ランセット、アトピー性皮膚炎を対象にウパダシチニブを評価した第III相ピボタル試験の結果を掲載
2021年6月11日
アッヴィ合同会社
ランセット、アトピー性皮膚炎を対象にウパダシチニブを評価した第III相ピボタル試験の結果を掲載
イリノイ州ノースシカゴ、2021年5月24日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおけるウパダシチニブを評価した第III相ピボタル試験(Measure Up 1、Measure Up 2およびAD Up)の主要解析結果がランセット(Lancet)に掲載されたことを発表しました。これらの結果は、ランセット2021年5月22日号に2つの論文として公表されました。
Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験に関する論文では、プラセボを比較対称として、16週にわたりウパダシチニブ単剤療法(15 mgまたは30 mg、1日1回投与)を受けた患者さんの有効性および安全性の結果が公表されています1。また、AD Up試験に関する論文では、16週にわたり、プラセボと副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)の併用療法を比較対称として、ウパダシチニブとTCSの併用療法を受けた患者さんの有効性および安全性の結果が公表されています2。3つの試験を通じて、ウパダシチニブはすべての主要評価項目および副次評価項目を達成しました1,2。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、慢性に再発を繰り返す炎症性の疾患です。その特徴は、激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことで、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るようになります3,4。成人の約10%および小児の約25%がアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています4,5。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20~46%が中等症から重症です6。多様な症状が、患者さんに多大な身体的、心理的および経済的な負担を与えます4,7。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に試験が行われている選択的かつ可逆的なJAK阻害薬です1,2,8-14。ヒト細胞を用いた分析系において、ウパダシチニブは機能的選択性を示し、JAK2を介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を選択的に阻害しました14。2019年8月、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けました。またウパダシチニブは、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬、1種類以上のDMARDで効果不十分または不耐容であった活動性関節症性乾癬(PsA)の成人患者さんの治療薬、および既存治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんの治療薬として欧州委員会から承認されています。承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。アトピー性皮膚炎、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です1,2,8-13。アトピー性皮膚炎に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、規制当局により本剤の安全性および有効性の評価が行われています。
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報14
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核や細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちら を、服薬ガイドについては こちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在ある深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、ならびに未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
Forward-Looking Statements
Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words "believe," "expect," "anticipate," "project" and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie's acquisition of Allergan plc ("Allergan"), failure to promptly and effectively integrate Allergan's businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics, such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie's operations is set forth in Item 1A, "Risk Factors," of AbbVie's 2020 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.
1. Guttman-Yassky E., et al. Once-daily upadacitinib versus placebo in adolescents and adults with moderate-to-severe atopic dermatitis (Measure Up 1 and Measure Up 2): results from two replicate, double-blind, randomized controlled phase 3 studies. Lancet. doi:10.1016/s0140-6736(21)00588-2.
2. Reich K., et al. Safety and efficacy of upadacitinib in combination with topical corticosteroids in adolescents and adults with moderate-to-severe atopic dermatitis(AD Up): results from a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. doi:10.1016/s0140-6736(21)00589-4.
3. Nutten S. Atopic Dermatitis: Global Epidemiology and Risk Factors. Ann Nutr Metab 2015;66(suppl 1):8–16. doi: 10.1159/000370220.
4. Weidinger, S., et al. Atopic dermatitis. Nat Rev Dis Primers 4, 1(2018). doi: 10.1038/s41572-018-0001-z.
5. Eichenfield L.F., et al. Guidelines of care for the management of atopic dermatitis: section 1. Diagnosis and assessment of atopic dermatitis. J Am Acad Dermatol. 2014;70(2):338-351. doi:10.1016/j.jaad.2013.10.010.
6. Shrestha S., et al. Burden of Atopic Dermatitis in the United States: Analysis of Healthcare Claims Data in the Commercial, Medicare, and Medi-Cal Databases. Adv Ther. 2017;34(8):1989–2006.
7. EFA. Atopic Eczema: Itching for Life Report. 2018. Accessed on April 20, 2021. https://www.efanet.org/images/2018/EN_-_Itching_for_life_Quality_of_Life_and_costs_for_people_with_severe_atopic_eczema_in_Europe_.pdf.
8. Pipeline – Our Science. Upadacitinib. AbbVie. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html.
9. A Study to Evaluate Efficacy and Safety of Upadacitinib in Adult Participants With Axial Spondyloarthritis (SELECT AXIS 2). ClinicalTrials.gov. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04169373.
10. A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of ABT-494 for the Induction of Symptomatic and Endoscopic Remission in Subjects With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Immunomodulators or Anti-TNF Therapy. ClinicalTrials.gov. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02365649.
11. A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of ABT-494 for Induction and Maintenance Therapy in Subjects With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635.
12. A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202.
13. A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. 2021. Accessed on April 20, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT04161898.
14. RINVOQ® (upadacitinib) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 アッヴィ合同会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL http://www.abbvie.co.jp/
過去に配信したプレスリリース
アッヴィ、国内においてスキリージ(R)の新規剤形となる皮下注180mgオートドーザーを発売
11/22 10:00
「ヴィアレブ™」について、米国FDAより進行期パーキンソン病成人患者さんの治療薬として承認を取得
11/14 11:00