タービー®とテクベイリ®との併用 髄外性形質細胞腫を有する再発又は難治性多発性骨髄腫の治療法として申請

Johnson & Johnson

 


タービー®とテクベイリ®との併用療法 髄外性形質細胞腫を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫 に係る製造販売承認事項一部変更承認を申請
承認されれば、GPRC5DとBCMAを標的とする二重特異性抗体の併用療法は アンメットニーズを抱える髄外性形質細胞腫を有する 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対する初めての治療選択肢に

 

本申請はRedirecTT-1試験 第II相に基づく タービー®とテクベイリ®の併用療法は、主要評価項目である奏効率78.9%で深い奏効を達成し 1年無増悪生存率は61%を示す1

Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は31日、Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD (GPRC5D)とCD3を標的とする二重特異性抗体のタービー®[一般名:トアルクエタマブ(遺伝子組換え)]とB細胞成熟抗原(BCMA)とCD3を標的とする二重特異性抗体であるテクベイリ®[一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え)]との併用療法について、髄外性形質細胞腫(Extramedullary Disease:EMD)を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療法として、製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。

 

今回の申請は、EMDを有し、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38 モノクローナル抗体製剤の治療歴を有する(Triple class exposed:TCE)再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象にタービー®とテクベイリ®との併用療法の有効性及び安全性を評価したRedirecTT-1試験 第II相(NCT04586426)に基づくものです。

 

EMD は多発性骨髄腫において悪性度の高い病型であり、骨髄腫細胞が軟部組織や臓器などの骨髄外の他の場所へと広がって腫瘍 (形質細胞腫)を形成する疾患です。EMD を有する患者さんの治療選択肢は限られる場合が多く、予後は不良となる傾向にあることから、現在の標準治療では全奏効率(Overall Response Rate:ORR)が低く、早期に再発するのが現状です。EMDを有し、TCEの再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんのORRは平均40%未満で、無増悪生存期間(Progression Free Survival:PFS)の中央値は6カ月未満にとどまっています。2

 

Johnson & Johnson Innovative Medicine Oncology Therapeutic Area HeadのYusri Elsayed, M.D., M.H.Sc., Ph.D.は、次のように述べています。「私たちはこれまで日本において、20年近く、幅広いポートフォリオを世に送り出し、多くの多発性骨髄腫患者さんに貢献してきました。しかし髄外性形質細胞腫を有する多発性骨髄腫は、未だに十分な治療選択肢がなく、予後不良であり、アンメットニーズの非常に高い疾患です。私たちは二重特異性抗体であるタービーとテクベイリとの併用療法という新たな治療法の開発を通じ、この喫緊の課題に取り組んできました。新たな治療法を待っていらっしゃる患者さんに1日も早くお届けできるよう、引き続き当局と緊密に連携して参ります」

 

 

 

 

RedirecTT-1試験 第II相について

RedirecTT-1試験 第II相(NCT04586426)は、18歳以上で、EMD(うち19例は骨と連続した病変を有する)を有し、TCEの再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さん90例が登録されました。このうち、3クラスの薬剤に抵抗性を示す患者さんは84.4%、5クラスの薬剤(2つのプロテアソーム阻害剤、2つの免疫調節薬及び抗CD38モノクローナル抗体製剤)に抵抗性を示す患者さんは35.6%、BCMA標的CAR-T細胞療法による治療歴を有する患者さんは20%、FcRH5標的二重特異性抗体による治療歴を有する患者さんは8.9%でした1。タービー®とテクベイリ®の併用療法は、78.9%と高いORRを示し(95%信頼区間[CI]:69.0–86.8)、半数以上の患者さん(54.4%)が完全奏効以上を達成しました1。また、BCMA標的CAR-T細胞療法又はFcRH5標的二重特異性抗体による治療歴を有する患者さんにおいても、高いORRが認められました(BCMA標的CAR-T細胞療法:ORR 83.3%、FcRH5標的二重特異性抗体:ORR 75%)1。奏効を示した患者さんのうち、データカットオフ時点(追跡期間中央値13.4カ月)で深く持続的な奏効が認められ、本併用療法の投与を受けた患者さんの1年PFS率は61%でした1。また、本併用療法は持続的な奏効を示し、1年時点における奏効持続率は64.1%(奏効期間の中央値:13.8カ月)、1年時点における生存率は74.5%で、全生存期間の中央値は未到達でした1。

 

タービーについて

タービー®は、T細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫における新規の標的で、多発性骨髄腫細胞及び非悪性形質細胞の表面、また皮膚や舌の上皮細胞などの一部の正常組織の表面に高発現するGPRC5Dに結合するT細胞リダイレクト二重特異性抗体です3。

タービー®は、2024年3月、日本国内において希少疾病用医薬品の指定を受けており、2025年6月に再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)の治療薬として承認を取得しています。

また国外では、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象としたファースト・イン・クラスの二重特異性抗体として、2023年8月、米国食品医薬品局から迅速承認を取得し、欧州委員会から条件付き販売承認を取得しています。

 

テクベイリ®について

テクベイリ®は、投与前の調製不要な皮下注製剤です。BCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、免疫機能を活性化しがん細胞を死滅させます4。

テクベイリ®は、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の単剤療法として、2022年8月に欧州委員会から承認を取得5しています。また2022年10月には、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得6しています。また日本国内では、202412に再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)の治療薬として承認を取得しています。

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄内でがん化し、骨髄腫細胞となり異常に増殖することで生じる、治癒困難な血液がんです7,8。日本国内における2021 年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,800人9で、2023年の死亡者数は約4,300人9とされています。多発性骨髄腫は初期には無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球数の減少、疲労、カルシウム値の上昇や腎障害などの症状が現れる患者さんもいます10。

 

Johnson & Johnson について 

Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。 

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について 

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報は www.jnj.com/innovativemedicine/japan/ をご覧ください。

 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びテクベイリ®、タービー®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性は、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.govwww.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: JP-PR@its.jnj.com

 

参考文献

1 Ho, M.; Paruzzo, L.; Minehart, J.; Nabar, N.; Noll, J.H.; Luo, T.; Garfall, A.; Zanwar, S. Extramedullary Multiple Myeloma: Challenges and Opportunities. Curr. Oncol. 2025, 32, 182. https://doi.org/10.3390/curroncol32030182

 

2 Philippe Moreau et al, Outcomes of Patients With Extramedullary Disease in Triple-Class Exposed Relapsed/Refractory Multiple Myeloma From the Pooled LocoMMotion and MoMMent Studies, Clinical Lymphoma, Myeloma and Leukemia, https://doi.org/10.1016/j.clml.2025.03.

 

3 TALVEY™ U.S. Prescribing Information.

 

4 Padala SA et al. Epidemiology, Staging, and Management of Multiple Myeloma. Med Sci (Basel). 2021;9(1):3.

 

5 European Medicines Agency. TECVAYLI Summary of Product Characteristics. Last accessed: September 2025.

 

6 https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-approves-teclistamab-cqyv-relapsed-or-refractory-multiple-myeloma Last accessed: October 2025

 

7 Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.

 

8 American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: October 2025.

 

9 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1. Last accessed: October 2025.

10 American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: October 2025.

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