ツムラの更年期調査 第1弾! 20代〜60代の男性600人に聞く、更年期に関するイメージと実態を調査

「更年期症状は男女ともに生じると思う」人は7割なのに・・・ 男性の8割「対処方法がわからない」

ツムラ

2022年12月8日

株式会社ツムラ

ツムラの更年期調査 第1弾! 

20代〜60代の男性600人に聞く、更年期に関するイメージと実態を調査

「更年期症状は男女ともに生じると思う」人は7割なのに・・・

男性の8割「対処方法がわからない」

 

 株式会社ツムラは、更年期調査の第1弾として、20代〜60代の男性を対象に調査を行いました。その結果、男女ともに7割は「更年期症状は男女ともに生じると思う」(男性74.8%, 女性73.8%)と回答していますが、男性の8割は自分の更年期の症状への「対処方法がわからない」(84.3%)状態でした。自覚症状がある40代~60代男性の約6割は「更年期症状を周りに言いにくい」 「更年期症状があっても認めたくない」と感じています。背景には、更年期へのイメージを聞くと、約7割がネガティブな時期と捉えていたことが影響しているようです。男性が更年期を健やかに過ごすには「今の自分自身を認める」「身近な人や専門家と対話する」「正しい情報」が大切だと考えられます。

 

本調査では ●男性更年期の時期とは40代以降からの男性の性ホルモン分泌量の低下が訪れる時期のこと●更年期症状とは更年期の時期に現れるさまざまな症状の中でもほかの病気を伴わないもののことを指しています。 出典=「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き」から引用」

 

「言いにくい」 「認めたくない」「対処法がわからない」、更年期症状を自覚する男性には3つの課題がある

●自分の更年期の症状への「対処方法がわからない」 ➡  男性84.3%:女性71.3%が「わからない」と回答。

●症状を自覚しながらも「周りに言いにくい」(63.0%)、「症状があっても認めたくない」(58.0%)と抱え込みがち。

●更年期症状を自覚する男性の67.0%が「日常生活・社会生活に支障をきたしている」。

●症状を自覚しているのに3人に1人は「何もせず我慢」(34.0%)しており、我慢する理由は「どのように対処すればいいかわからない」から(55.9%)。

●病院に行かない理由は「どの科に行けばいいかわからない」(36.7%)が最多。

 

約7割が「更年期症状は男女ともに生じると思う」

●更年期症状は男女ともに生じると思うか?➡男性74.8%:女性73.8%が「生じる」と回答。

●更年期の症状に対する知識を得ておきたいか?➡男性74.7%:女性83.3%が「知識を得ておきたい」と回答。

 

更年期という時期はネガティブな時期と考える男性が約7割

●男性の更年期の時期のイメージを聞くと、「老化」「来てほしくない」「不安・心配」など約7割がネガティブな時期と捉えている。

●「更年期の時期=ネガティブ」に感じる理由は、「更年期をネガティブに伝えている情報に触れたから」が最多。

 

男性の更年期症状、イメージと実態でギャップあり。イメージは「イライラ」、実態は「疲れ」が多い

●男性の更年期症状、一般的なイメージは「イライラ」「疲れ」「発汗やほてり」だが、自覚症状のある男性の約7割は「疲れ」 を感じており、「イライラ」より「頻尿」「不眠」を感じている人が多い。イメージと実態でギャップが生じている。

 

「男性の更年期に関するイメージと実態調査」調査概要  

■実施時期:2022年11月2日(水)~11月4日(金) ■調査手法:インターネット調査  ■調査対象:全国の20代〜60代の男性600人(うち更年期の症状を自覚する40代〜60代の男性100人)、P.4は20代〜60代女性600人 ■実査委託先:楽天インサイト    

★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

 

 

詳細な調査結果は下記の通りです。

 

男性にとっての更年期という時期のイメージ

男性にとって更年期という時期のイメージは、「老化」「来てほしくない」「不安・心配」

ネガティブなイメージが強いが、4人に1人はネガ・ポジどちらでもでなくイメージがない男性も

 20代〜60代の男性600人を対象に、更年期という時期に対するイメージを聞きました。すると、「老化を実感・もう若くはいられない」(73.5%)、「自分に更年期が来てほしくない」(70.0%)、「更年期になるのは不安、心配」(64.8%)といった声が多く、「知識や経験が蓄積され人生が充実する時期」(32.7%)や「自分をアップデートできる準備期間」(21.5%)と前向きに捉えているのは少数派でした[図1]。

 また、更年期という時期にポジティブとネガティブのどちらのイメージを持っているかと聞くと、約7割が「ネガティブな時期」(71.0%)と答えており、年代による意識差はほとんどありません。また、約4人1人は「どちらでもない」(25.3%)と答えており、更年期に対してイメージがない男性も少なくないようです[図2]。

[図1]

 

[図2]

 

更年期という時期がネガティブに感じられるのは、「ネガティブに伝える情報」が原因に

 図2で更年期という時期にネガティブなイメージを持つと答えた男性にその理由を聞きました。

 すると、「更年期をネガティブに伝えている情報に触れたから」(51.4%)、「周囲で、よくないイメージで言っているのを聞いたから」(42.7%)が上位の理由として挙げられました[図3]。

 更年期にまつわるネガティブな情報が、そのまま更年期の時期のイメージにつながっているようです。

[図3]

 

男性の更年期症状 イメージと実態

男性の更年期症状、一般的なイメージは「イライラ」や「疲れ」

 次に、男性の更年期症状を提示し、一般的だと思うものを選んでもらいました。すると、「イライラ」(46.3%)、「疲れやすい」(36.3%)、「発汗やほてり」(29.7%)の順となりました[図4]。「イライラ」と「疲れやすさ」は全年代共通で1位2位となりました。「発汗やほてり」は30代以降の年代で3位にあがりましたが、更年期世代とは遠い20代では「集中力・記憶力の低下」(26.0%)が3位となり、「発汗やほてり」を選択したのは13.0%しかいませんでした。また、男性の約4人に1人は「当てはまるものはない」(25.7%)と答えており、更年期に現れる不調症状を、更年期症状として認知していないことがうかがえます。

[図4]

 

更年期症状を自覚する男性の7割近くが「疲れ」を訴え、「イライラ」より「頻尿」「不眠」を感じる人が多い

男性の更年期症状は、イメージと実態にギャップが生じている

 更年期症状を自覚する※1 40代~60代の男性100人に、自身の更年期症状として当てはまるものを聞くと、「疲れやすい」(66.0%)が最も多く、「頻尿」(41.0%)、「不眠」(40.0%)の順となり、年代別でにみても共通して「疲れやすい」と感じる人が最も多いことがわかりました[図5]。更年期症状のイメージとしては「イライラ」が多いものの、実態としては6割以上が「疲れやすい」と感じていることがわかりました。

 

[図5]

 

※1:更年期の症状を自覚する男性とは、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある・診断されている」または「自身の更年期障害を疑ったことがある・疑っている」かつ「何らかの更年期の症状(関節痛、筋肉痛、疲れやすい、発汗やほてり、肥満、頻尿、イライラ、不安やパニック、うつ、不眠、興味や意欲の喪失、集中力・記憶力の低下、ED、性欲低下)のいずれかがある」に該当する男性が対象です。

 

更年期症状に対する男女の認識

更年期症状について、男性の約4人に3人が「知識を得たい」「正しい認識が広まってほしい」と熱望

 更年期症状について、20代〜60代の男性と女性、各600人に聞きました。

 まず、更年期症状は男女ともに生じると思うかと聞くと、男性の74.8%、女性の73.8%が「男女ともに生じる」と正しく認識しています。更年期症状に対する知識を得ておきたいかと聞くと、男性の74.7%、女性の83.3%が正しい知識の習得を希望しています。また、男性の更年期症状への正しい認識がより広まってほしいかと聞くと、男性の76.0%、女性の87.2%が、女性の更年期症状についても、男性の74.8%、女性の90.8%が正しい認識の広まりを望んでいます[図6]。

[図6]

 

男性の約8割が、自分の更年期症状への対処法は「わからない」

 自分の更年期症状への対処方法について、「わかっている」と答えたのは男性15.7%、女性28.7%と少なく、「どう対処していいかわからない」男性が84.3%、女性71.3%と圧倒的に多くなっています[図7]。

 

[図7]

 

更年期症状を自覚する男性の実態

更年期症状を自覚していても、 「言いにくい」 「認めたくない」、まさか自分がなるなんて…

 更年期症状を自覚する男性に更年期症状に対する意識を聞くと、約2人に1人は「自分に更年期症状が出るとは思わなかった」(55.0%)と感じていることがわかりました。また、約6割の男性が更年期症状について「周りに言いにくい」(63.0%) 、「更年期症状があっても認めたくない」(58.0%)と答えています[図10]。

[図10]

 

更年期症状を自覚する男性の対応

男性の更年期症状、自覚していても約9割は「誰にも相談せず」、何科を受診するのかもわからない

 更年期症状を自覚している男性に、更年期症状への対応を聞くと、約3人に1人は「運動習慣を取り入れた」(34.0%)一方、同数が「我慢する/なにもしない」(34.0%)と答えています。「病院に行った」(21.0%)と答えた男性は約2割、「人に相談した」と答えた男性はわずか8.0%しかいませんでした[図11]。

 更年期症状に対し「我慢する」と答えた男性に理由を聞くと、「どのように対処すればいいのかわからない」(55.9%)、「自分にあった対処方法がわからない」(38.2%)など、わからないから我慢する男性が多いようです[図12-1]。

 さらに、図11で「病院に行った」と答えなかった男性に病院に行かない理由を聞くと、「どの科に行けばいいかわからない」(36.7%)が最も多い理由でした[図12-2]。

 

[図11]、 [図12-1](右上)、[図12-2](右下)

 

我慢してしまう更年期症状は「疲れやすさ」「体力の低下」

 更年期症状を自覚する男性の約3人に1人が我慢すると答えていますが、具体的に我慢していることを聞きました。

 更年期症状で起きる心の状態では、「疲れやすい」(62.0%)、「睡眠の質の低下」(51.0%)、「イライラ」(47.0%)が、体の状態では「体力の低下」(61.0%)、「頻尿」(34.0%)、「骨・関節痛」(31.0%)が我慢していることの上位に挙げられました[図13]。

[図13]

 

「男性の更年期調査」から見えてきた、男性の更年期をより健やかに過ごすための3つのキーワード

「今の自分自身を認める」「身近な人や専門家と対話する」「正しい情報」

 今回の調査結果から、更年期症状を抱える男性には、3つの課題が考えられます。1つ目は自分が更年期症状であることを認めたくないという自分自身における課題。2つ目は人に相談しづらい、打ち明けづらいという対話における課題、3つ目は対処方法がわからない、何科に行けばいいのかわからないといった正しい対処法に関する情報への課題です。

 男性の更年期をより健やかに過ごすためのキーワードは、「今の自分自身を認める」「身近な人や専門家と対話する」「正しい情報」の3つが大切だと考えられます。

 

更年期の男性 言われて傷ついた言葉、嬉しい言葉

更年期症状を自覚する男性の約4割が、周りの人から更年期症状について言われることに「抵抗あり」

 男性は更年期症状に対して、言いにくい、認めたくない、わからないといった3つの課題を抱えていることがわかりました。

 更年期症状を自覚している男性に、更年期症状について周りから指摘されることに抵抗があるかと聞くと、約4割が「抵抗がある」(42.0%)と答えています[図14]。

 そこで、更年期症状がある時に、周りに言われて傷ついた言葉について聞くと、次のような辛い体験が寄せられました。[図14]

 

男性更年期の専門医・堀江先生に聞く、男性の更年期との付き合い方

 日本初の男性外来「メンズヘルス外来」を立ち上げるなど、男性ホルモンの低下に起因するさまざな疾患の診断と治療を行う日本の泌尿器科医療をリードする第一人者の堀江重郎先生に、今回の調査結果について解説していただきました。

 

■男性の更年期に多い特徴的な「3つの課題」 

 その本音は、男性は自分が現役から遠ざかることを認めたくないから

 女性の更年期は閉経という生物学的現象ですが、男性の更年期は自分を取り巻く環境において、自分らしさを発揮できない場合に症状が現れます。

 今回の調査結果から、男性の更年期症状を取り巻く環境には、「言いにくい」「認めたくない」「対処法がわからない」という3つの課題があることがわかりました。なぜ、認めたくないのかといえば、男性は自分が更年期であることを認めてしまうと、加齢を受け入れて“現役”から遠ざかるような気がしてしまうからです。若々しくいきいき仕事をする現役世代に対し、更年期には現役を終えつつある世代というイメージがあります。今回の調査でも約7割以上が更年期にネガティブなイメージを持っていましたが、ネガティブなイメージがあると、症状を誰かに相談することが難しくなります。男性は、精神的な苦痛や肉体的な疲労を他人には訴えず、また自分でも認めないという傾向があり、その結果として対処法がわからない、という悪循環に陥りやすいのです。男性の性格的な傾向や更年期の持つイメージから、男性の更年期の症状には「3つの課題」が大きなハードルとなっていると考えられます。

 

■男性の更年期の時期は「人生のハーフタイム」 後半戦をより有意義なものにするための整え期間

 かつて現役を退くことは、隠居して社会的な存在ではなくなることを意味していました。しかし、超高齢社会では、社会との関わりはさらに長くなり、その中で自分らしい人生を送ることが課題になっています。更年期は、例えるならサッカーやラグビーのハーフタイムのようなもの。前半戦の試合を終え、疲労を感じ、息が上がっているような状況です。ひどく疲れる人もいればそうでもない人もいるように、症状の大小に差はあれど、ここでうまくコンディションを整え、よい後半戦に臨むことが肝心です。よいコンディションをつくっていくために情報収集したりアドバイスをもらったりし、現状をしっかり分析しましょう。

 更年期とは人生の前半戦は終わったことを意味しますが、決してネガティブな時期ではなく、これから人生の後半戦に向けて準備をし整える時期です。健康問題はオープンに話し合うことで、自分に合った解決策やサポートが見つけられる可能性が高まります。無理に打ち明ける必要はありませんが、症状を知ることは大切です。男性の更年期は社会的ストレスが要因となりやすいので、何が要因かを具体的に探り、ストレスから離れるために周囲のサポートが必要な場合は、そのことを伝えてみるのも良いでしょう。

更年期は誰もが迎える人生のハーフタイムです。人生の後半戦をより有意義なものとするために、心身ともに整えましょう。

 

■更年期の不安ごとは、男性の守護神「泌尿器科」に相談を!

 今回の調査では、更年期症状に対して対処法がわからない男性が約8割を超えていました。更年期の男性は、若いときのようなエネルギーがなくなった、周囲から十分に評価されていない、仕事にやりがいが感じられないなど、ネガティブな感情を抱きがちです。そんなネガティブな感情にとらわれるのではなく、人生のハーフタイムと受け止め、仕事や家族、プライベートについて考え、生きがいを見直し、体調を整えることを優先しましょう。男性の更年期は症状を我慢してもよくなりません。更年期症状をはじめ、心身の不調などの症状が現れた場合は、泌尿器科医を受診してください。泌尿器科の「泌」は分泌、すなわちホルモンのこと。泌尿器科は男性の守護神です。日本メンズヘルス医学会のホームページ(https://mens-health.jp)では全国の専門医を紹介しています。お気軽にご相談ください。

 

堀江 重郎(ほりえ・しげお)先生 泌尿器科医、医学博士 

順天堂大学医学部 泌尿器外科学講座・遺伝子疾患先端情報学講座・ デジタルセラピューティクス講座  主任教授

日米で医師免許を持ち、手術ロボット ダヴィンチを駆使した前立腺、腎臓手術のトップランナー。

男性ホルモンの低下に起因する様々な疾患の診断と治療を行う日本初の「メンズヘルス外来」の立ち上げなど、日本の男性医療や科学的アンチエイジングをリードする。発足から22年目を迎える日本メンズヘルス医学会の理事長。日本抗加齢協会 理事長。

著書に「男性の病気の手術と治療」(かまくら春秋社)、男性更年期障害(LOH症候群)について解説した「LOH症候群」(角川新書)など多数。

 

こちらはリリースの抜粋版です。全文は「プレスリリース原文(PDF)」をご覧ください。

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

[図1]

[図2]

[図3]

[図4]

[図5]

[図6]

[図7]

[図8]

[図9]

[図10]

[図11]、 [図12-1](右上)、[図12-2](右下)

[図13]

[図14]

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