帝国ホテル 京都 本棟 国登録有形文化財として継続登録

新登録名称は「旧弥栄会館」に

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2026年7月15日10:00

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帝国ホテル 京都 本棟 国登録有形文化財として継続登録 新登録名称は「旧弥栄会館」に

 

                             photo Masatomo Moriyama

 

「弥栄会館」の一部を保存・活用し、20263月に開業した帝国ホテル 京都

 

 株式会社帝国ホテルが運営する帝国ホテル 京都の本棟である、登録有形文化財(建造物)「弥栄会館」は、国の文化審議会の審議を経て、本年7月9日、「旧弥栄会館」として登録有形文化財(建造物)の登録が継続されました。

 

 国の登録有形文化財ならびに京都市の歴史的風致形成建造物である「弥栄会館」は、建物の老朽化や耐震性の問題により本来の用途である劇場を含む大部分が使用されなくなっていました。文化的な価値のある歴史的建造物が、老朽化や耐震性の問題によって何らかの改善が必要になった時に、やむなく解体されるケースも多い中、当社は弥栄会館の一部を保存・活用し、「帝国ホテル 京都」として本年3月5日に開業いたしました。(設計施工:株式会社 大林組)

 

 登録有形文化財の建造物は、建築面積の変更や外観を変更する範囲が通常望見できる4分の1を超える場合、現状変更の届出が必要になります。帝国ホテル 京都の本棟は、保存範囲が縮小したものの、外壁2面および躯体の保存、外壁タイル・テラコッタの保存と再利用、銅板屋根や飾り金物の更新などを実施しました。これらにより、建築物の最も重要な要素である立面構成について、価値が十分に保持され、新たな生命を与えられたとして、このたび登録有形文化財(建造物)「旧弥栄会館」として登録が継続されました。このことは全国的にも注目されるケースです。

 

□本棟の保存について

●外壁の保存

景観継承の観点から南西面の外壁を残す必要があったほか、施工中の安全性も考慮し、構造体の解体と補強が並行して行われました。また、外装材であるタイルとテラコッタの保存・再利用、外観の特徴である軒庇の保存を行いました。 


 ●外壁タイルの保存

地元の人達や観光客の目につきやすい南西側の外壁のタイルの大半は、剥落防止措置を行いそのまま残した部分と、“生け捕り”し再利用して貼り直した部分から構成されます。“生け捕り”とは、再利用を前提に、既存の材料に損傷を与えないように取り外すことです。本工事では、外観を構成していたオリジナルのタイル 16,387 枚(解体前建物全体の 10.6 %)を生け捕ることができました。

 

提供 株式会社大林組 

 

 

● 外壁テラコッタレリーフの保存

 外観のもう一つの特徴が、壁面の装飾部材であるテラコッタのレリーフです。劣化の状態に応じて修復し、アンカーピンを打ち付けて固定しています。文様は自然や和を感じさせる唐草文様の一種「宝相華(ほうそうげ)」です。  

 

 

 

● 銅板屋根の更新 

弥栄会館の外観で印象的な屋根は、劣化していたため新たに作り直しました。銅板を使用して、オリジナルの形状と寸法を忠実に再現しました。時間経過とともに銅色から濃茶色、黒色、緑色へと変化し、やがて工事前のような屋根色になることを想定しています。また、軒丸の“歌”の刻印も再現しています。

 

 

 

●風除室の保存

正面玄関の風除室まわりは、天井と壁材の一部を保存して再利用しました。内装においても、天井で使用されていた、梅の枝の文様が描かれた創建時のエッチングガラスを再利用しています。

 

 

■帝国ホテル 京都と弥栄会館について

 帝国ホテル 京都は、祇園甲部歌舞練場敷地内にある国の登録有形文化財「弥栄会館(やさかかいかん)」の一部を保存・活用したホテルです。その貴重なレガシーを継承しつつ、新たな息吹をもたらし未来に貢献することを目指しています。

 内装は株式会社新素材研究所の榊田倫之氏が手掛け、弥栄会館の意匠を受け継ぎつつ、日本古来の自然素材などを用い、五感に訴えかける寛ぎの空間を創出しています。

公式HP: https://www.imperialhotel.co.jp/kyoto

 

※榊田氏の榊は<木ヘンに神>

 

弥栄会館(やさかかいかん)

1936年(昭和11年)竣工

2001年(平成13年)国登録有形文化財に登録

2011年(平成23年)歴史的風致形成建造物に指定

2026年(令和8年) 国登録有形文化財(建造物)の名称変更、旧弥栄会館

歌舞練場を補完する目的と「社会の進展に適應する會館の必要を感じ」(『弥栄會館建築趣旨草稿』)建設された。鉄骨鉄筋コンクリート造、地上5階地下1階建の劇場建築で設計は株式会社大林組の木村得三郎による。各階に銅板瓦葺き屋根をかけ、塔屋状の正面中央部は付庇(つけびさし)や宝形造屋根(ほうぎょうづくりやね)が城郭の天守を思わせる造形で、和風意匠の伝統を巧みに織り込んでいる。当初、演劇や人形浄瑠璃などに用いられたが、その後、映画館やダンスホール、コンサートなど各種興業にも利用され、地域の人達から親しまれてきた。

 

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