クラリベイト、ブロックバスター候補の7つの医薬品を特定した最新の「Drugs to Watch」レポートを公開
クラリベイト、ブロックバスター候補の7つの医薬品を特定した
最新の「Drugs to Watch」レポートを公開
パンデミックによる混乱が続く中、アルツハイマー病、糖尿病、喘息などに対する有望な治療法の開発が進む レポートでは、mRNA、CRISPR、AIを活用した創薬など、注目すべき主要な治療開発分野についても検証
2022年1月10日、ロンドン (英国)
イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディンクカンパニーClarivate Plc(NYSE: CLVT)は同日、2022年に市場参入または主要適応症に対して上市し、2026年までにブロックバスターになると予測される医薬品を特定する年次レポートDrugs to Watch™をリリースしたことを発表します。
アナリストは、クラリベイトのデータとインサイトを活用して、5年以内に10億ドル以上の年間売上高を達成すると予測される開発後期段階の治療薬を7つ特定しました。これらの治療薬は、アルツハイマー病(AD)、喘息、2型糖尿病(T2DM)など、世界中で数千万人の患者が苦しんでいる疾患から、トランスサイレチン介在性アミロイドーシス(ATTR)などの希少疾病まで、多様な治療領域に及んでいます。
また、遺伝子細胞治療、CRISPR、人工知能・機械学習による創薬、RNA、がん標的治療など、注目すべき主要な治療開発分野とともに、COVID-19ワクチンと治療法の詳細な分析も行っています。さらに、2022年に米国での特許切れによりジェネリック医薬品との競争に直面するブロックバスター医薬品とバイオ医薬品についても検証しています。
世界のヘルスケアの展望はますます複雑化しており、患者の生活を改善する治療法を発見、開発、商品化することは、特に今日のような前例のない時代においては困難なことです。Drugs to Watchレポートでは、患者の予後改善を実現し、次世代の革新的な医薬品への資金提供が期待される開発中の治療法を取り上げています。これらの有望な治療法を支える企業は、アダプテーションやインプロビゼーション、クラウドソーシングのソリューションを通じて、関連する治療分野における深い専門知識と、これらの症状に対する治療ソリューションを追求するための長期戦略を活用し、幅広い革新的な治療候補を推進しています。
クラリベイトでは、承認を取得した、あるいは承認を取得する準備が整った新薬やバイオ医薬品の中から、今後5年間にブロックバスターの地位を獲得する可能性のある7つの治療法を特定しました。2022年のDrugs to Watchは以下の通りです。
- アダグラシブ(Mirati Therapeutics IncとZai Lab Limitedが共同開発): これまで治療法の選択肢が少なかったKRASG12C変異を有する大腸がん患者にとって、待望の標的治療薬となる可能性があります。KRASの変異型は、従来から難治性の創薬ターゲットとされており、変異陽性の固形がん患者に対するKRAS阻害剤の参入が予想されることは、非常に画期的なことです。
- ファリシマブ(ロシュと中外製薬が開発): 糖尿病性黄斑浮腫(DME)およびウェット型加齢黄斑変性(AMD)の患者にとって、ファリシマブは標準治療よりも投与回数が平均して少なく、より便利な選択肢となる可能性を持っています。また、眼科領域で初めて発売されたバイスペシフィック抗体として、現在の標準治療よりも高い有効性が期待されていますが、これまでのデータでは標準治療と比較して非劣性であることが示されています。ファリシマブは、DMEおよびwet AMDを治療する最初のVEGF/Ang-2デュアル阻害剤です(眼科治療領域全体では最初の二重特異性モノクローナル抗体)。
- レカネマブ(エーザイとバイオジェンが開発)とドナネマブ(イーライリリーが開発): この未開拓市場において、抗Aβ抗体レカネマブとドナネマブは、ADUHELMが米国FDAからAD治療薬として迅速承認を受けたことに続いて、その地位を確立しようとしています。レカネマブとドナネマブは、差別化された臨床プロファイルを提供する可能性があり、2022年後半から報告される予定の第3相試験の結果によってこれが強化される可能性があります。臨床試験のデータから、最適量の抗Aβ 抗体療法を十分に受けることで、早期ADに臨床的な効果が得られる可能性が示唆されています。
- テゼペルマブ(アムジェンとアストラゼネカが開発):テゼペルマブは、現在の標準治療である吸入コルチコステロイドで十分にコントロールできない非Th2またはTh2-low喘息患者にとって、ゲームチェンジャーとなる可能性を有しています。承認されれば、この患者層に対するファーストインクラスのバイオ医薬品となります。テゼペルマブは、重症のTh2-low喘息に対する第一選択薬となり、既存の治療法では効果が不十分なTh2-high喘息の患者の治療オプションとなる可能性があります。
- チルゼパチド(イーライリリーが開発): チルゼパチドは、増加する患者集団において、適応症のトップレベルの体重減少および血糖コントロールの改善をもたらし、2型糖尿病(T2DM)関連の合併症の発生を抑制する可能性を持っています。既存の治療薬よりも効果的に体重減少と血糖コントロールの両方に対処できる新しい治療薬は、患者のアウトカムに大きな利益をもたらす可能性があります。
- ブトリシラン(アルナイラムが開発): アンメットニーズの多い進行性疾患に対して、本剤は有効性と概ね良好な安全性プロファイルをもたらし、デリバリーの改善により患者のQOLに貢献することが期待されます。この患者層は、特に野生型ATTRの患者にとって、治療選択肢がほとんどありません。本薬は、全体として比較的サービスが行き届いていない市場に参入するだけでなく、市販されている他のATTR特異的薬剤よりも服用方法が簡便であることが特徴です。
クラリベイトのGlobal Head of Life Sciences and Healthcare Thought LeadershipであるMike Wardは次のように述べています。「製薬会社やバイオテクノロジー企業は過去2年間、COVID-19がもたらした課題に取り組むために多大な知的資本を投入してきましたが、同時に、依然として大きな医療負担となっている難病や現在治療不可能な病気の患者に選択肢を提供する医薬品を生み出すための新技術の活用も続けています。今年の「注目の医薬品」と「注目の技術」は、製薬・バイオテクノロジー部門の中心である強固なイノベーションを浮き彫りにし、将来、患者のためにより良い結果をもたらすでしょう。」
COVIDの大流行により、サプライチェーンの崩壊による主要成分の不足から臨床試験の遅れまで、様々な形で医薬品業界に混乱が生じたにもかかわらず、製薬・バイオテクノロジー企業は引き続き医療の大きな進歩を牽引しています。製薬会社は、個別化医療を促進する技術の開発に向けて大きく前進しています。規制当局は、新しい技術や方法論に寛容であり、治療法がほとんどない疾患への取り組みに意欲を示しています。 しかし、企業が市場承認を獲得し、患者が医薬品にアクセスできるようにするためには、その価値を証明することが依然として重要です。
クラリベイトは、医薬品、医療機器、医療技術のライフサイクル全体にわたってお客様を包括的にサポートし、人々の健康を増進することに努めています。クラリベイトのエンドツーエンドのリサーチインテリジェンスは、ペイシェントジャーニーデータ、治療領域の専門知識、人工知能、分析を組み合わせ、隠れたインサイトを引き出し、データドリブンな意思決定を促進し、イノベーションを加速させる方法で、お客様が情報に基づいたエビデンスに基づく意思決定を行えるようにします。
Drugs to Watch Reportの全文は、こちらから登録いただく事で閲覧できます。
Drugs to Watchの最新情報や分析については、Drugs to Watchのウェブページをご覧ください。
Drugs to Watch 2022レポートの方法論
今年の注目薬を特定するために、数百の疾患、医薬品、市場をカバーする160人以上のアナリストの専門知識と、研究開発および商業化のライフサイクルにまたがる以下の11の統合データセットから、注目すべき薬剤を抽出しました。 Cortellis Competitive Intelligence™, Disease Landscape & Forecast, BioWorld™, Drug Timeline & Success Rates, Cortellis Clinical Trials Intelligence™, Cortellis Generics Intelligence™, Cortellis Deals Intelligence™, Access & Reimbursement Payer Studies, Clarivate Real World Data and Analytics, Web of Science™, Derwent Innovation™およびその他バイオファーマ企業のプレスリリース、申請、査読付き論文を含む業界情報など、数百の疾患、医薬品、市場、研究開発および商業化のライフサイクルにわたる11の統合データセットに精通した160名のアナリストの専門知識を結集しました。第2相または第3相試験中、登録前または登録段階、あるいは2021年早期にすでに発売された候補薬を分析対象として選択し、業界に特に影響を与える可能性のある新しい適応症で発売された薬を含め、2021年より前に発売された薬は除外しました。データセットは、2026年の予測売上高合計が10億ドル以上である医薬品をフィルターにかけました。クラリベイトの専門家とアナリストは、承認または上市予定日、競合状況、規制状況、試験結果、市場力学、その他の重要な要因に基づいて、各薬剤を個別のコンテキストで評価しました。 クラリベイトのアナリストは、2021年12月24日以前に本レポートに示されたデータを作成していることにご注意ください。Drugs to Watch 2021レポートは、既存のデータに基づくクラリベイトの現在の予想に基づいていますが、本レポートで特定された薬剤から得られる実際の結果は、大きく異なる可能性があります。
進化する研究開発環境が多くの新しい機会を生み出し、従来のブロックバスターモデルにどのような課題をもたらすかについて詳しく知りたい方は、2022年1月20日、2022 Fierce JPM Weekにおいて、クラリベイトのMichael WardとKenneth Beersによる「R&D in an Age of Multiplying Modalities and Targets」と題した講演に参加されることをお勧めします。詳しくは https://www.fiercejpmweek.com/をご覧ください。
クラリベイトのデータ製品の詳細については、www.clarivate.com/jaをご覧ください。
クラリベイトについて
Clarivate™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディングカンパニーです。弊社の使命は、新しいアイデアから人生を変えるような発明を生む時間を短縮するための、実用的な情報とインサイトを提供することにより、お客様が抱える難題を解決できるよう支援をすることです。サイエンスや知的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、そして商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。日本をはじめ、中国、韓国、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど、アジア太平洋地域を含む世界各国で事業を展開しています。詳細については、clarivate.com/jaをご覧ください。
Cortellisスイートを含むライフサイエンス関連製品・サービスの詳細については、クラリベイト ライフサイエンス&ヘルスケア事業部(TEL 03-4589-3103)までお問い合わせください。
将来の見通しに関する記述について
本プレスリリースならびに口頭の記述に含まれる情報は、クラリベイトに関する予測や将来の見通しに関する記述が含まれている場合があります。将来の見通しに関する記述は、クラリベイトが作成時点において期待すること、もしくは将来の出来事についての予測を提供するもので、期待される相乗効果やその他の将来的見込みに関する記述を含んでいることがあります。これらの記述には、クラリベイトの管轄外の要因により、実際の結果が物理的に大幅に変わる可能性のあるリスクや不確定事項が含まれています。クラリベイトは、新たな情報、将来の出来事、その他の結果の如何を問わず、ここに示された記述を更新または修正する義務は一切負わないものとします。
Clarivateとそのロゴ、およびここで使用されている他のすべての商標は、それぞれの所有者の商標であり、ライセンスに基づいて使用されています。
本リリースは、Clarivateが2022年1月10日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。英文ニュースリリースは、https://clarivate.com/news/ をご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 その他情報・通信業
- URL http://www.clarivate.jp
過去に配信したプレスリリース
株式会社村田製作所、クラリベイトのIPfolioを採用
12/18 09:00
ダイキン工業株式会社、クラリベイトのIPfolioを採用
11/28 09:00
オムロン株式会社、クラリベイトのIPfolioを採用
5/10 10:00
三菱電機株式会社、知的財産管理にクラリベイトのIPfolioを採用
2023/6/2
クラリベイトがTop100 グローバル・イノベーター2022を発表
2022/2/24