かかりつけ薬局を持つ人は4割、薬局の人的対応面を重視傾向~一般市民の医薬品及び医療に関する意識調査~

くすりの適正使用協議会は、医薬品・医療に関する一般市民の意識について5年毎に調査を行っています。今回の調査では、かかりつけ薬局を決めている人は4割に増加し、薬局の人的対応面を重視する傾向が見られました。一方、処方薬を指示通りに使わなかった人では、余った処方薬を捨てずに使いまわす人が4割に達しました。

2016年3月30日

一般社団法人 くすりの適正使用協議会

~かかりつけ薬局を決めている人は4割に増加、薬局の人的対応面を重視する傾向~

『一般市民の医薬品および医療に関する意識の定点調査』速報

 一般社団法人 くすりの適正使用協議会(東京都・中央区、理事長:黒川 達夫)は、医薬品・医療に関する一般市民の意識の変化を把握するため、2000年より5年毎に定点調査を実施しています。

 今回、2015年度調査を実施しましたので、その結果の一部を速報版としてご紹介します。

1.主な調査結果

①かかりつけ薬局を決めている人は4割に増加、薬局の人的対応面を重視する傾向

・かかりつけ薬局を決めている人は2010年の34.0%から7ポイントUPし40.7%へ

・決め手として、2010年は立地が重要なポイントとして挙げられていたが、今回はスタッフの対応など薬局の人的対応面を重視する傾向

・ジェネリック医薬品の取り揃えも決め手のひとつに

②処方薬を指示通りに使わなかった人では、余った処方薬を捨てずに使いまわす人が4割

・処方薬をきちんと指示通りに使う人が42.3%に増えたが、指示通りに使わなかった人では、余った処方薬を保存しておいて同じ症状の時に使ったり、家族に分けるなど使いまわす人が38.0%

・特に慢性疾患で通院中の人は、使いまわす傾向が高い

・処方薬が余ったことを医師や薬剤師に伝えるべきと思っている人は22.5%に留まる

③お薬手帳は2人に1人が利用、5年で2割以上UP

④薬の説明を印刷物で欲しい人が6割以上

⑤副作用発生時には薬剤師に相談する人が年を追うごとに増加

⑥医薬品副作用被害救済制度、医薬品教育とも認知度は低い

※①~⑥のグラフはPDF資料を参照

2.調査結果をうけて

 2015年度調査では、この5年で、「かかりつけ薬局」や「お薬手帳」の啓発・活用が着実に進んでいることが明らかとなりました。特にかかりつけ薬局の選択理由として、これまでの立地重視から、薬局での人的対応を重視する方向にシフトしているなど、これからの薬局のあり方が多方面から示される中、一般の方々の意識が少しずつ変化し始めていることが伺えました。

 また処方薬をきちんと指示通り使う人は4割に増え、処方薬による副作用が出たと思われた時には医師や、特に薬剤師へ相談する人が増えてきていることから、医薬品の適正使用に関する意識が、少しずつ一般の方々に浸透していることが分かりました。

 一方、薬の説明を印刷物の形で、かつ帰宅してから確認できる詳しい内容のものを求めている人がいることや、処方薬は依然として6割の人できちんと指示通り使えておらず、その結果余った処方薬を使いまわしている現状があり、更なる啓発や「くすりのしおり」などの資材の充実の必要性を感じています。

 協議会では、現在の医療及び薬物療法と一般の方々の意識にあった医薬品適正使用の普及・啓発をより一層進めていきたいと考えています。

 なお、今回の調査ではその他の項目についても確認しており、それらの結果については6月頃の公表を予定しています。

【調査概要】

調査手法 :インターネット調査

調査期間 :2015年12月15日(火) ~ 2015年12月16日(水)

調査対象者:2015年における20-69歳の全国成人男女1,500人 ※年齢構成に合わせた層化抽出を行った

【本リリースのPDF版】

当協議会ホームページをご参照ください。

http://www.rad-ar.or.jp/information/pdf/nr15-160330.pdf

■一般社団法人 くすりの適正使用協議会とは

一般社団法人 くすりの適正使用協議会は、くすりのリスクとベネフィットを検証し、社会に提示することで患者さんのメリットに寄与することを目的に、1989年に当時の研究開発指向型製薬企業11社によって設立されました。創設当初より、医薬品の本質を評価する学問「薬剤疫学」の普及、医薬品適正使用情報「くすりのしおり」の提供など、医薬品の本質の理解促進と正しい使い方の啓発活動を行ってまいりました。

2012年度からは「医薬品リテラシーの育成と活用」をキーコンセプトに活動を行っています。

http://www.rad-ar.or.jp

[製薬企業会員]

旭化成ファーマ㈱ アステラス製薬㈱ アストラゼネカ㈱ アッヴィ(同) エーザイ㈱ 大塚製薬㈱ キッセイ薬品工業㈱ 協和発酵キリン㈱ 興和㈱

塩野義製薬㈱ サノフィ㈱ 第一三共㈱ 大正製薬㈱ 大日本住友製薬㈱ 武田薬品工業㈱ 田辺三菱製薬㈱ 中外製薬㈱ 東和薬品㈱ 

日本新薬㈱ ノバルティス ファーマ㈱ ノボ ノルディスク ファーマ㈱ マルホ㈱ Meiji Seika ファルマ㈱  (23社、五十音順)

[賛助会員] シミック株式会社 (1 社) 

[個人会員] (4名)

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プレスリリース添付画像

かかりつけ薬局の有無と選択理由

余った処方薬の取扱いと意識

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  • 所在地 東京都
  • 業種 医薬品
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