
夏休みや帰省の話題が行き交う8月。季節はまさに夏真っ盛りですが、少し先に目を向けると、企業の動きはすでに年末へ向かい始めています。
2027年のおせちは8月から予約販売が始まり、百貨店では9月以降のおせち、10月からのクリスマスケーキ予約に向けた動きも見え始めています。
生活者がお正月やクリスマスを意識するのはもう少し先。それでも、商品を企画し、撮影し、販売ページやカタログを制作し、予約を受け付けるためには、何カ月も前から準備が必要です。
これは広報も同じです。
年末には、クリスマス、年間ランキング、今年の振り返り、来年の予測など、多くの発信テーマが集中します。12月になってから「何を発信しよう」と考えるのではなく、その情報をいつまでに整え、いつメディアへ届けるのかを逆算しておく必要があります。
季節は夏でも、広報担当者の思考は少し先へ。
お盆の今だからこそ、年末の広報を考えてみませんか。
お盆なのに、もう「おせち」が始まっている
8月といえば、夏休みや帰省、花火、猛暑といった話題を思い浮かべる人が多いでしょう。
ところが、企業のカレンダーを見てみると、すでに次の季節が始まっています。
ベルメゾンは、2027年向けの「キャラクターおせち」の予約販売を2026年8月3日から開始しました。
大丸・松坂屋でも、2027年のおせちの予約を9月中旬から開始する予定です。
お正月まで、まだ4カ月以上あります。
それでも8月、9月から販売できるということは、その前に商品企画や仕入れ、撮影、商品ページ制作、広報素材の準備など、多くの工程が進められているということです。
消費者にとっては「まだ夏」でも、企業にとってはすでに「年末」が始まっています。
そして、この時間差は広報にもあります。
クリスマスも、見えるころには準備が終盤に
年末の準備が早いのは、おせちだけではありません。
大丸・松坂屋では、2026年のクリスマスケーキの予約受付を10月1日から開始する予定です。
12月24日のクリスマスイブから逆算すると約3カ月前ですが、当然ながら10月1日に突然商品や写真、販売ページが完成するわけではありません。
- どの商品を扱うのか。
- どのようなビジュアルで見せるのか。
- どんな切り口で今年らしさを伝えるのか。
生活者の目に商品情報が届くころには、企業側の準備はかなり進んでいます。
季節の企画は、「その季節になってから考える」のでは遅いのです。
これはメディアへの情報提供についても同じことが言えます。
参考
大丸松坂屋-【2026】クリスマスケーキの予約・お取り寄せ
広報担当者の「12月」も、夏から始まる
12月は、広報にとって発信テーマの多い時期です。
たとえば、
- クリスマスや年末年始の商品・イベント
- 今年の振り返りや年間ランキング
- 来年の予測やトレンド
- 冬の健康、防災、帰省、旅行
- 消費、物価、家計に関するデータ
- 初売り、福袋、おせち
- 来年から始まる制度や新サービス
- 1年間の実績や調査データ
などがあります。
こうして並べてみると、「12月に発信する情報」を12月から作り始めるのは、かなり慌ただしいことが分かります。
年間データを発表したければ、何を集計するかを決めなければならない。
調査リリースを出したければ、調査設計、実査、集計、分析が必要になる。
商品やイベントをメディアに紹介したければ、写真や取材素材、担当者のコメントなども準備したい。
さらに、メディアも年末に向けて特集や企画を準備します。企画を検討する時期は媒体や番組によって異なりますが、掲載日や放送日の直前に情報を届ければよいとは限りません。
だからこそ、広報は「発表する日」だけを見るのではなく、その少し前にある時間を意識する必要があります。
「実施日」ではなく「企画が始まる日」から逆算する
広報のスケジュールは、商品発売日やイベント開催日を起点に考えがちです。
たとえば、
12月10日に新商品を発売する —
→ 12月初旬にプレスリリースを出す
という考え方です。
もちろん、ニュースとして正式に発表できるタイミングは重要です。
ただ、メディアへの露出まで考えるのであれば、もう少し前から逆算してみる必要があります。
考えておきたいのは、
- メディアが関連企画を考え始めるのはいつか
- いつから商品やサービスについて話せるのか
- 取材や撮影に対応できるのはいつか
- 写真や動画を提供できるのはいつか
- 調査や年間データを確定できるのはいつか
- 社内確認にどれくらい時間が必要か
といったことです。
発表日だけを起点にすると、「リリースは間に合ったけれど、紹介してもらいたかった企画には間に合わなかった」ということも起こり得ます。
広報のカレンダーには、社内の事業スケジュールだけでなく、メディアが情報を必要とする時期も重ねておきたいところです。
お盆の今、年末に向けて一度棚卸しを
とはいえ、8月に12月のプレスリリースを完成させる必要はありません。
今やっておきたいのは、「今年の年末に発信できそうなもの」を一度洗い出すことです。
たとえば、
- 今年ならではの商品やサービスはあるか
- 1年間を振り返って発表できる数字はあるか
- ランキングにできそうなデータはあるか
- 来年に向けた予測やトレンドを語れる人はいるか
- 年末年始に絡められる取り組みはあるか
- 来年開始予定の制度やサービスはあるか
この段階で「使えそうな情報」を見つけておけば、必要なデータを蓄積したり、写真を撮ったり、社内外の関係者へ相談したりする時間を確保できます。
そしてもう一つ考えておきたいのが、その情報をいつ届ければ、メディアにとって使いやすいのかという視点です。
「12月のニュースだから12月に準備する」のではなく、
12月に届けたい —
→ 11月には何が必要?
→ 10月には?
→ では、8月の今からできることは?
と、カレンダーを逆向きにたどってみる。
おせちが8月から動き始めるように、広報にも「見えない準備期間」があります。
外はまだ真夏。
それでも、広報担当者の頭の中では、そろそろ少しだけ冬のことを考え始めてもよい時期なのかもしれません。
