BIPROGY 大日本印刷と量子技術・AIを活用した物流業務効率化の本格的な研究を開始

NEDO「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」の本格研究フェーズへ

BIPROGY

2025年3月27日

BIPROGY株式会社

大日本印刷と量子技術・AIを活用した物流業務効率化の本格的な研究を開始 ~ NEDOの「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」の
初期仮説検証から本格研究フェーズへ ~

 

BIPROGYと大日本印刷株式会社(以下 DNP)は、2023年11月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下 NEDO)の「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に採択され、量子技術とAIを活用した物流業務効率化アプリケーション開発に向けた初期仮説検証に取り組んでいます。両社は、2025年1月に初期仮説検証の研究成果を NEDOに報告し、厳正な審査の結果、今回、ステージゲート審査を通過しました。これにより両社は、2025年4月1日から、本格研究フェーズでの研究・開発を進めていきます。

 

BIPROGYDNPの研究開発テーマ】
BIPROGYとDNPは、量子アニーリング(注1)と古典AI技術(注2)を組み合わせた「量子・古典ハイブリッド技術」で、「物流・交通分野における配送計画(BIPROGY担当)」と「倉庫内のピッキング計画(DNP担当)」の最適化などの課題解決に向けて、アプリケーションを開発しています。

 

研究開発の枠組み

 

両社の研究開発と成果は以下の通りです。


■BIPROGY
の初期仮説検証フェーズの成果と本格研究フェーズについて


1. 配送計画最適化アプリケーション
効率的な配送計画を決定するアプリケーションの初期仮説検証を実施しました。配送計画は、さまざまな制約条件に加えて、道路状況や運転手・荷物の事情などで頻繁に変更が発生する可能性が高く、緊急対応のために高速処理が求められます。
本アプリケーションは、輸送距離の短縮による燃料費やCO2排出量の削減と同時に、物流業界の課題となっている輸送能力不足の解消にも貢献していきます。また、量子技術の社会実装を見据え、倉庫管理システム(WMS)などの周辺物流システムとの連携に向けた機能拡張を進めていきます。

 

2. メタ解法を活用した汎用モジュール
従来の量子アニーリングを用いた組み合せ最適化問題の求解では、制約条件が多くなると計算速度と解析精度が落ちるため、ビジネスへの適用が困難になるという課題があります。
本研究開発では量子アニーリングを適用する前処理のために、古典技術である「メタ解法」での初期仮説検証を実施し、汎用的なモジュールでの基本機能を実装しました。最適解となりうる候補の集合である解空間の範囲を絞り込むことで計算速度と解精度の飛躍的向上を目指します。
本モジュールは、両社が開発する最適化アプリケーションに適用するとともに、他のプログラムでも汎用的に利用できるように構成し、量子技術の社会実装に貢献するため、オープンソースとして公開する予定です。

 

DNPの初期仮説検証フェーズの研究開発と成果と本格研究フェーズについて


DNPは、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組合せ最適化問題」を高速で処理する「DNPアニーリング・ソフトウェア」を用い、配送品のピッキングの作業状況・進捗に合わせてリアルタイムで作業者の作業順序や移動経路を最適化するアプリケーションを開発しました。開発したアプリケーションの評価は、DNPの工場でのピッキング作業のデータを利用し、デジタル上のシミュレーションや模擬環境を通じて効果を検証してきました。

 

従来は作業開始前に立案した計画に基づいて作業していましたが、作業状況に応じてリアルタイムに高速で計画を立案するアプリケーションの開発に成功しました。実証時の行ったシミュレーションの結果、従来手法と比較して全体の総移動距離を約29%削減、他人とのすれ違い回数を約44%削減しました。これにより、総作業時間を約6.4%短縮できました。

 

DNPは初期仮説検証の研究成果を活用し、自律走行搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot:AMR)などのロボットと作業者が協働して行うピッキング作業を最適化するアプリケーションを開発します。AMRの稼働の制御や作業順番等の管理の機能と、作業効率の改善度合いを事前に検証できるバーチャルシミュレーション機能の開発を想定しています。DNPは今後の本格研究で開発したアプリケーションを提供し、物流・倉庫業界の作業時間やロボットの移動距離の短縮などを目指します。

 

【今後の展開】

BIPROGYとDNPは、今回の事業で開発するアプリケーションの本格的なサービス展開を目指します。この取り組みによって、生産年齢人口の減少などによる物流・倉庫業界の輸送力不足や、CO2排出量の削減ニーズなど、社会課題の解決に向けた量子技術の社会実装に貢献していきます。

 

以 上

 

注1:量子アニーリング
量子力学を用いて開発された計算手法の一種で、組み合わせ最適化問題を解くことが主な目的

注2:古典AI技術
従来のスーパーコンピューターやサーバーなどを活用したAI技術

 

関連リンク:

BIPROGY 量子コンピューティング分野への取り組み
https://www.biprogy.com/solution/service/quantum.html

 

「量子・AIアプリケーション開発・実証」委託事業
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100350.html

 

DNPの研究開発テーマについて
https://www.dnp.co.jp/news/detail/20176524_1587.html

 

DNPアニーリング・ソフトウェア
https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/20169909_1567.html



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