「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
2021年3月10日
株式会社電通デジタル
「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
―CCI/ D2C/電通/電通デジタルが共同でインターネット広告媒体費の詳細分析を実施ー
国内電通グループのデジタル広告領域を牽引する4社(CCI/ D2C/電通/電通デジタル)は、電通が2021年2月に発表した「2020年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2021年の予測を加えた「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表しました。
2020年の世界的な新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大の影響により、日本の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)となり、秋以降に回復の兆しが見られたものの前年を大きく下回る結果となりました。このような状況下で、「インターネット広告費」は新型コロナの影響を受けたものの成長を続け、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模、総広告費全体の36.2%の市場となりました。また、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、運用型広告のさらなる拡大や巣ごもり需要によるソーシャル広告や動画広告の増加により広告費1 兆 7,567 億円(前年比105.6%)となりました。
「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」のポイント
1. ビデオ(動画)広告は3,862億円、インターネット広告媒体費全体の2割を超えた
ビデオ(動画)広告が前年比121.3%の3,862億円となり、インターネット広告媒体費全体の22.0%となった。ビデオ(動画)広告の内訳は、インストリーム広告46.6%、アウトストリーム広告53.4%の構成比(今回初推定)。2021年にはビデオ(動画)広告は全体で前年比110.4%の4,263億円になると予測。
2. 運用型広告が前年比109.7%と成長、予約型広告、成果報酬型広告は減少
取引手法の主流となっている運用型広告は前年比109.7%で伸長し、インターネット広告媒体費全体の82.9%となった。予約型広告、成果報酬型広告は前年から減少となった。
3. ソーシャル広告は5,687億円で、インターネット広告媒体費全体の3割を超えた
SNSや動画共有プラットフォーム上等で展開されるソーシャル広告は前年比116.1%の5,687億円となり、インターネット広告媒体費全体の32.4%となった。
4. 2021年インターネット広告媒体費は、全体で1兆8,912億円(前年比107.7%)まで成長する見込み
2021年のインターネット広告媒体費は昨年から続く新型コロナの影響で見通しづらいものの、継続して伸長し、2021年には全体で前年比107.7%、1兆8,912億円になると予測。
■インターネット広告媒体費の広告種別構成比
~ビデオ(動画)広告は前年比121.3%の3,862億円と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体の2割を超えた~
2020年のインターネット広告媒体費は、1兆7,567億円(電通「2020年 日本の広告費」より)。そのうち構成比が高いのは検索連動型広告(38.6%)とディスプレイ広告(32.6%)で、あわせて7割を占める。ビデオ(動画)広告は前年比121.3%の3,862億円と伸長し、全体の2割を超えた。次いで、成果報酬型広告(5.6%)、その他のインターネット広告(1.1%)と続く。【グラフ1】
【広告種別の定義】
・ディスプレイ広告:サイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告およびタイアップ広告。
・検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告。
・ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告。
・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
・その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告。メール広告、オーディオ(音声)広告など。
【グラフ1】 インターネット広告媒体費の広告種別構成比
■インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
~運用型広告が前年比109.7%と成長、予約型広告、成果報酬型広告は減少~
インターネット広告媒体費を取引手法別に見ると、現在の主流となっている運用型広告はインターネット広告媒体費全体の8割を超え、1兆4,558億円となった。一方、予約型広告と成果報酬型広告は秋以降に復調の兆しが見られたものの、新型コロナ拡大による出稿控えの影響を受け、「予約型広告」(前年比87.5%)、「成果報酬型広告」(同93.9%)といずれも減少した。【グラフ2】
【取引手法の定義】
・運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの。
・予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接広告主に販売されるもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの。
・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
【グラフ2】 インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
■インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比
~運用型の「ビデオ(動画)広告」が前年比127.2%と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体における構成比は18.3%となった~
取引手法別×広告種別では、運用型の検索連動型広告が全体の38.6%と最も構成比が大きく、次いで運用型のディスプレイ広告が25.7%と続いた。また運用型の「ビデオ(動画)広告」が前年比127.2%と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体における構成比は18.3%となった。「ディスプレイ広告」の予約型は前年比80.1%と減少した一方で、運用型は同112.1%で伸長した。【グラフ3】
【グラフ3】 インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比
■ビデオ(動画)広告市場
~ビデオ(動画)広告費3,862億円のうちインストリーム広告は46.6%、アウトストリーム広告は53.4%。取引手法では運用型が8割を超える~
ビデオ(動画)広告費3,862億円のうち動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告は1,800億円(構成比46.6%)で、ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示されるアウトストリーム広告は2,063億円(構成比53.4%)となった。【グラフ4】
また、取引手法別でみると運用型広告が3,206億円となり、8割以上を占めている。【グラフ5】
【ビデオ(動画)広告の定義】
動画ファイル形式(映像・音声)の広告。以下の様なものを含みます。
○インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告。
○アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠等の動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。
ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含みます。
【グラフ4】 ビデオ(動画)広告種類別構成比
【グラフ5】ビデオ(動画)広告取引手法別構成比
■ソーシャル広告市場
~ソーシャル広告費は前年比116.1%と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体の3割を超えた~
ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は前年比116.1%の5,687億円と高い成長率で推移し、インターネット広告媒体費全体の3割を超えた。【グラフ6】
また、ソーシャルメディアの種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」に分類すると、「SNS系」が2,488億円で最も規模が大きい。前年と比較すると「動画共有系」が大きく伸長した。【グラフ7】
【ソーシャル広告の定義】
「ソーシャルメディア※」のサービス上で展開される広告
※ユーザーが投稿した情報をコンテンツとし、ユーザー間で共有・交流するサービスを提供するメディア(プラットフォーム)
<JIAA「インターネット広告掲載に関するガイドライン集/基本実務・用語集 2020年度版」より>
ソーシャルメディア例:SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板 など
【ソーシャル種別の定義】
SNS系はSNSプラットフォーム、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板等
【グラフ6】 ソーシャル広告構成比推移
【グラフ7】 ソーシャル広告種類別構成比
■インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
~2021年のインターネット広告媒体費は総額で1兆8,912億円(前年比107.7%)になると予測~
2021年のインターネット広告媒体費は昨年から続く新型コロナの影響で見通しづらいものの、前年比107.7%、1兆8,912億円まで拡大し、継続した成長が続くと予測。【グラフ8】
【グラフ8】 インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
■ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)
~ビデオ(動画)広告は、2021年には4,263億円まで拡大する見込み~
2021年のビデオ(動画)広告は前年比110.4%と伸長し4,263億円まで拡大すると予測。【グラフ9】
【グラフ9】 ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)
<調査概要>
調査主体 :株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI) / 株式会社D2C / 株式会社電通 / 株式会社電通デジタル
調査時期 :2020年12月~2021年2月
調査方法 :以下の調査に基づき、推定作業を実施
① インターネット広告媒体社等を対象としたアンケート調査(郵送調査/web調査)「2020年(令和2年)日本の広告費 インターネット広告媒体売上 についてのお伺い」として実施
② 同、追加ヒアリング調査
③ 各種データ収集・分析
※本資料内グラフにおける数値は、表示単位未満を四捨五入して表示しているため、計算値が一致しない場合があります。
<会社概要>
株式会社サイバー・コミュニケーションズ (https://www.cci.co.jp/)
所在地 : 〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1築地松竹ビル
代表者 : 代表取締役社長 新澤 明男
事業内容 : インターネットや商用オンライン・サービスなどのネットワーク上の広告及び関連する事業 ・広告の提案、企画、制作、運営 ・広告スペースの購入、販売
株式会社D2C (https://www.d2c.co.jp/)
所在地 : 〒104-0061 東京都中央区銀座6-18-2 野村不動産銀座ビル
代表者 : 代表取締役社長 高橋 英行
事業内容 : NTTドコモのメディアを中心とした広告事業を展開。デジタルを活用した総合的なマーケティングコミュニケーションを提供するD2Cグループを擁する。
株式会社電通 (https://www.dentsu.co.jp/)
所在地 : 〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1
代表者 : 代表取締役社長執行役員 五十嵐 博
事業内容 : 「Integrated Communication Design」を事業領域としたコミュニケーション関連の統合的ソリューションの提供、経営・事業コンサルティングなど
株式会社電通デジタル(https://www.dentsudigital.co.jp/)
所在地 : 〒105‐7077 東京都港区東新橋1-8-1
代表者 : 代表取締役社長執行役員 川上 宗一
事業内容 : デジタルマーケティングの全ての領域に対する、コンサルティング、開発・実装、運用・実行の提供
【株式会社電通デジタルについて】https://www.dentsudigital.co.jp/
電通デジタルは、2016年7月に国内電通グループのデジタルマーケティング専門会社として設立しました。デジタルマーケティングの全領域に対して、「コンサルティング」、「開発・実装」、「運用・実行」の機能を持ち、統合的で最先端のマーケティングサービスを提供しています。テクノロジーやデータ、クリエイティブなど各領域のプロフェッショナルが、電通グループ各社との連携によりシナジーを創出し、クライアントの事業成長パートナーとしてビジネスの成功に貢献します。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社電通デジタル
- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL https://www.dentsudigital.co.jp/