第五回早稲田大学坪内逍遙大賞決定 大賞に伊藤比呂美氏

早稲田大学

2015年9月17日

早稲田大学広報室広報課

第五回早稲田大学坪内逍遙大賞決定 大賞に伊藤比呂美氏

9月17日に大隈会館にて第五回早稲田大学坪内逍遙大賞の受賞者発表記者会見が行われ、大賞を伊藤比呂美氏、奨励賞を福永信氏がそれぞれ受賞しました。

「早稲田大学坪内逍遙大賞」は、2007年に早稲田大学創立125周年を記念し創設されました。近代日本の文芸・文化の創造者ともいうべき坪内逍遙を顕彰し、その精神をひろく未来の文化の新たな創出につなげたいというのが、その趣旨です。この賞では、文芸をはじめとする文化芸術活動において著しい貢献をなした個人(もしくは団体)を顕彰しています。広く開かれた独自の意義をになう賞を目指しており、「大賞」のほか、これからの文化の担い手としての才能を応援すべく、「奨励賞」を併せて授賞しています。受賞者には、正賞として表彰状、副賞として記念メダルおよび大賞受賞者には100万円、奨励賞受賞者には50万円を贈呈します。

大 賞:伊藤 比呂美(いとう ひろみ)

授賞理由:    伊藤比呂美氏は、1978年のデビュー詩集以降、一貫して女性詩を牽引してきた。そして80年代以降、伊藤氏は二つの分野に進出する。それは(子育てを中心とした)エッセイ、さらに小説だ。そのどちらの分野においても、伊藤氏は、それまでになかったことばの世界を作り上げ、いまはまた説教節など古典をもとにした日本語の新しい「語り」に向かっている。伊藤氏の出現は、日本語の表現の世界を新しいステージに押し上げたのである。

プロフィール: 1955年東京都生まれ。青山学院大学卒業。1978年現代詩手帖賞。1999年小説「ラニーニャ」で野間文芸新人賞。2006年「河原荒草」で高見順賞。「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」で2007年萩原朔太郎賞,2008年紫式部文学賞。ほかに「良いおっぱい悪いおっぱい」「読み解き般若心経」「父の生きる」「女の絶望」「女の一生」など。

奨励賞:福永信(ふくながしん)

授賞理由:    福永信氏は、すでに十年を超える作歴のなかで、たえず大胆な、いわば一作ごとに「実験的」な書き手として、現代小説に得がたい生気を吹き込んできた作家である。わけてもここ二、三年、『一一一一一』、『三姉妹とその友達』などにおける斬新な達成には、目を瞠るものがあるが、日本文学はまだ、この点に十分には気づいていないようだ。 よって、本選考委員会はここに、この作家の得がたさを顕揚し、奨励するものである。

プロフィール: 1972年東京都生まれ。京都造形芸術大学芸術学科中退。1998年、短編「読み終えて」で第1回ストリートノベル大賞受賞(リトルモアによる)。2001年、特殊な横組みのレイアウトによる短編集『アクロバット前夜』(造本装幀・菊地信義)で単行本デビュー。2006年、柴崎友香、名久井直子、長嶋有、法貴信也とともに同人誌『Melbourne1』を刊行。2007年、先のメンバーとともに同人誌第二弾『Иркутск2』を刊行。2012年、『一一一一一』で第25回三島由紀夫賞候補。2013年、『三姉妹とその友達』で第35回野間文芸新人賞候補。

本賞創設の経緯:坪内逍遙の生誕地である岐阜県美濃加茂市は、演劇人を対象とした「坪内逍遙大賞」を1994年に創設しております。対象分野は演劇に関する脚本、演技、演出、制作、舞台美術その他の舞台活動、研究・評論となっております。坪内逍遙が取り持つ縁で、美濃加茂市と早稲田大学文化推進部は2007年4月に「文化交流協定」を締結しました。これを機に、美濃加茂市の「坪内逍遙大賞」と「早稲田大学坪内逍遙大賞」を、交互に隔年で実施することといたしました。

過去の受賞者:

第一回坪内逍遙大賞(2007年)大賞:村上春樹氏 奨励賞:川上未映子氏

第二回坪内逍遙大賞(2009年)大賞:多和田葉子氏 奨励賞:木内昇氏

第三回坪内逍遙大賞(2011年)大賞:野田秀樹氏 奨励賞:円城塔氏

第四回坪内逍遙大賞(2013年)大賞:小川洋子氏 奨励賞:小野正嗣氏・山田航氏

選考委員:

巽 孝之(委員長) 慶應義塾大学教授

田中 光子(副委員長) 株式会社文藝春秋文藝局第一文藝部副部長

渡部 直己(副委員長)文芸評論家、早稲田大学教授

鵜飼 哲夫 読売新聞文化部編集委員

加藤 典洋 文芸評論家、早稲田大学名誉教授

高橋 源一郎 小説家、明治学院大学教授

松永 美穂 早稲田大学教授

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