「SNSでの結婚式写真」に関する意識調査

トレンド総研

生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研では、このたび、「婚テロ」をテーマとしたレポートを発表いたします。

2015年8月7日

トレンド総研

幸せだけにあらず!? 「もやもや」「イラっとする」…ネガティブな反応も

SNSの“結婚式写真”が引き起こす“婚テロ”

未婚女性の約3人に1人が被害経験あり!

“多感な20代”に対して、“ドライな30代”…年代によって抱く感情に差

生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区、URL:http://www.trendsoken.com/)では、このたび、「婚テロ」をテーマとしたレポートを発表いたします。

トレンド総研では、これまでにSNSに関連する様々な調査をおこなってきました。

・ 「SNSの“黒歴史”」に関する調査(2015年6月24日実施) URL:http://www.trendsoken.com/report/pc/1784/

・ 女性の「SNSでの自己演出」に関する調査(2014年12月18日実施) URL:http://www.trendsoken.com/report/pc/1159/

・ 「SNSリア充」に関する調査(2014年3月20日実施) URL:http://www.trendsoken.com/report/pc/474/

・ 「ネット人格」に関する調査(2013年4月19日実施) URL:http://www.trendsoken.com/report/pc/219/

・ 「SNSと恋愛」に関する調査(2013年3月6日実施) URL:http://www.trendsoken.com/report/pc/397/

今回は、SNSに投稿されている“結婚式写真”にフォーカスして、20~30代の未婚女性500名を対象に調査をおこないました。

春から初夏にかけての時期は気候が安定しており、祝日の関係で連休が多いなどの理由から、1年の中でも結婚式が多くおこなわれるシーズンです。この時期にSNS上で頻繁に見られるのが、結婚当事者、および、結婚式参列者によるSNSでの“結婚式写真”のシェアでしょう。SNSが日常に根付いている若い世代にとって、結婚式などのイベントとSNSでの写真のシェアは、現代においては密接に結びついています。

“幸せ”の象徴と言える結婚式の様子が伝わってくる“結婚式写真”は、単に結婚式自体や結婚したことの報告として投稿されるのではなく、幸せをシェアしている側面もあると考えられます。その反面、過去にトレンド総研でおこなった「SNSリア充に関する調査」や、「SNSでの自己演出に関する調査」からもわかるように、こうした写真は投稿者の意図にかかわらず、ネガティブに捉えられてしまう可能性もはらんでいると言えます。

そこでトレンド総研では、ネット用語の「飯テロ」※になぞらえて、SNS上で“結婚式写真”を見て、もやもやする、憂鬱になる、イラっとしてしまうなど、ネガティブな感情を抱いてしまうことを、「婚テロ」と名付けました。レポートでは、“結婚式写真”の目撃率が高いSNSや、それらの写真に対してどのように感じるかなどの調査結果をもとに、「婚テロ」の実態を紹介いたします。

※「飯テロ」:SNSなどに食欲をそそる料理や食事の写真を投稿し、見るものの食欲をかきたてる行為、または、その写真自体

◆ “結婚式写真”の目撃率No.1は「Facebook」。20代の方が目撃率が高い結果に

はじめに、“結婚式写真”の投稿を見たことがあるSNSについて調べたところ、2位以下を大きく引き離して目撃率1位となったのは「Facebook」(55%)。2位に「Instagram」(18%)、3位に「Twitter」(11%)が続きました。実名制のSNSである「Facebook」は、リアルな人間関係と強く紐付いており、結婚という人生の一大イベントを手軽に報告できる手段としても、他のSNSよりも適していると言えます。また、「タグ付け機能」によって自分とは接点がない人の“結婚式写真”がタイムラインに表示されることも多く、“結婚式写真”の目撃率が圧倒的に高いことの、要因のひとつと言えるでしょう。

「Facebook」での“結婚式写真”の目撃率を年代別に見ると、20代では66%、30代では45%と、目撃率に差が出る結果となりました。目撃率だけで見ると、“結婚式写真”を多く目撃している20代の方が、「婚テロ」被害にあっている可能性が高いことも考えられます。

ちなみに、見たことがある“結婚式写真”の種類としては、「結婚式の参列者が投稿した写真(タグ付け機能で表示されているものも含む)」(79%)が最多で、続いて「(投稿者)自らの結婚式の写真」(56%)となりました。そのほか、「(投稿者)自らの結婚式のときの写真を使ったプロフィール写真」(34%)なども目撃されているようです。

◆ 5人に1人は「幸せアピール」だと思っていることが判明… “多感な20代”と“ドライな30代”で差

続いて、“結婚式写真”を見てどのように感じるかを聞くと、上位には「素敵だと感じる」(55%)、「羨ましい気持ちになる」(38%)、「幸せな気持ち・気分になる」(34%)など、ポジティブな感情が並びました。

当たり前とも言える上位回答の一方で、「幸せをアピールされているように感じる」(20%)や「焦る(自分も結婚しなければと感じる)」(14%)、「自慢されているように感じる」(12%)などのネガティブな感情も一定数が抱いており、「婚テロ」の片鱗が感じられる結果も見受けられます。

また、年代別に比較すると、20代はポジティブ、ネガティブともに全体を通して回答率が高い中で、30代はいずれも回答率が低い傾向が見られます。ただし、30代は「特に何も感じない」と回答した人が20代の約3倍で、他の感情と比較しても特徴的でした。

こうした「婚テロ」写真に関して、ネガティブな感情を抱く際の投稿者との関係性を聞いたところ、「あまり親しくない同性の知人」(55%)が最多で、続いて「同性の友人」(39%)、「あまり親しくない異性の知人」(34%)、「仕事の付き合いだけの同性の知人」(29%)などが上位に並びました。関係性が遠い人ほど「どうでもいい」と感じるのではなく、自分と投稿者の距離にかかわらず、「同性(女性)であること」がネガティブな感情を抱くひとつの理由になっていることが読み取れます。同性だからこそ余計に、自分の現状のステータスなどと比べてしまいやすく、結果として、ネガティブに受け取ってしまう可能性もあると考えられます。

◆ 約3人に1人が「婚テロ」被害経験あり! 20代は“多感さ”ゆえに被害経験が多い可能性も?

そこで、実際に「婚テロ」被害経験があるかどうかについて調査をおこないました。

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『婚テロ』とは…

SNS上の“結婚式写真”を見た際に、もやもやする、憂鬱になる、

イラっとする、嫉妬する、自らの結婚に焦りを覚えるなど、

何らかのネガティブな感情を抱く、あるいはネガティブな気持ちになってしまうこと

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上記のように「婚テロ」を定義した上で、「『婚テロ』被害にあったことがありますか?」と質問したところ、「ある」と回答した人は27%で、約3人に1人に被害経験があることが明らかになりました。

年代別に見ると、20代の被害経験は32%、30代では22%と、20代の方が「婚テロ」被害にあった人が多くなっています。また、恋人の有無によって差があるのかを調べると、20代では「恋人がいる」人が「恋人がいない」人に比べて「婚テロ」被害経験が多く、30代では恋人の有無にかかわらず、20代に比べて「婚テロ」被害経験が少ない結果となりました(「恋人がいる」人の被害率:20代 35%・30代 22%、「恋人がいない」人の被害率:20代 28%・30代 22%)。

先の調査において、20代の方が“結婚式写真”を見て様々な感情を抱いていたことを鑑みると、年代によって被害経験に差が出たことは、20代の「多感さ」が関係しているとも考えられます。

◆ 自分も結婚したいのに、自分には程遠いから… ネガティブになる理由も多種多様

そこで最後に、“結婚式写真”に対して、実際にどのような気持ちになったかや、写真を投稿する行為自体に感じたことなどについて、エピソードを聞きました。20代では“結婚式写真”を見て素敵であると思う反面、ネガティブな感情も抱いてしまう複雑な心境がわかるコメント、30代では「何も感じない」人が比較的多かった調査結果を裏打ちするように、「どうでもいい」「興味がない」といったコメントが目立ちました。

<20代>

「幸せそうで素敵だなと思う反面、恋人もいない自分に焦りを感じる」(26歳・恋人なし・愛知県)

「すごく素敵で羨ましいけど、自分には程遠いからイラっとするし、見たくない」(25歳・恋人なし・埼玉県)

「綺麗な花嫁姿をみると、羨ましくなる。あまり仲良くない子だと、幸せアピールがちょっとイライラする」(26歳・恋人あり・東京都)

「自分も早く結婚したいと思っているので、正直羨ましさが勝ってしまって少しイラっとする。まわりに幸せな自分をアピールしたいのかなと冷めた目で見てしまう自分もいる」(27歳・恋人あり・東京都)

<30代>

「人は人。あまり興味がない。感動もしないし、むかつきもしない」(32歳・恋人あり・神奈川県)

「友達のことと自分のことは全く別に考えているので、憂鬱な気分になることはない」(34歳・恋人なし・愛知県)

「自分には関わりがないので、見かけると正直どうでもいい気持ちになる」(32歳・恋人なし・京都府)

友人・知人のお祝い事を喜ぶ気持ちはありながらも、イラっとしたり、もやもやしたり、冷めた目で見てしまったり、またはどうでもいいと思ったりと、“結婚式写真”に限らず、結婚に対する複雑な女心が反映された今回の調査結果。結婚式は年間を通していつでもおこなわれており、SNSで“結婚式写真”を見る機会は常にあると言えます。今後、まもなく秋の結婚式シーズンを迎え、「婚テロ」被害者が増加する可能性も考えられます。

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[調査概要]

調査名:「結婚式写真」の投稿に関する調査

調査対象:20歳~39歳の独身女性500名 (年代別・恋人の有無で均等割付)

※SNSを日常的に利用している方(週に1~3回程度の投稿)

調査期間:2015年7月27日(月)~2015年7月28日(火)

調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

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