二酸化炭素ゼロ社会に向け世界の事例を紹介―シュプリンガー書籍シリーズ「持続可能な都市への理論と実践」
2016年2月26日
シュプリンガー・ジャパン株式会社
二酸化炭素ゼロ社会に向け世界の事例を紹介―シュプリンガー書籍シリーズ「持続可能な都市への理論と実践」
第1巻「持続可能な都市に移行する欧州とアジアのガバナンス」で、欧州と日本の低炭素都市づくりを比較
昨年、国連の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で、今世紀末までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにするという世界目標が提示されました。世界全体が都市化し、都市での温暖化対策と経済成長の統合が重要になる中、国際学術出版社シュプリンガーは、今年3月より、新たな書籍シリーズ「持続可能な都市への理論と実践(原題:Theory and Practice of Urban Sustainability Transitions)」を刊行します。
近年、普及しつつあるトランジション・マネジメント(社会変革のマネジメント、注1)の視点で、持続可能な都市づくりへの事例と理論をまとめるシリーズです。
第1巻は「持続可能な都市に移行する欧州とアジアのガバナンス(原題:Governance of Urban Sustainability Transitions-European and Asian Experience)」で、欧州と日本の専門家(注2)が、両者の低炭素都市づくりを比較します(注3)。
シリーズ・エディターの一人、ダーク・ローバッハ博士(エラスムス・ロッテルダム大学教授、オランダ)は、世界中の自治体、企業、政府とトランジション・マネジメントの実践と理論化を行ってきた先駆者です。
同じくシリーズ・エディターの城山英明・東京大学公共政策大学院院長/教授は、トランジション・マネジメントを日本に導入してきた研究者です。
城山教授は、「本シリーズを通じて、気候変動、高齢化、景気低迷といった課題への都市の処方箋を世界に提示したい」とコメントしています。
本シリーズの編集担当、リー・メイハン(Mei Hann Lee)は、「二酸化炭素の排出量を今世紀末までにゼロにするためには、人口、経済、二酸化炭素排出量で世界の6、7割を占める、都市の低炭素化がカギを握っています。これは課題であり機会でもあり、実例も上がってきました。『Theory and Practice of Urban Sustainability Transitions』は、優良事例とともに、新たな理論や実践的ツールを提供してまいります」とコメントしています。
注1:トランジション・マネジメント(Transition Management)は、トランジション(現在の社会から、次の社会への移行期間)をマネジメントする手法として、20世紀末からオランダの気候研究者や社会学者らによって開発されてきました。オランダ政府の環境基本計画の改訂(2001年)を皮切りに、都市の気候変動対策とイノベーションを統合するEU(欧州共同体)の都市間プロジェクトやオランダ・ロッテルダム市の再開発事業などでも導入され、近年は世界中に普及しつつあります。
注2:本シリーズのシリーズ・エディター
・ダーク・ローバッハ エラスムス・ロッテルダム大学教授(オランダ)、オランダトランジション研究所所長(同)
著書に「トランジション・マネジメント(原題:Transition Management)」(International Books、2007年)他
・城山英明 東京大学公共政策大学院院長/教授
著書に「国際援助行政」(東京大学出版会、2007年)他
・ジュリア・ウィットマイアー オランダトランジション研究所主任研究員(オランダ) 論文の共著に「持続可能なトランジションにおける研究者の役割(原題:Action, Research and Participation: Roles of Researchers in Sustainability Transitions)」(Sustainability Science、シュプリンガー、2014年)他
・藤野純一 国立環境研究所主任研究員
共編著に「低炭素社会に向けた12の方策」(日刊工業新聞社、2009年)他
・水口哲 日本環境ジャーナリストの会会長
監訳に「アメリカン・ポピュリズム」(亜紀書房、1993年)他
注3:都市の低炭素化と活性化を統合する欧州と日本の都市間プロジェクトを比較した。欧州はMUSIC(温暖化の緩和策と都市イノベーションを統合する都市プロジェクト)、日本は、環境未来都市(内閣官房)、環境モデル都市(同)などである。個別の都市としては、北九州市(福岡県)、東近江市(滋賀県)、アバディーン市(イギリス)、ヘント市(ベルギー)、モントレイユ市(フランス)の事例が分析されている。
シュプリンガーについて
シュプリンガー・ネイチャーは、研究、教育、専門領域において世界をリードする出版社の一つであり、シュプリンガーなど、高い評価と信頼を得ている多くのブランドから成る革新的な製品やサービスを通して、高品質なコンテンツを提供しています。シュプリンガー・ネイチャーは、世界50カ国・従業員約13,000人を抱える世界最大規模の学術書籍出版社です。詳細については http://www.springernature.comをご覧ください。
英文書籍シリーズ: Theory and Practice of Urban Sustainability Transitions ISSN: 2199-5508
英文書籍シリーズ第1巻: Governance of Urban Sustainability Transitions ISBN 978-4-431-55425-7
※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は日本向けに一部内容を変えています。
英文プレスリリースはこちら。
【この件に関するお問い合わせ先】
シュプリンガー・ジャパン株式会社
広報担当:川崎理恵子
ホームページ:http://www.springer.com/ http://www.springer.jp
電子メール:info@springer.jp
電話番号:03-6831-7000
Facebook (Life Science分野) : https://www.facebook.com/SpringerJapanLS
Twitter(Life Science分野) : https://twitter.com/SpringerJP_LS
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 シュプリンガー・ネイチャー
- 所在地 東京都
- 業種 新聞・放送・出版
- URL http://www.springernature.com
過去に配信したプレスリリース
日本の魚類研究者が「世界最重量硬骨魚」を正確に同定し、マンボウの種が変更される
2017/12/6
シュプリンガー・ネイチャー、新出版プログラム「グランドチャレンジ」開始
2017/11/22
世界を変える論文180編をシュプリンガー・ネイチャーが厳選
2017/5/25
東京が研究パートナーシップの「ハブ」に
2016/11/17