東京都立大学は、社会貢献を教育・研究と並ぶ柱とし、都民や社会人等の学習ニーズに応える生涯学習の拠点として、さらには地域社会の活性化を目指して、大学の持つ学術研究の成果を広く社会に還元する「オープンユニバーシティ」を開設しています。

■　概要

　秋期講座（期間：10～12月まで）は、全97講座（対面71講座、オンライン26講座、うち高校生無料講11講座）と学習意欲・知的好奇心に応えた講座を幅広くご用意しました。

　ご好評いただいているオンラインスペシャル講座では、昨今話題の「ジョージア」をテーマに講座名「悠久のユーラシア　魅惑の国　ジョージアを探訪する」と題して、古来から文明の十字路として豊かな文化を育んできたジョージアの奥深い世界を、歴史・文化・政治・芸術・食・世界遺産など様々な視点から探究する講座を企画しました。

　また、講座名「チャットGPTなど生成系AIの法的課題」については本学で知的財産法を専門とする山神清和（法学部 教授）から、講座名「安い30年　脱却への道」については本学で労働経済学、マクロ経済学、日本経済論などを専門とする宮本弘暁（経済経営学部 教授）から、それぞれ解説します。

　その他、プレミアム講座（入会金不要、特別価格1,000円で受講可）では、「町工場の一斉公開『オープンファクトリー』に挑む」、「筋肉は何をしている？」、「治水の祖 武田信玄の治水施設群を分析する-洪水氾濫シミュレーションを用いて-」の３つの講座を開講します。

　一般の方を対象にした申込受付は、９月６日（水）から開始します。

■　秋期のオンラインスペシャル講座について

・講座名　悠久のユーラシア　魅惑の国　ジョージアを探訪する

・日時等　10/24・10/31・11/7・11/14・11/21・11/28・12/5・12/12 （全8回）

　　　　いずれも火曜・時間 18時30分～20時まで（90分）

・形　式　オンライン　※ライブ＋録画・見逃し配信（7日間限定）

・受講料　16,000円（税込み）※入会金別・高校生は無料

・内　容

　皆さんは、ジョージアという国名を聞いて何を思われるでしょうか。日本でも人気となったジョージア料理「シュクメルリ」や、ワイン発祥の地、ユーラシアの文明の十字路としての数々の世界遺産などを想像されるかも知れません。大相撲・栃ノ心関や世界的プリマドンナ・アナニアシビリの活躍、宝塚歌劇での上演なども記憶に新しいところです。実はジョージアは、日本と同様「おもてなし」の国としても知られており、その精神は古くから大切にされてきました。そのような共通点もあり、日本とジョージアの関係は親密で、多くの日本人がジョージアを訪れています。昨年2022年には日本・ジョージア外交関係開設30周年を迎え、様々な催しが開催されました。

　今回のオンラインスペシャルは、文明の十字路「ジョージア」(საქართველო)の奥深い世界を、歴史・文化・政治・芸術・食・世界遺産など様々な視点から探究します。

講座コーディネーターは、東京都立大学 人文社会学部　前田 弘毅 教授 が務めます。

　前田教授（博士・文学：東京大学）の専門は、中東・ユーラシア研究で、ジョージアに関する多数の著作を出版されています。その他多くの研究者・専門家が登壇しますが、特別講師として在日ジョージア大使館からティムラズ レジャバ特命全権大使とダヴィド ゴギナシュヴィリ専門分析員（博士）をお招きします。両者は、本年1月に講談社から「大使が語るジョージア ～観光・歴史・文化・グルメ～」を出版されました。

　優れた芸術と伝統文化、そして健康長寿を誇り、ユーラシアの隠れた文化大国であるジョージアは現在、海外の旅行先としても大注目を浴びています。その魅力を堪能していただければ幸いです。

・開講スケジュール

１）東西文明の出会うところ～ジョージア歴史探訪～　10月24日（火）18:30～20:00

　ジョージアは、文明の十字路に位置してユニークな文化を発展させてきました。独特の言語と独自の文字を持ち、古いキリスト教信仰を保ちつつ、バグラティオニ王家による王国も約1000年続きました。コーカサス（カフカス）山脈の豊かな自然に抱かれたその歴史の魅力についてお話しします。

　講師　前田 弘毅　東京都立大学人文社会学部 教授

２）ジョージアおもてなしの国の秘密　10月31日（火）18:30～20:00

　本講座でジョージアの歴史、文化、自然環境などを全般的に紹介するほか、ジョージア人の自己アイデンティティーの基盤をなす価値観、そしてそれらの歴史的背景について説明します。また、ジョージアでの生活環境、インフラ、食文化、経済等について概観的に解説します。※冒頭、ティムラズ レジャバ駐日ジョージア特命全権大使がお話する予定です。

　講師　ダヴィド ゴギナシュヴィリ　在日ジョージア大使館　専門分析員

３) ぶどうと十字架：ジョージアのキリスト教と祝祭　11月7日（火）18:30～20:00

　ジョージアのキリスト教の歴史は古く、４世紀頃までさかのぼります。その長い歴史と多様な文明との接触が、ユニークなキリスト教文化を育みました。この講義では、クリスマスやイースターなど、私たちにもなじみのある行事を通じて、ジョージアのキリスト教の歴史の一端を紐解いていきます。

　講師　浜田 華練　東京大学大学院　総合文化研究科（地域文化研究専攻）准教授

４）ジョージアの世界遺産と宗教建築の神髄　11月14日（火）18:30～20:00

　古来より東西文化の接点だったカフカースに位置するジョージアでは、４世紀にキリスト教を国教として以来、固有のキリスト教建築が数多く作られてきました。この講義では、現地調査を通じて得た調査成果や豊富な写真を交えながら、ジョージアにおけるキリスト教の建築文化を概観します。

　講師　藤田 康仁　東京工業大学　環境・社会理工学院　准教授

５）長寿の秘訣　知られざるジョージア料理の魅力　11月21日（火）18:30～20:00

　コーカサス山脈が聳えるジョージアは、湧き水の宝庫。また黒海に面し、シルクロードの西端にあるこの国はモンゴル人が伝えたヒンカリ、地中海沿岸と共有するドルマなど多様なレシピの宝庫。コルアンダーやマリーゴールドなど様々なスパイスを多用するヘルシーな食文化の魅力に迫ります。　

　講師　島村 菜津　ノンフィクション作家

６）世界最古のジョージア・ワイン　甕（クヴェヴリ）醸造とは　11月28日（火）18:30～20:00

　ワイン最古の国ジョージアは、近年、自然派ワインの新たな世界的潮流の発信地として注目されています。その秘密は独特のクヴェヴリ醸造と宴会文化にあります。世界的レストラン「ノーマ」にも提供されるジョージア・ワインを生産するワーデマンが現地からその魅力をお伝えします。

　講師　ジョン・ワーデマン　クヴェヴリワイン醸造家/芸術家/フェザンツティアーズ・ファウンダー

７）ジョージアとウクライナ戦争～EUとロシアの狭間で～　12月5日（火）18:30～20:00

　史上最も地域統合が進んだEUとロシアとの狭間に位置するジョージアとウクライナ。その力の真空が生じやすい地域で、いま何が起こっているのか。2008年８月にジョージアで勃発した武力紛争を皮切りに、ジョージア政治の現状や今般のロシアによるウクライナ侵攻の原因などを紐解きます。　

　講師　内田 州　早稲田大学　地域・地域間研究機構　次席研究員（研究院講師）

８）ジョージア無垢なる魂　ピロスマニの世界　12月12日（火）18:30～20:00

　約100年前に人知れず亡くなったジョージアの放浪の画家ニコ・ピロスマニ。今や国民的画家として子どもから大人までジョージア国民の心の中に生きています。「百万本のバラ」のモデルになったピロスマニの人生と彼の作品を現代に蘇らせた人々についてお話します。

　講師　南島 隆　女子美術大学 大学院　美術研究科デザイン専攻　特別講師 /彫刻家

■　東京都立大学オープンユニバーシティの入会・受講概要について

[会員制]　　〇 会員制で、どなたでもご入会いただけます。

　　　　　　〇 入会に当たって、年齢等の要件、試験等はございません。

[入会金]　　〇 ３，０００円(税込)　※高校生無料講座：不要

[受講形態]　〇 １～１０回で学べる講座を多数開講しています。

[受講料]　　〇 講座ごとに受講料を設定しています。

[講座形式]　〇 対面だけではなく、オンラインでの講座も開講しています。

▶ 対面講座では感染予防対策を万全にして皆様をお迎えし、オンライン講座ではいつでもどこでも学べるようzoomでのライブ配信とともに録画したものを見逃し配信として開講翌営業日以降7日間実施します。

▶ 講座の詳細等は、Webサイトをご覧ください。

https://www.ou.tmu.ac.jp/web/

▶ 東京都立大学オープンユニバーシティ講座案内パンフレット（デジタル版）

https://www.ou.tmu.ac.jp/open/digi_p_2023aki/index.html#page=1

▶ パンフレット冊子の送付を希望される方はこちらからお申込ください(送付無料)

https://www.ou.tmu.ac.jp/web/request/