これまで見えなかった設備の“健康状態”を可視化する 「状態監視機器」を4シリーズ発売
2017年11月20日
オムロン株式会社
これまで見えなかった設備の“健康状態”を可視化する
「状態監視機器」を4シリーズ発売
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁)は、製造現場の稼働状況を人にかわって監視する「状態監視機器」4シリーズ(三相インダクションモーターの故障を予兆する「モーター状態監視機器」、制御盤に組み込まれる電源の寿命・故障予知が可能な「ネットワーク付パワーサプライ」、プレス機や成型機などの作動油や冷却水を監視する「熱式液体流量センサーおよび液体圧力センサー」、設備や機械に搭載される既存のアナログセンサーのIoT化を加速する「スマート状態監視アンプ」)を11月29日より順次発売します。
「状態監視機器」の発売は、オムロンが目指すIoTコンポ10万点への取り組みの一環であり、今まで見えなかった設備・装置の“健康状態”を常に可視化することで設備の状態異常を事前に検知し、生産ラインを保全し、生産性を維持します。また、製造現場向けIoTサービス基盤「i-BELT」とともに、収集したデータを蓄積・分析し制御アルゴリズムとして機器の制御に反映、熟練技能者がもつ「匠の技」をオートメーション化していきます。
近年、製造業では最適地生産の拡大や高齢化により熟練技能者の不足が深刻化する一方、設備の高度化・高速化に伴い保全業務がますます複雑かつ困難になっています。こうした中、現場の稼働率を向上するための取り組みとして、IoTなどの技術を用いて「生産設備の状態を見える化したい」、「稼働時のデータを集めたい」というニーズが高まっています。しかし、これらのニーズを満たす機器はまだ充実しておらず、また、各メーカがぞれぞれの機器を開発・販売していることから、データの見える化には統一性や同期性がなく、それぞれの製造現場で試行錯誤が続けられています。
そこで、オムロンは、設備の様々な箇所の状態を把握し稼働率を向上させるための「見える化」の考え方として、設備の構成要素を、モーターやポンプなど、設備の動力源となる「動力」、冷却水や作動油など、設備の性能を維持するための「循環」、シリンダやアクチュエーターなど、製品を加工するための「機構」の3つの構成要素に分類。各構成要素の変化をセンシングし、寿命予知や故障原因に繋がる課題の解決に最適な「状態監視機器」をリリースしていきます。
今回発売する「状態監視機器」は、生産設備の“動力系統”と、“循環系統”の状態変化をリアルタイムに監視し、通信ネットワークを通じて故障前に部品の交換時期を知らせるなど、設備の緊急停止や製品の品質異常の予防に貢献します。これまで熟練技能者の経験や勘に基づいて行われてきた設備異常や不良発生の予兆把握を誰もが簡単に発見できるようにし、突発的な設備停止による機会損失を削減、メンテナンス計画の精度を向上します。
オムロンは、3つの“i”、「integrated(制御進化)」、「intelligent(知能化)」、「interactive(人と機械の新しい協調)」からなる戦略コンセプト“i-Automation!” ※1のもと、製造業のモノづくり現場の革新に取り組んでいます。今後は「状態監視機器」のラインアップを拡充することで、“i-Automation!”を実現する鍵となるモノづくり現場の「intelligent(知能化)」を顧客企業各社と共に加速させ、製造現場の生産性と品質を飛躍的に向上させてまいります。
オムロンは「状態監視機器」をはじめ製造現場のIoT化に貢献する、商品や技術、ソリューションを、2017年11月29日(水)から12月1日(金)まで、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される「システムコントロールフェア2017」に展示します。
今回発売する「状態監視機器」4シリーズについて
■「モーター状態監視機器」(2017年11月29日発売)
「モーター状態監視機器」は、コンベアやリフター、ポンプといった多くの生産設備で使用されている三相インダクションモーター※2の経年劣化によって発生する異常を、振動、温度、電流、絶縁抵抗のそれぞれの状態変化で捉え、機器本体の表示や、Ethernet/IPTM通信によって遠隔で監視することで、次の課題解決を実現します。
・設備の突発停止による機会損失を最小化
・熟練保全マンのスキルをデジタル化し、遠隔地からでもモーター保全を均質化
・定期点検作業から予防点検への移行で、点検工数を大幅に削減
◆監視できるデータ
モーターの振動、表面温度、絶縁抵抗、電流、劣化度※3
◆出力方法
EtherNet/IP(パソコンで動く専用ツールでモニター可能)、アラーム出力、トランジスタ出力、バー表示灯、モニター表示
■「ネットワーク付パワーサプライ」(2017年11月29日発売)
「ネットワーク付パワーサプライ」は、設備内の機器へ直流電流を供給する「パワーサプライ」の基本機能に加え、電源供給の維持管理を行うために必要な、本体の交換時期や出力電圧電流、ピーク電流の情報をEthernet/IP通信による遠隔監視と、本体モニターで可視化することで、次の課題解決を実現します。
・パワーサプライの交換時期を予め通知することで、電源トラブルによる設備の突発停止の発生を削減
・パワーサプライの交換時期、稼働時間、電圧電流を遠隔監視することで、巡回保全の工数を削減
・専用ソフト「Power Supply Monitoring Tool」(近日対応予定)と組合せて利用することで、ディレーティング曲線※4図上で電源の状態を可視化。設置環境の改善や、電源容量の変更などの改善策を簡単に検討・実施することができ、電源寿命を延長
◆監視できるデータ
パワーサプライの交換時期までの年数、積算稼働時間、出力電圧電流、ピーク電流、自己診断(過熱、計測異常、メモリ異常)、製品型式、シリアルナンバー
◆出力方法
Ethernet/IP、Modbus/TCP、モニター表示
■「熱式液体流量センサー」「液体圧力センサー」(2018年2月1日発売予定)
「熱式液体流量センサー」は、溶接機や成型機に使われる冷却水の流量と温度を、一つのセンサーで計測することが可能です。従来は冷却水の流量だけを監視していた状態から、流量に加えて温度による異常を監視することで、電流トランスの過熱による突発停止などの予兆を把握し、より安定した溶接品質や成形不良を防止できます。
「液体圧力センサー」は、マシニングセンター※5や、プレス機における作動油の圧力と温度を同時に見える化できます。
稼働時の温度上昇によるパッキンの劣化や、それに伴う作動油漏れの予兆を把握。また、作動油の粘度劣化による温度変化を捉えることで、安定した加工品質を維持することが可能です。
さらに従来のように、配管に圧力センサーと温度センサーを別々に取り付ける必要がなく、センサーの取り付け個数、工数を半減することが可能です。
これらのセンサーは、上述のように、センサー単体で、「流量と温度」「圧力と温度」といった複数データをセンシングすることで、設備状態の見える化を省コスト・低工数・省スペースで実現します。
◆監視できるデータ
流量+温度
圧力+温度
◆出力方法
状態出力、制御出力、アナログ出力、IO-Link、モニター表示、状態表示灯
■「スマート状態監視アンプ」(2017年11月29日発売)
「スマート状態監視アンプ」は、汎用のアナログ出力タイプ※6のセンサーが接続可能なアンプユニットです。
オムロンでは、ファイバセンサーやレーザセンサーが接続可能な次世代センサーシリーズ「N-Smart※8」を展開しており、今回、汎用アナログ出力タイプのセンサーが接続可能な「スマート状態監視アンプ」をラインナップすることで、設備の状態把握に用いる様々なセンサー※7を、安価で簡単にネットワーク化することが可能になります。
また、従来は、高価なデータロガーや計測器によるシステムアップが必要であった、アナログ出力タイプのセンサー群のデータ取得を、高速1msで30台まで同期して収集することができ、設備が稼働するタイミングに合わせてデータを収集したり、設備の微妙な変化や、予兆現象の相関関係も確実に捉えることが可能になり、設備の状態変化に応じて最適化した、機械制御を可能にします。
◆接続できるセンサーヘッド
測定結果を電流(DC 4-20mA)または、電圧(DC 1-5V)で出力伝送するセンサー
(熱式液体流量センサー、液体圧力センサーも接続可能)
◆出力方法
制御出力、モニター表示、通信ユニットと接続することで、オープンネットワーク(EtherCAT®、CC-Link)にも対応
※1 “i-Automation!”について。
オムロンは現在、製造業のモノづくり現場を革新するコンセプトを“i-Automation!”と呼び、次の3つの“i”からなる オートメーションの進化によって製造現場の生産性を飛躍的に高め、付加価値の高いモノづくりの実現を目指しています。「integrated(制御進化)」は、これまで熟練工に頼っていた匠の技を、誰もが簡単に実現できるよう、オートメーション技術を進化させます。「intelligent(知能化)」は、幅広い制御機器とAIを活用し、機械が自ら学習して状態を保全するなど、進化し続ける装置や生産ラインを実現します。「interactive(人と機械の新しい協調)」は、同じワークスペースで人と機械が共に働き、機械が人の動きや考えを理解しアシストするなど、人と機械の新しい協調関係を提供します。
※2 三相交流電源を使用し、電磁誘導によって一次側(固定子)から二次側(回転子)に電力を送り、これを利用して動力を発生する誘導電動機。
※3 モーター電流の状態を独自のアルゴリズムで測定/解析し、モーターだけでなく負荷側の異常を表すためのオムロン独自の指標です。
※4 パワーサプライの各仕様を保証できる使用条件を「使用周囲温度」と「負荷率」から規定したもの。内部部品の温度上昇や温度環境に起因する内部回路の動作特性を考慮して規定している。
※5 金属などの材料に対して、穴あけ、研削などを行う加工装置
※6 測定結果を電流(DC 4-20mA)または、電圧(DC 1-5V)で出力伝送するセンサー
※7 電子部品のピック&プレースにおいて、エア吸着状態を監視する「エア圧力センサー」など
※8 ファイバーセンサー、レーザーセンサー、接触センサー、近接センサーなどの有無・判別・計測データを統合し、高速通信オープンネットワークEtherCATや、CC-Linkにも対応したセンサー通信ユニットで構成される次世代センサーシリーズ
<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐に渡る事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約36,000名の社員を擁し、117か国で商品・サービスを提供しています。制御機器事業では、モノづくりを革新するオートメーション技術や製品群、顧客サポートの提供を通じ、豊かな社会づくりに貢献しています。詳細については、http://www.omron.co.jp/ をご参照ください。
・EtherCAT®は、ドイツBeckhoff Automation GmbHによりライセンスされた特許取得済み技術であり登録商標です。
・EtherNet/IPTMはODVAの商標です。
・CC-Linkは、三菱電機株式会社の登録商標で、CC-Link協会が管理する商標です。
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■事業に関するお問い合わせ先/一般のお客様からのお問い合わせ先
「モーター状態監視機器」、「ネットワーク付パワーサプライ」に関するお問い合わせ先
オムロン株式会社 コンポ事業部
TEL:075-344-7231
「熱式液体流量センサー」「液体圧力センサー」「スマート状態監視アンプ」に関するお問い合わせ先
オムロン株式会社 センサ事業部
TEL:075-344-7022
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 オムロン株式会社
- 所在地 京都府
- 業種 電気機器
- URL http://www.omron.co.jp/
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