「盲導犬受け入れ全国調査」を実施 48%のユーザーが拒否を経験

2025年3月25日

全国盲導犬施設連合会

 

 

 

 


 

 

身体障害者補助犬法が施行されてから20年以上、そして障害者差別解消法施行からも9年が経過していますが、法律に対する社会の理解は進んでいるのでしょうか?

その実態を把握するために、認定NPO法人全国盲導犬施設連合会※1(理事長井上幸彦)は、加盟している盲導犬育成8団体のユーザーを対象に、盲導犬同伴での受け入れ拒否について聞き取り調査を実施しました。全国規模の調査は2020年以来、2回目となります。

その結果、2024年1年間のうちに、不特定多数の人が利用する施設(スーパー、レストラン、医療機関、ホテルなど)や交通機関などで盲導犬同伴での受け入れ拒否にあったとする人が276人48%に上りました。受け入れ拒否のほかにも、社会参加を阻む障壁についても聞いたところ、ICTの進化による障壁を感じている人が342人59%いました。

 

昨年4月、改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者による合理的配慮の提供が義務となってから1年。盲導犬ユーザーへの理解と対応がより一層求められています。

「障害者差別解消法」や「身体障害者補助犬法」など法律の周知が進み、視覚障害や盲導犬への理解が深まるよう、この調査結果を発信していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。

 

 

 

 

調査結果の概要

【調査について】

 調査名:「盲導犬受け入れ全国調査(2025)」

 調査対象:全国盲導犬施設連合会加盟の盲導犬協会ユーザー(使用者) 603名※2

 回答者数:576名※3(男性 268名・女性 308名)回答率:96%

 調査期間:2025年1月1日~2月21日

 調査方法:連合会加盟の盲導犬協会職員による電話での聞き取り・メール・郵送

      

【結果1】

・「盲導犬同伴で受け入れ拒否」に遭ったユーザーは48

回答のあった576人のうち、昨年1年間で拒否を経験した人は276人(48%)に及びました。2020年の調査では、拒否を経験した人は336人(52%)でしたので、ほぼ横ばいです。

「ある」と答えた276人について、拒否に遭った回数を聞いたところ、延べ1,144回にも上り、1人当たり平均4回の受け入れ拒否を経験していることがわかりました。

・拒否が発生する場所は、飲食店、交通機関、宿泊施設の順で多い

 結果は飲食店が圧倒的で488回(43%)、次いで電車・バス・タクシーなどの交通機関156回(14%)、宿泊施設が132回(12%)と続きました。(拒否発生回数1144回が母数・複数回答有)

 

・拒否の理由の多くは「犬はダメ」 

 「どんな理由で拒否をされましたか?」の問いに対して、「動物や犬はダメ」が169人(61%)と最多で、次いで「犬アレルギーや犬嫌いの人など他の人に迷惑がかかる」が134人(49%)、「犬を店の外に待たせる、外の席でなどの条件をつけられた」104人(38%)、「受け入れの前例がない」が96人(35%)と続きました。(拒否経験者276人が母数・複数回答有)

2020年の調査でも「動物や犬はダメ」が207人(62%)、最も多い回答で、前回調査から順位や比率に、ほぼ変化はありませんでした。

 

【考察1】

全国調査により、連合会加盟協会の半数近くのユーザーが、受け入れ拒否に遭っているという事実が明らかになりました。

未だ盲導犬に対する正しい理解が広まっていないことが伺えます。

補助犬法及び障害者差別解消法の周知と理解が急務であると考えます。

 

【結果2】

・社会参加を阻むICT技術の進化による「障壁」

 盲導犬ユーザーが社会参加する上で障壁と感じていることについて聞いたところ、「タッチパネルの操作ができない」とする内容が目立ち、さらにセルフレジやロボットによる配膳など、ICT技術の進化による障壁を感じている方が342人(59%)に上りました。

 その他には「オンライン講座で画面共有資料がわからない」、「無人駅が多く介助をしてもらえない」、「目が見えないからと思われているのか自分に話しかけず、家族や付き添っている人に話す人が多い」、「コンビニの店員に外国人が増え対応が難しい」など、さまざまなコメントが寄せられました。(1人が複数記述有) 詳細は添付報告書の8~9ページ参照

 

・障害に対する人々の理解 変化を感じていないユーザーが77

 「2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が義務化されましたが、この1年間で障害に対する人々の理解に変化があったと思いますか?」の問いに対して「良い変化があったと感じる」と答えた方は127人(22%)にとどまり、「変化したとは思わない」は446人(77%)でした。

 

【考察2】

今回、日々の暮らしの中で「社会的障壁」と感じていることを聞いてみたところ、ICT技術の進化によって新たに生じた課題が多く上げられました。更にタッチパネルなどの操作を従業員などに依頼したくても、「人員削減により援助依頼がしづらい」等、事業者側の視覚障害者への配慮が追い付いていないことが伺えます。

こうした社会的障壁を取り除くには、事業者による合理的配慮が必要ですが、ここ1年間で、障害に対する人々の理解については、「変化を感じない」、「法律があることを知らない人が多い」など、あまり変化はないと感じている視覚障害者が多数でした。

 

この調査結果を受けて、盲導犬や視覚障害へのより一層の理解促進が必要であると考えます。誰もが暮らしやすい社会を目指して、連合会加盟協会一丸となって取り組んでまいります。

 

【付記】

※1全国盲導犬施設連合会について

国家公安委員会から、道路交通法施行令によって盲導犬育成団体として指定されている団体は11あり、うち8団体が連合会に加盟

※2最新の厚生労働省の発表によると、2024年3月31日現在国内で実働している盲導犬は796頭、うち連合会加盟8団体では604頭(76%)

※3アンケート調査の回収率は96%(576人)。タンデム歩行(1頭の盲導犬を夫婦など2人で使う)の人もいるので、ユーザー数と盲導犬頭数は合致しません (詳細は添付の報告資料参照)

 

 

【全国盲導犬施設連合会 加盟団体】

公益財団法人北海道盲導犬協会  TEL:011-582-8222

〒005-0030 北海道札幌市南区南30条西8-1-1

 

公益財団法人東日本盲導犬協会  TEL:028-652-3883

〒321-0342 栃木県宇都宮市福岡町1285

 

公益財団法人日本盲導犬協会神奈川訓練センター

連絡先:東京事務所03-5452-1266

〒223-0056 神奈川県横浜市港北区新吉田町6001-9

 

社会福祉法人中部盲導犬協会  TEL:052-661-3111

〒455-0066 愛知県名古屋市港区寛政町3-41-1

 

公益財団法人関西盲導犬協会  TEL:0771-24-0323

〒621-0027 京都府亀岡市曽我部町犬飼未ヶ谷18-2

 

社会福祉法人日本ライトハウス盲導犬訓練所  TEL:0721-72-0914

〒585-0055大阪府南河内郡千早赤阪村東阪1202

 

社会福祉法人兵庫盲導犬協会  TEL:078-995-3481

〒651-2212 兵庫県神戸市西区押部谷町押部24

 

公益財団法人九州盲導犬協会  TEL:092-324-3169

〒819-1122 福岡県糸島市東702-1

 

 

【本件に関する問い合わせ先】

全国盲導犬施設連合会 

〒162-0065 東京都新宿区住吉町5-1吉村ビル2階

TEL:03-5367-9770/FAX:03-5367-9771

e-mail:info@gd-rengokai.jp

 

 

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