「要介護認定後の暮らし」と「民間介護保険に対する意識」に関する実態調査
2013年8月15日
朝日生命保険相互会社
「要介護認定後の暮らし」と「民間介護保険に対する意識」に関する実態調査
- 「介護サービス利用者」と「介護サービス提供者」の意識・認識 -
朝日生命保険相互会社(社長:佐藤美樹)は、「介護サービス利用者(以下、利用者)」と「介護サービス提供者(以下、提供者)」を対象に、「要介護認定後の暮らし」と「民間介護保険に対する意識」について、アンケート調査を実施しました。この調査の結果、次のようなことが明らかになりました。
調査結果の概要 1.【要介護認定後の暮らし】
①要介護認定前後の余暇の過ごし方の変化 〈調査対象者:利用者〉
(「要介護認定後の暮らし」に関する調査 ①要介護認定前後の余暇の過ごし方の変化)
⇒ 要介護認定後は、「遠方での活動(旅行・登山・釣り等)」が20.1ポイントの減少。
②要介護認定前後のお金の使途の変化 〈調査対象者:利用者〉
(「要介護認定後の暮らし」に関する調査 ②要介護認定前後のお金の使途の変化)
⇒ 要介護認定後は、介護関連費を除いて「医療費」が7.8ポイントの増加。
③介護に関して金銭的負担が大きいと感じていること 〈調査対象者:利用者〉
(「要介護認定後の暮らし」に関する調査 ③介護に関して金銭的負担が大きいと感じていること)
⇒ 「公的介護保険の自己負担額」が第1位で35.8%。
④公的介護保険で利用できると誤解していたこと 〈調査対象者:利用者・提供者〉
(「要介護認定後の暮らし」に関する調査 ④公的介護保険で利用できると誤解していたこと)
⇒ 利用者回答は、「わからない」が第1位で43.6%。
⇒ 提供者回答は、「ホームヘルパーが利用者以外の家事代行をすること」が第1位で54.0%。
⑤公的介護保険適用外で利用しているサービス 〈調査対象者:利用者・提供者〉
(「要介護認定後の暮らし」に関する調査 ⑤公的介護保険適用外で利用しているサービス)
⇒ 利用者回答は、「わからない」が第1位で56.3%。
⇒ 提供者回答は、「宅配サービス(食事・介護用品等)」が第1位で73.6%。
調査結果の概要 2.【民間介護保険に対する意識】
①「民間介護保険(特約)」に関する認知度 〈調査対象者:利用者・提供者〉
(「民間介護保険に対する意識」に関する調査 ①「民間介護保険(特約)」に関する認知度)
⇒ 「知っている」と回答した利用者は27.9%、提供者は64.7%。
②「民間介護保険(特約)」加入のきっかけ 〈調査対象者:利用者〉
(「民間介護保険に対する意識」に関する調査 ②「民間介護保険(特約)」加入のきっかけ)
⇒ 「自身の介護が必要になることへの不安から」が第1位で56.1%。
③「民間介護保険(特約)」加入者の満足度 〈調査対象者:利用者〉
(「民間介護保険に対する意識」に関する調査 ③「民間介護保険(特約)」加入者の満足度)
⇒ 「加入しておいてとても良かった」、「加入しておいて良かった」の合計で81.7%。
④「民間介護保険(特約)」に期待する保障内容 〈調査対象者:利用者・提供者〉
(「民間介護保険に対する意識」に関する調査 ④「民間介護保険(特約)」に期待する保障内容)
⇒ 利用者回答は、「公的介護保険の自己負担分をまかなう」が第1位で42.0%。
⇒ 提供者回答は、「公的介護保険の自己負担分に加え、上乗せサービスの費用もまかなう」が第1位で63.8%。
⑤「民間介護保険(特約)」の加入・紹介に際し、魅力を感じる付帯サービス 〈調査対象者:利用者・提供者〉
(「民間介護保険に対する意識」に関する調査 ⑤「民間介護保険(特約)」の加入・紹介に際し、魅力を感じる付帯サービス)
⇒ 利用者回答は、「宅配サービス(食事・介護用品等)」が第1位で36.9%。
⇒ 提供者回答は、「見守りサービス(安否確認・緊急通報)」が第1位で32.4%
◆調査実施の背景・目的◆
超高齢社会である我が国では、65歳以上の高齢者の総人口に占める割合は24.1%※1で、3,000万人を超過しました。また、要介護(要支援)認定者数も増加し、直近の実績では557.4万人※2となっています。今後、益々介護を必要とされる方が増えることも予想されており、介護への備えは非常に重要になると思われます。
このような状況を踏まえ、現在、介護サービスを利用されている方と介護サービスを提供している方(ケアマネジャー)を対象に、要介護認定前後での生活の変化や、介護への備えとしての民間介護保険に対する意識を調査しました。
※1.出典:総務省統計局 「人口推計(平成24年10月1日)」
※2.出典:厚生労働省 「介護保険事業状況報告(暫定版)」 平成25年2月
◆アンケート調査の概要◆
1.調査主体 : 朝日生命保険相互会社
2.調査方法 : 株式会社インターネットインフィニティーが運営するケアマネジャー業務支援サイト 「ケアマネジメント・オンライン」を用いたWebアンケートならびにマクロミルを用いたWeb調査
3.調査期間 : 2013年3月~6月
4.調査対象者 : 以下に分類する全国の28歳~73歳男女
調査対象総数1,043名
大分類:介護サービス利用者512名
中分類:介護サービス利用者(要介護認定者本人※306名/要介護認定者の家族206名)
小分類:要介護認定者本人(一人暮らし独居世帯103名/高齢者夫婦のみ世帯100名/子供と同居の二世帯103名)、要介護認定者の家族(一緒に暮らす同居家族103名/近くで暮らす近居家族103名)
介護サービス提供者(ケアマネジャー)531名
※スクリーニング調査によって、回答能力を有する方のみを調査対象としている。
5.要介護度 : 「介護サービス利用者」の要介護度は以下の分類
要介護度/人数/占率
要支援1/109名/21.3%
要支援2/107名/20.9%
要介護1/63名/12.3%
要介護2/75名/14.6%
要介護3/71名/13.9%
要介護4/30名/5.9%
要介護5/57名/11.1%
全体/512名/100.0%
【「要介護認定後の暮らし」に関する調査】
※選択肢・割合・図表など、詳細はリリース全文を参照ください。
①要介護認定前後の余暇の過ごし方の変化
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 ≪複数回答≫ (%)
要介護者が要介護認定前後に、どのように余暇を過ごしていたかを利用者に伺ったところ、以下の結果となりました。
【利用者回答 認定前後差上位4項目】
第1位 「遠方での活動(旅行・登山・釣り等)」(34.4%→14.3%)が20.1ポイントの減少。
第2位 「知人・友人との交流」(38.3%→20.7%)が17.6ポイント減少。
第3位 「自宅や近所での趣味・活動(ペットの世話・ガーデニング等)」(63.7%→48.0%)が15.7ポイントの減少。
第4位 「家族との団らん」(40.2%→30.3%)が9.9ポイントの減少。
「遠方での活動(旅行・登山・釣り等)」はもとより、第2位以降の人とのコミュニケーションや、近所や自宅でできる活動に関する項目についても、大きく減少していることが見て取れます。人とのコミュニケーションや活動の制約の減少を原因として「閉じこもり症候群※」にも発展するリスクもあるので、注意が必要です。
※「閉じこもり症候群」とは、生活の活動空間がほぼ家の中のみへと狭小化することで活動性が低下し、その結果、心身機能の低下を発生させ、さらに心身両面の活動力を失っていく結果、寝たきりに進行するという考え方。
<出典:厚生労働省「介護予防マニュアル」 平成24年3月>
②要介護認定前後のお金の使途の変化
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 ≪複数回答≫ (%)
要介護者が要介護認定前後に、どのようなことにお金を使っていたかを利用者に伺いました(除く生活費)。前項の調査結果のとおり、要介護認定後は生活スタイル(余暇の過ごし方)が変わることもあり、趣味や交際費に関する支出が減少していることが分かりました。
一方で、介護関連費を除いて、要介護認定後に支出が増加した項目は、「医療費」(33.4%⇒41.2%)のみとなりました。介護が必要となった主な原因については、長期に渡って治療が必要な疾病・症状もあり(図表①)、医療費の経済的負担も増加することが分かりました。
③介護に関して金銭的負担が大きいと感じていること
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 ≪複数回答≫ (%)
要介護者が介護に関して金銭的負担が大きいと感じていることについて、利用者に伺ったところ、以下の結果となりました。
【利用者回答上位2項目】
第1位 「公的介護保険の自己負担額」(35.8%)
第2位 「通院や外出時の交通費」(34.4%)
公的介護保険のサービスを利用する場合の自己負担額は、要介護度によって異なります(図表②)。費用については、本来かかる金額の1割負担であるものの、利用者の3割以上の方が、金銭的負担が大きいと感じていることが分かりました。
④公的介護保険で利用できると誤解していたこと
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 「介護サービス提供者」 n=531 ≪複数回答≫ (%)
要介護者とそのご家族が公的介護保険で利用できると誤解されていたことについて、利用者と提供者に伺いました。利用者の回答で最も多かったのは、「わからない」(43.6%)となりました。これは、突然の介護に対しての事前準備(公的介護保険に関する知識等)や理解が十分でないことが主因と思われます。
【利用者回答 上位2項目】
第1位 「わからない」(43.6%)
第2位 「施設入所後の費用(食事代・光熱費等)」(36.1%)
一方で、提供者の回答は、上位をホームヘルパーの業務範囲に関する誤解で占められています。公的介護保険が適用されるホームヘルパーの業務範囲(図表③)については、要介護者本人の在宅生活支援(身体介護・生活援助)に限定されています。適用範囲外の業務を依頼する場合は、全額自己負担となるため、各種サービスの利用に関しては、ケアマネジャーへの事前確認が重要と思われます。
【提供者回答 上位2項目】
第1位 「ホームヘルパーが利用者以外の家事代行をすること」(54.0%)
(事例:要介護者本人の食事調理の際に、ついでにご家族の食事の調理をすること)
第2位 「ホームヘルパーの医療に関する行為(医師とのやりとり等)」(51.8%)
なお、利用者と提供者の回答の合計が最も多い項目は、「施設入所後の費用(食事代・光熱費等)」となりました(利用者回答「わからない」を除く)。
⑤公的介護保険適用外で利用しているサービス
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 「介護サービス提供者」 n=531 ≪複数回答≫ (%)
要介護者が公的介護保険適用外でよく利用している介護関連サービスについて、利用者と提供者に伺いました。利用者は5割を超える方が「わからない」と回答しており、利用中のサービスと、公的介護保険の関係を十分に把握されていない可能性があります。
【利用者回答 上位2項目】
第1位 「わからない」(56.3%)
第2位 「宅配サービス(食事・介護用品等)」(19.3%)
一方で、提供者の回答は以下の結果となりました。「宅配サービス(食事・介護用品等)」が第1位となりましたが、利用者回答でも「わからない」を除けば回答率第1位の項目であり、ニーズの高いサービスであることが見て取れます。
【提供者回答 上位2項目】
第1位 「宅配サービス(食事・介護用品等)」(73.6%)
第2位 「自治体による助成(オムツの提供・住宅改修等)」(61.2%)
なお、利用者と提供者の回答の合計が最も多い項目は、「宅配サービス(食事・介護用品等)」となりました(利用者回答「わからない」を除く)。
【「民間介護保険に対する意識」に関する調査】
※選択肢・割合・図表など、詳細はリリース全文を参照ください。
①「民間介護保険(特約)」に関する認知度
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 「介護サービス提供者」 n=531 ≪単一回答≫ (%)
「民間介護保険(特約)」を知っているかどうかについて、利用者と提供者に伺いました。利用者の認知度は27.9%、提供者の認知度は64.7%という結果になりました。日々介護に関わる方(提供者)であっても認知度は余り高くないことが分かりました。
また、生命保険文化センターの調査によると、「民間介護保険(特約)」の加入率は14.2%であり、他の第3分野商品と比べて極めて低い状況(図表④)となっています。一方で、平成22年度の税制改正による「介護医療保険料控除」の創設等、国民の自助努力による私的保障の役割が益々重要視されており、「民間介護保険(特約)」は、今後、加入率の向上が見込まれる商品となっています。
②「民間介護保険(特約)」加入のきっかけ
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=82 ≪単一回答≫ (%)
利用者の中で「民間介護保険(特約)」へ加入している方へ、加入のきっかけについて伺ったところ、以下の結果となりました。
【利用者回答 上位2項目】
第1位 「自身の介護が必要になることへの不安から」(56.1%)
第2位 「家族や親族の介護を経験したから」・「保険会社の人に勧められたから」(13.4%)
生命保険文化センターの調査によると、自分の介護に関して不安を感じている方は約9割※にのぼります。また、不安の内容については、「公的介護保険だけでは不十分」、「家族の肉体的・精神的負担」等が挙げられ、いつまで続くかわからない介護への不安を感じていることが分かります(図表⑤)。
※出典:生命保険文化センター 「生活保障に関する調査」 平成22年
③「民間介護保険(特約)」加入者の満足度
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=82 ≪単一回答≫ (%)
利用者の中で「民間介護保険(特約)」へ加入している方へ、加入している保険商品の満足度について伺いました。「加入しておいてとても良かった」(47.6%)、「加入しておいて良かった」(34.1%)となり、合計で81.7%の方が加入内容に満足していることが分かりました。
④「民間介護保険(特約)」に期待する保障内容
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 「介護サービス提供者」 n=531 ≪複数回答≫ (%)
民間介護保険に期待する保障内容について、利用者と提供者に伺いました。利用者が最も期待している保障内容は、以下の結果となりました。
【利用者回答 上位2項目】
第1位 「公的介護保険の自己負担分をまかなう」(42.0%)
第2位 「公的介護保険の自己負担分に加え、上乗せサービスの費用もまかなう」(33.2%)
一方で、提供者が最も期待している保障内容は、以下の結果となり、上位2項目については利用者の回答順位と逆になりました。介護関連サービスの内容ならびに費用に詳しい提供者は、上乗せサービスの活用を通じた金銭的負担に対しても、民間介護保険(特約)のサポートに期待をしていることが分かりました。
【提供者回答 上位2項目】
第1位 「公的介護保険の自己負担分に加え、上乗せサービスの費用もまかなう」(63.8%)
第2位 「公的介護保険の自己負担分をまかなう」(40.3%)
なお、利用者と提供者の回答の合計が最も多い項目は、「公的介護保険の自己負担分に加え、上乗せサービス費用もまかなう」となりました。
※「上乗せサービス」
要介護度毎に設定された支給限度額(自己負担額)を超過して介護サービスを利用したい場合には、利用料金の全額を自己負担することでサービスの受給が可能となります。このように、全額自己負担によるサービスの利用を「上乗せサービス」と言います。
<出典:厚生労働省 「介護サービス関係Q&A集」 平成22年>
⑤「民間介護保険(特約)」の加入・紹介に際し、魅力を感じる付帯サービス
調査対象者:「介護サービス利用者」 n=512 「介護サービス提供者」 n=531 ≪複数回答≫ (%)
民間介護保険(特約)の加入・紹介に際し、魅力を感じる付帯サービスについて、利用者と提供者に伺いました。利用者が最も魅力を感じる付帯サービスは、以下の結果となりました。
【利用者回答 上位2項目】
第1位 「宅配サービス(食事・介護用品等)」(36.9%)
第2位 「見守りサービス(安否確認・緊急通報等)」(16.2%)
一方で、提供者が最も魅力を感じる付帯サービスは、「見守りサービス(安否確認・緊急通報等)」(32.4%)となり、上位2項目については、利用者の回答順位と逆の結果になりました。
【提供者回答 上位2項目】
第1位 「見守りサービス(安否確認・緊急通報等)」(32.4%)
第2位 「宅配サービス(食事・介護用品等)」(26.7%)
なお、利用者と提供者の回答の合計が最も多い項目は、「宅配サービス(食事・介護用品等)」となりました。
※選択肢・割合・図表など、詳細はリリース全文を参照ください。
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- 名称 朝日生命保険相互会社
- 所在地 東京都
- 業種 保険業
- URL http://www.asahi-life.co.jp/
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