YouHealthより白内障薬剤候補の開発に関わる独占契約の権利を取得
2016年3月17日
アキュセラ・インク(Acucela Inc.)
(コード番号 4589 東証マザーズ)
アキュセラ、YouHealthより白内障薬剤候補の開発に関わる独占契約の権利を取得
白内障に対する非外科的治療法の開発を目指す
失明や著しい視力低下をまねく眼疾患に対する治療または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組むアキュセラ・インク(本社:米国シアトル、会長、社長兼最高経営責任者:窪田良、以下「当社」)は、2016年3月17日、白内障に対する非外科的な治療法として新たな薬剤を開発することを目的に、YouHealth Eyetech, Inc.(本社:米国サンディエゴ市、以下「YouHealth」)から、YouHealthがカリフォルニア大学サンディエゴ校(米国サンディエゴ市、以下「カリフォルニア大学」)と契約する非外科的治療法に基づき開発されたラノステロール技術の開発に関わる独占契約の権利を取得しましたのでお知らせいたします。
記
◆ラノステロール技術を独占契約する権利の概要
この度のYouHealthとの契約は、白内障に対する非外科的な治療法として新たな薬剤を開発することを目的としています。
白内障は、失明原因の51%を占め*1、世界で2,400万件の手術が行われている疾患です*2。眼球内にある水晶体を構成するタンパク質が凝集することにより混濁を生じる症状で、一般には老視(老眼)もしくは加齢に伴い発症すると考えられています。現在、白内障に対し、進行を抑制する点眼薬等のほかに薬剤による非侵襲的な治療法はありません。そのため、白内障初期段階から水晶体の透明度と混濁に伴う視力低下を改善し、混濁が進行した重症例に対しては水晶体の混濁を解消し視力を改善できる、侵襲性の低い薬物治療が可能になれば、眼科医療における飛躍的な進歩をもたらすと、当社は考えております。
当該契約は、この進行を予防するだけではなく、水晶体混濁を解消できる根本的な治療法を開発することを目的としており、かかる治療法が承認されれば、白内障に対する低侵襲性の薬物治療としてはかつてないものになると当社は考えています。当初は軽度の白内障患者に対する治療法としてラノステロールを評価し、ひいては中国、台湾、香港を除く世界各国において治療薬開発と商業化を目指す計画です。また将来的には、中高年の誰もが直面する老視や重度の白内障をはじめとする様々な眼疾患にラノステロールの適応を拡大していくことも視野に入れております。
ラノステロールは、ヒトの体内で自然発生する生体内化合物で、いくつかの前臨床試験において水晶体が混濁する症状に対して有望な薬理作用があることが証明され、水晶体のタンパク質凝集と混濁の予防に関わる重要な分子であることが確認されています。カリフォルニア大学サンディエゴ校、カン・ザン博士(Dr. Kang Zhang)およびGuangzhou Kang Rui Biological Pharmaceutical Technology Co. Ltd.(本社:中国広州市、以下「Kang Rui」)の研究者による科学共同研究において、水晶体の正常な結晶構造を維持する役割を担う主要な触媒機能を損なう2つの遺伝子変異が同定されました。また、インビトロ、発現細胞株実験およびインビボでの実験におけるラノステロールの治療効果を実証したことを「Nature」誌で発表しています*3。
眼科医であり、当社会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は「現在は手術しか治療手段のない白内障に全く新しい治療のパラダイムをもたらすラノステロール技術の可能性は、白内障を抑制しつつも手術が必要になるまで悪化する恐れに悩まされている数多くの患者様にとっての希望になるものと信じています。この治療法の実現を目指し、YouHealthと技術協力をする機会を得られたことを喜ばしく思います」と述べています。
Kang Ruiの最高経営責任者のルイ・ホウ氏(Rui Hou)は「アキュセラとこの画期的な白内障治療法の開発を手がけることを嬉しく思います」と述べています。
本件に関わる費用は、2016年3月9日に開示された決算短信の2016年12月期業績予想の詳細に記載している「事業ポートフォリオを拡大するためのインライセンスなどを含む事業開発費約 15 百万米ドル」に含まれております。従って、2016年3月9日に開示された2016年12月期の業績予想には織り込み済みであり、業績予想に与える影響はございません。
*1: 「Visiongain, Ophthalmic Drugs Market Forecast, 2015-2025」; World Health Organizationより2015年のデータを参照。
*2: 「Market Scope, The Global IOL Market 2015」より2015年のデータを参照。
2015年における眼内レンズ市場規模は世界で32億5800万米ドルであり、2020年には43億5800万米ドルにまで成長すると言われています。このほかに必要な術前検査費用、手術費用、術後投薬費用などは含まれていません。「Market Scope, Global IOL Market 2015」を参照。
*3: 「Nature」 Vol.523 (2015) 607-614
以上
◆アキュセラ・インク(Acucela Inc.)について
アキュセラは、臨床開発段階の眼科医療ソリューション・カンパニーです。失明や著しい視力低下をまねく眼疾患に対する治療、または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づき、地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性の治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の共同開発を大塚製薬株式会社と進めております。
(ウェブサイト:http://www.acucela.jp)
◆Kang RuiとYouHealthについて
Guangzhou Kang Rui Biological Pharmaceutical Technology Co. Ltd.はYouHealth Eyetech, Inc.の親会社であり、中国にて眼科領域に特化した革新的な医療ソリューションを開発しています。現在、白内障、加齢黄斑変性、角膜疾患、緑内障およびドライアイに対する薬剤候補の開発に取り組んでおります。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 窪田製薬ホールディングス株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL http://www.kubotaholdings.co.jp/
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