自然科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を 選出した高被引用論文著者リスト2021年版発表
中国が高被引用論文著者のシェアを4年間で約2倍に拡大
2021年11月16日
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate plc(NYSE:CLVT)は、本日、2021年度の高被引用論文著者(Highly Cited Researchers ™)リストを発表しました。このリストでは、クラリベイトのInstitute for Scientific Information™(ISI)に所属するビブリオメトリクスの専門家が、データやその分析結果に基づいて、後続の研究に大きな影響を与えている自然科学者や社会科学者を選出しています。
このリストには、過去10年間に被引用数の多い論文を複数発表し、それぞれの分野で大きな影響力を与えた世界中の研究者約6,600人が含まれています。高被引用論文著者は、Web of Science Core Collection™において、特定の分野・出版年における論文のうち引用された回数が上位1%に入る論文(高被引用論文)の著者から選ばれており、リストにはその研究者が所属する国や研究機関も記されています。
2021年度の主な選出結果は以下の通りです。
今年は70を超える国と地域から6,602人の研究者が選出されました。特定の21分野から3,774人、クロスフィールドで2,828人が選出されています。
2021年の高被引用論文著者のうち2,622人の所属機関はアメリカです。そのシェアは2018年の43.3%から39.7%に減少しました。アメリカを拠点とする高被引用論文著者のシェアは大幅に減少していますが、アメリカが研究の影響力において依然として世界をリードしていることは間違いありません。2010年から2020年の間にWeb of Scienceに索引付けされた全論文のうち、アメリカを拠点とする著者の割合は24.7%でした。
2位は中国で、高被引用論文著者が935人(14.2%)となり、そのシェアは2018年の7.9%から増加しました。中国は、4年間で高被引用論文著者のシェアを約2倍に拡大しました。
イギリスは492人(7.5%)で3位となりました。イギリスの人口はアメリカの1/5、中国の1/20であることを考えると、引用の観点では、各分野のトップレベルの研究者が集中していることを示しています。
オーストラリアは332人でドイツを僅差で上回り4位、オランダは207人で6位となりました。人口が8,300万人のドイツに対し、それぞれ2,500万人、1,700万人であることを鑑みると人口比としては突出しています。また、両国ともトップ10の中ではカナダ、フランス、スペイン、スイスよりも上位に位置しています。
214人が選出されたハーバード大学は、今年も世界で最も多くの高被引用論文著者を擁する大学となりました。
香港は昨年の60人から79人に増加しました。これは、2020年から2021年にかけて香港大学の高被引用論文著者が14人から33人へと2倍以上に飛躍的に増加したこともあり、素晴らしい結果となっています。
今年、バングラデシュ、クウェート、モーリシャス、モロッコ、グルジア共和国の研究者が初めて選出されました。
当然のことながら、中国のシェアが増加したということは、他国が減少したことを意味します。今年、アメリカの高被引用論文著者のシェアは、昨年から1.8%、2018年から3.6%減少しています。これに対し、中国は2018年から6.3%増加しています。イギリスは、昨年から0.5%、2018年から1.5%の減少となっています。ドイツは2018年以降0.9%のシェアを失いました。
Institute for Scientific InformationのSenior Citation AnalystであるDavid Pendleburyは、次のように述べています。「注目すべきは、中国のシェアが大幅に増加し、アメリカが大幅に減少していることです。特に、過去4年間の傾向を見ると、研究のグローバル化に伴い、トップレベルの科学的・学術的貢献のバランスが大きく変化していることがわかります。」
ノーベル賞受賞者およびノーベル賞クラスの研究者
リストには、今年発表された5人を含む24人のノーベル賞受賞者が名を連ねています。David Julius(カリフォルニア大学サンフランシスコ校、カリフォルニア州サンフランシスコ、アメリカ [生理学・医学])、Ardem Patapoutian(スクリップス・リサーチ、カリフォルニア州ラホヤ、アメリカ [生理学・医学])、David W. C. MacMillan(プリンストン大学、ニュージャージー州プリンストン、アメリカ [化学])、David Card(カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア州バークレー、アメリカ [経済])、Guido Imbens(スタンフォード大学、カリフォルニア州スタンフォード、アメリカ [経済])。また、77人のCitation Laureates™も含まれています。これは、クラリベイトが引用分析から「ノーベル賞クラス」と認定した研究者で、ノーベル賞の有力候補者です。
幅広い活躍をする研究者
Essential Science Indicators (ESI)™の21分野で高被引用論文著者に選ばれた研究者のうち、23人の研究者が3分野以上で高被引用論文著者として選出されており、非常に幅広い活躍をしていることがわかります。これらの研究者は、北米、ヨーロッパ、アジア、中東など、実にグローバルなグループです。カリフォルニア大学サンディエゴ校のRob Knight教授は、4つのESI分野(生物学・生化学、環境・生態学、微生物学、分子生物学・遺伝学)で高被引用論文著者に選出されています。
クラリベイトのSVP Strategy, ScienceのJoel Haspelは次のように述べています。「今年のデータは、世界の科学コミュニティからの10年分の研究論文を反映しています。"Eureka!"の瞬間を記録するだけでなく、データは、研究助成金の申請書準備や研究室での結果の考察に費やした深夜の時間、論文の査読という見えにくい仕事、そして最終的に大きな成功につながり、イノベーションを加速させた多くの小さな失敗を物語っています。
クラリベイトのアナリストは、中国が、引用数が多くインパクトのある研究を継続的に増加させていることを見出しましたが、アメリカは依然として世界の科学大国でありつづけています。高被引用論文著者の所属機関でみるとアメリカの研究機関はトップ10のうち5つを占め、中でもハーバード大学はトップを保っています。」
2021年高被引用論文著者リストとエグゼクティブサマリーの全文はこちらからご覧いただけます。
オンラインでのフォロー:Twitter @ClarivateAG #HighlyCited2021.
評価方法について
2010年1月から2020年12月までの11年間に発表された被引用数の多い論文数に基づいて、自然科学と社会科学の21分野、およびクロスフィールドの6,600名を超える研究者を選出しました。選出の方法は、クラリベイトのInstitute for Science Information (ISI)に所属するビブリオメトリクスの専門家によるデータと分析に基づいています。本データは、InCites Benchmarking & Analytics™、Essential Science Indicators™を使用し、世界最大の中立的な学術文献、引用情報データベースであるWeb of Science Core Collection™の学術論文数と被引用データに基づき、研究業績基準やトレンドデータを独自に算出しています。
今回、スイスが昨年から急激な落ち込みを見せている理由は評価方法の変更によります。ものです。昨年までは30以上の機関アドレスを持つ論文は分析から除外していましたが、今年は30以上の著者またはグループオーサーシップを持つ論文を除外しました。従来の機関アドレスの使用は試行的なもので、今回の変更により、著者個人の功績が適切に表されるようになると判断しました。その結果は、スイスの結果に大きく影響し、特にスイスバイオインフォマティクス研究所の研究者に大きな影響を与えました。スイスバイオインフォマティクス研究所は、所属機関のアドレスは多くはありませんが、著者数が多い高被引用論文を多数発表しています。
クラリベイトについて
Clarivate™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディングカンパニーです。当社の使命は、新しいアイデアから人生を変えるような発明を生む時間を短縮するための、実用的な情報とインサイトを提供することにより、お客様が抱える難題を解決できるよう支援をすることです。サイエンスや知的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、そして商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。詳細については、clarivate.comをご覧ください。
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本リリースは、Clarivateが2021年11月16日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 その他情報・通信業
- URL http://www.clarivate.jp
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