
きょう7月25日は「うま味調味料の日」。1908年のこの日に、東京帝国大学教授の池田菊苗がうま味成分を使った調味料の製造法で特許を取得したことにちなみ、日本うま味調味料協会が制定した。協会がこの日に掲げているのは、発明を記念することだけではない。「化学調味料」という呼び名を改めてもらうことだ。
池田は昆布だしのうま味の正体を探り、グルタミン酸がその本体であることをつきとめた。特許は1908年4月24日の出願で、同年7月25日に取得している(特許第14805号)。翌1909年には、この成分を料理に使えるようにした世界初のうま味調味料が発売された。「うま味」は池田が名づけた言葉で、いまは umami として海外の研究者にも通じる。
長く「化学調味料」と呼ばれてきた経緯について、協会は、放送番組で商品名を出せない事情から一般名称として広まったと説明している。当時の「化学」には先進的な響きがあった。語感が変わったのは1970年代以降で、公害問題などを背景に「化学」への不信が広がる。協会は1985年に呼び名を「うま味調味料」へ切り替え、自らの名称も「日本化学調味料協会」から改めた。
消費者庁のガイドラインを経て14品目に
協会が2020年6月に行った調査では、何を「化学調味料」と捉えるかは回答者によってばらばらだった。天然には存在しない人工的な物質だという誤った受け取り方も生じていた。商品へのパーセプション(認識)が、事実と離れていた状態だ。


消費者庁は2019年から食品添加物の表示制度を議論する検討会を開き、2020年3月の報告書で「化学調味料」を定義が不明確な用語だと指摘した。2022年3月に公表された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」では、「化学調味料不使用(無添加)」が、表示禁止事項に当たるおそれが高い表示に整理された。
協会は2018年から、この表示がある商品の数を定点観測している。ガイドライン公表前の2022年には599品目あったが、14品目まで減った。協会は98%減としており、倉島薫会長(当時)は2025年12月の事業報告会で、2025年2月時点で「ほぼ撲滅された」と報告している。減少はガイドラインの浸透によるものだと協会は説明する。
協会は1948年に9社で発足し、いまの会員は味の素、三菱商事ライフサイエンス、ヤマサ醤油、新進の4社。6月18日付で新会長に正井義照氏が就任している。
広報TIPS — 呼び名を改めてほしいと言い続けるだけでは、世の中の表記はなかなか変わりません。協会は自分たちで消費者に聞き、「この言葉が何を指しているのか、受け取り方がばらばらだ」という調査結果を出しました。意見ではなく数字なので、行政の検討会で「定義が不明確な用語」として扱われ、食品表示のルールの解釈に入りました。
