コロナ禍により 「新・名もなき家事」 が発生 女性の7割が「増えた」と回答
「プライベートと仕事の切り替え」が大きな課題に ニューノーマル時代に求められる、新しい住まいとは?
2020年7月8日
大和ハウス工業株式会社
20代〜40代の配偶者がいる男女1,200人にアンケート
コロナ禍により 「新・名もなき家事」 が発生
女性の7割が「増えた」と回答
「手洗い・うがいの呼びかけ」「マスク・消毒液・ペーパー類の確認・補充」
新たな習慣となった「テレワーク」も
「プライベートと仕事の切り替え」が大きな課題に
ニューノーマル時代に求められる、新しい住まいとは?
~行動習慣コンサルタント 冨山真由さんと大手前大学准教授 武藤麻美さんから
調査結果を受け、新しい生活様式に向けたアドバイスも~
大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市)は、2017年より「家事」に関する意識調査を定期的に実施しており、今回はコロナ禍による影響について調査を行いました。全国の20代〜40代の配偶者がいる男女1,200人を対象に、共働き・片働き、回答者本人のテレワーク★あり・なしで、コロナ禍による生活や家事に関する変化を調査しました。
アンケートの結果、コロナ禍でのストレスだけでなく、新しい「名もなき家事」が増えていることがうかがえますが、家族の時間や会話が増えたというポジティブな側面もあるようです。また、テレワークを経験したことで、「プライベートと仕事の切り替え」がクローズアップされ、新しい生活様式に合った住まいが必要とされていることが分かりました。主な調査結果は以下の通りです。
★テレワークはITツールやインターネットを使って通常の職場以外の場所で仕事をすることで、この調査では自宅での在宅勤務やリモートワークも含みます。
■調査の背景
大和ハウス工業では、住んでいる皆さまの快適な生活を守る「安全・安心」な住まいを追求してきました。社会の変化とともに、結婚および出産後も働き続けることは、女性のライフスタイルにおいても当然あるべき「選択肢のひとつ」となっています。 しかしながらそれと同時に広まるべき、男性や他の家族も参加する「家事」は、いまだ平等に実現されていると言えず、課題として残っているのが現状です。「イクメン」や「主夫」などの言葉だけがブームとして広がるだけで、なかなか解決できないこの難題に対して、解決をサポートする「家づくり」を目指してきました。
当社では、女性社員が中心となり推進してきた社内プロジェクトにおいて、夫と妻の意識の違いにより、実際に妻が「やらざるをえない」にもかかわらず、夫が認識していない家事、「名もなき家事」が存在することに気が付き、2017年より継続的に家事に関する調査を行っています。
新型コロナウイルス対策として4月に緊急事態宣言が発令され、これまでとは全く違う日常となり、家事に関しても大きな変化が起こりました。そこで今回は、緊急事態宣言以前と以後の生活変化や、「名もなき家事」の実態、夫婦間の家事シェアの変化などを聞くとともに、新しい生活様式に向けての取り組みについての実態調査を行いました。
当社では、ニューノーマル時代を見据えた住まい提案として、快適なテレワークのための当社オリジナルの「快適ワークプレイス」と「つながりワークピット」を提案しています。「快適ワークプレイス」は、外の音や情報セキュリティを気にせず、仕事に集中できるクローズド空間の提案です。「つながりワークピット」は、仕事と家事・子育てを効率よく両立させるために、リビングとつなげたマルチスペースで、室内窓で家族の気配を感じつつ、ドアの開閉でオンとオフの切り替えを可能にしたセミクローズ空間です。
大和ハウス工業では、これからもお客さまのライフスタイルの変化に合わせた、オリジナルの空間を提案してまいります。
調査概要
■調査名: 20代〜40代の配偶者がいる男女1,200人に聞く、「コロナの前と後、生活に関する実態調査」
■実施時期: 2020年6月5日(金)~ 6月10日(水)
■調査手法: インターネット調査
■調査対象: 全国の20代〜40代の配偶者がいる男女1,200人
(共働き家庭と片働き家庭各600人ずつ、テレワークあり・なしで各600人ずつ)
※テレワークはITツールやインターネットを使って通常の職場以外の場所で仕事をすることで、この調査では自宅での在宅勤務やリモートワークも含みます。
※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります。
■本リリースの内容は、公式ホームページにも掲載しています。
https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/lifestyle/kajishare/reseach/index.html?page=prkj20200708
新しい生活様式が求められる中、新たな生活習慣が誕生
□新しい生活様式で新しいストレスも発生か?
□6割が外出自粛によるストレスを感じ、女性の半数は家事・子育てのストレスを感じている
20代〜40代の既婚男女1,200人を対象に、新しい生活様式に関する調査を行いました。
まず、コロナ禍による生活変化でストレスを感じていることを聞くと、「外出自粛によるストレス」(61.8%)、「新型コロナウイルス対策へのストレス」(56.7%)、「収入・家計に関するストレス」(49.8%)の順となり、女性では5割が「家事・子育て」(50.7%)にストレスを感じています[図1-1]。
次に、在宅勤務を含むテレワークを経験した600人に「テレワークへのストレス」を聞くと、男性(32.3%)がやや高いものの全体で25.3%と、上記の「外出自粛によるストレス」(61.8%)の半分以下と低めです[図1-2]。
□コロナ禍で9割の家庭に新しい生活習慣が誕生し、87%が継続を希望
コロナ禍により新しい生活様式が求められる中、「新たに習慣になったこと」を聞きました。すると、「外から帰ったら必ず手洗い・うがい」(72.9%)が最も多く、「日中はできるだけ窓を開けて換気」(39.4%)、「玄関にマスクや消毒・除菌ティッシュを置く」(31.4%)の順となり、全体の90.6%が何らかの新しい習慣を身に付けています[図2-1]。また、これらの習慣を今後も継続したいかと聞くと、87.0%が「継続したい」と答えました[図2-2]。
「名もなき家事」 3年たっても変化なし
□夫婦の家事シェア実態 「妻の家事分担8割以上」、緊急事態宣言後減少し、男性比率が向上するも… □「男性の家事分担率の増加」は、男性が思うほど女性は実感していない。
次に家庭での夫婦の家事シェア(家事分担)の割合を聞きました[図3]。
新型コロナによる緊急事態宣言前は、「妻が8割以上」と考える男性は52.7%、女性は73.0%と高く、夫婦間で20ポイントもの意識差がありました(①)。宣言後、「妻が8割以上」男性は39.5%と宣言前より13ポイントも低くなり、自分が家事を分担するようになったと捉えているようです。一方女性は、65.3%と宣言前より8ポイント下がり、家事軽減を実感はしていますが、男性が思うほどではなく、その差は25ポイントと以前より夫婦間ギャップは大きくなっています(②)。
□必要だけれど見過ごされがちな「名もなき家事」 「献立づくり」は女性、「電球の交換」は男性に多い □2017年比較、世の中は大きく変わっても、「名もなき家事」は大きな変化なし
子どもと同居する共働きの375人に、30項目の「名もなき家事」から実践しているものを選んでもらった結果、「使った道具を元の位置にきちんと片づける」(95.7%)、「使い切ったティッシュを取り替える」(92.3%)、「食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう」(89.9%)が高くなっています。男女差を見ると、「献立を考える」(男性49.7%:女性96.0%)、「アイロン掛け」(男性47.2%:女性73.9%)、「調味料を補充・交換」(男性71.9%:女性93.2%)は女性に多く、「照明の交換」(男性82.4%:女性58.0%)は男性に多くなっています[図4]。
[図5]は、子ども同居する共働き男女を対象とした2017年の調査結果※と比較した結果です。「アイロン掛けをする」が11ポイント、「たまったごみを捨てる」が10ポイント伸びている以外では、さほど大きな差は見られません。生活環境が目まぐるしく変わる昨今ですが、「名もなき家事」の実践に関しては、大きな変化は起きていないようです。2017年の「名もなき家事」のトップは「子どもと会話する」(93.8%)でしたが、2020年は75.2%と19ポイントも低くなっています。緊急事態宣言でおうち時間が長くなり、共働き家庭でも子どもとの会話が日常的になり、特別に意識しなくなったからでは…と推測されます。
※2017年の調査対象は子どもと同居する共働きの男女600人
コロナ禍で発生?! 「新・名もなき家事」
□コロナ禍により新たな「名もなき家事」が発生
□「手を洗い・うがいをするよう家族に呼びかけ」「マスクや消毒液、ティッシュなど残量の確認・購入」
新型コロナによる緊急事態宣言以降、家族全員が常に家庭にいる状態が続きました。このことで新たな「名もなき家事」が増えたかと聞くと、全体の63.9%が「増えた」と答えました。男女別で見ると、男性は約半数(55.8%)ですが、女性は7割(72.0%)以上がコロナ禍による「名もなき家事」の増加を実感しています[図6-1]。
自宅でのテレワークは、家庭内ストレスの元凶か?!
□テレワークする人の半数は、「リビング」でテレワークに参加
□「仕事用の部屋」でテレワークできるのは2割以下、男性は26%、女性は6%しかいない
自宅でテレワークする438人を対象に、自宅でのテレワークに関して聞きました。
まず、自宅内でテレワークをする場所を聞くと、「リビング」(45.2%)が最も多く、「仕事用の部屋」(19.4%)、「寝室」(18.7%)、「ダイニング」(16.4%)の順となりました。「仕事用の部屋」があるのは男性では26.4%とやや増えるものの、女性では6.0%しかいません。また、片働き家庭でテレワークの場合は、26.7%が仕事用の部屋でテレワークしていますが、共働き家庭では15.8%と、片働き家庭に比べ11ポイントも少なくなっています[図7]。
□自宅でのテレワークは、自分にとっても家族にとってもストレスのもとに
□子どもにかけるストレスを気にする母、妻へのストレスを心配する夫
次に、自宅でのテレワークに対するストレスについて聞きました[図8]。自身のテレワークに対しては63.9%が「ストレスを感じる」と答え(①)、配偶者がテレワークすることに対しても57.9%がストレスを感じています(②)。また、自身のテレワークに対して、配偶者がストレスを感じると答えたのは57.8%(③)、子どもがストレスを感じるは48.8%となり(④)、自宅でのテレワークは自身はもとより、家族にもストレスとなることが分かりました。
男女差を見ると、子どもにかけるストレスは男性(45.3%)より女性(58.2%)が高く、子どもにストレスをかけているかもと気に病む母心が感じられます。一方、配偶者へのストレスは、女性(44.7%)より男性(64.6%)が20ポイントも高く、自分のテレワークが妻にストレスを与えている、と反省する夫が多いようです。
自宅でのテレワークにストレスを感じると答えた280人にストレスの内容を聞くと、「仕事とプライベートの切り替え」(63.9%)がトップで、「周りの音が気になって集中できない」 「家事・育児で仕事に専念できない」(同率35.7%)、「ひとりの時間をつくることができない」(33.6%)が上位となりました[図9]。男性は女性に比べ「オンライン会議中の家庭内騒音」(男性29.8%>女性16.3%)が気になり、女性は男性に比べ「ひとりの時間をつくることができない」(男性28.2%<女性44.6%)が悩みとなっているようです。
自宅でのテレワークで気付いた、ポジティブな出来事
□テレワーク経験者の半数が「夫婦・家族で過ごす時間が増えた」と自宅でのテレワーク効果を高評価
□男性に比べ女性の方がテレワークの良さを享受する傾向に
家庭内ストレスの発生源になるなど、テレワークに伴う課題もありますが、逆に、ポジティブな出来事はないのか、テレワーク経験者600人に聞いてみました。
すると、「夫婦・家族と過ごす時間が増えた」(54.0%)、「夫婦・家族の会話時間が増えた」(39.7%)が上位となりました。男女別に見ると、女性の方がスコアが高めで、女性の6割は「家族で過ごす時間が増えた」(61.7%)と答えています[図10-1]。
□テレワークで「子どもとの会話」が増え「子ども成長」を感じ、「子どもとより密接になった」ことを実感
□子どものお手伝いがよりうれしいのは、夫より妻
次に、テレワークにより子どもとの関係で生じたポジティブな出来事について、子どもと同居するテレワーク経験者410人に聞きました。
すると、「子どもとの会話が増えた」(47.1%)、「子どもの成長を間近で見られるようになった」(43.2%)、「子どもとより親密になった」(33.4%)が上位に挙げられました。女性の方がスコアが高めで、特に「家事などお手伝いをしてくれる」(33.9%)は男性(19.0%)より15ポイントも高くなっています[図10-2]。仕事に家事に育児にと、常に忙しい女性にとって、子どもお手伝いはよりうれしく感じられるようです。
子どもの家事参加の実態
□コロナ禍で、子どもの家事参加が「増えて」いる
社会人未満の子どもが同居する828人に、新型コロナ緊急事態宣言後の子どもの家事参加について聞くと、4割の家庭で子どもの家事参加が「増えて」(39.0%)います[図11]。
子どもの年代別に見ると、「小学生」(30.2%)、「中学生」(40.0%)、「高校・高専生」(29.0%)の家事参加が高くなっています。
□今後も子どもの家事参加を「増やしたい」 ほめて興味をもたせて、習慣化していきたい
今後、社会人未満の子どもの家事参加を増やしたいかと聞くと、全体の7割が「増やしたいと思う」(67.9%)と答えており、男性(67.3%)も女性(68.6%)も意見が一致しています[図12-1]。
また、子どもの家事参加に必要だと思うことを聞くと、「家事を行った際にほめる」(51.2%)、「家事に興味をもたせる」(49.8%)、「子どもが自然に家事に参加できる仕組みをつくる」(48.7%)、「子どもに家事の役割をもたせる」(45.4%)の順となりました[図12-2]。女性のスコアが総じて高めですが、家事ができない夫へのアンチテーゼとして、自分の子どもには家事を身につけさせたい、そんな思いが込められているのかもしれません。まずはほめて興味をもたせ、参加できる仕組みをつくり、役割をもたせるという無理のない流れで、子どもの家事参加を習慣化したいと考えているようです。
□今、子どもが身につけている家庭での習慣は、「手洗い・うがい」「マスク着用」と「食器運び」
□子どもの習慣が、コロナ禍で浮上した「新・名もなき家事」の担い手に
すでに子どもの習慣となっている内容を聞くと、「帰宅したら自発的に手洗い、うがいをする」(39.1%)、「食べた食器をシンクに戻す」(27.2%)、「マスクを言われなくてもつける」(24.9%)などが多く、全体の76.8%、子どもの4人に3人は何らかの習慣を身に付けています。共働き家庭と片働き家庭で比較すると、共働き家庭(83.6%)の子どもの方が、片働きの家庭(71.3%)より、家庭での習慣や家事を身に付けている率が高くなっています[図13]。
前述[図6-2]の通り、コロナ禍で手洗い・うがい、マスク着用の呼びかけが「新・名もなき家事」として浮上していますが、子どもたちが習慣化することで、負担の軽減につながりそうです。
ニューノーマル時代に求められる、新しい住まいとは?
□快適なおうち時間のために必要な家の条件第1位は、「家族それぞれのプライベートの確保」
おうち時間が長くなった中、自宅で快適に過ごすために家の機能として求めることを聞くと、「家族それぞれのプライベートが確保できる空間」(46.3%)、「趣味が楽しめる空間」(35.8%)、「常に高速の通信環境が整った空間」「子どもを一人で安心して遊ばせられる空間」(同率31.8%)、「防音性」(30.3%)が上位に挙げられました。男性に比べ女性の方が、快適な家に対する要望が高くなっています[図14-1]。具体的には[図14-2]のような要望が寄せられました。
□新しい生活様式にマッチした住まいの機能、最も魅力的に感じるのは「家事を習慣化する家」
これからのニューノーマル時代に向け、新しい生活様式に対応した住まい方が求められます。新しい生活様式に対応した住まい方を提示し、魅力的に感じるものを選んでもらいました。その結果、「身の回りのことをできるだけ自分でできる、家事を習慣化する動線や収納の仕組みを取り入れている家」(77.3%)、「省エネと、部屋ごとの温度・空気調整を同時に実現する、すべての部屋を快適にする全館空調」(74.0%)、「帰宅してすぐに衣類やカバンを収納し、手洗い・着替えをしてからリビングに行ける、清潔さを保てる家」(71.7%)が高く評価されました[図15]。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 大和ハウス工業株式会社
- 所在地 大阪府
- 業種 建設業
- URL https://www.daiwahouse.co.jp/
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