EY調査、オムニシューマー台頭は意識の高い層に見合った顧客体験を生み出す機会を電力ガス供給事業者に提供
・新しいタイプの消費者である「オムニシューマー(さまざまなチャネルを使いこなして製品・サービスを利用する消費者)」がエネルギー転換で主導的役割を担っていることが判明
・顧客は今まで以上のコミットメントと知識を持ち、新しいエネルギーソリューションを購買することに前向き
・顧客に焦点を置いたトランスフォーメーションが、電力ガス供給事業者に差別化と成長のチャンスを提供
EYは、消費者のニーズ、価値観、期待の変化を理解するため、17の国と地域3万4千人の電力ガス消費者を対象に「Navigating the Energy Transition Consumer Survey」という新しい調査(以下、「本調査」)を発表しました。エネルギー転換は、各国の政策、消費者動向、テクノロジーという要因が見事に重なり合って、その勢いが加速しています。再生可能エネルギーとインフラ整備が議論の中心となっている中で、全般的に顧客についてはあまり触れられていません。本調査によると、事業のトランスフォーメーションに前向きな電力ガス供給事業者には、注目に値するチャンスが待っていることが判明しました。
EYグローバルの電力・ガス顧客体験トランスフォーメーションリーダーのGreg Guthridgeは、次のように述べています。
「電力ガス供給事業者は、複数の難題への対応に追われている状況です。その中でも、急速に変化している顧客の期待に応えることは、最も難しい課題でしょう。この状況における必勝法は、顧客体験のトランスフォーメーションに組織全体で注力することだとEYは考えています。つまり、自社の全従業員によってトランスフォーメーションが主導され、消費者インサイトによってそれが補強され、デジタルテクノロジーによってサポートされなくてはなりません。従って、アジャイル(俊敏)な仕事のやり方を活用し、常に向上し、イノベーションを起こし、人を最優先する組織風土を作り上げることが大切です」
「オムニシューマー」の台頭
本調査回答者の92%が、自宅でエネルギー関連の新しい製品やサービスを最低1つは使っていると答えています。また、86%が自家発電に関心がある、25%が電気自動車の購入を検討している、そして13%が今後3年間で二次電池電力貯蔵システム導入を考えていると回答しています。このように消費者の関心が高まっていることと、エネルギーソリューションの導入が進んでいることの両方が相まって、エネルギー業界における顧客との関係性が、従来の受動的なエネルギー利用者との関係から、根本的に変化してきています。つまり、より積極的で関心の高い消費者層である「オムニシューマー」が、新たに台頭してきているのです。このオムニシューマーとは、エネルギー業界が提供する多種多様な製品・サービス(エコシステム)を、複数の場所、複数のソリューション、複数の電力ガス供給事業者から購買する個人または事業組織のことを指します。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「新しいタイプのエネルギー消費者、つまりオムニシューマーが台頭している今、シンプルでも、意識の高い層に合わせた、エンドツーエンドのソリューションおよび統合的な顧客体験こそが、消費者を無理なく事業者の製品やサービスにエンゲージメントさせるための新しい基盤となるでしょう。「オムニシューマー」が価値を交換することのできる信頼性が高く、よりシンプルなエコシステム(製品やサービス)を急速に展開している電力ガス供給事業者は、マーケットで勝利することになるでしょう」
プラス持続可能性
本調査によると、消費者は、エネルギーの新しい製品とサービスを導入することが、コストの節約、時間の節約、地球環境の保護という3つの主要領域でメリットがある場合、これらの製品やサービスを導入することに大きな関心を持っていることが判明しています。新しい製品やサービスを既に導入している回答者は、購買する上で最も重要な要因はこれまで通り費用(53%)だと答えている一方で、環境へのインパクト(47%)、生活利便性の向上(34%)も重要な要因に挙げています。今後3年の間に購買を考えている回答者では、費用が重要と答えた人は67%、環境へのインパクトは51%、生活利便性は36%と、さらに割合が上がっています。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「消費者は持続可能性に関心を向けていますが、1つのソリューションがすべての消費者を満足させることはできません。電力ガス供給事業者がメッセージを送り、ソリューションを提供する時には、顧客一人一人のより内面的な動機と合致した、顧客に合わせたアプローチと洞察が必要となります」
在宅勤務の会社員
コロナ禍によって、働き方と生活様式の大きな変化が加速され、エネルギー製品・サービスの住宅用顧客の中で、小規模事業者のような働き方をする在宅勤務の会社員という新しい層が生まれています。在宅勤務をしていると回答した人の64%(回答者平均の12%増)が、エネルギー消費量を月に最低1度はチェックしている、70%(平均の8%増)が省エネのソリューションに関心があると答えています。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「住宅用顧客の5分の1が今まで以上にエネルギーを必要とし、エネルギー消費により敏感になるという事態に、電力ガス供給事業者は突然直面することになりました。この新しい顧客層をより良く理解している事業者は、今後も恒久的に在宅勤務をする会社員やオンライン学習する学生のニーズに合わせた料金プランやエネルギーソリューションを提供するなど、この層とプロアクティブに関わっていくことで、関係性を向上させることができます」
まずはデジタル
本調査によると、消費者は電力ガス供給事業者とのやり取りに関する10の質問項目のうち、8つの項目でデジタルなコミュニケーション手段をより好むと回答していますが、苦情の受付、停電や非常時の対応、デジタルコミュケーション手段に問題が起きた時には、やはり人とやり取りをすることをまだ希望しています。しかし、回答者の62%が、電力ガス供給事業者の提供するデジタルサービスの使用に問題を経験したと答えています。また、37%が電力ガス供給事業者のデジタルサービスは信頼できないと回答しており、Z世代(25歳ぐらいまでの若者)ではその割合が50%に増えています。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「消費者は、端的に言えば『基本はテクノロジー、困ったときには人間』という、電力ガス供給事業者とのやり取りの新しいパラダイムを構築しました。従って、事業者にとって、デジタルによるコミュニケーション手段は明らかに重要優先事項ですが、人を交えたコミュニケーション手段とデジタル手段をシームレスに統合することもまた、これからの顧客とのやり取りの一部となります」
私のエネルギー、私流
ミレニアム世代とZ世代は、2020年時点で、世界で人口が最も多いグループとなりました。この世代の消費者は、他の世代に比べてよりエネルギーへの関心が高く、週に一度はエネルギー消費量をモニタリングする可能性が2倍になっており、料金前払い制または従量課金制をより強く好んでいます。この層の50%が、こうした料金制度がエネルギー消費のより好ましいオプションだと回答しています。この若者消費者層は、他の世代に比べて1つの電力ガス会社だけでなく、他の会社も利用する経験が豊富なので、このアプローチに伴う、料金に対する主導権と支払い利便性を好んでいます。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「新しい世代のエネルギー消費者は、透明性、柔軟性、料金で主導権を得られるオプションを求めています。電力ガス会社は、クリエイティブにならなくてはなりません」
環境に優しいことを期待
持続可能性の問題に対する消費者の意識はますます高くなっており、電力ガス供給事業者にも高い基準を遵守することを期待しています。本調査の回答者の64%が、「適切な」持続可能性を持った電力ガスの製品やサービスを利用することが非常に重要だと考えており、36%はそのために追加料金を支払う意思があると回答しています。しかし、現在提供されている製品やサービスの持続可能性に満足していると回答した人は、わずか54%でした。電力ガス供給事業者が持続可能性にコミットしていることを実証するために何が必要かという質問に対して、回答者が事業者に期待することに含まれていたのが、新しいエネルギー製品やサービスの提供(52%)、地域の持続可能性プログラムのサポート(50%)、環境に優しいエネルギーソリューションの提供(50%)、環境負荷の少ない輸送手段の採用(27%)などでした。
Greg Guthridgeは、次のように述べています。
「電力ガス供給事業者は、持続可能性へのコミットメントを実証することにより、組織のパーパス、ブランドプロミス、製品・サービス提供、事業運営を1つの方向に統一することとなり、環境配慮の意識がより高まっている消費者に対して、真の差別化を図ることができます。」
本調査レポートの全文は、こちらをご覧ください。
※本プレスリリースは、2021年10月20日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
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- 所在地 東京都
- 業種 企業向けサービス
- URL https://www.eyjapan.jp/index.html
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