【リサーチフロント2017】科学研究100の注目領域と43の先端領域をまとめたリポートを中国科学院と共同作成
クラリベイト・アナリティクスと中国科学院は、過去1年間の科学研究における143の注目領域をまとめた共同リポート「リサーチフロント2017」を発表しました。論文引用の総合的分析に基づき、自然・社会科学10分野にわたり100の注目領域と43の新領域からなるリサーチフロント(先端研究領域)を取り上げています。
2017年11月20日
クラリベイト・アナリティクス
クラリベイト・アナリティクスと中国科学院が、世界的科学研究における100の注目領域および43の先端領域をまとめたリポートを作成
~注目を集める領域は、植物ゲノム編集、先カンブリア時代における地質進化、Cp*Co(III)触媒によるC-H結合付加反応、ナノアーキテクトニクスなど~
クラリベイト・アナリティクスと中国科学院は、過去1年間の科学研究における143の注目領域をまとめた共同年刊リポート、「Research Fronts 2017(リサーチフロント2017)」を11月2日に発表しました。今回で4回目の共同リポートとなります。
本リポートでは、学術論文引用の総合的分析に基づき、自然科学、社会科学の10分野にわたり、100の注目領域と43の新領域からなる143の重要なリサーチフロント(先端研究領域)を取り上げています。この分析は2011年から2016年までの期間にEssential Science Indicators (ESI) のデータベースから生まれた9,690のリサーチフロントに基づいています。リサーチフロントは科学者が互いの研究内容を引用する際に発見した専門領域で、研究に於ける共通性(実験データ、概念、仮説、手法など)が反映されたものです。
2017年のリポートでは、クラリベイトのESIデータベースやWeb of Science の引用データなどを活用して、143のリサーチフロントについて国別の業績を比較・検討し、特定のリサーチフロントにおける各国の貢献と引用の影響(世界的影響)を分析しています。この分析では、米国が依然として世界の研究をリードしていること、第2位は中国で、英国、ドイツがそれに続いていることを示しています。
また本リポートでは、中国科学院のInstitutes of Science and Developmentにより、27の主要リサーチフロントが詳しく分析されています。この主要リサーチフロントのうち2つが、今年のノーベル化学賞、物理学賞受賞研究に関連したものでした(2~3ページ、「注目リサーチフロント」および「新リサーチフロント」参照)。
本リポートは、クラリベイト・アナリティクスの信頼性の高いデータおよび分析能力と、中国科学院の科学研究に関する深い知識との総合力によるものです。本リポートの分析は、主要な研究トレンドや新しい研究領域を特定することで、研究者や資金提供機関、政策立案者などさまざまなステークホルダーがより的確な決定をするための確かな基盤となります。また、各国の主要パフォーマンスの現状と今後の可能性に対して貴重な知見を提供しています。
100の注目リサーチフロント領域のうち特筆すべき20トピック
注目のリサーチフロント --- 科学分野
■Research on genome editing in plants and the utility in crops 農業、植物、動物科学
■Regulation mechanism and function of DNA Methylation in plants 農業、植物、動物科学
■The formation mechanism of east-central China’s heavy haze pollution in January 2013 環境、生態学
■Monitoring of biodiversity using environmental DNA metabarcoding 環境、生態学
■Precambrian geological evolution of the North China Craton 地球科学
■Types and characterization of gas shale pore systems 地球科学
■Radionuclides-labeled PSMA PET for diagnosis and treatment of prostate cancer 臨床医学
■Clinical whole-exome sequencing for the diagnosis of genetic diseases 臨床医学
■Application of cryo-electron microscopy in 3D Structure Analysis of Biological Macromolecules 生物化学
>2017年ノーベル化学賞に関連
■Application of chromatin conformation capture and its derivative technology based on high-throughput 生物化学
■Cp*Co(III)-catalyzed C-H activation reactions 化学および素材科学
■Nanoarchitectonics 化学および素材科学
■Lepton-flavour-violating decays of the Higgs boson and B meson semileptonic decays 物理学
■Tetraquark and pentaquark states 物理学
■Exoplanets detection and characterization with Kepler 天文学および宇宙物理学
■SDO mission and performance and other heliophysics research 天文学および宇宙物理学
■Second strain gradient theory and its application 数学および計算機科学
■Energy storage device based on advanced hybrid supercapacitor 数学および計算機科学
■Genomics research on the origins, evolution and migration of human beings 経済学、心理学、その他の社会科学
■Social investigation of human papillomavirus (HPV) vaccination 経済学、心理学、その他の社会科学
43の新たなリサーチフロント領域の特筆すべき7トピック
■Emerging Research Fronts Field of Science
■Analysis of tree rings and its application in environment and climate change study 農業、植物、動物科学
■Highly siderophile and strong chalcophile elements in high temperature geochemistry 地球科学
■Zika virus infections and prevention 臨床医学
■Introgression of mosquito and its reticular phylogenetic patterns 生物化学
■Non-noble metal-based bifunctional electrocatalysts for overall water splitting 化学および素材科学
■Standard Model Interpretation of 750 GeV Diphoton 物理学
■Formation and merger of double compact objects (e.g. binary black hole) 天文学および宇宙物理学
>2017年ノーベル物理学賞に関連
リサーチフロント2017のフルリポートダウンロードはこちら
>https://clarivate.com.cn/research_fronts_2017/2017_research_front_en.pdf
【Essential Science Indicatorsとは】
分析に用いたEssential Science Indicatorsは、学術論文の引用動向データを提供する統計データベースです。学術文献・引用索引データベース「Web of Science Core Collection」の収録レコードをもとに、論文の被引用数から、世界のトップ1パーセントにランクされる研究者と研究機関の情報をそれぞれ収録しています。収録データは2か月ごとに更新されます。
>Essential Science Indicators 製品概要 (http://clarivate.jp/products/esi/)
【中国科学院について】
中国科学院 (CAS) は、中国と世界の利益のために、中国におけるハイテクと自然科学を探求し、その研究を促進する組織です。総合的な研究開発ネットワークで構成される、能力主義の学術団体であり、高等教育システムでもある CAS は、中国と全世界の科学者とエンジニアをまとめ、世界トップクラスの科学および管理アプローチによって理論問題と応用問題に取り組んでいます。設立以来、国家チームとして、国家の技術革新の推進役として、また国家全体の S&T 開発の先駆的なサポーターとして、S&T 関連の助言をもたらすシンクタンクとして、あるいは S&T 分野の将来を担う人材をトレーニングするコミュニティとして、CAS は複数の役割を担ってきました。詳しくは、 http://english.cas.cn/ をご覧ください。
情報出所 : クラリベイト・アナリティクス
2017年11月2日(米国時間)
英文プレスリリースはこちら>http://news.clarivate.com/ResearchFronts2017
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クラリベイト・アナリティクスについて
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 その他情報・通信業
- URL http://www.clarivate.jp
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