高容量蓄電システム向けリレー「G9KB」を発売、オムロンの“切る技術”で脱炭素社会の実現に貢献
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁)は、高容量の家庭用蓄電システム向けの高電圧直流リレー「G9KB」をグローバルで2022年5月11日から発売します。高容量化が進む家庭用蓄電システムにおける直流電流を安全に遮断し、製品の小型化を実現することで再生可能エネルギーの普及を後押しします。オムロンは「G9KB」を含む低消費電力を有し、機器の省エネ化につながる製品ラインアップを拡充することで、脱炭素社会の実現に貢献します。
DC600V/50A対応の高電圧直流リレー「G9KB」(L 50.5mm x W 37.0mm x H 50.5mm)
近年、カーボンニュートラルの実現や災害時のレジリエンス強化に向けた蓄電システムのニーズが高まる中で、太陽光発電システムで作り出した電力の自家消費を目的とした家庭用蓄電池は、製品の高容量化が進んでいます。一方、高容量化を実現するにあたり製品の安全性確保と部品小型化が課題となっていました。
オムロンは、これまで磨き続けてきた電気を安全かつ確実に繋ぐ・切る技術をさらに高め、高容量の家庭用蓄電システム向け高電圧直流リレー「G9KB」を開発しました。アーク遮断技術*¹と、今回新たに産学連携から生み出した三次元アークシミュレーション技術によって、蓄電システムの充電および、放電時に流れる直流電流のオン/オフの制御と安全遮断を1つのリレーで実現しました。三次元アークシミュレーション技術では、高電圧直流電流の安全遮断プロセスを解析し、解析結果を部品の構造設計に反映する手法を確立。こうした技術の結集で創出した、コンパクトなサイズながらも確実かつ安全に直流電流遮断を実現する高電圧直流リレーにより、お客様の製品の小型化・軽量化に貢献します。
オムロンは、これからも先進的なデバイス&モジュールを軸としたソリューションを創出し、グローバルに提供することで、顧客の製品とサービスを通して脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
主なアプリケーション
「G9KB」の主な特長
①直流高容量リレーで、直流電源アプリケーションに対応
・DC600V/50Aを接続・遮断できるため、大きな直流負荷を開閉する機器やアプリケーションに対応可能。
・太陽光発電システムや蓄電システム向けの部品に必要とされる安全規格(UL60947-4-1、EN61810-10)を取得。お客様製品での安全規格申請時の簡素化に貢献。
②お客様の製品の省スペース化と省エネ化に貢献
・高電圧600Vのシステムにおいて、充電・放電時に流れる直流電流の開閉制御と安全遮断を1つのリレーで実現。
・同等の機能を有する片方向リレーと比較して、基板の床面積を約75%削減*²。
・同等の機能を有する片方向リレーと比較して、コイル消費電力を約60%削減*³。
③技術の組み合わせで、高い安全性と小型化の両立を実現
・直流電流遮断時にリレーの接点間で発生するアーク放電*⁴を、接点近傍に配置した永久磁石の磁場の力を使って引き延ばすアーク遮断技術*¹を用いることで、高容量の直流電流の確実かつ安全な遮断を実現。
・産学連携から生み出した三次元アークシミュレーション技術で、設計・技術検証のスピードと品質を向上。アーク現象の可視化により、リレー内部のアーク遮断プロセスの効率化を図ることで、部品本体の小型化を実現。
「G9KB」の主な仕様
項目 | G9KB |
接点構成 |
1a |
接点ギャップ |
>3.6mm |
接触抵抗 |
≦5mΩ*⁵ |
定格 |
DC600V/50A(抵抗負荷) |
電気的寿命 (抵抗負荷) |
定格負荷において +/- 2,000回(開閉ひん度 1秒ON-9秒OFF 85℃ 25~75%RH) ツェナダイオードの推奨電圧は、定格電圧の3倍です。 |
主接点極性 |
無し |
機械的寿命 |
1,000,000回(開閉ひん度10,800回/h) |
コイル電圧 |
12VDC / 24VDC(保持電圧:45~60%) |
コイル消費電力 |
約 2.8W(保持電圧45%時:0.57W) |
使用周囲温度 |
-40℃ ~ +85℃ |
サイズ |
L 50.5 x W 37.0 x H 50.5 mm |
端子形状 |
PCB |
構造 |
フラックスタイト |
安全規格 |
UL60947-4-1, EN61810-10, CQC |
高容量リレー「G9KB」についての詳細は、以下ページをご参照ください。
https://components.omron.com/jp-ja/products/relays/G9KB
直流高容量リレーラインアップ
青枠:今回、発売する「G9KB」
プリント基板用のパワーリレーについての詳細は以下ページをご参照ください。
https://components.omron.com/jp-ja/products/relays/power-relays/pcb-power-relays
*¹ アーク遮断技術:リレー接点を開く際に接点間で発生するアークを接点近傍に配置した永久磁石の磁場の力を使って引き延ばすことで遮断する技術。
*² 約75%削減:2022年5月時点 当社調べ、同等の機能を有する各メーカのDCパワーリレーのカタログ値比較
*³ 約60%削減:2022年5月時点 当社調べ、同等の機能を有する各メーカのDCパワーリレーのカタログ値比較
*⁴ アーク放電:アークとは空気などの気体が数千度以上の高温となり気体分子が電離および解離することで気体の電気伝導率が増加し、気体中に電流が流れる現象
*⁵ 接触抵抗 ≦5mΩ: 測定条件 DC6V 20A(30秒後)電圧降下法
<電子部品事業について>
電子部品事業は、「我々のデバイスとモジュールで顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」ことをミッションとしています。幅広い業界の顧客に対して、電気をつなぐ、切るためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサーなどのデバイスを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。詳細については、https://components.omron.com/jp-ja/ をご参照ください。
<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。制御機器事業では、モノづくりを革新するオートメーション技術や製品群、顧客サポートの提供を通じ、豊かな社会づくりに貢献しています。詳細については、 https://www.omron.com/jp/ja/ をご参照ください。
<事業に関するお問い合わせ先/一般のお客様からのお問い合わせ先>
オムロン株式会社 デバイス&モジュールソリューションズカンパニー
事業統轄本部 汎用商品事業部 マーケティング部
問い合わせ先URL:https://components.omron.com/jp-ja/contact-us/inquiry?inquiry_summary=その他
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 オムロン株式会社
- 所在地 京都府
- 業種 電気機器
- URL http://www.omron.co.jp/
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