積水ハウス、博報堂と共同プロジェクトを開始

住まい手の生活行動ビッグデータのAI 解析で行動の源泉(潜在意識)を可視化

積水ハウス

2023年9月20日

積水ハウス株式会社

株式会社 博報堂

■様々なサービス提供者との新サービスの共創を目指す

 

積水ハウス株式会社は2021年12月から提供しているスマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウス タッチ)」の発売以降1,800邸を超えるお客様にサービスを提供し、当該サービスを通じて様々なデータを蓄積してきました。この度、株式会社博報堂との共同プロジェクトを通じて、蓄積したビッグデータのAI解析を用いて、住まい手の無意識の部分である「行動の源泉」(潜在意識)などを可視化することで、プラットフォームハウス構想における「健康・つながり・学びのサービスのキュレーション」に向けた取り組みを開始します。

 

 

 

両社は蓄積されたデータをサービス提供者へ広く提供する共創データベースの構築を目指しています。サービス提供者は当該基盤で提供された「生活モーメント」や「生活習慣」、「行動の源泉」をもとに住まい手のニーズを先回りして捉えることで、それぞれの住まい手に寄り添ったサービス(新しいサービス、既存サービスのバージョンアップ)の開発・提供を行うことが可能となります。これにより、新たなサービス提供者とともに、住まい手の「人生100年時代の幸せをアシストする」ことを目指します。

 

【付帯情報】

 

PLATFORM HOUSE touch」を通じて蓄積されるデータ

スマートフォンでコントロールできるスマート家電は世の中に多く存在しますが、そのログは間取りや家族構成などとの関連性のない、単純な「操作ログ」となっています。一方 、「PLATFORM HOUSE touch」では、間取りや家族構成などと紐づいた「生活ログ」としてデータが蓄積されます。

 

プラットフォームハウスアプリ画面

「生活ログ」から「生活モーメント」「生活習慣」「行動の源泉」を可視化

「PLATFORM HOUSE touch」では、窓シャッターの開閉や玄関ドアの施解錠など、住まいの中の無意識の住まいの操作に関するデータを単なるログデータとしてではなく、間取りや家族構成と紐づけた住まい全体に関わる生活の総合データ「生活ログ」として蓄積しています。蓄積された「生活ログ」を、個人情報を排した形でAIを使用して解析することで「生活モーメント(商標出願中)」(生活ログ単体や、組み合わせることで見える、住まい手の特徴的な生活意識が現れる瞬間)を推測・可視化、さらに「生活モーメント」をAI解析することで、住まい手の「生活習慣」や「行動の源泉(潜在意識)」も可視化します。これにより、日々の暮らしから住まい手の無意識の可視化が可能となり、将来的には各データをサービス提供者へ提供し、住まい手に寄り添ったサービスを促進したいと考えています。

 

積水ハウスがプラットフォームハウス構想で目指す姿

 

 

データの解析

今回のプロジェクトで、住まい手が持ち得る行動の源泉(潜在意識)を、蓄積された「生活ログ」の解析により導き出せることになります。2023年度内に解析のプロセスをアルゴリズム化することでAIによる解析が可能になり、「PLATFORM HOUSE touch」を採用された住まい手の普段の生活から、行動の源泉(潜在意識)を可視化することが可能となります。



データ活用の安全性

「PLATFORM HOUSE touch」は、様々な接続機器と通信し、住まい手の情報を活用するため、CCDS認証*1を取得するなど宅内におけるセキュリティ対策を最重要課題として取り組んできました。蓄積されたデータは、住まい手へより豊かな暮らしを提供するために利用し、また、事前に同意を得た住まい手のデータのみを解析に利用することで、住まい手に安心して「PLATFORM HOUSE touch」を使用していただける環境を確保します。

また、住まい手個人や家族に寄り添ったサービスの提案を目指し、サービス提供者とのデータ連携を行う予定ですが、データ提供の際はオプトインを実施し、サービス提供を希望し、同意を得たお客様分のみサービス提供者にデータ提供を行います。

*1:重要生活機器セキュリティ協議会(積水ハウスはスマートホーム部会の主査)

 

博報堂の生活者理解力・データ分析力を活かした生活ログ解析の推進

博報堂はこれまで「生活者インターフェース市場」*1における価値創造型DX*2を推進してきました。

積水ハウスの持つ生活ログから生活モーメントや行動の源泉を明らかにするためには、生活者や社会の多面的理解に基づくデータ分析力が重要と考えています。

本プロジェクトにおいて博報堂は、生活者理解力とデータ分析力を活かし、生活ログから家族像や人物像の推計を推進していきます。

*1 : 生活者インターフェース市場

デジタル化で生活者とあらゆる企業や、モノ、場が常時・双方向につながり、その接点となるインターフェースに新しいサービスや体験が生まれています。博報堂は、これらを「生活者インターフェース市場」と標榜しています。

*2 : 価値創造型DX

企業のマーケティング活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進む中、企業のさらなる成長を創り出していくためには、ビジネスの効率化にとどまらず、“潜在需要を発掘し、生活者の新たな好意・行動を喚起し、よりよい生活、社会を創り出す”といった価値創造型のDXが重要と考えています。



両社の知見・データを活用した家族像の推計

本プロジェクトでは積水ハウスが蓄積してきた住まいや暮らし方に関する知見と、博報堂が掲げる生活者発想や所有する独自の調査データを掛け合わせて、多角的な視点から住まい手の家族像を考察しました。実際に生活ログデータの可視化や教師なし学習に基づく分析を行い、家族像を反映するような特徴的な行動の探索を行っています。

 

 

 

ワークプロセス

 

 

 

 

見えてきた家族像の一例

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