「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

電通デジタル

2023年3月14日

株式会社電通デジタル

2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」 CCI/ D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングスが共同で 2022年の詳細分析と2023年の予測分析を実施-

 

 国内電通グループのデジタル広告領域をけん引する5社(CCI/D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングス)は、電通が2023年2月24日に発表した「2022年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2023年の予測を加えた「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表しました。

 

 2022年の日本の総広告費は通年で前年比104.4%の7兆1,021億円で、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、1947年に推定を開始して以降、過去最高となりました。その中でインターネット広告費は、社会のデジタル化を背景に継続して高い増加率を保っており、前年比114.3%の3兆912億円に達し、日本の総広告費全体の43.5%を占めました。また、インターネット広告費からインターネット広告制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、検索連動型広告をはじめとする運用型広告や、ビデオ(動画)広告の成長により、前年比115.0%の2兆4,801億円となりました。

 

2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」のポイント

1.検索連動型広告が9,766億円で、前年比122.2%と大きく成長

広告種別で見ると、検索連動型広告は前年比122.2%と大きく成長し、インターネット広告媒体費に占める構成比は39.4%となった。

2.運用型広告が21,189億円で、推定開始以降はじめて2兆円を突破

取引手法別で見ると、運用型広告は前年比115.3%の二桁成長となり、インターネット広告媒体費に占める構成比は85.4%となった。

予約型広告は前年比117.7%、成果報酬型広告は前年比102.7%といずれも成長した。

3.ビデオ(動画)広告が5,920億円

ビデオ(動画)広告は前年比115.4%の二桁成長となり、うちインストリーム広告は3,456億円で、全体の58.4%となった。

2023年は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6,852億円まで増加すると予測する。

4.2023年インターネット広告媒体費は、27,908億円まで増加する見込み

インターネット広告媒体費は2023年も堅調に推移し、全体で前年比112.5%の2兆7,908億円まで増加すると予測する。

 

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

~検索連動型広告が前年比122.2%の高い伸び~

 

 2022年のインターネット広告媒体費は、2兆4,801億円(前年比115.0%)(電通「2022年 日本の広告費」より)。インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、「検索連動型広告」が前年比122.2%の9,766億円と高い成長率となり、構成比でも39.4%まで伸長した。「ビデオ(動画)広告」は前年比115.4%の5,920億円、構成比は23.9%となった。【グラフ1】

 

【広告種別の定義】

・「成果報酬型広告」:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを

  行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告

・「検索連動型広告」:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告

・「ディスプレイ広告」:サイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告

・「ビデオ(動画)広告」:動画ファイル形式(映像・音声)の広告

・「その他のインターネット広告」:上記以外のフォーマットのインターネット広告。メール広告、

  オーディオ(音声)広告、タイアップ広告などを含む。

 

【グラフ1】 インターネット広告媒体費の広告種別構成比

 

 

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

~運用型広告は前年比115.3%の21,189億円とはじめて2兆円を突破~

 

 インターネット広告媒体費を取引手法別に見ると、現在の主流となっている「運用型広告」は前年比115.3%の2兆1,189億円とはじめて2兆円を突破し、インターネット広告媒体費全体における構成比は85.4%となった。「予約型広告」は前年比117.7%、「成果報酬型広告」は前年比102.7%といずれも成長した。【グラフ2】

 

【取引手法の定義】

・「成果報酬型広告」:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告

・「運用型広告」:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引される広告

・「予約型広告」:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接、広告主に販売された広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引される広告

 

【グラフ2】 インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

 

 

インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比

~「ビデオ(動画)広告」は予約型が前年比117.4%、運用型が同115.1%といずれも伸長

 

 取引手法別×広告種別では、運用型の「検索連動型広告」がインターネット広告媒体費全体の39.4%と最も構成比が大きく、次いで運用型の「ディスプレイ広告」が26.0%、運用型の「ビデオ(動画)広告」が19.9%と続いている。

 「ビデオ(動画)広告」は予約型が前年比117.4%、運用型も前年比115.1%といずれも伸長した。【グラフ3】

 

【グラフ3】 インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比

 

 

ビデオ(動画)広告市場

~インストリーム広告は3,456億円に達し、ビデオ(動画)広告全体の6割弱を占める~

 

 「ビデオ(動画)広告費」5,920億円のうち、動画コンテンツの間に挿入される「インストリーム広告」は3,456億円(構成比58.4%)で、ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示される「アウトストリーム広告」は2,463億円(構成比41.6%)となった。【グラフ4】

また、取引手法別では「運用型広告」が83.4%を占める。【グラフ5】

 

【ビデオ(動画)広告の定義】

動画ファイル形式(映像・音声)の広告。以下の様なものを含みます。

・「インストリーム広告」:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告。

・「アウトストリーム広告」:ディスプレイ広告枠等の動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。

              ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む。

 

【グラフ4】 ビデオ(動画)広告種類別構成比

 

【グラフ5】 ビデオ(動画)広告取引手法別構成比

 

ソーシャル広告市場

~ソーシャル広告費は前年比112.5%の8,595億円、「SNS系」「動画共有系」を合わせて8割弱を占める~

 

 ソーシャルメディアのサービス上で展開される「ソーシャル広告」は前年比112.5%の8,595億円で、インターネット広告媒体費全体の34.7%となった。「ソーシャル広告以外」が前年比116.3%で伸長したため「ソーシャル広告」の構成比は微減となった。【グラフ6】

 ソーシャルメディアを種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」に分類すると、「SNS系」が3,675億円(構成比42.8%)、「動画共有系」が3,052億円(構成比35.5%)と、合わせて8割弱を占める。【グラフ7】

 

【ソーシャル広告の定義】

・ソーシャルメディア※のサービス上で展開される広告

※:ユーザーが投稿した情報をコンテンツとし、ユーザー間で共有・交流するサービスを提供するメディア(プラットフォーム)

<JIAA「インターネット広告基礎用語集 2022年度版」より>

ソーシャルメディア例:SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板 など

【ソーシャル種別の定義】

SNS系はSNSプラットフォーム(動画共有系を除く)、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板等

 

【グラフ6】 ソーシャル広告構成比推移

 

 

 

【グラフ7】 ソーシャル広告種類別構成比

 

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

2023年のインターネット広告媒体費は総額で27,908億円(前年比112.5%)になると予測~

 

 2023年のインターネット広告媒体費も堅調に推移し、前年比112.5%の2兆7,908億円まで拡大すると予測。【グラフ8】

 

【グラフ8】 インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

 

 

ビデオ(動画)広告市場の推移(予測) 

ビデオ(動画)広告は、2023年には6,852億円まで拡大する見込み

 

 2023年の「ビデオ(動画)広告」は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6,852億円まで拡大すると予測。その中でも「インストリーム広告」は前年比119.5%の成長を見込む。【グラフ9】

 

【グラフ9】 ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)

 

 

 

<調査概要>

調査主体 :株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社D2C /株式会社電通/

      株式会社電通デジタル/株式会社セプテーニ・ホールディングス

調査時期 :2022年12月~2023年2月

調査方法 :以下の調査に基づき、推定作業を実施

      ①インターネット広告媒体社等を対象としたアンケート調査(web調査)

        「2022年(令和4年) 日本の広告費 インターネット広告媒体売上についてのお伺い」

       として実施

      ②同、追加ヒアリング調査

      ③ 各種データ収集・分析

・本資料内グラフにおける数値は、表示単位未満を四捨五入して表示しているため、計算値が一致しない場合があります。

 

<会社概要>

株式会社CARTA COMMUNICATIONS (https://www.cci.co.jp/

所在地  : 〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1築地松竹ビル

代表者  : 代表取締役社長 目黒 拓

事業内容 : 総合デジタルマーケティング事業を展開。広告枠の販売に加えて、メディアやプラット

       フォーマーと共にプロダクトやソリューション、サービスを開発し事業会社に提供。

 

株式会社D2C (https://www.d2c.co.jp/

所在地  : 〒105-7313 東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング

代表者  : 代表取締役社長 高田 了

事業内容 : NTTドコモのメディアを中心とした広告事業を展開。デジタルを活用した総合的な

       マーケティングコミュニケーションを提供するD2Cグループを擁する。

 

株式会社電通 (https://www.dentsu.co.jp/

所在地  : 〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1

代表者  : 代表取締役社長執行役員  榑谷 典洋

事業内容 : 顧客のマーケティング全体に対するさまざまなソリューション提供に加え、

      デジタル時代の変革に対応する効率的な広告開発、最適な顧客体験のデザイン、マーケティン 

      グ基盤そのものの変革や、さらには顧客事業の変革をも推進。また、マーケティング領域を

      超えて進化させた多様なケイパビリティを掛け合わせ、顧客と社会の持続的成長に貢献する

      統合ソリューションを提供していく。

 

株式会社電通デジタル(https://www.dentsudigital.co.jp/

所在地  : 〒105‐7077 東京都港区東新橋1-8-1

代表者  : 代表取締役社長執行役員 瀧本 恒

事業内容 : デジタルマーケティングの全ての領域に対して、データとテクノロジーを駆使した次世代

       マーケティングの戦略策定・実行、その基盤となる IT プラットフォームの設計・構築、

       クライアントの事業革新を支援する DX コンサルティングなどのサービスを提供

 

株式会社セプテーニ・ホールディングス(https://www.septeni-holdings.co.jp/

所在地  : 〒160-6130 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー30F

代表者  : 代表取締役 佐藤 光紀

事業内容 : インターネット事業を中心に事業展開する企業グループを統括する持株会社

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