東京都英語村でクィーンズランド大学による英語教授法セミナーを実施 300名以上が参加

東京都教育委員会による取り組みとして、 オーストラリアのトップ大学の一つ、クイーンズランド大学は東京都英語村にて、都内の公立学校の英語教師300人以上を対象に、「演劇を活用したスピーキング力向上:タスクベースの語学学習」と題して、学生が話す自信をつけながら英語力を高める授業法について講義を行いました。

2018年12月13日

クィーンズランド大学

ランゲージバリアをなくそう‐英語力強化は教育現場の英語教師から

2018年12月3日、東京

東京都教育委員会による取り組みとして、 オーストラリアのトップ大学の一つ、クイーンズランド大学は9月にオープンしたばかりの東京都英語村(TOKYO GLOBAL GATEWAY, TGG)にて、都内の公立学校の英語教師300人以上を対象に講義を行いました。

東京在住で英語と演劇を25年間教えてきた同大学の英語教師養成トレーナーキアラ・マクマナス氏は「先生方が今日のワークショップで学んだことをそれぞれご自身の授業でどう生かすか、大変楽しみにしております」と話しました。クイーンズランド大学はブリスベンにあるセントルシアキャンパスで、効果的な英語教師養成講座を20年以上にわたって開講してきました。過去2年間、東京都教育委員会所属の教員延べ36名が同大学の終身教育及び非母語話者向け英語教育学院にて、10週間にわたる非母語話者向け英語教育(TESOL)方法論に関するユニークなプログラムを受講しました。

同プログラムはクイーンズランド州の英語環境に接することで受講教師自身の英語力を強化して自信をつけてもらうとともに、いくつかの新しい教授方法を実践しています。例えば、教師同士の相互授業やクイーンズランド州の現地学生を相手に日本文化に関する授業を行う、教科書や授業の内容を活性化する新しい戦略を探索する、場合によってはモバイルジャーナリストとして働くことで日本帰国後に授業中の討論を促進するための力を身に着ける、などの内容が挙げられます。

2017年にプログラムを参加した都立小川高校の新川先生は「以前は私自身も授業中に英語を話す勇気をなかなか持てなかったが、生徒たちと自分の力をずっと信じてきました。最近になって、私の授業では生徒たちが自主的に学習し、助け合い、教え合うようになってきました。特に感慨深いは、彼らが知らない単語を積極的に辞書や単語帳で調べ、それを他の生徒に教えている光景です。生徒たちが英語学習を楽しんでいるのが見て取れます」と受講後の効果を語ってくれました。「困難に直面した時、いつもプログラムでもらった教授ツールキットとアクティビティーリストを参考にしています。また、オーストラリアにいるトレーナーや同僚たちと常にフェイスブックで交流を続けており、専門訓練を継続しています。彼らの授業に関する投稿をみて、『自分もより工夫しないと』といつもよい刺激を受けております」と話す新川先生は今でも自身の教え方を改善しつづけています。

2016年にクイーンズランド州政府教育省と東京都教育委員会の間に締結された教育に関する覚書に基づき、共同で「TGG×QLDクラスルームプロジェクト」と名付けた特別教室をTGG内にオープンしました。この特別教室では、日本の学生に同州の学校現場を疑似体験でき、本場の英語環境に接する機会を提供しています。また、開設に先立ち、2018年5月、同州首相が同教室を視察し、プロジェクトに対する州政府のコミットメントを公式に表明しました。さらに、同覚書は東京都とクイーンズランド州がTESOL 分野で協力することの重要性を確認しています。クイーンズランド州政府駐日事務所の安達健代表も「クイーンズランド州を代表する高等教育機関であるクイーンズランド大学が東京都教育委員会と協力して、日本人英語教員の専門訓練にこれだけの実績を上げたのは大変喜ばしいことです」とコメントしました。

本日TGGで開催されたワークショップのトピックは「演劇を活用したスピーキング力向上:タスクベース(Task Based)の語学学習」です。すなわち、学生たちを笑わせるだけでなく実際に演劇活動に参加してロールプレイングを実践してもらうことで、話す自信をつけながら英語力を高める授業法です。マクマナス氏曰く、「生徒たちが十分にリラックスして、リスクを恐れずに新しいコトに挑戦できる教室環境づくりが成功の秘訣です。そのためには生徒たちが授業を楽しむと同時に、ありのままの題材によって語学と日常生活を結びつけられるようにしなければなりませんが、これは時には大きなチャレンジが伴います。私は2020年の東京オリンピックに向けた変化や、TGGのような東京都教育委員会の支援を受けた新しい取り組みをワクワクした気分で歓迎しています。」

東京都教育委員会の森晶子国際教育事業担当課長は、「本日は約300名の公立学校教師が昼過ぎまでに多忙な授業スケジュールを抱えている中参加してくださり、大変ありがたく思います。これだけの参加者を引き付けた理由の1つは、演劇を通じたタスクベースの学習アプローチというテーマではないでしょうか。自分の授業をより魅力的でクリエイティブなものにしようと意欲的な東京の英語教師たちが、そのテーマに興味をもったに違いないと思います。TGGによる初の専門訓練セッションになりますが、参加教員たちからの反響は大好評でした」と今回のワークショップを総括しました。

マクマナス氏は向こう数日間にかけて、クイーンズランド大学で10週間プログラムに参加した教員たちの実際の授業を見学し、習得した新しいスキルの実践状況に関するフィードバックを行う予定です。「東京都教育委員会の先生方がこの専門訓練プログラム受講中に示してくれたプロフェショナリズムと熱意には大変感動しました。日本での英語教育はいまや高度に有能な人材によって、よりコミュニケーション重視のアプローチになってきているように思います。多くの日本人学生が自身をもって英語で会話する時も、そう遠くはないでしょう。」と同氏は評価しました。

クイーンズランド大学における英語教師養成トレーニングに関するより詳しい情報は下記ウェブページを参照:

https://icte.uq.edu.au/study/teacher-training

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クィーンズランド大学講師による教員講習が東京都英語村で行われ、300人以上が参加した

「演劇を活用したスピーキング力向上:タスクベースの語学学習」と題したワークショップを開催

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