【海外リサーチ】中国インバウンド消費「春節で中国人は温水便座を買った?」反響分析
株式会社ホットリンクと普千(上海)商務諮訊有限公司では、中国本土で話題になっている事件・社会現象等を「新浪微博(シナウェイボー)」データより分析し、中国に進出している日系企業に向けてお届けします。今回は、中国の旧正月(春節)での中国インバウンド消費についての調査です。
2015年3月2日(月)
株式会社ホットリンク
【海外リサーチ】中国インバウンド消費
「春節で中国人は温水便座を買った?」
新浪微博(シナウェイボー)反響分析
株式会社ホットリンクと普千(上海)商務諮訊有限公司では、中国本土で話題になっている事件・社会現象等を「新浪微博(シナウェイボー)」データより分析し、中国に進出している日系企業に向けてお届けします。
2月18日からスタートした大型連休、中国の旧正月(春節)が24日に終了しました。メディアの報道によると、今年の春節期間に帰省や旅行で中国国内外を移動した人々の数は1日平均7,000万人、旧正月期間の人々の移動を意味する「春運(chun yun)」期間中の移動人口は延べ28億人で過去最高を記録しました。
春運大混雑、1日7,000万人が移動、40日間の移動人口は延べ28億人、欧米4大大陸の総人口が全て引っ越す規模に相当
http://www.chinatimes.com/cn/newspapers/20150216000834-260309
これだけの人々が移動する春節ですから、消費規模も当然ながら凄まじく、2015年春節期間中の流通及び飲食業における売り上げは6,780億元(約12兆8,820億円)に達しました。
2015年春節連休中の消費小売額前年比11%増
http://news.xinhuanet.com/2015-02/24/c_1114423360.htm
中国で、一年間で最も人とお金が動く春節(旧正月)期間は、日本を訪れる中国人が最も多くなる時期でもあります。低迷する日本の消費の穴埋めを期待される訪日中国人の春節期間の旅行者数は45万人、消費額は、約60億元(約1,140億円)と、今年も期待を裏切らない数字をたたき出しました。また、中国人が日本に押し寄せて大量に買い物するいわゆる「爆買い」現象は、中国のメディアやソーシャルメディアでも例年にないほど注目を集めました。
香港メディア:春節中の訪日中国人45万人、1,000億円以上を落とす
http://china.cankaoxiaoxi.com/2015/0225/677775.shtml
中国人、春節に日本でいくら使った?なんと60億元!!!
http://v.tieba.com/p/3601569958
そこで今回は、ソーシャルメディアへの書き込みから春節期間中に訪日中国人が日本で買ったモノについて分析してみたいと思います。
※今回の分析のモニター対象メディア:新浪ウェイボー、騰訊ウェイボー、Wechat
(注:Wechatは表示設定がオープンにされているデータを使用)
訪日中国人が日本で購入したモノとして圧倒的に多かったのは「医薬品」でした。安全、安心、値段も安く、かさばらず、大量に購入して持ち帰ることが可能な医薬品は訪日中国人に最も人気がある商品です。中国では薬は値段が高く、種類も少ないため、日本のドラッグストアを訪れる中国人は日本の医薬品の種類の豊富さと値段の安さに驚くようです。
また、中国のソーシャルメディアでも「日本で買うべき神薬12選」等のトピックスが大変人気があり、日本へ旅行する多くの人がこの書き込みをみていることも、医薬品人気の要因の一つと言えるかもしれません。
日本へ行ったら買うべき神薬12選
第二位には「化粧品」がランクインしています。日本の化粧品は医薬品同様に、種類が多く、値段が安く、かさばらないため、特にお土産用として人気があります。メイクアップ系とスキンケア系では、個人の好みが分かれにくいスキンケア系の化粧品の人気が高いようです。
第三位には「温水洗浄便座」がランクイン。中国でも同様の製品を買うことはできますが、やはり値段が高いのと、中国の人は「日本の製品のほうが品質が良い」と考えているため日本で購入することが多いようです。“温水洗浄便座を設置すると家の格が上がる”、“お年寄りが座る便座は温かいほうが良い”等、心理的なニーズと物理的なニーズの双方を満足させることができる優れた日本の商品として、最近になり評価が急上昇している日本製品の一つです。
以下、炊飯器、紙おむつ、魔法瓶、アニメグッズ、デジタル製品等、定番の日本土産が続きますが、今回の春節期間の調査で目立ったのは「工芸品」、「貴金属」、「絵画」等の商品です。これらは、個人として楽しむ或いはお土産用というよりは、資産として富裕層が購入しているようです。不動産、株式に続く資産として、工芸品、貴金属、絵画等は非常に人気があり、円安の現在、日本でこれらの商品を購入する中国人が増えています。
●主な書き込みピックアップ(日本語訳)
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・便秘薬だけで何種類あるんだ?目移りして選べないよ。
・このドラッグストアごと買い占めたい、欲しいものが多すぎる、なんでこんな安いの?
・頭痛薬を20箱購入、中国じゃ薬なんて怖くて買えないし、買いだめだ!
・日本は化粧品天国だから、適当に買うだけでもお土産として喜ばれるのが素晴らしい。
・脂肪燃焼クリーム4つ買った、中国だと3倍くらいする。
・温水洗浄便座ゲット!家にこれがあるとお客さんが来たときに面子が立つな。
・便座が温かいのは素晴らしい、うちは両親が高齢だから、冬の便座は本当に危ないし。
・便座安!でも薬みたいに買いだめできないのがつらい。
・待ちきれなくてホテルで炊いた、日本の炊飯器、日本の米、日本の水、別次元の美味!
・炊飯器一つしか買わなくて後悔、これは友人にも薦めたい。
・魔法瓶買ってからスタバでコーヒー買わなくなった、保温力がすごい。
・ああ、ワンピース、トーキョーグールの画集手に入れた、もう思い残すことはない。
・日本はフィギュアの品質が高い、値段も高いけどそれだけの価値はあるね。
・日本は知育玩具の種類が多くていいな、中国で買うと高いし、種類が少ないから。
・日本の子供のオモチャは大人も遊びたくなるね、自分用にけん玉を購入。
・消しゴムいい香り、ノートも可愛らしい、ペン書きやすい、休み明けの学校は日本の文房具でそろえるよ。
・南部鉄器が中国で買うよりだいぶ安い、鉄瓶二つ購入。
・これだけ円安だと貴金属も絵画も買い放題、時間が無い、もっとお店回りたい。
まとめ
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ソーシャルメディアの書き込み内容をみても、日本を訪れる中国の人々は、日本での買い物を満喫していることがわかります。高い品質とサービス、安心できる買い物環境、お手頃な価格を実現している日本は、中国の人々からすればこの世の天国と言っても過言ではない場所となりつつあります、訪日中国人に対応するための様々なサービスの整備が進んでいることも、日本人気の高まりを後押ししているといえるでしょう。ソーシャルメディアに書き込まれていた、訪日中国人の下の書き込みはまさにそのことを象徴しており、今後も中国人の日本における「爆買い」の勢いはしばらく収まることはないと思われます。
日本旅行を終えたある中国の人の書き込み
日本での買い物を経験したら、中国で買い物ができなくなる
以上
■株式会社ホットリンクについて(http://www.hottolink.co.jp/)
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ホットリンクは、ソーシャル・ビッグデータを分析・加工し、ビジネスへの有効活用を支援するクラウドプラットフォームベンダーです。大量のソーシャル・ビッグデータで風評をモニタリングする「e-mining」、及び、リアルタイムに検索・分析が可能な「クチコミ@係長」を、現在まで累計1600 社以上に提供してまいりました。また同様に、ソーシャル・ビッグデータおよび、感情/属性分析エンジンを、API を通じてサードパーティ向けに提供しています。また、2013年 6月より金融分野では、日本企業初のBloomberg 利用者向け金融ビッグデータ分析ツールを提供しています。
■普千(上海)商務諮訊有限公司について
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2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社ホットリンク
- 所在地 東京都
- 業種 ソフトウエア・SI
- URL http://hottolink.co.jp/
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