《シニアが働きがいのある会社1位は?》2025年版「働きがいのある会社」シニアランキング発表!

データが明かすシニア活躍企業の3つの共通点|ランキング1位DHL事例とともに解説

GPTW Japan

2025年9月25日

Great Place To Work® Institute Japan

(株式会社働きがいのある会社研究所)

「働きがいのある会社」に関する調査・分析を行うGreat Place To Work® Institute Japan(本社:東京都港区、代表取締役社長:荒川陽子、以下GPTW Japan)は、2025年版 日本における「働きがいのある会社」シニアランキング(以下、シニアランキング)を9月25日に発表しました。シニアランキングはシニア(管理職を除く55歳以上)の働きがいに優れた企業を選出したものです。

 

また、ランキング評価の基となっている従業員のアンケート結果を分析し、シニアが活躍する職場の3つの共通点を明らかにしました。さらに大企業部門で第1位に選ばれたDHL Express(DHLジャパン)に対し、3つの共通点をどのように取り組みとして実践しているか取材しました。

 

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【サマリ】

・「働きがい認定企業」(2023年7月~2024年9月調査実施)の中から、特にシニア(管理職を除く55歳以上)の働きがいに優れた企業を規模別に上位5社ずつ選出した。

・2025年版シニアランキング第1位は、DHL Express(大規模部門)、日本シノプシス(中規模部門)、シック・ジャパン(小規模部門)であった。

・シニア従業員の働きがいが高い組織には「人事処遇が公正である」「安心して働ける環境がある」「シニアだけでなく誰もが働きがいが高い」という3つの共通点があることが明らかとなった。

・これらを体現するDHLジャパンは、役職定年制度を設けず、年齢による制限なく継続的な学習機会を提供する「パスポート・トゥ・サクセス」や年齢記入不要の社内公募制度、内部昇格重視の人事制度、「DHL for ALL」というカルチャーを通じて全世代が活躍できる環境を構築。2025年版「働きがいのある会社」ランキング総合1位に引き続き、シニアランキング大規模部門1位を達成した。

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2025年版 日本における「働きがいのある会社」シニアランキング発表の背景

少子高齢化による人手不足などを背景に、定年延長や再雇用制度など、シニア従業員の活躍を後押しする環境整備は進みつつあります。健康であれば働き続けたいと思うシニア従業員にとって、長年培われた経験やスキルで引き続き企業や社会に貢献できることは素晴らしいことです。一方で、役職定年制度等、年齢を理由に一律適用される制度や年齢特有の事情への対応は企業ごとに差があり、シニア従業員の働きがいは職場によってばらつきが見られています。

 

実際にどのような企業がシニアから高く評価され、どのような取り組みが働きがい向上につながっているのでしょうか。今回、働きがい認定企業の中から特にシニア従業員の働きがいが高い企業を「働きがいのある会社」シニアランキングとして発表するとともに、従業員アンケート結果の分析によりシニアが活躍する職場の3つの共通点を明らかにしました。

 

調査期間:2023年7月~2024年9月(2025年版調査)

参加社数:657社

評価方法:GPTWでは、ランキング参加企業で働く従業員にアンケート調査を実施し、その結果が一定レベルを超えた会社を「働きがい認定企業」として発表しています。本ランキングは、「働きがい認定企業」(2023年7月~2024年9月調査実施)の中から、「シニア従業員(管理職を除く55歳以上)の回答結果」、「シニア従業員比率などの基本会社データ」の2つの評価観点において特に優れた企業を選出したものです。

 

2025年版 日本における「働きがいのある会社」 シニアランキング選出企業一覧

 

各部門(従業員規模別)の順位は以下の通りです。

※()内は前回(2024年版 シニアランキング)の順位

※詳細はこちら:https://hatarakigai.info/ranking/senior/2025.html

 

⼤規模部門(1,000人以上)

1位(―) DHL Express(運輸業,郵便業/東京都)

2位(1位) ディスコ(製造業/東京都)

3位(2位) SAPジャパン(情報通信業/東京都)

4位(3位) アッヴィ(製造業/東京都)

5位(4位) 電通総研(情報通信業/東京都)

 

中規模部⾨ (100-999人)

1位(―)日本シノプシス(情報通信業/東京都)

2位(1位)Cadence(情報通信業/神奈川県)

3位(―)ワークデイ(情報通信業/東京都)

4位(―)ユニオンシステム(情報通信業/大阪府)

5位(5位)プロロジス (不動産業,物品賃貸業/東京都)

 

⼩規模部⾨ (25-99人)

1位(―)シック・ジャパン(卸売業,小売業/東京都)

2位(―)いわい(小売/茨城県)

3位(3位)永田屋(生活関連サービス業,娯楽業/神奈川県)

4位(―)オーツー・パートナーズ(学術研究,専門・技術サービス業/東京都)

5位(―)ルンドベック・ジャパン(卸売業,小売業/東京都)

 

 

各規模 1位企業の評価ポイントご紹介

 

DHL Express(大規模部門1位)

一貫したピープルファーストの戦略を掲げ、様々な施策を通じて連帯感の高い風土や働きやすい環境が整えられています。また、シニア層においては特に「誇り」が高く、事業が世の中へ貢献できていることを感じられています。

 

日本シノプシス(中規模部門1位)

教育の機会や働き方などを中心に、DE&Iに対する取り組みが充実しています。また、属性によらない公正さが組織に浸透しており、シニア従業員が安心して働ける環境が整えられています。

 

シック・ジャパン(小規模部門1位)

ビジネスの秘訣は人にあるという信念のもと、バリューの1つに”People First”を掲げています。社員同士が感謝や賞賛の言葉を送り合う文化が浸透しており、シニア層においても「連帯感」が特に高く評価されています。

 

データが明かすシニア活躍企業の3つの共通点

 

2025年版「働きがいのある会社」ランキングに選出された企業を、シニア従業員(55歳以上の一般従業員)の働きがいが高い群(シニア上位群)と低い群(シニア下位群)に分類し、従業員アンケート結果の分析を行いました。

 

特徴1)人事処遇が公正である

シニア上位群とシニア下位群の比較をしたところ、働きがいを測る設問の肯定回答率において、両群のギャップの大きい設問は以下の5つとなりました。

 

“適切な人材配置”、“昇進”や“報酬”に対する納得感等、人事処遇の公平性にギャップがみられました。シニア従業員に対して役職定年制度や再雇用制度等、一律の制度により役職や処遇が下がる企業では不満を抱きやすい状況が考えられます。またベテランであるが故に部署や職種に長年変化のないキャリアが続く場合、モチベーション維持が難しくなっている可能性も考えられるでしょう。シニア上位群では、こうした人事処遇面において公平感のある制度、運用がされていることが考えられます。

 

特徴2)安心して働ける環境がある

続いて、“経営・管理者層の言行一致”や“安心して働ける環境”の肯定回答率についても差がみられました。シニア従業員ともなれば一般的には会社のカルチャーや仕事には十分馴染むことができており、心理的安全性は他の年齢層よりも高いイメージがありますが、一方で社内の変化への対応や新しい技術の取得については、不安を感じやすいことがあるかもしれません。

 

シニア上位群では、マネジメントの普段の言行が一致していることで組織への信頼感があり、精神的にも安心感を持って働ける環境があることが強みになっています。

 

 

 

特徴3)シニアだけでなく、誰もが働きがいが高い

シニア従業員の働きがいが高い職場では、もしかすると人事制度やカルチャーとしてシニア従業員が優遇されており、若手従業員の活躍の場が限定的であるという見方があるかもしれません。

 

そこで、シニア上位群におけるシニア従業員と若手従業員の働きがいを示す“全設問平均”についても確認をしたところ、両者とも80%を超える高い状態であることが分かりました。年齢などの属性によって働きがいの差が小さく、組織の誰もが働きがいが高いことが示唆されているといえるでしょう。

 

一方で、シニア下位群では、少なくともシニアと若手従業員に11pt差(有意差あり)と大きな乖離が見られました。

 

シニアランキング第1位 DHLジャパンの取り組み ~データ分析で見えた3つの共通点を体現する実践事例~

 

ランキング上位企業の取り組みに目を向けると、こうした共通点が生み出される背景がうかがえます。

具体的にどのような仕組みや工夫があるのでしょうか。実際に、2025年版シニアランキング大規模部門で1位を獲得したDHL Expressの日本法人であるDHLジャパン株式会社の代表取締役社長 トニー カーン様にお話を伺いました。

 

取材で伺ったところ、DHLジャパンは「人への投資こそが最大の成果を生む」という信念のもと、年齢に関わらず誰もが安心してキャリアを築ける環境を整えてこられたそうです。リーマンショック後の苦境に立たされていた時期もその信念は揺らぐことなく積極的な人材への投資を行い、その結果、2010年からわずか2年で、多額の赤字を抱える状況から黒字へとV字回復。大きなM&Aやリストラを行ったわけではなく、人材に焦点を当てた「“People First” strategy(ピープルファーストストラテジー)」が成功の原動力となりました。

 

DHLジャパンがシニア従業員を大切にする理由

 

トニー カーン社長によると、同社がシニア従業員を大切にする理由は明快だといいます。「健康で意欲があれば、その長年の経験は次世代にとってかけがえのない財産になる」との考えから、年齢による制限は原則設けていません。これは、データ分析で明らかになった特徴1『人事処遇の公正さ』を体現する取り組みといえるでしょう。むしろ「経験を伝えることが会社と社会への貢献につながる」という価値観が共有されており、65歳を超えても活躍を続ける社員も存在します。こうした姿勢が「この会社でなら安心して年齢を重ねられる」という信頼感につながっています。

 

同社では、シニア従業員の活躍を後押しする具体策も整備されています。その代表が「CIS(※)パスポート」です。これは全社員が携帯するパスポート風の冊子で、CISと呼ばれる一連の社員トレーニングの進捗などを記録しています。この社員トレーニングを通じ、業務スキルだけでなくリスペクトやカルチャーといったDHLの価値観を学び続けます。業績に関わらず、いつ何時もトレーニングは決して止めない。そんな方針が徹底されており、継続的な学習機会を通じて変化への対応や新しい技術の習得をサポートしています。これはデータ分析で見えた特徴2『安心して働ける環境』を具現化した取り組みといえるでしょう。

 

また、同社の大きな特徴として、社内のオープンポジションへの社内公募制度(ポスティング制度)があります。応募に年齢の記入は不要で、評価は能力と意欲のみ。55歳を超えて営業から通関部などに転身するケースも珍しくなく、60歳を過ぎてから新たな部署で活躍する社員もいます。「年齢ではなくチャレンジ意欲で道が拓ける」ことを体現する仕組みです。

 

さらに、マネジャーはほぼ100%が内部昇格。しかも役員の多くが現場出身で、クーリエ(集配を担当するドライバー)から経営層へと上り詰めた社員も少なくありません。外部からの登用がないからこそ「努力すれば自分も必ず上に行ける」という納得感が広がり、シニア従業員にとっても若手にとってもモチベーションにつながっています。

※CISとはCertified International Specialistの略

 

DHL For ALLというカルチャー

 

こうした取り組みを支えているのが「DHL for ALL」というカルチャーです。性別や世代を分けるのではなく、「全員にチャンスがある」ことを徹底する文化で、これがデータ分析で明らかになった特徴3『全世代の働きがい向上』を実現しています。実際、同社は2025年版「働きがいのある会社」ランキング(全従業員対象)でも1位を獲得しており、シニアランキング1位という結果も、特定世代への優遇策ではなく全世代が働きがいを感じられる組織づくりの成果といえるでしょう。長年働き続けた社員は永年勤続表彰で称えられ、その姿は若手従業員にとって「自分も将来こうなりたい」という将来像となります。

 

DHLジャパンのトニー カーン社長は、「Great Place To Work®のシニアランキングで表彰されたことは、シニア従業員にとって誇りであると同時に、若手従業員にとっても大きな喜びです。」と語りました。

 

ベテランの活躍と充実した姿を目にすることで、若手は「この会社なら年齢に関わらず挑戦できる」と確信し、自らのキャリアにもより意欲的に向き合えるのかもしれません。世代を超えて互いを励まし合う、その好循環こそが、DHLジャパンの強さの源泉なのです。

 

Great Place To Work® Institute Japan シニアコンサルタント 今野 敦子 総括コメント

 

シニア従業員の働きがいが高い職場では、若手の働きがいも高いことがデータでも確認できました。しかしそのためには、誰にでも公平に学ぶ機会が与えられ、意欲があれば多様なキャリアが歩める環境を経営として整備していく必要があります。また日々の業務の中でお互いが敬意を持って関わり合い、安心して信頼し合えるようなカルチャーの醸成も大切でしょう。本レポートが、シニア活躍のための一助になれば光栄です。

 

調査・分析概要

 

調査概要

・調査対象:2025年版「働きがいのある会社」調査(2023年7月~2024年9月調査実施)に参加した企業で働く従業員

・調査方法:無記名アンケート調査(選択式60問、自由記述2問、属性8問)

 

分析内容

Great Place To Work®では、60の選択式設問に対する従業員の肯定回答率を基に、企業の働きがいを測っています。本レポートでは、2025年版「働きがいのある会社」ランキングベスト100の中からシニア従業員(55歳以上の一般従業員)の総合的な働きがい(全60設問平均)が高い上位20社をシニア上位群、低い20社をシニア下位群として比較分析を実施。さらに、2025年版シニアランキング大規模部門1位のDHLジャパンに対する独自取材を通じて、データ分析結果を裏付ける具体的な取り組み事例を調査しました。

 

Great Place To Work® Instituteについて

Great Place To Work® Institute は、約170ヶ国で年間21,000社以上の働きがい(エンゲージメント)を調査し、一定水準に達した企業を「働きがいのある会社」認定・ランキングとして各国の有力メディアで発表している世界的な調査機関です。30年間のデータに裏付けされた方法論を用いて評価を行う認定・ランキング制度は、企業における採用ブランディングやIR・人的資本開示の目的で広く活用されています。日本においては、株式会社働きがいのある会社研究所がGreat Place To Work® Institute よりライセンスを受け、Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)を運営しています。

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

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2025年版シニアランキング一覧

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