クラリベイト、ブロックバスター候補の13の医薬品を特定した最新の「Drugs to Watch 」レポートを公開
鎌状赤血球症、RSV、乳癌、クローン病等の治療法の進歩はライフサイエンス企業が直面する緊急課題である
クラリベイト、ブロックバスター候補の13の医薬品を特定した最新の
「Drugs to Watch 」レポートを公開
鎌状赤血球症、RSV、乳がん、クローン病などの疾患に対する治療法の進歩は、
患者さんの健康増進へとつながるライフサイエンス企業が直面する緊急の課題である
2024年1月8日、ロンドン(英国)
世界を変革するために、信頼性の高いインテリジェンスで人と組織をつなぐグローバルリーダーであるクラリベイト (NYSE:CLVT) は、「Drugs to Watch 2024」レポートを発表しました(日本語版、2024年1月23日発表)。本レポートでは、商業的に、あるいは、臨床的に成功の可能性がある医薬品について、詳細な予測分析を行っています。本レポートは、進化する医薬品業界における重要な業界資料であり、レポートを発行してきた11年間を通じて、これまでに85を超える医薬品を特定しています。
クラリベイトのアナリストは最新版のレポートで、2024年に発売される、または、発売が予定されている医薬品で、2029年までにブロックバスターの地位を獲得する、あるいは世界中の何百万人もの患者さんにとって臨床上の画期的な存在になると予測される13の医薬品を特定しました。これらの有望な進歩には、乳がん、血友病A、鎌状赤血球症、クローン病、潰瘍性大腸炎、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、多発性骨髄腫など、幅広い疾患に対する革新的治療が含まれています。
さらに、本レポートは中国本土で成長する慢性疾患市場に焦点を当てており、2029年までに10億ドル規模のブロックバスターの地位を獲得するあるいは、患者さんに大きな影響を与える可能性のある医薬品を7つ特定しています。
クラリベイトのライフサイエンス・ヘルスケア部門ソートリーダーシップのグローバルヘッドであるMike Wardは、次のように述べています:
「バイオ医薬品業界を支えるファンダメンタルズはかつてないほど強固なものとなっており、新しい技術が医療の進歩を促進し、これまで満たされていなかった医療のニーズを持つ患者さんに治療法の選択肢を提供しています。業界の深い専門知識と包括的な治療領域別データを活用し、今年のDrugs to Watchレポートでは、患者さんの転帰に影響をもたらすと考えられる最近の科学的ブレークスルーに基づく革新的な医薬品を特定しています。」
2024年は製薬業界にとって、革新的な一年になることも予想されています。過去10年間の科学的ブレークスルーに裏打ち新しい治療法が臨床的成功を収め、これまで満たされていなかった医療ニーズを持つ患者さんに治療法を提供し始めています。その一方で、医療費抑制に向けた政府の取り組み、高止まりする資本コスト、世界的な地政学的紛争といった外部要因が、このセクターへの投資意欲にブレーキをかけています。
Drugs to Watchレポート2024年度版では、新薬の発見、開発、供給にとって重要なトレンドのいくつかに焦点を当て、ブロックバスターまたは画期的な新薬としての地位を確立するために、今後数年間で重要なマイルストーンを達成するであろう医薬品や新薬候補にスポットを当てています。
2024年の 注目すべき主な医薬品は次の通りです。:
Aflibercept (high dose; EYLEA® HD)
開発元:バイエル薬品、リジェネロン・ファーマシューティカルズ
湿性加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)または糖尿病網膜症(DR)の患者において、選択される治療法が侵襲的で頻回投与の煩雑さを伴うため薬剤摂取が制限される場合には、高 量afliberceptのより低頻度での投与により、現在の標準治療と同様の有効性と安全性を達成することができます。
Budesonide (TARPEYO®/Kinpeygo®/Nefecon)
発売元: Calliditas Therapeutics AB, Everest Medicines and STADA Arzneimittel AG
TARPEYO®/Kinpeygo®(プロジェクト名Nefeconとして開発)は、副腎皮質ステロイドであるBudesonideの第2世代の非ハロゲン化合成製剤です。Budesonideの遅延放出製剤は、原発性免疫グロブリンA(IgA)におけるタンパク尿の減少および腎機能低下の遅延に対する有効性が高く、従来の副腎皮質ステロイドよりもはるかに優れた安全性プロファイルを示しています。
Datopotamab deruxtecan (Dato-DXd)
発売元:アストラゼネカ、第一三共
HRポジティブ/HER2ネガティブおよびトリプルネガティブの両方の乳がんおよび非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬としてGilead Sciences IncのTRODELVY®に次いで2番目に市場に登場しdatopotamabderuxtecanは、クラス最高のTROP2標的抗体薬物複合体(ADC)となる可能性があります。アストラゼネカと第一三共の提携は、NSCLCおよび乳がんに焦点を当てたアストラゼネカの戦略と、第一三共独自のDXd ADC技術との統合を可能にしています。
Efanesoctocog alfa (ALTUVIIIO™/BIVV001)
発売元:サノフィ(BioverativTherapeutics Inc.)、Swedish Orphan Biovitrum AB
efanesoctocog alfaは、週1回の静脈内投与による第VIII因子(FVIII)補充療法であり、現在使用可能な他のFVIII補充療法の投与頻度に伴う患者負担の軽減に役立ちます。モノクローナル抗体や遺伝子治療など、新規の治療に消極的な患者にとって、efanesoctocog alaは魅力的なオプションとなる可能性が高いと考えられます。臨床医も、現在入手可能な臨床試験データから示されている達成可能FVIIIレベル、注射頻度および安全性プロファイルから、efanesoctocog alfaを肯定的に評価しています。
Ensifentrine (RPL554)
発売元:Verona Pharma
ensifentrineは吸入型のホスホジエステラーゼ(PDE)3およびPDE4の二重阻害剤であり、中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪を、現在使用されている経口投与PDE阻害剤による全身性の副作用を伴うことなく低減させることが期待されています。承認されれば、COPDの維持療法に利用可能なメカニズムとして10年以上ぶりに登場した新規メカニズムによるファーストインクラスの医薬品となります。利用可能な治療クラスの選択肢が限られているこの患者集団において、 ensifentrineはその臨床プロファイルおよび安全性プロファイルから、 有望な新規治療薬となります。
Exagamglogene autotemcel (CASGEVY™ /exa-cel) and lovotibeglogene autotemcel (LYFGENIA™/lovo-cel/formerly LentiGlobin™)
発売元: CRISPR Therapeutics and Vertex Pharmaceuticals Inc (exa-cel) and Bluebird Bio (lovo-cel)
exagamglogene autotemcel(exa-cel)とlovotibeglogene autotemcelは、鎌状赤血球症(SCD)とβサラセミアに対する初の疾患修飾薬として大きな注目を集めています。exagamglogene autotemcel は、ヒトの疾患の根本的な遺伝的原因を標的とした新しい治療法 を発見および開発するために、CRISPR/Cas9に 焦点を当てて生み出された最初の治療剤です。
Mirikizumab (Omvoh™/ LY-3074828)
発売元:Eli Lilly and Company
mirikizumabは、IL-23のp19サブユニットを標的とするモノクローナル抗体(mAb)であり、潰瘍性大腸炎のためのファーストインクラスの治療薬としてEMAおよび米国FDAから承認されています。クラスで3番目のク ローン病治療薬としても承認される可能性が高いと考えられます。Drugs to Watch 2023に含まれていましたが、米国FDAが製造に懸念を示したため上市が遅れ、Drugs to Watch 2024でも引き続き注目しています。
Niraparib + abiraterone acetate (AKEEGA™)
発売元: Johnson & Johnson Innovative Medicine
AKEEGA™は、PARP阻害薬(niraparib)と第2世代ホルモン剤(abiraterone acetate)を組み合わせた、最初で唯一の二重作用錠剤(固定用量配合(FDC)錠剤)です。病的変異または病的変異疑いのあるBRCA遺伝子変異転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者への治療薬となり得ることから、より有効な治療薬を必要とするこれらの患者への対応促進に役立つと思われます。
RSVpreF (ABRYSVO™/PF-06928316) and RSVpreF3 (AREXVY/GSK-3844766A)
発売元: Pfizer Inc (ABRYSVO) and GSK plc (AREXVY)
RSウイルス(RSV)感染症は、特に乳幼児および高齢者(65歳以上)においては常に公衆衛生上の問題となっています。RSV感染症は、季節性の一般的な上気道感染症の一種で、症状はインフルエンザおよびCOVID-19と類似しており、重症例では入院に至る可能性があります。公衆衛生の専門家が「トリプルデミック」と称している、RSV感染症、 インフルエンザおよび COVID-19の3つの感染症の同時期の流行により、 特に発症リスクが最も高い集団に関して、医療負担が増大しています。 乳幼児および高齢者を対象とした RSVワクチン(RSVpreFおよびRSVpreF3)の初の承認は、公衆衛生上の重要な節目となります。
Talquetamab (TALVEY™)
発売元:Johnson & Johnson Innovative Medicine
ECからの条件付き承認およびFDAからの迅速承認を受けたtalquetamabは、多発性骨髄腫の治療のための、CD3およびGPRC5Dを標的とするファースト・イン・クラスの二重特異性抗体です。 talquetamabの承認は、複数の治療歴を有する、再発/難治性の多発性骨髄腫患者を対象としたピボタル第1/2相MonumenTAL-1試験に基づくものです。進行中の第3相試験により、talquetamabの承認された適応における臨床的有用性が確認され、他の承認済み薬剤(Johnson & Johnson Innovative MedicineのDARZALEX®など)との併用を含め、他の多発性骨髄腫患者集団への適応拡大につながることが期待されます。Talquetamabは、治癒困難で再発頻度の高いこの疾患に対して、重要な新たな治療選択肢として加えられることが期待されます。
Zolbetuximab (IMAB362)
発売元: Astellas Pharma Inc
転移性HER2陰性の胃・食道胃接合部(GEJ)腺がんは、治療が極めて困難であり、新たな有効な治療法に対する大きなアンメットニーズが存在しています。trastuzumab(Genentech)やENHERTU®(第一三共)などのHER2標的薬が利用可能なHER2陽性疾患とは対照的に、HER2陰性患者に利用可能な標的治療薬の選択肢は非常に限られています。Zolbetuximabは、オンコロジー領域における ファーストインクラスのクローディン18.2(CLDN18.2)阻害薬および転移性HER2陰性胃腺がんまたはGEJ腺がんのための1stライン治療薬として、これらのアンメットニーズのいくつかに対処できる可能性があります。
2024 年に重要な概念実証が達成される可能性が高い新しいテクノロジープラットフォームには、 CRISPR-Cas9 遺伝子編集や、創薬、臨床開発、商業発売における人工知能 (AI)/機械学習 (ML) ツールアプリケーションが含まれます。長期的には、後者の技術は製薬企業のコスト削減とイノベーション サイクルの短縮に役立つ大きな可能性を秘めて おり、今後より革新的な医薬品をより迅速に患者さんに届けることが可能になります。
Drugs to Watch 2024レポートの 方法論
今年の注目の医薬品を特定するために、数百の疾患、医薬品、市場をカバーする160人以上のクラリベイトのアナリストが専門知識を活用し、研究開発および商業化のライフサイクルにまたがる以下の11の統合データセットを用いました。:
Cortellis Competitive Intelligence™, Disease Landscape & Forecast, BioWorld™, Drug Timeline & Success Rates, Cortellis Clinical Trials Intelligence™, Cortellis Generics Intelligence™, Cortellis Deals Intelligence™, Access & Reimbursement payer studies, Clarivate Real World Data and Analytics, Web of Science™ Derwent Innovation™,
その他バイオファーマ企業のプレスリリースや査読付き論文を含むその他の業界情報源から引用しています。分析対象は、第2相または第3相試験中、承認申請前または申請段階 、あるいは2023年の早い時期に既に上市された医薬品で、業界に特にインパクトを与える可能性のある新効能で発売された医薬品を含み、2023年より前に発売された医薬品は除外しました。次に、2029 年の予想売上高が10億ドル以上である医薬品をデータセットから抽出しました。その後、クラリベイトの専門家が、承認・発売予定日、競合状況、規制状況、臨床試験結果、市場力学 などの要因に基づき、各医薬品を個別の文脈で手動評価し、ブロックバスターには至らないものの、治療 のゲームチェンジャーとなる可能性のある新薬を追加しています。
なお、本レポートに掲載したデータは2023年12月31日以前にクラリベイトのアナリストが作成したものです。本レポートおよび本リリースで言及されている内容は、既存のデータによるクラリベイト社の現時点での予想に基づいていますが、レポートおよび本リリースで言及されている医薬品から得られる実際の結果は、大きく異なる可能性がありますのでご留意ください。
クラリベイトは、医薬品、医療機器、医療技術のライフサイクル全体にわたってお客様を包括的にサポートし、人々の健康増進に貢献します。ペイシェントジャーニーデータ、治療領域に関する専門知識、人工知能、分析を組み合わせることで、隠れたインサイトを引き出し、データ主導の意思決定を行い、イノベーションを加速させるクラリベイトのエンドツーエンドのリサーチインテリジェンスは、お客様が情報に基づいたエビデンスに基づく意思決定を行えるように設計されています。
年次レポート「Drugs to Watch 2024」のダウンロードは, こちら.
クラリベイトについて
Clarivate™は、情報提供サービスのグローバルリーダーです。Clarivateは、人と組織を信頼性の高い知見と びつけ、それらの視点、仕事、そして私たちの世界を変革していきます。当社のサブスクリ プションとテク ロジーベースのソリューションは、深い専門知識を提供し、学術・行政、ライフサイエンス・ヘルスケアおよび 知的財産の領域をカバーしています。詳細は、clarivate.com/jaをご参照ください。
Clarivateとそのロゴ、およびここで使用されている他のすべての商標は、それぞれの所有者の商標であり、ライセンスに基づいて使用されています。
本リリースは、Clarivateが2023年1月8日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。英文ニュースリリースは、https://clarivate.com/news/ をご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 その他情報・通信業
- URL http://www.clarivate.jp
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