フューチャー、長崎大学の共同研究をRSNA 2023にて発表
CT画像から病理組織学的UIPパターンを予測するAIの有用性を検証
2023年11月24日
フューチャー株式会社(東京都品川区、代表取締役会長兼社長グループCEO 金丸恭文、以下フューチャー)に所属するコンサルタントの車向前、加藤善大が、国立大学法人長崎大学(長崎県長崎市、学長 永安武)大学院医歯薬学総合研究科 福岡順也教授が率いるチームと共同推進した研究『An Explainable Artificial intelligence to detect histopathological UIP pattern from HRCT images and Validation of its ability(Ryoko Egashira , Wataru Uegami , Mutsumi Ozasa , Xiangqian Che , Yoshihiro Kato , Yoshiaki Egashira , Go Takeshita , Yoshiaki Zaizen , Yasuhiro Kondoh , Takeshi Johkoh , Junya Fukuoka)』※1が、放射線医学関連における世界最大規模の国際学会RSNA(Radiological Society of North America:北米放射線学会)に採択されました。それにともない2023年11月26日から30日に米国シカゴで開催されるRSNA 2023にて、本研究内容を発表します。
本研究では、ILD (Interstitial Lung Disease:間質性肺疾患)において、HRCT(High-Resolution Computed Tomography:高分解能CT)画像から病理組織学的「UIP(Usual Interstitial Pneumonia:通常型間質性肺炎)パターン」を予測するAIを開発し、その有用性を検証しました。
対象疾患であるILDは、肺の間質を病変の主座として炎症や線維化がおこる疾患の総称です。その原因は様々で、診断においては、HRCT画像から特に予後不良で進行性の病態を示すUIPパターンが認められるかどうかが、治療方針を決定する上で重要です。しかし、HRCT画像が典型的なUIPパターンの陰影を示さない場合には診断が難しく、生検組織を用いた病理検査が必要となり、患者への負担が生じるという課題があります。そこで、長崎大学と当社コンサルタントの車向前、加藤善大は、HRCT画像から病理組織学的UIPパターンの有無を予測する機械学習モデルを開発しました。検証の結果、放射線科医がHRCTから既存の診断指針(Fleischner Societyによる特発性UIPに対するもの)を参考に診断した場合より、機械学習モデルの方が精度、AUC(Area Under the Curve)、感度が高く、一方で放射線科医の特異度が優れていることが確認できました。これにより、HRCT画像では典型的なUIPパターンの陰影を示さず、判断が難しい症例でも、病理検査を行うことなく治療方針を判断できる可能性を示唆しました。
フューチャーは様々な課題に向き合い社会をデザインするITコンサルティンググループです。なかでもAIに特化した専門組織「Strategic AI Group」では最先端のAI技術を活用し、課題解決に向けたコンサルティングと実装を手掛けています。また、2020年に立ち上げた「Healthcare Innovation Group」は、医療・ヘルスケア分野のDXとイノベーションを推進し、大学との共同研究や医療機関のデジタル化なども支援しています。今後もフューチャーは、テクノロジーをコアに医療の発展と課題解決に貢献していきます。
フューチャー株式会社 Strategic AI Group シニアコンサルタント 車向前
今回の成果が学会で発表されることを大変光栄に感じております。ともに研究を進めていただいた長崎大学の関係者の皆様へ、心より感謝申し上げます。この研究をつうじて、HRCTによる間質性肺炎の診断は非常に難しいことを改めて実感しました。今回の成果が診断の精度向上、患者の負担軽減につながることを期待しております。今後も一人の技術者として、AIを活用して、医療の進歩に貢献できるよう努めて参ります。 |
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フューチャー株式会社 Strategic AI Group グループリーダー 加藤善大
長崎大学との数年にわたる連携の中で、今回、その成果の一端を公表できることを嬉しく思います。また協力いただいた長崎大学の関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。本研究ではCT画像から病理診断を推測できる可能性を示唆しました。これは医療の発展に寄与するだけでなく、AIの応用性の広さを感じさせるものとなっています。今後も医療の進歩とAIの社会応用に貢献していきたいと思います。 |
※1
・Ryoko Egashira(Department of Pathology Informatics, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki, Japan and Department of Radiology, Faculty of Medicine, Saga University, Japan)
・Wataru Uegami(Department of Pathology, Kameda Medical Center, Kamogawa, Japan)
・Mutsumi Ozasa(Department of Pathology Informatics, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki, Japan)
・Xiangqian Che(Strategic AI Group, Future Corporation, Japan)
・Yoshihiro Kato(Strategic AI Group, Future Corporation, Japan)
・Yoshiaki Egashira(Department of Radiology, Faculty of Medicine, Saga University, Japan)
・Go Takeshita(Department of Radiology, Faculty of Medicine, Saga University, Japan)
・Yoshiaki Zaizen(Department of Pathology Informatics, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki, Japan and Division of Respirology, Neurology and Rheumatology, Department of Medicine, Kurume University School of Medicine, Japan)
・Yasuhiro Kondoh(Department of Respiratory Medicine and Allergy, Tosei General Hospital, Japan)
・Takeshi Johkoh(Department of Radiology, Kansai Rousai Hospital, Japan)
・Junya Fukuoka(Department of Pathology Informatics, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki, Japan and Department of Pathology, Kameda Medical Center, Kamogawa, Japan)
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 フューチャー株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 ソフトウエア・SI
- URL https://www.future.co.jp
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