Nuevocorが心筋症の新規遺伝子治療推進のための2400万米ドルのシリーズA資金調達を完了

Nuevocor

AsiaNet 90106(1365)

 

【シンガポール2021年6月18日PR Newswire=共同通信JBN】心筋症の遺伝子治療を専門とする前臨床段階のバイオテクノロジー企業Nuevocorは、2400万ドルの募集枠を超えたシリーズA資金調達ラウンドの完了を発表した。同ラウンドは、EVX VenturesとBoehringer Ingelheim Venture Fund(BIVF)が共同で主導、EDBI、Xora Innovation、SEEDS Capital、その他の投資家がシンジケートに参加した。

 

調達資金は、同社の主要プログラムである、ラミンA/C(LMNA)遺伝子の変異による拡張型心筋症(DCM)患者向けのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベースの遺伝子治療の前臨床開発を加速するために使われる。同社は、新しいターゲット発見プラットフォームを使った、他の治療不可能な心筋症への対処も計画している。

 

Nuevocorの創業最高経営責任者(CEO)であるYann Chong Tan博士は「このような強力な投資家グループが、疾患のある心臓の機能を回復させる可能性のある遺伝子治療ベースの治療法の開発に参加してくれるのはうれしい。拡張型心筋症の現在の標準治療は、病気の進行を遅らせるだけで、唯一の治療法は心臓移植を受けることだ。Nuevocorは、当社の技術を通じて患者に元気を取り戻してもらいたいと考えている」と語った。

 

EVX VenturesのXQ Lin会長は「NuevocorのシリーズAラウンドを他の一流投資家と共同でリードできたのは非常にうれしい。Nuevocorは、われわれのベンチャー創出エコシステムから生まれた最も新しい企業だ。Nuevocorが臨床へと向かう道をサポートし、困っている患者に新薬が届けられるよう期待している」とコメントした。

 

BIVF Asia社長のWeiyi Zhang博士は「Nuevocorは、遺伝的に引き起こされる拡張型心筋症の治療に、遺伝子治療を用いた非常に革新的かつ挑戦的なアプローチを適用しようとしている。同社が遺伝子抑制剤の潜在力を生かしてこうした疾患の経過を変え、DCM患者の大幅な延命や生活の質の向上を達成してくれることを願いつつ、見守っていきたい」と語った。

 

シンガポールに本社を置くNuevocorは、非公開の前臨床段階のバイオ医薬品企業で、満たされていないニーズの高い遺伝性の心疾患治療のためのAAV遺伝子治療の開発に焦点を当てている。Nuevocorの主要プログラムであるラミンA/C拡張型心筋症(LMNA DCM)遺伝子治療は、同社の科学共同創業者である科学技術研究庁(A*STAR)のColin Stewart、Brian Burke両氏の新技術開発によって可能になった、LMNA関連疾患の根底にある基本的メカニズムに関する数十年にわたる研究をベースとしている。同じく同社科学共同創業者であるスタンフォード大学のMark Kay氏のAAV遺伝子治療、シンガポール国立大学のJianming Jiang氏の心臓病モデリングの専門知識を有するNuevocorは、LMNAやその他の遺伝性心筋症などの心疾患治療で有利な立場にある。

 

A*STAR生物医学研究評議会のアシスタント・チーフ・エグゼクティブ、Ng Huck Hui教授は「シンガポールは、健康増進と経済成長に長期的な研究開発投資を行い、国内のバイオテクノロジーエコシステムづくりを進めてきた。A*STARは、スピンオフ企業であるNuevocorが、優れた科学をベンチからベッドサイドに移し、治療が困難な心疾患に対するより効果的な遺伝子療法を開発して患者の転帰を改善させる手助けができたことを誇りに思う」と語った。

 

▽LMNA拡張型心筋症について

LMNA変異は家族性DCMの第2の原因で、米国と欧州連合(EU)だけで約6万人が罹患している。この変異は全DCMの中でも予後が最悪で、不整脈源性DCMおよび心臓突然死のリスクが高い。変異型Lmnaタンパク質の機能獲得を特徴とする常染色体優性疾患であるため、従来の遺伝子置換療法はLMNA DCMには効果がない。遺伝子治療に対するNuevocorの革新的アプローチは、この障害を回避する。

 

▽EVX Venturesについて

EVX Venturesは、バイオテクノロジー企業をつくり、育て、投資するグローバル・ベンチャーキャピタル(VC)である。破壊的治療プラットフォーム技術と新たな治療法に焦点を当て、明日の治療法を再定義するグローバル技術に投資している。詳細については、www.evx.ventures を参照。

 

▽Boehringer Ingelheim Venture Fundについて

2010年に設立されたBoehringer Ingelheim Venture Fund GmbH(BIVF)は、生物医学研究のイノベーションを推進するため、革新的な治療に焦点を当てたバイオテクノロジー企業に投資している。BIVFは、科学者や起業家と長期的な関係を築くことで、先駆的な科学とその臨床応用を通じた患者ケアの大幅な向上を模索している。BIVFが重点を置いているのは、免疫腫瘍学、再生医療、感染症、デジタルヘルスにおける高い医療ニーズに対応した前例のない治療コンセプトを対象とすることである。詳細については、www.boehringer-ingelheim-venture.com を参照。

 

▽問い合わせ先

info@nuevocor.com

 

 

ソース:Nuevocor

 

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