脳の発生に重要な新しい因子を発見
SUMO化によるミトコンドリア形態制御を介した脳発生調節機構を明らかに
本発表の詳細は、早稲田大学Webページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/77238
発表のポイント
●脱SUMO化酵素Senp5の新規アイソフォーム(Senp5S)を発見し、Senp5Sが他の脱SUMO化酵素群と拮抗することでSUMO化を促進することを明らかにした。
●SUMO化と脱SUMO化のバランスによりミトコンドリアの形態が制御されることを明らかにした。
●SUMO化と脱SUMO化のバランスが正常な脳の発生に重要であることを明らかにした。
早稲田大学人間科学学術院の榊原伸一(さかきばらしんいち)教授と山田晴也(やまだせいや)助手らの研究グループは、タンパク質の翻訳後修飾の1つであるSUMO化による新しい脳発生の調節機構をこのたび明らかにしました。
SUMO化を調節する重要な因子として、SUMOを標的タンパク質から切り離す働きを持つ脱SUMO化酵素群Senps (Senp1-8)が知られています。SUMO化と脱SUMO化の調節サイクルはアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患、がん、心臓病など様々な疾患に関与し、我々が生きる上で重要な生命現象です。しかし、その制御機構には未解明な点が多く、脳の発達に与える影響に関しても不明でした。
本研究グループはSenp5に着目し、これまで未報告であったSenp5の新しいアイソフォーム(Senp5S)を発見しました。そして、このSenp5Sと従来型のSenp5 (Senp5L)がSUMO化と脱SUMO化のバランスを調節することで細胞内のミトコンドリアの形態を制御し、正常な脳の発生を調節することを明らかにしました(図1)。
本研究で明らかにされたSUMO化によるミトコンドリア形態制御機構が、様々な疾患発症原因の解明に寄与できると期待されます。
本研究成果は、米国のオープンアクセスジャーナル『iScience』のオンライン版に2021年12月10日(金)(米国東部標準時)に掲載されました。
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