東北エプソン、インクジェットプリンター用ヘッド製造の新棟を竣工
将来的にヘッド生産能力を4倍程度まで増強可能に
セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、インクジェットプリンター用ヘッド(以下 プリントヘッド)の生産能力増強のため、グループ会社である東北エプソン株式会社(以下 東北エプソン)に約51億円を投資し、2024年6月から建設していた新棟(6号棟)が竣工したことをお知らせします。
新棟の竣工により、東北エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を、将来的に現在の4倍程度に拡大する見込みです。
東北エプソン 新棟(6号棟)
エプソンのプリンティングソリューションズ事業では、エプソン独創のインクジェット技術である「マイクロピエゾ技術」を活用し、オフィス・ホーム、商業・産業の幅広い分野のお客さまに製品・サービスを提供しています。オフィス・ホーム向けインクジェットプリンターでは、新興国市場での大容量インクタンク搭載インクジェットプリンターへの需要継続、オフィス向け高速機の伸長から、今後も全世界でインクジェットプリンターの需要増加は継続する見通しです。
また、商業・産業向けインクジェットプリンターは、アナログ印刷からデジタル印刷へのシフトに伴い、デジタル捺染など紙以外の分野での需要が高まっています。さらに、商業・産業向けインクジェットプリンターの多くは、「マイクロTFPプリントチップ」を用途に合わせて柔軟に組み合わせた「PrecisionCore(プレシジョンコア)マイクロTFPプリントヘッド*」(以下 PrecisionCoreプリントヘッド)を搭載しています。
エプソンでは、商業・産業向けプリンターや高速ラインヘッド搭載のインクジェット複合機など、今後さらにPrecisionCoreプリントヘッドの搭載増加を見込んでいます。
また、ヘッド外販ビジネスの強化により、環境負荷を低減するデジタルプリンティングの世界を広げ、インクジェットによるイノベーションを加速させています。拡大する多様な印刷用途や、新たなニーズが生まれているエレクトロニクス分野やバイオ分野での活用など、オープンイノベーションにより、新たな発想や技術をもつ外部パートナーと協力することで、その可能性は広がっていきます。
東北エプソンでは、1995年にプリントヘッド(CHIPSヘッド)の生産を開始、2013年6月にはPrecisionCoreプリントヘッドの生産ラインを構築、量産を開始しました。エプソンのロボットを駆使した自動組立ラインとし、プリントヘッドの生産技術ノウハウの蓄積を図るとともに、生産技術を盤石なものとして、国内生産拠点としての競争優位性を向上させてきました。
このたび竣工した新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)における「マイクロTFPプリントチップ」前工程の増産投資に対応するべく、2023年12月竣工の秋田エプソン(秋田県湯沢市)10号棟に続き国内における後工程の生産能力を拡大させるものです。
東北圏2拠点において、安定生産を実現するため機種別生産割り付けを行い、BCP対応として主流機種の両拠点での生産やライン共用による生産変動に柔軟に対応することで、生産性向上を図ります。これにより、今後のPrecisionCoreプリントヘッド搭載インクジェットプリンターの需要増加による製品ラインアップ強化などを可能にしていきます。
また、新棟は既存のプリントヘッド生産工場棟に併設して建てられ、部品から組立までをより効率的にできるようにしました。加えて、新規設計の工程による省人化・省スペース化を図り、工程内在庫の最小化や自動運搬ロボットの導入、効率的レイアウトなどにより、作業者の負荷を低減します。また効率的な成層空調システムを導入し、省エネルギーと省コストを図りました。そして、これからの製造業における課題に対応し、夜勤業務の省人化など働きやすさと合理化による高効率生産を両立する未来工場を実現します。
東北エプソンは、地域に根差した企業市民として地域社会の発展と調和に貢献する工場を目指します。
*PrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッド:インクを吐出するノズルのひとつひとつを異なる制御で、数ピコリットル(1ピコリットル=1兆分の1リットル)という微細なインク滴を1 秒間に5 万発噴射できるインクジェットプリンターの画質と速度を決定する非常に重要な基幹部品
■マイクロピエゾ技術およびPrecisionCore の詳細は、エプソンの技術ウェブサイトをご参照ください。
マイクロピエゾ技術
corporate.epson/ja/technology/overview/printer-inkjet/micro-piezo.html
PrecisionCore
corporate.epson/ja/technology/overview/printer-inkjet/precision-core.html
■東北エプソン 新棟(6号棟)の概要
所 在 地 | 山形県酒田市十里塚字村東山166-3 |
事業内容 | インクジェットプリンター用ヘッドの製造および組立 (オフィス・ホーム、商業・産業向けプリンターなど) |
建築面積 | 5,500㎡(鉄骨造2階建て) |
延床面積 | 11,191㎡ |
稼 働 | 2026年5月 |
プリントヘッド生産の流れ
プリントヘッド生産の流れ
■東北エプソン 会社概要 (2025年4月1日現在)
会社名 | 東北エプソン株式会社 |
設立 | 1985年1月18日 |
所在地 | 山形県酒田市十里塚字村東山166-3 |
代表者 | 代表取締役社長 齋藤 学 |
資本金 | 1億円 (セイコーエプソン株式会社100%出資) |
従業員数 | 2,254名 |
事業内容 | ・半導体(C-MOS・LSI) ・インクジェットプリンター用ヘッド ・産業用プリンター・プロダクツ ・産業用ロボットの部品製造 |
敷地面積 | 540,000 ㎡ |
詳細はこちら
https://corporate.epson/ja/about/network/domestic/tohokuepson/
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このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 セイコーエプソン株式会社
- 所在地 長野県
- 業種 精密機器
- URL https://corporate.epson/ja/
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