高分子固体電解質をAIによる機械学習で自動設計する新たな手法を開発
2022年7月22日
早稲田大学
本発表の詳細は、早稲田大学のホームページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/82180
■発表のポイント
・全固体二次電池で用いられる高分子固体電解質をAIによる機械学習で自動設計する新たな手法を開発した。
・本手法の開発には、機械学習手法の工夫に加え、膨大な候補群の中から最適な分子設計を高速抽出するために量子インスパイアード技術である富士通の「デジタルアニーラ」※1を用いた。
・本手法により、データ科学を活用した機能性材料の探索研究の効率化が見込まれる。
早稲田大学理工学術院の畠山 歓(はたけやま かん)講師および小柳津 研一(おやいづ けんいち)教授らの研究グループは富士通株式会社と協力し、全固体二次電池で用いられる高分子固体電解質をAI(人工知能)による機械学習で自動設計する新たな手法を開発しました。
AI技術の発展に伴い、コンピュータによる分子設計の自動化技術が注目を集めていますが、AIは特定の情報しか学習していないため、分子設計の総合的なセンスが欠落しています。そのため、社会実装には適さない候補構造ばかりが提案されることが大きな課題となっていました。
今回研究グループは、AIを用いたアルゴリズムによって材料が満たすべき分子構造の特徴を自動定義し、さらに膨大な候補群の中から最適な分子設計を抽出するため、組合せ最適化問題を高速に解く量子インスパイアード技術である富士通の「デジタルアニーラ」を用いることによって、新たな分子設計システムの構築に成功しました。今回明らかにした手法により、データ科学を活用した機能性材料の探索研究の効率化が見込まれます。研究グループは、今後も異分野のエキスパートと連携しながら、AI技術と新素材の開発を両輪で進めていきます。
本研究成果は、2022年6月27日(月)に『Macromolecular Rapid Communications』のオンライン版で公開されました。
※1 「デジタルアニーラ」
現在の汎用コンピュータでは解くことが困難な組合せ最適化問題を高速に解く富士通独自の量子インスパイアード技術。
参考サイト: https://www.fujitsu.com/jp/digitalannealer/
【論文情報】
雑誌名:Macromolecular Rapid Communications
論文名:Automated Design of Li+-Conducting Polymer by Quantum-Inspired Annealing
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 早稲田大学
- 所在地 東京都
- 業種 大学
- URL https://www.waseda.jp/top/
過去に配信したプレスリリース
株式市場と貸株市場の相互連関
10/3 14:00
誘電正接0.001未満を実現―世界最高水準の低誘電材料を発見
10/2 14:00
見過ごせない学級閉鎖の影響、家庭の経済状況で学力に差
10/2 12:00
アメリカにおける非正規メキシコ移民と在外投票
10/1 11:00
地域と社会の交差点に:早稲田大学GCC Common Roomがオープン
9/30 15:20
【早稲田大学】第25回 早稲田ジャーナリズム大賞ファイナリスト発表
9/25 14:00
早稲田大学の研究者が学問の魅力を語るPodcast番組 ”博士一歩前”新シリーズ配信開始
9/18 16:00