C型慢性肝炎治療薬で承認申請中のGlecaprevir/Pibrentasvir、第III相試験データを日本肝臓学会にて発表

アッヴィ

2017年6月15日

アッヴィ

アッヴィ、C型慢性肝炎治療薬として承認申請中のリバビリン非併用、パンジェノタイプ

のGlecaprevir【グレカプレビル水和物】 Pibrentasvir【ピブレンタスビル】(GP)

について、第III相試験の新たなデータを第53回日本肝臓学会総会にて発表

・8週間のG/P投与により、重度の腎機能障害を有し、かつ肝硬変を有しない、直接作用型

抗ウイルス薬(DAA)未治療のジェノタイプ1(GT1)型とジェノタイプ2(GT2)型のC型肝

炎ウイルス(HCV)に感染した患者さんの100%が、投与終了12週後のウイルス学的著効(

SVR12)を達成

・12週間のG/P投与により、DAA既治療で治癒していないGT1 型とGT2型のHCV患者さんにお

いては94%、ジェノタイプ3(GT3)型のHCV患者さんにおいては83%がSVR12を達成

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は2017年

6月9日、すべてのHCVジェノタイプ(GT1~6型)の治療薬として承認申請中である、リバ

ビリンフリー・レジメン、G/Pの日本人HCV患者さんを対象とした第III相試験において、

GT1~3型について高いウイルス学的著効を達成したことを発表しました。8週間のG/P投与

により、重度の腎機能障害を持ち、代償性肝硬変を有しないGT1型とGT2型のDAA未治療HCV

患者さんにおいて、100%(n=10/10)がSVR12を達成しました。またG/Pの12週間投与によ

り、代償性肝硬変を有するもしくは有しない、DAAによる前治療で治癒しなかったGT1型と

GT2型のHCV患者さんにおいては94%(n=31/33)、代償性肝硬変を有するもしくは有しない

GT3型のHCV患者さんでは83%(n=10/12)がSVR12を達成しました。

DAA既治療群においては1名の患者さんが治療中にブレークスルー*を経験し、1名の患者さ

んが治療終了後に再燃しました。また、GT3型HCV患者さんの群においては2名が再燃しま

した。

これらの結果は、広島県で開催された第53回日本肝臓学会総会で発表されました。

また、本学会では8週間のG/P投与による代償性肝硬変を有さないGT1型またはGT2型のHCV

患者さんについて、すでに発表されているSVR12(GT1:99%、GT2:98%)に加え、それぞ

れ98%(n=127/129)、そして94%(n=85/90)がG/P投与終了24週後のウイルス学的著効(

SVR24)を達成したことが示されました。

なお、G/P投与終了後12週から24週の間で新たなウイルス学的治療不成功は認められませ

んでした。

日本におけるHCV患者数は約150万人で1-4、そのうち約67%はGT1型、30%はGT2型の患者さ

んと報告されています5。日本におけるC型慢性肝炎の患者さんを欧州や米国の患者さんと

比較すると、高齢でより重症度が高く、そのため今後数年にわたり増悪する疾患に悩まさ

れると予想されています6-7。

「G/Pによる治療では、患者さんの背景に関わらず効果が確認されており、特にDAA既治療

のGT1型とGT2型の患者さんなど、治療の選択肢が限られている患者さんに対して高い有効

性と安全性が示されたことは大変うれしいことです。現在、GT2~6型のHCV患者さんにDAA

治療を行う際は、リバビリンとの併用が求められていますが、中等度から重度の腎機能障

害の患者さんにおいてリバビリンは禁忌となっています。また、少なくとも1剤のDAAを含

む治療を行っても治癒しなかったGT1型およびGT2型の患者さんについては、日本では治療

の選択肢が限られています。このような状況の下、パンジェノタイプ、リバビリン非併用

のレジメンG/Pは、特定の治療課題を持つ患者さんたちにとって一つの治療の選択肢とな

る可能性があります」と広島大学大学院  医歯薬保健学研究科 医歯薬学専攻 消化器・

代謝内科学 教授の茶山一彰先生は述べています。「そして、GT1型とGT2型のHCV患者さ

んにおいて、G/P投与終了12週後に加え、投与終了24週後も高いウイルス学的著効が達成

されたことは、8週間もしくは12週間のG/P治療による有効性と安全性がさらに確認された

ことになります」

日本人患者さんを対象としたCERTAIN試験に基づくこれらのデータは、現在、厚生労働省

から優先審査品目として指定されているG/Pの新薬承認申請をサポートしています。厚生

労働省は治療薬の臨床的有用性および対象疾患の重症度に基づき、優先審査品目の指定を

行います。日本は先進国の中でC型肝炎ウイルスの感染率が高い国の1つです8。

* ブレークスルー:抗ウイルス療法中にウイルスが陰性化した後、治療中にウイルス量が

再び増えること

CERTAIN-1試験について

CERTAIN-1試験は、第III相多施設臨床試験で、日本人におけるG/Pの有効性と安全性、お

よび薬物動態が評価されました。サブ試験1は、肝硬変を有しないGT1型のHCVに感染した

DAA未治療患者さんを対象とし、無作為化非盲検実薬対照試験として実施されました。

Y93H変異が検出されなかった患者さんはG/Pの8週間投与群またはOBV/PTV/rの12週間投与

群に2:1の比率で割り付けられました。Y93H変異陽性の患者さんは、8週間のG/P投与を受

け、全例(23名中23名)がSVR12を達成しました。G/Pの8週間投与は、OBV/PTV/rの12週間

投与に対して非劣性であることが示され、試験の主要目的は達成されました。

サブ試験2は非無作為化非盲検試験で、代償性肝硬変(Child-Pugh分類A)を有する患者さ

んや重度の腎機能障害を有する患者さん、そしてDAAによる前治療で治癒していない患者

さんなど、特定の治療課題を持つGT1~6型の患者さんを対象としました。代償性肝硬変を

有する患者さんの結果は、国際肝臓学会2017にて発表されています。

CERTAIN-2試験について

CERTAIN-2試験は、第III相多施設無作為非盲検試験で、肝硬変を有しないGT2型のHCVに感

染したDAA未治療患者さんの有効性と安全性を評価した試験です。患者さんはG/Pの8週間

投与群またはSOF/RBVの12週間投与群に2:1の比率で割り付けられ、8週間のG/Pレジメンは

12週間のSOF/RBVレジメンに対して非劣性であることが示され、本試験の主要評価項目が

達成されました。

アッヴィのG/P臨床開発プログラムについて

アッヴィのG/P臨床開発プログラムは、すべての主要なジェノタイプ(GT1~6型)のHCVに

おいてウイルス学的著効を従来よりも迅速に達成する方法を検討し、今なお残るアンメッ

ト・ニーズの治療領域に取り組むことを目標としています。日本においても、日本人の

HCV患者さんの患者特性およびウイルス特性に基づいてG/Pレジメンを検討する臨床試験を

実施しました。

G/Pは、開発中のパンジェノタイプ・レジメンで、HCV患者さんの大多数を占める、肝硬変

を有しない未治療のHCV感染患者さんにおいて、8週間投与によるウイルス学的著効の可能

性が評価されています。アッヴィは、治療において特定の課題がある患者さん、例えば

GT3型の患者さん、DAAによる前治療で治癒されていない患者さん、透析患者さんをはじめ

とする重度の腎機能障害を有する患者さんなどにおいてもG/Pによる治療の検討を行って

います。

G/Pは、2種の異なる抗ウイルス薬を組み合わせた1日1回投与のレジメンです。NS3/4Aプロ

テアーゼ阻害剤であるグレカプレビル水和物(300 mg)とNS5A阻害剤であるピブレンタス

ビル(120 mg)を固定用量で、1日1回3錠服用します。

グレカプレビル水和物は、アッヴィとEnanta Pharmaceuticals社(NASDAQ: ENTA)との提

携のもと、HCVプロテアーゼ阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤を含むレジメンの共同研究

において発見されました。

G/Pは開発中の医薬品であり、日本ではその安全性および有効性は確立されていません。

アッヴィについて

アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める

研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベー

ション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症

およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッ

ションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、

75ヵ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、

www.abbvie.com をご覧ください。

よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人材情報はFacebook

やLinkedInページをご参照ください。

日本においては、アッヴィ合同会社の約1,000人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や

販売に従事しています。自己免疫疾患・新生児・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を

中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、

www.abbvie.co.jpをご覧ください。

アッヴィ 今後の見通しに関する陳述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通し

に関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉および

それに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起とし

て、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の

結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。こ

のようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究お

よび開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律

および規制の変更などがあります。

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその

他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提

出済みのアッヴィの2016年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記

載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生し

た出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないもの

とします。

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