する手法です。&lt;br /&gt;
※4　原子や分子の運動をニュートンの運動方程式に基づいて時間発展的に追跡する計算手法です。粒子間の相互作用をポテンシャル関数で表し、物質の構造変化・拡散・熱伝導などの物理特性を原子スケールで解析します。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202506050046/_prw_PI6im_X0WNl54b.gif" length="" type="image/gif"/>
            </item>
    <item>
        <title>【開催案内】統計数理研究所オープンハウス2025「データサイエンスの挑戦 －予測・発見・創造－」</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202504107176</link>
        <pubDate>Thu, 10 Apr 2025 15:01:36 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>統計数理研究所は2025年5月23日（金）にオープンハウス2025 「データサイエンスの挑戦 －予測・発見・創造－」を開催します。 今年度の公開講演会は「人新世の環境科学とデータサイエンス」をテーマに...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
統計数理研究所は2025年5月23日（金）にオープンハウス2025 「データサイエンスの挑戦 －予測・発見・創造－」を開催します。&lt;br /&gt;
今年度の公開講演会は「人新世の環境科学とデータサイエンス」をテーマに、気候変動などの地球規模課題を解決し持続可能な社会にするため、TD(Trans-disciplinary)研究の紹介や気候変動の過去の理解と将来の予測、様々な社会シナリオ下での空間詳細な人口や都市活動の将来推計など最新の研究についてお話します。研究内容ポスター発表では13～15時のコアタイムに全教員と大学院生が交代でわかりやすく研究内容を紹介します。統計よろず相談室は統計に関わるさまざまな質問や相談に１件30分程度でお答えします。大学院説明会（総合研究大学院大学 統計科学コース）は、在学生と修了生の講演、大学院の教育と入試の説明などを行います。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
統計数理研究所オープンハウス2025&lt;br /&gt;
「データサイエンスの挑戦 －予測・発見・創造－」&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
開催日　2025年5月23日（金）10:00～17:00&lt;br /&gt;
ホームページ　&lt;a href=&quot;https://www.ism.ac.jp/openhouse/2025/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;nofollow noopener&quot;&gt;https://www.ism.ac.jp/openhouse/2025/&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
会場：統計数理研究所（一部のプログラムでオンライン配信あり）&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参加費無料 　＊参加申込み方法など詳しくはホームページをご覧ください&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【プログラム】&lt;br /&gt;
公開講演会「人新世の環境科学とデータサイエンス」&lt;br /&gt;
15:00～17:00　&lt;br /&gt;
開会挨拶&lt;br /&gt;
　山下　智志（統計数理研究所長）&lt;br /&gt;
講演&lt;br /&gt;
　安岡　善文（東京大学 名誉教授）&lt;br /&gt;
　「科学技術が社会を変えることはできるか？ー Trans-disciplinary（TD）研究の使命と役割 ー」&lt;br /&gt;
　塩竈　秀夫（国立環境研究所 地球システム領域 地球システムリスク解析研究室室長）&lt;br /&gt;
　「過去と将来の気候変動」&lt;br /&gt;
　村上　大輔（統計数理研究所 統計基盤数理研究系 准教授）&lt;br /&gt;
　「気候変動と都市成長：データで探る都市分布の未来像」&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容ポスター発表&lt;br /&gt;
コアタイム13:00～15:00　&lt;br /&gt;
統数研の全研究者と大学院生が３つのグループにわかれて、40分ずつわかりやすく研究内容を紹介します。 ＊ポスターは終日展示しています&lt;br /&gt;
ポスタータイトルリストを5月中旬にホームページより公開予定です。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
統計よろず相談室&lt;br /&gt;
10:00～12:00／13:00～15:00&lt;br /&gt;
統計に関わるさまざまなご質問・ご相談に1件30分程度でお答えします。質問のレベルは問いません。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
総合研究大学院大学先端学術院 統計科学コース大学院説明会&lt;br /&gt;
10:00～12:00&lt;br /&gt;
【対象】 進学（統計科学コース）に関心のある大学生・大学院生・社会人&lt;br /&gt;
在学生・修了生による講演、大学院の教育と入試の説明など行います。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br&gt;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202504107176/_prw_PI4im_aZo2PvO4.jpg" length="" type="image/jpg"/>
            </item>
    <item>
        <title>機械学習と分子シミュレーションを融合した 高分子材料自動設計ツールSPACIERの開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202501293518</link>
        <pubDate>Wed, 29 Jan 2025 14:28:02 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>・機械学習と分子シミュレーションを融合した高分子材料設計ツールSPACIERを開発しました。 ・SPACIERを活用して、屈折率とアッベ数（光の波長による屈折率の変化）の経験的な限界値を越える光学用高...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
 
 
 
 ・機械学習と分子シミュレーションを融合した高分子材料設計ツールSPACIERを開発しました。&lt;br /&gt; ・SPACIERを活用して、屈折率とアッベ数（光の波長による屈折率の変化）の経験的な限界値を越える光学用高分子の合成に成功しました。&lt;br /&gt; ・SPACIERは、高分子材料系の計算機実験を全自動化するソフトウェアRadonPyのソフトウェアスイートとして開発されました。RadonPyに実装された自動分子シミュレーションと連携することでさまざまな物性・系を対象に高分子材料を設計できます。&lt;br /&gt;  
 
 
 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
研究概要&lt;br /&gt; 
　総合研究大学院大学 南條舜 大学院生、JSR株式会社 Arifin 研究員、東京科学大学 早川晃鏡教授および統計数理研究所 吉田亮 教授らの研究グループは機械学習と分子シミュレーションを融合した高分子材料設計ツールSPACIERを開発しました。さらに、実証実験として、屈折率・アッベ数の経験的な限界値を越える光学用高分子の合成に成功しました。&lt;br /&gt; 
　現在、さまざまな系を対象に材料を設計する機械学習技術の開発が進展しています。特に、実験データの不足や機械学習の内挿的予測の限界を克服するために、第一原理計算や分子動力学計算などの計算機シミュレーションを統合した材料設計ツールが開発されています。しかしながら、高分子材料系の計算機シミュレーションは、計算コストの高さや計算自動化の技術的課題が依然として大きな障壁となっており、機械学習・シミュレーション統合型の材料設計ツールの開発は十分に進んでいません。そこで、統計数理研究所の研究グループは、高分子材料系の計算機シミュレーションを全自動化するPythonライブラリRadonPyを開発してきました。本研究では、このRadonPyをベイズ最適化に基づく高分子設計アルゴリズムに統合したオープンソースソフトウェアSPACIERを新たに開発しました。さらに、SPACIERに実装された多目的最適化アルゴリズムを用いて、屈折率とアッベ数のトレードオフが形成する経験的限界線を超える光学用高分子を設計し、その合成を実験的に実現しました。&lt;br /&gt; 
　本研究成果は2025年1月28日にnpj Computational Materials 誌にて発表されました。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
発表内容&lt;br /&gt; 
　データ駆動型材料研究における最大の課題は、データ資源の不足です。多くの材料研究において、機械学習に適用可能な十分なデータを確保することは難しいというのが現状です。特に、高分子材料研究におけるデータ不足は顕著です。このようなデータの量的限界を克服するには、第一原理や分子動力学に基づく計算機実験を活用することが効果的です。無機固体材料や低分子化合物の分野では、密度汎関数法などの第一原理電子状態計算を機械学習システムに統合することが試みられてきました。特に、ベイズ最適化などの適応的実験計画は、計算機実験のコストを抑制しながら、少ない試行回数で所望の特性を有する材料を選定・設計する手法として注目されています。例えば、バルクやナノ構造材料の熱伝導向上、第一原理計算に基づく結晶構造予測、波長選択的多層熱放射膜の組成最適化、蛍光低分子材料などの分野において、ベイズ最適化を実装した計算機実験システムの成功事例が数多く報告されてきました。一方で、高分子材料研究においては、計算機実験の計算コストの高さや自動化の技術的な難しさが障壁となっており、物理シミュレーションと機械学習を統合した材料設計システムの開発は、他の分野に比べて大きく遅れています。&lt;br /&gt; 
　本研究では、ベイズ最適化や能動学習などの適応実験計画に基づき、RadonPyの計算機実験を循環的に実行しながら高分子材料を設計するソフトウェアSPACIER (materials SPAce frontIER) を開発しました（図1）。統計数理研究所の研究グループが中心となって開発を進めているオープンソースソフトウェアRadonPyは、高分子材料系のさまざまな計算機実験を全自動化するツールです。高分子の繰り返し単位の化学構造、重合度、温度などの計算条件を入力すると、配座探索、電荷計算、力場パラメータの割当、ポリマー鎖の生成、シミュレーションセルの構築、平衡・非平衡計算、物性計算などの全工程を完全に自動実行します。現在公開されているバージョンには、熱物性、光学特性、力学特性など、17種類の物性を自動計算するアルゴリズムが実装されています。SPACIERは、RadonPyの機能を基盤とし、適応実験計画法のアルゴリズムを組み合わせることで、効率的かつ戦略的な高分子材料設計を可能にします。このツールの開発により、高分子材料の探索や特性最適化が飛躍的に進むことが期待されます。&lt;br /&gt; 
　今回の研究では、SPACIERの実証実験として、光学用高分子の探索を行いました。光学用高分子はメガネやカメラレンズなどに用いられる材料であり、その主な要求特性は高屈折率と高アッベ数です。アッベ数は、透明体の色分散、すなわち屈折率が波長よってどの程度変化するかを示す指標です。しかしながら、屈折率とアッベ数の間にはトレードオフが存在し、両方の特性を同時に向上させることは難しいとされてきました。このトレードオフにより、経験的な限界線が形成され、多くの既存材料がその範囲内に収まっています。本研究ではSPACIERを用いた計算機実験を通じて、この経験的な限界線を越える高分子を網羅的に探索しました。その結果、新たに合成された高分子材料は既知の限界線を越えることが実験的に確かめられました（図2）。&lt;br /&gt; 
　このようにSPACIERを活用することで、屈折率・アッベ数以外にもRadonPyで計算可能な広範な物性・材料空間や、そこからキャリブレーション可能な実験物性の目標領域に存在する高分子材料を網羅的に同定できます。現在、統計数理研究所の研究グループは、2国研・8大学・37企業と産学連携コンソーシアムを形成し、RadonPyの共同開発を推進しています。この取り組みを通じて、データ駆動型高分子材料研究が益々発展していくことが期待されています。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
 &lt;br /&gt; 
図1. SPACIERのワークフロー&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
 &lt;br /&gt; 
図 2. a SPACIERを用いて発見された高分子P1-P3の構造とその合成スキーム。mpPh-PTUはP3の類似高分子であり、両者の計算機実験の予測値が良い一致を示したため、P3の合成の替わりにmpPh-PTUの物性評価結果（文献値）を参照した。b SPACIERを用いて発見された高分子の物性値。星印はRadonPyを用いた計算機実験の予測値、丸印は現実世界で合成した高分子の物性評価結果。直線は経験的な限界線を表す。&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
発表論文&lt;br /&gt; 
論文題目: SPACIER: on-demand polymer design with fully automated all-atom classical molecular dynamics integrated into machine learning pipelines&lt;br /&gt; 
著者: Shun Nanjo, Arifin, Hayato Maeda, Yoshihiro Hayashi, Kan Hatakeyama-Sato, Ryoji Himeno, Teruaki Hayakawa, Ryo Yoshida&lt;br /&gt; 
雑誌: npj Computational Materials&lt;br /&gt; 
DOI: &lt;a href=&quot;https://www.nature.com/articles/s41524-024-01492-3&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1038/s41524-024-01492-3.&lt;/a&gt;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt; 
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202501293518/_prw_PI2im_8NDghNJU.png" length="" type="image/png"/>
            </item>
    <item>
        <title>新しいプライバシー保護データ解析プロトコル「local-noise-free protocol」を開発</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202411290828</link>
        <pubDate>Fri, 29 Nov 2024 12:16:34 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>統計数理研究所の村上隆夫准教授、電気通信大学の清雄一教授、産業技術総合研究所の江利口礼央研究員の研究グループは、パーソナルデータの漏洩を強固に防ぐ「差分プライバシー（DP: Differential ...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2024/11/29&lt;br /&gt;


統計数理研究所&lt;br /&gt;

統計数理研究所の村上隆夫准教授、電気通信大学の清雄一教授、産業技術総合研究所の江利口礼央研究員の研究グループは、パーソナルデータの漏洩を強固に防ぐ「差分プライバシー（DP: Differential Privacy）」※１を満たす新しいプロトコル「local-noise-free protocol」を開発しました。開発したプロトコルでは、各ユーザが自身のパーソナルデータをそのまま暗号化して「shuffler」と呼ばれる中間サーバに送信します。次に、shufflerが受け取ったデータのランダムサンプリングとダミーデータの追加を行った上でデータをシャッフルし、サービス事業者に送信します。最後に、サービス事業者が受け取ったデータを復号し、全ユーザのデータの頻度分布を推定します。このプロトコルにより、サービス事業者や一部の悪意を持ったユーザが様々な不正を試みても、安全で高精度な頻度分布の推定が可能となり、それに基づく様々なデータ解析への応用が期待できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
本成果は、情報セキュリティ分野の最難関国際会議The 46th IEEE Symposium on Security and Privacy (S&amp;amp;P 2025)（過去5年間の採択率：14.8%）に採択されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究の背景】&lt;br /&gt;
　スマートフォン、ウェアラブル端末、IoT（Internet of Things）などの普及に伴い、位置情報や身体活動データなどの様々なパーソナルデータを収集して、様々なデータ解析に利用できるようになりました。一方、このようなデータ解析は個人の情報を用いているため、プライバシーの問題が懸念されています。個人のプライバシーを強固に保護するために、「差分プライバシー（DP: Differential Privacy）」※１と呼ばれる安全性指標が、デファクト標準として広く用いられています。&lt;br /&gt;
差分プライバシーを実現するモデルとしては、中央集権型モデル、局所型モデル、シャッフルモデルなどがあります。中央集権型モデルでは、サービス事業者が全ユーザのパーソナルデータを保持しており、そこから求めたデータ解析結果にDPを満たすノイズを加えます。このモデルは、高いデータ解析結果の精度を実現できるのですが、不正アクセスなどにより、サービス事業者から全ユーザの元データが漏洩するリスクを抱えています。局所型モデルでは、ユーザが自身のデータにDPを満たすノイズを加えた上でサービス事業者に送信し、サービス事業者がノイズ付きのデータからデータ解析結果を求めます。このモデルではサービス事業者にはノイズ付きのデータしか送られないため、サービス事業者から元データが漏洩するリスクがありません。しかし、各ユーザがDPを満たすように大きなノイズを加える必要があるため、データ解析精度が低いという問題があります。&lt;br /&gt;
　シャッフルモデルは、中央集権型モデルと局所型モデルの両方の短所を解決するためのモデルとして近年提案されたものです。具体的には、ユーザとサービス事業者の間に「shuffler」と呼ばれる中間サーバを導入します。従来のシャッフルモデルのプロトコル（図1）では、各ユーザが自身のデータにノイズを加えて暗号化した上でshufflerに送信し、shufflerが受け取ったデータをランダムにシャッフルした上で、サービス事業者に送信します。サービス事業者は受け取ったデータを復号することで、シャッフルされたノイズ付きデータを取り出し、そこからデータ解析結果を求めます。このshufflerによるシャッフルが匿名性を高める効果を持っており、その分、ユーザが加えるノイズを少なくすることができます。また、サービス事業者には元データは送られないため、局所型モデルより高いデータ解析精度を実現しつつ、中央集権型モデルと比べてサービス事業者からの元データの漏洩リスクを低減できます。&lt;br&gt;　しかし、従来のシャッフルモデルは大きな課題を3つ抱えていました。1つ目の課題は、一部の悪意を持ったユーザが自身のデータと異なる偽のデータを送ることで、データ解析の精度を下げる「ポイズニング攻撃」に対する脆弱性です。特に、プライバシーを高めようとするほど、本来ユーザが加えるべきノイズ量が増加する一方、攻撃者は偽データにノイズを加えなくて良いため、データ解析の精度劣化の度合いが大きくなります。2つ目の課題は、サービス事業者が一部のユーザと結託する「結託攻撃」に対する脆弱性です。具体的には、サービス事業者が、結託したユーザ達のノイズ付きデータを入手することで、シャッフルによる匿名化の効果を下げることができ、その分、他のユーザ達の元データを推定する（即ち、プライバシー情報を暴露する）ことが可能となります。3つ目の課題は、データ解析精度です。具体的には、局所型モデルよりはユーザが加えるノイズを少なくできるものの、依然としてユーザのノイズ量がまだ大きいという問題を抱えています。例えば、全ユーザのデータの頻度分布（Frequency Distribution）※2を推定するタスクにおいては、頻度の小さいカテゴリー（あるいは区間）がノイズに埋もれてしまって高精度な解析ができなくなります。従来では、このような課題に対して、根本的な解決策は提示されていませんでした。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【研究成果】&lt;br /&gt;
　本研究では、データ解析のタスクとして頻度分布の推定に着眼し、従来のシャッフルモデルが抱えていた「ポイズニング攻撃」と「結託攻撃」に対する脆弱性を根本的に解決する新しいプロトコル「local-noise-free protocol」を開発しました（図2）。開発したプロトコルでは、ユーザは自身のデータにノイズを全く加えず、そのまま暗号化してshufflerに送ります。その後、shufflerは(1)ランダムサンプリング、(2)ダミーデータの追加、(3)シャッフルという3つの処理を行います。まず、各ユーザから受け取ったデータを一定の確率で削除します（ランダムサンプリング）。次に、データのとり得る値の各々に対して、「ダミー数分布」と呼ばれる分布に従ってダミーデータ数を決定し、その数だけ暗号化されたダミーデータを加えます（ダミーデータの追加）。最後に、残ったユーザのデータとダミーデータをランダムにシャッフルした上で（シャッフル）、サービス事業者に送ります。サービス事業者は、シャッフルされたデータを復号して取り出し、そこから頻度分布を求めます。本研究では、このようにshufflerがデータのシャッフルに加えて、ランダムサンプリングやダミーデータの追加を行うモデルを「拡張シャッフルモデル（augmented shuffle model）」と呼んでいます。&lt;br /&gt;
　開発したプロトコルの最大の特徴は、ユーザがノイズを一切加えない点（即ち、「local-noise-free」である点）にあります。従来のシャッフルモデルのプロトコルでは、ユーザがノイズを加えていたため、一部のユーザが偽データを送る「ポイズニング攻撃」によってデータ解析の精度が大幅に劣化する問題を抱えていました。また、サーバが一部のユーザと結託してノイズ付きデータを入手する「結託攻撃」によって、他のユーザの元データが推定されるリスクもありました。これらの脆弱性は、どちらもユーザがノイズを加えることに原因がありました。一方、開発したプロトコルでは、ユーザではなく、shufflerがランダムサンプリング・ダミーデータの追加というノイズ付与処理を行うため、「ポイズニング攻撃」と「結託攻撃」の両方に対する頑健性を実現できます。その結果、サービス事業者や一部のユーザが不正を試みても、安全で高精度な頻度分布の推定が可能となります。また、shufflerには暗号化されたデータしか送られないため、shufflerからの元データの漏洩リスクも回避できます。尚、shufflerのランダムサンプリング・ダミーデータの追加・シャッフルという3つの処理は、ユーザから受け取った暗号化データを復号することなく実行でき、開発したプロトコルは任意の公開鍵暗号方式を用いて簡単に実現できます。&lt;br /&gt;
　さらに、本研究では、ダミー数分布として、「非対称幾何分布（Asymmetric Geometric Distribution）」という新しい分布を導入することにより、従来のシャッフルモデルのプロトコルより遥かに高精度な頻度分布の推定を実現しました。DPを満たすための分布として「非対称幾何分布」を用いるのは、本研究が初です。この分布を導入することで、7つのstate-of-the-artの従来プロトコルと比べて、全ユーザのデータの頻度分布とその推定値との平均二乗誤差（MSE: Mean Squared Error）を2-4桁減らすことに成功し、頻度の高いところから低いところまで、高精度な頻度の推定ができることを示しています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【今後の展望】&lt;br /&gt;
　本研究で開発したプロトコルは、プライバシーを強固に保護したまま、高精度な頻度分布の推定を行うことを可能にしています。頻度分布の推定は、最も基本的なデータ解析タスクの一つで、位置情報から人気のある観光地を解析する、あるいはウェアラブル端末から全ユーザの身体活動データの大まかな傾向を解析する、といったユースケースに応用することが期待できます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【用語解説】&lt;br /&gt;
１）差分プライバシー（DP: Differential Privacy）：データ解析結果にノイズを加えることで、どのような攻撃者がデータ解析結果を入手しても、元のパーソナルデータに関する情報をほとんど得ることができないことを数理的に保証する安全性指標。プライバシー保護データ解析における安全性指標のデファクト標準として知られ、米国の企業や政府などで導入が進められている。&lt;br /&gt;
2) 頻度分布（Frequency Distribution）：データを特定のカテゴリー（あるいは区間）に分類し、カテゴリーごと（あるいは区間ごと）の頻度、すなわちデータ数をカウントすることで求めた分布。度数分布とも言う。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【発表論文】&lt;br /&gt;
学会名：The 46th IEEE Symposium on Security and Privacy (S&amp;amp;P 2025)&lt;br /&gt;
タイトル：Augmented Shuffle Protocols for Accurate and Robust Frequency Estimation under Differential Privacy&lt;br /&gt;
著者：村上隆夫（統計数理研究所 学際統計数理研究系 准教授／産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 客員研究員）、清雄一（電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 教授）、江利口礼央（産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 研究員）&lt;br /&gt;
DOI：&lt;a href=&quot;https://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/SP61157.2025.00019&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1109/SP61157.2025.00019&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
論文公開日：2024年11月16日&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
【謝辞】&lt;br /&gt;
　本研究の一部は、日本学術振興会科学研究費（22H00521、24H00714、24K20775）、科学技術振興機構AIP加速研究（JPMJCR22U5）、科学技術振興機構CREST（JPMJCR22M1）の助成を受けて実施されました。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
]]></content:encoded>
                                        <enclosure url="https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108437/202411290828/_prw_PI3im_m1794jt6.gif" length="" type="image/gif"/>
            </item>
    <item>
        <title>準結晶分野のデータ駆動型研究を促進する基盤データベース ―HYPOD-X―を公開</title>
        <link>https://kyodonewsprwire.jp/release/202411149945</link>
        <pubDate>Thu, 14 Nov 2024 12:30:00 +0900</pubDate>
                <dc:creator>統計数理研究所</dc:creator>
        <description>統計数理研究所、東京理科大学、物質・材料研究機構などの共同研究グループは、準結晶およびその関連物質である近似結晶に関する大規模データベース「HYPOD-X」を公開しました。準結晶は、非周期的な原子配置...</description>
                <content:encoded><![CDATA[
2024/11/14&lt;br /&gt;


統計数理研究所、東京理科大学、物質・材料研究機構などの共同研究グループは、準結晶およびその関連物質である近似結晶に関する大規模データベース「HYPOD-X」を公開しました。準結晶は、非周期的な原子配置を持ちながら秩序のある構造を持ち、従来の結晶とは異なる特異な物理特性を有します。HYPOD-Xは、膨大な数の文献を網羅的に調査し、これまでの準結晶研究に関するデータを一元的にデジタル化した初めてのデータベースです。本データベースは準結晶分野におけるデータ駆動型研究を促進する学術基盤として活用されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究の背景&lt;br /&gt;
　準結晶は、通常の結晶とは異なり、非周期的な規則性を持つ特異な物質です。近似結晶は準結晶と類似の組成・構造的特徴を持つ周期系物質であり、準結晶の前駆体物質と考えられています。これらの物質は、電気伝導や熱伝導の温度依存性が一般的な金属と逆のパターンを示すなど、通常の結晶とは異なる特性を示します。近年、物質科学の様々な分野において、機械学習を活用したデータ駆動型研究に注目が集まっています。しかしながら、準結晶分野では包括的なデータベースが未整備であったため、機械学習の導入が妨げられてきました。また、準結晶の構造と物性の関係を俯瞰的に理解し、新材料の創出を促進するためにも、体系的かつ包括的なオープンデータベースの整備が求められています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
研究内容（成果）&lt;br /&gt;
　同グループは、準結晶および近似結晶に関する世界初の大規模データベース「HYPOD-X (Hypermaterials Open Database for X, Xは機械学習などの活用対象を表すワイルドカード)」を開発しました。HYPOD-Xは、論文や書籍のテキストや図表から抽出された準結晶および近似結晶の組成、構造、物理特性に関するデータを構造化し、研究者やエンジニアが利用しやすい形でデータを提供しています。これにより、データ駆動型アプローチの基盤が整備され、準結晶研究のさらなる進展が期待されます。&lt;br /&gt;
図1に示すように、HYPOD-Xは組成データセット、相図データセット、物性データセットの三つのデータセットから構成されています。手動または半自動で抽出されたデータは、専門家による厳格な検証を経てCSV形式で配布されています。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
図1：HYPOD-Xを構成する三つのデータセットとデータ収集手順&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
　組成データセットは、準結晶と近似結晶に関する最も基本的な情報です。組成、構造分類、熱処理条件を含むデータは、専門家による厳密な検証を経てデータベースに登録されます。また、エラーデータの自動抽出アルゴリズムを適用することで、データの品質を向上させています。データの量は、準結晶の組成を整理した先行研究[1]の約10倍に上ります。さらに、同グループはこのデータセットを用いた機械学習により、新しい準結晶の発見に成功しています[2]。&lt;br /&gt;
　物性データセットには、論文や書籍の図表から抽出した熱物性や電気物性、磁気物性などの温度依存性曲線が含まれています。このデータを俯瞰することで、準結晶の専門家でも見過ごしていた新たな法則が発見されることが期待されます。例えば、準結晶では高温になるほど熱伝導率が上昇する傾向があります。これは通常の金属や結晶では見られない特性です。この特性を利用することで、熱の流れを特定の方向に制御する熱整流材料の開発が可能になります。膨大なデータから最適な温度依存性を示す準結晶を同定することで、新しい熱管理デバイスの開発を加速できます。&lt;br /&gt;
　相図データセットには、論文や書籍の図を数値化したデータが含まれています。このデータは準結晶や近似結晶が熱力学的に安定化する組成範囲やその他の条件を示しています。このデータに機械学習を適用することで、準結晶や近似結晶の新たな物質相を予測することが可能になります。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
今後の展望&lt;br /&gt;
　HYPOD-Xは、準結晶分野においてこれまでにない規模のデータベースです。同グループは今後もデータベースを継続的に拡張していく予定です。現在、物質科学や材料科学の様々な分野でデータ駆動型研究の基盤整備が進められています。一方、準結晶分野には包括的なオープンデータが存在しなかったため、データ駆動型研究の発展が制約されていました。今回のオープンデータベースの整備により、今後は様々なデータ駆動型研究が展開されることが期待されます。また、大量のデータを俯瞰することで、準結晶研究に新たな視点や科学的法則をもたらすことが期待されます。&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
発表論文&lt;br /&gt;
タイトル: Comprehensive experimental datasets of quasicrystals and their approximants&lt;br /&gt;
著者: Erina Fujita1,2, Chang Liu1, Asuka Ishikawa3, Tomoya Mato2, Koichi Kitahara4, Ryuji Tamura3, Kaoru Kimura1,2, Ryo Yoshida1,2,5, Yukari Katsura2,6,7&lt;br /&gt;
掲載誌: Scientific Data&lt;br /&gt;
DOI: &lt;a href=&quot;https://www.nature.com/articles/s41597-024-04043-z&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener&quot;&gt;10.1038/s41597-024-04043-z&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
掲載日: 2024年11月13日&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
1. 統計数理研究所, 2. 物質・材料研究機構, 3. 東京理科大学, 4. 防衛大学校, 5.総合研究大学院大学, 6. 筑波大学, 7. 理化学研究所&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
[1] W. Steurer and S. Deloudi, Crystallography of Quasicrystals, Springer Series in Materials Science 126 (Springer, Berlin, Heidelberg, 2009).&lt;br /&gt;
[2] C. Liu, K. Kitahara, A. Ishikawa, T. Hiroto, A. Singh, E. Fujita, Y. Katsura, Y. Inada, R. Tamura, K. Kimura, and R. Yoshida, Phys. Rev. Materials 7, 093805 (2023).&lt;br /&gt;
&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
謝辞&lt;br /&gt;
本研究は、文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「ハイパーマテリアル：補空間が創る新物質科学」（19H05817, 19H05818, 19H05820）、JST-CREST未踏物質探索領域「フェイゾンエンジニアリング：構造タイル組み換えに基づく新物質創製」（JPMJCR22O3）の助成を受けました。&lt;br /&gt;
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&amp;nbsp;&lt;br /&gt;
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