世界一賃料が高いオフィス街はロンドン、東京は5位 -世界のオフィス市場レポート-
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは本日、2013年の世界のオフィス市場の賃料動向に関する年次調査レポートを公表しました。ロンドンは2年連続で、世界で最も賃料が高いオフィス街、東京は5位でした。世界のオフィス賃料は、昨年、全体で前年比3%上昇しました。
2014年2月18日
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
世界一賃料が高いオフィス街はロンドン、東京は5位 -世界のオフィス市場レポート-
●ロンドンは2年連続で、世界で最も賃料が高いオフィス街
●前年に引き続き香港が2位、東京は5位
●昨年の世界のオフィス賃料は、全体で前年比3%上昇
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(米国・ニューヨーク)は本日、2013年の世界のオフィス市場の賃料動向に関する年次調査レポート「OFFICE SPACE ACROSS THE WORLD 2014」を公表しました。
このレポートによると、ロンドンのウエスト・エンド地区が2年連続で「世界一賃料が高いオフィス市場」となりました。同地区では、旺盛な需要とハイグレードな新規床供給の不足で2013年に前年比5%オフィス賃料が上昇しました(注)。第2位にランクされた香港の中心業務地区(CBD)における賃料は前年比ほぼ横ばいだったため その差は広がりました。
2013年の世界全体の一等地のオフィス賃料は前年比3%上昇しました。米州地域・アジア太平洋地域・ヨーロッパ中東アフリカ地域のいずれも年間の賃料上昇は比較的緩やかでした。しかし、その中でもアフリカや中東など10%程度の力強い上昇を示す国もありました。
モスクワのCBDはオフィス需要が堅調だったため前年の6位から3位に躍進する一方、北京、東京、ニューデリーなどアジアの都市の賃料は総じて横ばいでした。しかしニューデリーは為替の影響で4位から8位に順位を落としました。
(注)賃料上昇率は現地通貨ベースでの一等地のオフィス賃料の2013年12月末時点と前年12月末時点との対比。以下同じ。
■地域別概況■
◆米州地域
米州(南北アメリカ大陸)地域全体の一昨年の賃料上昇は2桁成長でしたが昨年は約1 %にとどまりました。アルゼンチンとブラジルの主要市場が停滞し、南米の賃貸動向が緩慢だったことが要因です。今年は北米が着実に安定化する一方、南米では多くの地域で不確実性が高まる可能性があります。昨年の米国は、経済が予想以上に早く回復し賃貸需要は改善しました。年間を通して企業の景況感は好転し、力強いリーシング活動が見られました。しかし、米国内での賃貸動向には濃淡があり、ニューヨーク・ダウンタウン とボストンが他の地域を凌駕しました。2014年の米国の見通しとしてはリーシング活動が拡大し、米州地域全体の成長をけん引するでしょう。
◆アジア太平洋地域
アジア太平洋地域の昨年の賃料上昇率は2 %にとどまり概ね横ばいでした。経済状況は、上半期は脆弱でしたが年が進むにつれて中国と日本の中核市場で成長が進みました。この地域は世界規模での「賃料水準の高いオフィス市場」という観点では存在感を示しています。香港は世界第2位の座を維持し、北京は4位、東京は前年同様5位でした。2014年はこの地域の景気減速が反転し、多くの都市でテナント需要が拡大するでしょう。中国と日本という主要経済国ではモメンタムが改善し、オフィス床需要が増加してアジア太平洋地域をけん引することが予想されます。
◆ヨーロッパ中東アフリカ地域
ヨーロッパでは、ロンドンやフランクフルトなど多くの市場でハイグレードなスペースが不足しており、賃料は上昇圧力にさらされています。したがって地域全体では比較的落ち着いていても市場毎に顕著な違いが見られます。2013年のヨーロッパ中東アフリカ地域全体での賃料上昇率は 3パーセントで、これは 2008年の経済不況以来最も高い値でした。際立っていたのは中東とアフリカでした。カタールとドバイで企業の景況感が好転しオフィス市場の活動が活発化し、それぞれ10%、5%の賃料上昇となりました。しかし最も高い賃料上昇率を示したのは30%に迫る南アフリカで、活発な賃貸市場の中で大型取引の件数が大幅に増加しました。
以上
■レポートに関するお問合わせ先
柳町啓介(やなぎまち けいすけ)
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社 ヘッドオブリサーチ、ジャパン
〒100-6113 東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー13階
TEL: 03-3596-7098(直通) keisuke.yanagimachi@ap.cushwake.com
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