自動ロボット3D形状計測・検査システム発売、搬入から最短1日で運用開始

測定器メーカー、独ジーオーエムが開発した製品「ATOS(エイトス)スキャンボックス」を丸紅情報システムズが日本総代理店として販売。従来は手作業で撮影していたため、人によって計測結果にばらつきが生じるなど課題があった。新システムはロボットを使うことで、正確さを保ったまま部品の加工精度を自動測定可能。

2012/12/18

丸紅情報システムズ株式会社

搬入から最短1日で運用開始 

自動ロボット3D形状計測・検査システム 発売

簡単操作で多くの部品を効率的に計測

丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:渋谷区渋谷3-12-18、社長 小川 和夫)は、形状測定機メーカーの独ジーオーエム社(GOM mbH 本社:ドイツ・ニーダーザクセン州、社長 コンスタンチン ガラヌリス / Konstantin Galanulis、1990年設立)が開発した、自動ロボット3D形状計測・検査システム「エイトス スキャンボックス(ATOS ScanBox)」の販売を12月19日より開始します。3Dの形状計測および計測結果を用いた検査を行い、ロボットを初めて扱う技術者でも、短期間で運用を開始できる簡単操作が特長です。

エイトス スキャンボックスは、非接触3D形状計測機、6+1軸ロボット、GUI型ロボット動作・計測手順プログラミングソフト、検査・解析ソフト、ボックス壁面を安全柵とした安全システムを組み合わせて構成しています。計測できるサイズによって、現在2機種の商品ラインアップを用意。上位機種の5120は、装置サイズ高さ2.7m幅3.3m奥行3.3mで、縦横奥行の各寸法が2mまでの範囲を計測可能です。5108は、装置サイズが高さ2.7m幅2m奥行2.55mで、縦横奥行の各寸法が0.8mまでの範囲計測可能です。今後、目的物の大きさに合わせた装置サイズの異なるシステムを順次リリースしていく予定です。

エイトス スキャンボックスは、設計データと設計データを基に製造された部品の形状比較、部品の寸法・角度の計測など、形状に関する検査を実施することが可能です。初心者には困難と言われるロボットの動作設定も、エイトス スキャンボックス内における計測作業をあらかじめ最適化しているため、初めてロボットの設定・操作を行う技術者でも容易に行えます。一度、計測手順、検査レポート内容をシステムに登録すれば、計測作業からレポート出力まで自動化できます。実際の計測操作は計測対象物を計測台に設置し、スクリーンのアイコンをワンクリックするだけのタッチパネルを使ったキオスク・モードで、計測からレポート作成まで簡単に行うことができます。通常運用時の操作も簡単でロボットの動作指定からシミュレーションまで、基本的に非接触3D形状計測機の計測操作のみでロボットの知識なくても自動計測することができます。

エイトス スキャンボックスの搬入・組立から計測業務の開始までにかかる時間は、予め動作・検査手順データを作成しておけば最短1日で行うことが可能です。エイトス スキャンボックスを導入することで、工数の削減と業務の高速化、および計測オペレータの熟練度合の差異による測定値のバラつきを改善します。世界中に拠点をもつ製造業において、エイトス スキャンボックスを活用すれば、どこの拠点でも、属人性を排除し、統一された基準での品質管理が迅速かつ容易に構築可能です。多くの製造業がめざしている世界中の拠点での品質管理(QC:Quality Control)の強化に、非常に効果的です。

これまでロボットによる自動計測は、ロボットの導入計画と設置、安全規定に沿ったエリアと安全柵などの防護施設の設置、ティーチング*などのロボット操作ソフト、シミュレーションチェックソフトなど、導入に手間、知識、人、時間を必要としました。通常、動作検証から稼働開始まで数か月以上の期間をかけています。ロボットによる自動計測は、ロボットで計測センサーを移動させた際に発生する慣性の解消など、高速および高品質な計測を行うために解決しなければならない様々な問題があり、市販のロボットと3D計測機を組み合わせれば実現できるものではありません。エイトス スキャンボックスは、ジーオーエム社が10年近い年月をかけてユーザと協力しロボットによる自動計測システムを構築してきた経験とノウハウを基に開発しました。スキャンボックスは2012年5月に欧州で発売され、これまでフォルクスワーゲン、BMWなどの大手自動車メーカーを中心に約30台が導入されています。

非接触3D形状計測機には、高速、高精度を誇るエイトス トリプルスキャン(ATOS TripleScan/2011年2月発売)を採用しています。高い計測精度と取り扱いが簡単なことが特長で自動車、家電、重工業など、様々な産業で利用されています。

エイトス スキャンボックスの販売価格は、3,000万円(予価/税抜)から。

MSYSでは、自動車、家電など世界中に製造拠点を持つ製造業を中心に、販売開始から1年間で3億円の販売を目標にしています。

2012年11月、アジア初、大学としては世界で初めて、近畿大学理工学部(大阪府東大阪市、学部長:宇田宏)がエイトス スキャンボックスを先行導入しました。エイトス スキャンボックスで金型および金型で作られた部品を計測・解析することで、金型製造技術をデジタル化する取り組みに活用されます。この取り組みは大阪東部地域の金型産業の維持・発展を目的に近畿大学理工学部が中心となって立ち上げた「金型プロジェクト」の一環です。

【エイトス スキャンボックス製品ラインアップ】

品名 5120

形状計測センサー 非接触3D形状計測ATOS TripleScan

自動計測可能な部品の最大サイズ 縦横奥行の各寸法が2,000mm以内

自動計測可能な部品の最大重量 500kg

システム寸法 高さ2,700mm 幅3,300mm 奥行3,300mm

主な検査機能 CADデータと計測結果の形状比較、寸法・角度計測、幾何公差検査など

電源 200-400V/三相16A

品名 5108

形状計測センサー 非接触3D形状計測ATOS TripleScan

自動計測可能な部品の最大サイズ 縦横奥行の各寸法が800mm以内

自動計測可能な部品の最大重量 300kg

システム寸法 高さ2,700mm 幅2,000mm 奥行2,550mm

主な検査機能 CADデータと計測結果の形状比較、寸法・角度計測、幾何公差検査など

電源 200-400V/三相16A

■製品ホームページ:http://www.marubeni-sys.com/de/gom/

*ティーチング:ロボットの動作プログラムの作成方法。手動によるロボットの動きを記録して、自動化プログラムとして活用する。実際にロボットを動かしてプログラムを作成する方法をオンラインティーシング、シミュレーションソフトウェア上で仮想ロボットを動かしてプログラムを作成する方法をオフラインティーチングという。

【ジーオーエム社について】

ジーオーエム社(GOM mbH)は、1990年に独ブラウンシュバイクに本社を置く、光学式3次元測定とデジタイジングのリーディングカンパニーです。光学を用いた3次元座標測定技術、物質の変形解析、品質管理にフォーカスしたテクノロジーであらゆる産業の商品開発と品質保証に役立つソリューションを提供しています。

ジーオーエム社ホームページ:http://www.gom.com/

【丸紅情報システムズについて】

丸紅情報システムズは、最先端ITを駆使した付加価値の高いソリューションやサービスを、お客様視点で提供するソリューションプロバイダです。製造・流通・サービス・小売・金融業を中心とする様々な業界の知見と高度な提案力、コンサルティングからシステム設計・構築、運用・保守サービスまでをワンストップで提供する総合力、そして、グローバルな視点からお客様の差別化に貢献する最先端技術が私たちの強みです。エンタープライズソリューション、製造ソリューション、プラットフォーム&ネットワーク、コールセンターソリューションとデータセンターを軸とするビジネスサービスの5つの事業展開でお客様のビジネスを支援します。

<製品に関するお問い合わせ>

丸紅情報システムズ株式会社

製造ソリューション事業本部 計測製造ソリューション部

電話:03-5778-8571

URL: http://www.marubeni-sys.com

〒150-0002東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル

*文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。

*ニュースリリース記載の情報は発表日現在の情報です。記載の情報は予告なく変更される可能性がございます。

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エイトス スキャンボックス5120

エイトス スキャンボックス5108

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