東京下町の地盤を形成する有楽町層から自然由来のヒ素が溶出する仕組みを解明

産総研

国立大学法人東京農工大学大学院農学研究院の橋本洋平准教授と、国立研究開発法人 産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門の保高徹生研究グループ長、井本由香利主任 研究員、西方美羽研究員らで構成される研究チームは、以前から自然由来のヒ素が含まれることが知られていた東京低地の地下に広がる沖積層(有楽町層)において地盤ボーリング調査を行い、ヒ素が土壌溶出量基準を超過して溶出することや、ヒ素がラズベリー様の黄鉄鉱(フランボイダルパイライト)に局在していることを明らかにしました。 さらに、有楽町層中のヒ素は、鶏冠石や硫砒鉄鉱に類似した複数の化学形態を有していることを明らかにし、フランボイダルパイライトがヒ素の集積と溶出に関わる重要な鉱物であることを明らかにしました。本研究の成果は、有楽町層と類似の性質を有する沖積層において、大規模なインフラ工事などで大量に発生する建設発生土の適切な措置や処分の ための技術開発、ならびに持続可能な汚染土壌の管理に活用されることが期待されます。

 

本研究成果は、Journal of Hazardous Materials(2025年2月15日付、Volume 484)の掲載に先立ち、12月4日にオンラインで公開されました。

 

論文タイトル:Unveiling the potential mobility and geochemical speciation of geogenic arsenic in the deep subsurface soil of the Tokyo metropolitan area

URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304389424031595

 

 

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  • エリア
    東京都
  • キーワード
    研究開発、土壌汚染対策、有楽町層、沖積層、重金属、自然由来ヒ素
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