EYストラテジー・アンド・コンサルティング、経済安全保障リスク通報窓口を設置

EY Japan

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、地政学リスクの高まりを受けてさらに重要となっている経済安全保障への取り組みを強化するため、社内に「経済安全保障リスク通報窓口」を設置したことをお知らせいたします。

 

 

経済安全保障政策は、先端技術情報の管理強化だけでなく、経済依存を武器化する目的で企業が保有する機密情報を国家ぐるみで奪取し、健全な企業活動をゆがめる「エコノミック・ステイトクラフト*」の発動を許さない取り組みも不可欠です。

 

エコノミック・ステイトクラフトの実例として、下記のような多様な企業損失のケースがあります。

●企業買収情報を不正に取得されてM&Aの買収価格で競り負ける

●出願前の特許情報が奪われて知的財産による収益機会を奪われる

●受発注システムへのサイバー工作によって売上計画に到達し得ない資材発注が行われて業績悪化を強いられる

 

コンサルティング会社は、クライアント支援のため、イノベーション支援プロジェクトによって受領する先端技術情報をはじめ、経営戦略支援のための機密性の高い重要な情報を扱っています。経済スパイによって不正に持ち出された情報がエコノミック・ステイトクラフトに用いられた場合、日本のクライアントのグローバル競争力を低下させ、結果として日本経済を弱体化させかねません。

*エコノミック・ステイトクラフト(Economic Statecraft/経済的な国策): 経済的な手段を用いて地政学的な国益を追求する政策

 

 

この度EYSCは、コンサルティング業界に対する経済スパイ行為者の摘発はもちろん、逮捕されるリスクを高めることで潜在的なスパイ行為を抑止させていくことは極めて重要と考え、「経済安全保障リスク通報窓口」を設置しました。本窓口は、EYSC社員向けに設置され、社内外から執拗(しつよう)に営業秘密に指定されている情報を求められた際などに、通報するよう求めます。また、経済安全保障リスク通報窓口に寄せられた情報のうち、警察や公安調査庁などの捜査機関、調査機関への共有が公益になると判断した場合には、それらの組織に情報共有も行います。

 

 

EYSCは、2022年1月に米国の政府機関である米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology、以下NIST)が定めたセキュリティガイドライン「NIST SP800-171」に準拠した執務環境でのコンサルティングサービスの提供、2023年8月には経済安全保障対策ポジションを新設し、内部管理体制を強化してきました。この度の経済安全保障リスク通報窓口設置により、不審な行為を早期に把握することで、さらにクライアントおよび当社の従業員の安全確保を高めるとともに、経済安全保障の対策を一層強化してまいります。

 

 

EYSC チーフ・エコノミック・セキュリティ・オフィサー 國分 俊史のコメント:

「多くの日本企業の戦略立案や技術開発支援、サプライチェーン改革、情報システム改革を日々支援しているわれわれが有する情報の価値を経済安全保障の観点から適切に捉え、日本に対するエコノミック・ステイトクラフトリスクの低減に貢献することは社会的責務と考えます。われわれの取り組みがコンサルティング業界はもちろん、クライアントを含め、多くの日本企業にとって参考となるよう、取り組みの詳細を必要に応じて共有してまいります」

 

 

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150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。

アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。

 

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