関節リウマチ患者さんを対象のウパダシチニブ単剤療法の試験において、生活の質について有意な改善を達成
2018年11月2日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、関節リウマチ患者さんを対象に開発中のウパダシチニブ単剤療法の第III相試験において、患者報告アウトカム・データに基づき、身体機能、疼痛および生活の質について有意な改善を達成
●投与14週時の、ウパダシチニブ単剤療法による患者さんの日常生活動作および障害の程度を評価した結果、メトトレキサートとの比較において身体機能が改善1
●投与14週時の、ウパダシチニブを投与された患者さんおいて、健康関連の生活の質、疼痛の軽減ならびに朝の関節のこわばり持続時間および重症度について、メトトレキサートを投与された患者さんを有意に上回る改善を報告1
●SELECT-MONOTHERAPY試験は、大規模SELECT第III相プログラムにおける重要な試験で、アッヴィは2018年に関節リウマチを適応症とするウパダシチニブの当局への申請を予定
●アッヴィが開発している経口選択的JAK1阻害薬ウパダシチニブは、関節リウマチおよび複数の免疫疾患を対象に1日1回投与の治療薬として試験を実施中2-9
イリノイ州ノースシカゴ、2018 年10月23日 – グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE: ABBV)は、メトトレキサートで効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ患者さんを対象に開発中のJAK1選択的阻害薬、ウパダシチニブ単剤療法(15 mgおよび30 mgを1日1回投与)を評価する、第III相SELECT-MONOTHERAPY試験における新たな患者報告アウトカムの成積を発表しました。ウパダシチニブ単剤療法14週後、メトトレキサートを継続する患者さんとの比較において、身体機能、健康関連の生活の質、疼痛および朝の関節のこわばりの改善が報告されました。これらの結果については、シカゴで開催される2018年米国リウマチ学会議およびリウマチ専門医協会(ACR/ ARHP)にて発表します。
アッヴィはすでに、SELECT-MONOTHERAPY試験から得られた肯定的な最新結果を発表しています(https://news.abbvie.com/news/abbvies-upadacitinib-shows-positive-results-as-monotherapy-in-phase-3-rheumatoid-arthritis-study-meeting-all-primary-and-key-secondary-endpoints.htm)。
アッヴィのグローバル免疫学開発担当バイスプレジデントであるマレク・ホチャレンコ医学博士(M.D.)は次のように述べています。「ウパダシチニブ単剤療法は、関節リウマチ患者さんの日常生活動作および健康関連の生活の質の指標全般において有意な改善を達成しました。これらの結果は、臨床症状の改善が患者さんにとって重要なアウトカムの改善をもたらすことを示唆しています。また、さまざまな関節リウマチ患者さんにおけるウパダシチニブの治療薬としての可能性を高め、単剤療法の治療選択肢としてウパダシチニブの有用性を示すものです」
SELECT-MONOTHERAPY試験からの患者報告アウトカムの結果は以下のとおりです。
身体機能1
• Health Assessment Questionnaire-Disability Index(HAQ-DI)により評価される身体機能の改善は、メトトレキサート群では8週後に認められたのに対し、ウパダシチニブは両用量群において初回投与からわずか2週間後に認められました。14週後に身体機能(HAQ-DI)が改善した患者さんの割合は、メトトレキサート群の45%に対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群ではそれぞれ65%および69%でした(p<0.001)。
健康関連の生活の質1
• 14週後に健康関連の生活の質(Short Form 36 Health Surveyにおける 身体的側面のスコア)の改善を報告した患者さんの割合は、メトトレキサート群の48%に対し、ウパダシチニブの15 mg群および30 mg群ではそれぞれ65%および73%でした(p<0.001)。
関節痛1
• Visual Analog Scale(VAS)を使⽤した患者さんの疼痛評価で測定された疼痛の軽減は、メトトレキサート群では4週後に認められたのに対し、ウパダシチニブは両用量群において初回投与からわずか2週間後に認められました。14週後に疼痛の軽減を報告した患者さんの割合は、メトトレキサート群の46%に対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ64%および75%でした(p<0.001)。
朝のこわばり1
• 朝のこわばりに関する重症度の低下は、メトトレキサート群では4週後に報告されたのに対し、ウパダシチニブは両用量群で初回投与からわずか2週後に報告されました。14週後に朝の関節のこわばりに関する重症度の低下を報告した患者さんの割合は、メトトレキサート群の57%に対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ74%および83%でした(p<0.001)。さらに、14週後の朝の関節のこわばりが持続する時間は、メトトレキサート群で平均53分の短縮であったのに対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ平均95分および102分の短縮でした(p<0.05)。
スタンフォード大学医学部免疫・リウマチ学科の臨床客員教授であり、一連の試験の治験責任医師であるヴィベケ・ストランド医師は、次のように述べています。「本試験において、経口ウパダシチニブの単剤療法は、健康関連の生活の質に加え、身体機能、関節痛および朝のこわばりを有意に改善しました。メトトレキサートでは効果が認められない、あるいは不耐性の患者さんは多く、このような患者さんにとっては新たに有効な単剤療法の選択肢が必要とされるため、今回の結果はきわめて重要なものです」
ACRでは、別途実施した患者報告アウトカムと臨床アウトカムとの関連性の評価について探索的解析結果が発表される予定です。この結果では、疼痛、身体機能および疲労において達成した十分な改善が、医師による個々の評価項目ならびにACR20/50/70、臨床的寛解および低疾患活動性などの複合疾患評価項目との間に関連性があったことが示されています10。この解析は臨床試験における患者報告アウトカムの使用が、いかに関節リウマチが患者さんに与える影響について重要な見識をもたらすかを示しています10。この解析には、第III相のSELECT-NEXT試験およびSELECT-BEYOND試験(これらの両試験には従来型合成DMARD(csDMARD)による治療を受けていた患者さんが含まれています)ならびにSELECT-MONOTHERAPY試験に登録された、生物学的製剤やメトトレキサートなどのcsDMARDに抵抗性を示す難治性の疾患など多様な患者さんが含まれています10。
関節リウマチは慢性疾患で、罹患している患者さんは世界全体で2,370万人と推定されています11。第一選択薬として一般的に使用されているメトトレキサートで効果が得られない、あるいは不耐性の患者さんも多くいます12-14。関節リウマチ患者さんがこの疾患による身体的、心理的および社会的な影響をどのように感じているかを把握するため、無作為化試験に患者報告アウトカムが取り入れられることが多くなってきています15。疾患の影響を評価する際に患者報告アウトカムを使用することにより、医療従事者は有益な見識を得ることができます15。
SELECT-MONOTHERAPYでの安全性の結果はすでに報告されています(https://news.abbvie.com/news/abbvies-upadacitinib-shows-positive-results-as-monotherapy-in-phase-3-rheumatoid-arthritis-study-meeting-all-primary-and-key-secondary-endpoints.htm)。
SELECT-MONOTHERAPY試験について4
SELECT-MONOTHERAPY試験は、一定用量のメトトレキサート投与で効果不十分な中等度から重度の成人関節リウマチ患者さんを対象に、ウパダシチニブ単剤療法の安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、⼆重盲検、並行群間試験です。患者さんは、メトトレキサートからウパダシチニブ単剤療法(15 mgまたは30 mgを1日1回投与)に切り替える群、またはメトトレキサートを継続する群のいずれかに盲検的に無作為割付けされました。第1期の主要評価項目は、投与14週後にACR20および低疾患活動性(LDA)を達成した患者さんの割合です。副次評価項目は、投与14週後にACR50、ACR70および臨床的寛解を達成した患者さんの割合、HAQ-DI、朝の関節のこわばり持続時間、ならびにShort Form 36 Health Survey(SF-36)による健康関連の生活の質(QoL)です。本試験は進行中で、第2期は第1期を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブの2用量(15 mgおよび30 mg)における1日1回投与の安全性、忍容性および有効性を評価する、盲検化、長期延長試験です。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706951)で閲覧可能です。
SELECT試験プログラムについて
大規模SELECT第III相RAプログラムでは、6試験において4,000名を超える中等度から重度の関節リウマチ患者さんを対象に、さまざまな関節リウマチ患者さんにおける有効性、安全性および忍容性の評価がされています。ACR改善率、疾患活動性およびエックス線画像上の骨・関節破壊進行抑制などが、重要な有効性の評価項目として設定されています。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706847、NCT03086343、NCT02629159、NCT02706873、NCT02706951、NCT02675426)で閲覧可能です。
ウパダシチニブについて
アッヴィが発見し開発したウパダシチニブは、1日1回経口投与、低分子の選択的JAK1阻害薬で、中等度から重度の関節リウマチおよびその他の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められています。関節症性乾癬、クローン病およびアトピー性皮膚炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中であり、さらに、潰瘍性大腸炎および強直性脊椎炎の治療薬としての開発も進められています。
ウパダシチニブは開発中の経口薬で、規制当局の承認を取得していません。本剤の安全性および有効性は確立されていません。
アッヴィについて
アッヴィは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する、革新的な先進治療薬の開発を行っています。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、がん、C型慢性肝炎などのウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
アッヴィ 今後の見通しに関する記述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する記述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する記述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する記述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。
アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2017年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。
1. Strand, V. et al. Abstract #2547. 2018 ACR/ARHP Annual Meeting. October 2018.
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 アッヴィ合同会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL http://www.abbvie.co.jp/
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