英国空母打撃群による東京寄港
日英戦略的パートナーシップおよびインド太平洋地域へのコミットメントを一層明確に
2025年8月6日
駐日英国大使館
英国空母打撃群(CSG)の旗艦であるHMSプリンス・オブ・ウェールズは、日本を含むインド太平洋地域への8か月間にわたる「ハイマスト作戦(Operation HIGHMAST)」の一環として、本年8月下旬から9月上旬にかけて東京へ寄港します。
この展開は、英国政府の「変化に向けた計画」(Plan for Change)」に示された、インド太平洋地域における平和・安全・繁栄に対する英国のコミットメントを改めて強調するものであり、英国の「国内の安全確保」と「国際的な強さの維持」という使命を支えるとともに、経済成長と国家安全保障に不可欠な国際的パートナーシップの強化を目的としています。
空母打撃群の寄港は、日英防衛協力の深化、共同活動を通じた相互運用性の向上、地域的な課題に関する対話の促進の機会となります。今回の展開は、日本と英国のパートナーシップの深化を体現するものであり、包括的経済連携協定(CEPA)、円滑化協定(RAA)、そしてグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)を含む、強化されたグローバル戦略的パートナーシップを通じて築かれた前例のない協力関係を示しています。
戦略的パートナーシップの実践
欧州およびアジアにおける最も緊密な安全保障パートナーである日英両国は、基本的価値観を共有し、共通の課題に直面しています。CSGの日本訪問、特にHMSプリンス・オブ・ウェールズによる東京への寄港は、政治・防衛・経済・文化にわたる多層的協力関係の中で、現代の日英関係を特徴付ける重要な節目となります。
ジュリア・ロングボトム駐日英国大使のコメント:
「HMSプリンス・オブ・ウェールズの東京寄港は、安全で繁栄したインド太平洋地域を支援するという英国の強いコミットメントを明確に示すものであり、日本とのパートナーシップの深さを象徴しています。信頼できる同志国として、我々は防衛、経済、文化の各分野で協力を強化しています。本訪問は、地域の安定を守る我々の共同の決意、そしてイノベーション、繁栄、持続可能な次世代のための未来を共に目指す意志を示しています。」
複数日にわたる交流プログラム
東京寄港期間中には、複数日にわたるプログラムが実施され、主な行事として、二国間協力および地域パートナーシップを強化するイベントが行われます。主な行事には、防衛・安全保障・産業界のリーダーが集い、安全保障課題(先端技術から経済安全保障まで)を議論するパシフィック・フューチャー・フォーラム等が含まれます。また、防衛・安全保障産業デー(DSID)においては、英国の防衛能力とイノベーションを紹介し、英国企業が世界最先端の技術を披露する機会となります。さらに、宇宙、サイバー、先進技術を含む分野で、日英間の新たな連携の可能性を探ります。
世界規模での前例なき展開
「ハイマスト作戦(Operation HIGHMAST)」は、英国において最大規模となる海上展開であり、英国海軍(2,500名)、空軍(592名)、陸軍(900名)あわせて約4,000名が参加します。8か月間で26,000海里以上を航行し、40か国以上を訪問、70件を超える交流・演習・作戦を実施します。CSGは12か国から艦艇または人員の支援を受けています。ノルウェーは展開の全期間にわたって艦艇を提供しているほか、カナダ、スペイン、ニュージーランドも艦艇を派遣しており、本展開は真の国際的パートナーシップを示しています。
英国のイノベーションと創造性の発揮
HMSプリンス・オブ・ウェールズは、英国が誇る世界最先端の海軍技術と統合運用能力を体現し、高度な軍事即応性と技術的優位性を示しています。本艦は、最新鋭の技術と伝統的な英国の海洋技術を融合し、英国のイノベーションを集約しています。最大24機のF-35BライトニングII戦闘機を、英国海軍と英国空軍双方の飛行隊から搭載しており、HMSプリンス・オブ・ウェールズは英国海軍がこれまで展開した中で最大規模の第5世代機の集中展開を示しています。これらのシステムは、英国の防衛技術イノベーションを示すとともに、将来のUK-Japan共同開発プロジェクトの礎となります。英国の産業戦略は、安全保障のみならず、高付加価値な雇用創出、イノベーション、両国の経済成長をも促進します。日英の防衛産業協力は、航空宇宙、サイバー、テクノロジー分野で両国の競争力を強化し、グローバルな課題解決に資する応用の推進に寄与しています。
海洋安全保障と地球規模課題の守護者
CSGの日本展開は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた具体的行動であり、地域の安定に対する英国の揺るぎない関与を示すものです。日英両国は、海洋国家として、海上のルールに基づく秩序を守る責任を共有し、すべての国にとっての自由かつ安全な航行を確保します。CSGの寄港は、海洋安全保障、サイバー脅威、新興技術の安全な発展など、両国の複雑な安全保障課題に対する協調姿勢を強化します。この協力的アプローチは、両国国民の繁栄と未来に関わる安全保障上の懸念に対処します。英国政府の外務国際開発大臣および国防大臣は、先月オーストラリアを訪れ、史上最大規模の豪州主催軍事演習「タリスマン・セイバー(Talisman Sabre)」を視察しました。本演習にはCSG及び3,000名の英国要員が参加しました。AUKUS協定諸国は、日本とともにロボティクスや自律化技術の防衛利用の分野で協力を強化しました。
英国の貿易・経済成長の促進
本展開は、英国政府の「新たな産業戦略(Modern Industrial Strategy)」を一層推進し、経済成長の機会を創出します。シンガポール、インドネシア、日本、韓国への寄港では、英国の防衛能力をトレード・デモンストレーションや展示会で紹介し、英国の輸出及び国際貿易を後押しします。インド太平洋地域は、英国貿易の17%を占める重要な市場であり、2024年9月までの12か月間で2860億ポンドの物品・サービスが取引されています。本展開は、CEPA及び、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)の下で、英国企業の貿易促進と経済成長、雇用創出の基盤となります。
持続可能な未来志向の連携の構築
政府間や軍と自衛隊のパートナーシップに加え、英国の日本との関係は、市民社会、ビジネス、文化、学術、そして人と人の交流にまで広がっています。この包括的な繋がりによって、英国と日本の人々が関心を寄せる世界的な課題に共に取り組むことが可能になります。英国はこの繋がりと、それを支える両国間の多様な関係に、今後もそして未来の世代のためにも投資していくことを約束します。
CSGの日本訪問、そしてHMSプリンス・オブ・ウェールズの東京寄港は、日英パートナーシップにおける忘れがたい瞬間となるでしょう。
今後、具体的なプログラムや会場の詳細は追って発表します。
参考情報
ハイマスト作戦は、英国海軍(2,500名)、英国空軍(592名)、英国陸軍(900名)合計約4,000名が参加します。
タリスマン・セイバー演習には3,000名の英国要員が参加しました。
本展開にはノルウェー、カナダ、スペイン、ニュージーランド等、12か国が艦艇や人員を提供しています。
CSGは8か月間で26,000海里超を航行し、40か国以上を訪問します。これは2021年の空母クイーン・エリザベス展開(26,000海里、40か国訪問)に続くものです。
英国政府は防衛費をGDP比2.6%へ増額する方針です。
GCAP本部はレディングに設置されており、日英伊3か国共同のGCAPが進行中です。
英国とインド太平洋地域との貿易は英国全体の17%、年額2,860億ポンドを占めます。
日本は英国の第15位の貿易相手国であり、2024年第3四半期までの1年間で英国から日本への輸出は14.7億ポンド、日本から英国への輸入は12.4億ポンドでした。
日本の2023年の対英投資額は過去最高の177億ポンドであり、グリーンエネルギー、洋上風力、不動産、量子技術など多様な分野をカバーします。英国は2023年、日本企業の投資先として第2位となりました。
寄港期間中、寄港予定ターミナルではアクセス制限が実施されます。
Sources:
- Royal Navy aircraft carrier in final preparation to lead multinational deployment to Mediterranean and Indo-Pacific, 8 April 2025
- UK Carrier Strike Group contributes to Exercise Talisman Sabre, 22 July 2025
- Boost to UK defence and trade as Carrier Strike Group arrives in the Indo-Pacific, 17 June 2025
- Norway to join UK Navy deployment to Indo-Pacific next year, 6 August 2024
- Global Combat Air Programme Joint Statement: 7 July 2025:
- UK-Japan military exercise starts today as Defence Ministers discuss closer cooperation, 16 January 2025
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- 名称 駐日英国大使館
- 所在地 東京都
- 業種 政府・官公庁
- URL https://www.gov.uk/world/organisations/british-embassy-tokyo
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