完成した国指定重要文化財「二彩浄瓶」の高精細レプリカ

大塚グループの一社である大塚オーミ陶業株式会社（本社：大阪市中央区、代表取締役社長：大杉栄嗣）は、福島県郡山市出土の国指定重要文化財「二彩浄瓶」（にさいじょうへい）の陶製高精細レプリカを製作しました。

「二彩浄瓶」は、1938年に郡山市の七ツ池遺跡で発見された、全国的にも珍しい多彩釉の陶器で国指定重要文化財に指定されています。しかし、国指定重要文化財は公開日数や条件が限定されるため、常時公開することができません。今回のレプリカ製作は、多くの人が貴重な文化財を身近に感じる環境を整備し、魅力を広く伝えることを目的として、郡山市より依頼を受けて製作しました。

3Dデータと高精細画像データを使用し製作したレプリカは、形状や色調、さらに重量まで再現。3月15日に開館した郡山市歴史情報博物館で常設展示されます。

また、二彩浄瓶を全国の博物館や教育機関に広めるため、教育プログラムを中心にレプリカの貸し出しなどの活用も予定されています。

陶製のレプリカは耐久性が高く、変色しないため、実物は保存しながらもその文化的価値を多くの人々に伝えることができ、地域の誇りや愛着を深める一助となることが期待されます。

①高精細レプリカの製作

高精細レプリカの製作では当社で原物の3次元計測を行い、3Dデータから原型を出力し、型による成形を行いました。3Dデータを活用することで形状だけでなく、表面の凹凸も忠実に再現することができます。細かな質感は原物写真を確認しながら当社の技術者が手作業でレタッチを行い、ざらつきや色彩などを再現。さらに、郡山市歴史情報博物館学芸員の方々から指導・助言のもと、原物と比較をしながらの検品を経て、形状、色調、重さまでを再現した陶製高精細レプリカを完成させました。

 　　
原物の3次元計測の様子　　　　　　　　　　　　　　レタッチの様子

②国指定重要文化財「二彩浄瓶」高精細レプリカについて

製作対象：国指定重要文化財　二彩浄瓶（郡山市七ツ池遺跡出土）

高さ：約29cm

胴径：約13.5㎝

底径：約9.5㎝

重さ：約820g

製作：大塚オーミ陶業株式会社

③国指定重要文化財「二彩浄瓶」について

1938年（昭和13年）11月24日に郡山市内七ツ池遺跡から出土した、緑と白の二彩を用いて焼成された浄瓶。奈良時代に中国から日本に伝わったとされる。円寿寺所蔵、郡山市立美術館寄託。全国的にも珍しい多彩釉の陶器として、1987年国の重要文化財に指定。

④郡山市歴史情報博物館について

郡山市歴史情報博物館は、歴史資料として重要な公文書等を適正に保存し効果的な利用を図るための「公文書館機能」を有する東北初の博物館です。

　市の歴史や文化の成り立ちを理解する上で重要な資料の展示等をとおして、豊かな地域史像を発信する拠点施設を目指しています。

https://www.city.koriyama.lg.jp/site/historymuseum/

【会社概要】

◆大塚オーミ陶業株式会社（Otsuka Ohmi Ceramics Co.,Ltd.）

大塚オーミ陶業は、大塚グループの一社であり、創造性ある陶板（toban）、「やきもの」を通し、日本国内のみならず世界中の文化財、芸術作品を後世に伝え、人々へ貢献することを目指しています。

やきものは高温の窯で焼かれることにより、優れた耐久性・堅牢性を備えることができます。その一方で、製造プロセスにおいて複雑な化学変化がおこり、変形や割れなど想定外の結果が生まれやすく、特に色彩は再現が難しいとされています。弊社の製作する陶板（toban）は、高い色彩の再現性、豊かな表現力と共に、やきもの本来の耐久性を兼ね備え、大塚国際美術館（徳島県）の陶板名画をはじめ、風神雷神図屏風など国宝の高精細レプリカの製作や中之島フェスティバルタワー（大阪府）のレリーフ再製作、アーティストとのコラボレーション作品など、新しい価値創造に挑戦しています。

設　立 ：1973年（昭和48年）7月

資本金 ：1億円

代表者 ：代表取締役社長　大杉栄嗣（おおすぎ　えいつぐ）

本社所在地：〒540-0021　大阪市中央区大手通3-2-21

従業員数 ：64名 （2025年３月1日現在）

事業内容 ：大型陶板　陶板名画　陶壁　レリーフ　テラコッタ　OTセラミックス　

肖像陶板　サイン陶板　各種設計・デザイン・製作・施工

ＵＲＬ ：https://www.ohmi.co.jp/