2016年米国自動車初期品質調査(IQS)

米国における新車の初期品質改善幅が過去7年間で最大となったことが、J.D. パワーの調査で明らかに ブランド別ランキングでは起亜が第1位、27年に及ぶプレミアム系ブランドによる連続首位は終了

2016年6月23日

株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック

J.D. パワー

2016年米国自動車初期品質調査(IQS)

米国における新車の初期品質改善幅が過去7年間で最大となったことが、

J.D. パワーの調査で明らかに

ブランド別ランキングでは起亜が第1位、27年に及ぶプレミアム系ブランドによる連続首位は終了

※本報道資料は、日本時間6月23日午前2時に米国で発表された資料を翻訳したものです

米国ミシガン州デトロイト:2016年6月22日 -J.D.  パワーが本日発表した2016年米国自動車初期品質調査SM(Initial Quality Study、略称IQS)で、今年の新車の初期品質は昨年の倍の6%改善し、2009年以降で最大の改善幅となったことが明らかになった。

今年で30年目を迎えた本調査は、車両購入後90日間での新車の品質を調べるものである。初期品質は、100台当たりの不具合指摘件数(PP100)として算出され、数値が小さいほど不具合指摘件数が少なく品質が良いことを示す。

今年の調査では、新車の初期品質は8カテゴリー(外装、走行性能、装備品/コントロール/ディスプレイ、オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)、シート、空調、内装、エンジン/トランスミッション)すべてで改善した。また、当調査の対象となった33ブランドのうち21ブランドで初期品質は改善し、1ブランドでは昨年と同水準だった。

J.D.  パワーの米国オートモーティブ品質部門バイス・プレジデントのレネ・ステファンズは「自動車メーカーは今、これまでで最も品質の高い製品を製造している。過去数年間にわたる当社のデータを見ると、自動車メーカーは顧客の声に耳を傾け、問題となっている箇所を特定し、継続的な改善に重点的に取り組んでいることが明らかである。不具合の原因とされている先進技術を含む、機能や技術が新たに加わってはいるが、総合的な初期品質は向上し続けている」と述べている。

主な調査結果

・米国系メーカーの初期品質は大きく改善:米国系ブランド全体の不具合指摘件数は、輸入ブランド全体の不具合指摘件数よりも少なく、これは本調査の30年の歴史の中で2回目のことである。米国系メーカー3社すべてにおいて、昨年から初期品質が改善している。3社の平均は103 PP100で、昨年から10%の改善となったが、これは平均が106 PP100だった輸入ブランドの2倍の改善幅である。前回、米国系ブランドが輸入ブランドを上回ったのは2010年で、その時の差は1PP100だった(108 PP100対109 PP100)。

・ノンプレミアム系ブランドの不具合指摘件数が少なく:2006年以来初めて、ノンプレミアム系ブランドの不具合指摘件数(104 PP100)がプレミアム系ブランドの不具合指摘件数(108 PP100)よりも少なかった。

・高い品質 が高いロイヤルティを生む:ユーザーの49%が、新車の購入時に最も重視する点として「信頼性」を挙げている。J.D.  パワーでは消費者の新車購入またはリース契約から、次に新車を買い替えるまでの消費者行動を調査して、初期品質がブランドロイヤルティに及ぼす影響について明らかにしている 。新車を購入またはリース契約してから90日以内に不具合を経験しなかったユーザーでは、54%が次に買い替えるときも同じブランドを選択している。しかし、不具合を1件経験したユーザーではその割合は50%に、不具合を3件以上経験したユーザーでは45%に低下する。

「顧客が新車に対して経験する不具合の件数と、次の車の買い替えやリースする際の決定には直接的な相関関係がある。買い替えの際に同じブランドを選ぶ割合の低下は小さくたいしたことがないように見えるが、シェアが1%低下するだけで、自動車メーカーは何百万ドルもの売り上げを失うことになりえる」とステファンズは述べている。

ブランド別ランキングとセグメント別ランキング

ブランド別ランキングでは、起亜が83 PP100で第1位となり、27年ぶりにノンプレミアム系ブランドが全ブランドのトップになった。起亜は2015年は2位となっており、2年連続でノンプレミアム系ブランドの中でトップとなった。

第2位はポルシェ(84 PP100)、第3位はヒュンダイ(92 PP100)、第4位はトヨタ(93 PP100)、第5位はBMW(94 PP100)となった。

新車の初期品質が最も改善したブランドはクライスラーとジープで、両ブランドとも2015年から28 PP100改善した。  

セグメント別ランキングでは、ゼネラルモーターズが7モデルでアワードを受賞して最多となり、続いてトヨタ自動車の6モデル、現代自動車とフォルクスワーゲンAGのそれぞれ4モデルがアワードを受賞した。

・ゼネラルモーターズ:ビュイック・カスケーダ、シボレー・エクイノックス、シボレー・シルバラードHD、シボレー・シルバラードLD、シボレー・スパーク、シボレー・タホ、GMC・テレイン

・トヨタ自動車:レクサス・CT、レクサス・GS、サイオン・tC、トヨタ・カムリ、トヨタ・カローラ、トヨタ・ハイランダー

・現代自動車:ヒュンダイ・アクセント、ヒュンダイ・アゼーラ、起亜・ソウル、起亜・スポーテージ

・フォルクスワーゲンAG:アウディ・Q3、アウディ・TT、ポルシェ・マカン、ポルシェ911

プラントアワード

レクサス・ESを製造するトヨタ自動車のジョージタウン3工場(ケンタッキー州)と、レクサス・ESおよびレクサス・RXを製造する九州第2工場(日本)が、不具合指摘件数が最も少ないモデルを生産して同率でプラチナ賞を受賞した。プラントアワードには設計不具合は含まれず、製造不具合のみに基づいている。

欧州/アフリカ地域では、ポルシェ911およびポルシェ・ボクスターを製造するポルシェのシュトゥットガルト工場(ドイツ)がゴールド賞を受賞した。

2016年の米国自動車初期品質調査は、2016年型車を購入もしくはリース契約した80,000人以上の対象者に、購入(またはリース)後 90 日を経てから調査した回答を基にしている。本調査は、8カテゴリーに分けられる233の質問から構成され、自動車メーカーに不具合の特定を促し、車の改善に役立つ情報を提供することを目的としている。本調査は、2016年2月から5月にかけて実施された。

1.出典:2006~2016年のJ.D. パワー米国初期品質調査SM、およびJ.D. パワーによるパワー・インフォメーション・ネットワーク(PIN)

初期品質の調査結果の詳細、および車両モデルの写真や仕様は、jdpower.com/qualityに掲載している。

2016年米国自動車初期品質調査についての詳しい情報は、http://www.jdpower.com/resource/us-initial-quality-study-iqsで閲覧できる。

本プレスリリースは、http://www.jdpower.com/press-releases/2016-us-initial-quality-study-iqsからオンラインで閲覧できる。

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*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

<株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>

当社は米国J.D. パワーの日本を含むアジア地域でのビジネス拠点として1990 年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D. パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要など詳細は当社ウェブサイトhttp://japan.jdpower.comまで。

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