【注意喚起】暑くなったら手遅れです! ~早めのエアコン試運転で事故と熱中症を防ぎましょう~

 日本はもとより世界中で、年平均気温が2023年、2024年と2年連続で観測史上最高を更新しました(※1)。気象庁の予報では、今年の夏(6月から8月)も平年より気温が高くなる見通しとなっています( 5月20日発表時点 )(※2)。特に夏に気を付けなければいけないのは命にも関わる熱中症です。熱中症対策のひとつとしてエアコンの有効活用があげられますが、エアコンでの製品事故が毎年発生しています。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、事故の未然防止や肝心な時にエアコンが使用できなくなることがないよう、早めのエアコン試運転をお勧めします。

 

 

 

 

 NITEに通知があった製品事故情報(※3)では、2020年度から2024年度までの5年間にエアコンの事故(※4)は363件ありました。原因として、設置状況の不備や説明書で禁止されている行為などによる「製品に起因しない」事故が多く発生しています。製品の説明書で禁止されている行為をしてしまっていないか、事故を誘発するような危ない使用環境になっていないか、不具合などの事故の予兆がないかなどを改めて確認することが大切です。

 なお、エアコンの点検・修理・工事依頼は夏場に集中します。早めにお持ちのエアコンが正常に動作することを確認し、不具合が見つかれば必要に応じた修理などを済ませておきましょう。エアコンを有効に活用することで熱中症のリスクを低減し、安全で快適な夏を迎えましょう。

 

 

 

【エアコン試運転前及び試運転時の確認ポイント】

○延長コード等を介さず、電源プラグは専用コンセントに差しているか。

○電源プラグや室内機のフィルターにほこりがたまっていないか。

○室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか、ドレンホースの排出口がふさがれていないか。

○冷房運転をして冷風が出るか、異常が生じないか。

 

 

(※) 本資料中の全ての画像は再現イメージであり、実際の事故とは関係ありません。

(※1)気象庁発表 気候変動監視レポート https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/index.html

(※2)気象庁発表  3か月予報 https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M

(※3)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。また、本資料では、調査の結果、外部からの延焼が原因であり明らかに製品事故ではないと最終判断された情報も含みます。

(※4)ルームエアコン(室外機も含む)。ただし、本資料では窓用エアコンは除きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事故の発生状況

 NITEが受け付けた製品事故情報のうち、2020年度から2024年度までの5年間に発生したエアコンの事故363件について、事故発生状況を以下に示します。

 

 

年度別の事故発生件数

 エアコンの事故363件について、年度別の事故発生件数を図1に示します。363件中337件が火災事故となっており、事故の9割以上を占めています。

 

 

 

 

 

月別の事故発生件数

 エアコンの事故363件について、月別の事故発生件数を図2に示します。 夏季や冬季に事故が多く発生しています。 これはエアコンの使用機会の増加に伴うものと考えられます。 特に、7月、8月といった気温が高くなる時期での事故が目立っています。

 

 

 

 

事故の被害状況

 エアコンの事故363件における被害状況別の事故件数を表1に示します。製品が壊れるだけでなく、死亡事故などの人的な被害も発生しています。

 

 

(※5)()は被害者数。物的被害(製品破損または拡大被害)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。また、人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしてい ない 。

(※6)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。

 

 

 

原因別の事故発生件数

 調査が完結した261件の事故について、原因別の事故発生件数を図3に示します。「製品に起因しない」事故が半数以上を占めています。特に、エアコン室外機の外部からの延焼又は延焼が疑われる(製品には発火痕跡がない)事故が、148件中93件と多くなっています。その他、配線の途中接続など製品の取扱説明書や据付説明書で禁止されている行為をしたことが原因として考えられる事故が発生しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

エアコン試運転前の確認ポイント

延長コード等を介さず、電源プラグは専用コンセントに差しているか

 エアコン専用に設置されているコンセントに電源プラグを差し込んでください。エアコンは大電流が流れる場合があるため、延長コードやテーブルタップなどを用いると異常発熱し、発煙・発火するおそれがあります。

 

 

 

 

 

電源プラグや室内機のフィルターにほこりがたまっていないか

 電源プラグは、コンセントとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてください。隙間がある状態で差したままにすると、隙間にほこりがたまって表面に水分が付着する等によってトラッキング現象(※7)が生じるおそれがあります。特に夏場は湿度が高くなるため注意が必要です。

 なお、掃除の際は、必ずコンセントから電源プラグを抜いて、“から拭き“でほこりを取り除いてください。

 

ほこり等の付着によりトラッキング現象が生じて発火

(トラッキング現象での発火イメージであり、画像はエアコンの電源プラグではありません)

 

(※7)付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象。

 

 また、室内機のフィルターにほこりがたまっていると、空気の通りが悪くなり機器の性能が落ちたり、カビが繁殖したりする要因となります。エアコンの効きが悪くなるだけでなく、電力を余分に使ってしまったり、過度な負荷がかかり劣化を促進させ故障を引き起こしたりするおそれもあります。試運転時だけではなく、小まめに掃除するようにしましょう。

 

 

 

 

室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか、 ドレンホースの排出口がふさがれていない

 室外機周辺の片付け、清掃もするようにしましょう。室外機の周囲に可燃物が置かれていると、可燃物が着火した際に室外機に燃え移り大きな火災に至るおそれがあります。他にも、 段ダンボールやごみなどを置いておくと、小動物や虫などのすみかとなり、製品内部に入り込み配線をかじったり、電源基板に接触したりすることによって短絡して発火するおそれもあります。可燃物を置かないように注意してください。

 

 

 

(※8)水が入ったペットボトルが凸レンズ(虫眼鏡等)のように作用して、太陽光が一点に集まり、可燃物が発火すること。

 

 また、ドレンホースの排出口がふさがれていると排水ができず、室内機からの水漏れを引き起こす原因となります。

 

 

 

エアコン試運転時の確認ポイント 

冷房運転をして冷風が出るか、異常が生じないか

 設定可能な最低温度に設定し、冷房運転で冷風が出るかどうかを10分間試運転して確認してください。

 さらに30分ほど運転して、以下のような異常がないか確認しましょう。

☑室内機から水漏れがないか。

☑室内機や室外機から異音・異臭 (焦げ臭いにおい) がないか。

☑エラー表示がないか、意図せず電源が落ちないか。

 もし異常が確認された場合には、販売店やメーカーに相談し、必要に応じて点検を受けてください。異常を放置したまま使用を続けてしまうと、事故につながるおそれがあります。

 

 

(参考)一般社団法人日本冷凍空調工業会及び一般財団法人家電製品協会「エアコンシーズン前点検パンフレット」

https://www.jraia.or.jp/file/A_air_conditioner_maintenance_01.pdf

https://www.aeha.or.jp/safety/pdf/air_conditioner_maintenance.pdf

 

 

 

今回の注意喚起動画はこちら

>> エアコン「9.試運転前の3つのチェックポイント」

 

 

 

NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)のご紹介  

 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。

 エアコンの事故の中には、リコールが開始された後に発生したものもあります。お持ちの製品がリコール対象になっていないか今一度ご確認ください。

 

 

 

 

 

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要

 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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