積水ハウス、疫学エビデンスに基づく「ゼロ次予防」健康住宅を

ゼロ次予防の観点からの研究にて住まいの広さ・天井の高さが居住者のWell-beingに寄与の可能性が明らかに

積水ハウス

2024年2月7日

積水ハウス株式会社

 積水ハウス株式会社は、国立大学法人千葉大学と2022年4月から「千葉大学予防医学センター寄附研究部門第2期」を開始し、住環境と健康の因果を医学的観点から研究しています。本研究部門を通して、人々の健康的な暮らしを支える住まいのあり方を検討し、健康を意識しなくても健康的な生活習慣が実行できるような環境づくり、いわゆる「ゼロ次予防住環境」の創造を目的としています。

 この度、住まいの広さやリビングルームの天井の高さが居住者のWell-beingに寄与している可能性が高いことが明らかになりました。これまで、実際の生活環境において天井の高さと精神的健康の関係性に関する調査結果はほとんどなく、エビデンスとして示された極めて珍しい研究結果となっています。

 積水ハウスは今後、「千葉大学予防医学センター寄附研究部門第2期」において論文や学会発表などの研究成果が出次第、随時配信いたします。グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、引き続き健康に関するエビデンスを積み上げ、人生100年時代における「幸せ住まい」を追求してまいります。

 

「ゼロ次予防」とは

 人々が自然に健康になれる環境づくりを目指した取り組みです。運動や食事制限など、個人の努力や意識による健康行動が1次予防であることに対し、ゼロ次予防は、汚染の除去やインフラの整備など環境を整えることで、無意識下の健康的な行動を促し、病気になる前に予防することを目的としています。近年では、厚生労働省の国民健康づくり運動※¹でもゼロ次予防の観点が取り入れられました。積水ハウス総合住宅研究所の調査によると、住宅購入を検討している人のうち83.5%が住宅選びで「健康」の観点が重要であると回答しており、住環境においても健康の重要性が高いと言えます。

 

 

 

 

調査結果

「リビングの天井が高いと精神的健康状態が良い」※²

 これまで、実験施設や仮想空間で可能性は示されていたものの、実際の住宅環境において、天井の高さから受ける感覚と居住者の精神的健康との関係を調査した研究はほとんどなく、その影響は分かっていませんでした。本調査対象者は実際に自身が居住している住まいのリビングルームの天井高さや広さ、居住年数などについて回答し、精神的健康は、世界保健機関(WHO)の5つの幸福指数を用いて評価されました。分析の結果、リビングルームの天井高さや広さが精神的健康に有意な良い影響を与えることが示されました。特に平均身長(171cm)以上の男性において、天井の高いリビングルームを持つことで精神的健康に対するマイナスな影響を約10%低減できる可能性があります。

この研究結果は、高い天井の居住空間が精神的健康に貢献する可能性を示唆しており、住宅設計において天井の高さが重要な要素となり得ることを示しています。

 

* 本グラフは、論文上のTable 2・ Table 3の住環境要因のみを分かりやすくグラフ化したものです。

* 相対リスクが1以下であるとリスクが低い(=精神的健康状態が良くなる)可能性があることを示しています。

 

今後に向けて 総合住宅研究所

 今回の成果を通して、住まいの空間づくりがデザインや暮らしやすさとしての良さだけでなく、Well-beingにも繋がる可能性が示唆されました。積水ハウスは、大空間を実現する新たな構造技術や暮らし提案についての研究開発により、『Family Suite』や『KOKAGE LOUNGE』といった商品を発売してきました。本研究成果は、住まいづくりにおいて、こうした提案の意義を高めるものだと言えます。ただ住まいを提供するだけでなく、その空間が与える影響を明らかにしていくことも当社の使命だと考えます。今後も研究を重ねて、「住まい手が自然に健康になれるゼロ次予防住宅」の在り方を追究してまいります。

 

 

 

※¹ 厚生労働省 国民健康づくり運動:新世紀の道標となる健康施策

※² 調査対象:日本全国を対象にWEB アンケートにより行われ、3859 人(20〜69 歳)が参加

 

参考文献:Keiichi Shimatani, et al. , Relationship between living rooms with void spaces or partially high ceilings and psychological well-being: A cross-sectional study in Japan, Building and Environment, 2024

DOI:10.1016/j.buildenv.2024.111596

 

本研究成果は、千葉大学予防医学センターの嶋谷圭一特任助教、鈴木規道准教授らの研究グループが論文として執筆され、建築環境との人間の相互作用に関連する国際ジャーナルBuilding and Environmentに掲載(2024年4月30日)されました。

 

本プレスリリースは、当社が千葉大学との共同研究成果を基に発信するものであり、内容については当社が責任を負うものです。

 

【参考情報】

■積水ハウス 総合住宅研究所

 https://www.sekisuihouse.co.jp/company/rd/institute/

■2023年7月27日プレスリリース

千葉大学予防医学センターと積水ハウスが寄附研究部門設立

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2023/20230727_2/

■千葉大学予防医学センターHP

http://cpms.chiba-u.jp/

■健康で活動的なコミュニティを創出することを目的とした産学共同コンソーシアムWACo

https://opera.cpms.chiba-u.jp/

■家族の幸せな大空間「ファミリースイート」

https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/start/familysuite/

■大きな樹の下にいるような暮らし「KOKAGE LOUNGE」

https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/kokagelounge/

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