「社会貢献」を、AIにも届く資産に変える発信とは

「社会にとっていいことをしているのに、AIに出てこない」。その差は、伝わり方から生まれている。「発信して終わり」から、「第三者に語られて残る」へ。

自社の社会貢献や環境への取り組みを発信し続けているのに、AIに会社のことを尋ねても出てこない。広報担当者として、そんなもどかしさを感じたことはありませんか。本記事では、社会性のある発信をAIにも届く資産に変えるために、何を、どう発信すればよいかを、LLMO(AIに引用・参照されやすくする取り組み)の視点で、順を追って解説します。

なぜ、社会的な取り組みほどAIに出てこないのか

まず、よくある場面から始めましょう。ChatGPTやGeminiに「(自社名)はどんな会社ですか」「(業界)で社会貢献に積極的な企業はどこですか」と聞いてみる。すると、何年も続けてきた環境活動や地域貢献が、回答に出てこないことがあります。代わりに出てくるのは、過去のトラブルや、あまり触れられたくない話題ばかり。こうした経験のある広報担当者は、少なくないはずです。

これは、取り組みの価値が低いからではありません。AIに出てくるかどうかは、第三者にどれだけ語られているかで決まるからです。AIは、メディア報道など第三者に多く言及された情報を参照しやすいとされています(参考記事:AI経由でアクセス数が増える? AIによる「引用」とは)。自社サイトで発表しただけでは、その言及はなかなか増えません。

さらに、人は、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応します。報道でも、事件や不祥事のような否定的な話題のほうが、大きく扱われやすいものです。そのため、過去のトラブルは第三者の言及として積み上がり、AIの回答にも出てきやすくなります。一方、地道な社会貢献は報道されにくく、言及が増えていきません。

良いこともしているのに、出てくるのは悪い話ばかり。この差は、取り組みそのものではなく、伝わり方から生まれています。裏を返せば、伝わり方を変えることで、社会的な取り組みもAIに届くようになります。

社会的な取り組みが、報道機関に取り上げられやすい理由

では、どうすれば第三者に語られ、AIにも届くのでしょうか。答えはシンプルで、まずは報道機関に記事として取り上げてもらうことです。

そのために、知っておきたいのがニュースバリューという考え方です。ニュースバリューとは、新聞やテレビなどのメディアが「報道する価値がある」と判断するための、情報の重要性や基準のことです。記者が記事にしやすいのは、自社の宣伝や活動報告そのものではなく、読者や社会にとって価値のある情報です。「こんな社会貢献活動をしました」という報告だけでは記事になりにくく、「その活動が、地域や暮らしのどんな課題に応えるのか」まで示すと、記事になりやすくなります。

例えば株式会社赤ちゃん本舗の「赤ちゃんのいる暮らし研究所」は、「子連れ引越しを乗り切るポイント」「働く親が朝にバタバタしないコツ」といった、暮らしの困りごとに応える調査を発信しています。商品の宣伝ではなく、読者の関心に応える情報だからこそ、記事として取り上げられやすくなります。

社会貢献や環境への取り組みは、社会や暮らしにとっての価値をもともと含んでいるため、この条件を満たしやすいといえます。だから、報道機関に取り上げられ、第三者の言及として広がっていきます。社会的な取り組みは、AIに届く素質をもともと持っています。あとは、その素質をどう届けるかです。

社会性のある情報がたどる、報道経路の特性

社会的な取り組みを報道機関に届ける。その基本的な手段が、プレスリリースです。プレスリリースとは、企業が新商品や調査、取り組みなどの情報を、報道機関向けにまとめて発信する文書のことを指します。報道機関にニュースとして取り上げてもらうための、最初の入り口といえます。

このプレスリリースを、どこを通して届けるか。ここで結果が大きく変わります。届け方は、大きく2つに分けられます。広く拡散させる届け方と、報道機関にしっかり届ける届け方です。

広く拡散させる届け方は、一度に多くの人の目に触れさせるのに向いています。ただし、誰でも手軽に出せるぶん、日々大量のリリースが流通し、玉石混交になりがちです。宣伝に寄った情報も混ざるため、記者は一本ずつ見極めるのに手間がかかります。結果として、価値のある社会的なネタも、その他大勢のなかに埋もれやすくなります。

一方、配信元が企業を審査し、質と信頼が担保された届け方では、記者は安心して目を通せます。だから、社会的なネタも埋もれにくく、記事として取り上げられやすくなります。記事になれば、地方紙や業界誌など報道機関各社のドメインに掲載され、第三者の言及として広がっていきます。

関連記事:なぜ今、地方紙・業界誌へのPRが重要なのか?プレスリリースなら“届けたい人に情報が届く”

報道機関を経た情報は、さらに別の媒体へと波及することもあります。例えば、赤ちゃん本舗がピジョン株式会社と共同で取り組む哺乳器の回収リサイクルは、ウェブメディアに掲載されたのち、専門メディアからの追加取材にもつながりました(赤ちゃん本舗へのインタビューより)。信頼される配信元を通すことで、第三者の言及が増えていきます。

BtoCこそ「拡散」より「真摯な伝達」が指名検索を生む

ここまでは、報道機関に届けることの効果を見てきました。これはBtoCの広報でも同じか、むしろ強く働きます。それは、AIの回答が消費者の選択に影響し始めているからです。AIにおすすめされたことをきっかけに商品やサービスを購入・利用した人は、47.5%にのぼりました(出典:株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント GEOラボ、生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾を実施」。2026年2月、全国10〜60代の男女9,278名、調査機関:マクロミル)。AIの回答に出てくるかどうかは、消費者に選ばれるかどうかに直結し始めています。

だからこそ、BtoCでも、広く一度に拡散させるより、報道機関に丁寧に届けるほうが効いてきます。記事として取り上げられ、第三者に語られた情報は、AIにも人にも信頼されやすく、「あの会社の取り組みは信頼できる」「共感できる」という認識につながります。その積み重ねが、指名検索やブランドの想起を生みます。

社会性は、社会貢献だけではありません。自社が、社会のどんな課題に向き合っているかを伝えることも含まれます。例えばクックビズは、飲食業界の人材という社会課題に向き合う姿勢を発信し、共感した応募者の増加につなげました。真摯に発信した社会性が、人の共感と行動につながった一例です。

広く届けて終わりではなく、真摯に伝えて記事にしてもらう。BtoCの広報においても、これがAIにも人にも選ばれる土台になります。

関連記事:「自分たちが伝えたいメッセージを届ける」ためにプレスリリースをうまく活用したい【クックビズ株式会社】

地方紙・業界誌での丁寧な紹介が、長期的に言及を積み上げる

もう一つ大事なのが、どの媒体で、どれだけ続けて紹介されるかです。ここで効いてくるのが、地方紙・業界誌の存在です。

AIが参照先を選ぶ際の指標として、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が重視されるとされています。地方紙・業界誌は、その地域や分野に根ざした記者が専門的な視点で書く媒体です。そこで紹介されることは、専門性・権威性のある第三者の言及となり、AIの引用元としても参照されやすいと考えられます。広く浅く拡散されるより、その分野の専門メディアで丁寧に紹介されるほうが、長期的に効いてきます。

そして、一度きりでは積み上がりません。続けて届けることで、言及が重なっていきます。例えば赤ちゃん本舗は、「赤ちゃんのいる暮らし研究所」の調査を、季節や話題に合わせて再編集しながら継続して発信しています。その結果、多くのウェブメディアで取り上げられ、さらに別の媒体へと広がっていきました。一度きりではなく続けているからこそ、第三者の言及が積み重なり、信頼の蓄積につながっています。

関連記事:子育て総合支援企業として、暮らしに寄り添う情報発信を届けたい【株式会社赤ちゃん本舗】

専門メディアでの丁寧な紹介を、続けて積み上げる。それが、AIにも人にも届く資産へと育っていきます。

社会性ネタの設計と、配信先選定のポイント

最後に、社会性のある発信を続けるための、具体的な設計をまとめます。ポイントは、ネタの作り方と、届け先の選び方です。作り方のポイントは、3つです。

  1. 調査やデータで、社会の関心に応える:自社の宣伝ではなく、暮らしや業界の課題に応える調査リリースは、報道機関にも取り上げられやすくなります(関連記事:調査PRとは?調査リリースを発信して認知度をアップしよう)。
  2. 一度きりで終わらせず、続けて届ける:新規性に縛られないニュースレターなら、地道な取り組みも継続して発信できます(関連記事:ニュースレターとは?赤ちゃん本舗様の事例で見る、作り方や効果を最大化するポイント)。
  3. 自社都合ではなく、社会の視点で書く:「社会や暮らしにとって、どう役立つか」を主語にすると、記者にも響きやすくなります。

作り方が決まったら、最後は届け先です。広く一度に拡散させるより、記者に信頼される配信元を通して、報道機関に届く形を選びましょう。とくに、その分野の専門メディアに継続して紹介されることが、長期的な言及の積み上げにつながります。社会性のある発信は、作り方と届け先を設計することで、続けやすく、AIにも人にも届きやすくなります。

社会性のある発信を、AIにも届く資産に

社会的な取り組みがAIの回答に出てこないのは、取り組みの価値が低いからではありません。第三者にどれだけ語られているか、という伝わり方の問題です。社会性のある情報は報道機関に取り上げられやすく、その分野の専門メディアで信頼される形で続けて届けるほど、第三者の言及が積み上がります。それが、AIにも人にも届く長期のブランド資産になります。

まずは、自社がAIにどう映っているか確かめましょう

次の3つを、ChatGPTやGeminiに聞いてみましょう。

  • 「(自社名)はどんな会社ですか」
  • 「(自社名)は環境やサステナビリティに取り組んでいますか」
  • 「(業界)で社会貢献に積極的な企業はどこですか」

広報TIPS — 聞いて終わりにせず、記録に残しましょう。①同じ3つの質問を四半期に一度くり返し、回答の変化をメモする、②社会的な取り組みを発信したあとに、回答へ反映されたかを確かめる、③回答に出てこなかった取り組みをリスト化し、次の調査リリースやニュースレターの種にする。AIの回答は日々変わるものなので、一度の結果に一喜一憂せず、変化の方向を見ることが大切です。

ここで社会的な取り組みが出てこなくても、これから変えられます。社会性のある情報を、信頼される配信元から、その分野の専門メディアへ。続けて届けることが、AIにも人にも選ばれる状態を作ります。

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共同通信PRワイヤーは、その発信を支える配信元です。運営元である共同通信グループの信頼性を背景に、業界誌・専門紙を含む報道機関への情報網を持っています。記者の目に届く設計により、配信したプレスリリースの記事化率は約7割※にのぼります。さらに、提携メディア69サイトのうち51サイトでは、配信した原文がそのまま転載されます。社会性のある発信を、AIにも届く資産に育てる一歩にご活用ください。

※記事化率は、2021年12月に国内メディアへ配信した532本を2022年2月まで追跡した数値です。紙媒体・WEBメディアが対象で、提携メディアへの転載は除外しています。

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