新商品や新製品の発売・発表の際は「新商品のプレスリリース」を配信して販売拡大を狙いましょう。
本記事では、新商品のプレスリリースの構成や書き方、コツ・ポイントなどを詳しく解説します。また下記に新商品発表のプレスリリースのテンプレートを用意しました。ダウンロードしてご活用ください。
目次
新商品発表のプレスリリースの基本構成
プレスリリースは、新商品の発表など、企業の伝えたい最新情報やニュースを社会に知らせる公式文書です。
ステークホルダー(利害関係者)やメディアに向けて発表し、記事として取り上げてもらうことで、商品の訴求やブランドイメージの向上などの効果が期待できます。そのため、多くの企業がプレスリリースにて新商品の発表を行っています。
プレスリリースには、書き方に基本的なルールがあります。プレスリリースの構成は、以下のように分類されています。
- 発信日・発信者(正式名称)
- タイトル
- リード文
- 本文
- イベント概要
- 問い合わせ先
上記の項目でプレスリリースを作成すると、誰もが読みやすい基本のプレスリリースが完成します。プレスリリースを作成する際は、この構成を守って作成しましょう。
プレスリリースの構成について、以下の記事に詳しくまとめてあります。ぜひご一読ください。
「プレスリリースの構成とは?基本構成と注意するポイントも合わせて解説!」の記事を見る
新商品発表のプレスリリース 書き方のポイント
新商品の発表のプレスリリースの書き方には、以下の4つのポイントがあります。それぞれ説明していきます。
タイトル・サブタイトルに新商品名、発売日、特徴を
タイトルは、プレスリリースを受け取った記者が、本文まで読み進めるかどうかを判断する大切な項目です。プレスリリースの内容を短くまとめ、一読で理解できる簡潔なタイトルを作成しましょう。
新商品のプレスリリースにおいては「新商品名」「発売日」「特徴の要約」を含んで作成します。
付け加えて30字程度から50字以内に収め、タイトルとサブタイトルを使い分けて表現することもおすすめです。例えば次のようなタイトルになります。
Web会議専用の新たなコミュニケーション・ツール「■■■■」を〇月〇日発売
テレワーク時代のコミュニケーション課題を背景に独自の制御技術を開発。Web会議ツールでは初めて△△△△△のできる機能を搭載
タイトルのつけ方について以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る
リード文は5W1Hで作成
リード文は、タイトルの次に来る文書全体の概要を説明した文章です。タイトル同様、本文まで読み進めるかどうかの判断をする重要な箇所になります。
リード文の作成は、「5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)を整理して書く」「ニュース性を明確に表現する」「本文を簡潔に要約する」ことが重要です。書き方に悩む際は、本文を書き上げてから要約作業を行う方法もあります。例えば次のような文章になります。
株式会社ABC(本社:東京都港区/社長:共同太郎)は、20XX年○月○日から、Web会議ツールでは初めて(*1)となる△△△△のできる機能を搭載したコミュニケーション・ツール「■■■■」を、全国の家電量販店で発売します。
「※ 20XX年〇月当社調べ」
リード文について、以下の記事にてより詳しく解説しています。ご参照ください。
「プレスリリースはリード文が勝負!記事化につながる書き方」の記事を見る
本文では「開発の背景」を
本文では、タイトル・リード文の補足を記載します。書き方の基本は結論から記載し、その後、起(背景)→承(本題)→転(展開)となります。
新商品発表のプレスリリースの場合は、「なぜ今その商品が必要なのか」といった開発の背景や、「誰にどんなメリットをもたらすのか」という意義も記載できると、誰もが読みやすい本文に仕上がります。例えば次のような文章になります。
テレワークが広がり、Web会議が急速に普及し、ソリューションとしてのWeb会議ツールを導入する企業も増えてきました。Web会議ツールの市場規模は約○億円と言われ、今後ますます拡大していくことが予想されています。(20XX年度□□レポートより)
Web会議が増える一方、ツールを導入する企業には、・・・・などのコミュニケーション課題が顕在化しつつあります 。
■■■■は、新たに△△△△のできる機能を搭載することで、これらの課題に対するソリューションを提供します。本機能の搭載は、Web会議関連のコミュニケーション・ツールでは初めてとなります。
また新商品の説明は、箇条書きや小見出し等でアクセントをつけると、文章全体が読みやすくなります。
本文の書き方のポイントとしては「社内用語や業界用語、横文字等は極力使用しない」「一文の文字数は極力少なくする」「商品の詳細などは箇条書きにする」等に気を付けて作成することも注意を。
加えてイベントの補足や今後の展望、リード文の補足事項があれば、本文内に記載します。リード文同様「5W1H」を意識し、簡潔に整理して書くと良いでしょう。
本文の書き方について、以下の記事に詳しくまとめています。本文執筆前にぜひご一読ください。
【初心者必見】記事になりやすいプレスリリース本文の書き方」の記事を見る
問い合わせ先を忘れずに
「問い合わせ先」は、プレスリリースの最後に必ず記載します。電話番号とメールは必須で入れます。
さらに重要な注意事項として、担当者の2名体制が挙げられます。担当者を2名体制にしておくと、どちらかが不在の場合でも、記者からの連絡を逃すことなく対応ができます。可能な限り担当者は2名を記載しておきましょう。
プレスリリースの問い合わせ先の書き方について、以下の記事が参考になります。ぜひご覧ください。
「実は記事化を左右する!プレスリリースに問い合わせ先を必ず書こう」の記事を見る
新商品発表のプレスリリースのコツ・注意点
新商品発表のプレスリリースを作成する際の注意点に、以下の項目があります。それぞれ説明していきます。
画素数の大きい画像を用意する
新商品発表のプレスリリースでは、画像の掲載が必須になります。画像掲載がない場合、メディアに記事化してもらう可能性が極端に低くなる、といっても過言ではありません。
画像サイズはできるだけ解像度の高いものが望ましく、印刷に適した解像度を考慮すると350〜600dpi、サイズは5MB以内が推奨されます。
メイン画像のほかサブ画像も用意し本文内に適宜挿入すると、より商品の内容が伝わりやすくなります。
画像の選択はSNSでの拡散や、記事になって紹介される時のことをイメージして用意すると、より商品の魅力が伝わるプレスリリースが作成できそうです。
プレスリリース内に挿入する画像について、以下の記事に詳しくまとめています。あわせてご参照ください。
「プレスリリースに画像は必須?記事化を目指すならしっかり画像を用意しよう」の記事を見る
「初年度売上目標」など具体的な数値を入れる
「価格は〇〇円(税込)で、初年度売上は〇〇万円を計画しています。」のように、初年度売り上げ目標の開示が可能であれば、記載しましょう。
初年度売上目標などの数値は、特に経済部記者が求める情報です。具体的な数字があると、当該新商品の市場性も伝わります。
数値でインパクトを与えることにもなり、より記者の目を引くリリースが完成します。可能な範囲で明記すると良いでしょう。
「初めて」などの記載には根拠を記載
例えば「業界初」などの表現は、インパクトを与え、記者の目を引く見出しが作成できるかと思いますが、注意が必要です。
プレスリリースでは「初めて」「人気No.1」などの最上級表現を使用する場合は、あわせて客観的な調査結果を記載しなければなりません。
「※ 20XX年〇月当社調べ」のように、調査データや引用データには出典を明記するようにしましょう。
最上級表現のルールについて、以下の記事が参考になります。ご参照ください。
「「No.1」などの最上級表現に注意!プレスリリースで使うときに確認すること」の記事を見る
「メディア視点」を取り入れる
毎日多くのプレスリリースが届くメディアの記者に対し、自社のプレスリリースに注目してもらうためには「メディア視点」のあるプレスリリースの作成が求められます。
「メディア視点」とは、例えば次のような項目です。
- どこが新しくて、どこが他と違うのか?
- 社会や生活者との関わりがあるか、どんなメリットや影響をもたらすか?
- タイムリーなネタなのか、なぜ今なのか?
メディアはニュースバリュー(報道する価値)のあるネタを記事にします。
「独創性」や「独自性」「希少性」「意外性」のある、メディアが欲する内容のプレスリリースを作成しましょう。
メディアに記事化されやすいネタを、以下の記事内で紹介しています。ご参照ください。
「 メディアに取り上げられやすいプレスリリースとは?プレスリリース配信会社が解説」の記事を見る
新商品発表のプレスリリースを配信するタイミング
新商品・新製品発表のプレスリリースの配信タイミングは、「情報解禁日」を決めて配信します。
情報解禁日とは、企業や組織内の未公開情報を公に発表する日のことで、この日にあわせて新商品発表のプレスリリースを配信することになります。
もし情報解禁日前に発表してしまうと、社内の関係部署や取引先、メディアなどは混乱し、企業としての信用は失墜します。情報解禁日前に一部メディアが報道してしまうと、他のメディアは掲載を見送る結果になります。そして、メディアとの信頼関係も喪失することになります。社内調整をしっかり行い、情報解禁日は必ず守るようにしましょう。
新商品発表の目安としては「一週間前〜前日」です。配信のタイミングが早すぎる場合、記者や生活者に忘れられてしまう懸念もあります。また商品発売後に発表のリリースを配信しても、ニュース性が損なわれてしまい無意味なものになってしまいます。
自社の公式サイトやSNSも、原則としてすべて情報解禁日時以降に公開する手順になるため、覚えておきましょう。
例外として、新商品の発売前にプレスリリースを配信することもあります。
例えば発売予告を期待感を持たせて告知する「ティーザー広告」の配信とあわせたタイミングでのリリース配信などが挙げられます。この場合はPRとマーケティング、各部署で連携し、適切なタイミングを見計らいリリース配信を行いましょう。
新商品発表のプレスリリースを配信するメリット
新商品発表のプレスリリースを配信するメリットは、商品の販売拡大のほかに「新商品を通じて企業メッセージや理念を訴求する」「他社との差別化を図る」があります。
前章「本文では「開発の背景」を」でもお伝えしたように、新商品・新製品発表のプレスリリースでは、新商品を開発するに至った背景やストーリーを記載します。それは、企業の理念や社会に対する思いなど、企業メッセージが伝わる良いチャンスとなります。企業に対する新たなファンの獲得にもつながることでしょう。
さらに他社との差別化にもつながります。新商品を打ち出すこと自体の差別化もありますが、プレスリリースを通し企業の姿勢を表わすことで、結果、他社との違いを表現する好機にもなります。
新商品発表のプレスリリースの配信事例を紹介
実際に配信されている新商品発表のプレスリリースの配信事例を確かめてみましょう。
共同通信PRワイヤー国内配信サービス「新着のプレスリリース」から、「新商品・新製品のプレスリリース」関連のプレスリリースを配信している4社をご紹介します。
■新商品・新製品のプレスリリース
「新設計の騒音ばく露計「NB-14」を発売 騒音作業場における作業者の安全を守るため」
「チャットツールへダイレクトに情報が届く「NewsChat」無料提供開始」
「オンライン英会話「Bizmates」、プラン内容を改定 全プランにビデオレッスンを付帯〜英語学習に欠かせない予習・復習をビデオでサポートし、レッスン効果を最大化〜」「パンやお菓子づくりを楽しむ人向けの高機能クッキングスケールを3月1日に発売
「パンやお菓子づくりを楽しむ人向けの高機能クッキングスケールを3月1日に発売
0.1グラム単位で細かくはかれ、水や牛乳の量をミリリットルで表示 トレンドの4カラーをラインアップ」
メディアに記事化される新商品発表のプレスリリースを配信しよう
新商品・新製品のプレスリリースを配信し、メディアに記事にしてもらうことで、販売拡大はもちろん、他社との差別化や企業メッセージの訴求が可能になります。
記事内の書き方やポイントを参考に、ぜひ新商品発表のプレスリリースを配信してみましょう。
プレスリリースの作成が初めてという方でも、以下のテンプレートを使用すれば新商品発表のプレスリリースの作成が容易にできます。
ダウンロードしてご利用いただくことが可能です。ぜひご活用ください。